アジト3

【あじとすりー】

ジャンル 基地作成シミュレーション
対応機種 プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 アステック21
発売日 2000年2月17日
定価 6,800円(税別)
判定 なし
ポイント 特撮ゲーム史上最多の参戦作
システム周りは大幅に進化
ただしバグやミスは多い
アジトシリーズ
1 / 2 / 3 / 3D / タツノコレジェンズ
バンダイナムコ クロスオーバー関連作品シリーズ
仮面ライダーシリーズ
スーパー戦隊シリーズ


概要

秘密基地建設ゲーム『アジト』シリーズ*1の3作目。前作『AZITO2』に続いて本作も特撮ヒーローのクロスオーバー作品となっている。
プレイヤーは正義・悪どちらかの勢力を選び、兵器や商品・ヒーローや怪人・ロボットを開発しながら敵の基地を破壊するのが目的。

+ 参戦作品一覧

前作『2』に参加した『電子戦隊デンジマン』『超電子バイオマン』は未参戦。

仮面ライダーシリーズ 仮面ライダー
仮面ライダーV3
仮面ライダーX
仮面ライダーアマゾン
仮面ライダーストロンガー
仮面ライダー(新)
仮面ライダースーパー1
仮面ライダーZX
仮面ライダーBLACK
仮面ライダーBLACK RX
仮面ライダーZO
仮面ライダーJ*2
宇宙刑事シリーズ 宇宙刑事ギャバン
宇宙刑事シャリバン
宇宙刑事シャイダー
スーパー戦隊シリーズ 秘密戦隊ゴレンジャー
鳥人戦隊ジェットマン
激走戦隊カーレンジャー
電磁戦隊メガレンジャー
等身大ヒーロー 超人バロム・1
人造人間キカイダー
キカイダー01(ゼロワン)
変身忍者嵐
イナズマン
イナズマンF(フラッシュ)
ロボット刑事
アクマイザー3
超神ビビューン
ザ・カゲスター
快傑ズバット
快傑ライオン丸
風雲ライオン丸
鉄人タイガーセブン
電人ザボーガー
愛の戦士レインボーマン
光の戦士ダイヤモンド・アイ
正義のシンボル コンドールマン
巨大ヒーロー ジャイアントロボ
マグマ大使
スペクトルマン
スーパーロボット レッドバロン
スーパーロボット マッハバロン
大鉄人17(ワンセブン)

ゲームの流れ

基地の建設

  • プレイヤーは地下に様々な部屋を建設し、アジトを運営していく。以下は代表的な部屋。
    司令室 司令=プレイヤー又はボスがいる部屋。敵司令を倒すとステージクリアとなり、味方司令が倒されるとゲームオーバー。
    研究室 等身大ユニットや弾薬などを研究する施設。博士を配置しないと作動しない
    保安室 等身大ユニットを8人まで配置でる部屋。
    敵が侵入するとヒーローや怪人が応戦するほか、正義側は『諜報』悪側は『作戦』に出すことができる。
    工場 弾薬や商品を生産する施設。作業員を配置しないと作動しない
    保養所 博士・作業員のストレスを軽減する施設。ストレスが溜まると脱走するのでこまめに休ませる必要がある。
    格納庫 巨大ロボや戦闘機・車両といったユニットを開発・配置する部屋。やはり博士が必要
  • 地上にも敵の巨大ユニットを迎撃するためのミサイルやレーザー基地、アジトの収入源である店舗などを建設する必要がある。
    • 店は開発した商品を置くことで基地の収入源になる。当然バーゲンセール期間なんかもあるので、売れない商品を処理する事も可能。
  • このほか、通路にトラップを仕掛け敵ユニットを捕縛して情報を聞き出したり、司令室や保安室に辿り着く前に倒したりする事もできる。

『諜報』『作戦』

  • 作戦は悪側が実行する。敵のアジトに大きな損害を与える事もできるほか、博士を誘拐する事もある。
    • 諜報は正義側のみが実行可能で、悪の作戦を阻止する。成功すればアジトを守れるだけでなく、敵側の基地を破壊したりできる。

評価点

  • 前作を大きく上回るボリュームの参戦作となっており、東映は勿論、東宝やピー・プロといった数多くの版権作が登場している。
    • 参戦作品の年代も60-90年代と幅広く、「世代別の扱いの差」という観点で見れば(後述するように問題点はある)どの世代が不遇という事はない。
  • 敵も味方も一部のユニットは、レベルアップやイベントにより外見が変化したり二段変身が可能になったりする。
    • これにより、例えば仮面ライダー1号は旧1号→桜島1号→新1号とグラフィックが変化するほか、電人ザボーガーもストロングザボーガーに変身できる。
    • また必殺技の掛け声もレベルアップで変わっていく。
  • また、これまで各ユニットのレベルは固定制だったが本作では経験値によりレベルがアップし、最初に開発したヒーローも最後まで戦うことが可能になった。
    • 『2』までの仕様だとライダー1号やV3などはずっと弱いままで、後半のマップでは役に立たなかった。
  • 一部等身大ユニットは敵味方問わず、保安室に配置すると『秘密戦隊ゴレンジャー』『8人ライダー』『邪電戦隊ネジレンジャー』などの部隊名になり、合体攻撃が使用可能に*3
  • ユニットのグラフィックは小さいながらも細かいところまで作られており、黒十字城を開発する時は黒十字総統を中心に怪しげな儀式が執り行われていたり、ラゲムを開発する時はラディゲが魔剣ブラディゲートを構えるなどこだわりを感じさせる。
  • オリジナルユニットも『タガメンダージャイアント』『超空忍者シゲハル』といったシリーズおなじみのキャラクターはもちろん、アステック21オリジナルキャラクターの『ジビラ』も開発可能。
  • 『メガレンジャー』の久保田博士や『コンドールマン』のマッドサイエンダーなど、それまでの作品では今一つ目立つことができなかった博士たちも、本作では雇用することで活躍の機会がある。
  • 基地の視点は横からではなく、斜め上からのクォータービュー形式になり見やすくなった。また、作中のグラフィックも前作までのアニメ調から油絵のような濃厚なタッチの実写調へと変わっている。
  • 開発した商品のCMは前作同様「いい意味で」バカっぽい。声優さん達が楽しんでやっているのが手に取るように分かる。
  • キャストは檜山修之、折笠愛、玄田哲章、緒方賢一など超豪華キャスト。飯塚昭三は原作どおりハカイダーの声を演じている。
    • ただし、一部キャラクターは原作とはかけ離れた声なのが残念。玄田哲章のキレンジャーや檜山修之のブラックコンドルは元のキャラを知ってると違和感がある。
  • 前作では「うわー!」と叫んで死亡するだけだった正義のヒーローは撤退扱いに。「きず、なおす。きち、もどる」(仮面ライダーアマゾン)「ね、眠い。ヨガの眠りが来たんだ…早く戻らないと」(レインボーマン)「影夫が心配だ、一旦戻るぞ!」(カゲスター)など原作を意識した台詞を話す。

賛否両論点

  • 未参戦な作品について。
    • あくまで本作のユニットは『開発』により誕生するので、ウルトラマン・ゴジラ・ガメラは未参戦。
      • システムが違うので仕方がないとはいえ、X星人やヤプール人といった悪の組織やウルトラホーク・スーパーメカゴジラといった超兵器を使いたかったという声もあった。
    • 前作と同じく、当時の最新作の『J』まで網羅している『仮面ライダーシリーズ』の中で『真・仮面ライダー 序章』のみ未参戦。
  • 一部ユニットがイベントをこなさないと手に入らない。その上発生条件は攻略サイトを見なければ分からない。
    • 加入はわりと自然に条件を満たすが、強化イベントは知らずには難しい。
  • 正義側の敵=悪側の各ステージボスは版権作品の敵キャラだが、悪側の敵=正義側の各ステージボスは本作オリジナル。
    • もっとも、版権キャラクターを採用したとして立花藤兵衛や久保田博士を倒すのはゲームとはいえ良心が痛むが…。
  • ゲームとしてはしっかり作られているが、雰囲気としてはどちらかというとギャグゲー、バカゲーであり、昔の特撮を笑い飛ばすパロディ感覚。近年のMOVIE大戦のような多数のヒーローのクロスオーバーものを期待してはいけない。各ヒーローの原作再現もあくまでゲームの1ユニットとしての最低限のもの。
  • 仕様を逆手に取った反則的な攻略方法がある。ゲームのクリアがかなり簡単になるが、初心者向けの救済策とも取れる。以下はその例。
    • エレベーターをいつでも自由に伸縮可能
      • 出撃用に組み替える程度の有用性に留まらず、敵の侵入中に道を断って罠地帯を右往左往させる事が可能。
      • また、地上への通路を縮めて塞ぐと基地内の敵味方全員が瀕死になるというバグ的な部分もある。うまく使えば一度に潜入してきた敵を殲滅可能だが、味方も壊滅するので結局は元の木阿弥。ネタ要素なのだろうか。
    • 尋問室を動力から切り離せる
      • この状態だと捕虜が解放されないまま機能停止となる。一週間毎に捕虜1人1人の様子がいちいち報告されることもなく、捕虜の体力が減らないので捕虜が死んで敵基地から再び出撃してくることもなくなり永続的に敵戦力を減らせる。

問題点

  • ロボットや戦闘機・戦艦などの巨大ユニットを4体出した後、巨大ヒーローを出撃させると帰ってこないというバグがある。
    • 次のステージになれば戻ってくるが、レベルは低いままなので最悪戦力にならない事も。
  • 一部作品が明らかに不遇。
    • 『鉄人タイガーセブン』はライバルポジションのギル太子ではなく雑魚怪人のオイル原人しか登場せず、『カゲスター』『ズバット』にいたっては敵組織が登場しない。
      • ただし『ズバット』の敵組織は主人公でさえ最終回直前まで存在を知らなかった(「正体を知らなかった」ではない)ので、本作の敵としては不向きではある。更に言うと構成員が唯のヤクザ(生身の人間)だったのが悪かったのか『スーパーヒーロー作戦』等でも登場しなかった。*4
    • 『カーレンジャー』は1号ロボのRVロボではなく2号ロボのVRVロボのみだったり、6人目の戦士であるシグナルマンは未登場*5だったりと微妙に扱いが悪い。
      • 一方で『メガレンジャー』は1号・2号ロボ双方が登場する上、この手のゲームではハブられがちなサブメカのデジタンクまで使用可能なため、明らかに優遇されている。
      • なお、『鳥人戦隊ジェットマン』のレッドホークが レッドイーグル という表記になっている。バルイーグル(太陽戦隊サンバルカン)と混同したのだろうか?
    • 当たり前ではあるが、『仮面ライダーシリーズ』『宇宙刑事シリーズ』『人造人間キカイダー』『スペクトルマン』などの人気作は優遇されている。
      • ただし、『仮面ライダーシリーズ』のうち『ZO』と『J』は敵組織が登場しない。
  • 巨大ユニットのうち、『車両』は味方ユニットを搭載して敵基地まで運ぶというメリットがあるものの、基本的な性能が低いため基地に着いた瞬間敵の攻撃を受けて搭乗していたユニットごと撃破される事もザラ。
  • あまり多くのユニットが動きすぎると、フリーズする事もある。
  • 後半に開発できるミサイルが強力すぎる。どれほどかと言うと、全てのステータスがMAXであるドラゴンコンドル(コンドールマン)が一撃で落ちる程。
    • 元々は敵ユニットを攻撃するためではなく、基地を破壊するためのものだが味方が出撃していてもお構い無しに発射可能。
  • 管理するデータ量が多いためか、セーブ・ロードにとてつもなく時間がかかる。いつでもセーブできるのはいいのだが…

総評

問題点が無いわけではないが、『秘密基地を作って遊びたい』『思い入れのあるヒーローを活躍させたい』という人にとってはお勧めの作品。
この手のクロスオーバーゲームには定番の「中の人ネタ」を含め、全体的に明るい雰囲気のバカゲーにもなっているので力を抜いて楽しめる一作。


その後・余談

  • 開発元のアステック21は現在アダルトゲームブランド「アトリエかぐや」を展開し、そちらをメインで製作しているため続編の発売は絶望的かと思われたが、2011年に1作目がハムスターの開発で3DSソフトとしてリメイク発売された。
    • その後更にXbox Oneで、タツノコキャラクターが登場する『アジト×タツノコレジェンズ』が発売されたが、 2015年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞 に選ばれるほど酷い内容となっている。詳細は該当記事を参照。
  • CMには『仮面ライダー』の死神博士役でおなじみの俳優・天本英世を起用している。
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最終更新:2022年04月24日 16:54

*1 2作目までの名称は『AZITO』。

*2 本作では最初から巨大化しているため、『巨大ヒーロー』の枠とも言える。

*3 『2』でも特定の条件下で仮面ライダーが『3人ライダー』などの部隊を結成することがあった。

*4 念のため書いておくと『作戦』でのズバットは原作の敵が登場しない以外は優遇と言って良い扱いである。しかもTVCMでは宇宙刑事やガンダム等の知名度が高い作品を押し退けて単独で起用されているほど。なんでもプロデューサーのお気に入りなんだとか。

*5 ただし、本家スーパー戦隊では6人目ではなく『番外戦士』扱いとなっている。