ピクロスDS

【ぴくろすでぃーえす】

ジャンル パズル
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 任天堂
開発元 ジュピター
発売日 2007年1月25日
定価 3,619円(税別)
プレイ人数 1~5人
セーブデータ 1箇所
レーティング CERO:A(全年齢対象)
周辺機器 DS振動カートリッジ対応*1
判定 なし
ポイント マリオ不在のピクロス
シリーズ恒例の安定した面白さ、充実の問題数
操作性に若干の不備あり
タッチゲームの鬼畜難易度
Touch! Generationsシリーズ
ピクロスシリーズリンク


概要

主に90年代中盤にて定期的にリリースされてきたピクロスシリーズの久々の新作であり、2つあるニンテンドーDSソフトにおけるピクロスゲーの筆頭にあたる存在。
歴代のピクロスではマリオがメインキャストとして出演していたキャラクター性の強い作品だったが、本作からはマリオ抜きのキャラクター性を廃したカジュアル路線な作風となっている。
2007年のDSソフトとしては初の『Touch! Generationsシリーズ』に含まれている作品である。

メインは一人プレイ専用。DS本体が複数あればソフト1本でも最大五人までの通信対戦プレイが可能。Wi-Fiによるダウンロードプレイ機能搭載。オートセーブ方式。


主なルール

主なモード

  • ピクロス
    • 本作におけるメインモード。一人プレイ専用。
    • 3つの難易度のいずれかを選択し、総計300問以上の好きな問題をプレイしていく。
  • 今日のピクロス
    • ものの数分で終われる簡易なピクロスがプレイできるモード。一人プレイ専用。
    • 5つのルールの専用ピクロスのいずれかを選択してプレイしていく。
  • マイピクロス
    • オリジナル問題を作成したり、オリジナル問題やダウンロードした問題がプレイできるモード。一人プレイ専用。
    • エディット機能にて自分だけのオリジナル問題を作成/プレイができる。また、下記の「ワイヤレス通信」にて他のプレイヤーと交換した問題をプレイする事もできる。
    • 同じく下記の「Wi-Fi通信」にてダウンロードした、通信相手のオリジナル問題や、過去のピクロスシリーズの問題をプレイできる。
  • ワイヤレス通信
    • 通信機能を用いて対戦プレイをしたり、「マイピクロス」にて作った問題の交換などができるモード。対戦プレイは最大五人プレイが可能。
    • 対戦プレイをするには人数分のDS本体と本ソフトが1本必要となる。
    • 対戦プレイには様々なルールが用意されており、好みのプレイスタイルで対戦が可能。本ページでは対戦に関するルールが割愛する。
    • 他にも「マイピクロス」のエディット機能で作成した問題の交換や、本ソフトを所持していない本体への体験版配布も可能。
  • Wi-Fi通信
    • Wi-Fiにて全国規模のプレイヤーと対戦したり、問題のダウンロードがプレイできるモード。Wi-Fiが繋がっていないとこのモードはプレイできない。
    • 対戦のプレイ方法は「全国にいるプレイヤーを探して対戦」と「フレンドリストに登録したプレイヤーと対戦」に2種類の対戦方法がある。こちらも本ページでは対戦に関するルールが割愛する。
    • フレンドリストに登録したプレイヤーが作成したオリジナル問題や、任天堂が配布している過去のピクロスシリーズの問題の復刻版をダウンロードできる。
  • 設定
    • いわゆるオプションにあたる。
    • 「ピクロス中の操作方法」「振動パック機能のON/OFF」「ステレオ/モノラル切り替え」「デザイン変更」「ゲーム中に表示されるニックネームの入力」「スタッフロール確認」が可能。

総合ルール

  • ピクロス中の操作は「タッチペン操作」「ボタン操作」のどちらかを選択できる。
    + 操作の詳細
    • タッチペン操作の場合、下記ボタン併用の代わりにツールアイコンのタッチで操作を変えることも出来る。
      操作方法 タッチペン操作 ボタン操作
      移動 右かAボタンを押しながらスライド 十字ボタン
      ズーム 左かYボタンを押しながらタッチ Xボタン
      塗りつぶす 上かXボタンを押しながらタッチ Aボタン
      ×印をつける ↓かBボタンを押しながらタッチ Bボタン
  • プレイヤーの好みに合わせて、画面のレイアウトやBGMの変更が可能。但し、レベルによっては選べる素材に制限がある。
  • ピクロスそのもののルールは以下の通り。
    • すべてのピクロスは白黒で構造されたスタンダードなものとなっており、カラーなどの特殊なタイプの問題は非搭載。
    • 問題のマス数は「5 × 5」「10 × 10」「15 × 15」「20 × 20」「20 × 25」の5タイプが用意されている。
    • 問題を始める前に必ず「ヒント機能ON/OFF」の選択が表示される。ヒントをONにすると縦横のマス一列すべての塗りつぶしと×印が付いた状態で問題が始められる。
      • ヒントをONにしてもデメリットは特にないので、すべて自力で解くこだわりがない限りは利用しておきたい。
    • 問題をリタイアしたり、問題中の状況をセーブして次回プレイ時にてその状態で再開できる機能がある。
  • 問題によって以下の2つのルールがある。
    • 「ノーマルルール」
      • 一度塗ったマスは二度と消す事はできない(×印に関しては自由に付け消しは可能)。
      • 間違えた場所にマスを塗るとペナルティとして経過時間のカウントが数分増えてしまい、自動的にそのマスには×印が付けられる。
      • ミス回数によってペナルティの分数は重くなっていく。60分以上かかった場合、そのプレイはクリア扱いにならない。
        マリオのスーパーピクロス』までと違い、減算制から加算制に変更。また、制限時間が実質倍増し、クリアと認められなくてもとりあえず最後まで解いてやり直しに備えるといったことが可能になり、プレイしやすくなった。
        後の『ピクロスeシリーズ』以降でもこのルールが踏襲されている。
    • 「フリールール」
      • ノーマルルールとは違い、時間制限や、塗るマスを間違えた時のペナルティはない。
      • ただし、問題そのものの難易度はノーマルルールのものよりも総じて高め。
        さらに間違いの目安を一切教えてくれないため、解きづらさはノーマルルール以上に高い。
      • 一度塗ったマスや×印は何度でも付け消しが可能。
      • ポーズ中に「?スタート」という項目を選んだ後に塗りつぶし操作を行うと、それを保存するまで選ぶ前の状態に戻せる「試し塗り」ができる。
  • 問題クリア後のご褒美について。
    • 問題をクリアするとそれを解いた最短プレイ時間が表示され、さらには回答に色付けがされたアニメーションが拝めるご褒美がある。
      • 但し、ノーマルルールでは60分未満でクリアする必要がある。

ピクロスのルール

  • 「イージー」「ノーマル」「フリー」のいずれかの難易度を選択してプレイしていく。
    • 「ノーマル」と「フリー」に関しては複数のレベルというカテゴリーに分けられており、レベルが高くなる程にマス数や難易度が増していく。
    • レベルはすべて15問の問題が収録され、それをすべてクリアする事でそのレベルは制覇した事になる。
    • プレイ始めでは選べるレベルに限りがあるが、問題を特定数クリアすれば選択レベルが増していくという仕掛けとなっている。
  • 難易度に関する情報は以下の通り。
    • 「イージー」 - 全15問構成。問題マス数は「5 × 5」と「10 × 10」のノーマルルールのみ。
    • 「ノーマル」 - ノーマルルールの全10レベル構成(150問)。問題マス数は「10 × 10」「15 × 15」「20 × 20」「20 × 25」。
    • 「フリー」 - その名の通りフリールールの全10レベル構成(150問)。問題マス数は「10 × 10」「15 × 15」「20 × 20」「20 × 25」。
    • とある条件を満たすと特殊な隠しレベルが解禁されるが詳細は割愛。
  • 「ノーマル」「フリー」にて特定の問題をクリアすると「タッチゲーム」がプレイできる。
    • タッチゲームはいわゆるボーナスゲームなので、ゲームを進める上で絶対にクリアする必要はない。
    • 操作はすべてタッチペンで行い、ボタンは一切使用しない。
    • 「動くマスをタッチで潰していく」「上画面の絵と同じ絵をスライドで描いていく」「消えるマスをタッチで潰していく」といったタイプのゲームが用意されている。
    • すべてのタッチゲームには制限時間がある。
    • SELECTボタンを押すとタッチゲームをリタイアする事も可能。

毎日ピクロスのルール

  • ミニ問題で構成された5つのルールをプレイしていく。
    • 問題は全て7×7マスで、カタカナ・ひらがな・アクセント付きを含むアルファベット・数字・記号がある。
      • 問題の難易度は非常にばらつきが大きく、「ー」や「¨」など一瞬で解けるものも多い。
    • 従来のピクロス方式に比べると脳トレ系の趣旨が強いルールとなっており、瞬発力、記憶力などが要求される問題が多い。
    • プレイした問題は各ルールにつき「一日一回だけ」の記録がされ、プレイした日の結果が折れ線グラフとして表示される。
      問題のプレイ自体は何度でも可能だが、結果が記録されるのはあくまでもその日の初回のみとなっている。
    • すべてのルールはクリアまでの時間がカウントされる。もちろん、できるだけ速くクリアするのが好ましい。
    • SELECTボタンを押すとゲームをリタイアする事も可能。
  • プレイルールは以下の通り。
    • 「連続早解き」 - 5問。特殊なことは何も無く問題を解くだけ。
    • 「×なし」 - 5問。×印を一切付ける事ができないルール。
    • 「間違い探し」 - 5問。既にほぼ完成しているが塗り間違い・塗り残しのある状態から、上画面に表示された間違って塗られたマスの数と塗り残しているマスを確認し、マスを正しく塗り直していくルール。
      • 数字を見るより、一見して不自然な部分を直していく作業になりがち。
    • 「記憶」 - 1問。20秒間マスの数字が表示され、それが消えた後に表示されていた数字の記憶を頼りに問題を解いていくルール。
      • 単純な問題なら、数字を見て脳内で解きカウント終了後に書き写す速さの勝負。
      • 10秒ごとに1列数字が戻る。(正確には、秒の1の位が0になるたびに。ミスのペナルティで0を飛ばしたら数字は戻らない。)
    • 「シークレット」 - 1問。数字のうち3つが「?」で隠され、その3つの数字が順不同で上画面に表示されている状態で問題を解いていくルール。
      • 普通のピクロスとは一風変わった理詰めが楽しめる。
    • なお、最初のプレイでは「連続早解き」しか選択できないが、回数を重ねると他のルールも選べる様になる。

エディット作成、ダウンロードプレイに関するルール

  • エディット作成
    • 「マイピクロス」のエディット機能にて自分だけの問題を作成できる。
      • 用意されたマス数は「10 × 10」「15 × 15」「20 × 20」のいずれかとなっている。
  • 問題交換、問題ダウンロード
    • Wi-Fiを使って、他プレイヤーがエディットで作成した問題や、任天堂が配布している過去ピクロスの問題をダウンロードしてプレイできる。
    • エディット作成の問題(自作、他プレイヤーからのDL共通)と過去ピクロスの問題はそれぞれ100問づつの保存が可能。
      • 保存した問題を削除する事も可能。保存できる問題数に限りがあるので、削除もやむなしの場合は利用しておきたい。

評価点

  • ピクロスならではの安定した面白さ。
    • 元が完成されたゲームなので、もちろん本作でもその面白さは折り紙付きであり、黙々とプレイしてしまう中毒性を持っている。
    • 携帯機という利点を活かし、「外に出ながら暇の合間にピクロス」というプレイができるのも嬉しいところ。
  • 問題数の豊富さ。
    • モードの「ピクロス」だけでも総収録問題は300問を超え、これだけでも相当なボリューム感を持っている。
    • それに加え、エディット機能やWi-Fiによるダウンロードを用いれば、さらに問題数が増えていくお楽しみが用意されている。
    • 歴代のピクロスシリーズの問題が時代を超えてプレイできてしまうサービスも嬉しいところ。
  • ソフト価格の安さとモードの多さ。
    • 上記の問題数の多さも然る事ながら、通信機能中心の多彩なモードがこれでもかといわんばかりに搭載されている。
      • にもかかわらず、本作の定価は4,000円にも満たないというバリューさは良心的である(標準的なDSソフトより1000円程安い)。この辺は流石任天堂といったところだろうか。
  • 操作性の向上
    • ピクロス1・2・スーパーピクロスからの変更点として、連続で塗っている時×のマスを越えて進めると、そのマスは飛ばして塗ってくれる(同様に×付け中は塗りを飛ばす)ようになった。塗りと×の入り組んだところを塗るとき大変便利である。

賛否両論点

  • マリオ不在の路線変更。
    • 過去のピクロスの経験があるプレイヤーの多くが感じるであろう点。過去作にあったキャラクター性は完全に消え失せている。
      • そもそもピクロスシリーズの元祖は『マリオのピクロス』であり、その後も多くのシリーズ作品にはマリオが登場するのが恒例であったので、この路線変更を否定的に見るプレイヤーは少なくない。
      • 当時の任天堂は「万人向けのゲームをアピールしたい」という意欲を見せていた故の路線変更なのかもしれない。
    • とはいえ、本作のデザインセンスは決して悪い訳ではない。
      • 「これはこれでスタイリッシュなカジュアル感があっていい」「マリオがいなくてもピクロスというゲームが面白い事を証明している」と好意的に見るプレイヤーも少なくないのもまた事実。

問題点

  • 画面の見辛さ。
    • これは本作の問題というよりはハードの仕様上の問題だが、マスが小ぢんまりとしていて目が痛くなってくる。
      • マスのサイズが縮小化する「15 × 15」マス以上においては顕著になり、マス位置の把握が段々と困難になってくる。
      • レビューサイトで多く目に付く問題点がこれであり、この辺は携帯機の限界を感じてしまうところ。
      • なおDSi LL(3DS LL)でのプレイでは幾分か改善されると思われるが、それでも据え置き機の快適さには程遠いレベル。
  • 試し塗り操作のUIの悪さ
    • 試し塗りを起動するには、Start押下、「?スタート」、「はい」の3段階の操作を、無駄な1秒ほどのアニメーションをしながら出てくるメニューから選択しなければならない。
    • 試し塗りを終了する時も同じく、Start押下、「?エンド」、「反映して終了」or「反映せずに終了」の3動作。
    • ボタンはいくらでも余っているのに。
    • せめてアニメーションを無くし、取り返しのつかない動作でもないのに確認してくる無駄を無くし、反映・反映せずの選択を「?エンド」の階層で行えればまだ印象は違ったものを。
  • タッチペン操作のし辛さ。
    • タッチペンの感知自体はむしろ快適でパズル雑誌感覚での操作が可能だが、マスの数が多くなるにつれ一気に操作が苦行の粋となってくる。
      • 上記にも述べた通り「15 × 15」マス以上になるとマスのサイズが縮小化するので、タッチペンで目的のマスに塗るのが感覚的に難しくなる。
      • それに対する救済処置として操作時はマスの拡大化がなされるが、今度はすべてのマスが一画面に収まりきらず、ただでさえ把握が困難なマス位置が深刻な程に訳が分からなくなるという悪循環を生む。
      • 「拡大化もできる」ならまだしも、15×15以上は拡大が強制である。一方3DSのピクロスeシリーズでは画面サイズにさほど違いがないにもかかわらず最大の20×15でも原寸での操作である。
      • レビューサイトで多く目に付く問題点のもう一つがこれであり、「タッチペンは悪くないがプレイ環境が…」と惜しむプレイヤーは数多い。
    • なお、タッチペン操作でないとゲームをプレイすることができないというわけではないため、ボタン操作でプレイを固定すれば操作性に関しては格別に問題はないだろう。
  • タッチゲームの鬼畜難易度。
    • モードの「ピクロス」で発生するタッチゲームの難易度がおかしい位に高く、もはやボーナスゲームどころかストレスゲームの粋に達している。
      • 具体的な難易度上昇の要因は「制限時間がシビアすぎる」「何故かこのゲームではタッチペンの感度が異様に悪い」「コンマ1秒クラスの的確な操作が要求される」といった理由が挙げられる。
      • レビューサイトでもこの辺を突っ込むプレイヤーは多く、「ピクロス本編よりもこっちの方が断トツで難しい」とまで云わしめる程に凶悪な存在となっている。
    • といっても、あくまでもボーナスゲームなので無理にプレイする必要ではないのが救い。
  • 問題のバリエーションに乏しい
    • ロジックパズル雑誌にあるようなカラー問題や縦横50~100マスクラスの問題が本作にはない。
      • とはいえ携帯機でのプレイを考慮すればこの点は仕方ない面ではある。

総評

ピクロスシリーズの中でも決して劣っていない完成度の高さを持ちつつもボリューム感もあり、手堅い完成度の佳作といえる作品であろう。
しかし、ゲーム性そのものは完成されたものであるため面白さ自体は決して劣らぬ反面、「ジャンルやハードにおける仕様上の問題」や「ノンキャラクター路線の賛否」といった気になる面もあり、それらの面を含めた場合に「まごうことなき良作である」とは言い切れないところがあるのも事実で、惜しいところである。


その後の展開

  • 後に本作の路線を引き継いだ次回作『ピクロスeシリーズ』がニンテンドー3DSのダウンロードソフトとしてリリースされた。
    • 詳しくはリンク先を参照。
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  • 2007年

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最終更新:2022年12月23日 17:02

*1 GBAカートリッジが搭載されているDS本体(初代DS及びDSLite)のみ使用可能。