ポップンステージ/ポップンステージex

【ぽっぷんすてーじ/ぽっぷんすてーじいーえっくす】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミ
稼動開始日 初代:1999年9月24日稼動
ex:1999年12月20日稼動
判定 なし
ポイント 一見ではわかり辛い操作性
一人プレイは最低6パネル、最高10パネル操作を要求される
6パネルと10パネルで配置が違いすぎる
ゲームそのものの完成度は決して低くない
ポップンミュージックシリーズリンク


概要

コナミの音楽ゲーム人気が覚めやらぬ1999年、本編である『ポップンミュージック3』の後にリリースされたポップン界の新天地と呼べる存在。
何といっても従来のポップンとの違いは足で操作する事にある。ポップンと同時期に登場し、社会現象をも巻き起こしたヒット作、ダンスダンスレボリューションと同等の操作性で、ポップンのような演奏するタイプのゲーム性を楽しめるというコンセプトの元に製作された。

しかし、スタッフの意欲的な意気込みとは裏腹に、難易度の高さが影響してユーザーにはほとんど相手にされずに、早々とゲーセンから消え去ってしまった。

特徴

基本は概ね本家ポップン及びシステム流用元のDDRを踏まえている。

  • 上からポップ君が落ちてくる手ポップンとは違い、こちらは『Dance Dance Revolution』のようにポップ君が下から上に上昇していく。
  • 手ポップンと同じくポップ君を踏むと音が鳴る。
    • ただしこちらはステップを踏む関係上、メロディよりもベース音やドラムなどが中心。
  • ゲーム開始時にフットスイッチ選択を行い、6パネルモード、すべてのスイッチを使用する10パネルモードのいずれかを選択する。
    • 基本的に6パネルモードが1人用、10パネルモードが2人プレイ用となっている。

問題点

  • まず真っ先にプレイヤーが困惑する要素として、直感的に操作し辛い足パネルの配置にある。
    • 大まかに言えば、×型に配置された5つのパネルが左右二つに存在する形(DDRの矢印パネルとは踏む場所が真逆)になるのだが、ゲーム中の画面は6パネルまたは10パネルのラインが平面に並んでおり(M字の配置を2つ分広げた感じ)、×型配置のパネルと平面配置の画面との直感性が極めて掴めにくく、何を操作しているのかも理解できない状態に陥りやすい。
  • 実際のパネルの配置(6パネル時は中央6枚(太字)を使用)
       
           
       
  • ゲーム画面上の色の配置(6パネル時は中央6つ(太字)を使用)
    • 上記を見れば分かる通り、手ポップンの方に慣れていても、色の配置が全く異なるので混乱する。
  • DDRとは異なり、1人用モードはパネルの左右どちらかではなく、必ず中央に乗って6パネルモードをプレイする事になる(左右の5パネルだけを使ったプレーはできない)。よって、1人プレイと2人協力プレイでは踏むパネルの配色が全く異なってしまうため、さらに覚えにくい。
    • 本家ポップンでは「赤ボタンが中央」だったが、6パネルの配置では「赤パネルが左右端」となるため、本家に慣れていると非常に混乱する。
  • 一方で10パネルモードは基本的に二人協力でプレイする事が前提の譜面になっているため、一人でプレーするのは困難。
    • ただし、後述の『ex』では一人でもプレイ可能な配置になった10パネルMANIAC譜面が新規追加された。例えるなら、DDRのダブルプレイ(一人で二人分のパネルを操作する上級者向けモード)をさらに複雑化したようなもの。
  • 判定が厳しい。
    • ちゃんと踏んだはずなのに、BAD判定が出たりする。例え本家ポップンで好成績を出せる腕前でも、まともに良判定を出すのはかなり難しい。
    • しかも判定表示が手ポップン同様にこぢんまりとしているため、踊っている最中にどんな判定が出てるのかをとっさに判別しにくい。

評価点

  • 操作性の煩雑さで難易度を引き上げている節が否めないが、純粋な難易度自体はむしろ控えめであり、操作の壁さえ乗り越えられれば意外な程楽にクリアできるようになってくる。
  • 楽曲及びキャラクターは相変わらず好評。
    • 本作に収録されている楽曲のジャンルは「ヨーデル」「ファンク」「カンフー」「80'sポップ」等、当時の本家ポップンシリーズではありそうで無かった楽曲群が揃っておりいずれも好評を得ている。
    • 本作初登場のキャラクター及び楽曲で特に好評を得たのは「アニメヒロイン」。同曲は魔女っ子アニメをモチーフとしたアニソン風味の曲で、曲名にもなっている担当キャラスペース★マコのテーマとして作られて(キャラ自身も魔女っ子ヒロインがモチーフ)おり、楽曲と連動したキャラクターによるシナジー効果も相まってシリーズ随一の人気を博すことになった。

ポップンステージex

  • 無印のポプステがあまりにも受けが悪かったのか、無印稼動の数ヵ月後に新バージョンである『ex』がリリースされた。
  • exは専用新曲や本家ポップン3からの曲など6曲を新たに追加、いくつかの譜面の変更、上級者向けMANIAC譜面の追加、上記の10パネルを一人で操作するモード(10パネルMANIACのみ一人プレイ可能な譜面になっている)などの新要素が追加された。
  • 初心者向けのビギナーモードが「ノーマル」、旧ノーマルモードが「アナザー」に変更され、標準のモードではより簡単な譜面がデフォルトとなった。
    • これにより無印のNORMAL譜面にあたるものが「ANOTHER譜面」に移行したため、曲によってはANOTHERしか存在しないという珍しい状況になっている。
  • また、ポップ君のデフォルトの形状が変更。無印ではすべて本家同様の楕円形だったが、exでは上段パネル(黄・青)が▲、下段パネル(白・緑)が▼の形になった(中央の赤は●のまま)。一応、無印と同じ形状も選べる。
    • 画面表示はこのようになり、無印よりも多少上下が把握しやすくなった。
    • このポップ君、本家ポップンでも9~11までの間、オプション「ステージポップ君」として逆輸入されていた(現在は消滅)。

評価点(ex)

  • きちんと遊びやすくするためのテコ入れが実施された。
  • 新曲や本家3からの移植曲はいずれも好評。
    • 追加曲はいずれも汎用に近い新キャラクターである「いぬ千代」による楽曲担当であるものの、本家3からの移植曲はオジャマが発動すると一転して本家3側の担当キャラクターが登場するという演出が存在し、本家シリーズのファンを驚かせた。

問題点(ex)

  • 取っ付き難さを改善すべくテコ入れがなされたものの、結局、ハードルは高いまま。結果、無印同様、早々と消えてしまった。
    • 早期に入れ替えられた影響で、現在も稼動しているポプステはほとんどの場合このexの方である。
  • 問答無用の難しさなMANIACモード
    • exで追加されたMANIACモードだが、ノーマルやアナザーとは比較にならない位に高難易度で、10パネルに慣れる為の練習用の譜面すら用意されていない為、アナザー熟練者でも気軽に始めるには辛いレベルである。
    • 特に難しい譜面は「ヘヴィメタ」。同曲のMANIAC譜面はアウトロ部分で驚異的な発狂が存在している事から、移植元の本家の譜面を遙かに上回る難易度を持ってる。*1

総評

着眼点は決して悪くなく、慣れるまでに非常に苦労させられるものの、ゲームそのものの出来は十分遊べる内容で熱狂的なファンも生んだ。
しかしながら、ライトユーザーにとってはあまりにも厳し過ぎるハードルの高さがプレイヤーを遠ざけてしまった感は否めず、取っ付き難さが災いして早々と下火になってしまい、シリーズ化されるまでには至らなかった。
システム元のDDRや本家のポップンシリーズ自体がまだ発売間もない時期だったため、難易度やシステムの面で練りこみきれなかったのだろう。もう少しリリース時期が後であったならば各本家シリーズが洗練されていくなかで培ったノウハウを生かし、ライトユーザーが近づけるような間合いの広さを実現できるほどに作り込めていたかもしれないだけに惜しいものがある。そういう意味では、世に出るのが早過ぎたと言えようか。

当時存在したコナミ直営店やそこから転換したアミュージアムが主な稼働場所であったため一般への出回りも芳しくなく、結果として、DDRとポップンという当時の時点で人気を集めていた機種の関連作ながらマイナーな立ち位置に収まることとなった。



その後

  • ポプステ自体はexを持って終焉してしまい、本作自体も家庭用への移植は一切行われていない。
    • しかし、本作に登場するキャラクターや曲の人気は高く、ほとんどのそれは後の本家ポップン(主にPS関係の家庭用)に手譜面へアレンジされて収録される事となった。
    • アーケード版ポップンには未だに収録された事のないポプステ曲がいくつか存在する。隠れた名曲が多く、家庭用はほぼ完全収録なだけに、アーケードにも入れて欲しいという声は絶えない。
  • 本作の没キャラクターである「アスパラ星人」は、後に『KEYBOARDMANIA 2nd MIX』収録楽曲「Manhattan Sports Club」のムービーキャラクターとして陽の目を見る事になった。
    • 後に同曲が本家8にて移植された際にKMからの移植扱いとしてアスパラ星人も担当キャラクターとして登場した。
      • 彼らと本家pop'nとの関わりはこれのみではなく、それから更に後に稼働したéclaleでは書き下ろし楽曲「コルトーン」を担当し、もはや「初出予定だったポップンの系譜に帰化しているのも同然」な破格の扱いである。
  • ポプステの一人用プレーの6パネルの配置は、奇しくも同時期に稼働したジャレコのダンスゲーム『ステッピングステージ』に配置が酷似している。
    • ただしあちらは上段2つが赤、中段が黄、下段が青となっており、6枚組が左右に2つ並んでいる。
    • また、ポプステでの×を2つ並べたようなDDRとは真逆のパネル配置は、後にアンダミロ社のダンスゲーム『Pump It Up』でほぼ同様の配置が採用されている。
    • ただしあちらのシングルプレーは基本的に左右どちらかを使うという違いがあるが、過去作のRebirth~PREX3の頃にHalf-Doubleモードとしてポプステと同じ配列の状態でプレイが可能だった。
      • 以上をまとめると、シングルはステステ、ダブルはPIUが近いということになる。
  • 『ex』から登場した汎用キャラクターの「いぬ千代」は、本家3のキャラクターデザインを担当した同名のいぬ千代氏をモデルにしたキャラクター。
    • 本家ポップンでも同様に、初代の担当デザイナーだったMZD MOMMY氏をモチーフにしたキャラクター「MZD」が本家2から登場しており、旧曲の代理担当となっていた。今回は本家3の曲が移植されることになったため、その流れを汲んだキャラクターである。
      • なおキャラクターのデザイン自体はいぬ千代氏ではなく、ポプステ側のデザイナーであるPIU:KOHA氏が担当している。
    • また、シリーズ初期の世界観設定では、MZDには動物の姿を持つ部下がいてその内の1人がいぬ千代という設定となっており(参照)、残り2人もデザイナーが元ネタのkaeru(shio)とP-CATとなっている。
      • スタッフの方のいぬ千代氏とP-CAT氏はポップン2~4の頃の公式サイトでスタッフコメントを多く担当していた。現在は両名ともポップンチームを離れている。
      • P-CATは単独でのキャラクター化はされていないが、本家3に登場するアイスのアニメの一部に登場しており、アイスも同様に本家2からの旧曲の代理担当となっていた。
      • kaeruの方は5鍵beatmania complete mix 2に収録された本機種初出曲「レゲェ/BOA BOA LADY」のBGAをはじめとし、ポップンに関連した様々な箇所で出演している「隠れマスコット」としてプレイヤーの間でお馴染みになっている。
      • また、kaeruの元ネタとなったデザイナーのshioはその後もSunny Park頃までメインデザイナーとしてポップンを支え続けていた。
  • 当時『ときめきメモリアル』シリーズ等の家庭用ゲームの音楽を主に制作していた村井聖夜氏が、『ex』からの追加新曲「スーパーユーロ / WE TWO ARE ONE」でポップンデビューしている。
  • 筐体の現存状況はかなり厳しい状態になっている。
    • 不人気かつDDRクラスの大型筐体故に都市部のゲーセンでは早々に撤去され、地方のゲーセンやショッピングモール内のゲームコーナー等でひっそりと生き延びた筐体もそれなりにあったものの、今となってはそれすら撤去されてしまっている。
    • 2018年現在の時点での現存例は3件程と思われる(少なくとも神奈川県に無印とexが1件ずつ確認されている)。