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*マッドシャーク 【まっどしゃーく】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|アルュメ|~| |開発元|アルュメ&br;MOSS|~| |稼動開始日|1993年11月下旬|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |配信|アーケードアーカイブス&br;【Switch】2023年8月10日/838円(税10%込)&br;【PS4】2023年8月10日/837円(税10%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|これ何て『[[雷電]]』?&br;ある意味雷電の異母兄弟|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 かつてバンプレスト(現:バンダイナムコエンターテインメント)の下請けや自社発売などでアーケードゲームを開発していたメーカー、アルュメから1993年にACリリースされた縦シューティング。~ 全7ステージ構成・周回ループのエンドレスゲーム。 開発は[[雷電シリーズ]]を手掛けたセイブ開発の元スタッフであった駒澤敏宣氏が独立し、後に『[[雷電III]]』以降のシリーズ作品を手掛けているMOSS([[参考リンク>https://ch.nicovideo.jp/mikadogame/blomaga/ar1705951]])で、同時に同社のデビュー作にあたる。((ちなみにMOSSの設立は1993年3月。))~ …なのだが、元セイブ開発のスタッフ故の因果か、それとも発売元がアルュメ故の悲劇か、下述で記されているように、''何から何まで『雷電シリーズ』にそっくりになってしまった…。'' ---- **主なルール・ゲームシステム -使用コントローラーはレバー+2ボタン。レバーにて自機移動操作、ボタンは各自、ショットボタンとボンバーボタンに使用する。 --ショットボタンは特別説明する程の事はないスタンダードなもので、メインショットとサブウエポンを同時に放つ。 --ボンバーボタンは『雷電』同様、使用制限があり、少しの間の後に自機前方にて敵弾かき消し能力のあるボンバーが放たれる強力な攻撃にあたる。 -特定敵を破壊したり、一定条件を満たすとアイテムが出現する場合がある。以下その詳細。 --自機ショット強化系…3種類のアイテムがあり時間経過で切り替わる。アイテムを取る事で性能の違うメインショットが撃て、装備しているショットと同じアイテムを連続で取ればパワーアップもする。要は『雷電』のパワーアップ形式と全く同じである。敵であるアイテムキャリアーを破壊すれば出現。 ---「マッドミサイル」:ゲーム開始、及びミス後の復活時における初期装備のショットはこれとなっている。前方集中型のショットでパワーアップすると前方幅が広くなる。 ---「シャークバルカン」:前方拡散型のショット。パワーアップすればほぼ前方をカバーできる攻撃範囲の広い攻撃が可能。しかし、攻撃力の面では3ショット中最も劣る。 ---「ダーマレーザー」:前方集中型のレーザー。パワーアップすればレーザーが太くなり、攻撃範囲が若干横幅に伸びる。シャークバルカンとは真逆で、攻撃範囲は狭いが攻撃力が高いという、『雷電』のレーザーと非常に近い性能。 --その他アイテム ---「バードミサイル」:サブウエポンであるホーミングミサイルを放つ。連続で取ればパワーアップもする。サブウエポンなのでもちろんメインショットとの併用は可能。アイテムキャリアーから出現。 ---「サイドバンズボム」:ボンバーのストックが1増える。アイテムキャリアーから出現。 ---「サスピシャスコイン」:所々に設置されている箱を破壊すれば出現。いわゆるスコアボーナスアイテムだが、小刻みに「100、500、1000、5000、10000~」の順で変動しており、どのタイミングで取るかで入手スコアが変化する。 ---「フルパワー(仮名)((「仮名」と示されたアイテムは公式では名称が明かされていないので、執筆者が独断で命名している。))」:「P」と表示されたアイテム。取ると所持しているメインショットがフルパワーになる他、すでにフルパワー状態だと10000から獲得毎に上昇していき最大50000点のスコアボーナスが入る。アイテムキャリアーから出現。 ---「リザレクション(仮名)」:「☆」と表示されたアイテム。取るとミス後の復活時にてパワーアップを2つ取った状態で復活できる効果。また、50000点のスコアボーナスも入る。特定条件で入手可能。 ---「エクステンド(仮名)」:いわゆる1UPに該当するアイテム。特定条件で入手可能。 -残機制の戻り復活で全て無くなるとゲームオーバー(2人同時プレイ時では途中復活)。ミス後の復活においては、原則としてメインショットは使用中のものの初期段階に戻り、バードミサイルの効力は消えてしまうペナルティ(リザレクション(仮)を取得すれば初期段階は免れる)。またボンバーストックも初期値に戻る。 ---- **問題点 -上記のアイテムの項を見て「どこかで見た事のあるシステムじゃないか?」と思われる方も多いと思うが、実際その通りで、開発元のMOSSのスタッフがセイブ開発時代に手がけた''『雷電』のシステムを流用している''という事実。 --このゲームのアイテムの多くは雷電のアイテムから変換したような物が多い。以下その例を示すと… ---「シャークバルカン」 ⇒ 雷電でいうところの「バルカン」(ほぼ性能が共通) ---「ダーマレーザー」 ⇒ 雷電でいうところの「レーザー」(ほぼ性能が共通) ---「バードミサイル」 ⇒ 雷電でいうところの「ホーミング」(ほぼ性能が共通) ---「フルパワー(仮名)」 ⇒ 雷電でいうところの「フルパワー」 ---「リザレクション(仮名)」 ⇒ 雷電でいうところの「フェアリー」(出現条件が何もないところに弾を撃ち込むという点は共通、復活後の救済効果も共通だが効果は若干違う。) ---その他のアイテムも似たような効果だが、この辺は他のシューティングにもありがちなアイテムばかりなので割愛する。 --また、ボンバーの爆発の仕方や性能、戻り復活形式などのシステムも雷電系統である。自機をボンバーに張り付かせてショット連打で敵に大ダメージという攻略法ももちろん通用する。 --似ているのはアイテムやシステムだけではなく、グラフィックデザインも初代『雷電』に非常に似せている(あの独特の機械的デザインと類似)、BGMに関してはそこまで似ていないのが救い(?)だが。 --本作のステージ1のボスが中型戦車2体(雷電ステージ1ボスと類似)、ステージ2は巨大船型機(雷電ステージ3ボスと類似)…など徹底的なまでに雷電のインスパイアがされている有様。 ---後にMOSSが『III』以降のシリーズに関わるとはいえ、''ここまで似せなくても…。'' -ゲーム内での難点 --自機ショット強化系アイテム間のバランスがやや悪い。 ---特にシャークバルカンの威力が弱く、張り付いて撃ったとしても、耐久力の高い敵に対してはなかなか撃破しづらい。 ---逆にダーマレーザーの使い勝手は良く、たいていの場合はバードミサイルとの併用で何とかなってしまう。 --前作『[[ZING ZING ZIP]]』ほどではないが、難易度は高め。敵の耐久力が高い上に、ランク方式による難易度の上がり方にも問題がある。 ---自機のパワーアップと比例して敵弾の速度もアップしていく。特に、最大パワーアップでの敵弾の速度は非常に速くなる。 ---- **評価点 -純粋にシューティングとして見ると、割とさくっと普通に楽しめる無難なゲームに収まっている。この安定感も雷電譲りというべきか。 --また、雷電よりかは1ステージの構造が短めで総ステージが7つ(雷電は全8ステージ)だったり、グラフィックの色彩が若干華やかだったり、微妙にショット性能の感覚に差がある((サブウエポンの種類がバードミサイルのみで雷電でいうところのニュークリアが存在しなかったり、ダーマレーザーが弾切れを起こしにくく雷電のそれよりも使い勝手が良かったり、など。))など、微妙な相違点はある為、単なる亜流でもない模様。 -ダーマレーザーwithoutパワーアップ&バードミサイルがベストという雷電とは違った立ち回り方で攻略でき、ミスしても比較的安心してプレイできる。 --一方でフルパワー状態でのボーナススコアが大きく、プレイヤー毎の攻略方針による住み分けにも一役買っているとも言える。 ---- **総評 後に『雷電III』以降の『雷電シリーズ』を開発するMOSSのデビュー作にしては初代『[[雷電]]』((実際開発元のMOSSの取締役である駒澤敏亘氏もセイブ開発時代に初代『雷電』の開発メンバーとして参加しており、更に退社時には一時期フリーランスとして同じアルュメの『ZING ZING ZIP』にも関わっていた。))に似すぎているというのが真っ先な印象。~ この時期、本作以外にはフェイスの『サンドスコーピオン』やミッチェルの『[[ダブルウイングス]]』、メトロの『[[スカイアラート]]』など、雷電をリスペクトしたと思しき作品が各メーカーからこぞってリリースされていた。~ その中でも本作はセイブ開発の元スタッフが設立したMOSSが開発していることもありそれなりに遊べるゲームで、今作の経験が、同社が後に手がける『III』以降の本家『雷電シリーズ』の開発に活かされたと言えよう。~ しかも、このゲームの登場同時期に本家雷電の新作『[[雷電II]]』がリリースされるという偶然の一致から、主に雷電ファンからは『雷電II』までの繋ぎのような存在で見られているらしい。~ もっとも、''マイナーメーカーのリリース故に本作が稼動しているスポットはごく少数しかなく、見かけた事すらないというシューターも少なくない''様だが…。 ---- **余談 -販売元のアルュメは、過去に『[[レゾン]]』という『R-TYPE』を模倣したようなシューティングをリリースした事があり、ゲーメスト記事にて行われたスタッフによる製作インタビューでも「中途半端にパクる位なら自分が納得できる形で徹底的にパクった方がいいと思った」という趣旨の発言もしていた経緯や、さらに''タイミングが悪いことに''同年にアルュメが『イメージファイト』にそっくりな『[[ウォーオブエアロ>ウォーオブエアロ -Project MEIOU-]]』を開発していたために、本作がMOSS開発という事情を知らないユーザーが多かった当初は『レゾン』や『ウォーオブエアロ』共々アルュメ開発とされることが多かった。 -本作はエンドレス制のループゲームだが、スコア稼ぎが順調に行くと2周目の途中で1000万点に達してしまう。難易度は4周目まで上昇する模様だが、当時のゲーム雑誌「ゲーメスト」等でのハイスコアコーナーでは通常のループゲームの集計ルールの通りに1000万点で集計打ち切りとなっている。なお、同コーナーにおいてループゲームの集計打ち切りは必ずしも1000万点とは限らず、獲得スコアが高めの『[[はちゃめちゃファイター]]』等は1億点到達まで集計となっていた。 -MOSS設立時の話で駒澤氏は「よく"セイブ開発のチームが抜けて立ち上げた云々"とか言われるけど当時抜けたのは自分1人だけでそんな(開発メンバーを引抜きするような)不義理をするつもりも当然なかった。ただ(MOSS設立後)結果的に色んな理由でセイブ開発を辞める人が出た時に濱田社長から相談を受けて、「それならうちで面倒見させてください」ということで移ってきた人が1つのチームになった」旨を述べている。((また、「そもそも喧嘩別れして独立したわけでもなく、現在もセイブ開発の社長とは仕事上含め長くお付き合いさせてもらっている」と親交が深いことも述べている。)) ---- **移植 -''アーケードアーカイブス版'' --アーケードアーカイブスの1作品としてNintendo Switchとプレイステーション4にて2023年8月10日に配信。稼働から約30年越しの初移植となる。「こだわり設定」にて1P側コントローラーで2P側機体を使用する事ができるほか、ゲームタイトル名を『''最強鮫''』というものに切り替える事もできる。 --『最強鮫』というタイトルについては駒澤氏も「憶えていない」と前置きしながらも「アルュメ側からロケテストの際にどっちのタイトルがインカム(売上)上がるか(調査のため)依頼された形で入れたかも」「『雷電』が漢字タイトルでそれがヒットしたのか90年代前半は漢字タイトルのゲームもよく出てた。そんな中で「漢字のタイトルにしたほうがいいんじゃない?」という意見が含まれてたかと思う」という旨を述べている。 //ソース:https://www.youtube.com/watch?v=A_diBJMEBaoの56:56あたりから ----
*マッドシャーク 【まっどしゃーく】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|アルュメ|~| |開発元|アルュメ&br;MOSS|~| |稼動開始日|1993年11月下旬|~| |プレイ人数|1人~2人|~| |配信|アーケードアーカイブス&br;【Switch】2023年8月10日/838円(税10%込)&br;【PS4】2023年8月10日/837円(税10%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|これ何て『[[雷電]]』?&br;ある意味雷電の異母兄弟|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 かつてバンプレスト(現:バンダイナムコエンターテインメント)の下請けや自社発売などでアーケードゲームを開発していたメーカー、アルュメから1993年にACリリースされた縦シューティング。~ 全7ステージ構成・周回ループのエンドレスゲーム。 開発は[[雷電シリーズ]]を手掛けたセイブ開発の元スタッフであった駒澤敏宣氏が独立し、後に『[[雷電III]]』以降のシリーズ作品を手掛けているMOSS([[参考リンク>https://ch.nicovideo.jp/mikadogame/blomaga/ar1705951]])で、同時に同社のデビュー作にあたる。((ちなみにMOSSの設立は1993年3月。))~ …なのだが、元セイブ開発のスタッフ故の因果か、それとも発売元がアルュメ故の悲劇か、下述で記されているように、''何から何まで『雷電シリーズ』にそっくりになってしまった…。'' ---- **主なルール・ゲームシステム -使用コントローラーはレバー+2ボタン。レバーにて自機移動操作、ボタンは各自、ショットボタンとボンバーボタンに使用する。 --ショットボタンは特別説明する程の事はないスタンダードなもので、メインショットとサブウエポンを同時に放つ。 --ボンバーボタンは『雷電』同様、使用制限があり、少しの間の後に自機前方にて敵弾かき消し能力のあるボンバーが放たれる強力な攻撃にあたる。 -特定敵を破壊したり、一定条件を満たすとアイテムが出現する場合がある。以下その詳細。 --自機ショット強化系…3種類のアイテムがあり時間経過で切り替わる。アイテムを取る事で性能の違うメインショットが撃て、装備しているショットと同じアイテムを連続で取ればパワーアップもする。要は『雷電』のパワーアップ形式と全く同じである。敵であるアイテムキャリアーを破壊すれば出現。 ---「マッドミサイル」:ゲーム開始、及びミス後の復活時における初期装備のショットはこれとなっている。前方集中型のショットでパワーアップすると前方幅が広くなる。 ---「シャークバルカン」:前方拡散型のショット。パワーアップすればほぼ前方をカバーできる攻撃範囲の広い攻撃が可能。しかし、攻撃力の面では3ショット中最も劣る。 ---「ダーマレーザー」:前方集中型のレーザー。パワーアップすればレーザーが太くなり、攻撃範囲が若干横幅に伸びる。シャークバルカンとは真逆で、攻撃範囲は狭いが攻撃力が高いという、『雷電』のレーザーと非常に近い性能。 --その他アイテム ---「バードミサイル」:サブウエポンであるホーミングミサイルを放つ。連続で取ればパワーアップもする。サブウエポンなのでもちろんメインショットとの併用は可能。アイテムキャリアーから出現。 ---「サイドバンズボム」:ボンバーのストックが1増える。アイテムキャリアーから出現。 ---「サスピシャスコイン」:所々に設置されている箱を破壊すれば出現。いわゆるスコアボーナスアイテムだが、小刻みに「100、500、1000、5000、10000~」の順で変動しており、どのタイミングで取るかで入手スコアが変化する。 ---「フルパワー(仮名)((「仮名」と示されたアイテムは公式では名称が明かされていないので、執筆者が独断で命名している。))」:「P」と表示されたアイテム。取ると所持しているメインショットがフルパワーになる他、すでにフルパワー状態だと10000から獲得毎に上昇していき最大50000点のスコアボーナスが入る。アイテムキャリアーから出現。 ---「リザレクション(仮名)」:「☆」と表示されたアイテム。取るとミス後の復活時にてパワーアップを2つ取った状態で復活できる効果。また、50000点のスコアボーナスも入る。特定条件で入手可能。 ---「エクステンド(仮名)」:いわゆる1UPに該当するアイテム。特定条件で入手可能。 -残機制の戻り復活で全て無くなるとゲームオーバー(2人同時プレイ時では途中復活)。ミス後の復活においては、原則としてメインショットは使用中のものの初期段階に戻り、バードミサイルの効力は消えてしまうペナルティ(リザレクション(仮)を取得すれば初期段階は免れる)。またボンバーストックも初期値に戻る。 ---- **問題点 -上記のアイテムの項を見て「どこかで見た事のあるシステムじゃないか?」と思われる方も多いと思うが、実際その通りで、開発元のMOSSのスタッフがセイブ開発時代に手がけた''『雷電』のシステムを流用している''という事実。 --このゲームのアイテムの多くは雷電のアイテムから変換したような物が多い。以下その例を示すと… ---「シャークバルカン」 ⇒ 雷電でいうところの「バルカン」(ほぼ性能が共通) ---「ダーマレーザー」 ⇒ 雷電でいうところの「レーザー」(ほぼ性能が共通) ---「バードミサイル」 ⇒ 雷電でいうところの「ホーミング」(ほぼ性能が共通) ---「フルパワー(仮名)」 ⇒ 雷電でいうところの「フルパワー」 ---「リザレクション(仮名)」 ⇒ 雷電でいうところの「フェアリー」(出現条件が何もないところに弾を撃ち込むという点は共通、復活後の救済効果も共通だが効果は若干違う。) ---その他のアイテムも似たような効果だが、この辺は他のシューティングにもありがちなアイテムばかりなので割愛する。 --また、ボンバーの爆発の仕方や性能、戻り復活形式などのシステムも雷電系統である。自機をボンバーに張り付かせてショット連打で敵に大ダメージという攻略法ももちろん通用する。 --似ているのはアイテムやシステムだけではなく、グラフィックデザインも初代『雷電』に非常に似せている(あの独特の機械的デザインと類似)、BGMに関してはそこまで似ていないのが救い(?)だが。 --本作のステージ1のボスが中型戦車2体(雷電ステージ1ボスと類似)、ステージ2は巨大船型機(雷電ステージ3ボスと類似)…など徹底的なまでに雷電のインスパイアがされている有様。 ---後にMOSSが『III』以降のシリーズに関わるとはいえ、''ここまで似せなくても…。'' -ゲーム内での難点 --自機ショット強化系アイテム間のバランスがやや悪い。 ---特にシャークバルカンの威力が弱く、張り付いて撃ったとしても、耐久力の高い敵に対してはなかなか撃破しづらい。 ---逆にダーマレーザーの使い勝手は良く、たいていの場合はバードミサイルとの併用で何とかなってしまう。 --前作『[[ZING ZING ZIP]]』ほどではないが、難易度は高め。敵の耐久力が高い上に、ランク方式による難易度の上がり方にも問題がある。 ---自機のパワーアップと比例して敵弾の速度もアップしていく。特に、最大パワーアップでの敵弾の速度は非常に速くなる。 ---- **評価点 -純粋にシューティングとして見ると、割とさくっと普通に楽しめる無難なゲームに収まっている。この安定感も雷電譲りというべきか。 --また、雷電よりかは1ステージの構造が短めで総ステージが7つ(雷電は全8ステージ)だったり、グラフィックの色彩が若干華やかだったり、微妙にショット性能の感覚に差がある((サブウエポンの種類がバードミサイルのみで雷電でいうところのニュークリアが存在しなかったり、ダーマレーザーが弾切れを起こしにくく雷電のそれよりも使い勝手が良かったり、など。))など、微妙な相違点はある為、単なる亜流でもない模様。 -ダーマレーザーwithoutパワーアップ&バードミサイルがベストという雷電とは違った立ち回り方で攻略でき、ミスしても比較的安心してプレイできる。 --一方でフルパワー状態でのボーナススコアが大きく、プレイヤー毎の攻略方針による住み分けにも一役買っているとも言える。 ---- **総評 後に『雷電III』以降の『雷電シリーズ』を開発するMOSSのデビュー作にしては初代『[[雷電]]』((実際開発元のMOSSの取締役である駒澤敏亘氏もセイブ開発時代に初代『雷電』の開発メンバーとして参加しており、更に退社時には一時期フリーランスとして同じアルュメの『ZING ZING ZIP』にも関わっていた。))に似すぎているというのが真っ先な印象。~ この時期、本作以外にはフェイスの『サンドスコーピオン』やミッチェルの『[[ダブルウイングス]]』、メトロの『[[スカイアラート]]』など、雷電をリスペクトしたと思しき作品が各メーカーからこぞってリリースされていた。~ その中でも本作はセイブ開発の元スタッフが設立したMOSSが開発していることもありそれなりに遊べるゲームで、今作の経験が、同社が後に手がける『III』以降の本家『雷電シリーズ』の開発に活かされたと言えよう。~ しかも、このゲームの登場同時期に本家雷電の新作『[[雷電II]]』がリリースされるという偶然の一致から、主に雷電ファンからは『雷電II』までの繋ぎのような存在で見られているらしい。~ もっとも、''マイナーメーカーのリリース故に本作が稼動しているスポットはごく少数しかなく、見かけた事すらないというシューターも少なくない''様だが…。 ---- **余談 -販売元のアルュメは、過去に『[[レゾン]]』という『R-TYPE』を模倣したようなシューティングをリリースした事があり、ゲーメスト記事にて行われたスタッフによる製作インタビューでも「中途半端にパクる位なら自分が納得できる形で徹底的にパクった方がいいと思った」という趣旨の発言もしていた経緯や、さらに''タイミングが悪いことに''同年にアルュメが『イメージファイト』にそっくりな『[[ウォーオブエアロ>ウォーオブエアロ -Project MEIOU-]]』を開発していたために、本作がMOSS開発という事情を知らないユーザーが多かった当初は『レゾン』や『ウォーオブエアロ』共々アルュメ開発とされることが多かった。 -本作はエンドレス制のループゲームだが、スコア稼ぎが順調に行くと2周目の途中で1000万点に達してしまう。難易度は4周目まで上昇する模様だが、当時のゲーム雑誌「ゲーメスト」等でのハイスコアコーナーでは通常のループゲームの集計ルールの通りに1000万点で集計打ち切りとなっている。なお、同コーナーにおいてループゲームの集計打ち切りは必ずしも1000万点とは限らず、獲得スコアが高めの『[[はちゃめちゃファイター]]』等は1億点到達まで集計となっていた。 -MOSS設立時の話で駒澤氏は「よく"セイブ開発のチームが抜けて立ち上げた云々"とか言われるけど当時抜けたのは自分1人だけでそんな(開発メンバーを引抜きするような)不義理をするつもりも当然なかった。ただ(MOSS設立後)結果的に色んな理由でセイブ開発を辞める人が出た時に濱田社長から相談を受けて、「それならうちで面倒見させてください」ということで移ってきた人が1つのチームになった」旨を述べている。((また、「そもそも喧嘩別れして独立したわけでもなく、現在もセイブ開発の社長とは仕事上含め長くお付き合いさせてもらっている」と親交が深いことも述べている。)) ---- **移植 -''アーケードアーカイブス版'' --アーケードアーカイブスの1作品としてNintendo Switchとプレイステーション4にて2023年8月10日に配信。稼働から約30年越しの初移植となる。「こだわり設定」にて1P側コントローラーで2P側機体を使用する事ができるほか、ゲームタイトル名を『''最強鮫''』というものに切り替える事もできる。 --『最強鮫』というタイトルについては駒澤氏も「憶えていない」と前置きしながらも「アルュメ側からロケテストの際にどっちのタイトルがインカム(売上)上がるか(調査のため)依頼された形で入れたかも」「『雷電』が漢字タイトルでそれがヒットしたのか90年代前半は漢字タイトルのゲームもよく出てた。そんな中で「漢字のタイトルにしたほうがいいんじゃない?」という意見が含まれてたかと思う」という旨を述べている。 //ソース:https://www.youtube.com/watch?v=A_diBJMEBaoの56:56あたりから --本作は東亜プランの『[[飛翔鮫]]』や『[[鮫!鮫!鮫!]]』と関連性はなく、『最強鮫』のタイトルで出ていたら「名前は鮫、中身は雷電」とますますまぎらわしかった事だろう。 ----

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