SIMPLE2000シリーズ Vol.118 THE 落武者 怒獲武サムライ登場

【しんぷるにせんしりーず ぼりゅーむひゃくじゅうはち ざ おちむしゃ どえむさむらいとうじょう】

ジャンル 落武者ばっさりんこアクション
対応機種 プレイステーション2
発売元 D3パブリッシャー
開発元 タムソフト
発売日 2007年5月31日
定価 2,000円(税別)
レーティング CERO:C(15才以上対象)
判定 なし
ポイント 「渓」が「淫」に見えた奴、ちょっと来い
SIMPLE2000シリーズ


概要

D3パブリッシャーによる廉価ゲーム『SIMPLE2000シリーズ』の1作。
主人公は歴史上の人物・明智光秀。彼が起こしたとされる「本能寺の変」は実は濡れ衣であり、真犯人を倒す為に蘇った光秀が戦う…というもの。

なお、パッケージに「黒幕は豊臣秀吉」と思いっ切り書かれているが、気にしてはいけない。

特徴

開発元は『お姉チャンバラ』シリーズと同じタムソフトであり、本作も同系統の無双系アクションである。

  • プレイヤーキャラは光秀と、その部下の女忍者「渓」の2人。ゲームは全8章からなる。章ごとにプレイ可能なキャラは決まっているが、1度クリアした章では2人を自由に切り替えながら再プレイできる様になる。
    • 光秀は、第3章から「怒獲武システム(ドエムシステム)」という能力が使用可能になる。×ボタンを押すと、数秒間「怒獲武受け」という状態になり、防御力がアップする。この状態の時に敵の武器攻撃を受けると、自分の肉体に敵の武器が刺さったままとなり、敵の武器を奪い取る事ができる。
      • 同時に「怒獲武ゲージ」が蓄積される。一定量以上溜めて△ボタンを押すと、一定時間攻撃力と防御力がアップする。
  • 刀・弓・手裏剣など、様々な系統の武器が登場する。光秀と渓は、使用できる武器が違っている。武器は敵を倒すと入手できるが、怒獲武受けで武器を奪った敵は、倒しても武器は落とさない。
    • 主人公2人には、武器の系統ごとに「熟練度」が設定されている。敵を攻撃する度に上がっていき、武器の壊れにくさ・攻撃力・クリティカル率に補正がかかる。
  • 倒した敵の数やクリアタイム等を元に経験値が割り出され、レベルがアップする。レベルアップ時に、HP・攻撃力・防御力・移動スピードの4つの数値に、ポイントを振り分ける事でパワーアップが行える。
    • 経験値が与えられるのは章クリア時だが、ゲームオーバー時にコンティニューを諦めた場合でも与えられる。
  • 一定の条件を満たした上で章をクリアすると「称号」が与えられ、それに応じて隠しコスチュームを入手できる。各種類に4つのカラーパーターンも用意されている。
  • 難易度はイージーとノーマルから選択する。ノーマルをクリアするとハードを、ハードをクリアすると更に上の難易度を選択できる様になる。
  • ストーリーモードである「戦国の巻」の他に、一定区間逃げ延びる「落延の巻」も用意されている。こちらでは光秀しか使用できず、経験値も彼にしか与えられない。

評価点

  • 称号・レベル・熟練度・コスチュームと、収集・育成要素はそれなりに揃っている。

問題点

  • 「落武者ばっさりんこアクション」「ドMシステム」と、バカゲー臭をプッシュしているかのように見えるが、ストーリーはシリアスで、ネタ武器なども存在せず、まったくバカゲーではない。光秀の隠しコスチュームの中にネコの着ぐるみを被った様なものがある程度。
    • そもそも光秀はダメージを受けても別に喜んだりしないので、マゾでも何でもない。
    • 『SIMPLE2000シリーズ』からのSIMPLEシリーズには意図的にバカゲー要素を持たせた作品が多く、それが受けた作品もまま見られるのは確かだが、このように名前関連だけネタっぽくしてゲームを茶化すのは明らかにやり過ぎである。
  • プレイヤーキャラの片割れである渓は、怒獲武システムや、それに替わる特殊能力は持っていない*1。忍者なだけに移動スピードは速いが、それも能力振り分けで光秀に追い付かれる。光秀と違ってジャンプが行えるが、使わなくてもどうにかなる程度のものである。
    • デザインは巨乳・全身網タイツ・ミニスカ・Tバックと、明らかに露骨なお色気要員である。ジャンプができるのもぶっちゃけ乳揺れの為だろう。カメラの視点変更や拡大は不可能なので、マジマジと見る事はできないが…。
    • パッケージにも「くノ一には特別なシステムは搭載していない」と堂々と書かれている。ある意味潔い?
  • 光秀の隠しコスチュームはどれも首から上のデザインが替わるだけ。ザンバラ・チョンマゲ・歌舞伎顔などで、しかもゲーム中のグラフィックではほとんど違いがわからない。
    • 渓の方は、お約束でお色気強調のコスチュームが揃っている…と思いきや光秀より種類数が少ない上、やはりマイナーチェンジがいくつかある。
  • 称号は、「冷静沈着」「唯一無二」など四字熟語が名前に付けられており、称号名だけは最初から一覧に表示されているが、取る条件はその名前から判断するしかない。
    • そして、何故か取った後にヒントらしき文が表示される。いや、逆だろ!
  • 「戦国の巻」のマップは1種類しかない。章ごとに行くことのできる範囲が決まっているだけで、同じ様な所を行ったり来たりするだけのお使いゲーである。
    • 敵のバリエーションも少なく、まったく同じボスと3回も戦わされる章まである。
      • またどのザコの声も同一の声優が担当しており、台詞のバリエーションもほとんどのザコで共通。従って一斉に「どこに行った?」「どこに行った?」や、「逃げてよ~!」「逃げてよ~!」と叫ぶ為、どうにもマヌケである。
    • ステージBGMも少ない。
    • なぜか最終面でゲームオーバーになってもクリアしたと扱われ、隠し要素が解禁される。その後改めてクリアしても何も起こらない。
  • 「落延の巻」はサバイバルモードなんじゃないかと思える程長い。「右が正解のT字路→左が正解のT字路→ボスの出る一本道」を何度も繰り返すだけ。イベントも会話も無い。
    • 道中は壊せる障害物とザコの配置が違う程度。ザコを全て無視してもクリアに1時間半ぐらいはかかる。渓に交代もできないのでとにかく飽きる。
      • ザコは一定の距離まで近づかないと攻撃してこないので、避けて進むのが容易であるのが救いか。
  • セーブデータが1つしかない。

総評

戦国時代ブーム・無双系ゲームブームの露骨な便乗作品。
上記の通りタイトルとは裏腹にバカ要素も少ないので、くノ一の尻に興味のない人は無理に買う事はない。

その後の展開

  • 『お姉チャンバラSPECIAL』に、本作に因んだ小ネタが登場している。
  • 本作のレーティングはCERO:C(15歳以上対象)だが、パッケージ横面の帯色がではなく何故かとなっている。*2理由は不明。
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最終更新:2023年01月14日 15:30

*1 ドMとは逆に「ドSシステム」と呼べるようなものは無い。

*2 青色の帯はCERO:C「15歳以上対象」。黒色の帯はCERO:A「全年齢対象」。