キックライダー
【きっくらいだー】
ジャンル
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アクションレース
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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ユニバーサル
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稼働開始日
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1984年
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プレイ人数
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1~2人(交互プレイ)
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判定
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なし
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ポイント
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ユニバーサル版ジッピーレース 蹴りいれまくりな暴走レース
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概要
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1984年にてユニバーサルからアーケードにてリリースされた、上方向にスクロールする縦2D視線メインのアクションレースゲーム。
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主人公であるライダーを操作し、立ちはだかるバイクや車などを回避するなどしてゴールを目指すのが目的となる。
主なルール
敵車を避ける事がメインとなるゲーム性や、2D視線と3D視線を交互に繰り返すという展開、2D視線ではオフロードとオンロードが存在する点など、本作は前年にアイレムからリリースされた『ジッピーレース』と非常に似た内容である。
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単調直入にいうと「ライダーを制限時間内にてゴールに到着させればステージクリア」という、レースゲームとしてはありがちなルールとなっている。
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各ステージには2Dと3Dの二者視線に分けられている。ステージ開始~後半は2D視線であり、ステージ終盤からは3D視線に移行してゴールを目指す事となる。
2D視線と3D視線は内容に若干の差異があるので、以下個別に紹介する。なお、操作コントローラーはレバー + 1ボタンである。
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「2D視線」はレバー左右にてライダーの左右移動、レバー前でアクセル、レバー後ろでブレーキ、ボタンとレバー左右の組み合わせで左右どちらかにキック攻撃ができる。
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この視線では定期的にバイクやマウンテンバイクの敵がライダーに引っ付くような形で体当たりしてくる。キックで敵を攻撃する。
マウンテンバイクはキック一発で倒せるが、バイクはノックバックするだけで、当てれば必ず倒せるという訳ではなく、倒すにはノックバックで道を踏み外させる必要がある(自分もコースアウトしてしまうリスクも伴う)。
バイクは触れてもライダーに一切のダメージはないが、通行の邪魔をしてくる他、ライダー同様にキックを仕掛けライダーを道外に転倒(ミス)させてしまう。なお、マウンテンバイクは一切攻撃を仕掛けてこない。
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バイク関係以外にも、爆弾を投げてくる車、ドラムカンを投げてくるトラックも出現する。この車やトラックには一切のキックは利かず、上手く交わして視界から消すしか回避方法はない。
爆弾やドラムカン、及び車そのものに触れるとミスとなってしまう。
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バイクや車などの妨害以外にもライダーが誤操作で走行中の道を踏み外してしまうと、もちろんミスとなってしまう。道の形が変化する直前に画面上部にレーダー表示され、それを目安にすれば車道踏み外しミスを回避しやすくなる。
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画面右にゴールまでの道のりを示すゲージが常時表示され、これがゴール付近まで近づくと自動的に3D視線に移行する。
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「3D視線」はキック攻撃がない(ボタンを使用しない)事を除けば2Dと同じ操作系統となる。
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この視線では敵車は一切存在せず、車道踏み外しの危険もなく、ライダーがミスする要因はない。その代わりに障害物が頻繁に出現し、それにぶつかるとペナルティとして減速してしまう。
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この視線限定で仲間と思われしバイクが数字の書かれたプレートを掲げて併走している。プレートはライダーが走る度に数字が減少していき、「0」と表示されればゴール到着寸前である事を意味する。
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各ステージの制限時間は99秒からのスタートとなり、ステージクリアすると残った制限時間がスコアボーナスになる。次ステージでは99秒の状態からの再開となる。
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3ステージをクリアする毎に、今までに抜かしたバイクや車の数が特別スコアボーナスとして加算される。
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制限時間制で時間が尽きるとゲームオーバー。
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本作には残機数の概念はないが、ミスする度にスクロールが停止し、制限時間がロスするというペナルティはある。
ミスする条件は以下の通り(3D視線ではミスはない)。
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2D視線にて、ライダーが「敵の車、トラック、爆弾、ドラムカン」のいずれかに接触する(バイクやマウンテンバイクに関しては触れるだけではミスにならず)。
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同じく2D視線にて、ライダーが誤操作で車道を踏み外してしまう。もしくは敵バイクのキックで車道の外に追い込まれる。
評価点
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キック攻撃というジッピーにはない「敵を倒す手段」が搭載されており、これによって「痛快に走らせながらバイクどもを蹴散らす」という面白さが堪能でき、しかも後述の通り難易度も低い。
賛否両論点
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難易度は大幅に低い。
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というのも、ミス後のタイムロス(ジッピーでいうところの燃料)が少なく、ある程度のミスをしても割と余裕を持ってクリアできるのが大きい。それ故に初見でも下手したら1周クリアできてしまう易しめなバランスとなっている。
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ただし、制限時間はゆるめだが、ジッピー以上にスクロールが早い故に突発的な脱線事故に陥りやすかったり、頻繁に複数のバイクどもが執拗にライダーに密着してきたりと、体感的な難易度はそこそこ高い模様。
問題点
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時代的の関係上仕方がない面もあるが、楽曲は少なく、BGMもループが短くて単調である。
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しかし、言葉では表現するのは難しいが、「ズンズンズンズン♪」というメロディラインのステージBGMが洗脳的に耳にこびりついて素敵だ。
総評
格別に出来がいい作品かといわれると疑問であり、時代を考慮してもボリューム的に物足りなさはあるが、易しめの難易度でまとわり付いてくる敵バイクどもをクラッシュさせつつもゴールを目指す様はなかなかに豪快ではなかろうか。
メーカーの事情もあるが、家庭用移植はされておらず、当然ながら知名度は大分低い作品である。
最終更新:2022年04月01日 17:21