クイズ迷探偵NEO&GEO クイズ大捜査線パート2
【くいずめいたんていねおあんどじお くいずだいそうさせんぱーとつー】
ジャンル
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クイズ
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対応機種
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アーケード(MVS)
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販売・開発元
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SNK
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稼働開始日
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1992年
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判定
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バカゲー
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ポイント
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肖像権って何だろう
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概要
『クイズ大捜査線』の続編。前作の本編ストーリーから2年後という設定。
前作同様、「クイズシティー」に探偵事務所を構える「ネオ・マクドナルド」と「ジオ・ケンタッキー」という二人の探偵が、クイズに答えつつ依頼を解決していくというストーリー仕立てのクイズゲーム。
特徴
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前作と同じくストーリーが2つ用意されていて、50年前の駆け落ちを成功させて欲しいという『時を越えた愛』、地球に逃げ込んだ異星獣と対決する『宇宙からの依頼人』のどちらかを選んでプレイする。
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ストーリーの合間に「アクシデント!!」というペナルティステージがランダムに発生したり、ストーリー途中の選択肢・クイズの正否によってその後のストーリーの展開が変化するようになっている。なお、最終ステージでは「60秒以内に6問正解」「4回間違える前に8問正解」といったノルマを達成できないと、強制的にバッドエンディングとなる。
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クイズは全て「ゲーム中の登場人物が出題する」という形式で行われ、出題が済んで少し経過すると「5」「4」といったボイスと共に指を折り曲げていくという演出がある。また正解するとビックリした顔になり、不正解だと人物毎に違ったボイスで笑われる。なお、スロットマシンなど人物ではなく機械が出題するクイズでは回答時間がそのまま表示される。
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通常時は4択クイズ(A、B、C、Dの4ボタンでそれぞれの選択肢に対応)をノルマ分正解するとステージクリア、これをエンディングまで繰り返すのが一連の流れとなる。一部のクイズではレバーも使用する。
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不正解、時間切れの場合はライフが減り、ライフが0になるとゲームオーバー。ライフは得点によるエクステンドの他、ライフ回復アイテムの購入や、一部の人物から貰うことで増やすことができる。また不正解時には前作同様出題前の難易度選択とは異なる内部出題難易度ランクがある程度下がる様になっている。
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4択クイズの他にも様々な形式のクイズが登場し、飽きさせない作りになっている。以下に一例を挙げる。
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「ビンゴクイズ」:3×3のマスからジャンルを選んで、いずれか一列に正解ランプを点ける。
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「スロットクイズ」:「ジャンル」「難易度」「選択肢数」をスロットで止めてクイズに答える。それぞれのリールに7の絵がふくまれており、777を出せば1発でクリアになる。
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「パネルめくりクイズ」:難易度、ジャンルを選び、難易度の数だけ正解した時にノルマが消える。なお、これとビンゴクイズで残り全て正解してもクリアできなくなった場合でもすべてのパネルをめくれば正解した所以外のパネルがまためくれるようになるので詰むことはない。
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「間違い探し」:左右2つの絵を見比べ、間違いが含まれているパネルを選ぶ。このクイズでのライフ減点はお手つき時のみ。制限時間内にクリアできたかどうかで……?
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また、クイズ前に「3択」「ジャンルセレクト」「ノルマ倍消し」といったアイテムを購入して有利にクイズに挑む事も出来る。アイテムは購入する毎に次回購入時の価格が上昇する。また、購入できるアイテムは場面毎に決まっているため、どこで何を買うか(または買わないか)が地味に重要。アイテム「?」は値段がかなり高いが、その分効果も超強力になっている。
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前作にあった「スゴロクモード」は廃止された。
評価点
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グラフィックの出来、BGM、演出は非常に良い。
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ストーリーも高評価。おふざけ・ギャグ要素をちりばめながらも大筋はそれなりにしっかりしており、プレイヤーに「コンティニューしてでも続きを見たい」という気持ちをかき立たせてくれる。特に、駆け落ち・許婚相手・50年後の世界など「一見関係なさそうな複数の要素」が密接に関わってくるシナリオ1「時を越えた愛」の後半の展開は非常に熱い。
難点
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クイズの難易度はかなり高い。
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後半になるとノルマ数が多くなるのはともかく、ジャンルに「アダルト」というものが存在し、当時のアダルト系サブカルチャーに関する問題が出題される。当時未成年だったプレイヤーはおそらく偶然以外で正解するのは無理であろう。本ゲームは別に18禁という訳ではないのだが…。
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相変わらずラストのみ特殊なクリア条件が課されており、マネーパワーで押していくだけではベストエンディングが見られない。
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『時を越えた愛』では制限時間内に一定のノルマをこなせないとバッドエンドになってしまう。『宇宙からの依頼人』ではノルマクリア前に一定回数を間違えるとバッドエンド。前作の「ラストの1問を間違えたら即座にバッドエンド」よりは幾分かマシだが…。
変な点
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劇中の登場人物はほぼ全て実在する芸能人のそっくりさんである。上述のように、グラフィック(ドット絵)の出来が非常に良いので本当に良く似ている。確かにまだ肖像権に関して緩かった時代とはいえ、よく訴えられなかったものである…。
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「時を越えた愛」では…
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森繁○彌そっくりの教授から依頼を受け、舛○要一そっくりの憲兵に取り調べされ、豪邸に正面から行くと入り口で横○ノックそっくりの家人に家宅侵入を疑われ、柴○恭兵&館ひ○しそっくりの「タイムパトロール」に取り調べされ、○ッチャン○ンチャンそっくりのマフィアコンビに追いかけられ、岩○志麻そっくりの女将に駆け落ちの許可をもらったりする。
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「宇宙からの依頼人」では…
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宜○愛子そっくりの女占い師に寄生した異星獣と戦ったり、藤○弘、木○憲武そっくりのバーの客から情報を聞き出したり、稲○淳二そっくりの秘密部隊(政府の秘密機関であり悪の部隊ではないが、主人公たちと利害関係が一致していない)リーダーと対決したり、顔が大○田厚そっくりの異星獣と戦ったりする。
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ちなみに「アクシデント!!」で家賃を取り立てに来るアパートの管理人は田○邦衛そっくり、特殊な形式のクイズのルール説明をするおじさんは福井○雄そっくりである。
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実はこれでも押さえ気味で、前作『クイズ大捜査線』では当時のハリウッドスターを初めとした海外の名優からも際限なくお顔を拝借していた。
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揉め事はなんでもかんでもクイズで解決できる。「クイズで取り調べさせてもらいましょ」「あっ、この檻、クイズで開くみたいだぞ!」「人に物を聞くときはまずクイズに答えてからにするんだ」終始こんなノリである。そもそも舞台が「クイズシティー」だし、ゲーム性を考えると仕方がないのだが…。
総評
シナリオ、ゲーム性はしっかり作りこまれており、クイズの難易度の高さを除けばネタとして笑いながらプレイできるゲーム。
MVSシステムが随所に設置されていた頃、格ゲーの合間にプレイした人も多いのではないだろうか。
余談
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前作共々、肖像権使用許可を取っているとは思えないであろう権利侵害上等なゲームなので、移植は絶望的……かと思いきや両作とも後に携帯電話向けアプリとして移植された。よく訴えられなかったものである。
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後年、SNK Degital Sound Collectionにて初のCD音源化を果たしたが、ジャケットのゲーム画像に使える物が無さ過ぎて大半が主人公たちとフレディの手をしたジェイソンが占める事態となった。それはそれでギリギリな気がするのだが……
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本作の主人公のネオとジオは後に『KOF2000』でマニアックストライカーとしてゲスト出演している。
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「クイズシティー」は『クイズ キング・オブ・ファイターズ』(SNK/ザウルス)にも登場し、『龍虎の拳』シリーズの舞台「サウスタウン」のパロディとなった。
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ただしそちらにはネオとジオは出ておらず、登場キャラは全てSNK格ゲーキャラになっている。
最終更新:2021年12月05日 18:12