ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし

【ぜるだのでんせつ ふしぎのぼうし】

ジャンル アクションアドベンチャー

対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 任天堂、カプコン
発売日 2004年11月4日
定価 4,571円(税別)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(EEPROM)
レーティング CERO:全年齢(全年齢対象)
配信 【3DS】アンバサダー・プログラム
【WiiU】バーチャルコンソール:2014年4月30日/702円(税8%込)
判定 良作
ポイント 従来作品とのつながりの薄い外伝的な作品
2Dドットはじめ全体的に丁寧に作り込まれている
フィギュア集めの作業感はある
シリーズの中では地味だがプレイする相応の価値はある
ゼルダの伝説シリーズ関連リンク


概要

2Dグラフィックのよさを前面に押し出した作品。従来作品とのつながりの薄い、外伝的な作品となっている。
キャラクターは『時のオカリナ』『風のタクト』から、グラフィックは『神々のトライフォース&4つの剣』の『4つの剣』からの流用も多い。


特徴・評価点

  • ほのぼのとした世界観
    • 本作ではピッコルと呼ばれる小人と人間が共存する世界が舞台。
    • リンク自身も小さくなって、小人の世界を体感しながら冒険することができる。
    • 木の中、洞窟の中、果ては天井裏や本棚の中などピッコルの住まいは多彩で、その中を冒険するだけでも楽しい。
    • キャラクターの動きが細かい。とくにリンクのアニメーションが多彩でかわいらしい。
    • キャラクター達の会話もコミカルで楽しく、暖かみがある。
    • SELECTボタンを押すと、パートナーのエゼロと会話ができる。謎解きのヒントにはならないが、これから行く場所を教えてくれたり、雑談や自慢話等、会話パターンが多めで、一度に5種類ほど聞ける。
  • 2Dながらも多彩なアクション
    • Rボタンは様々な機能に割り当てられており、前転移動、持ち上げなど、状況に応じた動作が可能。どんな動作をするかは画面右上に常に表示されている。
    • 従来の剣を使ったアクションはもちろん、物語を進めることで、回転斬りや前転した後の突進突き、ジャンプ下突きなど、ボタンやアイテムとの併用で繰り出せる様々な剣技を覚えていく。
    • ダンジョンの仕掛けも2Dながらに凝った仕掛けが多数。
    • 夢をみる島』『ふしぎの木の実』同様、A・Bボタン個別に剣と盾を含めたアイテムを割り当てるシステム。
    • 今作は、ものを吸い込む「魔法のつぼ」、魔法弾を発射して当たったものをひっくり返す「パッチの杖」など、過去作と比べて少々変わったアイテムが登場する。
    • 一方で、定番の「盾」「爆弾」「弓矢」「ブーメラン」といったアイテムもしっかり登場する。
    • 本作は『4つの剣』が基になっている面もあり、その名残とも言える分身という要素もあり、分身と協力して大きなブロックを押す、離れたスイッチを同時に押すなどの仕掛けに活用される。
  • 小さくなる
    • 本作の目玉でもある要素。旅の序盤で出会えるパートナー「エゼロ」の力により、リンク自身も小人になり、ピッコルと会話したり謎解きを行なったりする。
    • 小人になるには「エントランス」と呼ばれる台座で行われる。エントランスは家やダンジョンなど、様々な所に配置されている。
    • 小人になっているときはマップ上にはリンクは小さく表示され、大きな敵(普通サイズの敵)には一切攻撃が通用しない。また、階段ほどの段差も通れなくなる。
      • 小さく表示されるとは言っても、アイコンで居場所を知らせてくれているので、見失う心配はない。
    • 小人になっているときは、動物と話をすることもできる。しかし、ネコに近づくと…。
    • 人間サイズでは通れなかった細い道や小さな穴を通過する事ができたり、謎解きに使用される事も多い。さらに通常サイズではなんてことない雑魚敵も小さい時はボスキャラとして出てくる他、ただの雨ですら巨大な水の塊が降ってくることになるので、当たるとダメージを受けてしまう。
    • 小人状態でも普通サイズと同様に表示される場所もあり、普段目にしている小物が巨大に映る事もある。ピッコルもまた人間の作った物を住処にしており、小人の世界を歩いているような気分で散策できる。
  • しあわせのカケラ
    • 本作のやりこみ要素のひとつ。道中メダルが半分に割れたような形のカケラを手に入れることになり、その片割れを持っている人と「カケラあわせ」をする事で、隠されたアイテムなどが出現する。
    • カケラは基本的な物は8種類。片割れは町の人はもちろん、ピッコルや動物など、話しかけられる相手の多くが持っている。
    • 片割れを持っている人に近づくと、カケラあわせが可能である事を示すフキダシが表示される。カケラ合わせを行うには、その人に対してLボタンを押すだけなのでお手軽。
    • 基本のカケラは草を狩る、宝箱から入手するなどの方法で手に入る。カケラの種類によって入手方法も多少異なる。
    • 一部、ストーリー進行に使用されるイベント専用のカケラも存在する。
    • イベント専用も含め、カケラあわせの対象は100もあり、その多くは100前後のルピー、カケラやかいがらが多く、普通に冒険の助けとして活用できる。
  • フィギュア集め
    • やりこみ要素のひとつ。「ヒミツのかいがら」を集めて、それを消費する事でフィギュアを手に入れる事ができる。
      • このアイテム自体は『夢をみる島』にも登場しているが、そちらと異なり今作では無数に手に入る。
    • フィギュアは町の人やモンスターなど、ゲームに登場するキャラクターのほぼ全てが網羅されており、キャラクターのプロフィールも確認できる。全136種類もある。
    • キャラクター単体のものから、ジオラマ風に作られているものもある。宙に浮かんでいるキャラクターはスタンドで固定されているなど芸が細かい。
    • フィギュアの集め方は「くじびき」と呼ばれるものであり、いわゆるガチャポン。集まると当然重複するが、「かいがら」を一度に消費する数に応じて重複率を減らす事が可能となる。
    • 「かいがら」は、普通に草むらを狩る、宝箱から手に入れる、店で買う事等で手に入る。
  • チロップ
    • 「カケラあわせ」「フィギュア集め」を全てこなそうと思うと大変な作業ではあるが、今作ではその救済策のようなものとして「チロップ」というアイテムがある。
    • 200ルピーと高額ではあるが、カケラやかいがらの他にルピーが出やすくなる物もあるので、宝箱を取り切った後は、これを利用すればコンプリート作業の大きな助けになるだろう。
    • ちなみにハートや消耗品、妖精を出やすくする物もあるが、チロップ自体ビンに入れる物であり、ハートや妖精なら普通に薬を入れてもいいような気もするので微妙なところである。

問題点

  • 内容が過去作と比較して少々薄い。
    • ダンジョンは6つしかなく、進行も基本的に一本道となっている。
    • ただし、やり込み要素や探索要素は豊富であり、アイテムを入手したりかけら合わせを行うことで拓かれる道も多い。メインダンジョンの攻略順序も、過去作でもほとんどは基本的に一本道で一部に前後可能なものがあるくらいである。
  • キャラクターやグラフィック、BGMやアイテムなど、流用されている物が多めで新鮮味に欠ける部分も。
    • モンスターも過去作からの流用も多いが、なつかしいモンスターがリメイクされ登場していたり、中にはどこかの世界からやってきたモンスターも…。
    • ゼルダシリーズでは当時GBA『神々のトライフォース&4つの剣』から本作まで『神トラ』あるいは『4つの剣』を下敷きにしたゲームを連続でリリースしていた事から、結果本作はシリーズファンを食傷に陥らせた事も否めない。
  • 期間限定イベントの存在。
    • これは文字通りRPGジャンルではよくある「一定の時期にのみ発生し、逃すとアウト」のイベント。言うまでもなくゼルダには異色の存在である。
    • 幸い手に入るのは装備アイテムの強化版で必須アイテムでもなく、逃してもアイテム欄に空欄はできないのだが、どこか寂しいものがある。
+ そのイベントについて。ネタバレ含む
  • 特定の人物とかけらあわせをすると、ストーリー後半で行く場所に続くワープポイントが出現し、そこで幽霊にとりつかれている人物がいる。
    • その幽霊を祓ってやるのがその期間限定イベントであるが、いきなり変な所に飛ばされ混乱し、祓う方法がわからずに放置したままストーリーを進め、その場所に正式な方法で行く段階になって訪れると、その人物がいなくなっている。このせいでこのイベントは期間限定となっているのだが……。
    • 周囲の人たちはだれもその人物や幽霊について言及しない。その顛末についてはプレイヤーが想像するしかないのだが、普通に考えてなんとも後味の悪い想像しか浮かばない。
    • ちなみに助ける方法自体は簡単であり、イベントが見られる時には入手済みのあるアイテムを使えばいいのだが、ヒントがないため分かりづらい。
  • またこれとは別に人助けのイベントで択一(厳密には3人から2人選ぶ)になっているものがあったりとプレイヤーに地味に嫌な決断を迫る面があったり、特にイベントはないものの終盤入れなくなる場所や、会えなくなったりするキャラクターもいる。
  • フィギュア集めの作業。
    • フィギュアを集めるためには「くじびき」と呼ばれる上記のようなガチャポンをする必要があるが、使う「かいがら」の量を決めたらすぐにフィギュアが出るのではなく、会話をして自分でレバーを引くという作業を繰り返し行う必要があるため少々面倒である。
      • 実際のガチャポンのような何が出るかのワクワク感を出すのには効果的な演出だが、コンプリートを目指すとなるとこれを何度も行わなくてはならない。繰り返すと地味ながらかなりの手間になる。
    • さらにこのフィギュアのコンプリートがハートのかけらのひとつの入手条件になっているため、体力を最大にしたいならフィギュアのコンプリートも必要である。
    • 「チロップ」をうまく使えば「かいがら」集めもラクになるが、最終的には草刈りの単調作業の繰り返しになってしまうのが残念なところ。「カケラあわせ」によって手に入るルピーやかいがらは多めなので、手に入れたらこまめに使っておくといいだろう。
  • 剣技について
    • 一定の条件を満たした上で道場というスポットに行くことでリンクは新たに剣技を覚えるのだが、回転斬りやペガサスの靴によるダッシュ斬りなど、過去作では無条件に(あるいは必要なアイテムの入手や剣の強化で)できたことも多い。
    • そのため、余計な手間が増しただけと感じることも。
    • ただ、技を覚える際にその出し方を教えてくれるため、一概に劣化とは言いがたい。

総評

スタッフも2Dグラフィックのよさをふんだんに活かしたと語っており、2Dのゼルダとして出来る事を存分に振るったと言えるほどの丁寧な作り込みである。
ほのぼのとした世界観、練り込まれた多彩な仕掛けやアクションは楽しく、カケラあわせやフィギュア収集など、寄り道ややりこみ要素もとても豊富で遊びがいがある。
『ゼルダの伝説』シリーズの中では目立たない作品であるが、他のシリーズの作品には決して劣らない完成度を持つ。


余談

  • 姫川明によるコミカライズがなされている。
    • 頭身の高かった同作者による過去作のコミカライズと比較して、いわゆる「猫目リンク」に合わせたデフォルメ寄りのタッチで描かれている。
    • ストーリーは『4つの剣』がベースとなっており、敵はガノンドロフではなくグフーとなっている。