フリッキー

【ふりっきー】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード(SYSTEM I)
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼働開始日 1984年
プレイ人数 1~2人(交互プレイ)
判定 なし
ポイント 救出型横スクロールドットイート
一括救出の爽快感


概要

1984年にてセガ・エンタープライゼス(現:セガ)からリリースされたアーケードゲーム。
主人公である親鳥「フリッキー」を操り、各ステージに散らばった雛鳥「ピヨピヨ」を全員回収し敵をかわしながらも出口に送り届けるのが目的となる。
ジャンルとしては横スクロールのドットイートアクションというべきだが、ドットアイテムなどを全部回収すればステージクリアとなる従来のドットイートとは違い、本作はドットアイテムに該当するピヨピヨに触れるだけではなく、それらをフリッキーの後ろに引き連れて出口に救出させなければならないという差別化が図られている。

主なルール

  • 1~2人交互プレイ可能。全48ステージで、ステージ48をクリアすると表記上はステージ49だが構成はステージ1に戻ってループ。
  • フリッキーを操作して、ステージ内の複数の段差にいるすべてのピヨピヨを触れる事で回収し、回収されたピヨピヨがフリッキーの後ろへと一緒に付いてくる。その状態でステージ内に設置された出口にフリッキーが触れれば付いていたピヨピヨは救出(消費)される。すべてのピヨピヨを一匹残さずに救出すればそのステージはクリアとなる。
    • 触れたピヨピヨは何匹でもフリッキー後方に付き、ステージ内にいるピヨピヨをすべて付ける事も可能。
      • 出口にて一括でピヨピヨを大量に救出する程入手スコアが多く入る為、スコアを大きく稼ぐには一度に多くのピヨピヨを出口に向かわせる必要がある。逆にピヨピヨを少数で回収し何度も出口を出入りしてクリアする攻略も可能だが、当然ながら入手スコアは少なくなってしまう。
    • フリッキー達を邪魔する形で「ニャンニャン」という敵キャラが点在しており、引き連れたピヨピヨがこいつに触れるとピヨピヨの列が分断されて散らばってしまい、再度ピヨピヨの回収をするハメになってしまう。また、フリッキー自身がニャンニャンに触れるとミスとなってしまう。
      • ステージを進めるとニャンニャン以上に変則的な動きでトリッキーを苦しめる「チョロ」という敵も登場する。また、フリッキーが何も動かずに一定時間が過ぎると永久パターン防止というべき「怪獣」が出現し飛び道具を放ってくる。もちろんこいつらにフリッキーが触れるとミスとなるが、ニャンニャンとは違いピヨピヨの列に触れても分断はされない。
    • ステージ内には所々に「攻撃アイテム」が複数置かれている。これにフリッキーが触れるとアイテムを所持した状態となり、ボタンにてそれを前方に投げつけ、ニャンニャンなどの敵を倒せる。これがフリッキー唯一の攻撃手段となる。
      • 投げたアイテムは消費されて手ぶら状態となってしまう。また、アイテムは必ず一つずつしか持てず、アイテム所持中に別アイテムに触れても素通りしてしまう。
      • アイテムは有限であり、あまりホイホイと投げつけてしまうと、そのステージ内におけるアイテムが枯渇し攻撃手段がなくなってしまうので注意。
      • 倒したニャンニャンなどの敵は一定時間経過すると敵出現ハッチから再出現する為、完全なる全滅はできない点も注意。
    • 各ステージは左右スクロールの繋ぎ目がループとなっており、フリッキーを左右に移動させると延々とスクロールする。
  • ステージ3とその4倍のステージはボーナスステージとなり、ミス要因は存在しない。
    • ピヨピヨが画面下部から大量に降ってくるので、フリッキーを左右移動させて回収するのが目的となる。すべて回収すればパーフェクトボーナスが得られる。ステージを終えれば結果の成否に関わらず次ステージに移行する。
  • レバーとボタン1つでの操作となる。レバーにてフリッキーに移動操作、ボタンを押せばジャンプ兼攻撃アイテム投げができる。
    • このゲームではフリッキーの動きに独特の慣性があり、移動中に操作を止めてもすぐにはブレーキがかからなかったり、ジャンプがふわっとした感覚で飛ぶというクセがあるのでそれを踏まえた操作が重要となる。
    • ジャンプと攻撃は同じボタンなので、攻撃を行うと必然的に同時にジャンプをしてしまう。
  • 残機制でミス後の復活は、ピヨピヨの位置がミス前の状態での仕切りなおし復活となる。すべての残機がなくなるとゲームオーバー。
    • ミス条件はフリッキーが直接敵(ニャンニャン、チョロ、怪獣の飛び道具)に触れてしまう事である。
    • ステージをクリアすると、クリアまでの経過時間がクリア毎に毎回表示され、特定のスコアボーナスが貰える(あまりにもクリアが遅いとスコアが貰えないペナルティあり)。

評価点

  • 「いかにピヨピヨを回収して一括救出できるか」という面白さ
    • 大名行列の如くピヨピヨ達を引き連れて出口に向かい、軽快な効果音と共に大量のスコア表示がされる様は非常に爽快。
      • しかし、行列途中にピヨピヨがニャンニャンに触れて列が途絶えた時の絶望感は泣ける次第である。
  • クセのある操作性
    • ちゃんとバランスの一環を考慮した上での仕様であり、その辺が本作の味わい深さとなっている。
  • グラフィック面
    • 非常にカラフルかつコミカルな外観であり、フリッキーを筆頭とした各キャラの動きがなかなか細かくて可愛らしくて、ファンシーなゆるさ加減を上手く表現できている。
  • BGM
    • 曲数はやや少ないもののグラフィックにぴったりとマッチしたポップな楽曲となっており、ゲームを盛り上げてくれる。

問題点

  • ステージバリエーションの少なさ
    • 時代の関係で仕方ない点ではあるが。

総評

ステージバリエーションの少なさは気になるがテンポ良くさくさくとステージクリアが可能。
それでいて、どういう手順でピヨピヨを救出すればいいのかという戦略性を持っている佳作。


家庭用移植

人気があった作品だけあって多種多様なハードに移植されている。 PC版以外はすべてセガ・エンタープライゼス、もしくはセガ発売。

  • SG-1000版(1984年)
    • ハード性能の関係上、グラフィックが簡素化されているだけでなく、ゲーム性もニャンニャンが上からいきなり登場してくる・ジャンプがし辛いなど大きく変わっており、難易度が上がっている。
  • ジェネシス版(1991年4月)
    • 国内未発売。ただし、日本語のデータも収録されているため、日本版のメガドライブ本体で起動するとキャラ名や操作説明が日本語になる。
      • 日本版のフリッキーに関しては1991年1月よりゲーム図書館で配信開始されていた。
    • ハード性能の向上もあり、グラフィックとゲーム性はアーケード版とほぼ同一になった。
  • 他にもPCソフトにてかなり大量の移植がされている。
  • オムニバスソフト
    • ワンダーメガコレクション(ワンダーメガ、1992年4月1日発売)
      • 日本ビクターから発売されたバージョンに付属。「クイズスクランブル」「ピラミッドマジック総集編」「パドルファイター」及びCDカラオケと共に収録されている。
      • 2022年10月27日に発売されたメガドライブミニ2収録版はCDカラオケを除くバージョンとなっている。
    • ゲームのかんづめ Vol.1(メガCD、1994年3月18日発売)
      • ゲーム図書館で配信されたソフトやミニゲームが収録されたオムニバスソフトで、その中の1つに国内未販売のジェネシス(メガドライブ)版が収録されている。
      • 後にセガチャンネル用にリリースされた『ゲームのかんづめお徳用』に収録されている。さらに2019年9月19日発売のメガドライブミニに収録された。
    • SEGA AGES/メモリアルセレクションVOL.1(セガサターン、1997年2月28日発売)
      • 『ヘッドオン』『ペンゴ』『アップンダウン』とのカップリング収録。すべてAC基準の移植となっている。
    • ソニック メガコレクション(ニンテンドーゲームキューブ、2002年12月19日発売)
      • 主にソニック系を中心とした数多くの歴代セガゲームが収録されたオムニバスソフトで、その中の1つに国内未販売のジェネシス(メガドライブ)版が収録されている(隠しゲーム扱いで特定条件を満たさないとプレイできない)。
    • ソニック メガコレクション プラス(プレイステーション2/Xbox、2004年12月9日発売)
      • 上記のメガコレクションの上位版でさらに多くの歴代ソニック系ゲームが追加されている。フリッキーそのものは全く同じMD版収録である(隠し扱いなのも同様)。
    • セガ メガドライブ for Nintendo Switch Online(Nintendo Switch)
      • 2023年4月19日に収録ソフトの一つとしてメガドライブ版を配信。

余談

  • 1987年にセガより発売された『SDI』では各ステージで敵機・ミサイルを1つも撃ち漏らさず、パーフェクトでクリアするとボーナス計算画面をフリッキーが横切る演出がある。更に同条件で連続してステージをクリアすればピヨピヨを引き連れた状態で画面を横切る演出も見られる。
  • 更に隠しコマンドを入力する事で、自機をフリッキーにする事も出来る。やられると爆発するのではなく正面を向いて申し訳なさそうな顔で何度も頭を下げるのも可愛らしい。
    • ちなみにマークⅢ版にはフリッキーは登場しない。これは移植スタッフが「知らなかったし社内の誰も教えてくれなかったから」と後に語っている。
  • 公式ではフリッキーは当初は「雀」という設定だったらしいが、大人の事情であやふやになってしまったという逸話がある(参考)。
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最終更新:2024年03月24日 14:21