パック&パル

【ぱっく あんど ぱる】

ジャンル アクション
対応機種 アーケード
発売・開発元 ナムコ
稼働開始日 1983年7月
判定 なし
ポイント パワーエサのない『パックマン
本作限定お邪魔キャラ「ミル」
パックマンシリーズリンク


概要

  • 1983年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からアーケードにてリリースされた、縦画面ドットイートアクション。日本においては初代『パックマン』『スーパーパックマン』に次ぐシリーズ3作目となる作品*1
  • 1~2人交互プレイ可能、エンドレスループ制。

主なルール

  • 使用コントローラーはレバー+1ボタン。レバーにてパックマンの四方向移動、スペシャルアイテム効果中(下記)にてボタンを押せば攻撃ができる。
  • 残機数ですべてなくなるとゲームオーバー。ミス後の復活はミス前からの状態での再開となる。
  • 基本的なプレイルールは『スーパーパックマン』と同様、フルーツアイテムを全部取得すればステージクリアとなる。

変更点

  • 『スーパーパックマン』でいうところのカギの代わりにカードが配置されている。これを取るとそのカードがめくれ、カードの絵柄と同じアイテムがロックされた特定の扉が開き、中に進入できる仕組みとなっている。
    • パックマンがアイテムを取っていない、もしくはミルにアイテムを奪われていない(下記)状態ではカードは消滅せず画面内に残った状態となる。めくれるカードは最大3枚で、それ以上のカードに触れても素通りしてしまい、めくる事はできない。アイテムを取得もしくは奪われた場合にてめくったカードは消滅する。
  • 本作限定のお邪魔キャラ「ミル」が追加され、過去作の4匹も加え、計5匹が出現するようになった。
    • ミルはパックマンが触れても一切ダメージを受けない。しかし、扉が開いた状態のアイテムを奪い、モンスターの巣の中に持ち帰ってしまう行動を起こす。アイテムを巣に持ち帰られると二度とそのアイテムは取れないが、その前にパックマンが泥棒状態のミルに触れると奪還した扱いとなりアイテムの効力(スコアなど)が得られる。
  • 前作でいうところのパワーエサやスーパーエサは本作には登場しない。その代わりに一定時間パックマンが直接攻撃して敵をひるませる効果を得られる「スペシャルアイテム」が存在する。
    • このアイテムを取るとボタンにて攻撃が可能となり、制限時間内なら無制限で攻撃可能。攻撃を受けた敵は少しの間ひるみ、その間は触れてもミスにはならないが、パワーエサなどのような直接無敵になれる効果ではないので注意(効果中でも攻撃を当てていない敵に触れるとミスとなる)。また、ミルには一切の攻撃は通用しない。
    • ステージによってスペシャルアイテムの攻撃種類に違いがある(但し、見た目が違うだけで攻撃性能自体はどれも同じ)。以下詳細。
    • ステージ1~2「ギャルボス」…『ギャラガ』のトラクタービームに似た攻撃で、これを当てると敵が気絶する。
    • ステージ4~6「ラリーX」…『ラリーX(ニューラリーX)』の煙幕攻撃に似た攻撃で、これを当てる敵が煙で硬直する。
    • ステージ8~10「トランペット」…これを当てると敵が踊ってしまう。
    • ステージ12~14「雪だるま」…これを当てると敵が凍ってしまう。
    • ステージ16~18「小パックマン」…小さいパックマンを出す攻撃で、これを当てると敵が頭をかじられる。
    • ステージ20からのステージの攻撃は「ギャルボス」からのエンドレスループとなる。
  • 過去作には存在した外壁や、一定時間で出現したボーナス的なアイテムが一切存在しない。また、画面中央はオレンジで覆われた空間があり、この中ではキャラの目しか表示されなくなる。
  • ステージ3、及びそれ以降の4の倍数ステージ(ステージ7、11、15、19~)はレストタイムというボーナスステージとなっている。このステージには敵は出現せず、ミス要因は一切ない。
    • ステージ内に10枚のカードが設置されているので、それをめくっていく。カードには「通常」「ミル」「アカベエ」の3種類があり、通常では100点ボーナス、ミルはそれ以降めくった通常カードが200点になるボーナス、アカベエはステージ終了(はずれ)の効果がある。
  • パックマンシリーズにおいて初めてメインステージBGMが採用された。

評価点

  • BGMがついた。それまでのシリーズではゲーム中のBGMは一貫してサイレン音だったが本作からは本格的なBGMが用意された。
    通常ステージ、ボーナスステージ共に良曲である。
  • 敵キャラは表情豊か、トランペットの音符にあたって嬉しそうに踊り出したり、ステージ開始時にウィンクしているミルなど、今までのシリーズでは見られなかったキャラゲーとしてのカジュアルさが表現されている。

問題点

  • 攻撃アイテムも攻撃方法や敵のグラフィックが変化するのみで効果に差がなく、変化に乏しい。
    • 日本国内のシリーズとしては既に3作目にあたるのだが、相変わらず迷路が1パターンしかない*2のも変化の乏しさに拍車をかけている。
  • シリーズの恒例だったコーヒーブレイクが削除されてしまった。

総評

ゲームとしてはスーパーパックマンの発展系という作品で、過去作の常連ファンならば安定した楽しみを堪能できる作品といえ、逆にいえばジャンル的にこれといった目新しい新鮮味が薄い作品でもある。

ミルの登場やスペシャルアイテムによる特殊攻撃といった新要素が採用された反面、過去作にあった「パワーエサ」「外壁」の存在や、特定ステージにて拝めたブレイクタイムが省かれてしまっている。よって、本作を「パックマンの新境地」と評する者もいれば、「パックマンらしさをことごとく廃した」と批判する者もいる。そういう意味では賛否の分かれる作品かもしれない。


余談

  • ある意味、最大の特徴であるミルのネタ
    • 上述した通り、パックマンがミルに触れても一切のミスにはならない。そして、ミルには移動パターンに法則性があり、それを利用すれば「パックマンが扉を開ける ⇒ ミルがアイテムを取って持ってきてくれる」というパターンが成り立つ。そのパックマンの姿はまるで彼女に貢がれるヒモ状態であり、何ともいえない雰囲気を漂わせている。
    • また、ミルがアイテムを巣に持ち帰ってしまうと、そのアイテムは消滅(すなわちステージクリア条件に一歩近づく)するので、それを利用すれば「パックマンがアイテムを取らなくてもミルが勝手に消費してくれる」という攻略も成り立つ。こっちはこっちでパックマンが彼女を利用している足軽状態であり、なんともい(ry
    • ちなみに、ミルの容姿は「リボンをつけた緑モンスター、他のモンスターよりちょっと小柄で乙女な外見」、そして「敵ながらパックマンの攻略の手助けをしてくれるツンデレ(?)っぷり」という行動パターンからして、「実は80年代初期のゲームにおける萌えキャラじゃね?」と思えるのは気のせいだろうか?
  • 海外版では『Pac-Man & Chomp Chomp』のタイトルで稼働された。欧州ではごく少数のみ稼働されたが、北米ではロケテストしたが正式稼働をされなかった。
    • ミルが犬のキャラクター「Chomp」に差し替えられているが、ゲーム内容は日本版と同等。
    • 同作は権利関係で家庭用移植がされておらず、日本版の『パック&パル』を移植されているのが多い。

家庭用移植

『スーパーパックマン』同様、存在がマイナー気味で知名度が低く、アーケードアーカイブス版の発売まで全てオムニバスソフトでの収録だった。

  • アーケードアーカイブス版(Playstation4/Nintendo Switch 2022年9月1日配信 ハムスター)
    • アーケード版の完全移植。稼働39年目で初の単体移植となった。
  • オムニバスソフト。『ナムコヒストリー』のみナムコ製、『ナムコカーニバル』『バーチャルアーケード』はバンダイナムコゲームス製、『PAC-MAN MUSEUM+』はバンダイナムコエンターテインメント製。
    • ナムコヒストリー Vol.3(Windows、1998年6月9日発売)
    • みんなで遊ぼう!ナムコカーニバル(Wii、2007年12月6日発売)
    • ナムコミュージアム バーチャルアーケード(Xbox360、2009年11月5日発売)
    • PAC-MAN MUSEUM+(Playstation4/Nintendo Switch/Xbox One/Steam 2022年5月26日発売)
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  • タグ:
  • ACT
  • ナムコ
  • パックマン

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最終更新:2024年01月10日 18:25

*1 海外市場においては、パックマンの次に『ミズパックマン』という作品がリリースされている為、本作は4作目にカウントされる。

*2 海外で開発されたミズ・パックマンでは迷路のパターンが増え、ジュニア・パックマンではワープが無くなった=画面の上下左右が繋がらなくなった代わりにフィールドが広がりスクロールするようになり、ベビー・パックマンではビデオステージの他、モニタ下にピンボールステージが設けられるなど単調さを払拭する進化を遂げているのに比べると単調さは否めない