レッドアリーマー 魔界村外伝

【れっどありーまー まかいむらがいでん】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ゲームボーイ
発売元 カプコン
発売日 1990年5月2日
定価 3,300円(税込)
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2011年6月29日/400円
書換 ニンテンドウパワー
2000年3月1日/800円/F×1・B×0
判定 なし
魔界村シリーズ
レッドアリーマーシリーズ
レッドアリーマー / レッドアリーマーII (魔界村外伝) / デモンズ・ブレイゾン


概要

人気アクションゲーム『魔界村』の敵キャラクターで多くのプレイヤーにトラウマを与えてきた「レッドアリーマー」を主人公としたスピンオフ作品。
カプコンにとって初のゲームボーイ作品で、当時としては珍しい「アクションRPG」ジャンルのソフトでもある。

特徴

  • 通常は『ドラクエシリーズ』の様に見下ろし型のフィールドマップを移動し、ダンジョンに当たる場所に入ると2D横アクションパートのステージに突入する。
    • アクションパートはボスがいるメインステージの他、谷や洞窟等の道中ステージがある。
    • フィールド移動中は、ザコキャラとのエンカウントもあり、狭いアクションステージに突入する。
    • 村も存在しており、お金に当たる「魂」を集める事で1UPアイテムである「闇の力」を購入できる。
      • 後の村になるほど、闇の力の購入に必要な魂が多くなる。
    • 経験値に当たるものは存在しない。ステージやイベントをクリアする事で、ジャンプ力などの能力が向上する。能力アップのアイテムを入手して能力が向上する場合もある。
      また、攻撃技の種類も増え、中には特定の攻撃技を使わないと進めない場面もある。
  • コンティニューは平仮名8文字によるパスワード式。村で聞く事ができる。

評価点

  • 悪魔が主人公のゲームらしく独特なアクション。
    • 壁に張り付く「ヘルクライム」や翼を使い浮遊する「ホバリング」が可能。ステージ構成もこれらを使いこなさなければ攻略できないものになっている。
    • 攻撃手段も口から吐くブレスで独特さを際立たせている。
  • 魔界を舞台としているだけあって、ダークで殺伐とした雰囲気。
    • 村人のセリフも『サガシリーズ』を思わせる乱暴なセリフまわしでダークな世界観を演出している。
    • グラフィックも白黒ながら魔界の恐ろしい雰囲気をよく表現している。
    • 舞台設定にあわせたBGMも質が高い。

賛否両論点

  • 敵の攻撃力について
    • 今作の敵の攻撃力は、現在のアリーマーの体力上限より下に設定されているのが基本だが、フィールドでは時折体力の上限と同等の攻撃力を持つ雑魚が出現する。
    • ゲームの序盤からこの様な雑魚とエンカウントする事があるのだが、これら雑魚の攻撃を一発でも喰らった場合は当然ながら即死となり残機も1つ減らされてしまう。今作における理不尽な死因。

問題点

  • 序盤のステージが難しい。
    • 序盤の2ステージはレッドアリーマーが貧弱な状態で進まねばならない(ライフが2しかない本家魔界村状態、ホバリング可能時間も短く、攻撃は連射できない等)。下記の条件も絡んでよりシビアである。
    • 最初の面から本作独自のテクニックを要求するステージ構成になっている。さらにこのステージは残機がデフォルトの2で固定されている(つまり2回やられたら最初からやり直し)。
      • 残機制が採用されているゲームではリカバリーとの兼ね合いでデフォルトの残機数が3に設定されている物がほとんどなのだが、デフォルトの残機数が2では非常に厳しい。
    • 次のダンジョン「ビックタワーモンスター」は初見殺し的な構成のうえに、ライフ回復アイテムが一つも落ちていない。ここを攻略すれば連射可能な攻撃技が手に入る他、道中でライフ上昇のアイテムや悪魔のエキス(ロックマンのE缶のようなアイテム)が入手できるため、かなり難易度が緩和されるが…。
  • 無駄が多い。
    • 町村や洞窟内は、やたら道が複雑。敵が出るわけでもないのに、ただただ無駄に歩かされる。
    • 民家は誰もいないことが多く、パスワードを聞くところと闇の力を交換するところ以外は、ほぼ無意味。
      • これらの無駄は、続編以降も一切改善されていない。
  • 経験値やレベルが無く、お金の概念も無いため、RPGとしてはかなり味気無い。
  • ゲーム展開について
    • 今作は中盤(エビルパレス突入辺り)以降では特定のダンジョンをクリアすると、それより以前の展開で訪れる事ができたフィールドおよび町村ショートダンジョンへ一切戻れなくなってしまう。
      つまり、中盤以降では序盤の村に戻って割安で魂の交換を行う事ができなくなったり、フィールド雑魚にもエンカウント出来なくなる種類が存在したりする。
    • 特に顕著になるのが上述の「悪魔のエキス」の取得法。
      • 今作の強化アイテムは基本的にイベントを経由して自動入手するのだが、このアイテムはフィールドに落ちている壺を調べて任意で入手する。いわゆる「フィールド宝箱」形式。
        「悪魔のエキス」は入手するとゲームを楽に進める事ができるのだが、アイテムの存在に気付かずに特定の箇所までゲームを進めてしまった場合は、ゲーム中で二度と入手する機会が失われてしまい、結果として以降の展開がよりキツく感じられる様になってしまう。

総評

空を飛び口から火を吐く悪魔を操作するアクション+RPGという構成の物珍しさと、当時としては少数派であった「悪側寄り」の風変わりな雰囲気が魅力。随所で特殊操作の活用を要求してくる作りのアクションパートも、本作の独自要素をよく生かしている。

反面RPGパートについては、ストーリー演出・ゲーム性など多くの面で没個性的であり、作品全体の完成度について考えた時に長所と呼べるかは微妙なところだろう。
『魔界村』本編と比べればアクション難度が易しく、またRPG要素を含む分接しやすい。そんな本作は、タイトル通りに「レッドアリーマーのスピンオフ作品」としてそのダークな雰囲気を楽しむゲームである。


続編等

  • 本作の続編としてFC『レッドアリーマーII』が発売。これは後にGBにも『魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS』として移植されている。
  • また更にその後はシリーズ最終作としてSFC『デモンズ・ブレイゾン 魔界村 紋章編』が発売されている。
    • ちなみに『超魔界村R』のアレンジモードのボスとして初登場し『NAMCOxCAPCOM』でゲスト出演したレッドアリーマージョーカーは本作に関連するセリフを話す。

余談

  • フラグが不完全など、変な状態で再開できるパスワードが多数存在している。
    • 有名な一例としては、雑誌等の裏技で紹介された「きききき-きききき」というお手軽パスワードがある。
      • 砂漠ステージをショートカットしてシナリオを進行する事ができるが、道中でこの砂漠ステージクリア後に習得できる必須攻撃技がないとクリアできない場面が存在し、さらに後戻りできないためにクリア不能となってしまう。
      • このパスワードを使った事が原因で手詰まり状態になった人も多かった事からゲーム雑誌の質問コーナーにヒントを求める人が続出し、その後の雑誌の質問コーナーの回答で「面倒でも砂漠ステージをきちんとクリアするように」と対処する事態となった。
    • 上記以外にも「えにくす-えにくす」(進行度に比べて能力が低すぎてクリア不可)といったネタパスワードも存在する。このゲームに限らずこういった類のものは能力やフラグアイテムの関係で元からクリア不能、もしくはイベントの進め方によってはクリア不能になるものも多い。
  • 本作の開発に携わった成瀬憲史氏は後にカプコンから独立、浮世亭を設立し、『Hook (SFC)』を手がけている。
    • 浮世亭が開発した作品の一つのSFC『迦楼羅王』はトップビューによるフィールド画面や壁掴まりや空中浮遊といったアクションの存在から今作と共通している点も多く、精神的続編ともいえる立ち位置にあると思われる。
  • 2023年2月9日より『ゲームボーイ Nintendo Switch Online』の初期収録ソフトの一つとして本作が配信された。

+ タグ編集
  • タグ:
  • ARPG
  • カプコン
  • 魔界村シリーズ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年06月30日 16:37