ナイツ・イン・ザ・ナイトメア

【ないつ いん ざ ないとめあ】

ジャンル アクティブ&タクティカルRPG
対応機種 ニンテンドーDS
開発元
発売元
スティング
発売日 2008年9月25日
定価 通常版:6,090円/特別版:8,190円
判定 スルメゲー
ポイント スティングの変態専用システム、ここに極まれり
様々なジャンルを混ぜ過ぎた全く新しいゲーム性
Dept.Heaven.Episodes.シリーズ

概要

異色のゲームシステムで知られる『Dept.Heaven EpIsodes』の4作目。
しかしゲーム自体は3作目に当たり、その上ストーリーに直接の繋がりは無い。(ゲーム内でのナンバリングはスティング内で企画された順となっており、ストーリー順でも発表順でもない)

ユグドラ・ユニオン』との連動要素が存在し、DS版はダブルスロット、PSP版はメモリースティック内に当該作のデータが存在すると解禁される。


特徴・戦闘編

  • シミュレーションRPGと弾幕シューティングとアクションとパズルが合わさったような類を見ないシステム。
    • もっとも大本のSRPGとしても『自キャラは基本移動不可能』『攻撃するだけで体力が減る』『レベルを上げても強くなる訳ではない』『キャラの強化は他のキャラを犠牲にして行う』など異例のシステムが多い。
+ とても長いので収納
  • ターンに入る前にタクティクス画面で下準備を行う。出撃するユニットや持っていくアイテム、2ターン目以降は交戦する敵を決定する。敵については後述。
    • アイテムは1ターンに4つまでセットでき、武器アイテムとキーアイテムがある。武器には耐久度が存在し、使ったかどうかに関わらず1ターンで1減るため、無駄にしないように。
  • タッチペンで「ウィスプ」と呼ばれる白い人魂を操り、マップにいるユニットにタッチして攻撃させる。移動は一部の攻撃をすると自動で行われる。
  • 兵士には体力(ゲーム内では「Vit」と表記される)が存在し、攻撃すると減っていく。大技ほど減りが多く、0になるとキャラロストとなってその周回では使えなくなる。
  • 攻撃する際にはユニットにタッチし続けて「レンジゲージ」を溜め、離すと発動する。ゲージを溜めている間は持ち時間が減り、0になるとターン終了となる。
  • 画面端にあるアイテム欄から武器アイテムをドラッグし、その状態でユニットに触れるとレンジゲージが2回分溜められるようになり、1回以上溜めて離すとスキル攻撃が発動する。
    • 攻撃するとダメージの他に「ジェム」が飛び出し、回収することでMPが溜められる。攻撃によって出る量は異なる。
    • 攻撃は4種類あり、攻撃力は皆無に等しいがジェムが必ず多く出て、高低差に影響されない通常攻撃、武器アイテムを持たせてMPを消費して出すスキル攻撃、
      スキル攻撃の属性と兵士の属性が一致している時に出せ、そのターンではその武器が使えなくなるハイスキル攻撃、後述するヒロインのみが出せるEXスキル攻撃がある。
    • 強い攻撃ほどVitを消費し、なおかつレンジゲージも長くなる。
  • 武器には「エフェクティヴ」が設定されている物があり、00~99までの番号が割り振られている。
    • エフェクティヴの番号と1ターン間のヒット数下2桁が一致すると、様々な効果が発動する。ちなみに00はターン開始時には発動せず、100ヒットごとに発動する。
  • 視点はクォータービュー。手前が低く、奥は高くなっている。高い場所にいると、レンジゲージのチャージが早くなるメリットがある。
    • 高低差がある場所ではスキル攻撃が届かない事も多々あるため、移動できるユニットで移動してから攻撃することも重要。
  • 敵の攻撃は基本兵士ではなく、ウィスプに弾を発射する。敵弾に当たると持ち時間が減ってしまい、結果として攻撃のチャンスが減ってしまう。
    • LかRボタンを押すと「エスケープモード」になり、指示やアイテムの回収ができなくなる代わりにダメージを半減できる。
  • 敵を倒すと敵に対応した「エネミーマトリクス」というビンゴカード状のパネルが埋まり、列を揃える事でマップクリアになる。
    • 最初のターンに交戦する敵は決まっているが、2ターン目以降は「エネミースロット」を止めて敵を選択する。さっさと揃えてクリアを目指すか、粘って経験値とアイテムを集めるかはプレイヤーの自由。
  • 敵は1~3種類攻撃を持っており、一部の攻撃は発射前に数字の書かれた「ジャミングギア」が出現する。
    • 書かれた回数分ウィスプがギアの周りを回ると、その攻撃を阻止できる。
  • ボスキャラクターには属性が無く、弱点や抵抗力が存在しない。
    • また体力の他に「レイジレート」が存在し、攻撃を当てるたびに上がっていく。完全に溜まると特別な攻撃が発動し、レートは0に戻る。
  • マップにはいくつかのオブジェクトが存在し、攻撃する事で壊したりできる。
    • 直接体力が表示されるのではなく、耐久率がパーセント表記される。100%になるとフラジャイル状態となり、投石器などの兵器は攻撃してこなくなり、ほとんどのオブジェクトからアイテムが出てくる。
    • 宝箱のような中身がある物は、適度に攻撃してオープン状態にしないとアイテムが回収できない。一発で100%にした場合は何も出ずにフラジャイル状態になる。
  • スキルには1ヒット時の威力、総ヒット数、インジャリー率*1、許容高低差、ジェム放出率などが決められている。
  • ダメージはスキルの威力の他に、捕捉度によって決定される。
    • 攻撃範囲内にどれだけ敵が入っているかで威力が決定される。基本は完全に入っていて100%だが、有利な属性だと200%まで上昇する。逆に相性の悪い属性だと最大25%まで落ち込む。
    • 最大時に攻撃を当てると、武器の強化に必要な「メディウム」がジェムに混ざって出てくる。当てた武器と同じ種類のメディウムが出るため、偏らないようにしたい。
  • 一部の攻撃で状態異常が付けられる。属性ごとに6種類存在し、さらに係っている状態異常と属性が同じになる。
    • これを利用し、状態異常で属性を統一して多くの敵の弱点を一気に突くのが有効な戦術となっている。
  • 高く打ち上げるタイプの「エリアル攻撃」をヒットさせると敵が倒れこみ、その間は属性のアイコンが書かれた「メタモルギア」が表示される。
    • メタモルギアの周りをウィスプが回るとアイコンが変化し、敵の属性を自由に変えられる。
  • フィールドにはL(ロウ)とC(カオス)の属性が存在し、プレイヤーの任意で変えられる。属性によって自分の攻撃範囲や相手の攻撃の種類、敵を倒した際のドロップアイテムが変化する。
    • どちらか一方の属性でのみスキル攻撃をし続けると、フィールドにかかる霧が薄くなり攻撃した際にジェムが出にくくなる。
    • 逆の属性に変えて1回でもスキル攻撃を撃てば、また霧が立ち込めてジェムが出るようになる。
  • 兵種は7+2種類。種類によって攻撃方向も決まっている。
    + ユニットクラス一覧
    • デュエリスト
      • ソードを使い、画面後方への攻撃を行う。段差を超えられる数少ないユニット。女性のみのユニット。
      • L攻撃では目の前のマスから奥に4マス、横に1マスずつの直線的な攻撃。C攻撃では目の前を起点に十字に広がる攻撃。
      • C攻撃では攻撃の際に段差を超えて1マス前に進める。しかし段差を戻ることは出来ないため、リスクの代償として威力の高いスキルが多い。
    • ウォーリア
      • アクスで画面後方に攻撃する。初盤に多くユニットが加入するためか、チャージ時間に対して威力の低いスキルが多い。男性のみのユニット。
      • L攻撃は横一列5マス分を薙ぎ払う。C攻撃は放射状に3方向を3マス分衝撃波を放つ。
      • スキル攻撃をフラジャイル状態のオブジェクトに当てると完全に破壊され、自由に通れるようになる。
      • 破壊した際に武器の強化に使う「オーブ」が飛び出る。当てた物と同属性のオーブが出るため、これも均等に取りたい。
    • ハーミット
      • ダガーを使って画面前方に攻撃。高度による恩恵が強いが、平地でも十分活躍できる。女性のみのユニット。
      • L攻撃は目の前からV字に3マス広がり、状態異常を付加する。C攻撃は斜め前の両側縦列を3マス攻撃。
      • 状態異常を最も簡単に付加できるユニット。状態異常によって敵の属性を変化させられる為、弱点属性を撃ち続ければ火力は絶大。
    • アーチャー
      • ボウで画面前方へ射撃する。高低差の影響を最も強く受け、命中計算も攻撃範囲も他の職とは大きく異なる。男性のみのユニット。
      • L攻撃は1マスだけの攻撃範囲が2~5マス以内をループし、当たるとスタン状態になる。C状態は十字型の5マスがL攻撃と同じ範囲をループする。
      • スタン中は敵の動きが止まり、さらに捕捉率が最大化*2し、インジャリーの回復が止まる。
    • プリエステス
      • メイスで画面前方に攻撃できる。全ての攻撃がエリアル攻撃となっているが、やたらとインジャリー率の高いスキルが多い。女性のみのユニット。
      • L攻撃は前のマスを始点にT字で4マス分攻撃。C攻撃は1マスだけの攻撃範囲が1~5マスをループし、トラップとして魔法陣が設置できる。
      • L攻撃の許容高低差が異常に強く、攻撃範囲の広さと相まって敵の一掃に便利。C攻撃はほとんど壊滅的に弱い。
    • ウィザード
      • ロッドで画面前方に攻撃を行う。諸事情からプリエステスに劣る部分が多く、冷遇気味。男性のみのユニット。
      • L攻撃はプリエステスと同様の魔法陣の設置。C攻撃は3マス先を始点に、対角線5マスの四角形を範囲攻撃。
      • L攻撃は中々の火力だが、売りのC攻撃が高低差に弱いため、結果として通常攻撃でのジェム稼ぎに甘んじている部分が大きい。
    • ランスナイト
      • ランスで全方向に攻撃が行える。さらに移動が可能、人数最多と優遇されている戦場の花形。男女両方が登用されるユニット。
      • L攻撃は目の前4マスをまっすぐ突く。C攻撃は横3マスを縦2マスまで突進して攻撃。
      • C攻撃の移動は穴やオブジェクトをすり抜けて移動できるが、高低差に弱い。
    • ヴァルキュリア
      • 全ての武器が使え、全方向に攻撃できる。属性もなく、すべてのハイスキルを撃てる。Vitが極端に少ないが、マップ終了時に全快する。奇数周回のヒロイン専用クラス。
      • L攻撃は正面に3マス攻撃するが、右上、左下に攻撃すると右に、左上、右下の時は左に1列目は2マス、2列目は1マス広がる。C攻撃は目の前のマスにジャンプし、衝撃波が前と左右に2マス分飛ぶ。
      • C攻撃は移動可能で段差も戻れる。途中でクラスチェンジすると攻撃範囲が変化し、ハイスキル以上しか撃てなくなる。
    • アシュタローテ
      • ヴァルキュリアとほぼ同じ性能を持つ、偶数周回のヒロイン専用クラス。
      • L攻撃は広がる方向がヴァルキュリアの逆になり、C攻撃は一直線に6マスを攻撃する。
      • こちらもC攻撃は移動可能。ヴァルキュリアと違い、クラスチェンジはしない。
  • フィールドに最初からいるユニットは操作は出来るが、次のマップに移ると使えなくなってしまう。
    • タクティクス画面でアイテム欄にキーアイテムをセットし、対応するユニットに渡す事で正式に加入する。
      • また、フィールドには民間人などの非戦闘員も存在する。彼らにも対応するキーアイテムが存在し、渡すと武器アイテムを貰える。
      • ボスキャラクターにもキーアイテムがあり、渡すとレイジレートがリセットされ、以降のレイジレートの上昇ペースが75%に下がる。
  • どれかのユニットクラスがマップにもおらず、加入もしていない場合は名前のない兵士が武器を持参して臨時で加入する。能力は低め。
  • キャラクターにウィスプが触れている状態でポーズメニューを開くと、ポーズ中の動作ができない代わりにユニットから情報を聞ける。
    • 仕事に関する愚痴から友人との思い出話、独り言や意外な事実など様々。仲間だけではなく一般市民や敵勢力、ボスキャラクターからも聞き出せる。
    • 今まで聞いた情報は、今話しているユニットに関係する物のみ画面の上半分を流れており、タッチする事で読み返せる。

特徴・準備編

  • セットアップ画面ではユニットや武器を強化、統合、廃棄できる。
  • ユニットに経験値を振り分けてレベルアップさせると、Vitの回復、ランクの高い武器が持てる、Vit上限の変動などが起こる。
    • ユニットごとにレベルの限界が決まっており、さらにユニットによってはレベルを上げるとVitの上限が下がる事もある為、無暗に上げればいい物では無い。
  • ユニットの魂を他のユニットに捧げる「トランソウル」を行うと、パラメータや成長パターン、人種や個人的な関係に応じて捧げられた側に変化が起こる。
    • 血の繋がった関係や親友同士だと大幅に上がり、逆に貴族と奴隷や対立する派閥同士ではあまり上がらず、ともすれば下がる事さえある。この関係はストーリーではほとんど分からないが、ポーズトークでは意中の相手や密かなライバルなども詳しく分かる為、ポーズトークがただの会話要素ではなく攻略に密接に関係することになる。
  • ユニットを解雇すると、ユニットの兵種・レベル・属性に応じた武器が手に入る。
    • 交友関係も血縁関係もなく強くもないユニットは、無理にトランソウルさせるよりもこちらの方が良い時も。
  • 武器を強化する際はオーブとメディウムを消費する。強い武器ほど多く消費し、失敗率も高い。強化回数はクオリティと呼ばれる。
    • 強化されるとレンジゲージが伸び、武器ごとに決まったレベルまで達するとエフェクティヴが付加される。強化の上限は9回。
  • 武器は同じ武器なら2つを1つに統合できる。統合すると耐久度が回復するが、クオリティは低い方に合わせられる。
    • 基本デメリットはないが、武器が1つしか無くなるとハイスキルを1ターンに複数回撃ったり出来なくなるため計画的に。
  • 武器を破棄すると強さに応じてオーブとメディウムが手に入る。
    • キーアイテムも破棄できる。その場合、オーブやメディウムのどれか一種類が10個もらえる。

評価点

  • 戦略性とアクション性が両立されたゲームシステム
    • 4つのアイテムと常に変わり続ける戦況を把握し、エフェクティヴや高ダメージを叩き出す独特のゲーム性は流石スティングと言える。
    • クラス毎の特徴もはっきりしており、それを組み合わせて上手くマップ攻略していくパズル的な楽しさとシューティングの弾除け的なアクティブ要素とが上手く一つにまとまっている。
  • タッチペン操作にマッチしたシステム
    • タッチペンで敵の攻撃を回避するというシステムが直感的に操作しやすく、本作の独自要素として非常に良く出来ている。
  • 重厚感の強いBGM
    • 楽曲自体の完成度もさる事ながら、特筆すべきは戦闘曲だけでも39曲という多さ。1~2ステージでしか使われないような曲もザラにある。
  • 膨大なポーズトーク
    • 最高で一人24個。これらが100人以上の騎士やさらに大勢の民間人に設定されている。適度に隠された設定を見返して妄想するのは中々乙なものがある。
  • グラフィックもDSのドット絵としては出来が良い
    • マップ表現からボス・雑魚までグラフィック面は全体的に評価が高い。

賛否両論点

  • スキルとエフェクティヴの性能が一部ぶっ飛んでいる
    • 本作では「総ダメージが多いがインジャリー率が高い」「ダメージが低いがジェムが大量に出る」などの性能が細かく設定されているが、やはりバランスが危うくなるスキルがちらほらある。
    • 「バーンエクステンド」・「ホーリーレクター」などはインジャリー率こそ高いが、ザコなら数発当てれば体力が回復する暇もなく消し飛ぶ威力。インジャリー率の低いスキルは他にもあるが、この2つはなぜか飛びぬけてダメージが多い。
    • そしてさらに上を行くのが「インヴィンシブルロア」・「フォトンフォール」・「ペガトリーバッシュ」。威力は高くインジャリー率はさほど多くなくジェムはそこそこ出るというかなり強烈な性能を誇る。
    • エフェクティヴは前述の通り発動には手間が掛かるが、一部の物はバランスどころかゲームシステムすらひっくり返すほどの超性能。むしろ意図的にシステムの枷を外させようとしている。
    • スキルの威力2倍は序の口、レベルの制限を無視して武器が持てたり通常攻撃で相手を瀕死に出来たり被弾するまで残り時間が回復し続けたりと慣れたプレイヤーにはやりたい放題。
    • そして最も強力なのが「初撃ダメージ1でヒット毎に威力が倍増」。複数回ヒットする攻撃を当てている最中に他のキャラがスキルをチャージするとボスですら数秒で体力が溶ける。
      • もっともこれらの要素は複雑なゲームにおける救済措置として機能している面もあり、一概に悪い点ばかりではない。
  • 断片的描写中心のシナリオ
    • かつての王国騎士達がどんな形で滅んでいったのかを回想形式で振り返る形式でシナリオが進む為、マリアと共に先へ進む→過去を断片的に振り返る→敵を倒して先へ進む…という展開で進み、非常に淡々とした展開が続く。
      • それも含めて雰囲気づくりには役立っている一方、登場キャラが多い割には各キャラへの愛着がわきにくい。
  • 仲間の使い捨てが基本のシステム
    • ゲーム進行上、有用な仲間を出来るだけ使っていく為に「トランソウル」システムで有用なユニットの回復・補強するか、耐久力のなくなったユニットは解雇して武器にするか、いずれにしろ仲間をドンドン切り捨てていくのが必要になる。仲間を一切使い捨てないプレイはかなりの縛りプレイとなってしまう程。
      • それ前提にしっかりとシステムとバランスは取られており、面白さにもつながっているのだが、加入した仲間を使い捨てるという事自体やはり抵抗のある声も聞かれる。

問題点

  • とにかく複雑
    • 上記のように誰かに説明するのも一苦労である。発売を延期してまでチュートリアルが入ったり、TGSではコンパニオンが混乱したりと逸話にも事欠かない。
  • 画面の重要部分が偏っている
    • フェイズチェンジとアイテム欄が全て画面の右側に集まっているため、右側に攻撃されると回避してもこちらが不利になってしまう。特に画面の外周を攻撃するラミアや画面端に速度低下の糸を張るインセクトは地味に厄介。
  • セーブデータが1つしかない
    • 本作はクリア後に2周目限定のシナリオも解放されるのだが、その為には1周目のセーブデータに上書きしてプレイするしかなく、1周目のクリア直前のデータを残しておく事が出来ない。
    • 最初から遊び直す際にもやはりデータを上書きするしかなく、その点では非常に不便。

総評

奇妙なゲームシステムと上質のグラフィックとBGMという、Dept.Heaven Episodesシリーズの体現と言える作品。
他人に気安く勧められるゲームではないが、普遍的なSRPGに飽きが来たなら手に取ってほしいゲームと言える。


余談

  • 2chのスレのテンプレに書かれている、ナイツ・イン・ザ・ナイトメア購入へのフローチャート(半ば冗談)
+ ...

スティング好き? いいえ→スレ違い

↓はい

リヴィエラ好き? いいえ→ お前とはもう口聞かん

↓はい

ユグドラ好き? かろうじて…→ お前、ナイツは向いてない

↓はい

ナイツは、今までのスティング作品と思ったら痛い目逢うよ、別ゲーだよ? それでも、スティング好き? いいえ→巣に帰れ

↓はい

じゃ、シューティングで敵弾かわすの好き? いいえ→お前、オワタ

↓ま、まあまあ…

じゃ、パズルゲー好き? いいえ→9mプギャー

↓え? ま、まあ…ぷよぷよとか好きだし…

じゃ、将棋好き? いいえ→リズムってろよ

↓ええ! …うん、まあ…

あと、ユグドラ以上にキャラたくさん死ぬけどどうする? 俺の嫁が死ぬなんて…→ギャルゲーでもやってろ

↓うん ぼく耐える!

お前にナイツを買う権利をやる

  • 連動でゲスト出演するユグドラは原作では考えられなかったようなぶっ飛んだネタキャラになっている。
    • 特にマリアに対しては「決め台詞のないヒロインなんて飾りみたいなものだし…」等と毒づいたりしている。

ナイツ・イン・ザ・ナイトメア (PSP)

【ないつ いん ざ ないとめあ】

ジャンル アクティブ&タクティカルRPG
対応機種 プレイステーション・ポータブル
開発元 スティング
発売元 アトラス
発売日 2010年4月22日
定価 UMD版:6,279円/DL版:4,980円
判定 劣化ゲー
ポイント タッチ操作ありきのゲームをスティック操作ハードに移植した結果

主な変更点(PSP)

  • OPムービーの追加
  • グラフィックと音源の強化
  • 画面構成の改善
    • ボタンでフェイズチェンジ、アイテム欄は画面の四隅に一つずつとなった。
  • 会話の収集記録
    • ポーズトークの他に死亡時、トランソウルでの提供や受領時などの物も記録される。
  • ボスに新アクション追加
  • 操作方法の変更
    • タッチ操作ができない為、アナログパッドでウィスプを動かし、十字ボタンで動くスピードを調整する形式に変更。
  • 連動要素の変更
    • 連動要素はユグドラ・ユニオンの主人公が操作できる「ユグドラ編」になった。難易度はノーマルのみ。

評価点(PSP)

  • 横に広がった分、画面構成が変更され、各種情報はDS版よりも見やすくなっている。
    • DS版では重なったオブジェクトの詳細が確認出来なくなる等の問題があったが、そういった物もちゃんと見えるようになった。
  • グラフィックやBGMはハード性能に合わせて向上
    • この点は素直にハード変更に恩恵を受けている。
  • コレクション要素である会話集が追加された事により、やりこみ要素が増えた。
  • セーブデータが3つに増えた。

問題点(PSP)

  • 操作システムの変更
    • ハードの変更に伴い当然ながらタッチペンは使えなくなったのだが、その弊害を一番受けているのがウィスプ操作。DS版では急な加速・減速、方向転換等、直感的に操作出来たのがかなり難しくなっている。そこらの運転シミュレータよりトリッキーである。
      • アナログスティックである程度自由な操作は出来るが、「今はゆっくり細かく避ける」→「大きい攻撃が来たので急いで逃げる」といった敵の攻撃に応じた行動の変化に対応しづらい。
      • 速度変化の際にはDS版ではただタッチペンを急に動かすなり止めるなりで対応できたのが、アナログスティックで動かしつつ速度変化の入力という2段階操作に変わっているので瞬間的な操作が必要なゲームにおいては言葉で言う以上に操作時のややこしさはきつくなっている。加えて速度変化も初期化はあっても最大速度化がないので急に大きく動かしたい時にはどうしても高速化に手間取ってしまう。
  • UMD版のロード時間の長さ
    • UMD形式のゲームには付きまとう問題だが、本作もロード時間の長さは気になる。
      • 騎士やアイテムのリストがDS版ではタッチでスクロール出来たのに対し、PSP版ではスクロールできず、その上一回ごとにロードが入ってしまう為、嫌でもロード時間の長さが目に付く。
    • あくまでUMDへのアクセスの問題なので、DL版ではこの点解消されている。
  • 画面表記の変更
    • DS2画面で表現していた物を1画面に押し込んでいるのでイベントシーンのテンポが悪化している。

総評(PSP)

追加要素は十分だが、何よりも「なぜタッチペンと二画面ありきのゲームを移植したのか」という問題が付きまとい、評価はかなり低くなっている。
システム全般がタッチペンありきのDS用に作られたゲームデザインだった為、PSPへの移植で操作しづらさが目立ってしまった。
インターフェース関連もだが、特にソウルの移動はタッチペンでの直感的な操作に非常にマッチしたシステムだっただけに、PSPのボタン+レバー操作では根本のゲーム性から変わってしまっている。
その為、PSP版『ユグドラ・ユニオン』との連動に興味がないのであればDS版をやった方がよっぽど楽しめる出来となってしまった。


移植・その後の展開

  • 2022年4月7日に『ナイツ・イン・ザ・ナイトメア REMASTER』が発売された。対応機種はNintendo Switch、iOS、Android。
    • 2021年中の発売を予定していたが、発売が延期された。
    • 全インタフェースが刷新された。Switch・スマホ共にタッチパネル操作が可能な為、DS版のような操作が可能。また、PSP版のようなボタン入力システムにも対応している。
    • コンテニュー機能・リトライ機能・EASYモード(仲間や武器の使用回数が減少しない)やスペシャルチュートリアルの実装のような手厚い初心者救済から、ボスラッシュや倍速モード・地獄モードのような上級者向けのやりこみまで幅広いプレイヤー向けに対応している。
    • 過去シーンを時系列順で閲覧できる回想機能が追加された。
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  • 2008年
  • DS
  • スティング
  • Dept.Heaven.Episodes

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最終更新:2023年05月05日 19:46

*1 時間経過で回復する体力。いわゆるヴァイタルソース。

*2 少しでも攻撃範囲に入っていれば完全に入った扱いになる。