バーニングフォース
【ばーにんぐふぉーす】
ジャンル
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擬似3Dシューティング
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対応機種
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アーケード(システムII)
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発売・開発元
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ナムコ
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稼働開始日
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1989年11月
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プレイ人数
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1~2人(交互プレイ)
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レーティング
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【VC】CERO:A(全年齢対象)
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配信
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バーチャルコンソールアーケード 【Wii】2009年7月14日/800Wiiポイント アーケードアーカイブス 【Switch】2023年10月26日/838円(税10%込) 【PS4】2023年10月26日/837円(税10%込)
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判定
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なし
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UGSFシリーズリンク
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概要
ナムコ製作の擬似3DSTG。
SF+美少女ヒロインという取り合わせの80年代SFアニメテイストを加味したギャルゲー風味ながら、中身はいたってオーソドックスな内容になっている。
バックストーリー
宇宙時代に対応すべく2100年に設立された教育機関「地球大学」。
この大学の2本柱は、地球を自らの環境破壊から守る方法を研究する学問である「地球学」と、
地球外環境で人間が生きるための宇宙生活、惑星移住、惑星探索などを研究する「宇宙学」である。
宇宙学専攻生でありパイロット志願である女学生・天現寺ひろみは、数日間に跨って行われる実戦形式の卒業試験に挑む。
システム
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舞台は地球大学の試験場であり、5日間の訓練に1日の実戦、計26エリアをクリアする事が目的となる。
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訓練の5日間は午前・午後・夜・夜明けに分かれている。
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午前と午後はエアバイク、夜はエアプレーンの操縦を行い、夜明けはボーナスステージ。夜にはボスが出現する。
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エアバイクは左右への平面移動のみ可能でレバー上下で加減速する。ジャンプ台を使って一時的に空中移動が可能。敵本体・障害物との接触ではミスにならないが、後方に弾かれて硬直が発生する。
エアプレーンは上下左右に自由に移動できる代わりにスピードコントロールは一切できない。また、バイク同様、敵本体と敵本体・障害物との接触ではミスにならない。
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エアバイク・プレーン共に敵弾との接触で1ミスとなり、残機0でゲームオーバーとなる。
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午後のエリアをクリアするとエアバイクをエアプレーンに換装するデモと共に、女性教官・ミス教子が登場してボスの弱点を教えてくれる。
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基本操作は8方向レバー2ボタン。ショットボタンで各種アイテム取得により変化するメインショット。ミサイルボタンで使用回数制限のあるミサイルが撃てる。
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ミサイルはミスしても補填されず、専用アイテム(HもしくはM)を取得しない限り増加しない。
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Hは敵を追尾するホーミングミサイル、Mは前方に発射後、敵や障害物に接触するか一定の距離に到達すると爆風が広がる攻撃を放つ。
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コンティニューはそれまで進んだステージを選択できる方式で、ゲームオーバーになった面から再開することは当然ながら、進行状態によっては前の面に戻って再開することも可能。尚、
選択したステージに関係なく再スタートはその面の最初から
となっている。
評価点
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川元義徳によるBGMは評価が高く、SF世界観と舞台設定にマッチした疾走感あるカッコいい曲がそろっている。
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1面BGM「Bay Yard」は特に人気が高く、音楽ゲームなどでもアレンジされている。
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エンディングシーンのBGMも後に「ナムコゲームグラフィティ」シリーズ内でボーカルアレンジされている。
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元々は中潟憲雄氏が曲を手掛ける予定だったのだが、開発序盤で中潟氏がナムコを退職してしまったため、川元氏が手掛けることになったという経緯を経ている。
賛否両論点
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女性主人公を押し出したギャルゲー的な雰囲気。
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87年の『ワンダーモモ』あたりから見られ始めたヒロイン推しの傾向だが、本作ではいかにもアニメオタク層を狙ったような「エアバイク+ハイレグ戦闘服に身を包んだ美少女」という取り合わせや、タイトル画面いっぱいに表示される主人公のフェイスグラフィックなどのギャルゲー的な趣は賛否あった。
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とはいえ、演出面においてヒロインを押し出すようなことは一切なく、主人公自身の姿もエンディングやスタッフロールくらいにしかでてはこないので、そこまで忌避感を抱かせるようなものでもない。内容的にはいたって普通のSFシューティングである。
問題点
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雰囲気を出すために基本画面の装飾が凝っているのだが、残機表示や残ミサイル数がわかりにくい。
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最終面の仕様
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最終ステージのみコンテニュー不可。いくらクレジットを投入して時間をかけてプレイしてもここでのゲームオーバー後は1面冒頭からやり直しである。
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鬼畜というほどの難易度ではないが、ステージが進むにつれて敵の攻撃が激化しそれなりに難しくなってくるので厳しいところ。
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ただし、この当時のアーケードゲームでは終盤(アルゴスの戦士)や最終ステージ(初代ストリートファイターなど)はコンティニュー不可なゲームは珍しくはなく、本作だけの問題ではない。
総評
サウンドは優秀だが、ゲームの出来については特に語るべき点は無い。
可もなく不可もなく、いたって平凡なステージ構成。狂ったような難易度があるわけでも、初見で楽にクリアできるわけでもない、繰り返しプレイ推奨の覚えゲー。
ギャルゲーSTGの走りではあるが、内容だけ見れば卒なくまとまった凡ゲーと言ったところだろう。
家庭用移植
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MD版 1990年10月19日発売 ナムコ/ノバ
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リリース当時における唯一の家庭用移植。ライフ制の追加導入や一部BGMの削除・短縮、AC版では日本語だった文字表示が英語表記になっているなどの変更点がある。ハード性能の都合で演出含めパワーダウン感は否めないが、移植度はそれなりに良好。
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また、5つ取ると1回だけ任意で使用できる無敵アイテム(時間制)が追加されている。
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ちなみにMD版のパッケージイラストは「魔物ハンター妖子」などで知られる宮尾岳氏が描いている
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Wii バーチャルコンソール(2009年7月14日配信開始
※サービス終了につき配信終了
)
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アーケード版の完全移植。オプションが用意されており、連射速度や自機数、エキストラスコアなどの設定が可能(難易度設定のみ不可)。
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PS4/Switch アーケードアーカイブス版(2023年10月26日配信開始)
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「ゲーム設定」にて難易度設定や連射設定、ラウンドセレクトなどが設定可能。
余談
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エアバイクには詳細な設定があり、サウンドトラックのブックレットに記載されている。
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名称:SIGN DUCK(サインダック) 10-B
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定価:$41,100
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装備重量(燃料除く):175kg
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試験重量:182kg
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馬力/回転数:840/35,000
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トルク/回転数:55/31,000
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主人公ひろみは後に『NAMCOxCAPCOM』で『バラデューク』の主人公「トビ・マスヨ」と共に参戦している。
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『NAMCOxCAPCOM』では『地球大学卒業後にUGSFに所属した』という設定になっているが、ゲーム本編がUGSFと関連付けられたのは『NAMCOxCAPCOM』が初めてで、後にUGSFの世界観に正式に正史として組み込まれた。
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なお、ナムカプでは(候補生である)ひろみは(正規兵である)マスヨの後輩という設定になっているが、UGSF公式サイトの年表によるとバーニングフォースはバラデュークより200年ほど過去の話とされているため、「時代を超えたクロスオーバー」故の二次設定と考えるべきだろう。
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音楽ゲームで本作の楽曲が収録された。
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『太鼓の達人』では1、2、4面のBGMをメドレーアレンジした「バーニングフォースメドレー」が、アリカから発売の「テクニクティクス」の続編「テクニクビート」では、テクノアレンジされた1面BGMが「Burning Force」のタイトルで収録されている。
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後に太鼓アレンジ版はタイトーの『GROOVE COASTER 3EX DREAM PARTY』のイベント「超STG祭其ノ弐」のナムコ枠として移植もされた。
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ただし、他社STG作品のキャラクターがナビゲーター及びアバターとして配布されたが、今作からは楽曲だけの参戦となった。
ひろみちゃんは泣いてもいい。
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かつてゲーメストで発売・開発会社をナムコではなくデータイーストと表記される誤植が存在した。
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上記の通り、当時のナムコらしい(?)アニメ風美少女を主人公とした作品であるため、男臭いバカゲーに溢れるデータイーストとは真逆の作風である。
タイトルからして男臭さが凄いので違和感がないのがアレ。
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なお余談であるが、ナムコは1988年3月にデータイーストの株式の25%を取得して一時的に”関連会社”にしている(1993年4月まで)。『ウルフファング』等のタイトルがナムコの流通で発売されているのはその為である。
最終更新:2024年02月21日 16:16