ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち

【どらごんくえすとせぶん えでんのせんしたち】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
メディア 2Gbyte3DSカード
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 アルテピアッツァ
発売日 2013年2月7日
定価 6,090円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
セーブデータ 3個+中断データ1個
判定 なし
ポイント 転職を中心に、荒削りながらも改善点の多いリメイク
シンボルエンカウントは練り込み不足
ストーリー・仲間の追加要素はほぼ皆無
DQM並の配信要素
相変わらずのフリーズバグ(ほぼ改善済)
ドラゴンクエストシリーズ


概要

2000年に発売された『ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち』(以下PS版)のリメイク作。
DSで天空三部作『IV』『V』『VI』が順当に発売されたため、次は次世代機の3DSで『VII』が発売されるという大方の予想が的中し安堵の声が多く上がった。

一方で、PS版は石版集めの作業感やストーリーの重さ等で賛否が割れていたこともあり、リメイクのコンセプトには「プレイヤー全員が最後まで終われる『VII』」が挙げられるなど、どれだけストレスを感じさせない作品に仕上がるかも注目されていた。

特徴・変更点

  • グラフィックが完全3D表示になり、また3DSによる立体化にも対応。
    • それに伴い、ランダムエンカウントからシンボルエンカウントに変更*1。ナンバリングのリメイクでこの変更をしたのは初。(DQMでは『テリーのワンダーランド3D』の前例がある)
  • なぞの神殿の謎解きの簡略化。
    • 単に島の中の遺跡からアイテムを集めてくるだけになった。
    • これにより、30~40分程度で最初の石版の世界へ行くことが可能になった(これでも大幅な短縮である)。
  • 石版レーダー・新キャラの石版案内人の導入。
    • 石版レーダーは下画面の左上に存在する。そのマップの他のエリアに石版がある場合はレーダーが淡く光り、そのエリア内にある場合は強い光を放つ。
    • 過去の世界に行く方法は石版案内人に話しかけるものに変更。また、4色の石版の台座をまとめて選べるようになった。
    • これら以外にも、戦歴画面や後半になると使用できる「導きの声を聞く」で次の台座のヒントを聞くことができるようになっている。
    • PS版で石版の場所を教えてくれた占いババも存在しているが、何かしてくれるキャラクターではなくなった。PS版をプレイした人への遊び心と思われる。
  • 装備品のうち武器と盾がグラフィックに反映されるようになったほか、職業によって服装が変わるようになった。
    • 従来では職業を変えても能力が変わるだけで味気なかったので、この要素は概ね好評。衣装のほとんどが『X』の各職業限定の装備一式をした外見になる(ただし賢者は賢者シリーズではなくインテリシリーズ)。同じ職業でも一人一人違ったデザインのものもある。
      • 勿論、『X』に登場していない「羊飼い」や「ゴッドハンド」などの職業の衣装は新規の物になっている。特にマリベルの「天地雷鳴士」の衣装はファンの間では人気が高い。
      • ただし、羊飼いや笑わせ師などコミカルな衣装になる職業に就いた状態でシリアスなイベントが発生するとシュールな絵面になることも。
    • PS版ではモンスター職は極めなければモンスターの外見にならなかったが、本作では熟練度に関係なくモンスターになるようになった。ただし町中などでは本来の姿に戻る。
  • 漢字にルビが振られている。
    • さほど難しい漢字はなくあえてひらがな表記してある箇所も多いが、低年齢層にはありがたい配慮。
    • ただし、戦闘中のモンスター名等には振られていない。また、戦闘メッセージもPS版で漢字混じりだった部分がひらがな表記になっていたりもする。
    • なおシリーズ初ではなく、『IX』の前例がある。
  • 戦歴に「かこのぼうけん」導入。
    • ストーリーを忘れてしまっても、事細かに記録されているのでいつでも思い出せる。
    • 4章構成になっており、1章はユバールの集落完結まで、2章はPS版におけるDISC1完結まで、3章はPS版におけるDISC2のエンディングまで、4章はエンディング後である(リメイク版『IV』の6章に近い)。
  • 呪文・特技の新規追加や廃止。廃止されたものには「つなみ」「しっぺ返し」「ねる」「うけながし」などがある。また「みなごろし」のように敵専用となったものも。
    • つなみが廃止された理由は言うまでもなく東日本大震災の影響だと考えられる*2
      • 「つなみ」は敵味方共に「ハリケーン」というワンランク上の特技に置き換えられている。アイテム技のつなみも海鳴りの杖は「コーラルレイン」に、水竜の剣は「メイルストロム」という上位技になった。
    • 「しっぺ返し」については戦闘中味方キャラも表示されるようになったこととの兼ね合いが原因。「巻きついて締め上げる」なんていう特技をしっぺ返ししても表示のしようがない。
      • ちなみにしっぺ返しの代名詞でもあったマリベルは代わりに「イオ」を覚えるようになっており、序盤での使用感が格段に上がっている。
    • 「ねる」「うけながし」も似たような理由だと思われる。今までは小さなドット絵のキャラが足踏みしているだけだったからこそ気にならなかった「寝ながら移動」も、3Dになると流石にスルーできないだろう。「うけながし」も、受け流すモーションに加えて受け流された敵が攻撃をそらすモーションまで作らなければいけなくなる。
    • 「しのびあし」(エンカウント方式変更のため)、「タカのめ」「うみどりのめ」(下画面にマップが出るため)のようにゲームシステムの変更で不要となり削除されたものも。
  • NPCや仲間との会話のパターンの増量と削減。
    • 増量されたものはPS版ではほとんどセリフがなかったフィールドやダンジョンでのものが目立つ。PS版は信じられないことに、ラストダンジョンでさえほとんど会話が存在しなかった。
      • 次に行くべき場所のヒントを言うことが多く、難易度が緩和されている。
    • 削除されたのは概ねお下品なネタや差別ネタ。配慮としては妥当だが、代わりに何か追加されたわけでは無いので少し寂しいと言う声も無いではない。
      • ただ、『VI』等のDS版リメイクでは膨大な量の仲間会話パターンが追加されていたため、それと比べると見劣りするという意見も。
  • モンスター図鑑の改善。
    • PS版になかった目次ページが追加され調べやすくなった。なつきやすさ等の要素も掲載され、モンスターパークに送ったモンスターはスライムマークが付くようになった。
  • その他
    • 「とうぞくのはな」の誤カウントや「まほうのじゅうたん」の丸まりバグといった不具合は軒並み修正された。
    • やはりというかCGムービーは全て削除された。ムービーのシーンは全て通常と同じグラフィックで描写されるようになった。
    • 他作品同様、ふくろにアイテムが各99個まで入るようになった(PS版は50個)。

評価点

  • まさしく誰でもエンディングを見ることができる作品になったこと。
    原作はやりこみ抜きでもプレイ時間が70~100時間とされているほどに長い作品でありながら、石版集め・無視できない数のバグ・複数ある高難易度の箇所などで万人がクリアできるような作品ではなかったが、それらが大幅に改善されている。
    • 特に石版集めが大きい。作業感そのものは否めないが、多くのヒントが加えられたことで次の世界へスムーズに進むことができるようになっている。
      • また、クリア後のダンジョンに関係する入手困難な「不思議な石版?」にも改善が施されている。例えば「こわれた石版*3」が普通の石版に変更され、ちいさなメダルで入手する石版は必要メダル数が100から85に変更されている。
    • PS版では(『VI』で厳しかった熟練度限界レベルに配慮してか)敵の経験値とゴールドが『VI』以上に少なく、レベル上げにもお金稼ぎにもかなり時間を使うようになっていた。本作ではメタル系スライムなど一部の敵以外はその量が1.5倍になり、職業の必要熟練度低下と合わさって格段にレベル上げしやすい。
      • さらにPS版ではエンカウント率が非常に低く、意図的なレベル・熟練度上げをしなければ低めのままで先へと進んでしまうために難易度が高くなりがちでもあった。本作では後述するシンボルエンカウントシステムによって「戦闘が頻発する=ストーリーを進めるだけでドンドンとレベルが上がっていく」となり、(戦闘が多くなったことを難易度低下と呼べるかは別として)味方の強化が楽になった理由の一つになった。
    • 序盤の難敵とされるデス・アミーゴ戦では呪文が使えるようになったり、「雑魚モンスターがやたら強い」「現代に戻れないため転職不可」「防具が揃えられない」という三重苦揃った難所「海底都市」では旅の扉が利用できるようになって難易度が低下しているなど良調整も見られる。
  • すれちがい通信による石版交換システム。
    • PS版からある「なついたモンスターをモンスターパークに収容する」システムからの拡張で、それらのモンスターでチームを結成して即席ダンジョンの石版を作り、すれちがい通信で他のプレイヤーに受け渡すことができる。
      • ダンジョン内ではチームリーダー・及び図鑑No.の近いモンスターと、メンバーに選択したモンスターのシンボルが出現、最奥部ではリーダーに選んだモンスターのボスバージョン(通常より強い)が出現する。
      • クリアする度に何らかのアイテムが手に入る。「まほうのこびん」「上やくそう」等のPS版になかったアイテムが手に入ったり、転職のための「モンスターの心」が手に入りやすかったりすることも。
      • 通信でプレイヤーと繋がるたびに自分のモンスターのレベルが上がり、ダンジョン内のモンスターが強力になっていく。さらに、一定レベルごとに拾えるアイテムが貴重なものにグレードアップする嬉しい要素もある。
      • 低レベルのメタル系モンスターが大量発生する石版を受け取れば簡単にレベル上げができるようになる。
    • インターネット通信を利用し石版の交換も可能。地方冷遇がある程度改善された。
    • 公式からは限定モンスターやアイテムが出現する「トクベツな石版」が配信されている。
    • 石版世界やモンスターパークなど既存の要素を活かし、やりこみへの深度をより深めている。存在がほとんど趣味でしかなかったモンスターパークの価値向上にもつながった。
  • 転職システムの大幅な見直し
    • 下級職のマスターに必要な熟練度が概ねPS版の半分以下にまで減り、上級職に就きやすくなった。
    • 単に習得手段が回りくどいだけの職歴技は存在自体が廃止され、それでしか覚えられない特技は通常の職業にまとめられた。
    • 強い職と弱い職の差が激しかった上級職は習得特技が全体的に見直され、どの職でも相応に強力な技を使えるようになった。
      • ステータス補正が微妙で「まものならし」ぐらいしか使い道がなかった職業「魔物ハンター」は、「しゃくねつ」「スクルト」「フバーハ」「マジックバリア」といった強力な呪文・特技を習得でき大幅な強化がされた。
        その「まものならし」も、後述のすれちがい石版による即席ダンジョンが非常に有用なため、モンスターパーク用のモンスター収集に大きな意味が与えられ、重要特技となった。
      • 習得する特技等が微妙でイマイチ感が否めなかった「勇者」は一気に凄まじい数の呪文・特技を習得するようになり、攻守共に隙が無い勇者の名に恥じぬ強力な職となった。
    • 使いにくさもさることながら、転職すること自体が難しかったモンスター職にも調整が加えられた。
      • 心を落とすモンスターをリーダーにしたすれちがい石版を作ると、雑魚として登場したそのモンスターが高確率で心を落とす上に、石版のボスを倒した際の報酬でたまに心が手に入る様になり、これまでお目にかかる事も難しかった上級モンスター職の心ですら比較的容易に入手できるようになった。
      • また、上級職の特技が引き継がれなくなった一方で、モンスター職で覚えた呪文・特技は他の職業に転職した場合でも使用できる。これにより、モンスター職のやり込み要素としての側面が強化されている。
  • バランスブレイカーと言われた特技の調整。
    • PS版で猛威を振るった「どとうのひつじ」は、PS版の単体ランダム4連続攻撃から「敵全体への1回攻撃(敵が単体の場合も1発のみ)」に仕様変更され、さらに威力自体も下がったことによって大きく弱体化した。
    • 上記の「どとうのひつじ」なども含め、PS版では消費MP0だったいくつかの特技の使用にMPが必要になった。
    • 誰でもお手軽高火力物理攻撃「つるぎのまい」は続投しているが、上級職の最終奥義レベルの習得時期にされている。
    • 強力だった「いなずま」は若干威力が減少した。しかし船乗り単体で覚えられるようになり、「いなずま」は人間職では唯一の引継ぎ可能なノーコスト全体攻撃なので利用価値はPS版よりも上がっている。
  • 戦闘画面は『VIII』などと同じく味方キャラも表示されるといった豪華な仕様となっているが、戦闘のテンポが早い。
    • 戦闘でのダメージ表示が『VIII』以降と同じように画面上に大きな数字で出るようになり、複数攻撃技についても表示がまとめられた。
      本作では「平均○○のダメージ」の表記は使われず、「まもののむれに○○から○○のダメージ」と最小と最大が表示される。例外として連続攻撃技(ばくれつけん等)については変わらず一回一回ダメージの表記が出る。
  • 東京都交響楽団によるオーケストラ音源をBGMとして使用。
    • PS2版『V』やWiiU版『X』と同様、とても聴きごたえのある音源となっている。
    • 元となった音源は公式ウェブサイトで紹介されている。「交響組曲「ドラゴンクエストVII」エデンの戦士たち」 品番: KICC-6306~7 発売: キングレコード 価格: 3,900円

賛否両論点

  • ストーリー進行難易度の大幅低下
    • 「なぞの神殿」を簡略化したこと自体は評価点にもある通り好意的に受け止められているが、「いくら何でも削りすぎではないか」という意見も見られる。
      • ワンフロアしかない狭い祠の中で、隠されてもいない床のスイッチを踏むとアイテムが出現し、それを一切の変化なく4か所で繰り返して終わり。謎解きではなくただの作業と化しており、極端から極端へ走っている感がある。
    • シナリオの進行もメニューでヒント(というか答え)がいつでも聞けるなど、悪く言えばかなりの低難易度仕様。
      • PS版でむやみに手間の掛かっていた石版探しについては改善されたが、度が過ぎると言う意見もある。
  • 戦闘バランス面
    • 「しんくうは」や「しゃくねつ」といった強力な特技をPS版に比べてかなり手軽に習得できてしまう。
      • 「しんくうは」はPS版でも有用だった特技の1つだが、せっかく有用な特技はMP消費制にしたのに、こちらはMP消費無し。しかも威力が上方修正されている。 なにより習得できる職業がモンスター職を省いて上級職だけで見ても4つもある。つまり熟練度を貯める機会を失わないように転職していっても、ほぼ常時この強特技をパーティのうちの誰かが撃てる…という状態になりがち。 
      • 「しゃくねつ」に関しては、転職を繰り返し無駄なく熟練度を溜めていくプレイスタイルの人にとっては使える期間が非常に短いのでまだまし。ただし熟練度を気にせずしゃくねつを使っていくスタイルの場合、反則にもほどがある火力が出てしまう。
    • NPC戦闘員が相手の守備力を無視し、こちらの攻撃力の2.5倍ダメージとなる会心の一撃を使うように。100や200のダメージは当たり前で、プレイヤーが放つ会心の一撃よりも明らかに強い。
      使わないNPCもいるが、その中の1人とともに戦うボスが難敵の「イノップ&ゴンズ」であるため、不可解な設定ではあるが、単純にNPCがいるすべての戦闘の難易度が低下したわけではない。
    • 特技を剥奪・変更された結果目も当てられないほど弱体化した敵がいたり、ワンランク上の特技を与えられた結果元々強敵として知られていたボスがさらに強くなったりと調整不足の感は否めない。
      • ただし、「つなみ」→「ハリケーン」の置き換えはよく槍玉に挙げられるものの、敵が使うハリケーンの威力が今までのつなみと同程度に下げられているため、実は特に変わっていない。
    • すれちがい石版システム追加や職業システム変更により、総合的・最終的に見れば決してヌルゲー化したわけではない。
  • バランスブレイカーな特技にも調整されたものがある一方、ほぼそのままなものもあるほか、大幅に強化された特技も存在する。
    • 強力すぎると言われた「つるぎのまい」については威力に変更なし。海賊マスターか勇者でしか覚えられない上級特技になっているため、習得が遅れたのといつでも使えないことで弱体化はしている。
      • PS版ではその陰に隠れていた「ばくれつけん」は武器の追加効果が乗らない代わりに威力が高くなったことで差別化ができた(つるぎのまい→0.6~0.8倍で4回攻撃・ばくれつけん→0.75倍で4回攻撃)が、つるぎのまいと違ってモンスター職でも覚えられるのでどの職業でも使えるようになる(さらにその職にはアイテム集めをしていればふつうになれる)のと、威力アップが強すぎることで逆につるぎのまいの肩身が狭くなっている。
        クリアまでならつるぎのまいにも武器の特殊効果が乗るというメリットが大きいのと、ばくれつけんの高威力も完全には活かしきれないので互角といったところにはなっているが。
    • 「せいけん突き」は『VI』で威力2倍補正だったのが『VII』で1.5倍と弱体化したが、リメイクによって『VI』に戻った。下級職で習得できるうえに必要な熟練度も低いので使いやすい。「つるぎのまい」「どとうのひつじ」が弱体化・「バイキルト」の習得職業が増加したのも大きい。だが、この分には耐性を持つ敵が多いことを差し引いても1.5倍補正でも充分強力だったのでやりすぎ感が否めない。
    • 「ひつじかぞえ歌」が謎の超強化を受けて新たなバランスブレイカー級特技になってしまっている。
      PS版のころから消費MP0で敵全体を眠らせる便利な特技で、職歴技なので習得するのが面倒という点がネックだったが、本作では職歴技の廃止に伴って羊飼い単体で覚えられるようになったうえ、成功率がラリホーマと同等に引き上げられたので眠り完全耐性の敵以外ほぼ確実に眠らせることが可能になった。
      • ラリホーマにあるメリットは山彦の帽子との併用しかなく、他の眠り系特技・呪文は完全下位互換と化している。
      • この強力な性能により、マホカンタ状態で出現するが眠り耐性に穴があるプラチナキングを簡単に倒せるようになっている。そのプラチナキング自体がすれちがい石版で容易に乱獲できるようになり、Lv99までの道のりが大幅に短縮されてもいる。
    • 混乱の追加効果を持つ「へんてこ斬り」も謎の大幅強化を受けている。
      • PS版では攻撃範囲が装備中の武器と同一の範囲に変化したが、今作では攻撃範囲が1グループに固定となった。しかしなんとムチやまわしげりと違い2体目以降にもダメージが減少せず、まわしげりの完全上位互換という非常に強力な特技と化した。
      • PS版のように全体攻撃武器を装備して全体に攻撃することはできなくなった。
      • 職歴技の廃止に伴い笑わせ師単体で覚えられるようになったのは当然の措置であるが、笑わせ師と関係ないバトルマスターでも習得できる。しかも下級職でも覚える技なので、バトルマスターで習得しても引き継ぎできる*4ため、非常に便利。
  • 上級職で覚えた呪文・特技は、その職業でしか使用できないように変更された。このため、複数の職業を渡り歩くことが最善とは言えなくなった。
    • これはあらゆる呪文・特技が使えることによる無個性を防ぐための措置とされている。
    • しかし、モンスター職で覚えた呪文・特技は他の職業に転職した場合でも使用できるので、一部の技を除けばどの職でも好きな特技を使用できるようにすることは可能である。
      • ただし上記の理由からか、人間職の熟練度上げに必要な戦闘回数がPS版より少なくなったのに対し、モンスター職の戦闘回数はPS版のままであり、相対的に鍛えるのが大変になっている。
      • そのかわり目当ての呪文や特技を覚えるモンスター職への、心の入手による手っ取り早い転職がしやすくなっている。
      • また、上級職・最上級職限定の呪文・特技もあるため、全ての呪文・特技を使える状態にはなれない。
  • 仲間キャラの追加は今回は無し。
    • 最終的に仲間キャラが4人存在するのに3人しか連れ歩けない(1人あふれてしまう)のもそのまま。
      • また『III』の盗賊、『IV』のピサロ、『V』は2回のリメイクで新仲間モンスターやデボラ、『VI』は仲間モンスター削除のかわりにスライムスカウトが導入、のちの『VIII』でもゲルダ&モリーなど、評価はさておきとしてリメイクでは仲間キャラが追加されることが多いのだが、本作に関しては何もないという状態になった。
  • ストーリーにおける変更点は少ない。
    • 元々PS版の時点で長大なストーリーであり、一部を削る案が堀井雄二から出されたりもしたが、結局はユーザーに納得してもらうために全編をリメイクすることになった経緯を持っている(Vジャンプ2013年3月号より)。
    • シリーズ屈指の胸糞悪いイベントと悪名高いレブレサック地方のイベントは、PS版では知ってさえいれば回避できた現代でのイベントは見ないと石版が入手できなくなったため、不快さが増したともいえる。
    • 発売前予告では追加エピソードについても触れられており、発売後に予告通り「ストーリー石版」という形で配信が行われたが、2013年3月に3つ配信されたのみで、『IX』のストーリークエストに比べてお粗末と批判を受ける事が多い。
  • カジノ関連
    • ラッキーパネルの仕様変更。
      • 数合わせのための星座パネルがなくなり、シャッフルパネルとチャンスパネル以外すべてがアイテムパネルとなった。このためPS版では1回のクリアで入手できるアイテムは3種だったのが、1回で9種類ものアイテムを入手できるようになった。
      • もともとラッキーパネルはPS版の時からリターンが大きく、シナリオ進行より数段先の武器防具が手に入ったり、旅の宿のカジノのラッキーパネルは金策としても有効だったのでやり過ぎるとヌルゲー化を招くと言われていたのが、そこからさらに3倍稼げるようになったためそれが更に顕著になってしまった。
      • もちろんカジノなので利用するかどうかはプレイヤーに委ねられているのだが、もともと稼ぎやすかったものを更に稼ぎやすくする変更には疑問の声も多い。
    • スロットが当たりにくくなった。
      • カジノ景品の強力なアイテムや高く売れるアイテムが中々手に入らない。ラッキーパネルで資金稼ぎをしてコインを買うという方法でも効率が悪い。すれちがい石版でゴールデンスライムなどを狩り続けてコインを買った方が早いと言われている。
  • レベルアップ時のステータス上昇が、PS版では固定だったものが、3DSではランダム上昇に変更された。
    • 低レベル攻略を目的とするプレイヤーにとっては、吟味に莫大な時間がかかるので、レベルアップ時のステータス上昇のランダム化は評判が悪い。
    • ただし、すれちがい石版のおかげでステータスアップアイテム集めが非常に楽になったので、低レベル攻略以外のやりこみには痛くもかゆくもない。

問題点

戦闘に関する問題点

  • 相変わらずの特技優遇。PS版よりも若干早く強力な呪文を習得するが、他の特技もやはり習得が早くなっているので、実質的にはほとんど変わりない。『VII』での攻撃呪文の存在感はほとんど無い。
    • 詳しくはPS版、およびSFC版DQ6の記事を参照
    • 唯一イオだけは、マリベルが序盤に自力で覚えるようになったので、大幅に地位向上している。
    • 一方でラリホーマは、羊数え歌の超強化により、ほぼ下位互換になってしまうことに…。
  • 戦闘中の仲間会話はコマンドが廃止。
    • 『VIII』やリメイク版『IV・V・VI』に引き継がれなかった戦闘中会話システムであったが、リメイクである本作でも実装は叶わなかった。
    • 元々お遊び要素に近いシステムながらそのテキストは非常に作り込まれており、PS版7の独自の魅力であっただけに、愛用していたファンからは惜しむ声も大きい。
  • シンボルエンカウントの練り込み不足。
    • 敵シンボルは唐突に沸いてくるため、回避しようと思っても戦闘が発生する事もしばしば。戦闘終了後にシンボルは再配置されるが、移動した途端目の前に湧いてくることも。
    • 本作では戦闘後の無敵時間がないため、ダンジョンの細い道で通せんぼされる場面や、少しでも動けば戦闘続きになる場面が多い。
      • また元がランダムエンカウントであったことを反映してなのか「敵の背後をとれば先制しやすくなる、逆に後ろから触れられると先制されやすくなる」といったことがなく、先制に関してはランダムである。
    • メタル系以外のほぼ全てのモンスターが好戦的にこちらに向かってくる。追尾に全く無駄がないためとても避けづらい。
      • 『IX』では追尾系だけではなく、猪突猛進したりその場にいるだけだったりと個性もあり回避もしやすかったが、本作ではそこから単純に劣化している。
      • 他作品同様こちらのレベルが高ければ逃げていくようになるが、結構な差がなければそうはならない。こうなるとプレイヤーと同速でちょこまかと逃げ回り、止まったと思ったら接触判定を消して地面に潜ってしまうので戦闘に入ることすら難しい。
      • せっかくメタル系のシンボルが出るのに簡単に逃げられるため、最初から背後をとっていなければ触れて戦闘に入ることすらままならない。
    • よって、安全に進むためにはレベルを上げ、レベルに応じて敵シンボルを消滅させる「トヘロス」をかけるのが最善とされる。しかし、この場合は狙いの敵とも戦闘できなくなるし、レベル上げの手間もあるのでシンボルエンカウントの作品には毎回登場している「ステルス(敵に見つからなくなる)」が本作にもほしかったとの声が多い。
    • もっとも、大半のモンスターはこちらの反応がよほど遅くない限り走り続ければ振り切れ、こちらを発見して一定時間接触できなければ去っていくし、障害物や地形を利用すればほとんどの戦闘は避けられる。そのため、『MPなどを消費して先に進むか、時間をかけても安全に進むか』というシンボルエンカウントの特徴は遵守しているとも言える。
      • とは言え、今作はボス戦が非常に多く、レベルが足りなければボスに敵わないため、どのみち経験値稼ぎのために戦う必要には迫られるが…。
  • 全体的に改善された職バランスの中で、魔法戦士だけがあまりにも不遇。強化こそされているものの、相対的には弱体化されていると言っていい。
    • 元々魔法戦士はPS版の時から能力的に微妙な職だったのだが、「バイキルト」や「メラゾーマ」といった呪文をモンスター職以外で唯一習得する職だったため、転職する価値はあった。しかし、「上級職で覚えた呪文・特技はその職業でしか使用できない」変更点によるバランス調整のため、他職でも覚えられるようになってしまった。特にバイキルトは使えない上級職の方が少ない。
      さらに魔法戦士には特殊能力(パラディンの急所突き、賢者のMP節約など)も無いため、あえてパラメータ的に劣る魔法戦士になる意味がなくなってしまった。
      あまつさえ、魔法戦士が覚える呪文・特技はすべて勇者も使えるため、完全に勇者の下位互換職でしかなくなっている。他の上級職には特技や特殊能力でなにかの下位になっているものはないので致命的。
      • 厳密に言えば魔法戦士の習得呪文のうちベホイミとバギマだけは勇者は習得しない。だがどちらも基本職の僧侶で覚えられる呪文であり、よほど偏った転職をしない限り勇者になる頃には習得しているため魔法戦士の強みとはならない。むしろ基本職で覚えて引き継げる呪文が習得呪文に含まれているあたりが、よけいに魔法戦士の不遇っぷりを物語っている、しかもバギマは前提職の魔法使いで威力も範囲も勝るイオラを覚えているので、魔法戦士単体で見ても役立たず。
  • 魔法戦士の影に隠れて目立たないが、最上級職の天地雷鳴士もかなり不遇。
    原作からして転職条件とリターンが釣り合っていない微妙な最上級職と言われていたのだが、今作ではそれに加えて上級職として前提になる職の呪文や特技を覚え直すはずが 「ベホマラー」を覚えない という重要な漏れがある。
    • 同じ最上級職であり前衛職であるはずのゴッドハンドは覚えるし、勇者はベホマラーとベホマズンを両方覚える。前提職の賢者もベホマラーを覚える。そしてこれらは全てザオリクも覚える。
      なので最も呪文に長けた後衛のエキスパート最上級職であるはずが一番役に立たないという状態に陥ってしまっている。
    • 一応似た効果の「ハッスルダンス」は習得するが、リメイク版のハッスルダンスは消費MP0の代わりに回復量が引き下げられており、ベホマラーの半分程度しかなく厳しいボス戦では殆ど役に立たず、カバーになっていない。
    • ベホマラー自体は下級モンスター職の「ホイミスライム」*5で覚えて追加するという方法でカバー可能ではあるため、魔法戦士ほど不遇ではないが…。
      何よりマリベルのこの職の衣装は非常に人気が高いため、魔法戦士と違って何とか欠点をカバーしてでも使おうとするプレイヤーはいる。
    • ちなみにスクルトも覚えないが、こちらはほぼ同じ効果で劣化していない「たたかいの歌」を覚えるため問題は無い。
  • 補助呪文周りが不親切。
    • 補助呪文は数ターン経つと効果が切れるのだが、効果が切れてもメッセージ等は出ずいつの間にか切れている状態になる。
    • これは敵味方共に同じであり、スカラなどの掛け直し、マホカンタの切れ目を狙うなどの戦略が非常にやりにくくなっている。
      • ただし、バイキルトは攻撃後に効果が切れたというメッセージが出るので、こちらはかけ直しがしやすい。何故全ての補助呪文でこのようなメッセージを出せなかったのだろうか。
  • 耐性の削除
    • リメイク版『VI』同様に人間キャラの耐性が軒並み削除されている。また、マジックバリアも呪文にしか効果を発揮しなくなったり、防具の耐性も削除されたものがある。
      • パーティメンバー固有の耐性に関しては『VI』と違い元々目立つような耐性はないため*6、『VI』ほど大きな問題ではなかったりする。
    • 一方で、よりによってPS版の時点で難所とされるヘルクラウダー戦においてガボとメルビンがダメージを受けやすくなったのが痛い。
      • ご丁寧にも直前の村で売られている防具からバギ耐性が削除されているうえに、しんくうはの基礎ダメージが増えたことで、戦闘力そのものはPS版よりも高くなっている。
      • とはいえ、習得呪文・特技が見直された関係上、対策の方法がなくなったわけではない。
    • しかし、隠しボス戦になってくるとこの耐性削除が大きな痛手となってしまう。隠しボスはジゴスパークとかまいたちを習得しており、なおかつ搦め手として1ターン休みにする特技も放ってくる。
      • マジックバリアにて防げたジゴスパークと1ターン休み系の技が貫通してしまい、新規で代替となる対策も用意されていないため、単純撃破の難度が上がり、19ターン以内撃破も運が絡むようになってしまった*7
    • 難易度バランスの調整として見ようにも、元から強い敵が強くなっただけで、弱いところには大した改善がないため、歪になっているとしか言いようがない。
    • モンスター職においても状態異常系には強いという利点があったのだが、本作では反対に弱体化するような仕様にもなっている。
  • 自動でのパーティ並べ替え。
    • 何か大きめな会話イベントが発生し終了する度に、強制的にパーティの並べ替えが行われる。順番は先頭から主人公→マリベル→キーファ→ガボ→メルビン→アイラの順位で固定。
    • パーティーの並び順は戦闘バランスにも影響するので、特に理由がなければ脆めなマリベルを下げ、耐久力のあるキーファやメルビンを前方に持ってくるのが基本。気にする場合は毎度毎度並び替えなおすことになる。
  • 不意打ちされると、コマンド入力画面突入まで、何故か味方側のHP・MPのウィンドウが表示されないという不便なルールになってしまった。
    • かつてのFC版DQ1もこのルールだったため、「原点回帰」と皮肉られることも……。
  • AIの大幅な劣化。AIレベルの酷さで有名な『PS2版DQV』に匹敵するとまで言われている。
    • MPの無駄遣いが顕著で、メラゾーマなどの上級呪文を習得すると、あと少しでとどめを刺せる状況でも上級呪文を使って倒すことが多い。前述の通りMPが追加されるようになった特技も増えたため、この思考回路は痛い。
      • MPを消費するキアリクと消費しないめざめの歌をどちらも覚えていると、眠り状態を回復させる時にわざわざキアリクを使ってしまう、という非効率な行動も取る。
      • それでいてAIがアイテムを使わない仕様はリメイク前から引き継がれているため、ガス欠になろうとアイテムで回復・補助をすることさえもしてくれない。
      • ちなみに『まんたん』の仕様もPS2版DQV以降の酷さを引き継いでおり、ベホマを覚えておきながらベホマラーを無駄に使ってしまう。回復に関してはプレイヤーが自ら行うことでしかMPの無駄遣いを抑えられないのである。
    • 無駄な呪文・特技を使う。
      • 例えば味方にマホカンタがかかっている状態で補助呪文をかけるなど。たとえ同様の効果の特技を持っていてもなぜか呪文を優先しようとする。
      • 敵がブレス系の攻撃をしないのにブレス耐性の特技を使うなど、戦略性に合わせた補助ができない。
    • 戦闘の効率性も悪く、全体攻撃を持ってるのに(その全体攻撃に耐性がない状況でも)単体を攻撃することがあったり、とどめを刺せる状態でなぜか回復呪文を使うなど、理解に苦しむような行動を取る。
      • 追加ダメージを与えられる武器を持たせると、単体攻撃する確率が上がってしまう。最強クラスの武器である「オチェアーノの剣」がそれに該当するため、終盤では更に効率性が下がってしまう。
      • 必中技を習得していても、外れる可能性のある技を使うせいで敵にトドメを刺せなかった、という事態も起こりうる。
      • これらの問題行動を作戦でカバーすることもできない。例えば『ガンガンいこうぜ』にしているのにHPが減れば回復しようとする。
    • 以上により、結局「めいれいさせろ」で戦うのが無難になってしまっている。

システム・音楽の問題点

  • 時期限定の要素も結構ある。
    • 一部フラグを立て忘れた、あるいは別の進め方をした場合、「かこのぼうけん」の内容が記録されずコンプリートができなくなる。
      • 例:「まもののエサ」をもらうイベント。ダイアラック跡地(後の移民の町)に到着してすぐにまもののエサをもらうことも可能ではあるのだが、そうすると「かこのぼうけん」に『まもののエサ?』が記録されなくなる。記録するにはかなり後のルーメン地方復活までもらわないまま放置しなければならない。
      • 逆の例:「清きころも」。天上の神殿で先にもらっておかないと、後で別の場所で清きころもを手に入れても「しなやかに輝くころも」が記録されなくなる。
      • ただし、「かこのぼうけん」のコンプリート特典などは特に無いため、記録し逃しても特にデメリットは無い。あくまで自己満足。
      • 「かこのぼうけん」は本来、プレイヤーがこれまでの冒険を振り返ったり、今していたことを思い返すための備忘録なので、これを完璧に埋めるため冒険するというのも本末転倒気味ではある。とはいえ、開発側の想定した手順でなければ記録されないというのも、本来の趣旨が果たせておらずシステムとしておかしい。
    • もちろんPS版から継続している「ちしきのぼうし」関連についても取り忘れるプレイヤーが多数。
  • すれちがい石版の管理が不親切。
    • 24枚しか持てないのはまだ良いとして、石版が満杯だと捨てて空きを作らなければ新しい石版を受け取れないのに、1枚ずつしか捨てられない。また捨てる度に確認メッセージを繰り返され、すれちがい石版のメニューに戻されるので非常に面倒。
    • しかも石版を捨てるのはモンスターパークでしかできない。
    • さらに、インターネットに接続した際に石版がいっぱいだと全く何もできない。接続前に確認を入れるなり、接続中でも石版を捨てられるようにするなりといった、最低限の配慮ができていない。
      • 結局接続を切断して移民の町からモンスターパークに移動して石版を捨ててから戻る羽目になり、大幅に時間を喰う。
    • 残せる石版は24枚。すれちがえる人数も最大で24人。何かがおかしい。
      • 最大数まですれちがってから石版を受け取る場合、受け取ったのと同じ数だけ捨てる必要がある。上の通りの手間な作業で、24枚。
      • 配信限定の石版さえ50枚以上あるのに24枚までしか持てない。トクベツなモンスターを残したい場合、モンスターパークに送って自作石版を作れるようになってから捨てることが推奨される。
  • 追加エピソードを描いた「ストーリー石版」があるが、内容が薄すぎる
    • フォズの石版は世界一高い塔を上るだけで終わり。
    • メルビンの石版に至っては数分の会話だけで片付けられる。揶揄ではなく、本当に会話だけなのである。
    • 期待の声も多かったキーファの石版については上記2つよりは重厚かつ感動度の高いエピソードに仕上げられているが、それでも10分~15分程度で終わってしまう。
    • 上記の体たらくであるため、本当にただのオマケと見るのが無難である。
  • 相変わらず調整不足な中断の書。
    • DS版『IV』からずっとそうなのだが、フィールド上でしか書けない。町の中やダンジョンではスリープモードの使用を勧められる。これは乱数調整対策の一つである。
      • Ver1.1ではダンジョンでも書けるようになったが、一部のダンジョンやすれちがい石版では使用できないままである。
    • 中断データは再開しても消えないが、正直あまり残しておく意味はない。案の定「第4の冒険の書」と化している。
    • おまけに後述の通り''フリーズバグが存在していた'’こともあり、長めのイベントではストレスがたまる。
  • セリフ音のバグ及び不可解な設定。
    • カジノの従業員に関しては何故かセリフ音が消される。理由は完全に不明。
      • しかも、本来の女声のセリフ音が誤って流されるバグもあり、次の行でハッとしたかの如くセリフ音が消えるという事態も。
    • インターネットに接続した際の酒場の女主人のセリフ音が何故か男声のもの。
  • ストーリー石版のシナリオに入ると台詞間違い(バグ)が結構ある。
    • 例えばフォズの石版のシナリオをある程度進めてから一旦現代に戻り、なぞの神殿の石版の台座からダーマ地方に入った場合、ストーリー石版より前の時代に行くためシナリオを進められないにもかかわらず、仲間会話では「フォズの元に行こう」という旨の発言をされる。
    • また、ストーリー石版でのダーマ神殿内でマリベルがダーマ東の宿の台詞を言うミスもある。
    • キーファの石版のシナリオ完結後、バーンズ王はじめ王室内にいるキャラの台詞に関してはきちんと追加シナリオが反映された状態になるが、一歩王室を出ると他の住人の台詞は以前と変わらず魔王に怯えた様子のまま(国を挙げて宴を開いたはずだが…)。
      • 本筋に絡まない関係上、王室以外のキャラの台詞が用意されていない可能性がある。
  • 配信限定装備が多い。
    • DQMJ2P』や『テリー3D』のように、随時公式サイトを追っていないと取り逃す可能性が高い装備・モンスターが多い。
    • しかもその限定装備の中には、それまでのキャラごとの特徴の1つでもあった装備品による優劣を根底から覆すほどの強力な品もあり、常時配信をチェックしている人とそうでない人の差が激しい。
    • クリア報酬の装備だけでなく、登場する「トクベツなモンスター*8」も通常モンスターと同様にモンスターパークに送ってすれちがい石版に登場させられるため、有用なモンスターで石版を作れる人とそうでない人の差が開く。
  • オーケストラ音源になったことでごく一部、評価を下げた曲もある。
    • ボス戦の曲「強き者ども」は、元々はスピード感が魅力の曲だったのだが、人間が演奏するのは難しかったのか、かなりテンポが遅くなってしまっている。本作より前に出た『モンスターバトルロード』はこのテンポの遅い方を元にしたアレンジになっており、以降はこれが基本になっていたようである。
      • ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏した方はある程度スピード感を保っているが、こちらの音源は権利の関係上、ゲーム中で使用することはできない。
    • 「トゥーラの舞」「復活のいのり」の二曲は、ストーリー上では架空の撥弦楽器トゥーラを用いて演奏される曲である。そのためPS版の原曲では現実のギターやリュートに似たトゥーラの音色が表現されていたが、オーケストラでの再現は難しかったため普通の曲になっていた。このアレンジ自体は悪いものではないが、今作ではそのオーケストラ音源をそのまま持ってきてしまったため、「画面の演出上ではトゥーラを弾いているのに他の楽器の音しか聴こえない」ということになってしまっている。「トゥーラの舞」は元々主旋律からしてトゥーラだったのがフルートに変更されているため、より違和感が大きい。
      • 『X』でも同様のシチュエーションで「トゥーラの舞」が演奏される場面があるが、この問題はそのまま。
    • 「うたげの広場」の後半部分が丸々カットされてしまった。これはオケ版に編曲された際に後半部分がカットされ、それがそのままゲームに収録されたためで、このせいでループがかなり不自然になった。

パッチで改善された不具合

  • ニンテンドーeショップにて2013年4月24日よりVer1.1に更新するデータを配信、特技を忘れてしまう不具合は改善され(既に忘れてしまっても復元される)、フリーズの報告も激減した。これからプレイする方はダウンロードしてからプレイすることをオススメする。
    • 更新データが適用されている状態では、メインメニュー画面で右下に「Ver.1.1」と表示される。
    • 一度の戦闘で敵が一定数以上の仲間を呼ぶとエラーとなって強制終了する現象は改善されていないので注意。

※以下は修正パッチ以前に確認されていた不具合。

+ 修正パッチ以前の不具合
  • 覚えた特技を忘れてしまうバグがあった。
    • メルビンやアイラが固有で覚えていたはずの特技が上級職の特技と誤認され転職で忘れてしまう不具合。
    • 「キャラ自身がレベルアップで覚えた特技」は、通常は別の職に変わっても忘れないのだが、以下の条件を満たすと忘れてしまう。
      1.レベルアップで覚えた特技が、人間の下級職で覚えられる中に存在せず、人間上級職のいずれかで覚える事ができる。
      2.レベルアップでその特技を覚えた後、その特技と同じものを覚える人間上級職に就き、覚える職業レベルまで上げる。
      • その後別の職に転職すると、他の上級特技と一緒に忘れてしまう。以降、レベルアップで覚えたはずの特技なのに、該当職に就いていないと使えない状態になる。
    • 該当するのはメルビンの「におうだち(パラディン)」とアイラの「かえんぎり(魔法戦士/勇者)」「マホトラおどり(スーパースター)」「せいれいのうた(スーパースター)」。
      • これらのうち「におうだち」と「かえんぎり」はモンスター職にも習得するものがあり、そちらで覚えなおせば二度と忘れないが、「マホトラおどり」と「せいれいのうた」はモンスター職の中に習得するものがいないため、一度バグを起こして忘れてしまったら以降は完全にスーパースター限定になってしまう。
      • さらに、「せいれいのうた」以外は初めて仲間になった時点で既に習得しているため、該当の上級職の職レベルを上げると必ずバグが発生する。せいれいのうたのみ、仲間になってからいくつかレベルを上げて覚えるため、それよりも前にスーパースター職の該当レベルまで上げてしまえばバグを回避できるが、知っててもかなり大変。
    • このバグはVer1.1パッチで修正され、一度バグを起こして忘れてしまった状態でも自動で思い出す。
  • フリーズ・強制終了バグが発生していた。
    • PS版でも特定のシチュエーションでフリーズが多発していたが、本作では全く違う要領でのフリーズバグや、強制的に3DSメニューに戻されるバグが発生する。
      • ご丁寧にも「保存していないデータは失われた可能性があります」と追い打ちをかけてくれる(これはソフトではなく、3DS本体のプログラムからのメッセージであるが)。
    • またスリープモードにして本体を開くと再開しなくなる(スリープモードが解除されなくなる)不具合も発生していた。

総評

原作の大きな問題点だった石版集めなどのストレス要素を大きく改善。
職業絡みも大胆な変更や調整により、原作からはプレイ感覚が変化したため「別ゲー」と評価されることも少なくないほど、リメイクとしては良好である事は間違いない。

一方、元が賛否両論の激しいゲームであるにしても、死に職業や新たなバランスブレイカーが登場してしまったり、明らかに昨今の作品から劣化しているシンボルエンカウントや練りこみ不足なシステム周り、パッチで修正されるまで存在したソフトの動作の不安定さなど、評価を下げるポイントが目立っている。
ボリューム面は原作と遜色なく膨大だが、ストーリー面の変化や追加が薄く、PS版のプレイヤーからすれば気になる点や劣化も多い。

しかし、シリーズの中でも異端児的存在だった本作が格段に遊びやすくなったこともまた事実。
ストレス要因の多くが改善されて遊び心地のいい作品に仕上がっているため、初心者やPS版を途中で投げ出してしまったプレイヤーにとってもプレイの価値があるといえる作品となっている。


余談

  • なぜかキーファがレベル50になった瞬間、みのまもりが+579増加と狂ったように成長する。これはPS版では見られない現象である。
    • 50レベルに達した時だけ見られるこの異様な成長率により最終的に他パーティーメンバーの3倍というとんでもない守備力になり、完全にキャラクターのステータスのバランスが取れていない。
      • さらに成長させてLv99まで上げると最終的にみのまもりは682となる。ちなみにPS版でのLv99時のみのまもりは220とやや高め程度で至って常識的な値だった。
    • もっとも、普通にプレイする限りキーファはこのレベルになる前に離脱するのが当たり前なので、通常プレイでは何の問題もない。
    • バグのようにも思えるが、公式ガイドブックにも載っているれっきとした仕様である。それを仕様とするのもおかしいが。
  • グラフィックの変更により、PS版では母狼から離れて一人でパーティに加入していたガボが、母狼ごとパーティに加入し、狼に乗って移動するキャラになった。
    • …が、戦闘グラフィックにまで母狼がいるどころか、歌・叫び系の特技やブレス系の特技はガボではなく母狼が吐きだす。特殊能力を持った白き狼の生き残りであり人間の体になっているガボはともかく、母狼は何の変哲もない一般狼であるはずなのに…。
  • 本作のプロモーション映像の冒頭では、1つの島を背景に「世界にたったひとつ残された島 エスタード島」と紹介されるのだが、 映っているのがウッドパルナ地方の島であり、エスタード島が封印されている という大きなミスを犯している。

ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち(iOS/Android版)

【どらごんくえすとえいと えでんのせんしたち】

ジャンル RPG
対応機種 iOS11.0以上
Android5.0以上
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2015年9月17日
定価 1840円(税込)
判定 なし

概要(iOS/Android)

ナンバリングタイトルのスマートフォン移植シリーズ第8弾。DQ1〜8の中ではいちばん最後に移植された。基本的には3DS版のベタ移植であるため詳細は3DS版を参照して頂きたい。アプリ容量は1.9GBあり、DQのスマホ移植の中では最も大きい。

変更点・評価点(iOS/Android)

  • 改善されたキャラクターの移動操作
    • 本作はスマホ版のDQ6までと異なり移動パッドが画面に表示されなくなり画面内ならどこをスライドしても移動できるようになった
      • 一応、設定の変更で移動パッドを表示させることは出来るが目印程度の小さなもののみである。
  • エンカウントの仕様
    • 本作ではオリジナル版同様の歩数エンカウントに戻された。
      • トヘロスの効果がPS版のものに戻った一方で、3DS版で廃止されたしのびあしは復活していない。
      • エンカウントの頻度はかなり低く設定されているため、稼ぎ作業を行うには「くちぶえ」は必須レベルである。
  • グラフィック
    • 解像度が高くなっており、グラフィックが綺麗になっている。
      • 他の移植と共通しているが、フル3Dグラフィックであるため一段と綺麗に見える。
    • イベントムービーは3DS版のものをそのまま使用しているため、ムービー中は上下に黒い余白ができる。
  • 音楽
    • BGMは他作品と共通のシンセサイザー音源に変更された。
    • それにより、3DS版で評価を下げた「トゥーラの舞」「復活のいのり」「うたげの広場」は問題なくなった。
  • モンスター石版
    • すれちがい通信がないため、名称が『モンスター石版』に変更された。
    • 配信された石版はモンスター石版が解禁されてすぐにほとんど全てをダウンロードすることが可能である。
      • 3DS版で企業タイアップだった石版は名称が変更された。
    • インターネット石版のクールタイムが3時間に軽減された。
  • その他改善点
    • AI戦闘が大きく改善された。3DS版と違って無駄な特技を使う場面が減っており、道具も一部を除いてつかってくれるようになった。
    • ふしぎな石版の台座で「置く」ボタンを押すだけで持っている石版を一度に置くことができるようになった。
    • スマホ移植なのでオートセーブが追加されており、マップの移動後や戦闘終了後に行われる。ただし中断セーブが不可能な場所では行われないので注意。
    • 街中などのNPCをすり抜けて移動できるようになった。
      • ただし道を塞ぐために「通り抜けられない」ために配置されているキャラは当然すり抜けられない。

問題点(iOS/Android)

  • 仮想パッドによる操作。
    • 操作が従来のスマホ版ドラクエと比べて快適になった一方で、移動スティックが廃止されたために細かい調整が難しくなった。
      • この問題点は、動く足場を乗り継いで進む「大灯台」で顕著に現れる。足場の判定がシビアになっており、3DS版では乗れていた状況でも落下してしまうことがある。その上で細かい調整がしづらいため、落下することが多く、ストレスが溜まる。
      • 「大灯台」はストーリーで何度も登ることになるため、難しい操作を何度も要求されることになっているため、嫌になってしまう人も少なくはないだろう。
  • 中断の所・オートセーブの仕様
    • 相変わらずモンスター石版では中断セーブが使用できず、オートセーブも行われない。
      • モンスター石版は稼ぎのために長時間籠ることが多いため、アプリが落ちてしまうと稼いだ分がパーになってしまう。そのため、定期的なセーブを強いられる。

総評(iOS/Android)

基本的な内容は3DS版と同じであるため楽しめる内容となっている。3DS版をベースに上手くスマホに操作を落とし込んでいるためUIに関しては悪くない。ただし操作性は微妙な点があり一部のダンジョンでは操作性の悪さがストレスになるのが残念なところである。


+ タグ編集
  • タグ:
  • ドラゴンクエストシリーズ
  • スクウェア・エニックス
  • 3DS
  • リメイク
  • 2013年
  • アルテピアッツァ

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最終更新:2024年04月14日 14:53

*1 海上と、ごく一部の3Dダンジョンはランダムのまま。また特技の「くちぶえ」の効果は今まで通りある。

*2 しかし、本作の前後に発売された『テリーのワンダーランド3D』『イルとルカの不思議なふしぎな鍵 』には普通に登場している。

*3 エンディングの最中にのみ、グランエスタード城下町の井戸の底にて入手でき、崖の宝箱に入れることで復元される特別な石版。その入手方法の困難さに数多くのプレイヤーが頭を悩ませていた。

*4 このため設定上はゴッドハンドでも覚えるのだが意味がなくなっている。

*5 宝箱でも確定で1つ手に入りかなりなりやすいモンスター職

*6 主人公のみデイン系に、ガボとメルビンはバギに耐性がある。

*7 PS版にあった「999体倒した敵は1ターンで倒せる」システムは削除されている。

*8 過去作のナンバリングタイトルにいた一部の呪文特技以外をまるまる該当作から輸入されたものと、『VII』に本来いた既存種の強化版がいる。