超劇場版ケロロ軍曹3 天空大冒険であります!

【ちょうげきじょうばんけろろぐんそうすりー てんくうだいぼうけんであります】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売元 バンダイナムコゲームス
発売日 2008年2月28日
価格 5,040円(税込)
判定 なし
ポイント ケロロ軍曹の横スクロールアクション
ケロロ小隊を使い分ける重要性
丁寧な作りであるがボリューム的には物足りない
ケロロ軍曹シリーズ


概要

  • 人気TVアニメ「ケロロ軍曹」を題材にしたゲームの1つ。ジャンルとしては横スクロールアクションゲームに該当する。
    • 近年ではあまり見かけなくなった純正の横スクロールアクションであり、ケロロゲーとしては初の試みとなる。
  • ゲームタイトルが示す通り、本作はアニメ映画「超劇場版ケロロ軍曹3 ケロロ対ケロロ天空大決戦であります!」のシナリオをなぞったストーリー展開となる。
  • 一部はアニメ版のキャストによるボイス入りであり、オープニングデモにはアニメ映画版の予告アニメが丸々とフルアニメーションにて収録されている。
  • 完全一人プレイ専用。操作系統はほぼボタン操作となる。
  • テクモ*1の『忍者龍剣伝』やナムコ*2の『風のクロノア』等を手掛けた吉沢秀雄氏がプロデューサーとして参加しており、本作のゲームシステムや下記するキャラクターのアクションにそれらの要素が組み込まれている。

主なルール

  • ゲーム開始前にセーブデータが3つあるので好きなものを選ぶ。
    • セーブデータにはステージ進行などのデータがオートセーブ形式で記録される。
      • 作成したセーブデータを他のデータにコピーしたり、消去する事ができるが、データを誤って消さない様取り扱いに要注意。
      • 作成したセーブデータを選ぶとMAP画面に移項する。

アクションパート

  • 本作は横スクロールアクションメインのゲームとなっている。
    • ステージセレクト制にて、任意で好きなステージを選らんでゲームを進めていく。
      • 本作には4つのワールドがあり、各ワールドには6つのステージに分けられている。すなわち、総計で4 × 6の前24ステージ構成となっている。
      • ゲーム開始時ではワールド1-1しか選べないが、それをクリアするとステージ2が選べる様になり、以後は順々にステージとワールドが選択できるという流れ。
      • そのステージを始めてプレイする場合は、開始前には必ずストーリーイベントが挟まれる。
        なお、イベントはSTARTボタンを押せばスキップ可能な他、再度同じステージをプレイする場合はイベントは発生しない様になっている。
      • ワールド1-6・ワールド2-6・ワールド3-6に関してはミニゲームでのステージとなっており、横スクロールアクションとは無縁となる。
    • ステージ中のゲーム画面は常に上画面のみで表示されている。
      • 上画面にはゲーム画面と併用して「ライフの数」「侵略した旗の数」が表示されている。
      • 下画面には「プレイしているステージの名称」「今使用しているキャラ」「残機数」「スターの数」「ガンプラの取得状況」「超必殺技ストックの有無」が表示されている。
    • その他のステージ情報。
      • 本作にはスコアの概念は一切ない。
      • ステージ内では制限時間は一切設定されておらず、自分にあったペースで攻略可能となっている。但し、強制スクロールなどで先を急がなければならない場面はある。
      • ほとんどの雑魚敵は倒しても時間経過で何度でも復活する。その為、あまりその場に留まっていると危険を伴いやすいが、敵を利用する仕掛けがあっても詰む心配はない。
      • 一部を除けば前にいった場所を後戻りでできる。この時、敵やブロックなどの配置は元に戻っているが、入手したアイテムは消滅したままである。
  • ステージ内の操作方法。
    • 一般的な横スクロールアクションと同じ感覚の操作となる。以下詳細。
      • 十字ボタン左右で操作キャラの左右移動。なお、本作にはしゃがみ動作はできない。
      • Aボタンで攻撃(以下「攻撃ボタン」と表記)
      • Bボタンでジャンプ動作(以下「ジャンプボタン」と表記)。
      • 超必殺技ストックがある状態で下画面をタッチすると超必殺技発動。
      • Rボタンを押しっぱなしにしながら十字ボタンで画面周囲を確認できる。
  • ステージクリア条件について。
    • 大方のステージには複数の「旗」が設置されており、これを旗と同じ数の「侵略ポイント」にすべて立てる事でそのステージの侵略完了(ステージクリア)となる。
      • 操作キャラが旗に触れるとストックができ、その状態で周囲にある侵略ポイントに近づいて十字ボタン上にて立てれば侵略の一部が完成される。
      • 旗は必ず1つしかストックできないので、複数の旗をストックしながらの攻略は絶対にできない。侵略を行うには必ず旗を1つづつ侵略ポイントに持っていく必要がある。
      • 旗を入手すると周囲の敵の数が増強され、より攻略が困難になるという危険を伴う。
      • ステージによっては旗を入手すると中ボスが出現する場合がある。この状態では中ボスを倒すか、中ボスの攻撃をかわしながらも逃走し、侵略ポイントのある箇所まで逃げ続けなければならない。
      • 上記のミニゲームワールド、及びワールド4-6(最終ステージ)には、旗や侵略ポイントは存在しない。
  • キャラクターチェンジについて。
    • 本作ではケロロ小隊5キャラをその都度使い分けるシステムを採用している。
      • 各キャラには必ず「そのキャラにしかできない特殊動作」という性能差があり、場合によってキャラを使い分けないと先に進めない様になっている。
      • キャラをチェンジするにはステージ内の所々に置かれている「キャラクターチェンジポット」に操作キャラを近づけ、十字ボタン上を押した後に使いたいキャラを選択すればチェンジ可能となる。
      • キャラのチェンジ制限は原則としてないが、ステージによっては特定のキャラしか選択できない制限がかけられる場合がある。
    • 操作できるケロロ小隊5キャラの性能を以下に示す。一部、上記したように他のゲームの操作方法をモチーフにパロディしている。
+ ケロロ小隊の紹介・性能
  • ケロロ軍曹 (以下・ケロロ)
    • 攻撃ボタンを押すと「リモコン攻撃」を放てる。この攻撃自体には攻撃力はない。
    • 一部の雑魚敵、もしくは緑ブロックに近づいてリモコン攻撃を行えば、それを掴む事ができる。
    • 敵掴み中に再度攻撃ボタンを押せば、掴んだものを前方に投げてそこにいる敵を巻き添えで倒せる。
    • 敵掴み中に十字ボタン上を押しながら攻撃ボタンを押せば、掴んだものを上方向に投げられる。
    • 敵掴み中のジャンプ中に再度ジャンプボタンを押すと「二段ジャンプ」が行える。また、二段ジャンプ中は掴んだものを自動的に下方向へと投げる効果がある。
    • 超必殺技は攻撃ボタンで一定時間巨大な衝撃波を放てる「アノコロケロロ」。
    • 操作形態のモチーフは風のクロノア。なお、クロノアとケロロの声優も同じ人のため、ボイスにもパロディがある。
  • タママ二等兵 (以下・タママ)
    • 攻撃ボタンを押すと「パンチ攻撃」を放てる。
    • ジャンプ中に十字ボタン下を押しながら攻撃ボタンを押すと、下方向へのパンチ攻撃を放てる。
    • 赤いブロックなどが設置されば状態でパンチ攻撃を行えば、それを前方に吹き飛ばす事ができる。
    • 超必殺技は攻撃ボタンで一定時間巨大なレーザーを放てる「真タママ覚醒」。
  • ギロロ伍長 (以下・ギロロ)
    • 攻撃ボタンを押すと「ビームライフル攻撃」を放てる。全キャラの中で唯一の直進型飛び道具となっている。
    • 十字ボタンを上に押しながら攻撃ボタンを押すと、「手榴弾攻撃」を放てる。放物線状に落下して触れた敵などに爆発ダメージをあたえられるが、ギロロが爆発に巻き込まれるとダメージをもらってしまう。
    • 超必殺技は画面内の敵に大ダメージをあたえる「デンドロギロロ」。
  • クルル曹長 (以下・クルル)
    • 攻撃ボタンを押すと「音波攻撃」を放てる。この攻撃自体には攻撃力はない。
    • 一部の雑魚敵に音波攻撃を行えば、それを一定時間停止させる事ができる。停止した敵は踏み台として上に乗れる他、ノーダメージで素通りができる。
    • ジャンプ中にジャンプボタンを押しっぱなしにすれば、低速落下飛行が可能となる。
    • 超必殺技は一定時間周囲の敵を停止させてしまう「惑星麻酔」。
    • 操作形態のモチーフはワギャンランド
  • ドロロ兵長 (以下・ドロロ)
    • 攻撃ボタンを押すと「刀攻撃」を放てる。敵が放つ一部の弾を攻撃で跳ね返す性能を持っている。
    • ジャンプで特定の壁に接触するとそれにしがみつける。壁が2箇所に密着している場合は、しがみつきとジャンプを繰り返して上に登る事もできる。
    • 他の4キャラと比べて移動スピードが早く、ジャンプ力が高い特徴がある。
    • 超必殺技は撃ボタンで一定時間巨大な手裏剣を降らせる「流星十字手裏剣」。
    • 操作形態のモチーフは忍者龍剣伝
  • 仕掛けについて。
    • ステージを進める上で様々な仕掛けが置かれており、これを利用しなければ絶対にステージをクリアする事はできない。
      • ケロロ小隊5キャラの使い分けを駆使して、各キャラの特色にあった行動を起こせばおのずと先に進める様になる。
    • 主な仕掛け(ブロックなど)の詳細を示す。
      • 「青ブロック」…全キャラの攻撃で破壊可能。上に乗る事もできる(下記のブロックも同様)。破壊するとアイテムが入っている場合がある。
      • 「赤ブロック」…絶対に破壊できない。タママのパンチ攻撃で前方に吹き飛ばせる。
      • 「緑ブロック」…絶対に破壊できない。ケロロのリモコン攻撃で掴める他、タママのパンチ攻撃で前方に吹き飛ばせる。
      • 「スイッチ」…これに何かしらの攻撃や爆発を当てると何かしらの道が開ける。
      • 「ジャンプ台」…これに乗ってタイミング良くジャンプボタンを押せば高くジャンプできる。タママのパンチ攻撃で前方に吹き飛ばせる。
      • 「ファン」…これに乗ると強制的に上方向に飛ばされ、左右移動と攻撃以外の操作が一切きかなくなる。タママのパンチ攻撃で前方に吹き飛ばせる。
      • 「ギア」…これにクルルの音波攻撃を当てた状態で乗ると、前方ダッシュを行いつつも敵を体当たりで倒せる。
      • 「押しスイッチ」…これに乗ると何かしらの道が開ける。また、ブロックをこの上に乗せないと反応しないものもある。
      • 「壁」…これにドロロをジャンプさせて接する事でしがみつける。しがみつき中はジャンプと攻撃以外の操作できない。ブロックが壁の代役となる場面もある。
      • 「ワープゲート」…これに接触して十字ボタン上を押すと、どこかの別フィールドにワープできる。
      • 「雑魚敵」…「攻撃すると爆発」「ドロロの攻撃で弾き返せる弾」などを利用して、スイッチの仕掛けを作動させるテクニックを要する時もある。
      • 「アドバイス」…モアのアイコンが表示された場所にて十字ボタン上を押すと、モアから「ゲーム内に関する攻略のヒントに関するアドバイス」を聞く事ができる。
  • アイテムについて。
    • 大方のステージ内には以下のアイテムが置かれており、それを取得する事で様々な効果が得られる。
    • 「スター(小・大)」
      • これを100つ集めると1UPの効果。小は1つ、大は3つのスターが得られる。
    • 「食べ物」
      • 「いきなり団子(ケロロ)」「ケーキ(タママ)」「焼き芋(ギロロ)」「カレー(クルル)」「お茶(ドロロ)」の5種類の食べ物がある。
      • 各キャラには好みの食べ物があり、上記の食べ物がカッコ内のキャラの好物である事を示している。
      • 使用しているキャラが好物の食べ物を取得すればライフ全快の効果。好物ではない食べ物の場合はライフ1回復だけに留まる。
    • 「超必殺技アイテム」
      • これを取得するとストックされ、下画面をタッチする事でストック消費と引き換えに使用しているキャラ専属の超必殺技が出せる。
      • ストックできるアイテムは1つのみであり、ストック中にアイテムに触れても素通りしてしまう。
    • 「ガンプラ」
      • 各ワールドのステージ6を除く全ステージに必ず5つ配置されている。
      • これを取得した状態でクリアすれば、コレクション(下記)のガンプラに登録される。
      • 一度取得したガンプラは二度と入手できないが、ガンプラがあった場所には空箱が置かれており、すでにガンプラ入手済みである目安となる。
  • ミス、ゲームオーバー条件について。
    • 本作はライフ & 残機製を採用している。
      • ライフの最大数は「5」であり、ダメージをもらうと必ず「1」のダメージ消費となる。ライフがすべて消費してしまうとミス。
      • 落とし穴に落ちてしまうと、ライフの残量に関係なくミスとなってしまう。
      • キャラを変えてもライフの数値はそのまま引き継がれるので、キャラ変えでライフ初期化という行為はできなくなっている。
      • ステージクリアかミス後の復活では、ライフが全部回復した状態となっている。
    • ミス後は特定地点からの戻り復活となる。
      • 復活時では一部の取得していた旗やガンプラが初期化されている事があり、取り直しのハメになる。
    • 残機がすべてなくなるとゲームオーバー。
      • ゲームオーバー後はそれまでのデータは引き継がれた状態でのコンティニューが可能。コンティニュー回数は無限である。
    • ステージ中にゲームを止めてステージセレクト画面に戻れる。
      • この場合は、ステージ内で入手していた旗やガンプラがすべて初期化されてしまう。よって、よほどの事がない限りは戻るのは得策ではない。

ミニゲーム

  • ミニゲームについて。
    • ワールド1~3のステージ6はミニゲームとなっている。
      • 始めのプレイでの該当ミニゲームはキャラや難易度が一切選べずに即ゲームが始まる。
      • 該当ミニゲームを一度クリアした後に再挑戦すると、ゲーム開始前に使用する自機をケロロ小隊5キャラから選択できる。但し、どのキャラを選んでもゲーム内容に変化はない。
      • 同じく該当ミニゲームを一度クリアした後は、「かんたん」「ふつう」「むずかしい」のいずれかの難易度が選べる様になる。
      • ミニゲームはすべて80年代のナムコ製アーケードゲームが元となっており、プレイルールも大方同じである。
    • 以下、ミニゲームの内容を示す。
  • 「ゲロクシアン」(ワールド1-6)
    • 元ネタは『ギャラクシアン』。
    • 十字ボタン左右で自機の左右移動。ボタンでショットを放てる。
    • 敵の編成を全滅させると、元ネタにはいない巨大ボスが出現し、それを倒すとステージクリア。
  • 「ボケロニアン」(ワールド2-6)
    • 元ネタは『ボスコニアン』。
    • 十字ボタンで自機の八方向移動。ボタンでショットを放てる。
    • 亜空間発生装置をすべて破壊するとステージクリア。
  • 「ハジケロン」(ワールド3-6)
    • 元ネタは『モトス』。
    • 十字ボタンで自機の八方向移動。ボタンでダッシュを行う。
    • 体当たりを行って敵の親玉2体をフィールドの端から落とせばステージクリア。

コレクション

  • コレクションについて。
    • ステージセレクト画面でXボタンを押せば、コレクション画面に移項できる。主な項目は以下の3つ。
      • 「ガンプラ」…ステージ内で入手したガンプラをケロロのマニアックなコメント付きで鑑賞できる。全部で100種類のガンプラが用意されている。
      • 「カード」…特定条件を満たしてステージをクリアすると、主要キャラのイラストカードが入手、及び鑑賞できる。全部で24種類のカードが用意されている。
      • 「ストーリーデモ」…ステージ前に発生したストーリーイベントを再鑑賞できる。全部で25のイベントが用意されている。

隠しキャラ

  • 上記で述べたケロロ小隊以外にも、実は特殊条件を満たす事で使用できる隠しキャラがいる。
    • 出現方法はかつて配布されていたアニメ映画版のパンフレットに掲載されていた。
+ 隠しキャラ(ネタバレ)
  • ダークケロロ
    • 劇場版パンフレット特典の隠しキャラ。隠しコマンドにより使用可能。
    • 基本操作はケロロと同じだが、ジャンプ力が高い反面、滑りやすい。
      おそらくこの特徴のモチーフは『スーパーマリオブラザーズ2』のルイージ。
    • 好きな食べ物が無いためアイテムによるHP回復が乏しい。

評価点

  • 極めて丁寧に作られたゲーム内容。
    • 何といってもゲームバランスが絶妙な点が素晴らしい。
      • 難易度は全体的に易しめだが、極端にぬるかったり、きつかったりするアンバランスさが皆無であり、初心者でも頑張れば全ステージクリアが可能な調整がなされている。
      • 操作性は簡単かつ超軽快であり、説明書を読まずとも即効で入り込める手触りの良さも利点である。タッチペンの押し付けが一切なく、必ずボタン主体で操作させてくれる。
    • 「5キャラ全員を使いこなす攻略」を前提としたゲーム性。
      • こういうゲームにおいては「一部キャラだけがチート性能でそれだけで事足りてしまう」という事態が少なくない傾向にあるが、本作では一切そういう心配は不要である。
      • 明確に「このキャラでないと先に進めない」という差別化がなされているので、1キャラでも蚊帳の外になる状況になる心配は無用となっている。
      • 5キャラ全員がほぼ同格の使用率で操作させるステージ構造となっているので、空気になるキャラがおらず「5キャラが力を合わせて戦う」感が堪能できる。
    • 適度に頭を使わせるパズル性の強いステージ構造。
      • 本作はどちらかといえば「仕掛けを作動させて先に進む」パズル色強めのアクションゲームであるが、良く考えれば必ず道が開ける様に作られている。
      • 仕掛けは「いかにもそれっぽい」位置に配置され、Rボタンで画面をスクロールさせて周りを確認できる快適さなので、理不尽に悩まされる心配はあり得ない。
      • また、仕掛けを作動しないと先に進めない関係上、力量任せのゴリ押し進行はし辛く、必ず仕掛けに付き合わなければならない点もゲームバランスを保てている。
  • アニメ映画版のストーリーが追体験できる。
    • アニメ映画を見たプレイヤーにも、新規のプレイヤーにも、この追体験は嬉しいのではないだろうか。
      • ゲームの尺の関係上、多々の簡略化はされているものの、アニメ映画版に近いストーリー再現はされており「ストーリーを楽しみながらアクションゲームも楽しめる」という贅沢さを持っている。
  • そこそこ豊富なやり込み要素の存在。
    • ガンプラとカードをコンプリートするにはそれなりの腕前が必要であり、「やり込んででもコンプしてやる」という気にさせてくれる。
      • ガンプラの種類の多さも然る事ながら、ケロロの解説がガンプラに対する深き愛を感じるものとなっていて興味深い。
      • カードの入手条件は一部難しいものもあるが、死ぬ程理不尽な事はなく「上達すれば必ず達成できる」レベルで収まっている。
  • グラフィックの書き込みが優秀。
    • ステージ中におけるほとんどのグラフィックはドット書きになっている。
      • まるで古き良き90年代のアクションゲームを彷彿とさせる懐かしさを覚えるが、その書き込みは非常に繊細でケロロ小隊の動きが非常に細かい。
      • 視覚的にもわかりやすさを強調とした色使いとなっており、そういう意味でも優秀な書き込みっぷりである。
  • キャラゲーらしい演出も多い。
    • 他のケロロゲーにもいえる事だが、一部の演出にボイスが付いているのは嬉しい。
      • ステージ内では喋る量が結構多く、細かく動くキャラ達の仕草も相まって愛着が沸いてくる。
    • おなじみのメンバーが勢揃いしてゲームを盛り上げてくれる。
      • 映画版基準なので、ゲームにおいてはここでしか見られないであろうキャラの活躍(暗躍?)が拝める。

問題点

  • 否めないボリューム不足感。
    • 総計で24ステージ、うちアクションゲームがプレイできるのは21ステージしかない。
      • さらには最終ステージはボス戦オンリーなので、まとまったボリュームを持つステージは20ステージのみという事になる。
      • 「20ステージもあれば十分じゃね?」と思われる方も少なくないと思われるが、どのステージもさほどボリューム感がある訳でもないのでその気になれば1日で全ステージを制覇できてしまう
      • マリオシリーズなどの近年の有名アクションゲームと比べても、そのボリュームはとても充実したものとはいい難いところ。
      • ゲームの難易度を選択できる要素は搭載されていないので、ガンプラやカードをコンプし、全ステージクリアをしてしまうと新しい目的が見当たらなくなる。
  • 使い回しが多い敵種類。
    • 元々敵を倒しまくる趣旨の作風ではない本作だが、それにしても敵の種類が少なすぎる。
      • 後半のステージに進んでも前にいた雑魚敵が頻繁に使いまわされ、似た様な顔ぶればかりに遭遇しがちである。
      • 中ボスに至っては、行動パターンが全く同じな敵が3種類しかおらず、それが何度も使い回される有様。ラスボス以外で明確なボスがいないこのゲームにおいては相当深刻である。
  • 行動の自由度が低い。
    • 評価点で「キャラを使い分けないと先に進めない計画性」の点を述べたが、逆にいえば「特定キャラを使用しないと先に進めない」自由度の低さを表している。
      • 「このキャラが好きだからこれメインで行こう」というプレイヤーもいるだろうが、そういう楽しみ方を求めると制限の多さに閉口するかもしれない。
      • これも評価点の裏返しになってしまうが、仕掛けを作動しないと先に進めないが故に「ショートカットなどの変則的な楽しみ方」ができないのも自由度の低さに拍車をかけている。
  • その他色々。
    • 超必殺技の使い道があまりなく、あってもなくてもいい様な存在となっている。1回しかストックできない上に、どのキャラの超必殺技も効力が短すぎるのが要因である。
    • 横スクロールアクションメインとはいえ、ミニゲームが3種類しか用意されておらず、どれも1ステージ(× 3難易度)しか用意されていないのも物足りないところか。
    • 100種類も用意されているガンプラに対し、カードは24種類とガンプラの4分の1程度しか用意されていない。まぁ、両者共に用意されているだけでも太っ腹ではあるが…。
    • イベント会話中に中途半端にボイス演出が入るのは本作でも健在である。但し、以前作と比べると会話の流れがスピーディな為、比較的気になりにくくはなっている。
    • アニメ映画版のストーリー設定となっているので、以前作に比べると若干シリアス成分が強くなっている。よって、「おバカなケロロが見たい」という人には物足りなさがあるかもしれない。
    • 隠しキャラが使いにくく、その存在が微妙となっているとの意見も聞かれる。とはいえ、あまりに強くしすぎるとゲームバランスがやばい方面に向かってしまう事情もあるが…。

総評

ケロロゲーとしては異色な横スクロールアクションだが、キャラゲーとは思えぬ程に丁寧に作られている。もちろん、ボリューム不足などの問題点もあるが…。


その後の展開

+ タグ編集
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  • ケロロ軍曹

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最終更新:2023年07月21日 10:54

*1 現在はコーエーテクモゲームス

*2 現在はバンダイナムコエンターテインメント