キメラビースト

【きめらびーすと】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
販売元 ジャレコ
開発元 シーピーブレイン
ロケテスト開始日 1993年
再ロケテスト開始日 2013年
判定 なし
ポイント 敵を食ってパワーUPするSTG
グロい
悠久の時を経て、ロケテスト版再稼働
まさかのテレビ出演
2016年2月現在、高田馬場ミカドにて絶賛稼働中


概要

  • 1993年、ジャレコが突如としてロケテストを行なった横スクロールシューティング。
    • 結局お蔵入りになったが、海外では稼働される事となった……というのはあくまで噂で、結局は海外でも御蔵入りになった。
      • 中の人曰く、ジャレコからシーピーブレインへきちんと、海外稼働に向けてテストが行われたこととお蔵入りという結論になった理由の説明があった、とのこと。
      • 海外からも、「日本人が海外では稼動されたって言ってるけど海外ってどこ?」との疑問が。
  • このように「知る人ぞ知る幻の作品」であったが、2013年4月になり、高田馬場のゲームセンターミカドで稼働が開始した。
    • ミカドが提携しているクラリスディスクとジャレコのサントラを作る話になり、ジャレコのゲームの基板がジャレコの倉庫に複数あるということで一つずつ調べていたら発見されたとのこと。
    • 稼働しているのはロケテスト版。店側でも新作ロケテストという扱いで稼働している。
    • 稼働と同時期にtwitterに当時の開発者と思われる「中の人」のアカウントが登場。
    • ロケテストの際にジャレコの人が描いた手書きインストと、AOUショー用に作成したインスト下絵と自機設定イラストと、新潟のゲーセン、テクノポリス特製のインストカードが展示されている。
    • 出張ロケテもやっており、馬場ミカドに足を運べない場合も近所のゲームセンターにお願いしてミカド側話を通せばプレイできるかもしれない。
    • Twitterの中の人曰く、完全版の開発も進んでいるとのこと。キメラビーストの地球征服も遠い話ではない……
  • 自機の一行AAや合い言葉は「キメBee!!」と、どこかで聞いたことのあるスラングも生まれてしまった。
  • 2015年頃にミカドでの稼動が一度終了してしまったが、2016年2月にミカドにて再稼働。このように稼働状況はミカドの事情によって変化するので、遠征の際はお店に稼動を確認してから出向くのが良いと思われる。
  • 自機は謎の宇宙生命体「イーター」。グロテスクな上になんとも説明しがたい奇妙な姿をしている。更には敵を「捕食」し、様々なDNAを取り込むことによって変化していく。

特徴・システム

  • ライフ&残機制横スクロールシューティング。1レバー2ボタン制。
    • ボタンはショットと捕食に用いる。ショットは文字通り弾を発射するが、捕食は画面半分ほどの距離まで口を飛ばして敵や敵弾を捕食する。
      • 捕食を続けることで体力を回復させたり、相手のDNAを吸収してパワーアップする。
    • 他にも自機後方の尾っぽ先端に攻撃判定がある。
  • パワーアップすると自機の見た目が変化し巨大化する。子供(子機)が出来たりビームを発射したりと変化は著しい。
    • パワーアップするとメインショットが変化する。基本的には横に真っ直ぐ飛ぶメインショットのほかに様々な角度のサブショットが追加される。
    • メインショットは溜め撃ちが可能。パワーアップパターンによって溜め撃ちの性能も変化する。
    • 見た目は前後上下に巨大化しているが、ダメージ喰らい判定は前後にしか大きくなっていない。
  • 自機は被弾すると形容しがたい奇妙な悲鳴をあげる。
  • 舞台は地球によく似た惑星。全7面のステージはダーウィンの進化論を辿っており、敵も一応見た事のある動物をモチーフとしているのは解るのだが、やたらグロい。
    • プランクトンから始まり、魚、鳥、爬虫類、哺乳類と進化し、6面はついに人類。7面では、宇宙に逃げようとする人類を滅ぼしつつイーター同士の決戦が始まる。
    • 敵はその惑星の生物だが、敵もややグロテスクで受け入れがたいデザインとなっている。

評価点

  • 他のゲームに無い、独特な要素と爽快感
    • 自機の当たり判定そのものは大きいものの、非常に硬い上に捕食して回復できる。更に口飛ばしや尻尾、タメ攻撃のメガクラッシュでも敵弾を消せるため自機の性能は非常に高く、独特な操作に慣れればまさに無敵の究極生物の気分を味わえる。
    • 捕食する敵により得られるDNAも様々なパワーアップをするため、どの敵を食べるとどうパワーアップするか楽しみに繋がる。逆に上級者にはどのDNAかが有効か考えて動くことができる。
      +  DNAの一例
  • 演出、ステージの世界観と非常にマッチしたBGM
    • 惑星に数体のイーターが降り立つシーンからゲームが始まり、ダーウィンの進化論を巡ったわかりやすい展開。ステージの進行とともにイーターの成長と惑星の滅びが背景から見て取れる。
      • 3面の背景では海はほどんど枯れ、5面では地上の植物がほとんど無くなってしまっている。大体イーターの仕業
    • 不気味な雰囲気が漂う1面BGM、逆に一気に海底の透明感を感じさせる爽やかな2面BGM、エスニック調な4面BGM、まさに怪獣映画という感じの重々しさを感じさせる6面BGMと、BGMと背景のシンクロ性は素晴らしい。
    • 7面ラストでどんなに攻撃しても壊れないロケットを一撃で破壊しつつ巨大な影が登場、そして「LAST DUEL!!」の表記と共にノリノリなラスボス戦BGMが流れ、戦闘開始する等、テンションを上げざるを得ない。
  • (当時の)最新基板「ジャレコメガシステムボード」による表現
    • 93年のアーケードゲームとしてはあまり類を見られない「モザイク表現」「残像」「1ラインスラスタスクロール」をフル活用。最新基板の力様々である。
  • 一部のファンには自機のイーターが「可愛い」と評判。
    • 一件グロいが、ピンクのカラーで両足をぴょこぴょこ動かす仕草は案外可愛いのかもしれない。グロいけど

問題点&賛否両論点

  • 未完成品故か、難易度曲線が不安定
    • 2面ボスがいきなりかなり強い。STG慣れした人間でも初見で死ぬ可能性がある。但し安置が存在。 *1
    • 逆に2面さえ超えてしまえば、3面4面のボスはあまり強くなかったりする。ただし4面道中は非常に視界が悪く、敵の猛ラッシュが度々続くため初見では厳しい。
    • 5面はステージがかなり狭くなり、ただでさえバカでかい自機が壁に激突しまくりダメージを受けて死んでしまう可能性も。モグラの配置も厄介な場所が多く、パターンを考えて動かないと非常に難しい。
    • そして6面は後述のバグで、7面はボス前で大量に回復できたり等。もちろんラスボスは非常に手強い。
    • 連付きとそうでないかで難易度が大きく変わる。幸い、高田馬場ミカドはもちろん出張ロケテ実施店舗の殆どがオート連射ボタンを搭載している様子。
  • 得点関連&無限噛み付きバグ
    • 噛み付いた回数と残りライフによってクリア時にボーナスが入るのだが……
      • 6面のレーザーを発射する戦車を破壊すると出てくるパイロットに密着して噛み付くと、何故か敵が居なくならない。そのため、いくらでも噛み付いてライフと噛み付き回数を増やすことができる。通称64番街バグ。 *2
    • また、ラスボスのとある部位を破壊すると3000万という膨大なスコアが入る。
    • 稼ぎ要素が豊富かつ大味なので、比較的簡単にカンスト(9999万9999点)を叩き出す事ができる。2013年冬頃にはミカドで後述のドラマにあやかり「KID」という名前でのカンスト者が大量に発生したとか。
    • ちなみにスコアによりエクステンドは無し。
  • グロい
    • まあこのゲームの一番の特徴でもあるのだが……
    • 沙羅曼蛇』『Xマルチプライ』など、有機的なグロさがあるSTGは珍しくないが、そもそも自機がグロいという作品は今作ぐらいであろう。
    • 前述のとおり、見慣れてる人間には可愛く見えるという……
    • 敵も結構グロい(というか生理的に受け付けないデザインが多い。)

総評

 『ダーウィン4078』を極端に改造したようなシステムを内蔵している。この「敵の要素を吸収して自機をパワーアップさせる」システムは更に改良発展させて『Gダライアス』や『アインハンダー』へ継承……は言い過ぎかもしれない。だが、『ダーウィン』と違い自機がやたらグロく、自機あたり判定を更に考慮しない猛烈な弾幕攻撃を敵が仕掛けてくる。比較的自機の耐久が高いので難し過ぎると言う訳ではないのだが、とにかく大味なゲームバランスが国内販売見送りに繋がったのだと思われていたが、関係者への取材によると制作一同が思いもよらぬ理由によって公開中止になったという *3
 逆に必要以上にグロテスクな自機・敵や、大味かつ大胆なプレイを要求するゲームバランスから、海外ウケは良さそうである。色使いも割合洋ゲーチック。だが、デモ画面はどう見てもSFドラマ「ウルトラマン」のオマージュ。
 2014年現在ではミカドでの稼働に加え全国の出張ロケテストで評価が変わりつつある。STG好きであれば、ロケテスト稼働しているゲームセンターに脚を運んで、今作独特の「怪物を動かす爽快感」を体験していただきたい。



余談

  • 過去にジャレコがリリースした『天聖龍』と似ている点がある。
    • 「クリーチャー型の自機」「体を張った弾消し」等。もっともあちらは聖なるドラゴン、こちらは惑星を食い散らかす怪物なのだが。
    • 更に言えば開発元も異なる。 *4
  • ラスボス戦BGMがデモ画面のBGMと同じ。
    • 本来はロケテ版で1面に使われている曲がデモ画面のBGMになり、1面と2面は共通(現在の2面のBGM)を使用する予定だったが、あまりにも曲調が爽やかすぎて1面に合わないということになり、デモで使う予定だったBGMを1面に使用したとのこと。
    • とはいえ、デモ画面をオープニング=メインテーマと捉えるなら、それなりに盛り上がる演出でもある。事実、後年の作品でも最終ステージや最終ボスのBGMにOP曲や1面の曲のフレーズが盛り込まれることも少なくない。
  • エミュレーター基板に収録されているものはロケテスト前後の検証ロム版。
    • ロケテスト版との違いは「ゲーム前のハウツーでイーターが動かず死ぬ&1面のBGMが流れている」「進化時にモザイクでの演出がカットされている」「ランキング画面で赤く光らない」等。
    • これらの不具合はほとんど前述の基板の性能の差である。
    • また、エミュレーター基板などでは残機数が2となっているが、正式ロケテスト版では大方残機数1で稼働している。当初こそは「DIPスイッチがわからなくて設定ができない」との話だったが、現在では「攻略法が確立され、連付きで回復もできるため意図的な調整」とのこと。
  • 最終対決の結果によって、マルチエンディングとなるが……
    +  ネタバレ注意
  • 1面のボス(ヤツメウナギのような敵)の画像が海外のポルノサイトに使われていたことがあるらしい。
  • 2013年冬からテレビ東京深夜で放送されていたドラマ『ノーコン・キッド』のEDの最後の方に一瞬だけ登場している。
    • 基板などの貸出に馬場ミカドが関わっているとのこと。
    • 9話にて、堂々本編に登場。公式サイトに解説も書かれている。
      • 読み方によっては、まるでキメビーの基板が2013年の高田馬場から1995年の所沢にタイムスリップしたかのような書き方である。
  • 『ゲーム天国』のSS版のスコアランキングの初期状態での1位の名前が「キメラビースト」。
    • その他ランキングの名前はジャレコの(お蔵入り含めた)ゲームタイトルになっている。
  • Twitterにて資料の一部がアップロードされ、敵の名前等が公開された。モグラの「ウェイブサ」等、アナグラムが多い。
    • 一方で4面5面に登場するキノコは「ヒワイキノコ」というど真ん中160km/h豪速球どストレートなネーミング。設定画等もなく「グラフィック担当がアドリブで仕上げた」とのこと。