【ばはむーと らぐーん】
「ラグーン」と呼ばれる空に浮かぶ島々から成る世界「オレルス」。
その中の一つであるグランベロス帝国の皇帝サウザーは「空の制覇」を掲げ、圧倒的な軍事力を以て他国を征服しオレルスの覇者たらんとした。
それにより「神竜」と心を通じ合わせるという「ドラグナー」の血を引く国王が代々治めるカーナ王国も滅ぼされ国王は殺害、王女ヨヨも虜囚の身となってしまう。
元カーナ王国戦竜隊隊長であるビュウ(※以下、主人公とする。理由は後述)は、カーナ及び他国の残党を率いて「オレルス解放軍」を結成。グランベロスに征服された国々の解放に乗り出した……。
『半熟英雄シリーズ』『フロントミッションシリーズ』を作ったスクウェアがスーパーファミコン末期に送り出したマップクリア型のシミュレーションRPG。
単発作品であり、FFシリーズで大きな役割を担っていた召喚獣「バハムート」を話の主軸に据えている他、モンスターデザインにFFシリーズからの流用があったり、後に本作から逆輸入されていたりする。システム的にもFFをやや意識したものとなっており、ファイナルファンタジータクティクスに先駆けたシリーズ外伝的なものとして捉えることもできる。
序盤の目的は上記のとおり「主人公が亡国の王女をたてて悪の帝国から世界を解放する」というものだが、中盤以降は現在の世界の成り立ちと、守護竜に秘められた謎を追うことが主軸となる。
本作のシナリオを担当したのは後に『ファイナルファンタジーXIII』のディレクターも担当する事になった鳥山求氏。
+ | このゲームの特徴的なキャラ(ドラゴン含む) |
+ | 以下、ヨヨに関する詳細(シナリオ展開のネタバレあり) |
スーパーファミコン末期に「ドラゴン育成」という斬新な要素を盛り込んだ意欲作。
「SRPGとしてはヌルゲーすぎてやりごたえがない」という声もあるが、秀逸なシナリオ、気分を高揚させる質の高いBGM、高いレベルに纏まっているグラフィックなどそれを補ってあまりある魅力を持つゲームである。
また、名作には違いないのだが、ヨヨを始とするクセの強すぎる強烈なキャラクター達が織り成す世界は多くのファンを(好悪両面で)惹き付けた。別の意味でもプレイヤーに強烈な印象を残す事となった奇妙な作品である。
*1 例外的にラストギガンテス(ツインヘッド)の聖技「デスザアンデッド」は名前の通りアンデッドを即死させる副効果がついた大ダメージ技。ちなみにエフェクトはどう見ても回復技。アンデッドを回復魔法で倒す時は似た様な絵面になるから気にするなということかもしれない。まあアンデッド以外の敵にも回復技の様なエフェクトでダメージが当たるので、その辺りは妙な感じではあるが
*2 墓が増えるだけでそこらのクルーがいなくなるわけではない。
*3 「サラマンダーよりはやーい」「さらまんだーより、はっやーい!」などと間違えられることが多い。(恐らく声優ラジオの影響もあると思われる。)
*4 前述の通り、ビュウに関することを除いてもヨヨ(とパルパレオス)の言動や行動は非常に身勝手でしかもそれを本人たちは気づいていないという具合だが、それでもヨヨを持ち上げるような不自然な展開ではなく、仲間が露骨に失望していき、覇気を失い、自軍全体が厭戦気分に包まれていくという現実的かつドライな展開になっていく。好悪はともかくきちんと筋の通った展開であり、ヨヨは嫌いでもこの生々しい展開は嫌いじゃないというプレイヤーは結構多い