頭文字D STREET STAGE

【いにしゃるでぃー すとりーとすてーじ】

ジャンル レース
通常版
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 セガ
開発元 トーセ
発売日 2006年2月23日
定価 4,800円(税別)
廉価版 PSP the Best:2007年1月18日/2,800円
同・価格改定版:2011年6月30日/2,000円(共に税別)
判定 なし
ポイント アーケードの忠実再現(一部除く)
運ゲー過ぎるカードシステム
チューニングまで運ゲー
画質&フレームレート低下
原作ファン二ヤリの閲覧モード
頭文字Dシリーズリンク


概要

  • しげの秀一原作のカーバトル漫画『頭文字D』を題材にしたレースゲーム『頭文字D ARCADE STAGE』の移植。
    • アーケードからの移植としてはPS2『頭文字D Special Stage』に続き2作目で、開発も同作と同じトーセが担当している。

評価点

『ARCADE STAGE Ver.3』を概ね忠実に移植

公道最速伝説の再現

  • 公道最速伝説のライバルやコースもほぼ完璧に再現されている(一部例外有。詳細は後述)。
    • 妙義の断崖絶壁、リプレイで映る空飛ぶ鳥、碓氷のめがね橋、土坂のオイルなども見事に移植されている。
    • 拓海の溝落としやブラインドアタック、小柏カイの"インベタの更にイン"など、特徴的な走りもしっかり再現されている。
  • 『Special Stage』に続き、バトル中のライバルのボイスも同作から流用して完備。バトルを盛り上げてくれる。
    • 同作未登場の「ランエボVの男」「ランエボVIの男」は、アニメと同じキャストで新録がなされている。
  • レースに使用されるスーパーユーロビート(SEB)は、容量節約の為かアーケード版よりも短く編曲されている。
    • 『Special Stage』と同様、アーケード版には無いSEBが数曲追加された。
    • 一方でアーケード版での正丸のBGM『BLACK OUT』は削除されており、『POWER OF SOUND』に差し替わっている。
      恐らくは権利絡みと推測されているが、差し替え後のSEBも正丸やライバルに合っており、ファンからは評価されている。

インターフェースの再現&充実

  • メニュー画面、ネームエントリー等のインターフェースも、PSP用に製作・再現されている。
    • アーケード版との明らかな差異はメーターの『SEGA ROSSO』ロゴが無くなっている程度。
    • アーケード版での「ハンドルの反力調整」は、「ボタンの応答性調整機能」として再現されている。
  • ブラインドアタックの操作も、『Special Stage』と同様に快適。
    • 『ARCADE STAGE』ではボタンの長押しが必要だが、本作ではボタンを押すと即座に点灯・消灯が可能。

収録車種の再現&カスタマイズの自由性

  • 『Ver.3』に登場する車は全て登場。勿論、チューニングメニューも再現。
    • 本作ではチューニングが全て完了すると、以後好きなパーツを付け替え可能となっている。
    • しかし、この過程での問題点がある。詳細は後述。

充実したオマケ要素

  • このゲームには何と、原作の解説等を見たりや音楽が聴けるモードがある。
+ ネタバレ注意
  • その名も「プロジェクトDホームページ」。仮想のサイトを見る感覚で閲覧出来る。
    • そこでは収録されたBGM、キャラクターのボイス*1、コース解説・攻略、リプレイの閲覧、戦績の閲覧、オープニング・エンディングが見れる。
      • 戦績は、車ごと・全車累計で分かれている。
  • 原作のワンシーンの解説、車紹介、キャラ紹介(原則2枚ずつだが、文太のみ3枚ある。理由は後述)は、カードギャラリーで見れる。
    • あのハチゴーでさえも丁寧に解説されており、原作で描かれているような"ただ遅いだけのクルマ"としては扱われていない。
  • これらはカードで解禁すると閲覧できる。
    • ワンシーン解説は公道最速伝説でレベルの高いライバルと戦う、車紹介はタイムアタックモードのプレイ、キャラ紹介は対応したキャラと戦って勝つと手に入る。
  • アーケード版をプレイしていた人は疑問に思うかもしれない。「文太に挑戦」モードが無い、と。
+ ネタバレ注意
  • それもそのはず、本作では隠しモードとして収録されているのだ。
    • 出現条件は、公道最速伝説のクリアで必ず入手できる「藤原文太3」カードを閲覧して隠し要素解禁ボタンを押す事
      • 解禁と同時に、文太が乗っている「スバル インプレッサWRX type R STi Version.V」も選択可能になる。
    • アーケード版と同様、勝利する毎に文太のレベルが強くなる(最大15)。コースと車の組み合わせによってはクリア出来ない程の速さになる
      • 何気にコンティニュー画面が出ない点まで再現されているが、クリア状況だけは全車共有に変更されている。

問題点

カードシステムが完全な運ゲー

  • 本作の肝である「カードシステム」だが、そのカードの入手方法に問題がある。いずれもコンプリートに掛かる労力は計り知れない。
    • ババ抜き宜しく「複数表示されたカードの中から選択する」というものなのだが、どの種類のカードが選ばれるかはランダムで、そのうえダブりもある
      「最初にカードの絵柄を見せておき、シャッフルして好きなカードを当てさせる」といった方式であれば、少しはマシになったのだが……。
    • そのうえ一定数のカードを集める事で初めてゲット可能なカードもあるため、余計タチが悪い。
    • 更に本作ではチューニングもカードで行うので、下手をするといつまでたってもチューニングができない。
      • チューニングカードはどんなモードでも入手できるものの、他の種類のカードより優先順位が低いため結果的に出現率も低くなり、チューニングの難しさをより助長してしまっている。

グラフィックの劣化

  • アーケード版と比べて車の3Dモデリングの質がかなり悪い。そのうえフレームレートが30fpsに落とされている。
    • 『Ver.3』はNAOMI2基板を使っており、カタログスペック上でのポリゴンの処理性能では、PSPの方が明らかに勝っている。
      • NAOMI2は1000万/秒、PSPは前期型の「1000型」でも3000万/秒。つまり、「理論上は」アーケード版のグラフィックと60fpsが再現出来るはずである。
    • そもそも『ARCADE STAGE』は、同世代のレースゲームの中では3Dモデリングの質が高いとは言えなかった。
      『Ver.2』の移植である『Special Stage』に関しても、NAOMI2よりも性能が特殊なPS2ゆえにグラフィック面が劣化していた。
      その点を考慮すれば、本作のグラフィックがPS2版以上に劣化したのも仕方ないと割り切るべきだろう。
    • それに関連してか、秋名(雪)がなぜか削除されている。その為「御木」も登場しない。
      • 「御木」が乗っている「トヨタ セリカGT-FOUR(ST205)」は収録されている。
  • 地味に視点切り替えのアクション(ズームインとズームアウト)も省略されている。

その他の問題点

  • 大小のバグがある。
    • 致命的なものでは「赤城の第1カーブ手前で2秒位フリーズする」がある。発生はゲーム起動後の最初のプレイに限るのだが、これはBEST版でも未修正。
    • 他にも「車をガレージに新規登録する際、○ボタンと×ボタンを同時押しして決定すると、一部パーツが付いていないまま車が保存される場合がある」、
      「いろは坂のスタート地点を20回以上回り続けて発進、その走行をリプレイで保存して見ると、車が変な方向を向いた状態で走行する」等のネタ系バグもある。
  • ガレージ登録可能台数が30台と少ない。
    • 全車1つずつは登録できるのだが、同じ車種を複数所持して楽しみたい人にとっては……。

総評

『Ver.2』の移植であった前作『Special Stage』と同様、システム自体は全体的に水準以上かつ『Ver.3』を概ね再現出来ており、その点では及第点である。
しかし明らかな運ゲーとなったカードシステム、一部要素の削除、グラフィック面の劣化と、使用ハードを差引いても前作以上に劣化点が多々見受けられる。
『Ver.3』を持ち歩けるという利点は確かにあるが、これで更に工夫して作り込まれていれば、名作・良作と言って差し支えない出来になったことだろう。


余談

  • 大手レビューサイトのPSPmk2では71点のB評価である。
  • オープニング曲とムービー(と言うよりアトラクトっぽいもの)は、新規。
  • アーケードの現行シリーズである頭文字D ARCADE STAGE Zeroはキャラクターボイスが一切なくなったため、手軽に旧アニメ準拠のボイスを聞けるコレクターズアイテムとしても価値がある*2

PV

+ YouTube


このPVに使われているm.o.v.e.の『NAMIDA 3000』は『頭文字D ARCADE STAGE4』のエンディング曲である。