バブルボブルDS

【ばぶるぼぶるでぃーえす】

ジャンル アクション
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 タイトー
開発元 ドリームス
発売日 2005年11月24日
定価 5,040円(税5%込)
プレイ人数 1~4人(DSワイヤレスプレイ時:2~4人)
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
判定 なし
ポイント バブルボブルのリメイク + 原作移植
コレジャナイ感が半端ないリメイク版
大体は良移植の原作版
原作よろしくソフト2本ないと真のエンディングに行けない
バブルボブル・パズルボブルシリーズ


概要

  • 1986年にアーケードでリリースされたタイトー原作のアクションゲーム『バブルボブル』をリメイク移植し、さらには原作版そのものも移植収録したニンテンドーDSソフト。
  • リメイク移植の「NEW AGEバージョン」と、原作移植の「CLASSICバージョン」が主なモードとなる。
  • NEW AGEバージョンは一人プレイの他に、最大四人までの通信対戦プレイに対応。CLASSICバージョンは一人プレイ~二人通信協力プレイが可能。

主なモード、及びルール

NEW AGEバージョン

  • 本作のメインと呼べるモードであり、原作のゲーム性を維持しつつも大幅なリメイクが加えられている。
    • このモードではDSの上下画面が繋がった状態でゲームが表示される。よって、縦長寄りの画面表示となる。
      • 原作と比べるとキャラが大きく描かれている影響ですべての表示が画面に収まりきらず、プレイヤーキャラの位置によって画面が上下左右にスクロールする仕様となる。
    • ゲーム開始前にプレイヤーキャラを選ぶ事になる。各キャラには微小な性能差があり、ある程度の使いやすさが絡んでくる。
      • ゲーム初期状態ではお馴染みの「バブルン」と「ボブルン」しか選べないが、特定条件を満たせば隠しキャラ*1が解禁される。
  • ステージ構成は10のラウンドに分けられたステージが全部で10あり、総計で10ステージ × 10ラウンド = 100ラウンドが用意されている。
    • 「画面内にいる敵をすべて倒せばラウンドクリア」という、原作同様のクリア方式となっている。
    • 各ステージの最後のラウンド(10の倍数)には通常の敵よりも耐久度や攻撃性能が高いボスが待ち構えており、こいつを倒せばそのステージはクリアとなる。
      • ボスに対しては通常バブルを直接当てるか、スペシャルバブルの攻撃を当てることでダメージをあたえられる。
    • ラウンドセレクト制を採用しており、ゲームオーバーになるとそのラウンド以前のすべてから再開したいラウンドを選べる。
      • また、ゲームオーバーしたラウンドからのコンティニューが無制限に可能である。但し、コンティニュー時は敵の位置などがすべて初期化されている。
  • 操作方法に関して。
    • 本作は一部の例外を除けば十字ボタン/ボタン操作がメインとなる。以下操作方法一覧。
      • 十字ボタン左右でプレイヤーキャラの左右移動。
      • Bボタンでバブル吐き。
      • Bボタンを押しっぱなしにしてプレイヤーキャラが光った頃合でボタンを離すとチャージバブル吐き。
      • Aボタンでジャンプ動作。
      • バブルの上でAボタン押しっぱなしか、タイミングよくAボタンを押せば連続ジャンプ。
      • ゴーストバブル取得時にてLかRボタンを押すとプレイヤーキャラの位置チェンジ。
      • ファンが設置されているラウンドにてDS本体に息を吹きかけるとファンの作動。
  • NEW AGEバージョンにおける新操作。
    • 原作と同様の操作に関しては割愛するのでご了承を。
    • 「チャージバブル吐き」
      • 続編の『バブルメモリーズ』から導入された溜め撃ち。通常よりも大きいサイズの「チャージバブル」が吐ける。これには通常のバブルにはない以下の効果がある。
      • チャージバブルで一度の数体の敵を閉じ込められ、それにプレイヤーキャラが触れると一括で敵を割る(倒す)事ができる。
      • チャージバブルの上で連続ジャンプすると通常よりも高く飛べる。
      • 溜め撃ちの性能は基本的に概ね『バブルメモリーズ』の物に準じているが、本作では壁に向かってチャージバブルを吐くと、プレイヤーキャラ自らがバブルの中に入れる「ローリングバブル」が追加された。
        この状態になると壁の反対側にバブルが勢いよく反射し、その先にいる敵を体当たりで倒せる。
    • 「位置チェンジ」
      • 特定のラウンドに存在する「ゴーストバブル」を割ると、プレイヤーキャラのいる位置とは反対画面に上下対称の形で「ゴースト」が出現する。
      • ゴーストはプレイヤーキャラと同じ動きをするが、バブル関係が一切吐けず、やられ判定も全くない。
      • ゴーストが出現している状態で上記の操作を行うと、ゴーストのいる位置にプレイヤーキャラを入れ替える事ができる。
        但し、ゴーストの位置によっては入れ替えができない地形があり、その場合はゴーストの位置を調整する必要がある。
    • 「ファン」
      • ファンが作動する事で一時的にバブルの風向きを変える事ができる。
      • ファンは作動後から5秒後に停止してしまうので、その都度再び操作(息吹きかけ)を行わなければならない。
  • その他の原作との相違点。
    • リメイクだけあってグラフィックやBGM周りが原作よりも華やかになった。
      • また、グラフィックが変更されたアイテムも幾つかある。特にパワーアップ関連のアイテムなどは別物になっている。
    • 残機付きのライフ制を採用しており、ダメージを1回もらっただけではミスにはならなくなった。
      • 初期プレイ時におけるライフ数は「3」、残機数は「2」となっている。
      • ライフ制とはいえダメージ後の無敵時間は短いのでダメージ覚悟のごり押しクリアは危険である。
    • 新地形「トゲ」と「ファン」の追加。
      • ファンに関しては上記の新操作の項参照の事。
      • トゲは触れるとダメージをもらってしまう純粋なる障害物であり、これが多数配置されているラウンドは当然ながら行動範囲が限られてしまう。
    • スペシャルバブルが「ファイヤー」「サンダー」「ウォーター」に加え、「ゴースト」が追加された。
      • ゴーストに関しては上記の新操作の項参照の事。
      • 他3つのスペシャルバブルに関しても原作と大方同じ性能なので詳細は割愛する。
    • 天気の概念。
      • 原作においては一定時間を越えてもラウンドクリアできないでいると、BGMのテンポUPと共に敵の動きが早まり、さらに時間経過で無敵の敵キャラが出現するペナルティがあったが、
        本モードでは幾つか違う形式でのペナルティに変更されている。
      • 敵の動きが早まるところまでは原作同様だが、本モードにおいてはラウンド内の天気に変化が起きる。
      • 最初の段階では天気が曇り、吐いたバブルが早く消えやすくなる。さらに次の段階になると気温低下により地形が凍ってしまい、移動中のプレイヤーキャラが滑りやすくなる。
      • 原作でいうところの永久パターン防止用プレイヤーを追い詰めて殺す無敵キャラは出現しなくなった。その代わりにかつての永久パターン防止キャラだった「すかるもんすた」は倒せる雑魚敵として特定ラウンドに出現する。
    • ボーナスゲームの変更。
      • 原作同様にボーナスゲームに移項できる「扉」が出現するラウンドがあるが、そのボーナスゲームの内容が変更されている。
      • 「上画面にてトゲの付いた地形にバブルが落ちていくので、下画面にあるファンスイッチをタッチペンでタッチしてタイミング良くバブルを上に飛ばしていく」という内容となっている。
      • 制限時間が経過した状態でバブルがトゲに触れずに済めばスコアボーナスが入る。
      • ボーナスゲーム後はそのラウンドが強制クリアになるのは原作と同じである。
    • 「E」「X」「T」「E」「N」「D」バブルは一切出現せず、原作でいうところのエクシテンドクリアはできなくなっている。
  • シークレット情報。
    • 全10ステージ構成の本モードだが、ただクリアするだけではその内の9ステージまでしか進めず、ステージ10(ラウンド91~100)はプレイできない。
      • ステージ10に足を踏み入れるには、それまでのステージ/ラウンドにてある条件を達成しなければならない。ヒントはずばり「」である。
      • また、ステージをすべてクリアすると新たなる世界への道が開かれるが、その辺の紹介は秘密という事でご了承して頂きたい。
  • 対戦プレイのルール。
    • 人数分のDS本体と本ソフトがあれば2~4人までの対戦プレイが可能。
    • 各プレイヤーが「プレイヤーキャラ選択」「制限時間選択」「ステージ選択」を行えばゲームスタート。
    • 操作方法などに関しては原則として一人プレイ時同様で出現する敵を倒す目的となるが、プレイ人数分のプレイヤーキャラが同じステージで勢揃いする形となり、場合によって相手を妨害する事もできる。
    • 制限時間終了後に稼いだスコアが多かったプレイヤーが勝者となる。

CLASSICバージョン

  • 原作を忠実に再現したモード。
    • ゲーム画面が表示されるのは下画面のみで、上画面は常に「BUBBLE BOBBLE」の表示がされるだけでゲーム的な視覚効果はない。
    • まんま原作と同じルールなので、その辺の詳細は割愛する。
    • 二人同時プレイ(下記)や、コマンドによる裏技も再現されている。
    • 最高到達ステージまでのステージセレクトが可能。
  • 操作方法に関して。
    • 原作再現なので十字ボタン/ボタンのみの操作となる。タッチペン関係の操作は無縁となる。
      • 十字ボタン左右でプレイヤーキャラの左右移動。
      • Bボタンでバブル吐き。
      • Aボタンでジャンプ動作。
      • バブルの上でAボタン押しっぱなしか、タイミングよくAボタンを押せば連続ジャンプ。
      • このモードのおける初期状態では画面にすべての表示が収まりきらず、プレイヤーキャラの位置によっては画面が上下にスクロールする仕様となる。
        ゲーム中にてLボタンを押すと、「スクロールさせずに画面すべてに表示を収める ⇒ 初期状態に戻す」という表示の仕方を変更できる。
      • スコア表示がステージ内になるため、Rボタンで消せる。もう一度押せば戻る。
  • 二人同時プレイについて。
    • 環境が整っていれば原作と同じ二人同時プレイが可能。プレイするには二人分のDS本体と本ソフトが必要となる。
    • プレイ感覚は全くもって原作同様なのでこの辺も割愛する。

オプション

  • 「ネーム変更」と「データクリア」の設定ができる。
    • ネーム変更はNEW AGEバージョンとCLASSICバージョンにおける通信プレイ時にて表示するプレイヤーの名前を入力/変更できる。
    • データクリアはそのまんまの意味である。取り扱い注意。

評価点

  • 色々とグレードアップした一面が見られるNEW AGEバージョン。
    • DS相当に進化したグラフィックはなかなか良質であり、バブルンを筆頭とするキャラ達の愛くるしさも倍増している。
    • 原作ではほぼ使い回しだったメインBGMは「同じ土台のBGMを各ステージ毎にアレンジ化」というスタイルで複数の楽曲が用意されている。
    • ゴーストバブルなどの存在により「一見すると無理そうな状況でも、操作の仕方によって勝機が掴める」という、本モードならではのパズル的な攻略法が楽しめる。
    • コンティニューは無制限でラウンドセレクトが可能なので、いちいち最初からやり直す手間が省ける。
      • 但し、ルールの項でも述べたが、全ステージをクリアするには条件を満たした上での攻略が必要な点は忘れてはならない。
    • 『バブルメモリーズ』で登場した溜め撃ちにはローリングバブルが追加されたことによって用途が増え、時代相応に順当に進化した点は評価を得ている。
  • 概ね良移植なCLASSICバージョン。
    • 本ソフトを購入するだけであの名作が思う存分楽しめるのは美味しい。
    • 据え置き機ではすでに『タイトーメモリーズ 上巻』(プレイステーション2)にて原作移植が収録されていたが、携帯機における完全移植としては本作が初の試みである。

問題点

  • 原作からの改悪ともとれるNEW AGEバージョンの変更点。
    • 好意的な観点からみれば良い点もある本モードだが、「どうしてこうなった」と思える程に改悪されている面も少なくない。以下詳細。
    • DSの上下画面ではすべてのゲーム表示がされないので、「敵がどこにいるのか」といった把握がし辛くなっている。
      • それだけならまだしも、「DSの上下画面の繋ぎ目が離れているせいで、状況によっては変な混乱をさせられる」というトンデモ状況に遭遇しやすい。
      • さらにはプレイヤーキャラの移動速度があまり速くなく画面がだだっ広く感じる故に、原作よりももっさり感倍増というオチも付く。
    • いらない操作の押し付け。
      • 一番悪質なのは「ファンの息吹きかけ操作」。何が楽しくて十字ボタン/ボタン操作の2Dアクションプレイ中に息を吹かにゃならんのか。
      • ご丁寧にも「ファンを作動させないと絶対にクリアできないラウンド」も存在し、下手すれば「息切れでゲームどころではなくなる」という訳のわからん疲労感が圧し掛かる。
      • 他にも「ボーナスゲームのタッチペン操作」もいらない要素の一つ。本当にただ数回タッチするだけ終わってしまい、びっくりする位に面白くない有様。
    • バブルの同時割りがやり辛い。
      • 原作では「敵を閉じ込めた大量のバブルを一固めにして一斉に割る」というテクニックが超爽快であったのだが……。
      • 本モードでは何故か風流の勢いが異様に早く、敵を閉じ込めたバブルが拡散しやすい傾向にある為、どうプレイしても原作同様の同時割りが困難になってくる。
      • これのせいで、「ちまちまと少数の敵を閉じ込めて単発で割らざるを得ない」という地味なプレイになりがちである。
    • 他にも「ジャンプの機軸が原作と違い、慣れないうちは悪戦苦闘しがち」「ラウンドによってはトゲが過剰なまでに配置され満足にジャンプができない」などが挙げられる。
  • 若干原作とは違う面があるCLASSICバージョン。
    • 多くのプレイヤーが突っ込むところとしては「BGMが微妙に原作と違う」という点が挙げられる。
      • 「雰囲気自体はそれっぽい音源だが、原作再現としてみると違和感は拭えない」という意見も多い。
      • といっても、あくまでもBGMに関する点であって、ゲームとしての問題点ではないのが救いか。
    • 敵の動きも若干異なる部分がある。102面も出来ないようになった。
  • 誰得通信プレイとその弊害。
    • わざわざ人数分のDS本体と本ソフトを用意してまで、特に熱中度が高い訳でもないNEW AGEバージョンの対戦プレイをしたがるプレイヤー達なんて全国にどれだけいる事やら……。
    • CLASSICバージョンに関しても2つづつのDS本体と本ソフトが必要となる為、原作の肝といえる「二人で協力し合って攻略する楽しみ」をプレイできる環境が限られてしまう。
      • さらには「原作では二人同時プレイでクリアしないと真のエンディングが拝めない」という再現もしっかりされている為、一人プレイではどうあがいても真エンディングに到達できない理不尽さ。
  • 充実のオプション。
    • ネーム変更とデータクリアだけの為にオプションを用意する必要なんてあるのか……。
    • 「難易度や残機数設定」とか「操作方法の設定変更」とか、今時のこの系統のゲームにあるべきものがないのはどうなのか……。

総評

原作は80年代を代表するAC界の名作であり、原作移植込みでリメイクする発想自体は別段悪いものではないが、それにしても原作から乖離しすぎた面が非常に目立つのはいただけない。
NEW AGEバージョンに関しては「原作っぽい別の味付けがされたリメイク」と割り切ってプレイした方が無難といえるレベルである。

結局のところ典型的なダメリメイクに落ち着いてしまった。


余談

  • 実は本作の3年ほど前には同じく初代バブルボブルのリメイク+移植である『バブルボブル OLD&NEW』が同じく任天堂携帯機であるGBAで発売されていた。
    • そちらのNEWバージョンではアーケード版をかなり忠実に再現していたことから、オリジナル尊重リメイクという点ではGBA版の方に軍配が上がっている。
  • 出荷本数自体が少なかったのか、現在では新品の販売価格が定価の2~3倍程にまで高騰している。
    • 中古の販売価格ですら、場合によっては本来の定価より高値で売られている場合が多い。
  • 欧米では本作が『Bubble Bobble Revolution』として発売されたが、パッケージのアートワークが非常に不評だったことで知られている(参考)。
    • 加えて、2006年10月3日に発売された北米版では先行の日本版や欧米版には無かったとんでもない進行不能バグ(ラウンド30にボスが不在でクリア不可)が早々に見つかり回収騒ぎとなった。
      • その後、初期版のカートリッジを郵送した購入者にはお詫びとしてメーカーから修正版交換とともに同時発売の『Rainbow Islands Revolution』(『ニューレインボーアイランド』の北米版)が無償プレゼントされたという。
  • 2006年8月31日には別の『バブルボブル』新作として、マーベラスよりPSPにてオーパス開発の『バブルボブル マジカルタワー大作戦!!』が発売。
    • こちらはなんと18世紀のロンドンを舞台に着ぐるみのバブルン&ボブルン少年が活躍する3Dグラフィックのリブート作品となっており、ジャンルもアクションパズルとなっている等、従来とはかなり別物である。
      さらに、北米版は『Bubble Bobble Evolution』と微妙に本作の上記海外版と似たややこしいタイトルになっている。
    • マーベラスは翌2007年に同じく大幅改変の3Dリブート作品『NEWレインボーアイランド ハーディガーディ大冒険!!』も発売しているが、こちらの海外版も『Rainbow Islands Evolution』とややこしいネーミングである。
  • 海外では2008年2月27日に本作と同じくDSでドリームス開発の『Bubble Bobble Double Shot』という日本未発売の続編(?)が発売されている。
    • 本作『DS』のグラフィック路線を継承しているが、世界観は完全オリジナルで「ある日バブルンとボブルンの兄弟が祖父の家を訪ねたところ、いとこの赤いバブルドラゴンのブブルンと共に宝の地図を発見して一緒に冒険に出かける」というものになっている。*2
    • バブルン(緑)・ボブルン(青)・ブブルン(赤)の3匹を随時切り替えて進行していくが、色付きの敵は対応するバブルでないと倒せないという制約がある。

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最終更新:2024年01月29日 06:34

*1 いずれも本作新規キャラで、ロボットドラゴンの「ロボルン」とピンクドラゴンの「ラブルン」

*2 実際にはそれぞれ北米名のBub・Bob・Bubuだが、ここでは他作品に倣って「ルン」付きの名前とする。