beatmania GB

【びーとまにあ じーびー】

ジャンル リズムゲーム

対応機種 ゲームボーイ & カラー(全GB共通)
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント神戸
発売日 1999年3月11日
定価 4,300円
プレイ人数 1~2人
周辺機器 通信ケーブル、スーパーゲームボーイ/同2対応
判定 なし
ポイント GBとしての味わいに価値を見出せるかどうか
beatmaniaシリーズリンク


概要

アーケードの音ゲーとして有名なbeatmaniaを携帯機用として発売したGBシリーズの初作。

システム・特徴

  • 楽曲は既存曲10曲+オリジナル10曲
    • 隠し曲やモードはパスワード形式になっている。
  • ACと仕様が異なるが通信ケーブルを用いた通信対戦も可能。
  • スーパーゲームボーイ・ゲームボーイカラーに両対応しており、使用した場合はそれぞれカラー表示にできる。
    • SGB使用時はアーケード筐体のデザインを意識した専用フレームも存在する。

評価点

  • GBとしては良好な楽曲。
    • 扱える音数や容量が少ない機種のためにどうしても簡単なアレンジになっているが、それでも最大限に再現されておりGBである事を踏まえれば完成度は高い。
    • 収録楽曲は『3rd MIX』に収録されている物が主流で、「LUV TO ME」といった人気曲から「DJ BATTLE」まで収録されている。
    • さらにGBオリジナルの新曲も10曲収録。
      • クラシックやレゲエといったものから演歌まで収録されており幅広い作品を楽しむ事が出来る。中にはN64の格闘ゲーム『らくがきっず』のメインテーマ曲などの変わり種も。
      • これらの楽曲はGB限定であり、残念ながら本家へリメイクされることはなかった。
  • 操作も携帯機で無理の無い仕様にアレンジされている。
    • 慣れるまでに多少時間はかかるが、最初の内や辛い人には仕様変更もできる。
      鍵盤 1 2 3 4 5 スクラッチ
      TYPE A ↑/↓ B A スタート
      TYPE B スタート B A
      TYPE C セレクト
  • グラフィックも巧く描かれている
    • 筐体の様に美麗なムービーはないものの、その分独特の雰囲気を持った個性のあるものへと仕上がっている。
    • 一部使い回しはあるものの、ちゃんと全曲にムービーが用意されていることも評価できる。
      • 特に本作オリジナル楽曲では新規書き下ろしBGAも多く登場している事から希少価値もある。

賛否両論点

  • 譜面速度が速め
    • 当時の家庭用beatmaniaシリーズはいずれもAC版よりもオブジェクトの落下スピードが速めに設定されている物が多かったが、本作も例外では無い。
  • GBへの移植に伴う必然的なスペックダウン
    • アーケード版よりスペックがはるかに劣る機種での発売ということで仕方ないが、必然的に曲がオリジナル版から劣化してしまっている。扱える音数が少ないためチープであり、音声を扱えないのでボーカル曲もすべてインストアレンジとなっている。
    • 本作でしか聴けないGB音源アレンジによる楽曲のクオリティは悪くなく、GB版への移植だということを前提にして聞けば中々の良アレンジとなっている。
      • ロービット音源によるゲーム音楽アレンジが好きな人ならば聞く価値はあるだろう。中には元の楽曲より8bitアレンジ音源の方が好評なものまである。

問題点

  • 時代遅れのパスワード制
    • GBのBEMANIシリーズ通しての問題点。1999年当時のセーブはバックアップが主流になっている為、古臭く感じる事がある。
    • パスワード制を採用している関係でスコアの記録もできないため、ハイスコアの記録はメモを取るしかない。
    • 一応、後述の全解禁パスワードが判明している今となっては、電池切れの心配なくいつ始めても気軽に全曲解禁状態にできるという利点もなくはない。当然ハイスコアは毎回リセットとなるが。
  • シングルプレイ(SP)用の譜面しか収録されておらず、ダブルプレイ(DP)が不可能。
    • それによって、いわゆるDP音源や「greed eater」といったDP専用曲も未収録になっている。
      • こればかりは機種のコントローラーや容量の都合なので仕方ないが。
    • なお、本作では通信対戦も可能だが、音源・譜面と共にSPの物で固定される事から3rd MIX以降におけるBATTLEモードに近いと言える。
  • DJ BATTLEの存在意義
    • アーケードではスクラッチを回してDJの雰囲気を楽しめる楽曲だが、GBではスタートボタンをタイミング良く押すだけであるため、面白みに欠けてしまう。

総評

若干ボタンが押しにくい時もあるが、基本的に操作周りは遊びやすく設計されているため不満を感じる事はあまり無い。
本作の大きなポイントは「楽曲や今作特有の雰囲気をどれだけ楽しめるか」にある。
コミカルかつ創意のあるピコピコなファミコン音源が好きな方ならば問題なく楽しめるが、逆にAC版同様のプレイ環境や高音質を想像している方には物足りなく感じられるだろう。

しかし、本作の良さはそのチープさにある。ムービーはサイケデリックな筐体の再現に留まらずGBというハードを通す事によりレトロな仕上がりで独特な世界観を演出しており、全体的に暗いグラフィックが逆に色彩を際立たせている。
筐体ゲームをGBで発売するということで前評判はあまりよいものではなかったが、予想に反して親しみやすい作品へと出来上がっている。


続編

  • GBの5鍵のシリーズ作は本作以外にも『beatmania GB2 ガッチャミックス』『beatmania GB ガッチャミックス2』が存在。
    • 続編の開発担当は本家PS移植版も担当していたKCE JAPANに交代。こちらはJ-POPやアニメソングなどの版権曲がメインになっており、ビーマニオリジナル曲は『ガッチャ』では大幅減少、『ガッチャ2』に至っては1曲も無い。
    • ちなみにガッチャミックス2は元々モバイルアダプタGB対応の『beatmania GB3 NETJAM』として発売される予定だったが、諸事情によりガッチャミックスの続編として発売される事となった作品でもある*1
  • また本作の発売以降、『ポップンミュージック』や『Dance Dance Revolution』など他のBEMANI作品もGBに移植されている。
    • 特に『ポップンミュージックGB』は本作と同じKCEK(神戸)が担当しており、質の高いオリジナル曲など本作と要素が共通する箇所が多い。

余談

  • 全曲解禁のパスワードはコナミ作品ではおなじみのあのコマンド「↑↑↓↓←→←→BA」を元にした「UUDDLRLRBA」となっている。
    • パスワードが英字入力という都合上、矢印の部分は今作では頭文字になっている。それぞれUP(上)・DOWN(下)・LEFT(左)・RIGHT(右)の略。
    • なお、後続作ではこのコマンドを入れると逆に練習曲しか選べなくなるなど、グラディウスシリーズを意識したようなトラップが仕込まれている。
  • 本作発売以前の1999年2月11日に発売された『ときめきメモリアルPOCKET カルチャー編/スポーツ編』にて、beatmaniaをモチーフにしたミニゲームが存在。
    • 本作のベータ版という位置づけらしく、収録楽曲は本作から「Believe again」と「OVERDOSER」の2曲+文化祭イベント中のみ遊べる「DJ BATTLE」と非常に少ない。BGAがときメモキャラになっている。
  • 後に同じく携帯ゲーム機向けに、ワンダースワンで『beatmania for WonderSwan』が発売されている。
  • GBAで遊ぶ際の注意点
    • 元々本作はGBで遊ぶ前提の操作方法で、スタートボタンの配置が異なるGBAでは仕様上無理押しが多くなる。
    • GBASPではGBとほぼ同じボタン配置になっているので、GBAではなくSPでプレイした方が無難と思われる。

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最終更新:2024年01月07日 17:42

*1 このため両作は『2』の位置が変わっただけで非常にややこしいタイトルになっている。