本記事では、海外アーケードゲームが原作の『Smash T.V.』のうちスーパーファミコン移植版について扱う。


Smash T.V.

【すまっしゅ てぃーゔぃー】

ジャンル シューティング
対応機種 スーパーファミコン
発売元 アスキー
開発元 Williams
Beam Software
発売日 1992年3月27日
定価 7,800円(税別)
判定 ゲームバランスが不安定
バカゲー
ポイント 海外アーケードゲームの移植
イカれたTV番組を舞台にした全方位STG
敵多すぎ敵硬すぎ死にまくり


概要 Let's GO!!

  • 「刺激欲しさに命知らずの賞金稼ぎが殺人ゲームに挑んで悪戦苦闘する様子を楽しむTV番組の収録風景」「収録中に金品が動物のエサのように投げ込まれる」という、中世ローマの闘技場のようなトチ狂った設定のゲーム。固定画面式のいわゆる全方位STGと呼ばれるアクションシューティングである。
    • TV収録という設定なので、ステージ開始前にクレーンが動いたり、ステージ移動中に舞台裏が覗けたりする。
    • 本作は海外AC版のSFC移植作である(海外SNES版はSuper Smash TVのタイトルで発売)。
    • システム的には『ロボトロン2084』の後継作で、ゲームデザインも同作を手掛けたユージン・ジャーヴィスによるもの。
  • 世界観は、1987年に公開されたアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「バトルランナー」のオマージュとなっている。

操作及び基本システム YOU'LL NEED IT!

  • 十字ボタン+4ボタンで操作。
    • Yボタンで左、Bボタンで下、Aボタンで右、Xボタンで上方向に射撃(ボタン同時押しで斜め方向にも射撃可能)。
      • AC版は2本のレバーで移動・攻撃を行うが、SFCの4方向に配置されたボタンを利用してAC版とほぼ同じような操作体系を実現している。
  • 難易度は3段階に設定できるが、EASYは1面しかプレイ出来ない。残機数は6、コンティニュー回数は4で固定(2人同時プレイ時はコンティニュー回数も共有)。裏技で残機数、コンティニュー回数を変更したり、ステージセレクトをすることは出来る。

主なルール Bingo!!

  • プレイヤーは弾数無制限のマシンガンを初期装備とし、部屋の四方にあるゲートから出現する敵を倒していく。全て倒すとゲートから次の部屋に進める(出口が複数ある場合もある)。
    • なお、次の部屋に進まずダラダラしていると、どこからともなく物凄いスピードでウニのような物体がプレイヤーを八つ裂きにしようと強襲してくるため、迅速に移動しなければならない。
  • 最初の面をクリアすると、全体MAPが出てくる。どのルートだろうがボスの部屋に行き付く事は出来るが、行先によってはドルのようなマークがついたボーナスルームがある。
    • ボーナスルームでは最初はスコアアイテムのみが出る状態になっており、しばらくして他のルームと同じように殺戮遊戯が始まる。
  • ステージ攻略中に部屋のどこかにランダムで出現するアイテムを取ることで、様々な効果を得られる。
    • 四角い枠があるアイテムは武器の一時的なパワーアップ、一定時間無敵、自機の移動速度アップ、エクステンドなどの効果が得られる。
    • それ以外のアイテムは全て換金用のスコアアイテム(後述)。数が多い上、敵の数が異常に多いため回収し切ることはほぼ不可能。
  • ステージ中に手に入る「鍵」を10個以上集めていると3面でシークレットルームに入る事が出来、そこにあるアイテムを取ると裏ボス出現のフラグが立つ。裏ボスを倒すと真のエンディングに入る。

おバカな点 Foooo!!

  • そもそもがアメリカの低予算な三流番組を茶化したゲームであるため、ノリが全体的にアメリカナイズされたおバカにまみれている。
  • ステージの合間に、両側に美女(いかにもアメリカ人好みなブロンド外人)を侍らせた司会者が出てきて、「GOOD LUCK! YOU'LL NEED IT!」「BIG MONEY! BIG PRIZES!」と煽ってくる。また、プレイヤーキャラがやられるたびにスタジオの観衆から歓声が起きる。司会者は一見協力的に見えるが…
    • ちなみに上述の真エンディングでは侍らせていた美女を主人公がゲットする。ある意味カネ以上のご褒美であろう。
  • 主人公も主人公で、ゲーム中はアイテムを取るたびに「FOOOOOO!!」「BINGOOO!!」「YEAHHHH!!」とノリノリで叫ぶ。敵も倒されるたびに叫ぶ。
    • もっとも、後半では銃器や爆弾を連射しないとどうにもならない物量のため、これにかき消されて聞こえないことのほうが多い。
  • 上記の方法で出現する裏ボスは、司会者本人である。
    • …グラフィック以外は1面のボス「ミュートイドマン」の使い回しなのだが。司会者を模したロボットである、とする意見もあるが、SFC版の説明書には「さすがに『SMASH T.V.』の司会者だけあって、仕事のためなら何でもする。君を倒そうと襲ってくるぞ」と述べられているので、司会者であると見ていいだろう。
    • しかし、SFCやGGといった移植版の彼はあくまで「仮の姿」にすぎない。オリジナルにあたるアーケード版では「やけにノリの明るいステージクリアBGMをバックにゲーム内で使用されているほぼ全てのシステムボイスがボイスの性別問わずトチ狂ったように鳴り響き、ショットを撃ち込むと顔芸を披露しつつ悶える様に震える」という様に最後に待ち受ける敵らしくゲーム内の総力を挙げたバカ演出が待ち受けている。
  • プレイヤー側もプレイヤー側で上記の家庭用版のパッケージ絵では全身スーツを着ているが、タイトル画面やゲーム上での姿は何故か上半身裸。いくら命知らずとはいえ無防備すぎである。
  • ランダムで出現するアイテムに札束やインゴット、プレゼント箱などの得点ボーナスアイテムがあり、プレゼント箱は自動車、ゲーム機、牛肉、芝刈り機、旅行券、ゲームソフトというか本作といった賞品に振り分けられる。
    • ステージクリア時は各賞品や獲得現金のスコア化が行われ、プレイヤーキャラがガッツポーズを見せる(2Pプレイ時の場合、スコアが負けた方は悔しがる)。
  • 説明書には敵キャラクターの名称が載っているが、棍棒を持って襲いかかってくるザコが「こん棒軍団」、一定時間経過すると自爆して破片を周囲に撒き散らす茶色のロボットが「自爆野郎」、赤い小さな玉が多数集まってこちらに向かってくる敵が「赤い群」など、ネーミングが直球過ぎるのもポイントである。
  • 生死を賭けた殺人ゲームという設定上か、または視聴率を上げるか、ゴア表現が多め。
    • 特にオリジナルのアーケード版で顕著。
      初期装備のマシンガンでミュータントを倒すと爆撃でも受けたかのように血を撒き散らしながら爆散し、下記の強化兵器の場合は肉塊になって飛び散ったり、バラバラになった身体が宙に舞い上がる。
      ボスは生体兵器で、"パーツ"が壊れるたびに派手に血しぶきが噴き出したり見えてはいけないものが飛び出したりすることも。
      プレイヤー側も例外ではなく、こん棒軍団に倒されたり感電死の場合は五体満足のまま死亡となるが、それ以外の攻撃でやられた場合は容赦なく身体がバラバラになり、欠損した肢体や首、眼球(!)が宙に舞い上がる。
      この強烈なゴア表現と大量かつ死に物狂いで襲ってくる敵の存在により「ゲームで生き残り巨万の富を得るか、無様に惨殺されるか」というバイオレンスな娯楽の世界観を生み出している。
  • 本ページでメインで取り扱っているSFC版では欠損表現や血しぶきがややカットされゴア表現がマイルドになっており、多少は遊びやすくなっている。

おバカなアイテム BIG MONEY! BIG PRIZES!

+ 格納
  • 兵器
    • マシンガン(初期装備)…プレイヤーの標準装備。概要の通り、プレイヤーの火力より敵の物量が圧倒的に勝るこのゲームでは、マシンガンだけで生き残る事は実質不可能に等しい。如何にサポートアイテムを活用して、生存ルートを確保しつつ危機を乗り切るか、といった立ち回りスキルが要求される。
    • 3WAYショット…3方向に弾を発射する、本作屈指の高火力な兵器。窮地を切り抜ける為の欠かせない兵器であり、ボスも釘付けできるほどの性能を誇る。「多少の危険を冒してでも取りに行く必要がある」と言っても過言ではない。
    • グレネード…緑色の豆のようなグレネード弾をばら撒いて攻撃する。ショットガンのようなものだが、いかんせん射程が短く、使い所が難しい。ボスにも接近して当てる必要があるのだが、その際にボスの体当たりを食らって死ぬ事が度々起こり得るため、あえて取らない戦術も考えられる。
    • ロケットランチャー…貫通性のあるロケット弾を発射する。耐久力のある雑魚もほぼ一撃で倒せるので、かなり優秀。無駄撃ちは極力避け、ある程度敵をまとめてから一掃するような感じで使っていくのが良いだろう。しかし、ボスには撃ち負けて押し潰されてしまう為、過信は禁物。
    • ハイパワー・グレネード…ボス戦のみに登場する特殊兵器。放物線を描いて飛ぶのでやや当て辛いが、それでもマシンガンで攻撃が通らず、撃ち負けて押し潰されるといった状況は回避できるため、出現したら迷わず取っていこう。ちなみに2面ボスは、この武器でないと倒せない。壁に当たると跳ね返る性質もあるため、それも上手く活用しよう。
  • 補助アイテム
    • スマートボム…画面内に存在するあらゆる敵を爆殺して「BINGO!」と叫ぶ、STGでいうボムそのもの。ゲーム中屈指の爽快感を誇るアイテムである。なりふり構わず取りに行く事をオススメする。そして取ると同時に、右手でガッツポーズをしながら「ビンゴー!!!」と叫ぼう。その後には勿論大量の敵が沸き直すのだが。
    • ファストブーツ…プレイヤーのスピードが2倍になる。効果は40秒間持続する。立ち回りには欠かせない、非常に重要なアイテムである。
    • フォースフィールド…プレイヤーの周囲に緑色のバリアが出現し、数十秒間無敵状態になる。戦車などの耐久力の高いザコも一撃で蹴散らせる為、ガンガン体当たりをぶちかまして行こう。特殊武器の弾が残っているなら、温存しておきたい。ある意味一番有用なアイテム。何よりも優先して取りに行こう。
    • 回転手裏剣…プレイヤーの周囲を回転する5つの黄色い玉のようなバリアが出現する。耐久力の低いザコは蹴散らしてくれるが、自爆野郎や戦車といったある程度耐久力を持つザコに触れてしまうと「コツンッ!」といった具合に弾かれて即消えてしまう仕様のため、注意。
    • オプション(ドローン)…プレイヤーの周囲を回転するビットが出現し、プレイヤーと同じ攻撃を行い援護してくれる。しかし敵に触れると即座に消滅してしまう為、コイツを維持するには高度な立ち回りのテクニックが要求される。ちなみに特殊武器の消費弾数も、コイツがいると2倍になってしまう点に注意。実質は一番心強いアイテムなのに、活躍の場があまり無いのが残念。
    • 1UP…顔のようなアイコンで、取ると残機が増える。頻繁に出るのが救いだが、上限は9機固定となっており、それ以上取ってもストックされる訳ではない点に注意。余談だが、後半ステージでは、コレが出ても取りに行く事がほぼ不可能な程に敵が押し寄せてくるので、諦めた方がよい。(というか視界に入る余裕すら無くなる)

おバカな敵たち I Love It!!

+ 格納
  • ザコ
  • こん棒軍団
    • プレイヤーを撲殺しようと、バットを振り回しながら特攻を仕掛けてくるミュータント。緑色とピンク色の2種類がおり、ピンク色は移動速度が速くアグレッシブ。
    • いわゆるザコ中のザコでもあるが、同時に物量で押してくるのもこいつとスピアマン。
  • スピアマン
    • プレイヤーを刺殺しようと、槍を構えながら特攻を仕掛けてくるミュータント。3面以降に出現し、紫色と灰色の2種類がおり、灰色は移動速度が速くアグレッシブ。
  • 毒ヘビ
    • 3面以降に出現。時折壁の口から大量に湧き出てくる。画面を通り過ぎるだけで襲ってこないため無視してもよく、上級者ともなると、ヘビとヘビの隙間をすり抜けて移動する事も可能。
  • 自爆野郎
    • 四隅をヨチヨチと歩き回り、出現から10秒~30秒経過すると自爆し、破片を撒き散らして攻撃してくる。耐久力が高く、8発マシンガンを当てないと死なない。コイツに気を取られるよりは他のザコの殲滅を優先した方が良い。
    • 大量に湧く上に部屋中央に歩きだす部屋もあるため、破片の軌道には常に注意したい。
  • バッファロー
    • 赤・黄・緑とカラフルな出で立ちで、フワフワとした動きで特攻を仕掛けてくる機械型のザコ。2面以降に出現する。撃つと「チャリチャリ」とこぎみ良い音を立てて壊れていく。移動速度と追尾性能が若干優秀で、押し込まれると危険。上位種で一回りサイズの大きいメタボなヤツも存在し、より移動速度も早く、厄介である。
  • 円盤/スネークセグメント
    • 様々な種類・色違いが存在し、単純に体当たりを仕掛けてくる機械型のザコ。耐久力と追尾性能が高いので注意。能力的にどれもさほど大差無いが、中には複数個が連なってヘビのようになったものもいる。他のザコを捌き切れない時に突っ込んで来られると対処できなくなるので注意したい。何発か弾を当てる事で、軌道を変える事ができる。ロケットランチャーで一網打尽にすると爽快。
  • オーブ
    • ゲーム中屈指の厄介な機械型ザコ。2面から出現し、それぞれ単体でフワフワと不規則に飛びまわる。体には高電圧の電流が流れており、ぶつかると感電死してしまう。時折停止し、これまた触れると感電死する光線を四方に照射する攻撃も行う。特に注意が必要なのは、殺すには2発当てる必要があって、弾を当てると勢いよく吹っ飛ぶ性質を持つという点。吹っ飛んだあとに壁にぶつかって跳ね返るなどし、プレイヤーがそれにぶつかって感電死、という事が度々起きる。特に2人同時プレイの場合、こいつが大量に湧く部屋ではカオス状態と化す為、各々に巻き添えを食らわせないよう、できるだけ一か所に固まって対処するようにしよう。
  • 赤い群
    • 「梅ミンツ」のような粒が集まった謎の集合体。中央のコアを撃ちぬくと破壊できる。それぞれの粒に食らい判定があるので、至近距離で攻撃すると危険。できるだけ遠巻きにして処理しよう。
  • 戦車
    • おもむろにゲートから飛び出して弾をばら撒いてくる、中サイズの車両タイプのザコ。耐久力が高く、他のザコが大量に湧いている時に出て来られると厄介。即座に倒してしまおう。
  • 固定砲台
    • ステージ開始直後に備え付けられている事がある砲台。こちらを狙い撃ちしながら弾をばら撒いてくるため、放置していると危険。即座に倒してしまおう。ボスのお供としても登場する。
  • ウニ
    • 激しく回転するトゲトゲの物体で、正式名称も「Spiky Spinners」とそのままである。プレイヤー目掛けて凄まじいスピードで襲いかかってくる。永パ防止の為か、次の部屋へ移動せずジっとしていると出現する。相手にしても何一つメリットはないので、さっさと移動してしまおう。
  • ボス
    • ボスだからなのか?SFC版でもかなりゴア表現が残っている。
  • 1面…ミュートイドマン
    • 巨大戦車の砲塔の上にキューポラではなく巨大な人…もといミュータントの上半身が乗っている。
    • 「ンヴォー!」「アウアウ♪」「NO WIN!」と愛嬌たっぷりに叫びながら、プレイヤーを自慢のキャタピラで轢き殺そうと激しく動き回る。時折目から怪光線も発射する。とにかく巨大で、硬い。標準装備のマシンガンでは歯が立たない。
    • 被弾するたびにどんどん見えたらいけない部分が剥げていくのだが、驚くことにSFC版でも色々なところがむき出しになる。それどころか最初の頭部撃破時は頭部のコピーが飛び散りまくる。
  • 2面…スカーフェイス
    • 巨大な顔のミュータント。いわゆるオーク顔で、頭部はどう見ても脳みそ格納容器。
    • 周囲のシールドを破壊した後、顔面部分をハイパワー・グレネードで破壊しなければならない。時折口から弾をばら撒いて攻撃してくる。ボコボコに変形していく顔が気持ち悪い事この上ない。2形態あり、最後は骸骨のような姿になる。第二形態の攻略方法は前形態と同じだが、目からビームを撃つようになるので注意。なお、厄介なことに、こいつは常にプレイヤーを追尾するような動きをする為、一人プレイだと火力負けして押し潰されてしまい、アイテムに恵まれないと殺されまくって詰む事がある。
  • 3面中ボス…コブラツインズ
    • 頭部からレーザーを撃って攻撃してくる双頭のヘビのようなミュータント。頭部には判定があり、触れると感電死してしまうので注意。頭部が弱点という訳ではなく、根元部分を攻撃してもよい。コイツより、とりまきで湧いてくるウニの方に注意を払うべきだ。
    • 上述の条件を満たしていない場合、こいつがラスボスになる…といってもこの後も面は続くのだが。
  • 裏ボス…司会者(EVIL MC)
    • 上述の条件を満たすと、最後の総スコア表示画面の後に「俺の大目玉を喰らえ!」と襲ってくる。
    • 1面のミュートイドマンの使い回し。動きがやや早くなっている。被弾で上着が剥けて水玉柄のTシャツが見える誰得要素も…。
    • 前口上の通りというか、ビームの代わりに自分の目玉を高速で連射してくる。お前のようなミュータントがいるか!

評価点 Good Luck!!

  • 敵の圧倒的な物量を様々な武器を使って捌いていくゲーム性や個性的なボス、司会の煽りやノリノリの音声など「命知らずの賞金稼ぎが殺人ゲームに挑んで蹂躙される様子を楽しむTV番組」というイカれた世界観を上手く表現できている。
  • 『ロボトロン2084』で問題だった「ステージ開始直後が一番難しく次第に掃討戦になる単調さ」は敵が常時追加される点やボス戦の採用で解消されている。ただし、問題点の点で述べられているようにプレイ時間の増大にも繋がっている。
  • SFC版は前述のゴア表現の軽減や画面比率からくるグラフィックの差異はあれど、元のAC版の雰囲気をあまり損なわずに移植がされている。多数の敵が出現しても処理落ちや画面のチラつきなどがほとんど発生しないところは移植スタッフの技術力の高さが窺える。

問題点 Dude!!

  • ゲームの難易度は非常に高い。
    • 2人協力プレイはおろか、TASですら押し込まれる程の圧倒的な物量でザコ敵が攻めてくる。まるで鮭の産卵の如く、倒しても倒してもゲートからワラワラと出現する。
      • もちろん、1体残らず倒すまでその部屋をクリアする事は出来ない。また、後どれくらい倒せばその部屋がクリアとなるのか、そういった事を示す目安は一切表示されない。
      • ステージ1は10分程度で終わる長さだが、ステージ2はクリアまで20分ほどかかり、ステージ3は隠しボスまで含めると40~50分もかかる長丁場と化す。10分近くも延々と敵が出続ける部屋もあり、プレイヤーを憔悴状態に追い込む。敵の猛攻にも拍車が掛り、瞬きをした次の瞬間に死ぬ事も珍しくなくなる。一瞬足りとも気を抜く事ができず、もはや苦行以外の何物でもない。
    • またボス敵は巨体と凄まじい攻撃速度、耐久力を誇る。特に2面のボスであるスカーフェイスはゲーム中屈指の強さを誇り、挫折したプレイヤーも多い。一人プレイの場合は火力が追いつかず、コイツの押し潰し攻撃から逃げ切る事が不可能に等しい。とにかく死にまくる。
    • 本SFC版はクレジットが有限なのでアーケードゲームのような連コインというわけにはいかない、この点もあり、本作を1Pでクリアするには相当な修練とアイテム運が必要だろう。

総評 Total Carnage!!

圧倒的な敵物量やおバカなノリなどの「命知らずの賞金稼ぎが殺人ゲームに挑んで蹂躙される様子を楽しむTV番組」という元のAC版の内容をSFCで再現することには成功したと言える。
だが、ゲームバランスまでも元のAC版を再現したような内容で、クレジットが有限なこともあり、1人プレイで最後まで到達することは困難である。
2人同時プレイをすればネタ的には盛り上がる事の出来るゲームではあるので、友達と一緒に視聴者参加型番組に出る感覚でプレイしてみるのもいいだろう。
ゲームなら命を賭ける事はないのだから。


移植 Yeah!!

  • 日本ではSFC版とGG版のみが正規リリースされているが、海外ではSNES・GG版以外にも、NES、GENESIS、マスターシステム、ATARI-ST、AMIGA、コモドール64、アムストラッドCPC、ZXスペクトラムと多くの機種でリリースされている。
  • 海外でのオムニバス移植については以下のソフトにAC版が収録されている。
    • 『Arcade Party Pak』(1999年 PS、Midway)
    • 『Midway Arcade Treasures 1』(2003~2004年 PS2/GC/Xb/Win、Midway)
    • 『Midway Arcade Origins』(2012年 PS3/Xb360、Warner Bros. Interactive Entertaiment)
  • 尚、日本では2005年にPS2で発売された、『Midway Arcade Treasures』の日本版に当たる『ゲーセンUSA』には残念ながら未収録である。
  • また、Xbox Live Arcadeでも単品での配信は2005年12月10日より行われていたが、2009年にMIDWAYが倒産したことを受け、2010年2月に配信が停止となった。

続編 I'd buy that for a dollar!!

  • 本作の続編*1として『トータルカルネージ』が存在。
    • テレビ番組から戦場に舞台を変えた作品で、舞台故に特有の雰囲気がオミットされているかに見えるが、何故か敵の電気ショック攻撃に耐えるボーナスゲームや、デモ画面で普通に見える敵の黒幕がラスボス戦で巨大な頭だけになっていたりと、続編でもヘンテコなノリ(とゴア描写)は健在。
      • こちらも特定のアイテムを集めなければ真のエンディングを見る事が出来ない仕様となっており、その際には終点である『SMASH T.V.』の殿堂入口で門前払いされて終わりとなってしまう。
      • ちなみに1988年にWilliamsからACでリリースされたベルトスクロールシューティング『NARC』もデモ画面では普通の悪役がラスボス戦で巨大な頭だけの状態で登場している事から、同様のギミックは同社のアクションシューティングにおける伝統行事とも言える存在かも知れない。

余談 GO!GO!GO!GO!

  • 元となったAC版の開発は、後に怪作として知られる、アーケード版『ストリートファイター・ザ・ムービー』を手掛けたインクレディブル・テクノロジーズ。
  • Grand Theft Auto: Liberty City Stories』にてあるミッションをクリア後に、本作をオマージュしたミニゲーム「Slash TV」を遊ぶことが出来る。
    • ミッション中は自キャラを上空から見た視点になったり、開いたドアから敵がなだれ込むように出現したりとミニゲームでありながら中々の再現度。
  • Grand Theft Auto: Chinatown Wars』でも上記の「Slash TV」を発展させたようなミニゲーム「HoboTron」が存在する。
    • ゲーム名こそ『ロボトロン2084』のオマージュだが、「次々と湧いてくる敵」「アイテム回収」の要素等でプレイ感覚は本作に近い。
  • 2017年6月に発売されたインディーゲームである『Nex Machina』(PS4/Win)はゲームシステムやその内容から本作と『Robotron2084』をリスペクトした精神的後継作として話題となった。それもそのはずで開発中のコードネームは「The Eugene Project」と呼ばれ、ユージン・ジャービスが(外部参加ではあるが)同作の制作顧問として関与している。
  • 2022年6月に発売されたインディーゲーム『DEATHRUN TV』(Win/Switch)は「2本のアナログスティックにより移動と射撃を行う操作形式」や「凶暴なミュータントや強大なボス、危険な仕掛けが張り巡らされたアリーナでの戦闘模様を中継するテレビ番組」と、本作のエッセンスから多くの影響を受けた作品となっている。
  • 本作と同名のテニス専門番組がBS-TBSで放送されている。そのため「スマッシュTV」で検索すると同番組がヒットしやすいので注意。
+ タグ編集
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  • STG
  • SFC
  • アスキー

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最終更新:2023年11月04日 09:34

*1 というよりかはゲームシステム要素を継承した後継作にあたる