激闘! カスタムロボ

【げきとう かすたむろぼ】

ジャンル ロボットアクションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 512MbitDSカード
発売元 任天堂
開発元 ノイズ
発売日 2006年10月19日
定価 4,800円
判定 なし
ポイント シリーズ最終作
一部ロボのデザインが大きく変更
ゲームバランスは大味に
カスタムロボシリーズ初代・V2 - GX - BR - 激闘!

概要

  • カスタムロボシリーズの現時点での最新作であり、当時社会現象にもなったDSでのリリース。
    • Wi-Fi機能も搭載しており、発売時期はDSステーションから期間限定で隠しロボも配信されていた。
  • ゲームデザインは64版を再現しているが、64版に比べるとロボのデザインに細かいディテールが加えられていたり*1、一部にはパーツのデザインが変更されているものも存在する。
    また、殆どのロボの頭身は64版と『バトルレボリューション』(以後『BR』)の中間程度に調整され、全体的にプロポーションが良くなっている。一方でリトルレイダー型のみ頭身が縮められ、さながら赤ん坊のような幼児体型に変更されている。これは64版で似たような性能・体型を持つリトルスプリンター型と外見的な差別化を図ったものである。
    • 決定音やヒット音などの各種SEは『BR』のものを継承している。特に『BR』の重厚なヒット音を継承しているだけあり、迫力と爽快感がある。
    • BGMは激しいギターサウンドが中心になっており、全体的に熱く男臭い雰囲気を作り出している。
  • 『GX』と『BR』でリストラされていたロボの型も復活し、『V2』当時の全型 + ライトニングスカイヤー型(+ 違法型・特殊型)のロボが登場する。ただしロボの総数は初代や『BR』同様、1つの型につき3体のみ(一部を除く)。
    • 『BR』でリトルスプリンター型が削除されていた為、統合される形でリトルレイダー型に属していた少女型ロボ「リトルチック」も本来のリトルスプリンター型へと転身を果たしている。
  • 開発者によると、本作ではバトルをよりスピーディに進めるためにロボの総体力を従来の80%程度に設定しているとのこと。これにより、従来に比べて相対的にダメージ量が増加している。

ストーリー

主人公は、ロボメーカーに勤める父の仕事の都合で、
カスタムロボバトルの盛んなこの街に越してきたばかりの少年。

ミッドハート学園への転校初日、主人公はロボバトルクラブ「チームNo.1」のサキとトオルが、
クラブ「R1グラップル」のイスルギと激しく言い争っている場面に出くわす。
弱小クラブである「チームNo.1」は、イスルギから解散するよう迫られているのだ。
主人公はサキとトオルを助けるため、「チームNo.1」に入部することを決める。
カスタムロボ初心者にもかかわらず、主人公は校内トーナメントで見事イスルギに勝利し、
チームを解散の危機から救う。

チームの主軸となり、さまざまなライバルとバトルを繰り広げていく主人公。
ロボバトルの腕を磨き、闘いを勝ち抜いて、目指すはグレートロボカップチャンピオン!
(マニュアルより転載)
  • ストーリーは『V2』後の世界という設定になっている。
  • 『GX』が『V2』後の設定だったが、本作が正史となり、『GX』はパラレルワールドの扱いとなった。

特徴

  • ロボ・ガン・ボム・ポッド・レッグの本体 + 4ヶ所にそれぞれ好きなパーツを組み合わせることでカスタマイズ出来る。それがカスタムロボである。
    • 好きなパーツを組み合わせた後はのような見下ろし型3Dフィールドでバトル出来る。
    • ステージは多くの種類があり、状況を見極めて戦うことがこのゲームのキモとなる。
      • ステージ毎に障害物の形状も異なるため、同じカスタマイズでは勝ち進めることは出来ない。そこがカスタムロボの魅力の1つでもある。
    • また、主力武器となるガンは空中と地上で性能が異なる物が多い。
    • 攻撃手段のガン、ボム、ポッド、アタックを組み合わせて攻撃することでコンボが生まれる。このコンボは評価の対象になるためゲーム攻略において重要になる。
  • 新システム「ソウルブースト」
    • ガンダムVS.シリーズ』における覚醒のようなものであり、バトルを積み重ねることでゲージが溜まる。
    • 一定ゲージが溜まった状態で画面タッチすると、カスタムロボが金一色になり、一定時間全ての性能が上がる特徴がある。
    • その代償として、時間が過ぎるとカスタムロボが一時的に真っ黒になり、逆に全ての性能が下がってしまう。
  • Wi-Fi機能搭載
    • 対戦プレイの面白いゲーム故、Wi-Fiで比較的簡単に対戦できたのは大きい。
    • マナーの悪いプレイヤーの存在が問題視されることもあった。尤もこの作品に限ったことではないが。
    • ニンテンドーDSのWi-Fiコネクションサービスは2014年5月20日に終了してしまっており、現在ではこの機能を利用して対戦を行うのは不可能となっている。

評価点

  • 歴代カスタムロボ(の一部)が登場する
    • 『初代』から『BR』までのロボが登場する、カスタムロボの集大成作品と言える。
      • 当時の姿のままで登場しているものもいれば、フェイスマスクやバイザー等が追加される等のアレンジが加えられているロボもいる。
      • 更に『V2』では敵専用でプレイヤー側は使用できなかった巨大ロボ「ジェイムスン」も、隠しロボではあるが使用可能となった*2。絶対にダウンしない特性を生かしてスターダストガン等の強性能ガンをばら撒くもよし、無駄に大きなジェイムスン用パーツを普通のロボに装備させてインパクト狙いに走るもよし。
  • カスタマイズ画面でジオラマ風に飾れる
    • 従来はただパーツを組み合わせるだけで済むことが多かったが、本作ではカスタマイズ画面でロボをジオラマ風に飾ることで観賞目的としても楽しめるようになっている。
    • 店でジオラマを購入し、タッチペンでパーツ単位でロボのポージングが可能。可動範囲も広く、パーツ同士が干渉することもないので自由度は高い。ガン・ボム・ポッド・レッグは収納状態にも変形させることができ、ロボもライトニングスカイヤー型などは飛行形態にすることも可能。
    • 本作に登場するNPCもモブキャラを含め全員ジオラマに一工夫されており、見飽きることがない。
    • ジオラマにはギミックがあるものや他のロボが登場したりと様々なシチュエーションを楽しめる。
    • ジオラマはイベントや目標達成時の報酬としても登場するためコレクション要素としてもやり込み要素になった。
  • カスタマイズやポージングをセーブ・ロード出来る
    • 様々なカスタマイズを行う環境で、やむを得ず変えざるを得ず、お気に入りカスタマイズ崩す事態があったが
      最大8つのカスタマイズをセーブすることが出来る。
    • カスタマイズだけでなくジオラマやポージングも保存出来るため、力入れたジオラマが無駄にならないのは評価に値する。
  • カスタムロボでは初のネット対戦となるWi-Fi対戦機能搭載
    • Wi-Fiコネクションサービスの提供期間中は、インターネットを通じて見知らぬだれかと対戦プレイをすることができた。
      • 3戦・2本先取で勝利となる。一本目はランダムに片方が選んだステージになり、2本目以降は負けたプレイヤーがステージを選ぶ。対戦後はお互いが合意した時のみもう一度再戦可能。
      • 更に、対戦を終了した時にお互いの合意があればライバル登録もできた。
    • フレンド対戦にも対応している。これを利用し、ネットの掲示板などでフレンドコードを教えあうことで対戦ができた。
    • 違法パーツの使用可否が選択できる点も好評であった。
    • 上記のジオラマも対戦時に反映されるので見せ合いの楽しさもあった。

賛否両論点

  • ロボ本体のタイプが減少し、過去の違法パーツも登場しないものがある
    • 各タイプ5種類ずつ(違法型ロボを除く)登場した『V2』と比較すると、今作では各ロボ3種類に減少している。
      • とはいえ、『V2』の次作である『GX』では各タイプ4機ずつ、さらに次作の『BR』では各3機ずつと、シリーズを重ねるごとにロボの数が削減されているので、本作のその煽りを受けてしまったのだろうか。
    • もっとも、『V2』は初代と同じN64で発売された作品であるため全てのロボを続投させることができた。『GX』はコンパチキャラも多く、一から制作すると1種類3機が本来の限度と考えられる。
      • 歴代のロボが登場する集大成の作品でありながら、肝心のロボの総数が少ないうえに登場ロボの選出基準も微妙で、全体的に中途半端な印象はどうしても否めない。ロボの選出基準については後述する。
      • その割にはシャイニングファイター型だけで7種類、そのうち5種類がレイシリーズ*3と、かなり偏った構成。ファンサービスとしてはありがたいが、お前はどこぞのテムジンかと。その上今作のシャイニングファイターは妙に性能が高く、完全にテムジンと同じ道を辿っている。
        その内『BR』の主人公機「レイ01」だけは期間限定配布でしか入手できないという仕様。厳密にはライトニングスカイヤー型のレイスカイヤーもレイシリーズに含まれるが、その件は後述。
    • 『初代』~『V2』の違法パーツで登場しているのはメイジェル+ナナセシリーズとレイIIダーク、ジェイムスン+ロクドウ系パーツのみ。*4
    • 『BR』からは違法パーツとしてオロチガン・リップルレーザーガンの2種のガンが登場しているが、それ以外の違法パーツは一切登場せず。違法ロボのアール各形態や、上記の歴代レイシリーズ登場に則り、レイIIダークと同じく『BR』のレイシリーズであるレイレジェンドやレイウォーリアを使いたい人も多かったのでは?
      『BR』で登場したリップルレーザーガンを採用した関係で、『V2』のナイトメアガンは実質的なリストラとなった。
    • 違法型以外のパーツでは、シリーズ皆勤賞のパーツであったスターレイヤーガンが登場していない。
    • 『GX』のみに登場したミスティミラージュ型*5は本作では未登場。デザイン面ではトリックフライヤー型と、コンセプトではストライクバニッシャー型と差別化しにくい*6ため仕方がないのだが、どうにかして登場させて欲しいという声も決して少なくない。
  • 過去作から続投したロボの選出基準について
    • 本作に登場するロボの種類が、『GX』『BR』で初登場したロボの数が異様に少ないのが分かる。
    • シリーズ唯一の2D作品である事に加えて、本作登場によってパラレルワールドとして扱われる破目になってしまった『GX』由来のロボで、クリア前に手に入るのはヒロインの愛機であった「ルナ」のみ。クリア後や配信限定の隠し機体まで含めても主人公機「Xレイ」「レイスカイヤー」と軍用ロボの「A.I.R.S.」位しかいない。
      • ライバル達が使う「スティングレイ」「ファルシオン」や、シリーズ中でも珍しい女性型ストライクバニッシャーの「クナイ」等、本作に登場しても申し分ないビジュアルと人気を持ったロボが複数存在しているにもかかわらず、である。
      • ミスティミラージュ型の不参戦については、上述した通り性能的に再現が難しい為まだ分からなくも無いのだが…。
    • 『BR』はそれ以上に扱いが悪い。参戦したロボの総数は『GX』よりも多いものの「レイ01」以外は「何故こいつが?」と思わざるを得ない選出となってしまっている。
      • 「メタルコング」はまだマシな方だが、分類を変えてまで続投した結果リトルスプリンター型の共通点である「単位に関するネーミング」という法則を破ってしまった「リトルチック」や、分類のみならず名前まで変更して続投したものの、こちらもファッティバイス型の共通点である「化学用語に関するネーミング」という法則を破ってしまった「シールキッド(シールヘッド)」、そして同作中におけるストライクバニッシャー型の他機体と比べると明らかに見た目も人気もいまいちな「ブローバ」に対しては態々登場させる必要があったのかを問う声が根強く存在している。
      • 更に『BR』からは違法ロボ・軍用ロボが1体も選出されていない。違法ガンでは「オロチガン」が本作でも登場しているものの、肝心の使い手の愛機「ラカンセン」が登場しないという、何ともちぐはぐな状況が生まれてしまっている。
  • 一方で、カスタムロボ人気の火付け役でもありシリーズ中でも最も人気が高い『V2』初出のロボやパーツは、その殆どが本作にも登場している。
    • 同作中で登場した悪の組織「ドレッド」「ゴライアス」所属のコマンダーが使用するロボはほぼ全て登場している。幹部キャラの愛機や上述したジェイムスンは勿論、違法ロボの「メイジェル」や、裏ボス的な立ち位置にある「レイIIダーク」まで続投している。
    • 本作に登場しない『V2』初出の違法ロボは、違法合体型「ベイオネット」1体のみ。違法型ながら極めて人気の高いロボであり、唯一登場しなかったことにベイオネットファンは非常に残念な意見もある。*7
    • 今作ではストライクバニッシャー型ベースの違法型ロボとして「ナガミツ」が登場するが、空中性能は完全にベイオネットやラカンセンの下位互換である。この点も上記2体の違法ロボ未登場を惜しむ声に繋がっていると推測される。
  • また全体的に、味方寄りの主要キャラが使用していたロボの未参戦が目立つ。
    • 此処までに挙げたルナの他は、初代の「カーライル」「ロビン」「ドデカン」V2の「ジャベリン」が僅かに登場している程度である。
    • 『初代』の「フレア」「ソル」「メタルベアー」「ジェーン」「独眼爺」、『V2』の「プラネッタ」「パロット」「ヘプタン」「ウィルソン」「ホークマン」、『GX』の「フォトン」「スティングレイ」「ファルシオン」、『BR』の「ミルキーウェイ」「ラーバ」「ルヒエル(違法型)」などなど、各作品において味方寄りキャラの愛機だった機体が悉く本作未登場となっている。
    • その割に過去作ではモブキャラしか使っていなかった「コメット」「エイミー」「頭源斎」「トリケラオー」が何故か本作でも続投している等、登場ロボの選出基準について不可解な点は多い。
  • 全体的にガンのデザインや、発射時のエフェクトが劣化している
    • 『BR』から登場した武器を本作に登場させる際、ハードのスペックやWi-Fi対戦時のラグ対策の関係上、どうしてもデザインやエフェクトが劣化してしまうのは仕方がないのだが、中には明らかに劣化度合いのおかしいものが存在している。
      • 特に劣化しているのがフレアキャノンガン。同じガンとは思えないほど見た目がショボくなっている。
    • 『V2』時代から続投しているガンも、全体的に弾のエフェクトが小さくなっており迫力が弱まっている。
      • 特にスタンガンは露骨で、正面から弾がチョロっと出るだけ。異常な強さを誇った64時代からのバランス調整との兼ね合いもあるのだろうが、もう少し何とかならなかったのだろうか。
  • 操作面の仕様変更
    • 従来のガン・ボムは位置関係を問わず、ロボが常に相手のいる方向に銃口を向けて発射していたが、本作では常に水平に構えた状態で固定されるようになった。
      • このため相手と高低差が大きい状態で射撃を行うと、腕を水平に突き出しているにもかかわらず弾だけが相手の方向へ銃口から折れ曲がるように飛んでいくという不自然な形に見えてしまう。
    • 従来ではバトル中にボムやポッドを発射した場合、リロード中は各パーツが変形する(ハッチを閉じたり、部分的に収納した状態になる)というギミックの細かい演出が見られたが、本作ではそれらは全てオミットされている。カスタマイズ画面ではきちんと表現されているのに…。
      • 普通にバトルをする分には気にならないが、パッと見では些細な部分で手抜きをしているようにしか見えない。
    • 但し上記2点についてはガンのエフェクト劣化と同様、Wi-Fi対戦時のラグ対策として意図的に簡略化している可能性もある点は留意すべきだろう。
  • 激闘編が従来と比べると地味に感じる
    • 『V2』『BR』では各地で開かれている大会に行き、「パーツとりあげバトル」等様々なルールの中でバトルするという方式だったが今作では全く違うものとなっている。
    • 本作の激闘編は各々のNPC達がお題を出してきて、そのお題をクリアする事で初めてバトル可能となる、というもの。
      • 「あの人と戦うためにボムを数十種類使用するため街の人と何回もバトルする」「あの人と戦うためにジオラマをたくさん買う」「あの人と戦うためにコーヒーの材料をヒント無しで探す」といった作業を延々と繰り返させられる。歴代の激闘編と比較しても作業感がかなり強い。
      • お題をクリアしてバトルしても、肝心のバトル自体は過去作品のような変わったルールが設けられてはおらず、何の変哲もない普通のバトルとなっている点も作業感に拍車をかけてしまっている。

問題点

  • カスタマイズ次第でハメ殺しが出来る組み合わせがある
    • 代表的なのがエアリアルビューティ型のロボで遠距離ガン + アイドリングボムD + アンブレラポッドの組み合わせ。
      • 具体的に述べるならば、コメット + マルチプルガン + アイドリングボムD + アンブレラポッド + ハイジャンプレッグorフェザーレッグ。
        この組み合わせは相手から逃げながら延々と出し続ければ一方的に攻撃可能となっている。対人戦で何も知らない相手に対して使えば、その後のリアルファイトはまず避けられないだろう。
    • 上記のロボ「コメット」はアタック*8の動作が終始完全無敵で全く隙が無く、連発するだけでほぼ全ての攻撃を無効化できるという超性能。コメット自体も空中機動力の高いエアリアルビューティ型に属するため、地上空中ともに回避能力が異常に高いぶっ壊れ性能のロボと化している。
    • また本作の「アイドリングボムD」と「アンブレラポッド」は単純に性能が凶悪すぎる為、Wi-Fi対戦では使用自粛が暗黙の了解となっていた。
      • 特にアンブレラポッドは過去作では「完全対空用武装」であったが、今作では地上の背が高い敵どころか、リトル型以外なら地対地でも当たり、大ダメージ+吹き飛びでコンボの起点や繋ぎにもなる万能武装となっている。何をどう間違えれば、こんなぶっ壊れとしか言いようのない代物を生み出してしまうのやら…。
    • その他、勝負にならないレベルで強すぎるパーツがかなり多い。対人戦では独自に強パーツの使用制限を設けるなど、可能な限りリアルファイトを引き起こさないような工夫が必要となってくる。(参考:攻略wikiでの性能比較)
  • いまいちな新規ロボのデザイン
    • ストライクバニッシャー型の「パイク」は、包み隠さず述べるならばトンガリ頭に真っ赤な顔をしたアホ面ロボにしか見えない。余程の物好きでもなければ、進んで使おうとは思わないだろう。
    • トリックフライヤー型の「マンティスヘッド」はマンティス(カマキリ)という名前にもかかわらず、見た目はどう見てもバッタである。
    • ライトニングスカイヤー型は以前のシリーズからデザインが統一されていない*9為、本作でも意図的にデザインを変えてきたものと思われるが、本作ではもろにロボット風のデザインとなっている所為で外見がストライクバニッシャー型に似通ってしまっている。
    • 初代から登場しているとある人物の専用機「カラット」については、頭部がダイヤモンドのおばちゃんヘアーのような姿をしており、趣味が悪い・非常に醜い等といった否定的な評価が多い。
      • この人物は過去作品において可愛さと華やかさを兼ね備えたリトルスプリンター型の「ベル」や、賛否両論点でも触れた「クナイ」を愛機としていた。両機共にビジュアル面での評価は極めて高く、それ故余計にカラットのセンスの悪さが際立ってしまっている。
  • 過去作から続投したロボのデザインが、明らかに劣化している
    • 新規ロボのデザインがいまいちならば、過去作品からの続投ロボを愛用すれば…とお思いの方もいるかもしれないが、残念ながらこちらでも「過去作品からのデザインの劣化」という看過し難い問題が発生してしまっている。
    • 特に露骨なのがストライクバニッシャー型の機体。ロボット風になったライトニングスカイヤー型と区別するのを目的としてか、意図的にデザインを劣化させたとしか思えない有様となっている。
      • 過去作では人気ロボの一角であった「ジャベリン」だが、本作では色が黄緑と黄色の2色だけになっており、同じロボとは思えない程デザインが改悪されてしまっている。人にもよるだろうが『V2』経験者の大半は本作のジャベリンについて「ダサい」「紛い物」と思ってしまう可能性が高い。
      • 同型は性能はもちろん、外見や性能のカッコ良さも人気の一因であった為、この劣化にはかなりの苦言が寄せられた。
    • 過去作において人間的な素顔を持っていたロボには、本作参戦に当たってフェイスマスクかバイザーが追加される等の改変が重点的に行われている傾向にある。
      • 顕著なのがワイルドソルジャー型の「ゾラ」やファニーオールドマン型の「頭源斎」。この2体は特に原型を全く留めていないデザイン改悪と評してしまってもいいだろう。
      • エアリアルビューティー型やリトルスプリンター型といった美少女型ロボも頭身変更や可愛い顔を隠してしまうフェイスマスクの追加によって、売りである見た目の可愛らしさが大分薄れてしまった。特に元々が可愛い系の女の子だったルナは悲惨の一言。
    • 一応、デザイン劣化を免れたロボも存在してはいる。
      • バーニングビースト型とトリックフライヤー型はビジュアルを忠実に再現できており、更に頭身調整がなされた事で64版よりもカッコ良くなっている。
      • 初登場の時点でメカメカしい見た目をしていた「リトルチック」「クレイジーバブーン」「メタルコング」、元々フェイスマスクを装備している「Xレイ」と「ルーク」、天蓋のお陰で素顔が出ていない「虚無僧」も過去作品からのデザイン劣化を免れている。
      • そして何故か「ドデカン」までデザイン劣化を回避している。まさかとは思うがフカシ様補正でもあるのだろうか?
  • パーツの汚れ
    • 同じパーツばかり使い続けると汚れが溜まる。この汚れはクリーナーで拭きとることが可能だが、正直面倒くさい。
      汚れたままだとパーツの性能が低下するので、プレイヤーはほぼ強制的に掃除させられる破目になる。
      • 特にロボパーツは手足背中以外の全身*10を拭かなければならず、作業感が極めて強い。
      • 女性型のロボで拭きとる動作を楽しむ紳士的な愉しみもできない訳ではないが、その場合でも微妙デザインor過去作から劣化したデザインのロボが多い点があまりに痛すぎる。
      • プラットフォームがDSに移行するにあたって無理にでもタッチペンでの操作を導入せざるを得なかったという事情の存在を推察する事は可能だが、それでもここまで作業感著しい仕様はどうにかならなかったのだろうか…。
    • 一応町の施設でお金を払えば、ロボを一瞬で綺麗にしてくれたり、暫くの間ロボが汚れないように加工してもらえたりというサービスを利用できる。但し、同じ金額を払えばパーツを数十個買える程度に高額の利用料が必要となるが。
      • また仕様を逆手に取り、意図的に汚れた状態で戦うことで一応ハンデとしての意味合いを持たせる事もできる。
    • サブイベントの中にはロボの汚れを拭き取るアルバイトも存在しており、称号を得るだけの為にひたすら磨く苦行同然の作業を続ける必要がある。
  • 新システムであるソウルブーストの仕様が不便
    • ソウルブーストのゲージは、バトルをしたりゲーム中で食事をすることで溜めることが出来る。逆に言うと、バトル中にゲージを溜める方法がない。
    • ソウルブースト自体も発動時にいちいち演出が挿入されるため、バトルのテンポを削いでしまっている。
      • 発動ポーズも全ロボ共通であるため個性に乏しく、効果も攻撃力・防御力が微増するだけであり、取って付けた感は拭えない。ディレクターの見城こうじ氏もやるならもっと凝るべきだったと悔やんでいる、ロボごとの個性が入れたかったと語っている
      • バトル中にもゲージを溜められる仕様であれば、対戦中の駆け引きを生み出す要素として評価できる可能性もあったのだが…。
  • ソフト1本で全パーツ・ジオラマをコンプリートできない
    • 通常プレイでは入手できない、期間限定配信の隠しロボが存在する。配信期間が過ぎた場合は当然入手できないが、隠しロボを持っている人とWi-Fi対戦でライバル登録をすると低確率で入手することも可能ではある。
      • 配信期間を過ぎても、低確率とはいえ入手方法が残っているだけ良心的なのかもしれない。
      • また、ライトニングスカイヤー型の特殊機体・レイスカイヤーは本作では3種類*11存在するのだが、入手可能なのはその内1体のみ。この為、本作ではどうあがいてもロボを全種コンプリートできない。
        おまけに3種スカイヤーの配信は選択制ではなく完全なランダム制であり、お目当てのスカイヤーを引けるかどうかは運次第というバクチ仕様。セーブ&ロードで色の選択は可能となっているのがせめてもの救いか。
    • ジオラマの出現パターンは一番初めにつけた主人公の名前で決定され、出現パターンは全部で3種類存在している。出現しない分は他のプレイヤーと交換しないと揃えられず、おまけにWi-Fiではジオラマを交換できないという、徹底的なまでのぼっち殺しぶりである。
  • セーブデータが一つしか作れない
    • 『V2』や『BR』ではセーブデータが3つ作れたが、今作では1つしかセーブを作れない。
      • 『V2』『BR』では旅立ち編、激闘編で手に入れたパーツを持って旅立ち編を最初からプレイできたが、今作では激闘編に入ると旅立ち編に戻れない。事実上の1周遊び切り仕様となっており、周回プレイを好むプレイヤーにとっては不便極まりない。
      • また配信パーツをもっている場合、データ消去に配信パーツが巻き込まれる都合上迂闊にセーブデータを消せない。
    • メニュー画面にキャラクター名鑑があるのだが、名鑑に登録されるキャラの内「ディンゴ」というキャラは旅立ち編にしか登場せず、しかも会わなくても本編進行に支障の出ないキャラである。旅立ち編で会わずに激闘編に進んでしまうとキャラクター名鑑のコンプリートが不可能になる。
      • 酷いケースでは、ディンゴというキャラの存在自体を知らなかったプレイヤーまで…。
    • アイテムのうち「キレイ好きの証し」は旅立ち編である人物を倒さないと手に入らない。この人物もまた激闘編に入ると会えなくなってしまう為、取らずに激闘編に進んでしまうと入手不可能になる。
    • 旅立ち編でしか登録できない・入手できない要素を放置して激闘編に進むと、手に入れようとする場合セーブデータを泣く泣く消去するハメになる。
      • 一応これらの要素をコンプリートしても、パーツ収集や対戦には一切影響を与えないのがせめてもの救いか。
  • 何故か弱体化する主人公後継機
    • プレイ序盤は『V2』の主人公機である『レイMK-II』が初期機体となり、途中で本作パッケージを飾ってる『レイMk-III』を手にするイベントがある。
      …のだが、ステータス画面を見ると何故か前主人公機であるMK-IIより能力が低い。更に使い勝手も微妙に異なっており最初は扱いづらい。
    • おまけにレイMK-IIは引換という形で没収(?)される。使い慣れた頃に唐突に愛機を奪われて、ショックを受けたプレイヤーも多いのではないだろうか?
      • その状態で直後に強制的に対戦するのだが、相手が微妙に強い*12ため今まで使い慣れたMK-IIが無い状態で戦うのが非常に辛い。ロボの変更も勝つまで変更不可能である。負けてもやり直しのため勝たないとストーリーが進まない。
      • 初代とは違い、ストーリー中にレイ以外のロボを購入して使えるようになる。購入した別のロボを使いこなし愛機としておけばレイMK-IIを没収されてもショックは薄いのだが、果たしてこれを解決策や救済措置と呼んでいい物かどうか…。
    • 一応ストーリーを一定以上まで進めるとレイMK-IIも戻ってくるのだが、何故か没収前と比べて性能が微妙にダウンしている。
  • その他
    • 本作では使用できるパーツを制限された状態で規定ダメージ以上のコンボを成立させるといったチャレンジバトルが存在するのだが、マップ内を探索すると、それらのコンボを成立させた模範解答のようなプレイ動画を入手できる。
      • これはどうしてもコンボが思いつかない初心者に対する救済処置とも取れるが、これでは宿題と答えを一緒に渡されたのと同じであり、模範解答を真似るだけで無理に各々のやり方でコンボを組み立てる必要がなくなってしまうため、単純な作業プレイ化に繋がってしまいかねない。
    • BGMの路線が変更され、ギターサウンド主体となった。熱いと言えば熱いが、今までの「カスタムロボらしさ」が薄れているという意見も見られる。
      • この手のゲームによくある「過去作BGMのアレンジ」も存在しない。
    • カスタマイズ画面での試し撃ちモードでは、サンドバッグ役のCPUがやたらとちょこまか動き回るので攻撃を当てにくい。
    • 人間キャラクターのグラフィックが90年代レベルのクオリティ。これを古臭いと取るか個性と取るかは人それぞれだが。
      • 過去作からのゲストキャラも僅か2~3人しか存在していない。『GX』では『V2』の登場人物が成長した姿で多数登場していた事もあり、本作と『GX』を比較して残念がる意見も少なからず見られた。
    • 本作から初登場の人物が使うロボの大半が、過去作はどことなくロボも似ていることが多かったが、本作の人物大半が似ても似つかないのが目立つ。

総評

ゲームシステムは良好で、対戦ゲームとして本腰を入れてやり込めるレベルまで仕上がっている作品。
全てのカスタムロボファンを意識した作りをしている一方で『V2』初出のロボ・パーツが多数登場しており、開発側もシリーズ中で最も人気の高かった『V2』の出来栄えと、その人気を意識していた事が窺える。
しかしながらあらゆる点でどこか欠けている部分があり、また後述するタイミングの悪さもあって、結局『V2』のような評価を得る事は最後までできなかった。

とはいえ強パーツに制限をかけた上で、友達と対面で対戦する分には存分に楽しめる。
『V2』が家でできない場合の代替品としては十分すぎる一品であろう。
プレイ環境についても、幸いにしてゲームショップの中古コーナーを探せば、手ごろな値段で売られている本作を簡単に見つけられる筈である。


余談

  • この作品を最後に、ノイズはカスタムロボシリーズの開発を止め、他社の受託開発をメインに路線変更している*13
    • 5年後に、レベルファイブから本作とコンセプトの似ている『ダンボール戦機』が発売されている。
    • ただし似ているのはコンセプトくらいでゲーム内容は全く異なるため、カスタムロボの精神的続編として購入する場合はオススメしない。
  • 発売時期が悪かった
    • ここまで長々と述べてきた通り本作の完成度自体は十分に高く、バランスを壊すパーツの組み合わせで無ければ値段相応以上に楽しめる作品である。
    • では何故この作品の評価があまり無いのか……その最大の原因は、本作と『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』の発売時期が被ってしまったという点にある。
      • 当時社会現象にもなったDSでポケモンの最新作が出るという事もあって期待度は高く、実際殆どの消費者はポケモンのゲームに流れてしまった。結果として本作は、いわば「手付かず」の状態になってしまったのだ。せめて発売時期が被らなければ本作がもっと売れていた可能性もあったと思われるが、全ては後の祭りである…。
      • カスタムロボ側は『V2』をピークにメディアミックスに消息的となっていったのも、新作ゲームソフトを始め様々なメディアミックスや派生作品も充実させて人気を維持していたポケモンに後れを取ってしまった原因の一つであろう。
  • 2020年5月、カスタムロボシリーズのディレクターである見城こうじ氏が手掛けた新作『SYNAPTIC DRIVE』(Switch/Windows)がYUNUO GAMES(ユーノゲームズ)からリリースされている。
    • カスタムロボとは別物だが、ゲームシステム面などはカスタムロボの意匠を引継いだ(精神的)後継作として話題となった。ただしビジュアルはBR以上にSF色が強く、人を選ぶためその点は注意が必要。
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最終更新:2023年12月05日 00:04

*1 例えば手の部分は64版では四角い拳の塊のポリゴンに過ぎなかったが、本作では掌と指がきちんと作り込まれている。

*2 プレイアブル化にともないサイズが小さくなったが、それでもかなり大きい。

*3 歴代主人公が最初に入手するロボの総称。赤い髪をした少年のようなロボで、いずれも名前に「レイ」が付く。

*4 一応ツインズボムは「イグニアボム」として、コテングガンは「カラットガン」として多少の性能の違いはあるものの続投はしている。

*5 オカルトモチーフの機体で、ダッシュ中に姿を消し、相手から視認されなくなる「ミラージュダッシュ」が使用可能。

*6 ダッシュ中に姿を消し、尚且つ相手のガンを無効化する効果を持つストライクバニッシャー型のステルスダッシュとは異なり、ミラージュダッシュは単に姿が見えなくなるだけなのでただの下位互換になってしまう。

*7 違法ロボもwiーfi対戦可能であるため、ステルスダッシュが5回も使用可能な本機はバランスブレイカーになり得るため未実装ではないかと考えられる。

*8 無敵状態となって繰り出す高威力の近接攻撃。各ロボ毎に動作が異なる。

*9 『GX』ではシャイニングファイター型に近い少年型、『BR』では円盤・怪物・鳥人・戦闘機と、バラバラな外見。

*10 頭部・胸部・腰部・左右上腕部・左右大腿部の計7箇所。一部ロボは頭部と胸部が一体化していて6箇所

*11 青:攻撃重視、赤:機動重視、白:防御重視

*12 攻略Wikiの性能比較にも書かれてる強パーツのサンダーボルトガンを使う

*13 その後、2014年にノイズの設立者兼代表取締役でもあった見城氏は同社を退職し、以後フリーランスとなっている。