アストニシア ストーリー

【あすとにしあ すとーりー】

ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 コンパイルハート
開発元 Sonnori
発売日 2006年9月28日
定価 5,040円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント 緻密に書き込まれたドットグラフィック
ゲームとしては陳腐


概要

韓国で1994年に発売され2006年にPSP向けにリメイクした作品を、日本語版としてローカライズしたコンパイルハートのゲームシリーズ第一作目。
純然たるハイファンタジー作品で、少々人を選ぶRPG。
しかしシステムはシンプルで、戦闘は『アークザラッド』系のSLGライクなものになっている。


ストーリー概要

  • 新米騎士として国の宝である「カイナンの杖」を運搬護衛する任務にあたる主人公ロイドだが、その護衛任務中に敵襲に合い、護衛部隊が全滅する。
  • 犯人たるエルフ族の敵を見つけ出し、杖を奪還するまでのストーリー。
  • その傍らに騎士だからという理由でいろいろ手助けして寄り道をする。ほんとに敵討ちとはなんら関係ない寄り道のほうが多いのでは…。

評価点

  • ドットアートの美麗さ
    • とにかく緻密に作りこまれたドット絵は、この手の表現が好きな人にはたまらない。
    • PC-98時代のゲームを高画質にしたような感じで、新しさは感じないが…。
  • わかりやすいシステム
    • 取説なしでも問題なくすすめるくらいにシンプルでわかりやすく、サクサク進めることが可能。
  • 親切な経験値分配システム
    • 人数が増えても、一体倒す毎の一人頭の経験値は減らない。つまり大本の経験値が人数分増量している。
    • しかし経験値は戦闘終了時点の生存者で頭割り。例えば4人で戦闘に挑み、1人生き残った場合、その生き残りに4人分の経験値が集中するため一気に育つ。
  • PSP版のみのオープニングアニメ
    • PSP版では主題歌やアニメーションでオープニングムービーが流れる。
    • コンパイルハートではこれが初となるが、以降のゲーム作品からアニメーションではなくなっている。
  • どこでもセーブ
    • フィールド、ダンジョン、街の中でもデータのセーブができるし、ボス戦前でも可能。
      • ただし、キャラクターをきちんと育てたり、回復アイテムを補充しておかないと詰みやすい。

賛否両論点

  • これといったやりこみ要素も無く、普通に進めていれば10時間程度で手軽にクリア可能。逆に言えばやることがクリアするだけ。
  • 申し訳程度の、よく言えば物語に味を出す程度のキャラ達の掛け合い。
    • 女性キャラ3人のうち2人はテンプレのツンデレ傾向。もともとストーリーがあって無いようなものだからか、取ってつけたような四角関係描写も…。

問題点

  • 展開が陳腐。
    • 大本が94年のゲームなので無理もないが、「他種族を見下すドワーフ」「一対一での戦いを求めて離反する武術家」など、とにかくどこかで見たような部分が多い。
    • ストーリーにしても、途中で「やっぱり予想通りだ」となることがある。
    • 語られるストーリーがあまりにも少なすぎる。大きく分けて「世界観」と「仇敵のエルフはどこにいる」以外にあまり会話の中身はない。
  • ヒントがなさすぎる
    • もともとろくな謎解きもないようなゲームなのだが、「次の行き先がどこにある」がないのでマップをさまよう羽目になる。
      • 行き先が見当たらずマップのあちこちを探し回ってみたら、「村長の家のそれとはわからない出口から地下道を通ってマップに出る」が答えだったりする。教えてよ。
  • オブジェの当たり判定がシビア。
    • 自然の多い世界設定で、同時に動物や人も多いのだが、やや判定が大きいきらいがある。
      • 強引に押しのけてすり抜けられないので、ちょこまかと動く動物に足止めされたり、通れるように見えて通れないマスなどに引っかかりを覚える。
  • エンカウント
    • フィールドの敵シンボルは早く動き避けにくい。軽く追跡してくるので狭い道で避けにくい。
    • 見た目が一種類だけなので敵の数も種類もまったくわからない。
      • 一応色違いもいるのだが、中身がどう違うかは不明。
    • 翻ってダンジョンは頻度低めのランダムエンカウント。どちらかでよかったのでは。
  • 戦闘
    • SLG方式だが、基本的に敵の数が多く、強い割に割に合わない。
      • 最序盤で一人になる期間があるが、敵が平気で6~7匹構成だったりする。
        SLGは味方数より敵が多いのが基本とはいえ、こちらが1ターンに1匹に対し1回しかダメージを与えられないのに、敵は囲い込み+遠距離攻撃で多勢に無勢。
  • 敵味方双方、キャラクターを飛び越えて移動できない。うっかり味方キャラで先を塞いでしまうと、大回りして動かす必要が出てくる。おかげで崖下の階段など狭い道で渋滞しがち。
  • 敵の遠距離攻撃が強い。
    • キャラを飛び越えられない都合で遠距離武器の優位性が勝る。特に序盤、人数が少ない時期に出てくる敵弓兵は脅威。4匹で襲われ魔法使いが1ターンで落とされることも珍しくはない。
  • ボイスについて
    • 戦闘時にはスキル使用や戦闘不能時にボイスが出るが掛け声程度。シナリオ上の台詞にはボイスがつかない。
  • よくわからないアイテムシリーズ「ヘルゲート」
    • 剣、斧、弓の武器三種、鎧、縦、マントの防具三種の合計六種存在するが、いずれもが性能が低く、特殊効果が不明で存在価値がない。

総評

クソ要素だと叩くほどの汚点はないものの、一方で大きく評価する部分も見当たらない、典型的な凡ゲー。
ドットグラフィックが好きな方やレトロRPGフリークならば楽しんでプレイできるだろうが、そうでない場合は「古臭くて平凡なRPG」でしかない。
その辺を考慮したうえで、購入するか否か考えてほしい。

その後の展開

  • 本作発売から2か月後の16日にPSP専用ゲームソフト『ヴルカヌス』が発売される。
    • こちらも韓国で発売されたものを日本語にローカライズされたゲームだが、ジャンルは3Dロボットアクションゲームである。
  • 日本ではナンバリングがないが、韓国では続編扱いとして『ガーネットクロニクル ~紅輝の魔石~』が『2』扱いとして発売されている。

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最終更新:2022年08月22日 17:37