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NOeL NOT DiGITAL

【のえる のっと でじたる】

ジャンル アタッチメントソフトウェア
対応機種 プレイステーション
発売元 パイオニアLDC
ハムスター(ゲームアーカイブス)
発売日 1996年07月26日
定価 6,800円
廉価版 PlayStation the Best
1997年11月20日/2,800円
配信 ゲームアーカイブス
2009年12月24日/600円
判定 なし


概要

主人公と3人のヒロインは、ヒロイン達の旅行先で知り合ったという設定。
その後主人公とヒロイン達は、テレビ電話を介して交流を続けることになる。
最終的な目標は、クリスマスまでにヒロインの誰かと結ばれること。これがこのゲームの目的である。
タイトルの「ノエル」とは、フランス語で「クリスマス」を意味している。


特徴的なシステム

  • コミュニケーションはテレビ電話によるリアルタイムトーク
    • 一般的な恋愛ADVではヒロインと直接会話し親密になっていくが、本作では基本的にテレビ電話での会話と「ビジュアルメール」と呼ばれるムービーで進行する。
    • ヒロインドリーム』や『ひみつ戦隊メタモルV』などのように、セリフ自体は文章化されずノンストップで進む。その際に会話のネタとなる「会話ボール」が出て、それを会話の切れ目に使うことで長くトークを楽しめるとともに好感度が上がる。
    • また彼女らはゲーム内の時間にあわせて行動しており、適切な時間以外では電話に出てくれない。またあまり非常識な時間だと迷惑電話とみなされてしまう。
    • これらにより、ゲームを超えた「女子とのリアルなコミュニケーション」が取れると当時の青少年を歓喜させた。
    • ゲーム開始から3ヶ月後、クリスマスまでにヒロインから告白を受けるのがゲームの目的。

評価点

  • 当時としては破格のアニメーション
    • このゲームが1996年発売ということを考えると、ハッキリ言って破格のアニメーションである。他の追随を許さないレベル。
    • この時代にもアニメーションを使うゲームはそれなりにあったものの、あくまでもムービーのような短時間用の演出として、である。
    • アニメーションの内容も色々と工夫してあって、例えば家族に呼ばれてちょっと退席、同じ姿勢が疲れたからちょっと体勢を変える、なんてこともよくある。
      • 画面の中に本物の女の子がいるかのような生き生きとした動きは、新時代のゲームを象徴するかのようであった。

問題点

  • 独特すぎるゲームシステム
    • 全く新しいゲームをユーザーは歓迎したが、あまりにも個性的過ぎた一面もある。適当に会話を楽しむだけではクリアは不可能で、攻略にはかなりの労力を要するのだ。
    • ヒロイン達との会話で「会話ボール」と言われる、要するに「話のネタ」を入手することになるわけだが、これの扱いが非常に難しい。
    • 例えばヒロインAと話していて得た会話ボールはヒロインBの攻略時に必要といった感じだ。このようなゲームのため、必然的に3人均等に会話をしなければならず、オンリープレイは実質不可能。
      • 会話ボールの扱いも難しく、特定の会話を起こしたところで使わないと全く意味がなかったり、特定のタイミングで話に割り込むように使わないといけない場合もある。
      • 雑談用の会話ボールは適度に増えるが、重要な会話ボールは1個だけしかもらえない。しかも使ったら無くなってしまう。使いどころを間違えたら攻略不能もありえる。
      • その結果、会話ボールの無駄遣いで、電話をかけたのに話すことが何も無いという寒い状況になってしまうことも。

総評

斬新なゲームではあったが、アニメーションや会話などに全力を傾けすぎていて、ゲームとしての遊びやすさを全く考慮していないのがこのゲームの最大の弱点である。
これで攻略本やゲーム雑誌の攻略記事が充実していればまだ良かったのだが、攻略記事を作る側も斬新過ぎるこのゲームを把握しきれず、どうにも説明がファジーであまり役に立たないものばかりであった。

豪華なアニメーションに惹かれて買ったユーザーは多かったが、あまりにも難しすぎる攻略はユーザーの心を折るのに十分過ぎる破壊力を持っていた。
そのため、中古価格もスルスルと低下。安いから買ってみたユーザーの心を完膚なきまでにへし折るという悪い意味での循環も繰り返された。
ワゴン常連となったのも、なるべくしてなったとしか言いようがない。

ゲーム攻略があまりにも厳しすぎたため忘れられがちだが、ヒロイン達は皆が個性的で非常に可愛らしい。
もっと遊びやすい内容であれば人気を得ることが出来るシリーズになったであろう。勿体無い話である。


その後の展開

  • 賛否両論ありながらも人気があったためか3作目まで存在するのだが、いずれも独自色が強いためやはり賛否のある代物となってしまった。
    • 『2』は本作のシステムほぼそのままに主役3人を入れ替えた、続編として基本的で妥当な内容だったのだが、『3』ではまさかのサスペンスアドベンチャーに変更された。
    • テロリスト集団が女の子達が残る学校を占拠し、主人公はハッキングで女の子を救うというとんでもない内容。『1』から主役3人が登場しているが、救出失敗で爆死する。
      • ゲームそのものはそれなりに出来ているものの、あまりにも作風を変えすぎである。なお、『2』の3人は未登場。
  • なお、このシリーズの2作目『NOeL~La Naige』が人気声優である水樹奈々氏のデビュー作となったのだが、結果的にその後の遠回りを招くこととなった。
    • 当時は現役女子高生声優という売り方をしており、まだ素人に毛がはえたような状況であったにもかかわらず、わりと話題作であった本作の主演をしたことで、初っ端から味噌をつける羽目に*1
    • その後、水樹氏がブレイクするのは2001年ごろになってからであり、『シスター・プリンセス』の亞里亞、『メモリーズオフセカンド』の白河ほたるなど、その時に代表的なキャラを演じることとなった。
      • アニメ関係の製作が本業であるパイオニアLDC(現:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)の作品である関係で他の女性声優陣が豪華なのだが、相対的に低評価を受けたことでその後の仕事に支障をきたし、ブレイクまでの間に歌について詳しく学ぶことができたのが今に繋がっている。
    • そう考えると、むしろここで半端に売れなくて良かったのかもしれない。
  • 小説版(角川書店刊)は当時のギャルゲーのノベライズでは珍しく、メインヒロイン…というにはややマニアックな岡野由香をメインに据えている。
    • その為か作者の趣味に走った文になっており、大学進学後の後日談の『ル・ソレイユ』も刊行されている。
      • 今でいう携帯依存症のはしりの様なキャラや、家が裕福なために大学で留年を繰り返すニートの変種の様なキャラが存在したり、主人公達が探索する地下世界の住人たちが現代のネット上に存在するような人々に似たものを持つなど、インターネットへと移行する時代にあたって現代を予見していた…のかもしれない。
    • 上述の『3』に至っても、ハッキングというゲーム性からかやはり彼女がメインヒロインに据えられており、結果としてシリーズでも特に焦点の当たったキャラになっている。
  • ゲームアーカイブスで2009年12月24日から配信された。システム上の都合なのか、PSVには非対応。
    • 『2』『3』も後に配信された。

余談

  • 初回出荷分はゲームがフリーズする不具合があり、郵送による修正版へのディスク交換が行われた。が、修正版のディスクはLZH形式で収録されていたおまけファイルが削除されてしまっている。中身はJPEG画像5枚と付随ドキュメント。
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最終更新:2024年02月08日 21:53

*1 当時、堀越高校3年で卒業間近。また代々木アニメーション学院声優タレント科にも並行して通っていた。