新・剣と魔法と学園モノ。刻の学園

【しん けんとまほうとがくえんもの。 ときのがくえん】

ジャンル 学園RPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 アクワイア
開発元 ゼロディブ
発売日 2012年7月19日
価格 5,980円
判定 なし
ポイント 代わり映えしない内容
相変わらずの問題点
剣と魔法と学園モノ。シリーズリンク


概要

剣と魔法と学園モノ。』から始まった『ととモノ。』シリーズの新章となるタイトル。
前作『剣と魔法と学園モノ。FINAL』でダンジョンRPGというジャンルを卒業し、フィールド型RPGとして心機一転仕切り直し、システム面も刷新した。
……という触れ込みだったはずだが、蓋を開けてみれば善悪双方の意味で「いつもの『ととモノ。』」であった。


システム

  • キャラメイク
    • 基本的なキャラメイクは今までと同じで、種族・学科・ボーナスポイントを設定する点は同じ。
    • 今作では外見を細かく設定できるようになり、髪や目の色を変えられるようになった。
      • 戦闘中の行動によって出てくる吹き出しという要素があり、セリフを自由に設定できる。
    • 種族限定のスキルはノームを除いてほとんど削除されている。
  • 転校生による進行ルートの分岐
    • 一番最初のクエストの達成順番によって、三人の転校生のうち一人がやってきてメンバーに混じることになる。それぞれの転校生によって、メインシナリオが異なってくる。
      • 本作には周回要素があり、クリアするとデータを引き継いで最初から始めることができる。その際は、それぞれの転校生のルートでクリアした場合の特典をある場所で受け取れる。
  • ラブリングシステム
    • 所謂、好感度システム。イベントによって転校生やNPCの好感度が上下し、最大になるとアイテムがもらえたり、種族限定の学科がすべての種族で使えるようになる。
    • それぞれの転校生のルートによっては攻略できない人物が存在する。
  • 季節の専念
    • シナリオ全体を春夏秋冬の1年となっており、季節ごとに入れるダンジョンの種類が異なる。洞窟や屋内といったものは季節に関係無く入れる。
      • 後のアップデートで季節に関係なく、行ったことがある全てのダンジョンに入れるようになった。ストーリーのフラグは崩れたりしない。

変更要素

  • ダンジョンマップの大幅変更
    • これまでのような3Dダンジョン探索ではなく、見下ろし型マップに変更。また、マスに関係なく縦横斜めに移動可能。
    • マップアイコンは変わらずにそのままなため、初回プレイでも見誤ることは少ない。
    • それに合わせて、移動中や戦闘時のグラフィックが3Dで描かれるようになった。
    • イベントが発生する場所には「?」と書かれたアイコンが置かれている。
      • 白とオレンジの二種類存在し、オレンジは戦闘が発生するイベントでその戦闘に負けるとゲームオーバーになるもの。
  • パーティシステムの変化
    • 今作では一パーティ三名で組み、イベントによってはそこに「転校生」が加入する。
    • 相性システムが、好意か悪意どちらかのみ設定することが可能になった。全員が仲良しのラブラブパーティや、ギッスギスの不仲パーティも組める。
    • サブ学科が消滅し、教室に残っているサブメンバーが応援スキルで補助することになった。
  • 錬金について
    • 「錬成」として仕様変更され、素材や道具を合成・解体したり武器や防具を強化・解体したりできなくなった。さらに錬金術師のスキル「錬金」も削除。
  • 戦闘システムの変更
    • 素早いほど行動順が早く回ってくる方式に変更。それに合わせて、暗唱時間や行動キャンセルといった要素が追加されている。
    • 3D描写により、それぞれの戦闘モーションも派手になった。
  • その他
    • マップギミック関連の変更や、回復魔法の仕様変更などがある。

評価点

  • キャラクターが3D化したことにより、表現力が増した。
    • 今まで性別や学科ごとに応じて用意されていたイラストはなくなり、随所でメイキングしたキャラクターが見れるようになった。
    • 戦闘中では生徒達だけではなく、敵キャラも3Dで表示されるようになった。戦闘モーションも3D描写になったことにより、従来より迫力を増している。
      • 43種類の多彩なボイスを搭載、戦闘中に表示される吹き出し機能といった要素もマッチしている。パターンは少ないものの、武具にもグラフィックがついた。
    • ただし、生徒のメイキングの幅の狭さに関しては問題がある。理由は後述。
  • 種族限定学科の解放
    • 前述の通り、ラブリングを上げることで種族限定学科を他種族が履修できるようになった。
      • 学科自体がキャラクターの性格付けに一役買っているため、選択肢が広がったことは大きい。

賛否両論点

  • 戦闘とマップ以外の部分はほぼ過去作のまま
    • 十分大きな変化と言えるかも知れないが、ゲームの進め方などはそのままで「新章スタート」と言うほどのことだろうか。
    • フィールドマップは存在せず、学園内もキャラを自由に動かすことは出来ない。

問題点

  • 相変わらず悪いゲームバランス
    • 属性補正が過去作と同じく強く、合わない属性の攻撃ではマトモにダメージを与えられない。が、一度でも当てていないと強弱の判断は出来ない。
    • 新しい戦闘システムだが、強力な特技や魔法は発動までに時間がかかりすぎ、まず間違いなく攻撃を受けてキャンセルされてしまう。
      • 実際は無理して撃とうとすればそれなりに撃てるが、前衛後衛の概念がなくなったため以前より魔法使いが攻撃を受けやすい。敵の行動に応じて防御等を行いたいため、被弾が重なり戦闘不能になるリスクが大きい大魔法は非常に使いづらい。
      • 下位魔法を倍加して使用するなどの抜け道があるにはある。
    • 武器が見た目に反映されるようになった一方、二刀流が廃止された。
      • せっかくの本作の強みをあまり発揮できていない。
    • バハムーンとディアボロスがブレスを吐けなくなる、種族限定学科が他種族も履修できるようになるなど、種族の特長を削ったってしまったため、こと種族バランスにおいては3/Finalより大きく悪化した点が多い。
      • ととモノ2のように難易度曲線が崩壊しているわけではないため、物理・補助・回復を組み合わせたオーソドックスなパーティによる戦闘バランス自体はそう悪くない。
  • ダンジョンが広く、キャラの移動速度にも難がある。帰還札やカードがないと不便な部分が多い。
    • 移動速度は更新データにより、ダッシュ機能が追加されたことにより改善はしている。
  • キャラメイクの問題点
    • キャラメイクの幅が狭い。種族に関しては10種類もあり、そこは他ゲームと比較しても豊富。容姿も種族毎に、髪型が4種類、髪の色6種類、瞳色4色、服装2種類、メガネをつけるなら8色……と言えば聞こえはいいが、これは男女合わせての数字である。顔の造形は男性風の髪型と女性風の髪型使用時の2種類で直接選択不可、先ほどの服装2種類も男子制服と女子制服である。本作から3Dになったとはいえ、実質1択*1の項目が2つもあるのはいかがなものか。
    • ボイスが増えたのはいいが番号が表示されているだけのため、実際に聞いてみないと特徴などが分かりづらい。
    • 外見や声を後から変更するには専用のアイテムが必要になるのだが、そのアイテムが原則一周につき1つしか入手できない。
    • 学科総数が大幅に減少した。前作がおかしかっただけではあるが、学科含めてのキャラクター付けを楽しむシリーズなので勿体ない。
  • ラブリング(好感度)について
    • 上限がかなり低いため、普通にプレイしているだけでほぼ全員がMAXになってしまう。何のための要素なのか…。
    • たたし、一部対象のキャラはイベント数が少なく好感度が下がると、その周では好感度を最大まで上げられなくなる可能性がある。
      • 一部のキャラは好感度が最大になると種族限定の学科が解放されるのだが、その中に好感度を上げられる機会が少ないキャラがいるため、逃してしまうと面倒なことになる。
  • 主人公はやはり空気
    • 全編を通して主人公は無言、周りに流されるままイベントをこなしていくだけ。
    • キャラメイクの都合もあって中々自己主張させにくいのはわかるのだが、せめて自分の意思を示してくれないだろうか。
  • やはり残るバグ
    • 修正パッチが出ているものの、それでも細かな部分は残ったまま。もはや伝統と言った感じである。
      • 特に、スリープモード復帰後にロードするとフリーズするバグは最新の更新データでも修正されず残っている。

総評

無理に仕切りなおしたせいで、そこそこの所で纏まっていたバランスが悪化してしまったと言える。
とはいえ元となったウィザードリィのシステムが素晴らしいため、バランス面でかなり見劣りする本作でも一応遊べる程度には仕上がっている。無理して遊ぶ、というのもおかしな話ではあるが。
攻略Wikiでも「前提としてこのゲームは妄想の為のゲームです。」などと言われてしまっており、好きなキャラを作って妄想するのが一番の楽しみ方かもしれない。