陸海空 最前線

【りくかいくう さいぜんせん】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼動開始日 1986年
判定 なし
ポイント タイトー版『戦場の狼
陸海空のすべてがステージ舞台


概要

  • 1986年にてタイトーからアーケードにリリースされた縦スクロールアクションシューティングゲーム。
  • 最強の軍人であるサージ軍曹を操作し、様々な乗り物を利用しながらも大量の敵が待ち構える要塞に突入するというストーリー設定。
  • 1~2人交互プレイ可能。全8ステージ構成*1の周回ループ制。

主なルール

  • サージ軍曹(以下軍曹)を操作し、任意スクロールでステージを進めていく。
    • 雑魚敵には「人型」と「乗り物型」の2種類の敵が存在する。原則として雑魚敵は場所を問わず無限に沸いてくる。
    • スクロールは前進のみで、後退は一切できない。
  • 使用コントローラーはレバーと2ボタンを使用。レバーにて軍曹(乗り物)の八方向移動と攻撃の向き調整、ボタンは各自、ショットボタンと手榴弾ボタンに使用する。
    • 移動はショット向き調整と併用操作なので、それをわきまえたプレイが重要となる。なお、向きの固定操作は本作には存在しない。
    • 軍曹単体状態では、ショットボタンにて「メインショット」を撃つ。連射可能だが射程制限が限られ、乗り物系の敵には一切のダメージがあたえられない(人型の敵しか倒せない)。
      手榴弾ボタンにて同じく軍曹の向き前方に「手榴弾」を放つ。射程制限が限られ攻撃が当て辛いが、人型と乗り物系の敵の双方を倒せる性能を持つ。
      • メインショット、手榴弾共に回数制限はなく、無限に放つ事が可能。
    • 軍曹が乗り物に接触した状態で手榴弾ボタンを押せばそれに乗り込む事ができる。
      また、乗り物に乗っている最中にて手榴弾ボタンを押せば、乗り物から離脱して軍曹単体状態に戻れる。
      乗り物に関しては下記参照。
      • 乗り物状態では手榴弾ボタンが乗り物の乗り降りに使用される為、攻撃手段はショットボタンのみの操作となる。
  • ステージには「乗り物」が置かれている場面があり、軍曹がそれに触れて乗る事で性能の強化を図る事ができる。
    • 乗り物状態ではメインショットしか撃てなくなるが、軍曹単体状態とは違い、人型と乗り物型の敵すべてを破壊できる性能を持つ。
      乗り物には以下の3つが存在する。乗り物ではないが軍曹単体状態も併記する。
      • (軍曹)…乗り物に乗っていない状態での自機。障害物に進めないが、それ以外の地形効果は受けない。
      • 「ジェットヘリ」…一切の地形効果を受けず、自由に画面内を飛びまわれる。
      • 「戦車」…障害物や海辺の地形に進めないリスクを伴う。人型の敵を触れるだけで倒せる。
      • 「駆逐艦」…障害物や陸地の地形に進めないリスクを伴う。こちらも人型の敵を触れるだけで倒せる。
    • 乗り物状態で敵の攻撃をもらうと動けなくなった後に乗り物が爆発する。爆発前に手榴弾ボタンを押して離脱できるが、爆発しても自動的に離脱してくれる。
    • 各ステージには軍曹単体、及び戦車状態では通常通過できない障害物が設置されている場合があるか、付近にある何かの破壊物をショットで撃つと通行路が開ける事がある。
  • ステージ内にて時折アイテムが放置されている場面がある。以下詳細。
    • 「ファイアショット」(P)…軍曹、及び乗り物のメインショットをパワーアップさせる効果で最大3段階までのパワーアップが可能。最大時に取得すると画面内の敵全滅効果。
      • 通常では軍曹単体状態のメインショットは乗り物系の敵を破壊できないが、これを1つでも取得すれば破壊できる効果が付加される。
    • 「スペシャルボーナス」(B)…1000点~10000点のランダムスコアアップ。取得スコアが最大(10000点)の状態で取得すれば画面内の敵全滅効果。
    • 「スーパーボンバー」(S)…画面内の敵全滅効果。
  • 各ステージの最後にはボス的存在の「キャノン砲」が待ち構えており、こいつをすべて破壊すればステージクリアとなる。
    • ステージが進むとキャノン砲の数が複数設置され、より破壊が困難な状況となる。また、キャノン砲出現時にも雑魚敵は常に沸いてくる。
    • キャノン砲は乗り物扱いなので、Pアイテム非取得時の軍曹単体状態では手榴弾でしか破壊できない。
    • 乗り物状態でステージクリアすると、その乗り物は強制的に離脱し次ステージでは軍曹単体状態からのスタートを余儀なくされる。
    • ステージクリア後は「HIT率」などが表示される。HIT率100%でクリアするとスペシャルボーナスが貰える。
  • 残機制の戻り復活ですべてなくなるとゲームオーバー(コンティニュー可能)。
    • ミス条件は「軍曹が敵の攻撃、もしくは敵の乗り物に触れてしまう」となっている。また、他にも特殊なミス条件も存在する(ステージ6にて登場する列車が爆破されるなど)。
      • ミスすると取得していたPアイテムの効果はすべてリセットされてしまうペナルティがある。
    • 上記の通り、乗り物状態ではシールド効果があるので、ダメージをもらっても乗り物がなくなるだけで即死にはならない。
    • 軍曹が相打ちミスでキャノン砲をすべて破壊すると、ミスカウントなしで次ステージに進めるという裏技的な仕様がある。
      • このゲームは常に雑魚敵が沸いてくる関係上相打ちになるケースが多く、ネタでは済まされない位に有効な攻略法になり得る。

特徴

  • 単刀直入にいえばこのゲームは前年にカプコンからリリースされた『戦場の狼』と非常に近いゲームである。
    • 「任意移動での移動」「八方向の攻撃の使い分け」「軍曹がメインショットと手榴弾の攻撃手段を持っている」「展開がスピーディで急ぎ足を要求される」などの共通点を持つ。
    • 乗り物に関しては同じタイトーが1982年にリリースした『フロントライン*2の発展系といえるかもしれない。ゲーム性はかなり違うが…。
  • ゲームタイトルが示す通り、本作は「陸」「海」「空」という3つの舞台が用意されているのが特徴。
    • といっても、空中戦に該当する舞台は用意されていないので、厳密にいえば「陸」と「海」だけの地形というのが正しい。
    • メーカー側は「ジェットヘリ」「戦車」「駆逐艦」を乗り分けて攻略する楽しみを強調している様だが、実際はあまりそういう楽しさはない。その理由としては…
      • 各ステージに放置されている乗り物がごく少数しかないので、使い分けるというよりは「乗り物が限定されているのでそれに乗る」という状況でしかない。
      • 障害物や進行不能な地形に遭遇すれば、嫌でも乗り物から降りなければならない。
      • ステージをクリアしても乗り物を強制離脱してしまうので、「次ステージで前の乗り物を乗り継ぐ」という攻略ができない。
    • といった要因が挙げられる。どちらかといえば本作の乗り物の存在意義は「ショット強化とシールド効果」だけにあるというべきだろう。

評価点

  • グラフィック、BGMに関しては当時としてはなかなかのレベル。
    • グラフィック周りは戦争らしさが上手く描かれており、グラフィックそのものも綺麗な部類。この辺は流石タイトーといったところか。
    • BGMはタイトー節全開なかっこいい楽曲メインでゲームを盛り上げてくれる。しかし残念ながら楽曲が少なく、ステージを進めても同じ曲を延々と聞かされるのが物足りないか。BGMの作曲は小倉久佳氏が手掛けている。

問題点

  • ゲームの難易度は相当高く、ゲームバランスはあまり優れているとはいえない。
    • このゲームの雑魚敵は「軍曹(乗り物)にまとわり付く感じで追い回す」というものがほとんどであり、自分のペースに合った攻略がし辛いケースが多い。
    • また、敵の攻撃の間隔が突発的で回避するのが困難であり、その結果「わけがわからないままミス」という事態にも陥りやすい。
    • 『戦場の狼』も敵の攻撃は執拗だが、本作はそれが可愛く思える位に凶悪な難しさになっている。

総評

異様に難しい難易度や、いまいち存在が中途半端な地形や乗り物の概念の理由により、ゲームとしての完成度が高いとはとてもいえないが、少なくとも遊べはできるゲームである模様。


家庭用移植

  • 2007年3月29日にプレイステーション2にて発売された『タイトーメモリーズII 下巻』の収録が唯一の移植となっている。
    • タイトーメモリーズがリリースされるまではタイトー作品の中でも相当マイナー寄りなゲームであった。

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最終更新:2022年12月27日 20:55

*1 ゲーム内では「ラウンド」表記だが、便宜上このページではステージ表記で統一している。

*2 フロントライン(Front Line)はまさに「最前線」を意味する英単語でもある。