撃王 ~紫炎龍~

【げきおう しえんりゅう】

ジャンル シューティング
対応機種 プレイステーション
発売・開発元
発売日 1999年5月20日
定価 1,980円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1ブロックの空きが必要
廉価版 Major Waveシリーズ:2003年2月20日/1,500円
配信 ゲームアーカイブス:2008年4月30日/600円
判定 バカゲー
ポイント 色々な『紫炎龍』を収録
おまけモードの本気
紫炎龍
紫炎龍/ 撃王 紫炎龍 /ダブル紫炎龍


概要

  • 1997年に童からアーケードにてリリースされた縦スクロールシューティングである『紫炎龍』をプレイステーション向けにリリースしたソフト。
    • 原作であるAC版の忠実移植の他に、AC版のゲーム内容から大幅なアレンジが加えられた6つのおまけモードが収録されている。おまけモードに関してはPS版限定の要素である。

主なモード

  • 主なモードについて。
    • 本作はAC版の忠実移植であるメインモードが3つと、アレンジ色の強いおまけモードが6つ、総計で9つのスタイルからのゲームが自由に選択できる。
      • コンティニューができない「JIENRYU」と「せこいりゅう」を除き、各モードのコンティニューは無制限である。
      • ゲームそのものが一から作り変えられている「JIENRYU」を除き、各モードはAC版に最も忠実な「SHIENRYU」がベースのアレンジとなっている。
      • なお、下記の説明書表記は誇張抜きでほぼ原文ママであり、決して執筆者がふざけて書いている訳ではない点をご了承頂きたい。

メインモード

  • SHIENRYU
    • AC版を忠実に再現したモードで、難易度はAC版相当に匹敵する。
  • ぬるい龍
    • AC版を忠実に再現したモードだが、難易度は「SHIENRYU」よりも低い。いわゆる難易度イージーに該当する。
      • 但し、このモードではオールクリアしてもエンディングは拝めない。
      • 説明書曰く「幼稚園児からお年寄りまでこのモードなら大丈夫!」との事。
  • ムズイ龍
    • AC版を忠実に再現したモードだが、難易度は「SHIENRYU」よりも高い。いわゆる難易度ハードに該当する。
      • 説明書曰く「幼稚園児からお年寄りまで誰がプレイしてもベリ~ベリ~ハ~ド!」との事。

おまけモード

  • JIENRYU
    • ポケットステーションを彷彿させる小型携帯機の液晶風白黒画面でAC版を再現したモード。
      • 低スペックのハード環境を再現している為、グラフィック・BGM共に非常にシンプルな外観になっている。
      • ゲームそのものが一から作り変えられており、AC版(SHIENRYU)の面影はほとんどない内容である。
      • 「一人プレイ専用」「アイテム関連が一切出現しない」「初期残機数が9機」「ボンバーが放てない」「コンティニュー不可」という変更点がある。
      • ポーズをかけると携帯機のお約束機能である「画面コントラストの調整」ができる。
      • 携帯機の再現という事でプレイ中に段々とバッテリー残量が消費され、これが完全に尽きるとゲーム画面が一切見えなくなる(すなわちゲームが詰む)。なお、裏技でバッテリー残量を回復できる。
      • 説明書曰く「(携帯機の再現に対して)う~んこまかい!」との事。
  • 小円龍
    • 落語的な演出が満載なモード。
      • 「ステージ開始時にお囃子音」「敵を破壊する度に笑い声の連呼」「BGMが漫才風」といったSF世界観に合わないまでのギャグ性が多く含まれている。
      • ゲームそのものはAC版(SHIENRYU)と全く同じ内容である。
      • 説明書曰く「おあとがよろしいようで!」との事。
  • せこいりゅう
    • 「せこさ」にこだわり、AC版からあらゆる要素を削ったモード
      • 「一人プレイ専用」「自機の残機数とボム数が1のみ」「アイテム関連やスコアエクスデントが一切ない」「BGMの音源が若干チープ化」「敵の撃ち込み点やステージクリア時のボーナスが入らない」
        「ボスも含め敵破壊の入手スコアが1点」「敵の攻撃が"ぬるい龍"並かそれ以下に弱体化している」「総ステージが2つのみでエンディングもなし」「コンティニュー不可」といった変更点がある。
      • すっぴんの自機が余裕で対応できる程に敵が弱くなっている上に2ステージしかないので、全モードの中で最もクリアが容易だと思われる。
      • 説明書曰く「しゃちょ~! 給料あげてくれ~!」との事。
  • ずるい龍
    • 「無調整無添加」により、敵の攻撃が一切自重しないモード。
      • 見てから避けるのが不可能なまでに敵弾が超高速化しており、ステージ1序盤から難易度が絶望的なまでに鬼畜の所業となっている。
      • 本モードをオールクリアするとパスワードが表示され、それをアンケートはがきに表記し童宛てに送ると抽選で108名に5,000円の賞品が貰える企画が実施されていた(現在は期間終了)。
        アンケートはがきには「このモードを自力で一人プレイクリアするのはまず不可能なので、途中コンティニューができる二人同時プレイ推奨」(意訳)と書かれている。
        すなわち、本モードは公式が自ら認める無理ゲーである。平然と無理ゲーをモードの1つに収録する童の発想がある意味凄い。
      • 説明書曰く「精神状態が不安定な方、おこりっぽい人のプレーはお勧めできません」との事。
  • ノロイリュウ
    • 何もかもが「ノロイ」モード。
      • 「血まみれのロード画面」「グラフィック周りが薄暗く、BGMと効果音がホラー映画風」といった呪いの演出が多く含まれている。
      • ゲーム的には自機の移動スピードが極端に低下しスピードアップアイテムが一切無効、かつ敵の動きや敵弾に至るまで鈍くなっており、まさに「ノロイ尽くし」というべき恐ろしき内容となっている。
      • 敵弾がスロー化している影響で、全モードの中でも弾幕シューティング色が非常に強い。弾幕シューターにとってはうってつけのモードといえる。
      • 説明書曰く「(ノロイリュウに対して)そう、このモードはあなたが今思っているモードです」との事。
  • Furui Ryu
    • ノスタルジーに浸れるモード。
      • グラフィック周りがセピアカラーになり、音質がガビガビ化、画面内にはノイズなどが入り乱れる演出が多く含まれている。
      • ゲームそのものはAC版(SHIENRYU)と全く同じ内容である。但し、グラフィック周りがセピアカラーである影響で、アイテムの判別が異様にし辛くなっているという難点がある。
      • 説明書曰く「あ~あの頃にもどりたいな~。さあ、みなさんハンカチの用意を!」との事。

評価点

  • 驚きの低価格
    • おまけモード付きで約2,000円の定価発売は太っ腹である。
      • ジャケットの裏側には「こんなにお・ま・けモードがついて! イチ・キュ・パ!」と大々的にアピール表示がされている。
      • 先に発売されたセガサターン版はおまけなしで5,800円発売だった事を考えると、SS版購入者にとっては不公平ではあるが…。
  • おまけが本編?
    • メインモード以上におまけモードのネタ度合いが凄い。
      • 徹底的なケチっぷりが涙ぐましい「せこいりゅう」や、敵弾が速すぎて笑えてくる「ずるい龍」など、各おまけモードのネタっぷりが色々とぶっとんでいる。
      • 携帯機ゲームらしいちまちま感が堪能できる「JIENRYU」や、弾幕シューティングとしてなかなか熱い「ノロイリュウ」はAC版とは別の楽しみを持っている。
      • 敵破壊の笑い声連呼で脱力してしまう事請け合いの「小円龍」や、レトロな映画館上映を彷彿とさせる古めかしさが素敵な「Furui Ryu」も演出の芸が細かい。
    • まごうことなきバカゲークオリティ。
      • 本来は純粋なるSF世界観であるAC版を、ここまでおバカかつ豊富にアレンジしたおまけモードの作り込みが(無駄に)素晴らしく、バカゲーとしての素質は十分であろう。
      • モードセレクト画面で表示される壁紙絵がかなりお茶目であり、「もはや何のゲームかわからねえよ」と突っ込みたくなる。
      • とても商業メーカーが作ったとは思えない程に説明書表記が(いい意味で)ふざけまくりで、スタッフの遊び心が垣間見れる。安価発売なのか説明ページが6ページしかないのが物足りないが…。

問題点

  • AC版の移植度という面では微妙。
    • 先に発売されたSS版や後のPS2版と比べ、AC版からの移植度は劣る出来となってしまっている。
      • 具体的には「処理落ちが多めに発生してしまう」「BGMの音質がAC版、SS版よりも劣化している」といった点が挙げられる。
      • 処理落ちに関しては「AC版よりも敵弾が若干避けやすくなっている」と好意的に受け止めるプレイヤーもいる模様。
      • 純粋に「AC版そのままのクオリティで楽しみたい」という人にはやや残念な出来といえるが、もちろんシューティングとしては無難に遊べる出来だとフォローしておく。
  • 所詮は『紫炎龍』の寄せ集めに過ぎない。
    • いくらおまけモードが豊富とはいえ、どれも元が『紫炎龍』なので、オムニバスゲーム並みの多彩なバリエーションは期待しない方が無難である。
    • 各モード共にオプションの類が一切なく、すべてのモードは横画面状態での枠あり縦表示しかできない。この辺は流石に低価格ならではの安っぽさを覚えてしまうところ。

総評

  • AC版からの移植がメインなはずなのに、おまけモードの方が目立っているという謎の作品。低価格な上におまけが多いのは純粋に嬉しいのだが…。
  • 今現在はゲームアーカイブスにてMajor Waveシリーズ版が配信中。良作と呼べるかどうかは激しく疑問だが、ネタゲーとしては美味しい逸材なので、そちら方面の意味でお勧めしたい。
    • なお、Major Waveシリーズ版(ゲームアーカイブス版)はメモリーカード非対応(HAMSTERのHP)となっているため、ハイスコアなどは保存できない。ちなみに、スコアランキングの初期エントリーは童の所在地になっている。

余談

  • PS3で起動する場合の不具合
    • タイトル画面以降、BGMに不具合が発生する。
      具体的には、オープニングムービーまでは正常にサウンドが再生されるが、タイトル画面以降、各種ゲームモードに入りゲーム本編をプレイすると、BGMが全く再生されず、効果音のみが再生される症状となる。
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  • タグ:
  • STG
  • 縦シューティング
  • 紫炎龍

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最終更新:2022年09月15日 01:01