北斗の拳 ~北斗神拳伝承者の道~

【ほくとのけん ほくとしんけんでんしょうしゃのみち】

ジャンル 秘孔突きタッチアクション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 1024MbitDSカード
発売・開発元 スパイク
発売日 2008年2月14日
価格 5,040円(税込)
判定 なし
ポイント デジタルコミック風秘孔アクション
端折られすぎた原作ストーリー
劣悪ななぞり判定
北斗の拳シリーズリンク


概要

説明不要の人気コミック『北斗の拳』を題材としたゲームの一つ。ニンテンドーDSのタッチペン操作を活かしたアクションゲームとなっている。
原作の漫画を着色したコマが多く取り入れられ、漫画を読む感覚でプレイできる事や、アニメ版のボイスキャストを務めた神谷明、内海賢二、千葉繁、各氏によるボイスを収録している事を売りとしている。
ストーリーは原作でいうところの「ケンシロウとラオウとの決着エピソード」までを収録している。なお、漫画基準なのでアニメオリジナルの設定などは一切存在しない。

主なモード

  • 北斗神拳伝承者の道
    • 本作のメインモードに該当する。一人プレイ専用。
    • 原作漫画を再現したエピソードが全部で22話(ステージ)収録されている。
      • ゲーム開始時は第1話しか選べないが、話をクリアするなどして条件を満たせば選べる話が増えていく仕掛け。ステージセレクト制で選べる話ならば好きなものからプレイする事が可能。
      • 話をクリアすると下記のモード全般の隠し要素が幾つか解禁されていく。
    • 収録されている話は以下のリストの通り。
      • 各話には「ケンシロウ編」「レイ編」「ラオウ編」の各視点があり、話によってそのキャラの視点でストーリーが進んでいく。
話数 タイトル 主人公
第1話 心の叫び ケンシロウ
第2話 サザンクロス!!
第3話 ゴッドランド
第4話 地獄の果てまで
第5話 牙一族
第6話 オレの名前をいってみろ!
第7話 偽りの天才!
第8話 鬼の哭く街!
第9話 凶星炸裂
第10話 南斗の漢! レイ
第11話 義星の宿命!
第12話 妖星の赤き牙
第13話 狂乱の南斗 ケンシロウ
第14話 愛深きゆえに!
第15話 天を目指して! ラオウ
第16話 宿命の強敵!
第17話 悲しき魔狼! ケンシロウ
第18話 五車星現る! ラオウ
第19話 魔王への生贄
第20話 南斗最後の将! ケンシロウ
第21話 さらば強敵よ!
第22話 生涯無悔! ラオウ
  • 秘孔突き対戦
    • 主要キャラ10人から好きなキャラを選び、対戦するモード。二人対戦プレイ専用。
    • このモードをプレイするには人数分のDS本体と本ソフトが必要となる。
    • 以下のキャラが使用可能。但し、ほとんどのキャラは隠し扱いとなっており、「北斗神拳伝承者の道」をやり込まないと全員は使用できない。
      • 「ケンシロウ」「ジャギ」「トキ」「ラオウ」「アミバ」「シン」「レイ」「ユダ」「シュウ」「サウザー」
  • 北斗百裂問
    • 北斗の拳にまつわるクイズに答えるモード。一人プレイ専用。
    • すべて北斗がらみの問題であり、一部の問題や回答選択肢には原作のコマがそのまま表示されている場面がある。
  • キャラクター図鑑
    • 北斗の拳の主要キャラの紹介記事やイラスト、名セリフを鑑賞できるモード。
      • 一部のセリフにはボイスが収録されており、それを聞く事もできる。
    • 「北斗神拳伝承者の道」をやり込めば選べる項目が増えていく。
  • 名台詞カード
    • 原作の名シーンのコマを鑑賞できるモード。
      • 一部のコマにはボイスが収録されており、それを聞く事もできる。
    • 「北斗神拳伝承者の道」をやり込めば選べる項目が増えていく。

主なルール

北斗神拳伝承者の道

  • このモードのゲーム性を大まかにいうならばQTEである
    • 話を選ぶと自動的にコマが進み、主に戦闘シーンにて発生する指定された数々のアクションをこなしてかなければならない。
      アクションの操作はすべて下画面で行い、そのほとんどはタッチペンでの操作で行う事になる。
    • アクションの結果は「完璧(PERFECT)」「成功(GREAT)」「失敗(MISS)」の3つの判定に分けられる。
      • 失敗判定になってしまうと前のコマに戻され、同じアクションをやり直すハメになってしまう*1
      • 各アクションには制限時間が設けられており、アクションをこなせずに時間がなくなると失敗判定になってしまう。
      • 上画面には北斗七星型のライフゲージがあり、失敗する度に星の輝きが失われていく。これが完全に尽きると強制的にその話は終了(ゲームオーバー)となってしまう。
    • 操作をミスせずに順調にアクションをこなすと、上画面に「コンボ(連撃数)」表示がされ、操作ミスするかステージを終えない限りはコンボが溜まり続ける。
    • ライフゲージが残った状態で話を終えるとステージクリアとなり、その後は結果発表画面(下記)に移項する。
  • 主なアクションは以下の操作がある。
    • 「こする」
      • アイコンが表示されるので、それを矢印に沿って指定回数分タッチペンでこすっていく。
      • こする位置がずれていると、コンボは途切れてしまうが直接失敗判定になる事はない。
    • 「突く」
      • 丸いアイコンが表示されるので、それを軽くタッチペンで突いていく。
      • 突く位置がずれていると、コンボは途切れてしまうが直接失敗判定になる事はない。
      • アクションによっては「数字で表示されたアイコンを順番に突く」必要のあるものがあり、数字順番を誤って突くと即失敗判定になってしまう。
      • 他にも「同じアイコンを指定回数分突く」「丸アイコンではない何かの対象物(衝撃波など)を突く」アクションがある。
      • キャラの関係上、ケンシロウ編やラオウ編のエピソードにて頻発するアクションとなっている。
    • 「切る」
      • アイコンが表示されるので、それを直線にタッチペンで素早くなぞっていく。
      • なぞる位置がずれていると、コンボは途切れてしまうが直接失敗判定になる事はない。
      • キャラの関係上、レイ編のエピソードにて頻発するアクションとなっている。
    • 「なぞる」
      • アイコンが表示されるので、それを矢印に沿ってタッチペンでなぞっていく。
      • なぞる位置がずれていると、即失敗判定になってしまう。
      • アクションによっては、「かなり変則的で長い矢印」のなぞりを要求されるものがある。
    • 「タイミング」
      • 画面中央に小刻みに動くパワーゲージが表示されるので、それが最大になった状態でタイミング良くタッチペンで突いていく。
      • パワーゲージが溜まりきっていない状態で突いてしまうと、即失敗判定になってしまう。
      • 他にも「ぶれるコマが停止した瞬間にタイミング良く突く」アクションがある。
    • 「連打」
      • 画面中央にパワーゲージが表示されるので、それの右側にあるアイコンをタッチペンで連打突きしてゲージを溜めていく。
      • 連打スピードが遅いと、制限時間オーバーで失敗判定になってしまう。
    • 「吹く」
      • ひたすらに画面に息を吹きかけていく。
      • 息の吹きかけが弱いと、制限時間オーバーで失敗判定になってしまう。
    • 「選択」
      • 3つの選択肢が表示されるので、その状況に合った適任な選択をタッチペンで突いていく。
      • 間違った選択肢を選んでしまうと失敗判定になってしまう。
      • このアクションでは判定の成否に関わらず、前のコマに戻されるペナルティはない。
      • 戦闘の決め場にて発生しやすいアクションとなっている。
  • 話をクリアすると結果発表画面に移項する。
    • 結果発表画面では、「その話における完璧、成功、失敗の判定数」「最大コンボ数」「ランク」が表示される。
      • 結果の状況により良い順から「S・A・B・C・D」のランクが決まる。もちろんやり込み目的ならばすべてのステージをSランクで埋め尽くしておきたいところ。
      • 結果発表画面とランクはデータの記録され、話数選択時にて各話別でいつでも確認が可能。1つの話につき保存できる成績記録は1つまでであり、ランクが高い好成績が上書きされる。
    • ランクが高い程、他のモードにて解禁できる項目が多く追加される。逆にいえば、低いランクでは解禁項目が少なくなってしまう事を意味する。
      • 他の話にて高いランクを記録しないと、一切の選択ができない話が存在する為、ただクリアするだけではすべての話が選べない点に注意されたし。
  • 一度クリアした話を再プレイすると、LかRボタンでアクション以外のコマを高速スキップできる。
    • これにより、再プレイ時にて同じイベントのコマを見せられる負担が軽減できる。
    • あくまでも「その話をクリア」しないとスキップは機能しない。よって、クリアできずにゲームオーバーになっただけではスキップ不可なので注意。

秘孔突き対戦

  • 歴戦の漢になりきって対戦を行う。
    • プレイできる環境が整った状態でモードを選び、以下の前準備をする。
      • まずは「先攻」か「後攻」かのを選択する。
      • 次に好きなキャラを選択する。
      • 複数のマスで分けられたキャラの一枚絵が表示されるので、その内の5つのマスを選択する。このマスが自キャラの秘孔位置となる。
      • 以上の項目をすべて選ぶと試合開始。
    • ターン制にて相手の秘孔を突き、相手のライフを0にすれば勝利となるルール。
      • 前準備にて先攻を選んだ側からのターンとなり、それを終えると相手側のターンに移行、以後は決着が付くまで同じ順番の繰り返しとなる。
      • プレイヤーの上画面に自キャラが、下画面に相手キャラの一枚絵がマスと一緒に表示される。
      • ターン側のプレイヤーは下画面の相手キャラのマスをどれが1つタッチペンで突いていく。
        試合開始時では相手の秘孔位置が全く見えず、勘を頼りに秘孔と思われしマスを突かなければならない。
        見事相手の秘孔を突けば相手のライフゲージを20%減らせ、もう一回連続でマスを突くチャンスを得られる。
        逆に秘孔ではないマスを突いてしまうとプレイヤー側のライフゲージが5%減らされ、相手のターンに移行してしまう。
        また、制限時間が設けられており、マスを突かないまま放置してしまうと強制的に相手ターンに移行してしまう。
      • マスを突く以外にも、「奥義」という特殊行動が用意されており、画面端の専用アイコンを突いてそれを使用すれば何かしらの特殊効力*2が発動する。
        奥義には使用回数があり、ここぞという状況で使うのが好ましいと思われる。また、使用キャラによって奥義の効力に相違がある。
      • 突いたマスには何かしらの印が表示され、以後そのマスは突けなくなる。
        秘孔マスは「◎」、秘孔マスが上下左右に接するマスは「△」、何もないマスは「×」の印が付く。
        「△」マスをヒントに秘孔マスがどこにあるのかをある程度推理できるので活用しておきたいところ。
    • 要はこのモードのゲーム性を大まかに言うなら「海戦ゲーム」である。

北斗百裂問

  • ジャギ様が北斗の拳に関わるカルトクイズを出題してくるので、それを答えていく。
    • モード選択後に以下の出題方法が選べるので、プレイしたいものを選んでゲームスタート。
      • 「北斗十裂問」…クイズが10問出題される。クイズは必ず最後までプレイ可能。
      • 「北斗五十裂問」…クイズが50問出題される。クイズは必ず最後までプレイ可能。
      • 「北斗百裂問」…クイズが100問出題される。クイズは必ず最後までプレイ可能。
      • 「北斗百問組手」…クイズが100問出題される。1回でも回答をミスするとゲームオーバー。
    • どの出題方法もタッチペン操作による四択回答制のクイズ形式となっている。
    • 各問題には制限時間が設けられており、答えられないまま時間がなくなると不正解扱いとなってしまう。
    • 各出題方法の結果は「正解回数と経過した時間」がベスト3まで記録される。

評価点

  • 「北斗神拳伝承者の道」では原作の絵柄でストーリーを楽しめ、ケンシロウ達の視線で戦っている「なりきり感」が多く詰まっている。
    • 原作漫画のコマを着色してそのまま使用しているだけあって、絵のクオリティは極めて高く、原哲夫先生の画力の高さが再確認できる。
    • 各コマのカットインの演出も絶妙に組み合わされており、静止画のコマでありながら映像作品を鑑賞している感覚でプレイできる。
    • 「シンに十字型の秘孔を突くケンシロウ」「敵の体を様々な方向で切り裂くレイ」など、各アクションはコマの絵になぞったものが多く、ケンシロウ達になりきる戦い方が堪能できる。
  • 余計な演出が少なく、テンポ良くゲームが進められる。
    • 「北斗神拳伝承者の道」における1話あたりのプレイ時間は約5~10分程であり、割と短時間でゲームが楽しめる様に作られている。
      • 高速スキップを使用すればさらにプレイ時間は短縮でき、過剰にプレイ時間を長引かせずに済む。
  • メイン以外のモードの種類もそこそこ豊富。
    • 「秘孔突き対戦」は「推理力と直感で相手の秘孔を突く」面白さがあり、これもなりきり感が強いものとなっている。
      • なんか、シンなどの南斗側のキャラが秘孔突きを行うのは違和感があるが、その辺は気にしてはいけないのだろう。
    • 「北斗百裂問」は北斗の拳ファンならば知ってて当然レベルの難易度で、自身の北斗マニア度が測れる。
    • その他、原作の軽いデータベースといえる「キャラクター図鑑」「名セリフカード」も収録され、ちゃんとファン向けに作られている。

問題点

  • 「北斗神拳伝承者の道」におけるストーリー描写の端折り具合。
    • テンポ重視故の障害か、はたまたDSソフトの容量の問題なのかは不明だが、原作の重大なストーリー描写が半分以上カットされている
    • もはや「原作の知識がないとキャラのやり取りの意図が意味不明」なシーンが多く、原作未読者にとっては「何が起こってるんだ?」と疑問符が付く事は必至だと思われる。
    • 一例としては以下の通り。
      • 第2話の対シン戦にて、ケンシロウがシンの墓前で「同じ女を愛した男だから」というセリフがあるが、
        原作における「何でそんな奴の墓を建ててやるんだよ?」のバットのセリフがカットされた影響で、ケンシロウが独り言をつぶやいているようにしか聞こえない
      • 第4話の対ジャッカル戦にて、ケンシロウがジャッカルを追い詰めデビルリバースと対決する前の、
        原作における「過去700人を殺し、死刑執行されること13回」の説明がカットされた影響で、デビルリバースがどういう存在でどのくらい強いのかが伝わってこない
      • 第7話の対アミバ様戦にて、原作におけるアミバ様がトキに成りすました経緯の描写がカットされた影響で、
        自己流北斗神拳を習得した理由が語られず、アミバ様がただのその辺にいる悪党と大差ない存在にしか見えない
    • 歴代の北斗ゲーでもストーリーが端折られる事は多々あるが、それはさほどストーリー性が重要視されないジャンルであったり、エピソードは短いながらもその分の描写を多く詰めたものが大半である。
      • しかし、本作の場合は明らかに原作漫画のコマを多く取り入れてストーリー性を重視した作りであり、端折っていい理由はどこにもないはずである。
  • 「北斗神拳伝承者の道」におけるゲームとしての単調さ。
    • 所詮はQTEなので何回同じ話をプレイしようがやるアクションはほぼ同じ。はっきり言って飽きやすい。
    • 各話のアクションも似たようなものが大半を占め、悪く言ってしまえば事務的、作業的な操作を要求される内容となってしまっている。
    • 原作通りになりきって楽しめるのは初回プレイだけで、連続でプレイしようものなら「同じコマで同じアクションの繰り返し」という変化のない作業を強いられる事になる。
  • 「北斗神拳伝承者の道」における、なぞり系操作の劣悪さ。
    • 「切る」「なぞる」関連のアクションの判定がかなり曖昧らしく、どう見てもちゃんとなぞっているのに理解不能な操作ミスに陥る事態を連発してしまいやすい
      • 特に「切る」アクションが頻繁に発生するレイ編の話(第10~12話)は他の話よりもクリアが劇的に難しく、レイ編全般に殺意を覚える気分になること請け合い。
    • ちなみにレビューサイトによると、「DSi LL本体でプレイすれば、画面が大きい分なぞりやすさは改善する」との事。
      • 逆に言えば、それ以外のDSか3DSのハードでのプレイはお勧めできないという事になってしまうが…。
  • 素材の流用が多すぎる。
    • 「北斗神拳伝承者の道」にて雑魚敵が襲い掛かるコマにボイスが入る演出があるが、どの話でプレイしようがどいつも同じボイスしか喋らない。
      • ちなみに、「北斗百裂問」の問題出題時に入るボイス演出もこの雑魚ボイスの流用。出題者はジャギ様なのに…
    • BGMの使い回しが多く、違う話で同じ楽曲が流されるのは当たり前状態。本気で指で数えるくらいしか楽曲が用意されていない。
      • 幸いな事に曲自体は画像の雰囲気に合っている楽曲で、自然とゲーム内に馴染んでいる。
  • その他のモードにも詰めの甘さが多い。
    • 「秘孔突き対戦」はプレイバリエーションが大して多くないので、連続でプレイすると飽きる恐れがある。
      • しかも「DS本体と本ソフトの2つずつが必要」なので、プレイできる環境が限られてしまう。
    • 「北斗百裂問」は問題の数が少なく、軽くプレイするだけでも同じ問題が被りまくる。
      • この問題はクイズゲーム全般に言える事ではあるが、北斗の拳関連しか問題がない本作においては、より顕著になってしまっている。
    • 「キャラクター図鑑」は情報量が薄く、わざわざゲームを買ってまで鑑賞するものではない。
      • 北斗の拳のデータベースを見たければ、北斗関連のファンサイトかwikipediaを参考にするほうがよっぽど有意義である。
    • 「名台詞カード」は絵柄は上質なものの、絵の枚数が少なすぎる。
      • こっちもラオウ対決までが収録された原作コミックを全買いすれば事足りる訳で…。
  • 中途半端な暴力描写
    • 北斗ゲーの一角でありながら、本作は「CERO A」指定である。
      • 原作自らが「バイオレンスアクション」と銘打っている作品であり、その非現実的な暴力描写もまた原作の魅力の一つであるのは有名であろう。
      • A指定である以上、あまり残酷なシーンは入れられない事情もあったのか、「北斗神拳伝承者の道」にて雑魚敵などが死ぬ描写はコマがガラスの様に砕ける、もしくはコマが切り裂かれる演出に収まっており、
        原作における血をぶちまけて惨殺死する絵のコマはほぼカットされている

        これにより、一体どういう状況で雑魚敵らがケンシロウ達に殺されているのかという描写が確認できなくなり、そのソフトな演出で想像するしかなくなってしまった。
      • しかし、これだけならまだ「A指定だから仕方がない」で収められるところだが…。
    • 明らかにA指定では済まされない残酷シーンが数多い。
      • 確かに雑魚敵らが惨殺されるシーンはカットされているが、それ以外の暴力描写の多くは忠実に再現されている。
        具体的には「ケンシロウや他の主要キャラ達が血が噴き出すコマ*3」「刺殺されるコマ」「体位があり得ない方向に曲がるコマ」などが挙げられる。
      • 果たしてこれだけの残酷シーンを入れておいて、雑魚の惨殺死をカットしただけでA指定で済むものなのだろうか?
    • 暴力描写を入れるならばA指定にする意味はなく、A指定にするならばわざわざ北斗の拳のゲーム化する必要もない訳で、一体スタッフは何を思って本作を開発したのかがいまいちわからない…。
  • ボイスの問題
    • ボイス数は少なく、そういう方面ではあまり魅力的な存在ではない。
      • アニメ版のボイスキャストを起用している事を売りにしているが、その少ないボイス数故にわざわざ売りにする程のものかといえばかなり疑問だ。
      • キャラが喋るのは限られた決め台詞くらいしかないので、間違ってもボイスドラマ仕立てな作風は期待してはいけない。
    • 神谷氏が経年もあり、ケンシロンの声を出せていない。
      • 「声が優しすぎてケンシロウらしくない」「ケンシロウ独特のドスの聞いた語り口が感じられない」という批判が多い。
      • 本作の4年前にリリースされた、セガエイジス版『北斗の拳』(プレイステーション2)でも神谷氏の声が「似てない」と不評だった。
    • ケンシロウ以外でも、主要声優陣の声がアニメ版とあまり似ていない。

総評

「漫画を読む感覚でゲームできる」その発想は良いが、「原作描写の大幅カット」「ゲーム自体が飽きやすい」といった問題点が多く、「素材はいいのに出来が芳しくない」というべき作品になっている。
このゲームをプレイする際は「原作の前知識をある程度持っている」事が前提だと思われる。前知識がないと、何が面白いのかが分からない恐れも十分に考えられるので要注意。


余談

  • 一部のボイスキャストはアニメ版と違う人が担当している。
    • すでに亡くなられた塩沢兼人氏は当然起用できないので、レイ役は別人が演じている。
      • これに関しては「塩沢ボイスに結構似ている」「何か違う」と意見が二分割しやすいようだ。
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最終更新:2021年11月28日 18:22

*1 但し、一部のアクションは例外で、判定に関わらず次のコマに進める場面もある。

*2 1ターンで3回マスが突ける、1回の突きで周辺にある複数のマスを同時に突けるなど。

*3 血の噴き方は「軽く出血」程度のものから「致死量クラスの大出血」なものまで様々な描写がある。