ジュエルペット ~かわいい魔法のファンタジー~

【じゅえるぺっと かわいいまほうのふぁんたじー】

ジャンル 魔法リズムアクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 エム・ティー・オー
開発元 ランカース
発売日 2009年4月30日
価格 5,040円(税込)
判定 なし
ポイント ジュエルペットの初ゲーム化
丁寧な作りだがボリューム不足
アニメ版の設定ではない
サンリオキャラクターゲームリンク


概要

  • 2008年にサンリオとセガトイズとの共同開発として登場したキャラクター「ジュエルペット」を題材としたニンテンドーDSソフト。ジャンルとしては音楽ゲームメインである。
    • 後に様々なゲーム化がされる事になるジュエルペットシリーズの初作品となる。
  • メインは一人プレイだが、DSのワイヤレス通信機能による最大四人までの協力プレイも可能。
  • ゲーム中はすべてDS縦持ち、かつタッチペンオンリーの操作となる。

主なルール

セーブデータ作成

  • ゲーム開始前にセーブデータを作成する。
    • 4つあるセーブデータから好きなものを選び、「プレイヤーの誕生日」「好きなジュエルペットキャラの選択」の設定を行えばゲームスタート。
      • ジュエルペットキャラに関しては8キャラのいずれかを始めから選択できる。選択キャラはゲーム中いつでも変更する事が可能。
        選んだジュエルペットキャラはゲーム内の主人公としてイベントに出演したり、ステージ中の演奏時にダンスする役割となる。
      • ジュエルペットキャラの選択後は「DS本体を一旦閉じ、お祈りしてから開く」要求がされる。
        「要はDS本体を閉じて開けばいいんじゃね?」と思われるかもしれないが、ゲーム内ではちゃんと「お祈りしてから」と要求されるのでお祈りしなければならないのだろう、きっと。(閉じずにタッチのみで進めることも可能だったりするが)
      • 作成セーブデータを消去する事ができるが、当然ながら二度と元に戻らないので取り扱いに要注意。
      • セーブデータを選ぶと魔法の世界へのMAP画面に移項する。
    • なお、タイトル画面にて右利きか左利きかの設定ができる。初期設定は右利きで、左利きにした場合はDS本体の画面が180度回転した状態での表示となる。

魔法の世界

  • 魔法の世界について。
    • 魔法の世界には全部で12の建物があり、好きな場所を選べばステージなどが始まる流れとなる。
      • ゲーム開始時では「レッスンステージ」しか選べないが、ゲームを進めていくにつれ選べる建物が増えていく。
      • 以下建物の一覧を示す。
種別 建物
レッスン レッスンステージ
チャレンジステージ
メインステージ まほうきょうしつ
まほうキッチン
ほしのおか
ゆきふるまち
よつばこうえん
アイドルアリーナ
みんなのもり
オバケのやかた
その他 まほうこうぼう
ジュエルタワー
  • 各建物の解説。
    • 「レッスン」
      • 本作の要となる音楽ゲームに関するチュートリアルがプレイできる建物。
      • 練習用のモードなのでメインステージに比べると曲の演奏時間が短く、比較的難易度が抑えられている。
      • 「レッスンステージ」は1ステージ、「チャレンジステージ」は2ステージ分の難易度が用意されている。
    • 「メインステージ」
      • 本作のメインステージがプレイできる建物に該当する。これをクリアしていくのが本作最大の目的となる。
      • 各建物には5ステージ分の難易度が用意されている。どの建物も最初は1ステージしかプレイできないが、ステージをクリアする事で他のステージも選択可能となる。
      • すべてのメインステージの建物を3ステージクリアすればエンディングとなり、残り2ステージはエンディング後のおまけプレイとなる。
    • 「その他」
      • おまけ的な要素を持つ建物。
      • 「まほうこうぼう」は「レッスン」と「メインステージ」で演奏する楽器を製作できる。
      • 「ジュエルタワー」は一日一回限定でレア楽器が貰える。
      • 各自詳細は下記にて。

ステージのルール

  • いわゆる音楽ゲームである。
    • 「レッスン」「メインステージ」のいずれかを選ぶとステージセレクトの後に、楽器セットとイベントを挟んで音楽ゲームが始まる。
      • 楽器セットに関しては下記にて。
      • イベントはステージ開始前と終了後にて必ず挟まれる。なお、イベントはいつでもスキップ可能であり、無理に見る必要はない。
  • 音楽ゲームに関するルール。
    • 演奏中は下画面にてリズムに合わせてあちこちに花びらが開花する。開花の頃合を見計らってタイミング良くそれをタッチしていく。
      • 例えるならば、音楽ゲーム要素を取り入れたもぐら叩きゲームの様な内容といえばわかりやすいと思われる。
      • タッチのタイミングによって良い順から「パーフェクト」「ナイス」「バッド」「ミス」の判定が表示される。
        ナイス以上の判定を出し続けるとコンボカウンターが蓄積され、逆にバッド以下の判定を出してしまうとコンボは途切れてしまう。
    • 花びらには3種類のものがあり、それぞれ操作の仕方に相違がある。以下詳細。
      • 「ノーマル」…最も多く出現する花びら。普通にタッチすればOK。
      • 「こする」…花びらが出現次第、そこをひたすらにスライドしてこする必要がある。
      • 「はじく」…花びらが出現次第、そこを一定時間ホールドして、頃合を見計らった状態で放す必要がある。
    • 上画面には「テンションレベル」という表示がされている。
      • ナイス以上の判定を出す程にテンションレベルが上がり、バッド以下の判定だとレベルが下がってしまう。
      • テンションレベルは良い順から「フィーバー」「もうちょっと」「ファイト」「ダメダメ」が表示される。
        テンションレベルがフィーバー時にパーフェクト判定を出すと、パーフェクトの替わりに「フィーバー」という判定表示*1がされる(判定そのものはパーフェクトと同じ扱い)。
      • 曲の演奏が終わった時点でテンションレベルがフィーバーの状態だとそのステージはクリアとなり、それ以外ではゲームオーバーとなってしまう。
  • 演奏終了後は成績結果の発表がされる。
    • ステージ内で出した判定と最大コンボの総数が表示された後に、プレイ結果によって特定数の「ジュエル」が手に入る。
      • ジュエルは建物の「まほうこうぼう」にて使用する素材となる。これに関しては下記にて。
      • プレイした建物やステージによって貰えるジュエルの種類と個数に相違がある。ジュエルは良い判定を多く出す程にたくさん貰える法則がある。
      • クリアしていないステージをクリアすれば「1~2枚のレシピ」と「1キャラの図鑑キャラクター」が貰えるボーナスもある。これに関しても下記にて。
    • ステージをクリアすれば、魔法の世界MAPにてプレイした建物のステージセレクト画面にクリアマークが付く。
      • クリアマークの他にも「そのステージで稼いだ最大スコア表示」も表示される。スコアは良い判定を多く出せば多く稼げる。
      • 建物内すべてのステージをクリアすると、建物そのものに王冠マークが付く。これが付いているのはすなわち、「その建物は完全にクリア制覇をした」事を意味する。

まほうこうぼう

  • 特定の環境があれば、建物の「まほうこうぼう」で楽器を作る事ができる。
    • 楽器を作る手順は以下の通り。
      • まずは「魔法陣」を「月形」「丸形」「ハート型」のいずれかから選択する。月型には3箇所、ハート型には4箇所、丸型には5箇所のジュエルのはめ込み口がある。
      • 次に、ステージで入手したジュエルを前記の魔法陣の全てのはめ込み口に入れる。ジュエルには7種類のものがあるが、同じ種類のジュエルを別の箇所にはめ込む事も可能。
        ジュエルに各種類につき99個までのストックが可能となっており、魔法陣のはめ込み口に入れる度にそのジュエルのストックが1個消費される。
      • 前記のレシピには「楽器を完成させるために必要なジュエルのはめ込みのし方」が表示されているので、それを持っている場合は参考にすると確実に楽器が作成できる。
        なお、シュエルのはめ込み方はもちろんの事、ジュエルのはめ込む順番も楽器作成に影響を及ぼすので注意(レシピにははめ込み方だけではなく、はめ込み順も表記されている)。
      • ジュエルを魔法陣に全部はめ込んだ後に、「お祈りをしながら画面を指で押してそのままホールド」という指示がされ、それが終われば楽器作成が完了する。
        ちなみにDSのタッチパネルで指押しをするのは相当きついと思われるが、別にタッチペンでホールドしても全く問題はない。
      • ちゃんとジュエルを正確にはめ込んでいる状態で楽器作成をすれば「正規の楽器」が入手できる。
        逆にはめ込み方や順番が間違えている状態で楽器作成をしてしまうと「失敗楽器」というヘンな音の出る楽器が出来上がってしまう。
    • 正規の楽器と失敗楽器はステージセレクト後の楽器セットで選択可能になる他、「図鑑」(下記)に登録される。

ジュエルタワー

  • 建物の「ジュエルタワー」で特殊な楽器が貰える。
    • ジュエルタワーにはお姫様がおり、一日一回限定で「まほうこうぼう」では絶対に作成できない「レア楽器」を貰える。
      • 楽器をもらう前に「DS本体を一旦閉じ、お祈りしてから開く」要求がされるので実行していく。
    • レア楽器はステージセレクト後の楽器セットで選択可能になる他、「図鑑」(下記)に登録される。

楽器セット

  • ステージ内で演奏する楽器をセットする。
    • レッスン、もしくはメインステージの各ステージをプレイする前に楽器をセットしていく。
      • セットした楽器によってステージ中にて花びらをタッチ時の音色が変化する。変化するのは音色だけで、難易度や花びらの配置が変化する訳ではない。
    • 楽器には「メロディー」「ハーモニー」「リズム」「わくわく」の4つの分類に分けられた楽器があり、それぞれを個別にセットしなければならない。
      • 多くのステージでは4つの楽器の分類をセットしなければならないが、ステージによってはセットする楽器の分類は2~3つだけの場合もある(ステージ中で使用する楽器が少ないため)。
      • わざわざ楽器をセットするのもめんどくさいと思った時は、画面端にある「おすすめ」アイコンをタッチすれば一発で楽器セットが可能(但し、セットされる楽器は完全固定)。
  • 楽器の分類4つは以下の内容となっている。
    • 「メロディー」…メロディラインを強調した楽器。「ハンドベル」「ピアノ」などがある。
    • 「ハーモニー」…メロディラインの補佐を強調した楽器。「クラシックギター」「パイプオルガン」などがある。
    • 「リズム」…打楽器の楽器。「タンバリン」「スネアドラム」などがある。
    • 「わくわく」…動物の鳴き声やユニークな音色を奏でる楽器。「カエルの鳴き声」「ラジオのノイズ音」などがある。
  • また、失敗楽器とレア楽器に関しての詳細は以下の通り。
    • 失敗楽器はその名の通り、未完成で音程が崩れた音色を奏でる楽器だが、腐っても楽器なのでステージ内で演奏する事は可能である。
    • レア楽器は純粋なる楽器であり、正規の楽器と同様の美しい音色を奏でてくれる。単に存在がレアなだけで、何かの特殊な効力がある訳ではない。
    • 失敗楽器とレア楽器共に、楽器によって上記の4つの分類に分けられており、正規の楽器と同様にセットしてステージ中に奏でる事ができる。

図鑑

  • 魔法の世界MAPの下に表示されているアイコンをクリックする事で、今までに入手した「楽器」と「キャラクター」が鑑賞できる。
    • 楽器には主に「正規の楽器」「失敗楽器」「レア楽器」があり、失敗楽器とレア楽器に関しては「特別楽器」として扱われる。
    • 正規の楽器に関して。
      • 正規の楽器は「メロディーが25楽器」「ハーモニーが15楽器」「リズムが20楽器」「わくわくが17楽器」の計77楽器が存在する。
      • 建物の「まほうこうぼう」で楽器を作成すれば入手できる。
    • 特別楽器に関して。
      • 特別楽器は失敗楽器やレア楽器を問わずに最大で15の楽器が保存できる。
      • すべての特別楽器の総数は相当な数に及ぶが、必ず保存できるのはその内の15楽器しかできず、それ以上入手すると何かの特別楽器を削除しなければならない。
      • 「まほうこうぼうで楽器作成を失敗してしまう(失敗楽器)」「ジュエルタワーで入手する(レア楽器)」「通信プレイで入手する(レア楽器・下記)」といった入手方法がある。
    • キャラクターに関して。
      • 総計33キャラのジュエルペットキャラの情報が収録されている。
      • セーブデータで選択できるジュエルペットキャラとはまた別の存在であり、完全なる鑑賞可能キャラとなっている。
      • クリアしていないステージをクリアする度に入手できる。

通信プレイ

  • 魔法の世界MAPの上に表示されているアイコンをクリックする事で、二人~四人までの通信機能を用いた協力演奏プレイができる。
    • プレイするには人数分のDS本体と本ソフトが1つ必要である。
    • 本ソフトを挿しているDS本体のプレイヤーが好きな曲を選び、各プレイヤーが楽器セットを行えばゲームスタート。
      • 基本的なルールに関しては一人プレイ時と同様の音楽ゲームによる演奏となる。なお、協力プレイ専用であり、対戦プレイの類はできない。
      • 演奏終了後は総判定と共に「みんなの相性度」なる数値が表示される。みんなの息が合っている程に相性度が高くなる…らしい。
    • 演奏の後には「魔法の儀式」というイベントが始まる。
      • 「まほうこうぼう」と同じ要領でプレイヤー全員が「お祈りをしながら画面を指で押してそのままホールド」すると、レア楽器が入手できる。
        但し、入手できるのは本ソフトを挿したプレイヤーのみである。

評価点

  • 可愛らしいキャラクターの存在。
    • 女児向けのキャラゲーだけあって、ジュエルペットキャラの可愛らしさは魅力的である。
      • イベントシーンでのキャラはポリゴン表示となっているが、可愛らしさを損なわれずに描かれている。
      • ステージ中の背景はミュージカル仕立ての演出となっており、ダンスをしてくれるキャラの動きが愛おしい。
  • 徹底的なまでに親切な配慮がされている。
    • ゲームが進んで触れた事のない初めてのシステムに遭遇しても、必ず親切な解説が入るので「何をすればいいのか?」といった疑問に悩まされる事はほぼない。
      • お子様向けのゲームなので当然といえば当然なのだが、ここまで親切に解説してくれるゲームはそうそうないのではなかろうか。
      • 「スキップ可能で何度も見させられる煩わしさのないイベント」「レシピを見れば確実に正規の楽器が作れる」という親切さも嬉しいところ。
  • タッチペンオンリーの簡単操作。
    • 「花びらにタッチすればいいだけ」というシンプル趣向な音楽ゲームであり、あまり音ゲーに関わっていないプレイヤーでもすんなり入り込める。
      • 特別に操作性が悪い訳ではなく、複雑な操作を強要される訳でもなく、操作系統は至ってわかりやすいもので統一されている。
      • この辺は丁寧に作られている印象が強く、流石は安定感には定評があるエム・ティー・オー製といったところか。
  • 楽器の多彩さ。
    • 正規の楽器だけでも全77楽器あり、特別楽器も含めると軽く100楽器は越える楽器数が収録されている。
      • 「次はどの楽器が作れるのか?」という楽しみがあり、たとえ失敗楽器になってしまってもネタ楽器として演奏対象となっているのが凝っている。

問題点

  • ステージ中の花びらが見えにくい。
    • 見えにくくなっている要因としては以下の2つの要因がある。
      • 1つは「花びらの色使いが淡い上に、開花のし方がふわっとしすぎて視覚的にタッチするタイミングが掴みにくい」という点。
      • もう1つは「ダンスしているキャラや背景の色使いが花びらと同化してしまっている」という点。
      • この辺は実際にプレイしてみれば分かるとしかいい様がないが、これのせいで普通のクリアは簡単でもフルコンボクリアを目指すとなると劇的に難易度が上がってしまう。
  • 深刻なボリューム不足感。
    • 「レッスン」は全部合わせても3ステージ分、「メインステージ」は総計で8建物の40ステージ。すべてかき集めてもプレイできるステージは43ステージ(譜面)しかない
      • 上記の難易度の低さも相まって、ステージのバリエーションが乏しく「またこの譜面系統か…」と感じてしまうのは必至だと思われる。
      • 「メインステージ」で用意されている楽曲は各建物毎に2曲ずつ(総計16曲)だけであり、曲数的に見ても華があるものとはいえない。
      • さらにはその楽曲はすべてオリジナルか童謡アレンジのインスト曲しかない。曲そのものは決して悪くはないが、地味さは拭えないところか。
  • アニメ版の設定ではない。
    • このゲームがリリースされた頃はTVアニメ版「ジュエルペット」が放送されているが、それの設定は一切本作に反映されていない。
      • よって、アニメ版ジュエルペットのキャラゲーとして期待すると確実にガッカリする。
      • アニメ版設定ではない影響なのか、それとも容量的な問題なのかは定かではないが、一切のキャラボイスが収録されていないのも寂しい。
  • 難易度が低すぎる。
    • お子様向けのゲームなので難易度が高いのも問題だが、本作は相当簡単にクリアできる様に作られている。
      • 音ゲー慣れしているプレイヤーにとっては下記のボリュームの件もあって一日で全ステージをノーミスで制覇できてしまう位に簡単であり、悪くいえば、やりがいの薄い内容となってしまっている。
      • 花びら(譜面)の配置が相当大人しい上にステージ進行による難易度の上がり方が非常にゆるやかであるため、序盤で選べるステージと終盤で選べるステージにあまり差が感じられない
      • また、テンションレベルの下がり方が甘く、ちょっとやそっとの悪い判定を連発しようがレベルがなかなか下がらないのも難易度の低さに拍車をかけている。

総評

ゲームそのものは丁寧に作られているが、難易度の低さとボリューム不足のせいで飽きやすさも目立つ作品となってしまっている。


その後の展開

  • ジュエルペットの家庭用ゲーム化は本作の後にエム・ティー・オー製のDSソフトが2作、フリュー製の3DSソフトが3作がリリースされているが、これらにはアニメ版の設定が反映されている。(2014年現在)

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DS 2009年
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  • 2009年

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最終更新:2024年03月21日 21:07

*1 有名どころで例えるならば、ポップンミュージックシリーズの「グルーブゲージが満タン状態で好判定を出した時のフィーバーと同じ様なもの。