ピュアガール

【ぴゅあがーる】

ジャンル “変態”な女の子たちと暮らすドキドキハーレムADV
対応機種 Windows Vista/7
発売・開発元 FrontWing
発売日 2012年9月28日
価格 8,800円(税別)
レーティング アダルトゲーム
配信 2013年7月12日/6,995円
判定 なし
ポイント OPが秀逸
変態向きかと言われると若干疑問符が
タイトル詐欺
FrontWing作品リンク


概要

グリザイアの果実 - LE FRUIT DE LA GRISAIA -』で現在邁進中のブランド「FrontWing」の作品。
シリアスかつ重いシナリオのあちらと違い、こちらはエロとコメディに特化した作品である。
原画およびSDにはグリザイアのSD原画担当したななかまい氏が担当*1している。

ストーリー

「変態は秘すべきことだが、恥ずべきことではない」

それがこの屋敷―変態たちの楽園『ドリームハウス』の主、
花鶏塚圭(あとりづか けい)の第一声であり主張だった。
ヤバイ所に引っ越してしまった……。
集められた同居人は俺の他に4人―。

俺のクラスメイトで、周りからかなり浮いている『久千房夜霧(くちぶさ よぎり)』。
ひとつ下の妹で、元気で反抗的な『星月そら(ほしづき そら)』。
そらの親友で、ちょっと恥ずかしがり屋な『京都(かなどめ みやこ)』。
不思議な雰囲気で、おっとりした先輩、『芽上鈴(めかみ すず)』。

既に引き返せない状況に陥っていた俺は、もちろん「変態じゃない!」って反論したさ。
けれど、結局のところ、それは間違いだった。
―そう、あのときの俺は何も知らなかった。
彼女たちが、あんな性癖を持っていたなんて…。

「さあ、お互いの変態趣味を暴露し、開発していこうではないか!」
誰かこの変態(ホンモノ)を止めてくれ…!
(公式サイトより引用)

ここまで読んで嫌な予感がした人、それが正常です。

登場キャラクター

+ クリックで開閉。尚、変態しかいないため閲覧注意
  • 星月暁
    • 主人公。お人好しでお調子者が祟って、割と不遇な立場にいる。お調子者なのは、場の空気を和ませるためである。
    • 一応登場人物の中では最もまともな部類ではある。
    • とはいうが、唯一(ではないのだが)の男子キャラで、謎の変態主人公補正をつけられて「変態コンサルタント」の異名を取る。いい迷惑である。
    • 設定上、存在価値が難しい*2のだが、彼には隠されたフェチがあり、それを開発(発見?)しようという圭の計らいで居住を認められた。
  • 久千房夜霧
    • 「くちふさ よぎり」と読む。圭からは「ちぶさ君」と呼ばれる。
    • 同ブランドのあるヒロインに非常に似ている部分が多く(髪型、声、性格)、恐らくはわざとやっていると思われる。
    • 他者を寄せ付けない気高いイメージだが、場所を選ばずに自慰に耽るという、一歩間違えれば犯罪スレスレのことを行なっている
    • ちなみに、劇中の何気ないシーンでも常に発情しており、自慰のために席を外す。性欲止まらないお年ごろなんだろう、多分。
    • 笑いのツボが常人とかけ離れているため、暁に「ゲラ房」と呼ばれている。
  • 星月そら
    • 暁の妹。この手の妹キャラは基本的に義妹であることが多いが、実妹である。しかも、義妹ネタは序盤にメタっぽいやりとりで再現する。
    • 妹なのに妹のエロゲーが好きという、突っ込みどころしかない性癖を持つ。更に兄に犯されたい症候群。
      • というものの、よくあるツンデレ(バカも含む)傾向の妹といえる。
    • 学術的な意味で頭が弱く、言葉遣いが色々辿々しいので、常用語を変に略す癖がある(にーちゃん→にーちゃ、なるほど→なるほ)
    • 「ずっぽし」という形容詞をよく使う。意味は明言されないが、「明らかに」「とっても」「ばっちり」という場合によく使う。
  • 京都
    • 「かなどめ みやこ」と読む。しかしながら、一部のキャラには当然「きょうとちゃん」と呼ばれる。
    • 外出するときは不釣り合いな帽子を被る。これは彼女が極端に人見知りする性格のため。
    • 一見恥ずかしがり屋なおとなしい少女だが、日夜エロイ掲示板にてエロ知識を学んでいるむっつりである。
    • チュッパチョプスというアメを舐めると、性欲が湧き出るという特異体質を持つ。
    • テンパると自らの秘密を早口で暴露するという可愛い(?)一面も。
    • 個別ルートでは甲斐甲斐しい、尽くし系の彼女(若干黒部分あり)となるため、某所では人気No1のキャラ。仕方ないね。
    • 絵師の趣味*3を色濃く受け継ぎ、エンディングの下りから察するに、本作の看板キャラといえよう。ゲームアイコンでもある夜霧の立場が…
  • 芽上鈴
    • 名前から「女神先輩」と呼ばれる(そらからは「鈴(ベル)先輩」と呼ばれる)。天然おっとり巨乳キャラ。
    • 異性が見ていても全裸でいたり、圭の無茶振りを素の天然ぶりで対応したり、これだけならただの天然キャラなのだが…。
    • 何故か道具によるSMプレイに目覚めてしまい、彼女も変態の仲間入りを果たす。
    • ついでに言うと、自慰をしたことがない。夜霧に「もったいない!」と言わせた。
    • 天然度は高いが、人格は至極まともで、ちょっと純粋すぎるだけ、という無駄なフォローを加えておく。

下記、非攻略キャラ

  • 花鶏塚圭
    • 本作の元凶であり、ドン。唯一の貧乳キャラ。
    • 鈴同様全裸キャラ。「レ・マン湖*4」「女豹」「女(体)盛り」と書かれた常軌を逸したセンスの扇子を持ち歩いている。
    • 生徒会長でありながら、社長並の能力を持っている無敵の存在。
    • しかし発言、行動全てがド変態である残念すぎる才女。
  • 羽桐れもん
    • 輪切りレモンではない。本作で最も乙女なキャラだが、生物学上、
    • 暁の尻穴を狙っており、危険な臭いがぷんぷんする。暁に対して自分の事を「れもんちゃん」と呼ぶよう何度も迫るが、スルーされている。
    • やたらハイスペックなキャラで、基本的なことはなんでもこなす。
    • 小間使いであるため、彼(女?)を呼び出す際のスイッチをキャラが所有しているのだが、片方は何故かお仕置きスイッチ。
    • 事あるごとに間違って(明らかにわざとな時も)ボタンを押下し、お仕置きを受けてしまうが、本人はむしろご満悦。
      • 駄目だこいつ、早くなんとかしないと。
  • チビ
    • ドリームハウスで飼育されているサーベルタイガー。スミロドンともいう。
    • 名前と見た目が全く咬み合ってないが、そこは気にしたら(色々と)負けである。
    • れもんが男であることを暴露した張本人。といっても、公式サイトで公表済なので今更感が強い。

評価点

  • 謎のハイクオリティOP
    • ADVにおいて、ある程度のクオリティが約束されているOPだが、本作の主題歌はKOTOKO氏と佐藤ひろ美氏の黄金コンビ*5によるものである。
    • 曲調も非常にノリのいいテンポで、滑らかに動くOPとシナリオの雰囲気に非常にマッチしている。
    • ゲーム中のBGMも本曲をアレンジしたものが多い(このゲームに限ったことではないが)。
+ YouTubeのOP動画
  • OPほどではないがEDも甘ったるいもの。余韻には充分な良曲である。
  • ジャンルとしての需要
    • 作品の特徴ともいえる「キャラ別における様々なシチュエーション」が豊富。キャラごとのシーン数は10を超える。
      本来の需要だけでなく、キャラの変化等も楽しめることから「萌えゲー」としての需要も評価されている。
    • ハーレムルートは好きな時に選択出来るが、1キャラ攻略時に可能なため、ご利用は計画的に。
  • 美麗なグラフィック
    • 商業デビューとはいえ、(塗りの補正を除いても)非常に可愛らしい絵柄は好感が持てる。
    • 多少キャラが丸っこい造形ではあるが、好みが分かれるほど極端というわけでもない。
  • シナリオの質
    • 分岐する前なら、各キャラの絡みを交えた爆笑必至の寸劇が楽しめる。
    • 王道かつ使い古したシナリオばかりだが、この手のゲームでは無難なチョイスといえる。
    • 抜き要素が高いが、所謂「キャラ萌えゲー」としての質は非常に良好。ギャップや発展型、またはそのままといったように数々のバリエーションが存在する。

問題点

  • フェチゲーとして
    • 都のフェチは「おしゃぶり姫」というもので、その通り口淫キャラであろうことが期待されていた。
      しかし、蓋を開けてみれば最初(共通ルート)に口淫を実施したのは別キャラ。肝心の都のシーンは何故か野外手淫*6。個別ルートではしっかりおしゃぶり姫である。
    • 鈴は道具攻めキャラだが、後半だと道具を使わないプレイが続く。…展開を考えれば不自然ではないものの、フェチを語るゲームとしてそれはどうかと。
    • そらは実妹ではあるものの、背徳感を思わせるようなものは微塵もなく、コスプレエッチ*7が主体。この辺は無駄に重くなくていい*8と受け取れるかもしれないが。
  • 一部のCGにやや違和感
    • 腕が短かったり、足がやや長かったりする。奇形とまではいかないが、一枚CGであるため目立つ。

賛否両論点

+ 軽いネタバレを含むため閲覧注意
  • 分岐が非常に早い
    • ヒロイン2組から分かれ、その後1キャラを選択するのだが、この時点でルート確定となる。後は野となれ山となれという勢いで個別シナリオが進む。セーブは中断するときか分岐点のみで済む。
      分岐前の共通ルートが前述通りなので、それがすぐに終わってしまうのが人にとっては不満材料となる。
  • そらルートについて
    • 実妹だが、かなりあっさり身体の関係となる。妹ということで、恋愛色はかなり薄く、セフレのような間柄に見えなくもない。
      ただ、恋人色の強い都のイチャラブルートが本作では特異であるため、気にしない人もいるだろう。
    • ライターのボキャブラリーが貧相なのか、暁との掛け合いは似たようなものが何度も続く。
      様式美と割りきってしまえばいいが、何度も続くと「またか」と辟易してしまう*9ことも。
  • 鈴ルートについて
    • 佳境では一応それなりの山場が存在するのだが、鈴の天然さを利用したキャラの三文芝居を見せられることになる。
      真に受ける鈴も鈴だが、その顛末で無理矢理感動的なシーンに仕立て上げてしまうあたり、ややストーリーが強引すぎる。
      というものの、この手の引っ張り方は界隈では珍しいものではないので、気にしない人もいる。
  • 変態さについて
    • フェチと変態さをウリにしてはいるものの、正直に言えばそこまで強烈なわけではない。
      言ってしまえば、ありがちなキャラクターの個性を「変態」と強調しているに過ぎない。
    • 変態らしいプレイもあるにはあるが、本当に極わずかで、基本的にはノーマルエッチが主体であるため、アブノーマルなものを期待した人には拍子抜けかもしれない。

総評

変態&フェティシズムというジャンルをウリにしてはいるが、あくまで「一般向け」の範疇であって、
こだわりのある人にとっては若干不満のある設計かもしれない。
そうでないライトユーザーであれば、とっつきやすい絵柄や豊富な性的シーンで、満足出来ることだろう。
シナリオに過度な期待をせず、『グリザイア』を意識しないのであれば単独作品としては優秀な種類に入る。


余談

  • タイトル画面は、ヒロインが買い物袋を持っている構図なのだが、それらは全て「大人の玩具」である。ハブ ア ポップライフ!
  • 同ブランドなので当然かもしれないが、エフェクト等は『グリザイア』のものを流用している。
  • スクリプトはCatSystem2を使っているが、セーブ数を増やすことはできない。上記にあるように、セーブが必要なゲームではないが。
  • 記事三行目でタイトルに反しているが、変態彼女と書いてピュアガールと読むため、タイトル詐欺という言葉は不適切である。多分。
  • ちなみに、2014年2月に同ブランドにて『イノセントガール』が発売された。本作の続編、というか姉妹作。
    芸術要素が主体であるが、声優や相関図において共通点が非常に多く、原画も同様にななかまい氏である。
  • 2017年に『ピュアガール DVD-PG Edition』が発売された。
  • 発売10周年記念として2023年に「えちえち京都ちゃん抱き枕カバー」がななかまいのboothで販売された。

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最終更新:2023年07月06日 11:28

*1 同人作品を除けば、初の商業作品のメイン原画。

*2 あくまで一般男子であり、変態、フェチといったものが見受けられないため。

*3 やたらと飲尿描写を好んでいる。

*4 これを読み上げるシーンがあるが、何故かピー音が出ないという不具合がある。わざとだろうが。

*5 双方、本界隈では知らぬものはいないくらいの知名度を誇っており、別名義だがメジャーデビュー済。

*6 一応、指の口淫が含まれるならば最初の実施キャラではあるが…。

*7 しかも、その時の衣装が同ブランドのある制服を使用している。

*8 OPでは彼女の切ないCGが表示されるが、そのシーンも『兄妹関係』にまつわるものではない。

*9 そらは頭が弱いキャラなので、不自然に見えないのがなんともはや。