ダライアスフォース

【だらいあすふぉーす】

ジャンル 横シューティング
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 タイトー
開発元 タイトー
アクトジャパン
発売日 1993年9月24日
価格 8,800円(税抜)
判定 なし
ポイント システムが異質、ボスも異質
とにかく全てにおいて地味
ダライアスシリーズリンク


概要

ダライアスツイン』(以下『ツイン』)に次いで発売された、スーパーファミコンオリジナルのダライアスシリーズ2作目。
一人プレイ専用、全5~7ステージ(ゾーン選択によってステージ数が変化)、15ゾーン構成。また、裏技でボスラッシュモードに挑戦することも可能。

海外版のタイトルは『SUPER NOVA』となっており、ダライアスの名を冠していない。

特徴

  • ゲームを始める前に、性能の違う3機種のシルバーホークから機体を選ぶ事になる。
    • TYPE-1(緑):AC版『ダライアス』に近い性能。
      • ショットは『ミサイル→レーザー→ウェーブ』、ボムは『ボム→ツインボム→マルチボム』の順にパワーアップ。
      • 初代で使いにくかったレーザーは3連装になってワインダー*1がかけられるようになり、性能が見直された。ウェーブに敵と地形の貫通効果があり、地形に隠れる敵が多いこのゲームでは使いやすい。サブウェポンのレーザーは6方向の拡散タイプ。
    • TYPE-2(青):AC版『ダライアスII』に近い性能。
      • ショットは『ミサイル→ミサイル+拡散弾→ナパーム+拡散弾』、ボムは『ボム→ツインボム→マルチボム』の順にパワーアップ。
      • ショットに拡散弾が付くため前方火力と攻撃範囲に優れるが、地形を貫通しないのが欠点。他のタイプと比べてパワーアップが正当強化されていくため、故意にパワーを落とす必要がない。サブウェポンのレーザーは6方向の拡散タイプ。
    • TYPE-3(赤):本作オリジナルのパワーアップ段階を持つ機体。
      • ショットは『ミサイル→レーザー→ハイプレスレーザー』、ボムは『ボム→ツインボム→ブレイクボム』の順にパワーアップ。
      • ショットのレーザーはボタン押しっぱなしで発射角度が上下に広がる特性を持つ為、カバーできる攻撃範囲が広い。反面押しっぱなしだと前方がガラ空きになりやすく、前に撃ち続けたい時はショットボタンを連射する必要がある。ハイプレスレーザーになると上下への発射はできなくなる。
      • ハイプレスレーザーは非常に持続時間が長くワインダーをかけられ、ウェーブ同様敵と地形の貫通効果があるが発射し終わると次の発射まで隙ができる。サブウェポンのレーザーは成長すると全方位に回転攻撃できるが、1周するまでに時間がかかり使いにくい。
    • ダライアスシリーズで性能差を図ったプレイヤーセレクトができるのは『ダライアスバースト』発売までは本作のみの特徴だった。*2
  • サブウェポンとしてボムとレーザー(『ダライアスII』に近い)が全機体共通で最初から使用できるが、同時に使用することは不可能。切り替えはボタンで行う。
  • 本作ではショットとサブウェポンのパワーアップ段階が共通。
    • ショットとボム(orレーザー)を同時発射すると、パワーアップ段階が1段階ダウンした状態で攻撃する。
    • ショットやサブウェポンのパワーアップ段階は『ダライアスII』に近く、明確な区切りがないタイプのため、このシステムを使って意図的に下の段階のショットやボムを撃つことも可能。
      • 特にTYPE-3はパワーアップ段階によってショットとレーザーの性能が大きく変化するため、あえて同時発射でパワーを落としたり赤アイテムの取得を途中で止めることも必要になってくる。
  • AC版ダライアス同様にミスすると戻り復活であり、他シリーズに比べミス後のパターン化が要求される作りになっている。また、地形が障害物になっているステージが多く、『ツイン』のように撃つ楽しさよりも、避ける楽しさを重視した内容である。
  • ダライアス恒例の海洋生物をモチーフとしたボスは健在だが、ステージを進むにつれ、海洋では無い生物型のボスや恐竜型ボス、さらには人型ボスが登場するなど、他シリーズとは違った容姿のボスが多いのも特徴。これは本作のテーマが「生命の進化の過程」であるため。
    • また、『ダライアスバースト』に先駆けて『サイバリオン』に所縁を持つボスキャラクターが複数登場している。ルート選択によって最終ボスは3種類登場するが、全て元ネタがサイバリオンの敵キャラである。

評価点

  • 最終ステージの道中だけが異様に難しかった『ツイン』に比べ、極端なゲームバランスの不安定さは薄らぎ、先に進むにつれ正当に難しくなる構造になっている。
    • 全体的に見ると『ツイン』より難易度は上がっているが、特別ゲームバランスに大きな問題があるわけではないため、頑張ればゲームクリア自体はちゃんと可能である。
  • 機体毎に武器の使い勝手の違いはあるが、どの機体を選んでもクリアは十分可能なバランス。
    • パワーアップに癖が少なく、貫通効果があって弾切れのリスクが少ないウェーブがあるTYPE-1が最も使いやすい。貫通武器が弱いTYPE-2と武器の癖が強いTYPE-3も、敵の出現パターンを覚えたり武器の性質を理解して使いこなせばちゃんと先に進める。
  • 『ツイン』は最終ステージが1つしか存在しなかったが、本作は3つの最終ステージが存在し、若干ルートのバリエーションが増えた。
    • もちろん、マルチエンディング制は本作にも採用されている。
  • 画面内の弾数を抑えた分、SFCのSTGでありがちな処理落ちはほぼ見られない。
  • 独特の哀愁感漂う色使いや、海洋生物だけに留まらないボスの存在、ひたすらに渋くてストイックな世界観を好むファンもいる模様。
  • ボスの巨大戦艦のデザインはダライアスシリーズらしさを踏襲しており、『スーパーダライアスII』のような明らかに違和感を感じさせるものではない。
    • 画面内に収まりきらないほど大きく、戦闘時間の大半がボスの体内で繰り広げられる『ピースデストロイヤー』、ザトウクジラをモチーフとした『グレートフォース』は、本作ならではの見所のある戦艦として挙げられることが多い。
  • 演出面での評価が低い本作だが、ゾーンN開始時の星の日の出など一部は評価されている。

賛否両論点

  • ザコの挙動や配置が全体的に嫌らしい。
    • 後方から集団で弾を撃ってきたり、前後や上下から挟撃してくることが多い。後半面や高難易度になるほど顕著。
    • 破壊すると弾を撃ち返してくる敵や、壊す前に接近されると攻撃判定のある爆風を発生させる敵もおり、不用意に接近・撃破すると逃げ道がなくなってしまうこともある。
    • 砲台も狭い地形にいる時に容赦なく出口を塞ぐように弾を撃ってきたり、上下スクロール時に撃ちにくい地形の影から狙い撃ちしてくるなど陰湿な配置のケースがしばしば見られる。
  • ダライアスシリーズとして見た場合、違和感を感じる要素が少なからず存在する。ただしこのシリーズは1作品毎の個性も強いため、本作のみを異端児とするのは妥当とは言えない。
    • 概要にもあるように、ボスの中に明らかに海洋生物がモチーフでないものが混じっている。
      • しかし、IIの時点で既に海洋生物以外がモチーフのボスは存在していた。
    • シリーズでは伝統的に上ルートは初心者向け、下ルートは上級者向けとされる傾向にあったが、本作では上ルートの方が難しい。
      • 後に稼働した『ダライアス外伝』ではルートごとの難易度がバラバラになっており、上下端ルートの後半面が非常に難しいものとなっている。
    • ショットとボムのパワーアップが共用。
      • これは他のダライアスシリーズでは採用されていないため、本作の個性と言っていいだろう。
  • 一部の仕様や演出から「ダライアスではなくグラディウス」と言われることがある。
    • 戻り復活制だったり、復活用のアイテムが用意されていること。
    • TYPE-1のレーザーショットとTYPE-3のハイプレスレーザーにワインダーをかけられるのは、グラディウスシリーズと同じ。
    • 海底面で破壊できる壁があったり、一部の基地面で壁が迫り出してくるが、このギミックもグラディウスシリーズで見られたもの。
    • 一部のボスはコアのような造形物が確認でき、この部分にしかダメージ判定が発生しない。コア系のボスはグラディウスシリーズの名物である。
    • ゾーンOに高速スクロールの脱出シーンがあり、『沙羅曼蛇』や『グラディウスIII』の経験者は既視感を覚える。

問題点

  • ダライアスシリーズの売りは「大迫力の海洋生物型巨大戦艦」「『II』のラスタースクロールなどに代表されるダイナミックな演出」「ZUNTATAによる高品質のサウンド」等が挙げられるが、本作はダライアスとは思えないほど演出が地味
    • 他のダライアスシリーズに比べて、機体や敵などが小ぢんまりしたデザインになっており、迫力に乏しい。SFC初期に発売された前作『ツイン』よりもサイズや迫力で負けているというのは問題だろう。
    • 敵に攻撃を当てたり、撃破して爆発した時のエフェクトやSEに重みがなく、爽快感に乏しい。
      • SEの軽さは、敵の攻撃やゾーン演出といった他の演出面でも顕著に表れてしまっている。
    • 雰囲気も前作『ツイン』に比べ、大幅に暗い外見になっている。元々ダライアスシリーズは全体的に閉塞感漂う暗い作風ではあるが、本作では演出の弱さのため悪い意味で地味さを際立たせてしまっている。
  • 音源の質の悪さが目立ち、外注ながら高評価であった『ツイン』に比べ、BGMの評価はやや低い。
    • 展開の練られた壮大な曲想が多くメロディー自体は非常に高品質なのだが、演出や音源の弱さのため活かされていない。
      • その為、一部では音源を変えたアレンジを望む声も聞かれる。
    • 本作にはダライアスにとっては欠かせないサウンドチームのZUNTATAが一切関わっていない。
      • 『ツイン』のBGMも作曲者は外注だが、サウンドプログラムはZUNTATAが担当していた。
  • 機体選択やゾーンセレクトと言った長時間プレイできそうなやり込み要素を多く持っているにもかかわらず、爽快感が得られにくくやり込む意欲が沸きにくい造りになっている。
    • 敵の攻撃パターンが単調で、ランダム性を含めたアドリブを求められる場面は少なく、慣れてくると物足りなさを感じてくる。
    • 貫通レーザー・機雷・ミサイルの自爆による爆風や電撃と言った、アームを一気に削りに来る初見殺しな貫通攻撃が目立つ。これで何度もやられて復活が苦痛になるケースも多い。
      • 特に爆風は見た目より攻撃範囲が広く持続時間も長いため、逃げ遅れると一気に殺されることが多い。
      • タイミングはほぼ一定で、事前動作があるものも多いため、慣れてくれば見切ることは可能。
    • ボスの耐久力が中途半端に設定されており、死んでの戻り復活が前提となる初めのうちは高く感じるが、上達してきてフル装備で来られるようになるとあっさり沈むなど、やり応えという点でも手応えに乏しい。
  • サブウェポン版のレーザーが使いにくい。
    • 『ダライアスII』と比べて火力が引き下げられており、火力の伸びるボムに取って代わることは不可能。
    • 地形を貫通したり、真上や真下のような死角の出来やすい場所を攻撃できると言った利点はあるが、弾を撃たれる前に速攻で潰すことは非常に困難。
  • せっかく『ダライアスII』のレーザーがサブウェポンとしてあり、TYPE-2と言う『II』の自機の武器再現機体があるのに、ボムとレーザーが同時使用できないため『II』の自機の攻撃パターンを完全再現できない。
  • 既に「その場復活」が主流の時代に「戻り復活」を採用したこと。
    • 戻り復活自体が時代遅れとなっている感が否めず、全体的に敵の攻撃パターンが単調なこともあって攻略パターンを構築する楽しさよりも面倒臭いと思う気持ちの方が先行しがち。
    • 復活用のアイテムを出す敵は用意されており、ボスの耐久力も抑えめになっているため、復活からでもボスを倒せるバランスにはなっている。
  • 『ツイン』に比べゾーン数は増えたものの、それでもアーケード版シリーズに比べ、ボリューム面では幾分かは劣る出来である。
  • ボスラッシュモードで全てのボスと戦えない。登場しないボスとは本編で戦うしかない。

総評

前作より地味な画面、自機の貧弱なショットなどストイックな要素が強く、正直なところダライアスのタイトルに思い入れのない人間がとても付いていける代物ではない。
本シリーズやその他派手で爽快なシューティングをやり尽くした人間が「たまにはマニアックなのもいいよね!」という心の余裕を持って取り組む必要のある作品である。

その他

  • 長らく移植に恵まれなかった本作であるが、『ダライアス コズミックコレクション』(2019年2月28日発売、Switch)に特装版限定で収録された。
    本作発売時のインタビューで、本作にパワーアップ用の隠しコマンドが仕込まれていることが明らかにされた。この裏技は長らく存在が明るみになっておらず、実に26年越しでの公開となった。
    • 『ダライアス コズミックコレクション』の特典CDには、『ダライアスバースト』シリーズのメインBGMを手掛ける土屋昇平氏による本作のアレンジBGMが収録されている。