本稿では、後日談を描いたファンディスク『夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-』についても扱っています。



夜明け前より瑠璃色な

【よあけまえよりるりいろな】

ジャンル 月のお姫様ホームステイADV
対応機種 Windows 98~XP(初回版)、2000/XP/Vista(移植版)*1
メディア CD-ROM or DVD-ROM
発売元 TGL企画
開発元 AUGUST
発売日 初回版:2005年12月22日
Windows 7対応版*2:2011年7月29日
定価 9,240円
レーティング アダルトゲーム
配信 FANZA:2014年10月3日/7,344円
【Win 8.1/10対応版】2020年9月25日/7,480円
判定 なし

概要

前作の『月は東に日は西に』(通称はにはに)で一躍メジャーブランドに上り詰めた、AUGUSTの第二の出世作。
よく練られた世界観と設定、そして魅力溢れるキャラクター達が織りなすストーリーの完成度の高さが評価され、AUGUSTの名声を一躍轟かせた作品である。
略称は公式では「夜明けな(よあけな)」、その他「あけるり」または「はにはに」の法則から「けよりな」が使われる。

あらすじ

宇宙開発技術の進歩によって人類は月に居住することが可能となり、月へと渡った人々は「スフィア王国」という国を興した。
だが、不幸にも地球とスフィア王国は戦いを始めてしまう。100年以上の長きにわたり行われたこの戦争は、後に「オイディプス戦争」と呼ばれることになった。
この戦争では大規模な破壊が繰り返され、地球と月の文明は著しく後退することになった。

オイディプス戦争が終結してから7~800年経ち、戦争は既に過去のものとして記憶が風化した。
後退した文明は取り戻しつつあり、宇宙開発以前の水準まで持ち直してきたが、
地球とスフィア王国の関係は今なお冷え切っており、地球と月を結ぶ唯一の窓口である「満弦ヶ崎中央連絡港市」を除いて両国間の交流は無きに等しい。
そんな中、満弦ヶ崎中央連絡港市に住む朝霧家に、スフィア王国の王女がホームステイすることになったところから物語は始まる。

キャラクター紹介

+ クリックで展開
  • 朝霧 達哉 (あさぎり たつや)
    • 主人公。青臭いが実直な好青年であり、従姉妹のさやか、義妹の麻衣*3と共生している。また、「イタリアンズ」という3匹の大小の犬を飼っている。
    • 父は幼い頃に仕事関係からそのまま行方不明になっており、そして母が苦労した挙句に早死している。そのため、父に対してだけは強い反発心がある。
    • 普段は幼馴染の菜月の父が経営するトラットリア左門にて、アルバイトをする傍ら学生として過ごしている
  • フィーナ・ファム・アーシュライト
    • スフィア王国の王女。文武両道(特に剣術は達人クラス)で誇り高い性格の努力家だが、基本的には柔和で別け隔てなく付き合える淑女。
      • 欠点らしい欠点は高潔過ぎて嘘をつけないことと料理が苦手な程度。料理に関しては経験が無かったためで、徐々に克服して最終的には趣味になるまでに至る。
    • 世話焼きな面もあり、麻衣にとってはいいお姉さんのような立ち位置。達哉や他キャラからの相談を真剣に受け答えしている場面も多い。
    • 母である先代女王のことを尊敬しており、目標としている。今回の護衛無しのホームステイも過去の出来事に起因しているが、目標への道筋ということも大きい。
      • ちなみに母子共々地球と月の融和を図る革新的な思想の持主なので、保守的な父との仲は悪くはないものの意見は対立している。
  • ミア・クレメンティス
    • フィーナの世話役。メイドゆえ家事の腕は一流、常に紺色のボブにメイド服という出で立ち。
      • 従者に拘るあまり掃除や料理をしたがる場面は良いとしても、主に反抗してでも別の部屋に住む事に拘る(最終的に屋根裏部屋で決着)。
      • フィーナに付き添っている場面が多く、フィーナのキャラ付け的には重要人物。しかし、フィーナが人並み外れて優秀且つ努力家なせいで作中ではあまり目立たない。
    • ひょんなことから、パニーニという食べ物に並々ならぬ興味を抱く。
  • 朝霧 麻衣 (あさぎり まい)
    • 達哉の義妹。典型的な妹キャラで達哉のことを慕っている。また、吹奏楽部でフルートのパートリーダーを務めている。
      • よく胸の小ささを気にしているが、実際は普通程度の大きさ。
    • 達哉とは家事を分担していて料理の腕前も中々だが、たまに料理を大失敗する。その際鼻歌(デスマーチと呼ばれている)を歌う癖がある。
  • 鷹見沢 菜月 (たかみざわ なつき)
    • 達哉の幼馴染でクラスメイト。家は隣同士で、夜中には窓際での逢瀬が多い。達哉同様、父の経営する店でバイトをしているが、将来の夢は獣医になること。
    • 料理の腕前はお察しレベルで、特に火の扱いが酷くよく食材を炭化させている。
    • 兄に対してのみ、しゃもじを投げつけてツッコミを入れているが、割と理不尽に投げつけていることもある。
  • 穂積 さやか (ほづみ-)
    • 月への留学経験のある貴重な地球人*4で、地球人且つ若年にもかかわらず王立月博物館の館長代理を務めている才女だが、それだけに忙しい生活を送っている。
    • 性格はかなりおだやかだが、達也達の保護者として、あるいは朝霧家の家長としての顔も持っている。おかげで苦労人でもある。
      • 実の家族仲が悪く、8年前に叔父叔母にあたる朝霧家の厚意から里子として引き取られたという経緯があるため、朝霧家への感謝の念が非常に強く、同時に家族への拘りも最も強い。
    • フィーナのホームステイが朝霧家に決まったのは彼女の存在が最大の理由。
  • リースリット・ノエル
    • 謎の多いゴスロリ金髪少女。猫っ毛な性格であり、猫関連の話もある。
      • 非常に小柄で見た目はどう見ても○学生だが、細かいことは気にしてはいけない。
      • 犬から異常なほど好かれるせいで嫌いではないが苦手にしているという特徴もある。
      • 自らのことは決して話さない上に無頓着。そして絶対に財布を持たない妙に強い信念がある。また、色々なことを鑑みるにゴスロリは自身の好みらしい。
    • かなりの食通らしく、左門や仁の料理にも辛辣な評価を下す。彼女の「嫌いじゃない」は「好き」と同意である。

以下は移植版での追加・昇格ヒロイン

  • エステル・フリージア
    • 無印では未登場。
    • 最近月人居住区の礼拝堂に赴任した礼儀正しい新人司祭。まだ年若い(学院を卒業したばかりで達哉達より少し年上)が、その能力と強かさは本物。
    • 根っからの地球人嫌いであり、地球人には分け隔てなくぞんざいに扱う。
      • 自身のルートでは色々あって地球人のことを理解し、打ち解けあっていく。月側の人物として、フィーナとは色々なところが対照的な存在となっている。
    • 彼女のルートは根深い地球との対立を表すエピソードや月の文化など、他キャラ以上に地球と月の文化が関わるものになっている。
  • 遠山 翠 (とおやま みどり)
    • 菜月と達哉の友人でありクラスメイト。
    • 無印でのサブキャラ、PS2版以降の昇格ヒロイン。PS2版およびアニメ版の変更を受け、髪型がセミロングからポニーテールに変わっている。
      • 菜月ルートでは微妙な三角関係にもつれ込んだが、自身のルートではそんなドロドロした展開にはならない。
    • お調子者の友人色の強いギャグ系のキャラ。ゆえにデレたときの初々しさの破壊力は相当なものがある。

以下はサブキャラ

  • カレン・クラヴィウス
    • 月人居住区にあるスフィア王国大使館に在住している武官で、先代女王の秘書官もしていた。フィーナの地球滞在に関する責任者にもなっている。
      • さやかとは留学生時代からの仲で、今はよく一緒に飲んでいる。
    • 剣術が得意だったり凛とした態度だったりと何かと硬いイメージがある一方で、仕事以外では真面目さはそのままに違った姿を見せる。
    • サブキャラだが月側の重要人物、あるいはお姉さんとして、色々なヒロインと関わりがある。
  • 鷹見沢 左門 (たかみざわ さもん)
    • 達哉がバイトしているイタリア料理店トラットリア左門の店主兼料理長。
      • 朝霧家とは昔から家族ぐるみの付き合いをしている縁から、さやか共々朝霧家の後見人にもなっている。普段はあまり口出しをしないが思いやりに溢れた人物。
    • 料理の腕前は申し分ないのだが、料理(と仁)に対する考え方はかなり厳しく、トラットリア左門の料理は内容に合わせて値段設定も高めになっている。
  • 鷹見沢 仁 (たかみざわ じん)
    • 左門の息子・菜月の兄でトラットリア左門で修行中の青年。さやかとは同級生でもある。
    • 性格は軽薄且つナンパなのでよくしゃもじを投げられたり呆れられてはいるが、面倒見は良いので彼なりに達哉に助言することも割とある。
      • 裏では熱心に修行しており、朝霧家に不定期に試作品のドルチェを試食と称して差し入れしにくるマメな所もある。
  • モーリッツ・ザベル・フランツ
    • PS2版から登場する、月人居住区の礼拝堂の責任者である高司祭。
    • 非常に温和で、誰が相手でも分け隔てなく接する人格者。

評価点

  • 完成度の高いシナリオ
    • 学園物にSFのエッセンスを加えたが、前作『はにはに』より癖が少なくて取っ付き易い。かといって中身が薄いわけでもなく、非常に濃密で洗練された世界観を魅力的に描けている。
      • 他作品では類を見ない月の独自の文化・王政・宗教以外にも、主人公達の変わった境遇などの事情も有り、普通の学園物に留まらないシナリオになっている。
      • PS2版で追加されたエステルルートではギャグシーンが多めでありつつ、PC版では語られなかった月と地球とを語られたしっかりしたシナリオとなっているのでプレイしていて飽きない内容となっている。
      • 同じくPS2版で翠ルートも「崩壊したと勘違いした家族の復旧」というややベタなテーマではあるが、シナリオは濃厚であり深い内容であるためPC版をクリアしたユーザーもプレイして損はない。エステル、翠ルートが追加されたPS2版は良作と言っても過言では無い出来である。
  • 魅力的なキャラクター達
    • 所謂良識なキャラクターが殆どで、それでいてコミカルで個性もあり、キャラが立っている絶妙な設計が成されている。
    • 角が立っているキャラもいるが、最終的には打ち解け、仲睦まじいシーンでまったりできる。
  • CG
    • 『はにはに』では同一作品内での絵柄がやや不安定だったが、本作は比較的安定していると言える。
    • 背景の塗りも力が入っている。また、SF的な要素も多いが自然なものになっていてより物語に引き込まれやすくなっている。
  • 力の入ったBGM
    • 『オーガストファンBOX』から始まった、オーガスト専属の音楽制作プロジェクト『Active Planets』が本格的に活動開始した作品。
      • もちろん『はにはに』までのBGMが悪かったわけではないが、製作体制が変わったことで本作からはより深くキャラや作品と融和するようにイメージして楽曲が作られている。
    • 楽曲数も多く、オリジナルでCD3枚組、PS2移植版でCD1枚のサントラをそれぞれ発売している。
  • お楽しみシーン
    • 特別多いわけではないが、本編で数個、攻略後のおまけで数個用意されており、クオリティも一定以上の水準は保たれている。
    • なお、全年齢版もリリースされているため、性的シーンを好まないプレイヤーにはそちらをおすすめする。

賛否両論点

  • 人によっては退屈な日常シーン
    • 主要キャラは全員がかなり良識的なキャラなので、お馬鹿なノリやギャグシーンはやや薄い。日常シーン自体の質は決して悪くないが、飽きるユーザーも居るだろう。
+ ネタバレ(クリックで展開)
  • フィーナがいつか月に帰るという根本的な設定
    • これは本作のモチーフが『かぐや姫』であることも関係している。「いつか帰らねばならない月からの使者との恋」という独特の切なさはここから来ている。
  • リースに関しては設定上では自然な流れだが、かなり切ないエンディングを迎える。
  • どことなく『∀ガンダム』を思わせるような設定が随所に存在する。月と地球との戦争で断たれた交流、月と地上に遺跡として残されたロストテクノロジーなど。
    • とはいえその設定自体は特に違和感があったりやパクリだと感じさせるものではないため、プレイの際に特に問題は無い。

問題点

  • 一部のCGが不自然
    • 例えば「フィーナが木刀を上段に構えた」というシーン。しかしCGはどう見ても「中段の構え」となっており、さらに木刀が折れる寸前ではないかと疑わざるを得ないほどに反っている。ついでにイメージ重視とは言え、防具無しである。
      • 一枚絵でインパクト重視が強い場面なのでそれほど気にはならないが。
    • 他には「お楽しみシーン中のキャラの指が6本」という気になってしまうとマズいものも存在する。
  • 主人公の達哉が青臭くてやや暴走しがちなキャラになっている。
    • これは基本的には相手を思いやり過ぎた結果のためであり、好き嫌いは分かれるが悪い人物では無いことは分かる。また、やらかした後は自ら反省したり、しっかり謝罪出来る良識もある。
  • 細部をチェックしていくと設定に矛盾やおかしな点もそれなりにある。
    • とは言え、前述の通り物語とかなり高い水準で溶け込んでいるので、考察マニアなどでなければ基本的には問題ではない。

総評

ボリュームは大作とまでは言えないが、フルプライス相応で不足は無い。
粗も有るには有るが不快な部分はほとんどなく、各要素の品質は全て相応以上のもので、舞台設定もかなり魅力的なものになっている。
ADVでは万人向け且つ安心してお勧め出来るゲームで、えも言われぬ安定感がある。
また、今では全年齢版もあるため、エロゲーはちょっと…と言う人でも手に取りやすいのも良い所だろう。

移植

  • PS2版
    • WIN版発売から1年後の2006年12月に発売。
      性的シーンがカットされたほか、一部の設定変更・新キャラクターの追加といった変更点がある。
  • コンシューマー逆移植版(※PC作品だが全年齢版)
    • 下記のMoonlight Cradle通常版の発売日に合わせて、2009年9月18日に発売。
      副題がPS2版と同じなだけあって内容はほぼPS2版と同等。当然だが、ある程度スペックのあるPCならPS2版より快適。
    • 発売時期の影響で次回作FAで搭載された、フルスクリーン時のワイドスクリーンにも対応。
  • PSP版
    • 2010年2月に発売。
      PSPの画面サイズに合わせた解像度変更やスクリーンショット機能の追加などがあるが、ゲーム内容的にはPS2版と差はなし。
  • 2020年9月に15周年記念としてシリーズ3作品とサントラのコンプリート版が発売。パッケージは描き下ろし。
    • ダウンロード版もこちらの仕様となり、Windows 8.1/10/タブレットPCに正式対応した。

余談

  • 定額で30日間ゲームを遊び放題の「GAMES 遊び放題プラス」にR-18版・全年齢版が両方提供されている。
  • 2021年3月26日にFANZAGAMES PLAYカードが6,800円で販売された。
  • 本作及び下記「Moonlight Cradle」はコミカライズされている。作者は本作のSDキャラデザインを手掛けた脳みそホエホエ氏。
    • 特徴的なのは、本作漫画版の正ヒロインがフィーナではなく菜月だということ。故に漫画版の話は菜月ルートを基にしている。
    • 「Moonlight Cradle」はエステルの原作からMoonlight Cradleの後日談までの一連の流れを基にしている。
  • アニメについて
    • 本作がAUGUST作品の中でも知名度が特に高い理由の一つにアニメ版の存在がある。
      • 2話目から早くも作画が急激に崩れ始め、中でもキャベツを切るシーンで登場した「緑色の謎の物体」とそれを捌くさいのつっこみどころしかない*5光景は視聴者に衝撃を与えた。その他にも、ミアの珍妙なポーズ(どどんまい)、キャラクターを始めとする存在や改変意義の分からない多数のオリジナル要素、悪い意味で怒涛の展開となった最終盤などの要因から高評価は得られず、失敗に終わってしまった。
      • 特にこの『キャベツ』は本アニメ及び、作画崩壊を指すネットスラングとして定着してしまった。DVD化の際には数多くの修正が入ったが、放映時の衝撃の大きさを払しょくするには至らなかった。
    • ちなみに脚本に関しては原作スタッフがアニメ製作側に一任した結果が大きいと言われている。脚本は原作とはもはや別物だが、一応原作設定から色々拾ったり拡大解釈したりしていてネタ的には面白い…かもしれない。オリジナル展開自体は悪ではないが、原作設定を破壊しまくった挙句に出来も微妙などの批判材料は多く、アニメ制作スタッフが視聴者無視でやりたいことをやっただけという批判は拭えない。
  • AUGUSTが開発に関わっているオンラインゲーム『あいりすミスティリア! ~少女のつむぐ夢の秘跡~』と本作のコラボイベント『月と地球より遠い場所 ホームステイは異世界へ!?』が2020年に開催された。

夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-

【よあけまえよりるりいろな むーんらいとくれいどる】

ジャンル ADV
対応機種 Windows 2000/XP/Vista
メディア DVD-ROM
発売元 TGL企画
開発元 AUGUST
発売日 初回限定版プレミアム/スタンダードエディション:2009年2月27日
通常版:2009年9月18日
Windows 7対応版:2011年7月29日
定価 初回限定版プレミアムエディション:9,800円
レーティング アダルトゲーム
配信 FANZA:2014年10月31日/6,372円
【Win 8.1/10対応版】2020年9月25日/6,490円
判定 なし

概要(MC)

『夜明け前より瑠璃色な』の後日談を描いたファンディスク。
全年齢版準拠で一部設定の変更・キャラクターの追加がなされているため、可能であればそちらをプレイしてからの購入が望ましい。
新たなヒロインとしてシンシア・マルグリッドが追加。また、全年齢版では存在しなかったエステルと翠のお楽しみシーンもしっかり追加されている。

あらすじ(MC)

各攻略ヒロインとの後日談と新ヒロインのシンシアの物語が別個に展開される。

キャラクター(MC)

  • シンシア・マルグリット
    • 神秘的な場所で長い眠りについていた月人の少女。
      • 出会いのインパクトから最初は大人しくて神秘的な少女にも見えるが、実際は頭脳明晰ながらも明るくてややドジな人柄。しかしふとした時に寂しげな表情を浮かべている事が多く、薄幸感も強い。
    • 時期はフィーナの留学終了直後。
    • 彼女の生い立ちや目的から、このルートでは戦争当時の話や技術(オーバーテクノロジー)の話が多く、最もSF色が強いシナリオになっている。

評価点(MC)

  • FDではあるが、全体的なボリュームや品質はほぼ問題無い。
    • 後日談が中心で流石にドラマ性では負けるので原作越えとはいかないが、けよりな好きなら買って損はしないレベル。
  • シンシアの話はかなり独特なものになっていて特に評価が高い。
    • シンシアの話を中心に新曲も多く作られており、シンシアルートに非常にマッチした曲になっている。
      • こちらもしっかりサントラ(CD1枚組)も出している。

賛否両論点(MC)

  • キャラクター毎のシナリオ量にやや差がある。
    • PS2版に続き、翠、エステルのシナリオは作りこまれたものとなっており、ボリュームも大きめ。
    • 逆に菜月、さやかのシナリオは短めとなっていて、ファンにはやや物足りなく感じるかもしれない。
    • ミア、麻衣、リースのシナリオも見所はあるが少し短め。また、リースのシナリオには少々問題もある。
  • どの後日談もフィーナの留学終了後の話なので自然とフィーナとミアの出番は少ない。
    • ただし、設定上仕方ないことである。
  • 原作よりも誇張されたギャグシーンが多い印象で、原作の細かな描写を覚えていて強い思い入れがあると逆に違和感があるかもしれない。

問題点(MC)

  • シンシアルートの技術は原作で登場したオーバーテクノロジーとは次元の異なる技術*6であり、詳細を聞いても分かったようで分からないような状態になる。
    • また、理屈を何となく飲み込んでも、結構色々な個所で矛盾しているように見える。
      • しかしSF要素が前提のシナリオであり、矛盾が生じていることを除けば意味のある説明が為されている。
  • リースルートはとても強引な流れになっている。
    • ただ、原作のエンディングがエンディングなだけに、後日談としてはこれでも自然な方と言えるだろう。
    • シンシアルートとの帳尻を合わせるために仕方ない部分もある。

総評(MC)

FDなだけに原作越えとはいかないが、FDとしては十分に良い作品である。
原作好きなら価格に見合った価値があると言える。
また、シンシアとその話はかなり魅力的なものになっているので、彼女が気になって購入したユーザーも概ね満足する出来だと思われる。

余談(MC)

  • OPテーマ曲の『深青Philosophy』は評価が高いのだが、読み方が分からないことでもある意味有名。
  • 2021年3月26日にFANZAGAMES PLAYカードが5,900円で販売された。

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最終更新:2021年05月03日 23:50

*1 後述するファンディスクの初回限定版に付属する、PS2版を移植した作品。

*2 XP/Vista/7対応。ファンディスクも共通。

*3 ある事情からお互い合意の上で実の兄妹と周囲には説明している

*4 月への留学は実績などが必要な、かなりの狭き門とされている

*5 問題のキャベツ(?)の断面図や細切り(?)した時の光景もおかしい。切った時と盛った時の形も不一致(もちろんキャベツらしさは皆無)。他にも包丁の持ち方・切り方・キャベツの置き場所や持ち方などもおかしい。

*6 原作で登場しているものは安全性・実用性・開発資金などに糸目をつけなければ代替が可能だが、シンシアルートの肝となっているものは完全に実現不可能な代物。