牧場物語 ふたごの村

【ぼくじょうものがたり ふたごのむら】

ジャンル ほのぼの生活ゲーム
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売元 マーベラスエンターテイメント
(現: マーベラスAQL)
開発元 トーセ
発売日 2010年7月8日
定価 5040円
判定 スルメゲー
ポイント 二つの村で牧場経営
新要素多数
強制スローライフ
牧場物語シリーズリンク


概要

牧場でのんびりと農業や酪農を楽しみながら恋愛をする、『牧場物語』シリーズの第25作目。
今作では、牧畜が盛んで洋風な雰囲気の「ブルーベル村」と、農業が盛んで和風・オリエンタルな雰囲気の「このはな村」の二つの村が舞台となり、主人公はどちらかの村に住み牧場を経営することになる。

基本システムに関しては前作『ようこそ!風のバザール』を踏襲し、様々な新システムが盛り込まれた意欲作とも言える一作である。

ストーリー

「どこに住もうかな?」 牧場経営を夢見る主人公は、足取りも軽く、この地域へとやってきました。
動物がたくさん住んでいる自然豊かなその山の左右のふもとには2つの村があり、 ひとつはどうぶつがたくさんいる村、
もうひとつはいろんな作物がたくさん育っている村があるところでした。

「どっちの村がいいかな?」 そう考えて歩いていると、山頂の道の真ん中で2人の住人が大きな声でケンカをしています。
1人は長いコートと帽子をかぶった老紳士。もう1人は赤い布地に細かいししゅうのある服を着た女性で どちらも異なる土地の住人のようです。

主人公はケンカの間に割って入って2人をとめようとします。 そして、とりあえず自分たちがここへ来たいきさつを伝え
いい土地がないか聞くと、2人の村長は「自分の村に来い!」と お互いの村へ主人公を連れていきます。
村を案内されるその間もケンカしっぱなしの2人でしたが、 村の住人達は「いつもの事」と見てみぬふり。
「大昔は村同士仲がよかったのにな・・・。」 どうやら何か訳ありの様子。
主人公は自分に出来る事を探しながら、いつかは そんな村同士の関係を昔のような仲のいい関係にもどすことを 夢みるのでした。
(wikipediaより)

特徴

  • ふたつの村
    • 概要で挙げたように、主人公はふたつの村のどちらかに移住し、牧場生活を営むことになる。
    • 「ブルーベル村」では酪農が盛んなだけあり、畜舎のサイズが大きく、たくさんの牧畜を飼えるものの、耕すことのできる畑の範囲は狭い。
    • 一方「このはな村」では正反対で、畜舎はあるもののあまり数を飼えない代わりに、畑の面積が広く、農業に適した土地になっている。
    • ふたつの村は自由に行き来することができ、引越しも可能な上、条件を満たすともうひとつの牧場も使用できるようになる。
  • 「おつかい」システム
    • いわゆる「クエスト」であり、住人から毎日様々な依頼が掲示される。主人公は好きな依頼を受け、期限までに指定されたアイテムを届けることができると、お礼のアイテムがもらえる。毎日の牧場生活に目的要素を足すことができ、ダレにくくなった。
    • 過去のシリーズ作品ではGBC『GB3 ボーイミーツガール』にて農協の依頼窓口で依頼を受ける事が出来たが、基本的に無個性だった農協に対して本作での「おつかい」は住民からの依頼で、内容もそれぞれ住人の個性が現れている事から各種キャラクターの掘り下げにも繋がっていたり、上位ランクでも下位の依頼を受ける事が出来る様になっている等、システム自体も過去作品から順当にグレードアップしていると言えるだろう。
  • 進化した「おきがえ」システム
    • 要するに「コスチュームチェンジ」。片方の村に引っ越したり特定のおつかいをクリアする等をすると新しい衣装を手に入れる事が出来る。
    • これまでの作品では『forガール』版の追加要素として存在していた関係で女性のみが利用出来た要素であったが、本作では男性側でも利用可能になり、PS『ハーベストムーン』時代から続く女尊男猥の流れからようやく脱却出来たと言える。
    • 加えて、従来のコスチュームチェンジでは特に効果が無くプレイヤーの気分転換程度しか役割が無かったが、本作では特定のキャラクターの専用台詞を見られたり、「愛情度が上がりやすくなる」「着た状態で寝ると翌日の天候が必ず晴れになる」というような特殊効果を持つ物も存在する。
  • アイテム錬成
    • 本作では新たに『コロボックルステーション』における「魔女さま」に相当するキャラクターの「賢者さま」の家で作物や料理など様々なアイテムを組み合わせて新たなアイテムを錬成で作成する事が出来る様になった。
    • 錬成で作成可能なアイテムは「つかれとーる」等の薬類や「水ひりょう」といった特殊な肥料など様々で、いずれも素材集めこそ非常に大変だが牧場生活の大きな助けになるだろう。
  • 新しい動物の登場
    • 家畜としてアルパカ、ペットとして大犬、フクロウが飼えるようになった。
      • アルパカは羊とほぼ同様だが、愛情度が低い状態だとプレイヤーの姿を見ると一目散に逃げてしまったり、命令を無視してピョンピョンと跳び跳ねたりと、これまでの家畜とは異なる癖のある挙動が特徴的。
      • 大犬は愛情度が上がると牛の放牧を手伝ってくれる。フクロウは、ふたつの村の真ん中である山頂から、どちらかの村へワープ移動してくれる役割を持っているのだが、後者は練り込み不足気味な点も多い(後述)。
      • なお、本作では犬の種類の細分化により、前作から続投している子犬はアルパカと羊の放牧担当に変更されている。
  • 農地開拓について。
    • 農地開拓に関しては、畑一面に生い茂っている雑草をカマを刈る事で初めて土を耕せる方式に変更された。
      • これに伴い、従来のタイプの雑草は裏山の収集アイテム扱いに変更されていて、本作での畑の雑草は素手で除去する事が出来ない。枝と石も同様。
  • 農業・施設関連
    • 『キミと育つ島』で登場した米を育てられる「水田」が復活している他、従来作では釣った魚を溜めるだけだった池に数を増やしたり魚のエサを与える事で品質を向上させる機能が追加された「養殖」、裏山で採れるハチの巣を使用しハチミツを採取する「養蜂」が追加。
    • 各種メーカー類も前作の3種から6種に再分割された。ちなみに各種村で使用可能なメーカーは6種中半分の3種のみになっている。
    • 農作物の品質を上昇させる「肥料」は従来の農作物に直接蒔く物から畑1マスに植え込むタイプに変更された。
      なお、本作の肥料は「畝」に使用した場合は、畝全体に効果が及ぶ事になる。
  • 酪農関連
    • 本作では動物に使用するアイテムに「おやつ」が追加された。
      • 「おやつ」はお店で複数購入可能なアイテムで、飼い葉といった動物のエサとは別に1日1回のみ与える事が出来る *1
      • スキンシップやブラッシング同様に家畜の愛情度を上昇させる効果がある他、各種おやつを一定数あげると採取可能な畜産物の数を増やせる役割もある。
    • また、ニワトリを除く家畜に「汚れ」の概念が追加された。
      • 数日間家畜を放置しているとドロで汚れてしまい、そのままにしておくと愛情度のダウンに伴い畜産物の品質が下がったり、ストレスも溜まる事で病気や死に直結する事になる。
      • 家畜に付着した汚れはブラシをかける事で除去することが出来る他、毎日のブラッシングで汚れるのを防げる為、家畜の愛情度が最大まで溜まっている状態でもブラシをかける意義が出来たと言える。
  • 通信畑
    • 山頂にある女神さまの泉に飛び込む事で利用する事が可能な本作の通信要素。
    • 基本的には過去作における「温室」同様に各種「太陽」系アイテムを使用する事により、季節に関係無く作物を育てる事が出来るが、本作の場合は「通信畑」の名称通りワイヤレスやWi-Fi通信に対応していて、料金を貰うor払う事によって、自分が育てた作物をあげたり通信相手側の作物を貰ったりする事が出来る。
    • 加えて、前作にも存在していた、大きな看板に好きなイラストを描く事が出来る機能も続投しており、通常の畑と棲み分けられた事によって、自己アピール要素としても更に磨きが掛かったと言える。
    • ちなみに、通信畑自体は通信に繋げなくても利用出来るが、この場合は育てた作物が収穫出来ず観賞用の畑に変化する事から、従来の「温室」同様の使い方は出来ない。
  • その他
    • 前作までの「すてき」系アイテムは農具等をパワーアップさせる効果であったが、本作では全て集めると願いが叶う効果に変更された。
    • 前作における「バザー」に相当するシステムが廃止され、シリーズ恒例の出荷箱がDS作品では『キラキラ太陽となかまたち』以来の復活を遂げる事になった。

評価点

  • 農業の大発展
    • 今までの牧場物語では、畑に水をやる範囲はジョウロの性能に左右されていたが、今作では、耕す際に畝(うね)を作ることができる。畝で畑を繋げると、その範囲内に一度で全て水をやることができ、水やりの効率がアップした。
      • その代わりなのか、本作でのジョウロの強化は水の容量程度になっているのが少々残念か。
    • 農作物の品質を上昇させる肥料も植え込み式に変更された事によって、前作までに存在していた「農作物に肥料を蒔く」という作業も事実上の廃止になり、消費体力の節約や農作業の効率化に繋がっている。
    • ジャンプやダッシュで農作物を踏んでも品質が下がる事が無くなり、畑内での移動制限は実質解除されたと言っても過言では無い。
    • このはな村のメインが農業になっている関係なのか、白菜や大根といった冬に育つ作物が、携帯機作品では『GB2』以来の復活を遂げ、加えて本作では果樹にも冬に実を付ける物も追加されている事から、一年中農業ライフを送る事が出来る様に。
    • これらに加えて、成長ポイントが無く簡略化された農作物全体の仕様や、水やりが1日に2度行えるようになる「日照」が続投した事、農作物を種に還元させる「種メーカー」や上述の天気を晴れに固定させる効果の服の存在も相まってか、作物の育成時期のコントロールや品種改良、年を跨いでの品質の引き継ぎと出来る事が非常に多い事から、本作の農作業に関しては非常に完成度が高く、牧場を発展させていくにつれて、最終的にさしづめ『農作物の魔術師』を誇れる様になるだろう。
  • 快適な「荷馬車」
    • 本作では「荷馬車」を引いて馬に乗ることもできるようになった。
      • 馬車はいわゆる「倉庫」にあたり、それぞれ容量や品質保持能力が異なる他、「荷馬車」は基本的にどこでも持って行ける上にページ数も増設出来る為か、実質リュックの上位互換とも言うべき性能になっている。
      • 荷馬車のバリエーションも、普通なデザインの物から御神輿や獅子舞、果てはニワトリ型メカにUFOと様々で、性能が上位になる程スタック可能なアイテム数が多く保冷機能も高くなる。御神輿といい、UFOといい、牧場生活と全く関係無いだろ!と突っ込んではいけない。
      • 加えて、乗馬中は荷馬車と馬の相性によっては移動速度もダッシュ並に増加する為、Lダッシュがきつい本作においては多くのプレイヤーの助けになるだろう。
      • 反面、本作の馬は愛情度設定が無い事から、前作の様におやつを上げたりブラシをかけるという行為が完全なる無駄な行為なのが否めず、本作における「馬のおやつ」は主に住民へのプレゼント専用アイテムに役割が変わったとも言える。
  • 牧畜・ペット関連
    • 本作で新たに追加された家畜の「アルパカ」は前述の通り羊と被っているものの、妊娠不可かつ成長済みの状態で育成を始める事が出来たり、獲得可能な「アルパカの毛」は羊毛以上の価値で出荷出来る事や、個性的で癖のある挙動といった羊と差別化された要素の多さから上級者を中心に話題を呼ぶ事になり、マンネリ気味だったシリーズにおける牧畜に新風を吹き込んだ言っても過言では無いだろう。
      • 育成可能な家畜の増加は好評だったらしく、次回作『はじまりの大地』では更に多くの種類の家畜を飼う事が出来る様になった事で、家畜面ではWii『わくわくアニマルマーチ』さながらのバラエティさを誇る事になった。
    • また、「大犬」が飼える様になった点も、放牧可能な動物の種類が細分化された事もあってか、飼っている種類にもよるが大量の家畜を放牧させる事が出来て好評。
      • 加えて、本作ではペットのステータスの「訓練度」が廃止され「愛情度」単独になった事で育成の簡略化に繋がっているとも言える。
  • 山遊びが楽しい
    • シリーズでもおなじみの山だが、今作はマップがかなり広い。
    • いくつかの遊びの要素がある他、虫や魚、キノコや野草など様々なアイテムを収集できる。
    • また、野生動物も住んでいて、仲良くなることも可能。
    • 四季の移ろいと共に景色を変えていく山のグラフィックは美麗。
  • BGMは良好
    • 季節ごとのBGMや各村ごとのBGMは雰囲気も良く、クオリティが高い。
    • また、過去シリーズの楽曲も少数ながら収録されているファンサービスも。
  • 恋愛関連
    • 結婚候補達とデートイベントができるようになった。キャラごとにできる曜日・時間が決まっていて、条件が合うと、キャラを誘って出かけることができる。行先にもキャラの好みがあり、それぞれ好感度が増減する。
      • 更に、デートの際に条件を満たすと、シリーズ恒例の恋愛イベントが発生する事も。
      • ただし、イベント自体が一言二言程度の会話で終わってしまう淡白なのが難か。
    • 他、過去のDS作品『キミと育つ島』及び『キラキラ太陽となかまたち』で登場し正当派ヒロインという事もあってか人気を博していたものの、結婚が出来ずイベント止まりだったキャラクター「アリエラ」も本作で復活した他、特定の条件を満たす事によって結婚が可能になったのも、彼女との結婚を待ち望んでいたファンから歓迎される事になった。
  • バグらしいバグが存在しない
    • 一時期、牧場物語シリーズを乱発していた頃は、どの作品にも大きめなバグが存在していた。しかし本作発売の頃は、一本の作品を丁寧に完成させる事にシフトしており、通常プレイしていてバグに遭遇することは少ない。
    • ただし皆無という訳ではなく、アイテムが消失してしまうバグが本作にも存在している為、発生条件を事前に確認しておくことを推奨する。
    • ただ、このアイテム消失バグは不要アイテムを削除するような使用方法もでき、他にもアイテムを増殖させることができるバグもあるなど、有用な面も多少はある。
  • その他細かな改善点
    • 出荷箱が復活し収入を毎日得られる様になった為か、前作のバザールの様な「自由に持ち物を売る事が出来ない事から、倉庫内のアイテムを上手く裁けず、所持金が不足しやすい」という事態が起こりにくくなった。
      • もっとも、これについては従来のシリーズで出来て当たり前だったシステムであり、結果として「元の牧場物語に戻った」とも言えるのだが。

賛否両論点

  • 酪農側の新鮮味の少なさ。
    • 本作は農業が大幅な発展を遂げている反面、酪農側では新規の動物やおやつ、家畜の汚れの概念が追加された程度と少なく、農業と比べて変化に乏しく見えてしまうのが難。
      • とはいえ、酪農側のシステム自体、初期シリーズで完成されている物をほぼそのまま引き継いでいるので、致命的に完成度が低いという訳ではない。
  • ライバルイベントの消滅
    • 今までのシリーズでは、ヒロインがライバルと結婚してしまうイベントが存在したが、本作では主人公が結婚する以外、他のキャラは進行上誰も結婚しない。
    • 一応、結婚相手となるキャラと恋愛のライバルと思わしきキャラの恋愛描写自体は存在するが、ライバルイベント自体が廃止された為、単なる仲の良い友達止まりになってしまったのは残念だろう。
  • リアル系に転向したキャラクターデザイン
    • 前作「風のバザール」が頭身が低いデフォルメの強い絵柄だったのに対し、本作では頭身が上がり、リアルな体型に近づいた。本シリーズではデフォルメ系のデザインを主流としてきただけに、好みが分かれる。
    • リアル系のデザインは次回作「はじまりの大地」まで続き、更なる次作の『つながる新天地』ではデフォルメ系のデザインに戻った事から、やはりキャラデザインに拒絶感を抱いたプレイヤーも少なくはなかった様である。
      • もっとも、リアル系のデザイン自体は派生作である『ルーンファクトリー』で採用されており、ここは個人の感性や好みに負うところも大きい。
    • 本作のキャラクターデザインについては『つながる新天地』のインタビューでプロデューサーのはしもと氏が言及しており、「それまでは子供ウケを狙ってデフォルメの絵柄にしていたが、逆に子供からは『絵が子供っぽい』と言われ不評だったから」と説明している。

問題点

  • 料理対決
    • メインシナリオを進行する為には、毎週の料理大会に参加することが必要になる。観戦か参加を選ぶことができ、参加し勝利すると村同士の好感度が上昇し、一定値を超えるとシナリオ進行フラグが立つ。
    • 問題は、毎月同じ料理対決をする事になる点。お題目のジャンルが違う程度で、やることは料理を作って持っていくだけ。品質が高いほど有利になるが、3人のチーム戦な為、結局は他のメンバーによる部分も大きく、勝利は確定されない。
  • Lボタンダッシュの仕様
    • 移動の際、ダッシュはLボタンを押し続ける必要がある。押しにくく、指が疲れる上、Lボタンの不良も懸念される。
    • ただ、本作ではLボタンを使わずにダッシュと同様の速度で移動出来る乗馬が存在している事から、移動不可能なエリアこそ存在するが、そこまでLダッシュに頼る必要が無いのが救いか。
  • スローライフの強制
    • メインシナリオである、「ふたつの村の対立の解決」は、毎週のイベントである料理対決を行うことで進行する。
    • ある程度料理対決をこなすと、イベントが次の段階に進行するのだが、進行させる為には「毎月1日に掲示される、特別なおつかい」を受注しクリアする必要がある。
    • どんなに急いで効率的にプレイしても、このおつかいを受注しクリアしないとシナリオが進行しない。
    • その他、家や牧場の増改築、道具の改造等、生活の幅を広げる要素も、この「毎月1日のおつかい」にて掲示される上、目的のおつかいが出てこない月もある。条件の厳しくクリアできないおつかいが出てきてしまい、欲しかったおつかいが出て来なかった場合、1ヶ月を待つ必要があり、非常に冗長。
      • 前作ではデフォルトで自宅に設置してあったトイレ・お風呂や、月日が経つと自動的に利用が出来る様になっていたメーカー小屋は、本作では再び利用に増築が必要になった。
        とはいえ、本作の増改築では基本的にお金と資材のみが必要になる為、従来作の様な「作成の為にレアな素材が複数要求される」という展開が無いのが救い。
      • 本作は評価点の通り主に農作物関連の強化が目立っているが、それは必要な道具や施設が全て揃ってからの話で、パーツが一通り揃うまで約2、3年は待たなければならない為、このおつかいシステムが本作の評価を「スルメゲー」と至らしめている要因と言えよう。
      • 酪農側でも高収入が期待出来るアルパカの育成解禁が2年目の秋と遅め。
        また増築まで時間が掛かりすぎると、肝心のメーカー小屋が完成する前にニワトリが寿命を迎えてしまう事があったり、本作の料理ではチーズやバターを多用する傾向から、料理全体のレパートリーも激減してしまう事も。
      • 極めつけに、本作で鉱山を利用するには住んでいる村の牧場の増築が全て完了している事が必須条件になっている為、必然的に5年もの歳月をゲーム内で過ごさなければならない。
      • ちなみに過去に依頼システムが採用されていた『GB3』では、依頼と増築及び道具の収集が別々に存在していたのだが、何故依頼に増築及び道具収集を組み込んでしまったのか…
    • ユーザーペースの進行スピードに制限が課せられているため、「強制的スローライフ」になってしまっている。
    • また、本作は「実時間1秒=ゲーム内時間1分」であり、メニュー等でも基本的に時間は止まらない為、ゲーム内での12時間が実時間の12分程度に相当する。
  • お店の定休日が多い
    • 通常の場合でも週に2~3回の定休日がある上、イベントの日はお店が開いていない。
    • 更に「午前・午後の両方とも雨が降る日」も定休日になってしまう。
    • 一応、定休日では無いサイドの村で買い物を行ったり、服の効果で強制的に晴れにしてしまう手段も存在する。
      • …のだが、前者は全てのお店が対応している訳では無い上、後者の場合はそもそも効果付きの服自体の入手までの期間が長く面倒と、共に難点が存在しているのは否めないだろう。
  • 土地開拓関連
    • 本作の農地開拓は、茂っている雑草を除去して初めて土地を耕せるという形式になった為、「余計な手間が掛かる」と不評であった。
    • 加えて、畑の雑草は素手で除去する事が出来ずカマの使用が強制され、汚れ対策に伴う家畜のブラッシング回数の増加の件も相まって「無駄に体力を消費させられている」と嘆かれていた。
      • 本作の開拓方式の変更は失敗だったらしく、次回作「はじまりの大地」以降では元の開拓形式に戻る事になった。
    • 本作のクワの溜め技は「使用するとレベル分の畑の畝を一気に作る事が出来る」という物だが、レベルが低い状態では2~3マス程度しか作れず、かつ溜めの仕様の関係で折れ曲がった畝を作る事が出来ない為か、「無理にクワを強化するよりも、むしろ無強化の状態でチマチマと畑を耕した方が良い」と不評だった。
      • この為、道具の強化に関しては、クワ以外の2つのジョウロとカマを優先して強化させてしまったプレイヤーも多いだろう。
  • 村の間の移動が手間
    • 山のマップが広いことが裏目に出ていて、ふたつの村を移動する場合、すぐに移動することができない。
    • ショートカット要素が解禁されるのはエンディング後であり、物語の決着が付くまではどうあがいても山のマップを通過しなければならない。
      • ただ、ゲームのシナリオ自体は最短でも1年弱程度と比較的短期間で決着が付く為、ある意味本作は某国民的RPGのような「むしろクリアしてからが本番」という、シリーズ内でも珍しいポジションの作品とも言えるかも知れない。
  • 新ペットのフクロウが微妙
    • 本作で追加されたペットのフクロウは山の頂上で使用すると各村の入り口まで移動する事が出来るのだが、利用の際に山の中腹まで徒歩で移動する必要があり、山中へ自動で移動する仕様のデートの帰り道として利用するのはともかく、能力の性質との兼ね合いで荷馬車との併用も不可能な事から、利用価値が薄く、ショートカット解禁後はその必要もなくなってしまう。
    • 一応、他のペット同様に愛情度自体は存在し専用のエサもあるのだが、犬や猫とは異なり放牧を手伝ってくれず、ブルーベル村の行事の「動物祭」でも対象外という事もあってか愛情度を上げる意義も薄く、フクロウ用のエサも倉庫の肥やしや住民へのプレゼントアイテムになってしまっている。
      この為かプレイヤー側からお荷物扱いされやすく、本作のフクロウは最終的に雑貨屋の商品ラインナップの増加くらいしか役割が無くなる事に。
      • よって、鳴り物入りで導入された折角の新ペットながら、次作以降ではフクロウ自体がリストラされ、結局本作限りの存在になってしまった。
    • ちなみに過去作品では『GB3』でも鳥類のペットを飼う事ができたが、あちら側では役割が被っている猫と異なり個別イベントも存在せず冷遇気味であった。牧物で鳥類をペットとして飼うのは難しい課題なのだろうか…
  • 1マス単位の水やりの冷遇
    • 前作で出来た回転ジャンプが消滅し、それに伴いジャンプ回転水やりも不可能になってしまった。
      • これに伴い、1マス単位での水やりが非常に面倒臭くなり、ジョウロの強化が水の容量程度に抑えられていたりブルーベル村の畑が細長い物が大半を占めている事も相まってか、体力消費を抑える為の畝作りを強制させられていると指摘されている。
      • 品質を上昇させる役割を持つ肥料にも周囲8マスに影響を及ぼす効果が存在しているのだが、システムの都合上非常に使い辛く、せいぜい果樹の育成に使用する程度になっているのは否めないだろう。
  • 前作から継続している問題点
    • 会話パターンが多くはない
      • 場所場所によって違うセリフを言うので最初は結構なセリフ量と思うかもしれないが、種類は少ないため、プレイしていると似たようなセリフを聞くことが多くなる。
      • シリーズ大半においては共通する問題点だが、一応前作よりは増えているものの、完全に改善されてはいない。
    • 「鮮度」と「品質」
      • 食料アイテムは「鮮度」と「品質」、その他アイテムには「品質」のみが存在する。品質は0.5~5.0までの10段階ある上、食料品は日に日に鮮度が減少していく。
      • これらが異なると、スタックされるアイテム枠も別になってしまうため、倉庫の中を同じアイテムが複数枠取ってしまうことが多々ある。
        この難点は冷凍機能が「バッチリ」の荷馬車に切り替えると解消出来るが、初めて入手する事になる「バッチリ」の冷却効果の「メカニワトリ」のショップへの売り出しがゲーム開始から3年目と遅く、本作における「スローライフ」を助長させていると言えよう。
      • 次回作では、平均の値になる代わりにアイテムをまとめることができるようになり、一応の改善はされた。
  • その他
    • キャラクターボイスの廃止。前作では登場キャラクターの多くに声優によるキャラクターボイスが追加されたが、本作では廃止されてしまい残念がるプレイヤーも少なくは無かった。
    • 通信プレーに関しても、畑のみが継続した関係で前作のバザールのようなゲーム内イベントに参加出来る要素が無く、やれる事が少なくなったとも言える。

総評

15年も続きマンネリに陥っていた牧場物語シリーズに新たな試みが施した本作であったが、おつかいの仕様が足枷となってしまった。

雰囲気こそ良いものの、プレイに時間がかかる仕様が非常に多いため、ガツガツとゲームを進行させたいユーザーには不向きであり、ゲーム側での進行制限を気にせず、ゆったりとしたペースで遊び続けることができるかが本作を楽しむ上でのカギとなる。
しかし、そうなると今度は単調さを感じさせられる場合も多い、と、一概にオススメはしにくい作品である。

ゲーム上のそれらの粗や欠点を許容した上でゆったりと舞い終えペースで遊べるかどうかで、評価も変わってくるだろう。

余談

  • 本作はニンテンドーDSで発売されたタイトルだが、シリーズの人気が特に高い海外では、なんと次世代機のニンテンドー3DSでも発売されている
    • ちなみに3DS版では画面のワイド化やカラーパレット増加によるグラフィックの作り直しがなされているが、DS版では少なかったラグやバグが多く存在している関係で劣化移植と扱われている模様。
  • 本作の公式ガイドブックでは恒例の映画のパロディ満載かつ暴走気味なギャグが特徴の漫画が掲載されているが、マンネリ回避の為か次回作『はじまりの大地』以降は自重傾向で、古参ファンから残念がられているとか。
  • 酪農メインか農業メインかどちらかを選択出来たり、「馬のカバン」を彷彿とさせる荷馬車、ペットとして鳥類が飼える点等々、本作は過去にゲームボーイで発売された『GB2』『GB3』を彷彿とさせる点も多い。ある意味、原点回帰なのかもしれない。