マジカルザウルスツアー
【まじかるざうるすつあー】
ジャンル
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データベース
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対応機種
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PCエンジン CD-ROM2
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発売元
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ビクター音楽産業
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発売日
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1990年8月24日
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定価
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8,700円
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判定
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なし
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ポイント
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恐竜の情報を網羅したデータベースソフト データベースとしての作りは雑だが製作愛は感じられる
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概要
1990年にてビクター音楽産業からリリースされたPCエンジン CD-ROM2向けソフト。
ジャンルとしてはゲーム性が一切存在しないデータベースソフトに該当する。CD-ROM2ならではの大容量を駆使した、当時としては莫大な情報網が収録されている事を売りにしていた。
データベースソフトに対してプレイ人数という表記は変かもしれないが、形式上でいうならば一人プレイ専用である。
特徴
主なルール
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概要でも述べた通り、本作はデータベースソフトであり「ゲーム的な要素」は一切存在しない。
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ディスクを起動させるとオープニングが流れた後にタイトル画面が表示される。なお、OPは何かのボタンを押せばスキップ可能で即タイトル画面に移項する事もできる。
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タイトル画面でRUNボタンを押せば7つの項目が表示されたメニュー画面に移項するので、好きな項目を選択して恐竜に関するデータやアニメーションなどを鑑賞していく。
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項目の内容によっては大御所声優である銀河万丈氏によるナレーションや、何故か人間語が話せる恐竜「ロロくん」(CV:皆口裕子氏)が解説役としてボイスで喋ってくれる演出がある。
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選べる項目は以下の7つ。
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「ガイダンス」
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「ロロくんからのご挨拶と恐竜に関する軽い知識紹介(ガイダンス)」「各項目の説明(MENUの説明)」「操作方法(HELP)」の3つの項目を選んで鑑賞できる。
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「マジカルザウルスツアーモード」
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対象の恐竜が活動していたと思われし時代と舞台を選択するとパノラマ画面に移項する。そこに表示された恐竜をカーソルに合わせてボタンを押せばその恐竜のデータが鑑賞できる。
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選んだ恐竜によってはアニメーションしたり、ロロくんによるボイス解説が入ったりするものもある(全ての恐竜には対応していない)。
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「ネームインデックスモード」
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恐竜の名称をアイウエオ~順による頭文字から検索し、その恐竜のデータを鑑賞できる。
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「系統樹モード」
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系統樹による恐竜の進化が示された画面に移項する。系統樹によって分けられた恐竜をカーソルに合わせてボタンを押せば、その恐竜のデータが鑑賞できる。
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「ページめくりモード」
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本の辞書風の画面に移項する。そこから調べたい恐竜の分類項目などを選択していくと、その恐竜のデータが鑑賞できる。
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「バラエティボックス」
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「エンディング」
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銀河万丈氏によるナレーションにのせてエンディングとスタッフロールが流れる。また、恐竜絶滅に関する情報を鑑賞できる一面も併せ持つ。
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軽い操作方法の紹介。
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各項目中にRUNボタンを押せば即メニュー画面に戻れる。
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十字キーで項目やカーソルの移動。Iボタンで項目などの決定。IIボタンで項目などのキャンセル。
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SELECTボタンはゲームリセット(RUNボタンと同時押し)以外では使用しない。
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選べない項目でボタンなどを押すと、エラー音が鳴り選択できない事を教えてくれる。
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その他色々。
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本作はバックアップに一切対応していない。
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PCE本体の仕様の関係上、実際のデータとは違う文字が代用されていたり、恐竜の絵の大きさに多少のアレンジが加えられている箇所がある。
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これは説明書内でも「おことわり」として表記されており、決して誤植や誤記の類ではない。
評価点
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当時としては情報網が凄い作品だった。
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ジャケット裏には、本作の売りを以下の通りにアピールされている。
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「マジカルザウルスツアーモード」のパノラマ画面20種類。パノラマ画面は最大6スクロール分。出演恐竜は150種類、うち60種類はアニメーションする。
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恐竜のデータは総計160種類、そのすべてに恐竜の絵と情報を交えた大紹介がされている。
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豪華な音楽がデータ鑑賞を盛り上げてくれる他、銀河万丈氏やロロくん(皆口裕子氏)によるボイス付き。
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今となっては「その位で大きな売りといえるのか?」と思われる方もいるかもしれないが、本作がリリースされた時代的に考えると相当の情報網を搭載した作品だったのは揺るぎもない事実である。
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幾らかの問題点はともかく、スタッフの製作愛は深く感じる。
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上記の通り、データベースとしての収録網は本物で、CD-ROM2の大容量をふんだんに利用して作られている。
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各恐竜の絵の画質はPCEというハードスペックもあってあまり凄いものではないが、それでも各恐竜の特徴はちゃんと描かれている。
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声優陣によるボイスは「堅苦しさ抜きでプレイヤーに恐竜について知ってもらおう」という優しくも的確な語り口で喋ってくれる。
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「エンディング」では絶滅する恐竜の絵ともの悲しいBGMをバックに銀河万丈氏のナレーションが流され、その最後に…
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「種としての恐竜は確かに絶滅した。しかし恐竜は生きている。…我々の心の中で恐竜は今も生き続けているのである。」
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という発言で締められてスタッフロールが流れる。この発言から察するに、いかに本作のスタッフは恐竜に深い愛を持っているのかが実感できる。
問題点
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データベースとして見るとあまり快適性のあるものとはいえない。
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何かの項目を選ぶ度にロードが入る為にテンポがよろしくなく、その結果「何をするにも待たされる」という問題を抱えていた。
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ディスクハード故の問題ともいえるが、それでも当時のCD-ROMソフトの幾らかはロードを抑えていた作品があった事を考えるともうちょっと頑張って欲しかった気もする。
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ロード以外でもカーソルの移動速度がとろく、この辺ももっさり感に一役買っている有様となっている。
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音関係に関しても微妙な点がちらほら。
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声優陣によるボイスに関しては、音質が悪くせっかくの各氏の声がクリアに聞こえないという問題もある。
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ベテラン声優が演じているだけあって声そのものは上質なのだが、音質のせいでごもごもとした喋り口に聞こえてしまうのが残念。
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また、BGMの音量が大きめでボイスがかき消されやすいといった不備もある。
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豪華な音楽と謳っている割には、その多くはPCE本体からの内蔵音源である。
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ただ、これに関してはボイス演出が深く絡む性質上止むを得ない事情があったと思われる。
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しかし、その内蔵音源のクオリティは作中の雰囲気にマッチした良曲揃いであり、決して曲そのものがアレな訳ではない。
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CD音源は楽曲が少ないもののこちらも良曲揃いである。特にスタッフロールの曲は下記のエンディングの締め方も相まって心に染みる。
総評
データベースソフトとしては決して優れている出来とはいい難いが、スタッフの熱意が多く詰まったその内容は大きく評価できるのではないだろうか。
なお、恐竜の歴史学は常に変化しており、1990年リリースの本作における説明と今の定説では情報に差異がある面も少なくない。今からプレイする場合その辺は考慮するべきである。
最終更新:2023年03月06日 22:21