メトロイドプライム ハンターズ

【めとろいどぷらいむ はんたーず】

ジャンル ファースト・パーソン・シューティング
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売元 任天堂
開発元 Nintendo Software Technology Corporation
発売日 2006年6月1日
定価 4,571円(税別)
配信 バーチャルコンソール
【WiiU】2015年9月30日/950円(税8%込)
判定 なし
メトロイドシリーズ


概要

メトロイドプライム』シリーズから派生した、携帯機初の3Dメトロイド。タッチペンを使用した、マウスによるプレイに近い視点変更操作を採用している。

アドベンチャーモード(1人用モード)のストーリーは、「究極の力の在処を示すという、謎の信号を追って、辺境の星系・アレンビッククラスターを訪れたサムスが、同様にして訪れた6人のハンター達と闘いながら、アレンビッククラスターの謎、究極の力の正体に迫る…」というもの。
時系列的には『プライム1』と『プライム2』の間。

本作は『プライム』シリーズの中でもさらに外伝・スピンオフの様相が強く、 『プライム』シリーズの重要な要素である「フェイゾン」はおろか、「メトロイド」すら全く登場しない

  • 本作の開発は「レトロスタジオ」ではなく、同じく任天堂傘下のスタジオである「Nintendo Software Technology Corporation」。
    • 過去の開発実績としてはGCの『ウェーブレース ブルーストーム』や『1080(テン・エイティ) シルバーストーム』、GBAの『マリオvs.ドンキーコング』シリーズの他、『Ridge Racer 64』、『Ridge Racer DS』といった他社版権作品などがあった。

特徴

  • タッチパネルを使用した、DSならではの操作方法が成立している。
    • 基本的には、タッチパネルで視点操作・十字キーで移動・Lボタンで射撃、という単純な操作である。武器の切り替え・モーフボール・スキャンモードへの移行は、タッチパネル上のボタンを操作することで可能。
    • 十字キーとABXYボタン、LボタンとRボタンがそれぞれ対応しているため、左利きのプレイヤーが逆に持っても通常通りプレイできる。設定によりタッチパネルの配置を反転させることもできる。
    • ボタンで視点変更を行う、ゲームパッドに近い操作方法もある。ただ、その場合でも武器変更などで下画面を使う必要はあるが。
    • 代わりにロックオン機能はオミットされており、『プライム1』『プライム2』と比べ、より純粋にFPSに近いスタイルとなっている。
  • モーフボール時のTPSに近いスタイル、スキャンモードなどは基本的に『プライム1』を踏襲している。
  • Wi-Fi通信・ローカルエリア通信を用いた、4人での通信対戦に対応。サムスを含めた7人の個性的なハンター達がプレイヤーキャラとして登場する。
    • またCPUとの対戦もでき、CPUの難易度も3段階から設定可能なので、1人プレイでも対戦モードを楽しめる。

評価点

  • 高品質なグラフィック
    • スペックの低いハードであるものの、そのグラフィックは十分『プライム』シリーズの世界観を再現している。『ゴールデンアイDS』や『CoD』など、他のDS向けFPSと比べても出色の出来。
      もちろん解像度の問題はあるものの、ニンテンドウ64のFPSと比べても頭一つ抜けているといってよい。DSiLLや3DSLLなど大画面でやっても迫力が損なわれない。
    • フレームレートも高い数値を維持しており、ところどころ処理落ちはあるものの、基本的には30~40fps近くを維持している。1人用プレイよりわずかに劣るものの、オンラインプレイにおいてもこれは変わらない。
    • オープニングやボス戦前などにはプリレンダムービーが挿入される。グラフィック自体はGCやWiiクオリティに至ると思われるのだが、いかんせんDSの解像度であるため画質は粗め。しかし、二画面で同じ場面を異なるアングルから映すといった面白い試みもなされており、見応えは十分。
  • 世界観に合ったBGM
    • BGMも高評価。開発会社の違いからか、全体的に洋ゲーらしいクールで落ち着いた楽曲が多く、従来とはやや毛色が異なる。とはいえクオリティ自体は高く、元々メトロイドシリーズでは探索に干渉しない環境音のようなBGMも多いため、ゲームの雰囲気にはよくマッチしており、親和性は高い。DSのマシンスペックを考えれば音質もなかなか健闘している。
    • これまでのプライムシリーズよろしく、メニュー選択の画面で流れるBGMは特に人気が高い。
    • サムスの前に立ちはだかる6人のハンター戦のBGMは基本的な部分が同じで、相手に応じたパートが追加されるアレンジとなっている。バラエティを出しながらも統一感を感じさせるものとなっている。
    • 一部BGMは本家『プライム』シリーズの楽曲をアレンジしており、ファンサービスとしても良質。
  • 操作方法の良好な調整
    • 基本的に2本のスティックを必要とするFPSをDS向けに開発するのはかなりハードルが高いとされてきたが、本作はボタン操作は移動と射撃のみで、下画面のタッチ操作では視点調整も含めたそれ以外(武器切り替えやスキャンモード切替など)をうまくまとめたことで、シンプルな操作を実現している。
    • ボタン操作やスティック操作以上に直観的な操作ができるタッチ操作は操作感覚がマウスに近く、視点変更操作の反応も良好。主にPCでFPSを楽しんできた層からの評判が良い。
    • 視点変更以外に行う操作のボタンは、基本的に、下画面の中でも端に寄せて設置されているため、視点変更の際に間違えてモーフボールや武器変更を行ってしまうことも少ない。
    • ロックオン機能がなくチャージコンボも存在しないが、本作はミサイルでもチャージが可能であり、それ以外にも若干の追尾機能を持つ武器が多い。
      • アドベンチャーモードに限り、基本装備であるパワービームのチャージショットにも追尾機能が付加されているなど、1人プレイではエイムアシストに類する配慮がなされている。
  • オンライン対戦の実装
    • FPSのオンライン対戦・通信対戦をシリーズで初めて実装した。
      • オンライン対戦においてもフレーム落ちは少なく、戦闘そのものは快適に行えた。
    • シンプルなバトルロイヤルである『バトル』や、いわゆる陣地占領戦である『ディフェンダー』、キーアイテム「オクトリス」を多く集めたものが勝つ『オクトリス』など、ルールは全7種類。チーム戦専用ルールもある。
    • マップはアドベンチャーモードを進めたり、対戦回数を重ねることで追加されていく。その総数は26種類と、携帯機にしてはかなり多い。いずれもそこまで広大ではないが、マグマに覆われた地形から建造物内部に宇宙ステーションなど多種多様。対戦モード限定のマップもある。
    • オンラインでは、全世界のプレイヤー・国内のプレイヤー・フレンド・以前戦った相手と、4つの括りで対戦相手を自由に探すことができる。
      • また、DSで初のボイスチャット機能を搭載したゲームでもあった。ただしボイスチャットは対戦中は行えず、対戦の前後にフレンド登録した相手とのみ可能。同じタイミングでメッセージを送ることもできる。
    • ただし、残念ながら2014年5月20日にWi-Fiサービスが終了したため、現在はオンライン対戦不可。
  • 個性的なハンターたち
    • オンライン対戦・ワイヤレス通信対戦では、主人公のサムスに加えて、アドベンチャーモードに敵として登場する6人のハンターもプレイヤーキャラとして選択できる。
    • 対戦における7名のハンターはパワービーム・ミサイルを共通の初期装備として、それぞれに1種だけ得意武器を持つ。サムスはミサイルに、他の6人のハンターは6つのサブウェポンに対応し、単純に追加効果が付くものや、チャージ射撃に相手を凍結させる・相手の視界を歪ませる・炎上のスリップダメージを与えるといった効果が付加されるものもおり、個性をより強調している。
      • 基本操作や下画面のボタン配置は統一されているが、各ハンター毎に画面構造は異なっており、アームキャノンのチャージ演出やウェポン切り替え演出なども個別に作り込まれている。
    • ステージ上には取得するハンターによって中身が変化する「得意ウェポン」が設置してあり、拾うと対応したサブウェポンが使用可能になる。これにより各々の得意武器を使用する機会が増え、各ハンターの差別化にも繋がっている。
      • ちなみにサムスは得意武器がミサイルであるため、ミサイルアモと得意ウェポンの両方でミサイルの残弾を補充できる。
    • サムスがモーフボールに変形できるように、各ハンターもそれぞれが「トランスフォーム」形態を持つ。共通して小柄になり狭い通路に侵入可能となるが、トランスフォーム中の攻撃手段や特殊能力は多種多様。壁面に張り付いて移動できたり、敵を追尾するボムを射出できたり、下半身を分離して自動機銃として設置するなど、こちらも個性が光る。
    • ダウンロード通信対戦ではホストのみハンターの選択が可能。他のプレイヤーは共通してサムス固定となる。
    • ちなみに同キャラ対戦も可能で、その場合は後続のプレイヤーが色違いのハンターを操作することになる。
  • 前作までの問題点の改善
    • アドベンチャーモードにおける各サブウェポンは『プライム2』と同様に弾数制限があるが、全種類でアモは共通して消費・補給され、チャージ時の消費アモが3発に減って補充・弾数不足に悩まされることが減り、気軽に使用できるようになった。
      • 補給用のアモも、『プライム2』では条件を満たさないと出現しなかったが、本作ではエネルギーやミサイルと同様に敵やコンテナから普通に入手できる。
    • 特定のサブウェポンで開くゲートは一度開くと普通のゲートに変化するようになり、通過する度に武器を切り替える必要がなくなった。
      • 本作では特定のサブウェポンで開くバリアも登場するが、こちらも一度突破すれば二度と復活しない。

賛否両論点

  • アドベンチャーモードの謎解きが比較的難解
    • 人によって評価が分かれるところではあるが、順番に行けるステージが増えていった序盤と違い、再び4つのステージを回りだすところからは、攻略する順番が示されないため、迷う人もいる。自由に攻略できるというわけでもなく、手に入る武器の都合上、進むべき順番はある程度決められている。そのため攻略情報がない場合は、総当り的にステージを調べることになる。
      • メトロイドシリーズの中で見てみればそれほど突飛な要素でもないが、今作の場合は後述のハンターの存在などがストレスとなるため、ステージを繰り返し巡る行為が煩わしく感じられるというプレイヤーもいる。
  • ロックオン機能がない
    • 『プライム』シリーズ以外のFPSに慣れ親しんだプレイヤーにとってはそれほど大きな点ではないが、ロックオン機能がなくなったことで、ボタンによる視点操作でのプレイの難易度はかなり上がっている。特に、的の小さい対ハンター戦で顕著。
      • 一応、上記のようにアドベンチャーモードではいくらかフォローされているが、ハンターとの戦闘が基本となる対戦モードでは少々慣れが必要である。
    • タッチパネルの感度がかなり高いほか、追尾機能を持つ武器も多いため、タッチ操作では気にならないという声もあるが、ロックオンがなくなったことで移動しながらのターゲッティング・射撃が求められるようになったため、酔いやすくなったともいわれる。DSにおける一人称ゲームにしてはフレームレートが高いのも一因かもしれない。
  • サブウェポン「インペリアリスト」が対戦において極めて強力
    • インペリアリストとは、長射程・高威力・高弾速・ズーム機能付きのレーザーを放つ武器であり、所謂スナイパーライフルに相当するサブウェポン。
    • ただでさえ単純にヒットさせただけでも高威力であるが、ズーム中に撃った場合素の威力が倍の72になる。そこからヘッドショットが決まれば体力MAXでも即死確定
      • 本作における体力MAXとは対戦開始時・復活時の初期体力(100)に回復アイテムを取って加算した数値(199)である。つまり復帰直後の体力初期値の相手にズーム射撃すればどこを狙おうとも瀕死の重傷を負わせられる。
    • 難点として連射が利かない、残弾の所持上限数が少ない、ステージによっては出現しなかったり遠く離れた場所(ハーヴェスターやトランスファーロック等)やアクセスしづらい場所(ハイグラウンド/エルダースロードやアリノスゲートエリア等)に配置されているといった措置は取られているが…詳しくは問題点にて後述。

問題点

  • アドベンチャーモードのボリューム不足
    • 対戦に重きを置いている点や、ROM容量的な問題があったのか、アドベンチャーモードのボリューム不足が否めない。順調に進めば7時間程度でクリア可能。
    • 対戦との兼ね合いもあってか、本作のサムスはサブウェポン以外に追加される装備・特殊能力がない。恒例だったパワードスーツの強化もなく、本作ではゲーム開始からラスボスまで終始バリアスーツで進めることになる。
      • サブウェポンにしても、武器の性質を活かした固有ギミックはインペリアリストで起動できる「スナイパースイッチ」のみと寂しい仕様。地形に当たると反射する武器や、爆風で広範囲を攻撃できる武器もあるが、それらを活かしたギミックは存在しない。
    • マップは全4つ+ラストステージ1つ。終盤までは4つのステージを探索する。これらは灼熱の惑星や極寒の惑星、宇宙ステーションと個性豊かだが、1つ1つのボリュームがかなり小さい。
      • これら4つのステージはそれぞれ2周させられることになる。アイテムや新武器の入手によって行けるところは増えるものの、中盤以降はマンネリ感が強い。
    • ボスもラスボスを除くと、固定砲台のような敵が 2種類用意されているのみ 。しかも、ラストステージまでの4つのステージに各1体ずつのため、それぞれ 4回も使いまわされる ことになる。行動パターンやステータスに多少変更が加えられているが、いずれも新鮮味には乏しい。
  • アドベンチャーモードのハンター達が鬱陶しい
    • 前述の6人のハンターは、序盤から中盤にかけて、それぞれのステージで1人ずつ襲い掛かってくる。この時は個性豊かな中ボスといった感じで、専用の演出が組まれていることもあり戦っていて楽しいのだが、問題は中盤以降。彼らは、再び4つのステージを回るサムスの前にランダムで現れる。
    • 出現する時はハンター毎に専用のBGMが流れるのだが、前述のように曲の構成を統一しているため、いずれもイントロがショッキングで心臓に悪い。しかも出現した時点で各ゲートが閉鎖されるため、テレポーターのあるエリア以外では倒すまで脱出も不可能になる。
    • もしこの戦闘で敗北すると、「オクトリス」という キーアイテムを奪われ、そのハンターを再び別のステージまで追いかけて行って倒さなくてはならない 。かなり面倒なペナルティだが、その割に勝っても奪われたオクトリスを取り戻せる以上のメリットはなく、結果として無駄に消耗させられるだけの厄介な存在と化す。
    • 一応、ステージに入る際にどのハンターがどのステージにいるのかも把握できるようになっており、出現するエリアもおおまかに決まってはいる。とはいえ2戦目以降は特に演出もなく、戦闘スタイルも全く変わらないため、戦っていて楽しくない。
      • 設定上各ハンターは敵対していてサムスと共闘する場面はないが、一方で序盤の1場面を除いて乱戦になるということもなく、複数人がいても全員サムスを狙って攻撃してくる。サムスがオクトリスを持っているからという理由付けはあるとはいえ、この仕様もハンター戦の単調さに拍車をかけている。
      • ハンターがいないステージに行ったとしても、サブウェポンを持たないハンターのコンパチ敵である「ガーディアン」が複数同時に出現するため、やはり鬱陶しい。
  • キャラ性能のバランスが悪い
    • 特に顕著なのがインペリアリストを得意武器とするトレース。上述の通り強力なサブウェポンだが得意武器なので補充がしやすく、さらにインペリアリストを装備して静止すると半透明になるという効果がある。トランスフォーム時も静止時には半透明になり、高速の突進攻撃も対処がしづらいうえ、こちらも高威力。
      • 上述した一部ステージでのインペリアリストの配置はその強力さを考慮した措置であるはずが、トレースの場合はベストウェポンで無視できてしまうため、かえってトレースの優位性を高めてしまっている。
    • 追尾性が高い得意武器に体力奪取の効果が付くサイラックスも厄介。得意武器自体は短射程だが、その分近距離では無類の強さを誇る。トランスフォームも機動力が高く、トラップ型ボムの設置ができ、条件次第ではかなりの高火力を引き出せるため立ち回りも強い。
    • 反面、スパイアやカンデンはトランスフォーム時の移動速度が遅く攻撃性能にも難があるため、使い勝手が悪い。得意武器の追加効果も炎上ダメージまたは視界妨害と、即座にリターンが取れる効果ではないため、トランスフォーム時の使い勝手の悪さをカバーしきれていない。
      • 一応、スパイアはステージ内の溶岩に触れてもダメージを受けない、トランスフォームで壁面を移動できるという唯一無二の個性を持つが、カンデンにはこうした長所もない。
      • また、彼らの得意武器のチャージ射撃は爆風付きで自爆のリスクがあるが、自爆すると自分も追加効果を受けてしまう。
    • 得意武器の中には、一部性能が他ハンターが使った時より劣化しているものがある。
      • スパイアとウィーヴェルが該当しており、スパイアは炎上効果がある代わりなのか、得意武器のチャージ射撃の着弾時の威力が下がっている。ウィーヴェルは得意武器の爆風範囲が広がるが、連射速度がやや低下している。
      • またノクサスは得意武器チャージ射撃時の攻撃範囲が変更され、射程が下がり跳弾による攻撃などもできなくなる、はずだったが…
  • 勝敗に直接影響を与えるようなバグが簡単に利用可能
    • トレースやサイラックスはまだゲームの仕様範囲での強さだが、ノクサスは別問題で凶悪なバグ技を持つ。
      • 得意武器をチャージして撃つと相手を凍結させる冷気を放つが、凍結攻撃のエフェクトは目の前にしか起こらず、範囲・射程が狭いという形で調整されている。…のだが、実際の判定は視認できないが柱型であり、これが縦方向に無制限に伸びてしまっている。つまり、チャージ射撃を撃った瞬間、ノクサスの頭上一直線に高さ無限の見えない当たり判定が発生する
        これを利用して、敵に頭を向けるようにして撃つとどんなに離れた相手だろうと凍結させられるバグがある(通称「シャドウフリーズ」)。凍りついた相手は一定時間動けないので、インペリアリストで悠々とヘッドショットを決められる。
    • 壁抜けバグもある。できるハンターとステージは限られているが、それでもバグを利用するプレイヤーとしないプレイヤーの戦力差は大きい。
  • トランスフォームには変身回数上限や時間経過による強制解除等の制約が一切ない
    • これを逆手にとり、トランスフォーム状態のままひたすら相手に粘着する、攻撃が当たらない場所に身を隠してヒットアンドアウェイを狙いつつ逃走し続ける等、シューティングの立ち回りを放棄した戦法が横行していた。
    • トランスフォーム自体は他のFPSでは見られない魅力の一つであるし、上述のシャドウフリーズや壁抜けに比べれば正規の仕様の範囲内ではあるのだが、それを交えつつも純粋な撃ち合いを楽しみたい大多数のプレイヤーにとっては興を削がれる要因でしかなく、やはり問題視された。
  • その他
    • 対戦モードでのチームバトル時のメンバー構成は、2対2か2対1のみ。3対1や2対1対1は選択できない。
    • 射撃中やチャージ中以外の状態でサブウェポンを新規入手すると、装備が強制的にサブウェポンへと切り替わってしまう。
      • また使用ハンターの得意武器を新規入手すると、他のサブウェポンを射撃・チャージしている状況でなければサブウェポンのセットが強制的にその武器へと切り替わる。
    • ハンターの1人、ウィーヴェルはアームブレードを右腕部に内蔵しており、オープニングムービー内でも華麗な抜刀を披露しているが、ゲーム内ではトランスフォーム中にしか使わない。しかも攻撃モーションは上半身のみで縦回転して振り下ろすという1種類しかなく、同じ斬撃系のノクサスとは違いヒット時にはぶつかったような軽い音が鳴り響くなど、見栄えも迫力も物足りない仕様である。
    • サイラックスのミサイルから他の武器に切り替える際のアームキャノンの挙動と効果音が今ひとつ噛み合っていない。

総評

スペックの低いハードでありながら、シリーズ初の通信対戦と、美麗なグラフィック・良好な操作感触を実現した点はかなり高く評価できる。
ただ、対戦が中心で1人用モードに難がある、というゲームスタイル上、オンラインプレイが不可能になった現在では当時ほどの楽しみ方はできないという見方は否めないか。
とはいえDS向けのFPSとしては間違いなくトップクオリティの出来であり、タッチパネルによる視点操作の快適性を体験するために買ってみても良いと言える作品である。


余談

  • 北米ではニンテンドーDSの発売に際して、本作の体験版が本体に付属して販売されていた。
  • 当初は「ハンターズトーナメント」というサブタイトルが予定されていた。宇宙最強のバウンティハンターを決める大会に呼ばれたサムスが活躍するというストーリーが構想されていた模様。
  • アドベンチャーモードのとある場所には、マザーブレインを彷彿とさせる外観の、ガラス容器に収められた「コルテクス」という脳みそが置かれている。ただし、ガラスは割れて中の脳みそは崩れており、マザーブレインとの関連性も不明。
    • これ以外にもメトロイドに似た見た目の浮遊生物「ペトラシル」、同じくメトロイドのように吸着からのエネルギー吸収攻撃を行う「クアドトロイド」なども登場するが、いずれもメトロイドとの関連性については語られていない。
  • 『プライム』シリーズではほぼ唯一、マップ上の即死トラップが存在する。底なし穴も存在するが、これも落下すると即死である。
  • また『プライム』シリーズは条件を満たすとエンディングに追加演出が入るのが恒例だったが、本作は珍しくマルチエンディング制である。分岐条件はラスボス戦において特定の行動を取ったか否かで、ノーマルエンドではラスボス戦後にサムスの生還が描かれないバッドエンドに近い結末となる。
    • 特定の行動に関しては、ゲーム中のログブックにヒントがある。条件を満たしてラスボスを撃破すればグッドエンドとしてサムスが無事に脱出する様子が描かれ、ムービー中にはしっかりと彼女の素顔も映る。
  • 本作初登場のハンター、サイラックスは銀河連邦を激しく憎んでいるという設定があり、その経緯や素顔などには謎が多い。
    • 連邦に協力するサムスも同様に憎んでおり、『プライム3』や『フェデレーションフォース』で暗躍する姿が描かれるなど、今後のシリーズの鍵となる人物(?)であることが予想されている。
  • 同じく本作初登場のハンター、ノクサスは2015年のE3で行われたインタビューにて倒されたという設定が語られている。一応、本作のラスボス戦後に脱出している様子が確認できるが、今後再登場するかどうかは不明である。

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最終更新:2024年02月18日 03:16