CURSE

【かーす】

ジャンル シューティング

対応機種 メガドライブ
メディア 3MbitROMカートリッジ
発売元 マイクロネット
発売日 1989年12月23日
定価 6,800円
配信 プロジェクトEGG:2013年8月20日/880円
プレイ人数 1人
判定 なし
ポイント 全体的にモッサリ
耳障りな効果音
BGMや爽快感に関する評価は高い


概要

マイクロネットより発売された、メガドライブ用横スクロールシューティングゲーム。
マイクロネットのソフトは総合的にあまり良い評価を得られていないが、その中でも本作に対する批判は大きいのが実情とされる。

プレイヤーは危機に面した惑星セネカを救うべく、万能恒星間宇宙船「バルトアンデルス」を操縦し、侵攻を企てるパルセリア軍の壊滅を目指すことが目的である。

ストーリー

惑星セネカのルーツとされる惑星パルセリアが、突然あらゆる接触を絶ち数百年がたった。
パルセリアは伝説として忘れ去られ、兄弟星のあった空を見上げる者も絶えて久しかった。
そして…。パルセリアからの侵略は、突然はじまった。
圧倒的なパルセリアの攻撃にセネカの防衛部隊には、なす術がなかった。
いまや惑星セネカは、壊滅状態にあった…。
しかし、反撃のチャンスはきた! パルセリアの主力攻撃部隊が到着する前に敵主力母艦「マザー」内にある謎の物体を叩くのだ!
セネカの希望を背負って万能恒星間宇宙船バルトアンデルスはいま旅立つ。


システム

  • 1人プレイ専用、全5面1周エンド。オーソドックスなパワーアップ型横スクロールシューティング。
  • 自機操作は方向キーと3ボタン(A:ボム、B:ショット、C:オプションの位置変更)。
  • ライフ制(画面ではシールドと表記)と残機制の併用で、敵弾・敵機に接触するとシールド値が減少し払底すると1ミス。地形やボスキャラに接触するとシールドの残量に関係無く即ミスとなる。ミス後はその場で数秒間無敵となった状態で復活。コンティニュー機能は無い。
  • タイトル画面でABCいずれかを押しながらSTARTでオプションモードになり、残機数、BGM・SEテスト、1面から4面までのラウンドセレクトが可能。難易度設定やキーコンフィグ機能は無い。ラウンドセレクトをした場合、パワーアップ・スピードともゼロの状態でスタートするため、相応の実力が無いと先に進むことは困難。
  • 時折現れるアイテムキャリーを破壊すればアイテムが出現、取得したものに応じたパワーアップ効果が得られる。なおミスするとボム以外の全てのアイテム効果が無くなる。
+ アイテム詳細
W(ワイドビーム)
前方攻撃に特化した地形を貫通するショット。物陰に隠れた敵を攻撃できるため、障害物の多いステージで威力を発揮する。
V(Vレーザー)
広範囲をカバーするショット。3WAYまでパワーアップが可能。
C(クラッシュ)
敵に着弾すると散弾をばら撒くショット。耐久力のある敵に着弾した場合、散弾化せずダメージを与える。威力はあるが、弾速が遅く連射性能に劣る。
O(オプション)…自機周囲につくオプション。ボタンを押す毎に90度ずつ向きが変わり、上下もしくは左右方向に援護射撃をする。オプション自体に攻撃判定があり、敵に接触させてダメージを与えられる他、敵の通常弾も打ち消す。

M(ミサイル)…誘導ミサイル。ショットと同時に発射され、最大3連射となる。

E(エネルギー)…自機のシールドを最大値まで回復させる。なおシールドは面クリアでも最大値まで回復する。

S(スピード)…自機の速度を3段階まで上げる。
ボム
単体アイテムとしては登場しない。使用しているショットを最高ランクまで上げた状態で、同じ武器アイテムを取ると1発補充される。画面上の敵弾を消し、全ての敵にダメージを与える。ただしラスボスのレーザーなど消せない敵弾も存在する。ミスしても数がリセットされない。
+ 各面詳細とエンディング
1面・セネカの森
やたら陽気なBGMでゲーム開始。自機の初期速度が非常に遅いため、早くスピードアップしたい。最初の面であるが障害物が数多く突起、背景と見分けがつきにくいため衝突死するパターン多し。地形を無視できるワイドビームだと進みやすいのだが、アイテムが地形にめり込むというデメリットも背負う。ボスは巨大な鳥、ばら撒いてくる羽は破壊可能。
2面・セネカ上空
高速で飛来する隕石をかわすのがメイン。赤・緑の2種類あり赤は破壊できないうえ、ワイドビームも貫通しない。それはいいのだが弾を当てた時の「キィン!」という効果音がやたらノイジーで耳に障る。この面から中ボスが登場。ボスはグリーンドラゴン、頭が弱点。
3面・パルセリア先発隊基地
山岳地帯の基地であるため岩山が多く出現、1面と異なり天井にも衝突判定があり、さらに敵弾も多くなるなど、敵の攻撃が激化。中ボスは2面ボスのパレット変更バージョン。ボスはなんとも形容しがたい生物のようなもの、青い目玉が弱点。
4面・宇宙空間遊撃隊
宇宙空間のため全ステージ中、唯一障害物が無いステージ。しかし高速スクロールなうえ、ステージの敵出現数が並大抵ではなく、装備が弱いと簡単に押し負ける。クラッシュは地雷武器。ボスは右手にビームキャノンを構えた巨大ロボ、全身に判定があるので攻撃しつつ適当に避けていれば勝手にやられてくれる。
5面・航宙母艦マザー内
最終面が要塞なのはお約束。この面だけミスすると面の最初に戻される。ここに来るまでに自機の速度を最大まで上げたため、入り組んだ迷路状の壁に激突死するプレイヤー多し。さらに初見殺しの罠も多く、攻略は一筋縄ではいかない。またラスボスが不気味な効果音とともにかなりグロイ外見になるためトラウマになった人も。
エンディング
非常にシンプル。流れる星空をバックに淡々とスタッフロールが流れて終了。

問題点

  • メガドライブにもかかわらずフレームレートが30fpsと他のシューティングの半分程度なため、キャラがカクカクして動く。ゲーム自体がモッサリなため、そのがたつきがかなり目立つ。
  • 耳障りな効果音。ボムを使用したり、破壊不可の敵に弾を当てた時に「キィーン」という音が鳴るが、音割れ気味の高音で耳障りである。
  • グラフィック自体は悪くないが、テカテカした原色を多めに配色した2面や3面など色使いに難のある箇所がある。当時のゲーム雑誌においても「ケバケバしい配色」と指摘されていた。
  • 敵配置が練られておらず全体的に大味であり、難易度も低め。その上ボス戦は安全地帯が分かり易いため単調になりやすい。
    • ラスボスに至っては永久パターンを利用して無限に稼ぎが可能。

安地使用で1000万超え、敵がオプションに勝手に体当たりするので弾を撃つ必要が無い

  • 背景と障害物の見分けがつきにくく、移動しているといつの間にかミスということもありがち。Vレーザーやクラッシュを装備すれば、弾が障害物に遮られるので判別しやすいが、地形を貫通するワイドショットを装備していると、その見分けができず障害物に衝突してしまうこともある。
  • 不気味なパッケージデザイン。黒バックに後頭部がメカと脳味噌の女性という異色なもの。しかも地味にネタバレ。
  • 機械系の敵と生物系の敵が混在しているステージがあり、敵やステージのデザインに統一性がない。
  • ミスした際はその場復活なのだが、最終ステージのみ最初の地点へ戻り復活。しかし最終ステージは初見殺しのオンパレード。

※一例

左・×印の砲台は破壊できない、知らずに壊そうとすると砲撃されて死ぬ
中・斜めになった砲台の破壊に気を取られていると、正面からのレーザー砲で死ぬ
右・一見すると背景の一部にしか見えないレーザー砲で死ぬ


評価点

  • 多重スクロール機能を持つメガドライブ初期の作品のため、当時のゲーム誌上にて「今はやりの2重スクロールで背景の奥行きを表現している」と評価されていた。
  • 敵自体はそこまで固くない為、画面を覆いつくす敵を一掃するという爽快感がある。
  • BGMのクオリティは高く、ステージ4のBGMは特に人気が高い。(参考:ニコニコ動画
  • ミスした場所にもよるがアイテムの出現数は多いため、ミス後の復帰は難しくない。ただし余りに多すぎるためミスした際の緊張感もやや低い。

多量に出現するアイテム


総評

高評価を受けた『サンダーフォースIIMD』の後発だったため、比較され相対的に低評価になった。
難易度自体も低いため手慣れたシューターからの評価はかなり低く、「カス」という蔑称まで付けられた(余談も参照)。反面、ステージが5つしかなく、全体で15分ほどで早く終わる手軽さゆえ、初心者のシューターからはソコソコな評価を得た。
当時のMDにおける本作は『XDR』と並ぶ二大クソシューと言われていたが、向こうはこれと比べ物にならないクソゲーであった…。それ故に、BGMが上質でゲーム性もアレよりはまともな本作は「まだ許せる方」と微妙に再評価されている節がある模様。

参考文献 ファミコン通信1989年12月21日発売号/ファミコン通信オールゲームカタログ1991


余談

  • 本作は、MDとX68000の仕様が似ているところが多いことから、基本的にはX68000で開発されている。プログラムを作ってグラフィックを多少調整するだけで、大抵のソフトがMDで動くことから、X68000でのソフト開発は楽だったという。*1
  • BEEPメガドライブ読者レースレビュー曰く「文字通りカス」。

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最終更新:2023年08月16日 21:11

*1 MD本体には「マスターシステムモード」と「メガドラモード」という2つの動作モードがあり、本作の場合は「メガドラモード」で動作した。一方、使うROM容量が少ないことから、「スペースハリアーII」のようにマスターシステムモードで動作するソフトも存在した。