激亀忍者伝

【げきかめにんじゃでん】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 コナミ
発売日 1989年5月12日
プレイ人数 1人
セーブデータ なし
配信 バーチャルコンソール:2008年4月1日/600Wiiポイント
※現在は配信終了
判定 なし
ポイント タートルズ初のゲーム作品
題名が タートルズ じゃないTMNTシリーズ
タートルズシリーズ


概要

1989年にコナミからリリースされたアクションゲームで、記念すべきタートルズ最初のゲーム化作品。
日本国内でもテレビ東京系列で放送されたアメリカのアニメ『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ(TMNT)』を題材としている。


特徴

  • ゲーム内容は名作『リンクの冒険』のような感じでトップビューのマップ画面を歩いて建物やマンホールを探し、入るとサイドビューの横スクロール画面を探索するというもの。
  • レオナルド・ラファエロ・ミケランジェロ・ドナテロ*1の四人から一人選んで操作する。ポーズしてメニューを開けばいつでもキャラクターを交代可能。
    • 操作中のキャラのライフが0になるとミスとなり、そのキャラは使用できなくなる。倒れた仲間は道中の独房に囚われており、助け出す事で復活出来る。4人全員のライフが無くなるとゲームオーバー。
  • エリアは全部で6つ。エリア内にいるボスを探し出して倒すと次のエリアに進める(エリア2のみ、爆弾を全て解除するとクリア)。ダメージは持ち越し。6というと標準的な長さに思えるが、探索要素のためクリアには時間がかかるので長く感じる。
  • サイドビューのステージにはアイテムが置かれているが、外に出てからまた中に入るとアイテムは復活する。これを利用して体力は楽に回復可能。これは重要なテクニックである。
  • 通常武器の他に、回数制限のある補助武器を各キャラ一つだけ持つことができる。同じ補助武器を取ることで個数を増やせるが、他の補助武器を取ってしまうと上書きされてしまう。補助武器はシュリケンシングル、シュリケントリプル、ブーメラン、気合い(巻物)の4種。
  • エリア3のみ、タートルワゴンに乗ることができる。ミサイルを撃って壁を破壊し、フィールドを散策していくことになる。

評価点

  • コナミらしく音楽はどれも聴き応えがある。
  • 四人の武器によって攻撃の仕方が違ったりとキャラクター性は立っている。
    • タートルバンに乗ってマップを探索したり、ピザを食べてライフ回復*2など、原作での設定が生かされている。
    • 原作ではあまり使っていなかった手裏剣や鉤縄を使った忍者らしいアクションも存在する。しかし巻物で衝撃波を起こしたりなどという、原作には見られない描写も存在する。
  • 宿敵シュレッダーとその部下のロックステディとビーバップ、敵本拠地のテクノドロームや雑魚のフットソルジャーなど1987年版の主要な敵キャラも一通り登場する。
    • 規制の問題などがあったのか、何故かクランゲだけは未登場。ただし後の作品では登場する。
  • 演出
    • オープニングではキャラ紹介からストーリーも展開。ステージをクリアするごとにカットインが入る。ドット絵は色々な動きを見せてくれるし、顔グラは大型かつ口パクも実装。
    • アイコンも多数。キャラクターは勿論、標準装備、忍術、ピザなども分かり易い。

賛否両論点

  • 原作ではタートルズのよき理解者のエイプリルがタートルズの師匠スプリンターの一人娘になっているなど、設定が原作とは一部異なる。
    • 日本で製作したアニメやゲーム作品を海外展開する際にタイトル変更を伴う事もあるのでその流れと考えればわかりやすいかもしれない。
  • 補助武器の一つ、「気合い」があまりにも強力。画面端まで届く上に、敵を貫通し、威力も高い。他の補助武器が完全に不要アイテムと化している。
    • しかし、「気合い」がないと終盤のステージはかなり厳しい。基本、ドナテロ以外のキャラクターに持たせることになるので、間接的にドナテロ一択の状況にはなりにくい。

問題点

  • さっそく初見殺しのエリアが続く。
    • エリア1はフィールドにローラー車がおり即死判定、動作も結構速いので事故りやすい。
    • エリア2は、水中にある爆弾を時間内に全て解除しなければならない。時間切れになるとゲームオーバー。爆弾がどこにあるか知らないとまず間に合わない。残り時間が少なくなるとBGMがより焦燥感のあるものに変わる。
    • エリア3は異様に広い。どこに行けばいいかはノーヒント。タートルワゴンがあるので、探索の面白さはある。
    • エリア4は即死する溶岩のような穴が多い。また、終盤の迫る壁地帯は劣悪な難易度。このゲームに熟練したプレイヤーでも死にやすい。
    • エリア5はフィールド曲とダンジョン曲が新規で登場。4までとは雑魚キャラがガラリと変わり、異様に強い雑魚ばかり登場する。耐久力が高く、動きも読みづらいため、倒すのではなく戦闘を避けることも重要。敵地に入った事を実感させてくれる。
    • エリア6は、サイドビューの横スクロールステージのみ。これまた雑魚敵が強いが、何よりも回復アイテムの数が少なく十分な補充が出来ないのがつらい。
  • 地形と操作性
    • 見た目以上に渡り辛いものとなっており精密な操作を要求される。ステージ2でも出口の前に何度も落とされやすい個所がある、ただ爆弾のカウントダウンは飛び込んでからなのでタイムアタックで障害となる事はない。
    • タートルズらしく高い身体能力は表現されているが細かい個所でどうしてもいらついてしまう。
  • 長丁場のくせにセーブもパスワードも存在しない。
    • せめてパスワードくらいはつけて欲しかったところである。
  • 補助武器を一つしか持てない。
    • 雑魚キャラがドロップしたアイテムをうっかり拾ってしまうと、温存したアイテムを失ってしまうことになる。そのため、「気合い」はドナテロには持たせないほうが良い。
  • メンバー間のバランスの悪さ
    • ファミコンソフトで4人のキャラの性能が差別化されている点は頑張っているのだが、メンバーの中で明らかにドナテロが強すぎる。射程・攻撃力がメンバー中最高*3であり、通常攻撃は後ろにも当たり判定がある。しかも地形をすり抜けて壁や床の向こう側の敵にも届く。
    • レオナルドは射程がそこそこ長く、攻撃範囲も広い。ところが攻撃力がやたらと低く、敵を倒しにくい。
    • ラファエロは射程が全キャラ中最も短い上に攻撃範囲も狭い。しかし、連打が効く上に、ランダムでドナテロ並みの攻撃力を出せる。
    • ミケランジェロは射程、攻撃力、攻撃範囲、全て中途半端。隙が少ないので連打が効くのが救いか。
      • 前述のように本作ではライフが消失したキャラは使用不能となるため、相手の射程外から攻撃が届くドナテロが圧倒的に有利となる。
    • 補助武器はドナテロ以外のキャラクターに持たせるのが得策だが、「気合い」を他の3キャラに持たせすぎると流石のドナテロも出番が減ってくる。
  • ラスボス、シュレッダーが弱い
    • 攻撃を当てるとのけぞる。雑魚キャラも含め、のけぞる敵はシュレッダーのみである。そのため、「気合い」を連発すれば瞬殺できる。第2形態というのもなくそれで終わり。
    • 一応、シュレッダーは、亀忍者を元の亀に戻す(即死武器)を持っている。ラスボスが弱いというより、道中が難しすぎるのである。

総評

ゲームバランスに問題はあるが、補助アイテム「気合い」を集めまくれば大幅に難易度を下げることが可能で、熟練したプレイヤーの場合、気を付けるのはステージ4の即死トラップくらいである。
タイトルも含め一部に設定の違いはあれど、当時のタートルズキャラはかなり出ており、キャラゲーとしての出来はそこそこといったところだろうか。


余談

  • 本作品は邦題が『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』ではなく『激亀忍者伝』となっている。
    • なぜかというと、当時の日本国内では原作はおろかアニメ版も未放映だったことから知名度が皆無であり、そもそも配給会社等による放映権買い付け以前で邦題すらつけられていない時に発売されたためである。そもそもファミコン版そのものがタートルズブームに湧いていた米国本国に向けての発売だった。*4
    • 国内で『タートルズ』という名前が知れ渡るのは、90年代に入ってから日本向けにタイトルを変えて発売・放送された東和ビデオ版『ミュータント・タートルズ』および衛星放送版『アイドル忍者タートルズ』からである。
      その後1993年にはテレビ東京版『ミュータント・タートルズ』が地上波放送されてより人気と知名度が高まり、国内でも『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』というタイトルが定着していったという経緯であった。
  • かつてバーチャルコンソールで、タートルズゲー及びコナミのキャラゲーを代表して唯一配信されていたが、現在は配信終了。
    • 恐らくはニコロデオンへの権利問題と思われる。

その後の展開

  • 本作がリリースされた後、コナミは数多くのタートルズゲーを出すようになった。
    • カワバンガは今回は出てこなかったが続編で音声で再現されるようになる。
    • 海外では本作がNES版第1作となっているため、ファミコン2作目の『T.M.N.T.』が海外では『II』、『同2』が『III』とそれぞれナンバリングがズレている。
      SFC『タートルズインタイム』も海外では『Ⅳ』とナンバリングされている。
  • 2022年8月31日にコナミから発売されたオムニバスソフトである『Teenage Mutant Ninja Turtles:The Cowabunga Collection』(PS4/PS5/Switch/Windows(Steam)/Xbox Series X|S/Xbox One)に本作が収録されている。
    • 日本国内での配信は 2024年3月29日0時をもって終了予定
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最終更新:2024年03月22日 22:09

*1 ちなみに日本語版の名前はそれぞれレオ・ラフ・マイク・ドン

*2 原作でも「ティーンエイジだからピザが大好物」となっている。その割にアニメ等ではピザを武器にしたりしているが…

*3 どちらも他のキャラの2倍程度ある

*4 ただし、実際は日本版が最初に発売され、北米地域が同じ年の6月発売と少々遅かった。さらに欧州では1990年8月と日本に1年以上遅れての発売となった。