バットマン

【ばっとまん】

ジャンル アクション
対応機種 PCエンジン(Huカード)
メディア 3MbitHuカード
発売元 サン電子
発売日 1990年10月12日
定価 6,500円
判定 なし
ポイント バットマン至上最大のガッカリゲー(?)
イベントシーンはかっこいい
何故ドットイートにした?
バットマンシリーズリンク


概要

  • PCエンジン唯一のバットマンを題材としたゲーム。発売元は当時からファミコンなどのバットマンゲーを多く輩出していたサン電子(サンソフト)。
  • ジャンルとしてはトップビュータイプの面クリア型アクションゲームにあたる。プレイヤーはバットマンを操り、ジョーカー軍団の悪事を阻止していくのが主な目的となる。
  • 一人プレイ専用。全5ステージ構成でステージ1~4は各10エリアに分かれている(すなわち全41エリア構成)。

主なルール

  • 操作系統。
    • 十字キーにて主人公であるバットマンの移動操作。ボタンは各自、攻撃ボタンに使用する。
      • 十字キーで上下左右の四方向移動(斜め移動は不可)。
      • ボタンでブーメラン攻撃。IボタンとIIボタンのどちらを押しても全く同じ攻撃となる。
  • ステージ(エリア)クリア条件について。
    • このゲームでは各ステージによってエリアクリア目的に以下の違いがある。
      • ステージ1は「ジョーカー軍団が毒薬を混ぜた化粧品を街中に複数放置しているので、それをすべて回収すれば」1エリアクリア。
      • ステージ2は「ジョーカー軍団が美術館の絵画に落書きをしたので、それをすべてピカピカにすれば」1エリアクリア。
      • ステージ3は「ジョーカー軍団のアジトに潜入し、指定場所すべてに爆弾を設置すれば」1エリアクリア。
      • ステージ4は「ジョーカー軍団が街中に毒ガスが詰まった風船を放ったので、それをすべて排除すれば」1エリアクリア。
      • ステージ5はジョーカーの親玉との対決。周囲の部下とジョーカーを倒せばエンディング。
    • 上記を見てもらうと各ステージによってクリア条件が全然違う様に見えるが…。
      • 実際のところはステージ5を除き、どのエリアも特定ポイント(化粧品、絵画、爆弾配置、風船)にバットマンが触れると自動的に行動を起こし、それをすべて行えばノルマ達成でエリアクリアである。
      • ぶっちゃけいうとどのステージも特定ポイントをすべて触れればエリアクリアという、いわゆるドットイートに該当するゲームシステムである
      • ステージ5だけは純粋なボスステージであり、ボスを攻撃して倒せば全ステージクリアとなる。このステージのみはドットイートとは無関係である。
      • 全体的なゲーム内容は本作の前年にハドソンからリリースされた同じPCEソフト『ドラえもん 迷宮大作戦』と何故か酷似している。
  • 敵の性質について。
    • バットラングを敵に当てるとその敵は気絶し、その状態でバットマンを体当たりさせると倒す事が可能。
      • 但し、気絶していない敵に対して直に触れるとミスとなってしまう。
      • 倒した敵は必ず一定時間経過すると復活し、倒したからといって完全なる抹消はできない。
      • ステージ5だけは例外で、敵にバットラングを当ててダメージを与えられ、一定ダメージを与えるとその敵を倒せる。
  • アイテムについて。
    • ステージ5を除く各ステージのエリアには、所々に以下のアイテムが置かれている。
      • 「足」…バットマンの移動スピードが上がる。
      • 「コウモリ」…バットラングの発射スピードが上がる。
      • 「L」…バットラングの射程が上がる。
      • 「コウモリ3匹」…バットラングの連射力が上がる。
      • 「時計」…制限時間が1分延長される。
      • 「爆弾」…すべての敵を一時的に全滅させる。但し、全滅後にしばらくするとすべての敵が復活するので完全抹消という訳ではない。
      • 「星」…バットマンが一定時間無敵となり、バットラングを当てていない敵に対しても体当たりで倒せる。
      • 「ジョーカー」…移動速度とバットラングの性能が全てダウンする。マイナスアイテム。
  • ミス条件について。
    • 気絶していない敵・敵攻撃・障害物に触れたり、タイムロス(下記)してしまうとミスとなる残機制を採用。ミス後は途中復活となる。
      • 各エリアには制限時間が設定されており、これが0になると1ミスとなってしまう。ミス後の復活時での制限時間は初期リセットされている。
      • ミスしてしまうとアイテムのパワーアップ効果がすべてなくなってしまうペナルティがある。
    • パスワード入力に関して。
      • タイトル画面でパスワードを入力する事により、前回ゲームオーバーとなったエリアから再開ができる。指定パスワードはゲームオーバー時に表示される。

問題点

  • マンネリ化が激しいゲーム内容。
    • 各ステージが似た様なものばかり。
      • 『迷宮大作戦』と全く同じ問題点である「ステージを進んでもフィールドが広くなり複雑化するだけで、段々とプレイがマンネリ化する」という事態が本作にも当てはまる。
      • 悪くいってしまうと「同じ様な作業プレイの繰り返し」であり、早い段階から飽きてくるという問題を大きく持っている。
      • しかもバットマンの基本攻撃がバットラングしかなく、『迷宮大作戦』の様な複数の攻撃手段で敵を倒す楽しみが薄い。
      • さらには敵がジョーカー(ラスボスも兼ねる)のコンパチばかりで敵のバリエーションすらも乏しい。
      • 唯一ドットイートが絡まない最終ステージのラスボス戦もいまいち盛り上がりに欠け、全然最終戦を挑んでいる感がしない。
  • ゲームバランス的にも疑問符がある。
    • ミスするとパワーアップ状態がすべて初期化されてしまう故に復活が困難になりやすい。
      • ステージを進むにつれ、無駄に行動範囲が広くなりクリアに時間がかかってしまうので、パワーアップがない状態ではプレイのモチベーションまでもが失われてしまう。
    • Final Stageも、前座の1人目は動きが素早く激しいためかなり手強いが、2人目はやり方さえわかれば楽勝。ラスボスのジョーカーもハッキリ言って弱く、 ラスボスを差し置いて前座1人目が一番強い という、滅茶苦茶なことになっている。
  • スコア。
    • ラスボスのジョーカーを倒した後も加算されることはよく見ればわかるのだが、すぐエンディングに切り替わってしまううえに、あとでハイスコア等を確認する術も無いので、何点加算されたのか、全くわからない。

評価点

  • 良くいえば分かりやすいゲーム性。
    • 大体は「バットマンを移動させてドットイートをこなせばクリア」という単純明快なルールで遊びやすくはある。
      • 他機種のサンソフト製バットマンゲーは難易度を高くする傾向にあるが、本作は単純なゲーム性の件も相まって控えめの難易度に収まっている。
  • グラフィック周りやBGMに関しては概ね上質
    • 各ステージ(10エリア分)をクリアするとイベントが発生が、このグラフィックがやけに緻密でかっこいい。まるで映画の1シーンを見ているかのようなクオリティ。
    • BGMはかなりかっこいい名曲揃いである。
      • 一部BGMはFC版『バットマン』の曲をPCE音源でアレンジした楽曲となっており、FC版をプレイ済みの人には嬉しいファンサービスとなっている。
    • 他機種のバットマンゲーに比べ、独特のダークな色使いが少ない。
      • 同期のPCEソフトの中でも綺麗なグラフィックで、ゲームとしては視覚的に物がどこにあるかのかがわかりやすいグラフィック使いだが、バットマンという題材として見た場合は違和感を覚えてしまう。
      • 他機種のサンソフト製バットマンゲーはちゃんと「原作における荒廃的な世界観」が忠実に再現されており、バットマンファンから好評を得ていたが、
        本作では色使いが明るすぎて原作特有のダークさがあまり表現できておらず、原作再現という意味ではコレジャナイ感が強い節がある。
      • 上記に示したイベントシーンのグラフィックはちゃんとバットマンらしさが表現できているだけに、ゲーム中とイベントのギャップの差を感じずにはいられないところ。

総評

とにかく本作最大の問題は「やる事があまりにも単調」。これに尽きる。他機種のサンソフト製バットマンゲーの多くは「先に進んでボスを倒すのが目的の横スクロールアクション」であり、何故本作だけがドットイートにされてしまったのかは謎である。

余談

  • 当時のゲーム雑誌でも評価は著しくなく、PCEファンですら「何故FC版みたいな先に進むタイプの横スクロールアクションにしなかったんだ?」と不満を漏らしていた程である。
    • なお開発当初はFC同様横スクロールアクションとして作られていたようだ(参考リンク)。当時この記事を見ていた場合、なおさら上記の不満を思ったことだろう…。

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最終更新:2023年07月15日 22:11