ガチトラ! ~暴れん坊教師 in High School~

【がちとら! あばれんぼうきょうし いん はいすくーる】

ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 スパイク
開発元 スタジオ斬
発売日 2011年4月21日
定価 UMD版:5,229円
ダウンロード版:4,200円
判定 ゲームバランスが不安定
バカゲー
ポイント 喧嘩番長シリーズ+萌え要素+バカ要素=本作
激論で魂を裸にする
なかなかきつい難易度
ゲーム自体は良作


概要

『喧嘩番長』の生みの親である松本朋幸が監督・脚本*1を務めたアクションアドベンチャーゲーム。
主人公でありヤクザの若頭である梶虎男(CV:小西克幸)、通称「トラ」が故あってクセもの揃いの学園に赴任し、生徒たちの悩みを体当たりで解決していく…という、『GTO』や『ごくせん』を想起させるような型破りな教師の活躍を描く。


ストーリー

任侠組織の若頭にして、喧嘩401戦無敗の伝説を誇る梶虎男は「人食いのトラ」の異名で恐れられていた。しかし義理人情に厚い性格から、舎弟のみならず地域の住人にも慕われる漢でもあった。
その虎男が所属する大神組の組長であり、彼の親代わりである大神義明は難病に侵されていたが、手術が可能な医者はドイツにしか居らず、しかし大神は大の高所恐怖症で飛行機に乗れない為、ドイツまで手術を受けに行く事も出来ないでいた。
孤児だった自分を育ててくれた大神に報いる為、虎男はドイツに行って医者を拉致する事すらを考えていたが、その最中にひょんな事から市内の高校「龍ヶ峰学院」の生徒である末広結衣が飛び降り自殺しようとしている場面に遭遇。成り行きで巻き込まれた虎男は、教師達の誰の説得にも耳を貸さなかった結衣から本音を引き出し、更には彼女が抱えていた問題をも瞬く間に解決してしまった。
その姿に教師の資質を見出した校長の片山昌三は、虎男を臨時教員として誘う。当然断る虎男だったが、引き受ける見返りとして、ドイツの医者を来日させる事を約束された為、躊躇しながらも教師になる事を決意する。
物心付く頃から極道の世界に身を置き、教員免許はおろか普通の勉強に関してもからっきしの虎男だが、持ち前の腕っ節と漢気で生徒達の悩みを解決していく。そして当初は嫌々引き受けた虎男自身にもまた、教師としての自覚が芽生えていく。


特徴

  • 『喧嘩番長』シリーズや『龍が如く』シリーズ同様に、3Dで描かれたフィールドを自由に探索する事が可能。ストーリーを進める以外にも、バトルやミニゲーム、多数のサブイベントを楽しむことが出来る。
    • 但し、フィールドはシームレスではなくエリア毎に独立しており、更に各エリアは小さなマップに区切られている。エリア外は全体マップから行き先を指定する形であり、この点は『喧嘩番長』(『4』以降*2)寄り。メインの舞台となる学校の他、繁華街や住宅街などのマップもある。
    • また、『喧嘩番長』のように一般市民に暴行を働く事は出来ず、戦闘はエンカウントによってバトル画面に移行する。ストーリーも分岐の無い一本道で、『喧嘩番長』のようなシナリオ面での自由度は無い。寧ろ、ゲームとしては『龍が如く』に近いアクションアドベンチャーとなっている。主人公が元武闘派ヤクザという点も併せて『虎が如く』と呼ばれる事も
  • 戦闘は上記シリーズのような喧嘩アクションだが、本作は不良やヤクザ相手の普通のリアルファイトは少なめで、激論を戦闘で表現したソウルヌードバトル(SNB)がメインの戦闘となる。これが本作がバカゲーたる最大の要因であり、魅力である。
  • 主人公の服装、髪型をカスタマイズする事ができる。一度購入した服や髪型はいつでも自宅で変更可能。
  • メインストーリー以外にも生徒や一般市民などから受けるミッション(サブストーリー)が多数用意されている。これもまた『龍が如く』に近い。
  • 同社の『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』や『喧嘩番長5 漢の法則』との連動要素があり、セーブデータがあるとゲーム中で特典を貰える。
    • さらにサークルK・サンクス、ステーキのどん、Right-on、タックルベリーと言った実在店舗、富士Qハイランドの「絶叫戦隊ハイランダー」とのタイアップもある。
    • 作中の映画館に行くと「絶叫戦隊ハイランダー」のムービー、『ダンガンロンパ』『喧嘩番長5』『侍道4』のPVを観る事ができる。
  • テレビドラマを意識した構成になっており、各話のラストは主題歌の一番と短いスタッフロール、そして次回予告が流れる演出になっている。
    • それに伴い、エンディングはドラマの最終回のような演出で、主題歌のフルバージョンと正式なスタッフロールが流れる。
    • 尚、各章のスタッフロールは本作がドラマとして撮影されたと仮定したものであり、「撮影協力:龍ヶ峰市の皆さん」などと言った表記があったりする。

評価点

「燃え」要素

  • 熱く王道的なストーリー。
    • 端的に言うと凄くベタ。登場人物にしても、無駄にセクシーな保険医やハゲでイヤミな教頭、語尾が「ヤンス」な舎弟や夢を見失ってグレた元野球部員など見覚えのある設定が多数。だが、そこがいい。
      • 序盤から登場する末広結衣は「高校生アイドル」「命の恩人である主人公にぞっこん」「CVが釘宮理恵」と、かなりどこかで見たようなキャラである。ついでに当該キャラと見た目も結構似ている。
    • 豪華声優多数出演の名は偽りなし。アイドル声優から大御所まで幅広く出演。それも物凄くベタな配役である。だが、そこがいい。
      • 特に主人公役の小西氏はシリアス面でもバカ面でも熱演を聞かせてくれる。ギャグマンガの如くコミカルに表情が変わる*3主人公の特性も相俟って、とにかくプレイヤーを飽きさせない。
      • 浪川大輔、諏訪部順一と言った初期の『喧嘩番長』に出演していた声優も主要人物役として参加している。
    • 元極道で教養も免許も無い男が悩める生徒達を導いていく」という、今まででありそうでなかったテーマを扱っている。悩む生徒はどれも一癖も二癖もある人物ばかりで、「両親に仲直りしてほしくて引きこもりをする少年」「ある理由で喋れない少女」などもいる。そしてそれらを梶虎男は熱い言葉と元ヤクザの地位を利用して助けていく。
      • この梶虎男もなかなか熱くて魅力溢れる漢で、最初はいやいや指導を行ってはいるものの、徐々に生徒を助ける為に一肌脱いだり普通の教師ならやらないことをやってまで助けていくようになっていく。そして上述した通り、声優の熱演と表情の変化がその魅力を底上げする。
      • リアルの喧嘩においても401戦無敗という猛者であり、「人喰いのトラ」の呼び名で恐れられている。そんな彼が生徒に手を上げる事が許されない中で、いかにして生徒達を導いて行くのかも見所である。
      • 車に派手に撥ねられるも無傷。最初のHRで教卓にドスを突き立て、しかもそれで黒板に名前を刻む。などギャグ方面でも楽しませてくれる。
    • モンスターペアレント、いじめ、ネットの殺人予告、美人局、闇金の取り立てなど、現代の教育問題や社会問題に踏み込んだ部分もあり、シリアスな学園ドラマとしての側面も見る事ができる。それでも陰鬱な展開に進むことはなく主人公の手で熱く解決され、いずれのエピソードも後味良く終わる。
  • 最初はヤクザスタイルの技しか使えないが、サブイベントをクリアすることでプロレス技や空手なども使えるようになる。複数の敵をまとめて蹴散らす爽快感は『喧嘩番長』『龍が如く』に引けを取らない。
    • SNBは一対一の戦闘なので少々赴きが異なるが、後述するようにこちらはこちらで他のゲームではまず有り得ない、『喧嘩番長』『龍が如く』すらも(色んな意味で)凌駕するぶっとんだ喧嘩が楽しめる。
    • 尚、パラメーターはSNBとリアルファイトで共通である。喧嘩も激論も繰り返せば双方で強くなっていく。なんで激論でライフが減るんだとか突っ込んではいけない

「萌え」要素

  • メイド喫茶が登場する。メイドと遊んだり料理させたりなどしてメイドを育てていくという、いわゆる育成もののサブイベント。
    • メイドを撮影することも可能で、撮った写真はメモリースティックに保存することができる。さらにミニゲーム中のメイドの声*4もどこか卑猥なものもあって、メイド萌えには非常にたまらない。さらに条件を満たせばセーラー服やスク水に着替えさせることも可能で、それらが好きな人にも非常にたまらない。
    • ただし、ローアングルで撮影しようとしたりパンチラを狙ったりすると怒られてしまう。まあ、仮にも教師だしねトラちゃん。
  • グラフィックのクオリティはPSPソフトでは高い方であり、女性キャラは全体的に種類や仕草が豊富で可愛く作られている。全体的に男臭い『喧嘩番長』や、女性関連はセクシー路線一本の『龍が如く』とは大きく異なる本作独自のウリである。
    • 『喧嘩番長』シリーズは恋愛要素が豊富で可愛い女の子も登場していたが、それらはサブ要素であり、あくまで本編は漢達の熱いストーリーだった。対して本作は本編に女子生徒や女性教師も関わってくるという違いがある。
    • また、重要なイベントシーンは『クロヒョウ』や『MPO』のようなコミック形式ではなく、フルボイスのムービーで描かれる。スキップは勿論、早送りまで可能。
      • ボイスなし&台詞が噴き出しで表示される『喧嘩番長3』以降のようなイベントも多いが、そう言ったシーンでもキャラやカメラワークはムービー同様にしっかりと動き、退屈させない。

「バカ」要素

  • ソウルヌードバトル
    • 本作最大のバカゲー要素。激論を戦闘で表したもので、このシステムのおかげで非力な一般市民とも戦うことができる。
    • あくまでも現実世界の戦いではないので、相手が女子生徒だろうと年寄りだろうと容赦無く殴る蹴る叩きつけるといった攻撃が可能(さすがにCERO Dだが)。喧嘩とは無縁のはずの非力な市民や生徒が有り得ない身体能力で主人公と殴り合う様は実にシュールで面白おかしく、相手の攻撃手段もユニークなものが多い*5
    • 敵の体力を削りきると「心の殻」を発動させるブチギレ状態になる。心の殻を全て破壊すれば勝利となるのだが、この状態になってからがSNBの真骨頂である。
      • コーヒーカップに乗って突進してきたり、光線を放ったり、中には某サイボーグ猫漫画の如く人を振り回してきたり、一歩間違えればトラウマになりそうな「アッー!」な攻撃を仕掛けてくる相手もいる。ボスになると巨大化して腕を叩きつけてくる分身を嗾ける周囲に火柱を上げながら本体が消失と出現を繰り返すなど、最早何のゲームか分からなくなるほどぶっ飛んだものまである。
    • ボス戦が最後に放つ「心の叫び」もいちいち演出が凝っており、それを打ち破って放つ虎男のトドメの一撃(拳から放たれた黄金の虎がボスに突っ込んでいく)も爽快。さらにこのトドメの一撃で倒されたボスは男女問わず全裸になって吹っ飛ぶ*6
    • 画面上部には現実の光景が表示される。悩みに応じた激論を交わし、時には話が脱線したりと面白い掛け合いとなっている(さすがにエンカウント戦闘は汎用台詞が多いが)。相手は「心の殻」が発動すると正気を失ったかの如く支離滅裂な発言を繰り返すようになるのもまたシュール*7
      • 虎男も虎男で、普段は「○○なんじゃねえの?」「落ち着けって!」と真っ当に受け答えするのだが、イライラゲージ*8がMAXになると「バーカバーカ!」「終いにゃブン殴んぞ!」などと喚き散らすようになる。現実もゲームもストレスを溜めないことが重要である。
    • 人々の悩みも「異性にモテない」「太ってる」という身近なものから「リストラされた」「セクハラされた」といったリアルなもの、果ては「透明人間になりたい」「(男子生徒が)先生、俺に気があるんでしょ?」といった本気で殴りたくなるものまで様々。
      • それに対し、虎男はどんな悩みでも真摯に受け止めて解決方法を提示する。似た悩みを抱える人は解決のヒントになるかも?*9
      • この悩みの幾つかは「あなたの悩み募集キャンペーン」として一般公募されたものであり、採用者は実際にその悩みを引っさげ、SNBで戦える生徒としてゲームに登場している。
    • ザコ戦を含め、戦闘開始時に相手の名前と職業(生徒の場合はクラスまで)が表示されるのも芸が細かい。
    • ストーリーで発生するもの以外では、街や学校内を歩くNPCに話し掛けると相談を持ち掛けられる事がある。これに応じるとSNBに突入する。
      • また、歩いていると急に「ちょっと聞いて!」と駆け寄ってきて強制的にバトルに突入することもしばしばある。所謂エンカウント戦闘である。一定時間話しかけられなくなるアイテムもある。
  • 生徒達には授業を行うことで成績を伸ばすことができるのだが、その内容のほとんどがトリビア*10。生徒達からは「受験には役に立たないけど面白い」と評判。
    • 授業を行うには「教材研究」として資料アイテムを集めたり、買い物や各種プレイスポットを利用する必要がある。様々な知識・経験を積んでこそ、人に物を教えられると言う事である。
  • 着用できるコスチュームの中にはウサギやトラの着ぐるみもある。着ぐるみをきた梶虎男のシリアスシーンは見てるだけで爆笑ものである。
    • 『ダンガンロンパ』との連動でモノクマの着ぐるみまで手に入る。龍ヶ峰学院が希望ヶ峰学園に変わってしまう。
  • ちなみに本作の開発会社の「スタジオ斬」とは、一部で有名なPS屈指のバカゲー『ライジング ザン ザ・サムライガンマン』の開発スタッフが設立した会社である。本作のぶっ飛んだバカゲーっぷりはある意味必然と言える(?)。

その他

  • ミッションも豊富であり、メインキャラの掘り下げが行われたリ、本編に関わらないNPC達の意外な個性が覗けたりする。
    • 本編で戦う機会の無いメインキャラも、何人かはミッションで戦う事ができる。
    • 主人公のクラスの生徒のうち本編に関わるのキャラ以外にも皆個別のミッションがあり、クラス全員分のドラマがしっかり描かれる。
      • あるカップルに至ってはミッションで本編の1エピソード並の大掛かりなイベントが用意されている。
  • 主題歌「Core」は本作のイメージに合致した良曲。
    • 上述したように毎回章クリア時にスタッフロールと共に流れるのだが、各章のエンディング演出とこの曲が組み合わさった様は正にテレビドラマのエンディングであり、雰囲気は抜群。
    • 作詞は松本氏自身が手掛けている。1話毎のスタッフロールで流れる1番を聴くだけではよく分からないが、実は本作ヒロインの新堂美鈴の心境を綴った歌詞となっており、ストーリーを最後まで見てから歌詞を読み解くと感慨深い。
    • この曲はサントラに収録されているのは勿論、かつては公式ブログにて歌詞はおろか曲そのものが無料配信されていた(残念ながら現在では楽曲へのリンクが切れている)。
  • 服、髪型、釣り上げる魚など、収集要素もあり、末永く遊べる。
    • クラスの生徒全員にパラメーターが設定されており、授業を行う事で伸ばす事ができる。一定まで成長した生徒は卒業資格を手にするが、達しなかった生徒は留年し、エンディングの集合写真にも載らずに終わってしまう。授業をサボり過ぎると先生だけのとても寂しい記念写真になってしまう事も…。
    • 授業の条件の「教材研究」には上記の収集要素が関わっており、全ての授業を行う=全ての生徒を卒業させるにはこのゲームを徹底的に遊びつくす必要がある。果たして全員が写る集合写真は撮れるか!?
  • シナリオ毎に全く違ったミニゲームが登場する。
    • 前述のメイド喫茶を含め、ストラックアウトや釣りといった定番もの、うまく相手の会話に合わせてラブホテルに誘導するものやツボ押しマッサージ*11といったちょっとHなもの、果ては爆弾解体といったシリアスなものまで様々。
    • クリア後も一部を除くミニゲームは再プレイ可能。ハイスコアを出す事が授業の条件にもなっている。
      • 本編中は再プレイできないミニゲームでもエンディング後は好きなだけプレイできる。
  • 遊心あふれるインターフェイス。
    • 難易度イージーの名称が「ゆとり」だったり、ロード待ち画面で表示される落書きを黒板消しで消すことができたりと細かい点まで作り手の遊び心が感じられる。
    • 主人公のパラメーターは1レベル毎に称号が用意されている。「まだまだ未熟者」「祝!未熟者卒業」「まあ半人前」など、最初の方はバカにされているみたいだが、強くなれば「達人」「市内最強」「国宝級」など賞賛するものに変わっていく*12
  • クリア後は「虎男の軌跡」というメニューが使用可能になる。
    • プレイしたい章を選択できる他、メインストーリー中に登場したミニゲームで遊んだり、本編のボスキャラを選んで再戦することも可能。
    • また、未クリアのミッションは発生時期、依頼人の名前と居場所が表示されるようになるので探しやすくなる。

難点

  • ミニゲームも含め、全体的に難易度が高い。序盤はある程度適当にやっても問題ないが、後半の敵の多くはこちらの攻撃をステップやガード、弾き*13で防ぐ上に、攻撃も激しい(特に「弾き」は序盤から頻繁に使われる)。受けるダメージも高めで、ちゃんとアイテムを用意しておかなければあっさり敗北してしまう。
    • イベント戦闘で敗北すると難易度を下げてコンティニューもできるのだが、それを前提とした難易度としか思えない。
    • 一度エンディングを迎えた後は敵が全体的に強化される。序盤こそ一周目と大差ないが、後半の章は敵の強さが尋常ではなく、少し気を抜けば一般市民にすら負けるほど。
    • ちなみにイベント戦闘は負け続けると「クリアした事にする」と言う冗談のような選択肢が出現する。こんな屈辱的な選択までしたくなる様子を想像すれば難易度の高さが判る筈。
  • クラス全員卒業…即ち、コンプリートの為にはミニゲームの殆どを完全制覇する必要があり、苦手な人にはきつい。
    • 特に部活指導を完全クリアするには各部活の最後にプレイ可能になるデスマッチやサドンデスで一定以上の成績を収めなければならないのだが、部活によってはとんでもなく難易度が高い。
      • プロレス同好会、ボクシング部は1人倒す毎に少しHPが回復する為、ダメージを抑えればなんとかなる。テニス部は一定回数ラリーを繋ぐだけなので、最後の対戦相手こそは強いがそれさえ乗り切ってしまえば比較的楽。
      • 問題は空手部と野球部である。空手部は一発当てるだけで勝負が付く為、少しでも隙を見せればやられて全てが水泡に帰す。しかも弱い部員が急に強くなる事もあり、運まで絡む。
        野球部はストライクを連続で取らなければならない(ボールやファールが出ても終了)のだが、相手はストライクゾーン内ならほぼ確実に当ててくる為、目押しの難しい火の玉か分身魔球を連続で投げ続けなければならない。しかもコンプリートに必要な回数は20回
    • メイド喫茶はメイドさんのレベルさえ上げれば良いので無理に高難易度ミニゲームに挑む必要は無いが、当然難易度が低いミニゲームでは成長が遅い。時間さえ掛ければ何とかなる分、部活指導よりよほど良心的だが。
    • 部活指導ほど厳しくはないが、他のミニゲームも完全攻略は簡単には行かない。
    • 戦闘やミニゲーム以外でも、アイテムやミッションのコンプリートと言った難題が条件になっている授業もある。クラス全員卒業までの道のりは長い…。
      • 技レベルが最大の50にならなければ発生しないミッションがあるのだが、普通にやっていればゲームクリア段階でも30中盤程度しか上がらない。稼ぎ場となる敵キャラもいるが、エンディング後&難易度ハードにして獲得経験値を上げても相当戦わなければならない。そこまで上げればエンディング後の高難易度世界も恐れるに足りなくなる為、苦労に見合うメリットもあるのだが。
  • メイド喫茶を含め、全体的に物価が高め。ミニゲームをプレイするにも金が必要。そのため序盤は金欠で何も楽しめないことも。
    • しかしある条件を満たすと出現するオークションをうまく利用すれば比較的簡単にお金が貯まるので、案外どうということもない。
    • また、回復アイテムは特別高いわけでも無いので、クリアするだけなら金に困る事はそうそう無い。
    • 戦闘に買っても資金は入らないので、オークションを除けば基本的に章クリア時の給料が資金源となる。
  • クリア後のプレイに少々不便なところがある。
    • 上述した通り、ただでさえ強い敵が更に強化されるので、後半の章はとても気軽にはプレイできない。
      • また、章選択後はその章をクリアしない限り虎男の軌跡に戻れない。ザコ戦は負けてもゲームオーバーにはならないし、イベント戦闘も上述の「クリアした事にする」ことができるので、詰む心配は無いが心情的には気分の良いものではない*14
    • 一度行った授業は、周回プレイ時でも行うことが出来なくなる。なので、クリア後のシナリオ選択で遊んでいる時に生徒から「もっと授業をして欲しい」とメールが来ることも。
      • 章クリア時の給与査定もその章で行った授業が反映されるので、クリア後のプレイでは低評価ばかり付くことが少なくない。
        また、査定に影響するのは生徒達の能力の伸び具合なので、伸びのいい生徒がカンストした後は残った生徒の遅い成長だけが反映されてしまい、一層低評価が付きやすくなる。
    • 『龍が如く』のプレミアムアドベンチャー*15的なおまけは用意されていないので、どこか行きたい場所があったら、そこに行ける章を選択して行ける時期までストーリーを進める必要がある。
      • 時間帯も朝、昼、夕、夜と分かれ、店舗の営業時間や釣れる魚などに影響するのだが、これも自由に変更は出来ないのでストーリーに沿って変えるしかない。
    • 「クリア状況や達成度をリセットしてパラメーターだけ引き継いだ2周目」は存在しない。上述した通り授業に加え、一度クリアしたミッションも再プレイ不可能なので、また体験したくなったらニューゲームで最初からプレイするしかない。
  • ミッションが豊富なのは良いのだが、受託系のミッションは一度に一つしか受けられない。
    • その為、達成前に別のミッションを受けたら受託が解除されてしまい、後で達成するにはまたミッションを受け直さなければならない。
    • 条件を満たせば達成になるミッションや、その場で済むミッション、イベントを挟むなどの一部のミッションは該当しない。
    • また、「○○のミニゲームで××点以上取った」というのが何種類もあったりと、水増しのようなミッションもいくつか見受けられる。
    • ミッションをクリアするとそれに応じた虎男のコメントが見られるのだが「○○した」というだけの投げやりなコメントしか無いミッションもちらほらと。
      • もちろん、多くはしっかり書き込まれているのだが、それ故に一部の淡々としたコメントの落差が気になってしまう。
  • ボスとのSNBは最後に「悩みを打ち破るトドメの一撃」として四択の台詞から正しいものを選ぶ必要があるのだが、よりによって第1話の正解が判りにくい。
    • 他の章のトドメの一撃は「現実から目を背ける相手に現実を直視させる」「自暴自棄になっている相手を諭す」と熱血教師らしく比較的判り易いもので、また具体的な解決方法はその後で考える為、SNBの時点ではあくまで「閉ざした心を開く」言葉が正解となっている。しかし第1話のトドメの一撃はストレートに力技を提案するものであり、この時点ではまだ虎男も教師ではないとは言え、以降の章と比較するとかなり異質。
    • 確かに他の選択肢も明らかに間違いだったり、解決方法にならなそうなものばかりだが、かと言って初見でこれが正解とすぐに分かるかと言われれば微妙である。ましてや最初のボス戦でプレイヤーも勝手が分からない状態では尚更である。
      • 前述した通り以降のボス戦ではここまで判りにくいものはないので、ここを乗り切れば安心。と言えなくもないが。
    • 間違えてもダメージを受けてボスのHPが少し回復するだけで済むので、虎男が情けない姿を晒すことを除けば実害は少ないのが救い。
  • 全体的にグラフィックのクオリティは高いのだが、主要キャラ*16以外は「口パクしない」「表情の変化が無い」と言った細かい粗はある。
    • そう言ったキャラはムービーでは喋っている顔を画面に映さないようにする、音声無しのイベントで喋らせる、などの工夫がなされている御蔭で違和感はほぼ無いのだが、戦闘では必ず目についてしまう。慣れれば気にならない程度だが。
    • モブキャラは幾つかの顔のパターンを使い回している。それ自体は良いのだが、中には年配キャラとは思えないほど若々しい顔つきになっていたりと、設定に合わない顔が使われている場合もある。
  • ややロードが多め。
    • インタビューによると、このクオリティを維持するにはどうしてもこれぐらいのロード量が必要だったとの事。
    • ただし、上記のような黒板消しの暇つぶしの他、窓から飛び降りて学校から出られたり*17、階段がワープポイントと化しているなど、なんとか補おうと努力している様子は伺える。

総評

ヤクザ者の主人公が悩める高校生達を導く、というユニークな題材を元に「燃え」+「萌え」+「バカ要素」がうまく一つにまとめられている。
喧嘩番長シリーズの燃え要素を受け継ぎつつ、萌え要素を加え、バカ要素を格段に強化したのが本作、といった所だろう。
難易度こそ高いが、この難しさに付いて行ける人にとっては良作と呼んで差し支えない出来である。また、アイテムを買い込むなどで対策を取ればクリア不可能なほどではない。
喧嘩番長シリーズファンは勿論、龍が如くシリーズ的なアクションアドベンチャーが好きな人や設定に興味を惹かれた方も一度プレイしてみるのをお勧めする。


余談・その後の展開

  • 本作に登場したメイド喫茶が好評を得て、スピンオフ作品『メイド☆ぱらだいす ~目指せ!メイドナンバーワン!』がダウンロード専売で発売された。
    • 主人公は引き続き虎男だが、こちらはアクションではなくメイド育成ゲームである。育成するメイドは新キャラであり、虎男の舎弟・ツネの妹の結城小春。本編に引き続き登場する浅見萌(本編で育成したメイド)と末広結衣*18はDLCを購入すれば育成可能になる。
  • PSNや公式サイトで配布されている体験版には、本編には無いオリジナルのショートストーリーが収録されている。
    • 短いながらもこちらも中々にぶっ飛んだ展開であり、アドベンチャーパートと一部のミニゲーム、裸になる演出有りのSNBが収録されている。これをプレイするだけで本作がどういうゲームなのか、とてもよく分かる。本作に興味のある人はまずこちらから触れてみる事をお勧めする。この体験版をプレイして「面白そう」と思った人なら本編を買って損をする事は無いだろう。
    • また、本編のアナザーストーリーでもあるので、本編をクリアした人でも楽しめる。
    • 最後は本編第1話の予告で終わる芸が細かい演出がある(この予告は公式サイトで公開されている)。
  • 本作の敵役・加納兼貴のCVは『喧嘩番長』『喧嘩番長2 フルスロットル』に出演していた諏訪部順一氏が務めているが、松本氏曰く、諏訪部氏は自分の作品に出演する度に役柄が正反対になっているとの事。
    • 確かに『喧嘩番長』では「スケ番編」のラスボス・阿佐見鉄也で悪役を、『喧嘩番長2』では番長・田中ヤスオで正義役を、そして本作では作中最大の悪党を演じている。もしも今後の松本作品に出演するとなれば、やはり正義キャラになるのだろうか?
      • 浪川大輔氏も喧嘩番長の『1』で正義の番長、『2』で悪の暴走族のリーダーと正反対の役柄を演じてきたが、本作では不良役である*19
  • 小ネタ程度だがチュンソフト作品『428 ~封鎖された渋谷で~』と世界観を共有しており*20、同作の主人公の一人「御法川実」の妹「御法川ミドリ」がメインキャラとして登場する。
    • 何故そんな設定なのかと言うと、プロデューサーの寺澤善徳氏が『428』のファンだったからとか。勿論、チュンソフト側の承諾は得ている。
  • 同じくスタジオ斬製作で、松本氏が監督・脚本を務めた『喧嘩番長6~ソウル&ブラッド~』は従来の喧嘩番長に加え、どことなく本作を想起させる演出や表現が盛り込まれている。また、ミニゲームの一部が流用されている。本作で虎男役を務めた小西氏も出演しているが、残念ながら諏訪部氏は不参加。

*1 シナリオライター名は「TOMOZOU」になっているが、これは『喧嘩番長』時代からの松本氏のペンネームである。本作も喧嘩番長シリーズ同様に「監督・松本朋幸、シナリオ・TOMOZOU」と同一人物が別名義でクレジットされている。

*2 『1』は幾つもの小さなオープンワールドとなっている地域を電車で行き来し、『2』は完全なシームレスのオープンワールドだった。『3』から小さなマップ毎に区切られるようになったが、こちらは全てのマップが繋がっていた。エリアを出ると全体マップに移動するようになったのは『4』からである。

*3 激怒すれば白目をむいて猛獣の如き形相に、唖然とすれば目を点にしてあんぐりと口を開けたり、など。作中最も表情が多い。

*4 CVは豊崎愛生。代表作に「けいおん!」の平沢唯など。

*5 梶虎男も「虎語録」という攻守補助に分けられた技を使用することが可能。

*6 激論を交わす事で心を閉ざした相手の魂を裸にする(本音を引き出す)と言う意味がある。ちなみに最初に「全裸になって吹っ飛ぶ」相手は上述した''釘宮理恵がCVを務める女子生徒''である。

*7 最初にSNBをするラーメン屋店主の時点で「心の殻」を発動すると、何の脈絡も無く「いらっしゃいませー!」「ありがとうございましたー!」と叫び出す。だ、大丈夫か…?

*8 攻撃を当てる度に上昇し、MAXになるとブチ切れて一定時間操作不能になる。深呼吸で下げることが可能。

*9 さすがに「透明人間になりたい」などとあまりにバカバカしい相談だと「お前、バカだろ?」と身も蓋もない返しをする場合も。それでも戦闘後の会話でちゃんとフォローは入れる。

*10 例…「スペイン語でニンニクは『アホ』」「1円硬貨から500円硬貨、全てを足すと666円になる」など。

*11 ちなみにこの時の相手はスク水を着ている。また、エッチな所を触ってしまうと引っ叩かれてペナルティとなってしまう。まあ、仮にも教師(ry

*12 極め付けは「銀河系最強」「神」まで行ってしまう。い、いくらなんでも大袈裟では…?

*13 攻撃が当たる瞬間にタイミング良くガードすると、攻撃を弾いて敵の隙を作る事が出来る。

*14 ザコ戦に負けると「それでも教師かよ」などと罵られる。

*15 ストーリー進行に一切関係なく自由に遊べるモード。各種プレイスポットやサブストーリーなどを好きに楽しめる。

*16 ストーリーに関わるキャラ、主人公のクラスの生徒など。

*17 昇降口にワープするだけでこれと言った演出は無いが、NPCから「真似して怪我する男子が増えた」という話が聞けると言った小ネタは用意されている。…それで良いのかトラ先生。

*18 本編でもクリア後は写真撮影のみ可能だった。

*19 ワルぶっているが根っからの不良ではなく、最後は改心する。また、SNBのラスボスでもある。

*20 チュンソフトは当時は本作販売元のスパイクと同様にドワンゴ傘下で、一時期はスパイクがチュンソフト作品の販売元になっていた。『428』もPS3、PSP版はスパイクから発売されている。2012年にスパイクを吸収合併し、株式会社スパイク・チュンソフトになり、結果として『ガチトラ』と『428』は同社作品に。