「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」(2024/04/19 (金) 21:21:49) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

//『青』について「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 //2021/07/06 該当頁に依頼が見当たらないためCO ---- 注意:このページでは、DS『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊』と、GBA『ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊』と、Switch『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』について紹介しています。~ 判定は、青の救助隊の初回版が「なし」→修正版が「&color(,paleturquoise){改善}/&color(,lightgreen){良作}」、赤とDXは「&color(,lightgreen){良作}」です。 ---- #contents ---- *ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊 【ぽけもんふしぎのだんじょん あおのきゅうじょたい】 |ジャンル|ダンジョンRPG| &image(PMDBlue.jpeg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000B41SWY/,height=160)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2005年11月17日|~| |定価|4,800円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年3月23日/950円|~| |判定|なし|~| |判定(修正版)|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~| |~|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|その後のシリーズの礎となった第一作目&br;個性豊かなポケモン達が織り成す感動のストーリー&br;初回版には重大なバグ&br;8日後に修正版との交換で対応|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズ]]''| *ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊 【ぽけもんふしぎのだんじょん あかのきゅうじょたい】 |対応機種|ゲームボーイアドバンス| &image(PMDRed.jpeg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000B41T2I/,width=160)| |メディア|256MbitROMカートリッジ|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年3月23日/704円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|青の救助隊とのマルチ発売&br;重大なバグはない&br;青に劣る点が少しある|~| ※共通項目は省略 ---- **概要 ポケモンシリーズのキャラを用いて作られた、ポケモン版「不思議のダンジョン」。略称は『ポケダン』。~ TVシリーズや他のポケモンシリーズと一切関連性を持たない、独立した世界観・ストーリーが繰り広げられる。~ その為か、本シリーズは『[[ポケモンダッシュ]]』や『[[ポケモンレンジャーシリーズ>ポケモンレンジャー]]』等の他のポケモン外伝作品と異なり、最新作の「超」に至るまで本編と連動した要素は存在しない。 物語は、気が付くとポケモンの姿になって記憶を失い倒れていた元人間の主人公が、ポケモンだけの世界でパートナーと共に救助隊を始め、自身の謎を追って壮大な冒険を進めていくというもの。 青の救助隊の初期版には''ダブルスロットしたGBAソフトのセーブデータが消える''という重大なバグがあり、注意が必要。 ---- **本作の特徴 -本作は登場するポケモンたちの目線から見たポケモンの世界を土台としているため、作中では「人間」が一切登場しない(存在自体は知られている)。 --ポケモン達が言葉を話し、町で暮らして店を営んでいる等、本家ポケモンシリーズとは雰囲気も大きく異なっている。 --本編の前半ではタイトルに沿って窮地に陥ったポケモンたちを助けにいく展開が続くが、中盤以降ではポケモンシリーズにしては珍しいシリアスな展開が進行していく。~ また、勧善懲悪が多くの場面で成立していないのも特徴。 -システムもストーリーも赤・青共に全く同じ。 --青はDSの機能を活かして、タッチスクリーンやすれちがい通信に対応している。GBAには無いX・Yボタンを使った快適操作も可能。また、処理能力や音質などを見ても青の方が優れている。 ---ダブルスロットにより、赤のメンバーをボスに据えたダンジョンが青にのみ存在している(後述)。 --出現する野生ポケモンの種類に多少の違いがあるが、それすらも最終的には全く同じにすることが可能で、ポケモンシリーズ本編のバージョン違いとは趣が異なる。 --バージョン違いというよりはマルチプラットフォームの配慮(いわゆる「縦マルチ」)であり、上位機種であるDS版を所持しているなら「青」の購入が推奨される。 **システム -アイテムを活用して敵を倒しつつ(時には逃げつつ)ダンジョンの最下層を目指すという、他のローグライク・不思議のダンジョンシリーズと基本的には同じルール。 --ただし『トルネコ』→『シレン』のように、敵モンスターとアイテムを「ポケモン」の世界観に置き換えただけ、という内容ではなく、レベル継続や技システムなど独自のシステムも多く、プレイ感覚はかなり異なる出来になっている。 ***主人公・パートナーの選択 -最初のポケモンはプレイヤーへの心理テストの結果や男女の選択次第で、16匹の中から自動的に選ばれる。 --そして主人公が決まった後、さらにパートナーとなるポケモンを10匹の中から選べる。ただし、自分のタイプと被るポケモンは選べない(例:主人公が草タイプのフシギダネの場合、パートナーに草タイプのポケモンは選べない)。 --基本的にどのポケモンになっても台詞が若干変わるだけで、物語は変わらない。ただし、選んだポケモンのタイプによっては難易度がガラリと変わってしまう(後述)。 #region(主人公・パートナー候補) 候補のポケモンはカントー・ジョウト・ホウエン御三家+ピカチュウ+α。御三家とピカチュウ以外は主人公専用。~ 本作ではステータス上の♂♀の概念は無いが、主人公のみ男女の選択がある(一部の主人公は性別限定)。~ また、パートナーの口調は各ポケモンによって男口調(一人称「ボク」と「オイラ」の2種)か女口調(一人称「ワタシ」)で固定されている。 |~ポケモン名|~タイプ|~主人公|~パートナー| |フシギダネ|くさ・どく|両方|♂(ボク)| |ヒトカゲ|ほのお|両方|♂(ボク)| |ゼニガメ|みず|両方|♂(オイラ)| |チコリータ|くさ|♀限定|♀(ワタシ)| |ヒノアラシ|ほのお|♂限定|♂(ボク)| |ワニノコ|みず|両方|♂(オイラ)| |キモリ|くさ|両方|♂(ボク)| |アチャモ|ほのお|両方|♀(ワタシ)| |ミズゴロウ|みず|両方|♂(ボク)| |ピカチュウ|でんき|両方|♂(ボク)| |カラカラ|じめん|両方|不可| |コダック|みず|両方|不可| |ワンリキー|かくとう|♂限定|不可| |ニャース|ノーマル|♂限定|不可| |イーブイ|ノーマル|♀限定|不可| |エネコ|ノーマル|♀限定|不可| #endregion ***仲間システム -各ダンジョンにいるポケモンを倒すと、条件を満たした上で一定確率で仲間になってくれる。仲間になったポケモンは「ともだちエリア」と呼ばれる場所で待機しており、呼び出せばいつでも冒険に連れて行ける。 -エンディング後にはこれまで戦ってきたボスポケモンも仲間にできる他、新たなダンジョンで伝説ポケモンを仲間にすることもできる。 ***わざ -ポケモン本編にも存在する要素で、他の不思議のダンジョンシリーズにおける「武器・杖・巻物」に相当する。原作同様にレベルアップや技マシンで4つまで覚えられる。 --本家同様、技それぞれにPP上限が設定されており、その技を1回使う毎に1減少。PPが0になるとその技は使用できなくなる(「ピーピーマックス」で回復可)。 --ちなみに原作と効果や使い勝手が全く違う技もいくつかあるため、原作であまり意味の無かった技が意外なまでに強力な技になっていたりする(逆も然り)。 -さらに「ポケダン」ならではの特徴として、一度に複数の技を放つ「れんけつわざ」を行える。開発スタッフによれば、これは他のシリーズでいう「合成」を意識したものとのこと。 --例えば「しっぽをふる+たいあたり」なら防御を下げての大ダメージが与えられ、遠距離技や広範囲技を連結して複数の相手を蹴散らすことも可能。 --連結技を一度でも当てた敵から手に入る経験値が2倍に。技だけだと1.5倍、通常攻撃のみだと1倍のため、これは非常に大きい。部屋全体に効果のある技を組み込めば一回の連結技のみで部屋内の全ての敵が経験値2倍になる。 ---ただし、使用する度におなかを消費する上、PPが0になると連結が外れてしまい、ダンジョンから出てゴクリンの店で連結しなおすか、「れんけつばこ」を使って再び連結する必要がある。4つまでしかない技枠を一気に2つ以上も使ってしまうことや、2つ以上の技のPPを同時に消費するため消耗が早いなどのデメリットもある。 -他、「ふこうのタネ」や同じわざマシンの連続使用などで''同じ技を複数回覚えられる''(本作のみの仕様で、次回作以降には実装されていない)。 --同じ技同士を連結させることで、一部の技はより有用に使えるようになる。反面、ただでさえ少ない技欄を同じ技で埋めてしまうことで臨機応変に対応できなくなるデメリットもある。 -不思議のダンジョンの装備強化に相当する要素として「カテキン」で技威力も上げられる。例えば「たいあたり」に使うと「たいあたり+1」となり、最大で+99まで増やすことができる。 --あくまで威力が設定された技のみ有効。ダメージを与えられないわざや、固定ダメージの技には使えない。 -プレイヤーが忘れさせたり上書きしない限り、覚えた技を忘れることはなく、たとえ力尽きても+値が下がることもない。 --ただし、入った時にLv1になるダンジョン内で技を覚えても、ダンジョンを出ると入った時と同じ状態に戻る。 ***とくせい -本編では『ルビー・サファイア』から追加されたポケモン達が持つ特殊能力。本編と同様のものが用意されている。 -いわゆるパッシブスキルであり、自分自身を守るものからフロア全体に影響を及ぼすものまで多種多様。マイナス効果もある。 -ポケモン固有のものであり変更は不可能。本編において2通りの特性があるポケモンは、その両方を同時に備えている。 ***もちもの -ポケモンには何らかの道具を1つだけ持たせられる。 --不思議のダンジョンシリーズの「指輪・腕輪」に相当するのはスカーフ等の布系と眼鏡系があるが、どちらか1つしか装備できない。 --飛び道具や回復アイテムを味方のポケモンに持たせると自分の判断で使ってくれる。逆に敵ポケモンが拾った場合も使われてしまう。 ---後述する「かしこさ」の設定により、使用を封じることもできる。 -何も持っていない状態だと、敵の放った飛び道具を受け止めることができる。 ***依頼 -ポケダンシリーズの特徴。本作では主人公は救助隊の隊長であり、依頼を受けてダンジョンに挑む。 --基本的に本編とは無関係で、ランダム生成されるサブクエストのような扱いである。ただし、ストーリーを進めるためには適当な回数の依頼をこなす必要もある。 -内容は特定の階にいるポケモンを助ける、アイテムを届けるなど。特定のアイテムを持って「あなぬけのたま」で脱出すれば終わりという依頼も。~ 「救助」と言いつつ、明らかに趣味のアイテムが欲しいだけという依頼もあったりするのはご愛敬。 --ただし「つれてって」系依頼には注意。依頼者のポケモンを目的地まで連れて行くことになるが、依頼者はレベル1で育たないため、あっさりと死んでしまう。''依頼者が倒れた場合もリーダーが倒れた扱いになり救助失敗となる''ので難易度は大幅に上がる。 ---難易度が高いダンジョンや目的地が深い階層の場合、ふっかつのたね等を多数持ち込んでのフォローが必要になる。 --また依頼主とダンジョンによっては、水の上やマグマの上をうろちょろと動き回っている事も。リーダーの移動タイプによっては苦労する。 ---「つれてって」系以外の依頼主は攻撃されないが、悪天候やマグマによる火傷ダメージで力尽きることもある。この場合は依頼は達成不可能になるが失敗扱いにはならず、探索を継続できる。 -依頼を成功させて貰えるポイントを稼ぐ事で、救助隊ランクが上がる。上がっても意味はないが、最終ランクまで上げた人はかなりやりこんでいるだろう。 ***かしこさとグミ -ポケモンには「かしこさ」という値があり、上昇すると様々な特技(AI制御、罠や状態異常への受動対応などのパッシブスキル)が身に付く。かしこさはグミを食べることで上昇する。 -グミはポケモンのタイプ同様17種類あり、食べたポケモンのタイプに対応したグミだと最もかしこくなり、他のグミの場合だとそのタイプとの相性によって上がるかしこさの量が異なる。 -さらに複数のタイプ持ちのポケモンは両方の効果を同時に得られる(例えば草・毒のフシギダネにわかくさグミを食べさせると、草タイプの上昇と毒タイプの上昇の両方の効果がある)。この仕様のおかげで、単タイプのポケモンより複数タイプのポケモンの方がかしこさが上がりやすい。 --だが、単タイプのポケモンは上げ難く、かしこさが進化条件になるポケモンは面倒。 -本編において「なつき度」に関連する要素は「かしこさ」に置き換えられている。 ***冒険失敗時のペナルティ //厳密には「全滅」ではないので -旧来の不思議のダンジョンは、ダンジョン内で力尽きると資金の5~10割のいずれか・そして装備も含む全アイテムが没収され事実上のゲームオーバーに限りなく近い仕打ちを受けるのが通例だった。 --しかし本作はリーダーが力尽きてダンジョンから追放された場合、資金すべてのほかは''一部のアイテムを失うだけ''で済む。~ ただしドロボーに失敗した場合は残ったアイテムが全て「ただのタネ」に変えられてしまう。 //そのシステムが前提のバランスなので、難易度とか対象年齢は別次元だと思う -レベルはもちろん、「ワザ」「かしこさ」などポケモン自身の能力だけで戦うので、やられても失う戦力はその分少ない。 装備の概念が非常に少ないだけに「強化した装備品を失って詰む」という事自体がなくなっているので、より気軽にプレイできるようになっている。 -しかしエンディング後に登場する一部のダンジョンには、アイテムも資金も持ち込めず入場時に一時的にレベル1に戻されかしこさもリセットされるものもある。従来の不思議のダンジョンのような手強い冒険を楽しめる。 --こちらはクリア・失敗を問わず、ダンジョンを抜ければ入ったときの状態に元通りである。 ***通信要素 -ゲーム内で発生した依頼メールにはパスワードが表示され、「ふしぎなメール」として入力することで他のソフトでも出現させることができる。 --青・赤各バージョン限定のポケモンは、一方のソフトでそのポケモンが登場する依頼メールのパスワードをもう一方のソフトで写すことで、その依頼を受けて以降は普通に出現するようになる。 ---例えば、プラスルは通常は青には出ない設定だが、赤の方で「依頼主か救出対象がプラスルになっている依頼」を入手し、そのパスワードを青で入力してからは普通にプラスルが出現するようになる。 ---このため、全ポケモンを出す為には各色限定ポケモンの依頼パスワード入力が必須となる。 --また、レアアイテムが報酬だったり、隠しダンジョンをアンロックできる依頼のパスワードが公式に公開された。 --ともだちエリアや便利なアイテムが手に入る依頼メールなどを発見した場合、そのままパスワードで他人のソフトへ再現することが可能であり、ネット上でも便利な依頼メールのパスワードがまとめられていることがある((ただし、解析ツールによる不正メールが混ざっていることもあるので注意。場合によっては事実上のデータ破壊につながる悪質なものもある。))。 -ダンジョン内でリーダーが倒れた場合も、様々な方法で「ともだちきゅうじょ」を依頼できる。 --赤同士なら通信ケーブル、青同士ならワイヤレス通信、赤と青ならDSダブルスロット、離れていても依頼メールのパスワードと、あらゆる通信手段に対応。 ---特にパスワードシステムはネット掲示板で使われた他、ポケモンだいすきクラブなどにおいてもこれ専用の掲示板が設けられた。 --ともだち救助依頼では相手が倒れた時のダンジョンの構成が再現される。うまく利用すればレアアイテムやポケモンを効率よく集めることも。 -青のみだが、赤とダブルスロット連動を行うことで訓練所の「きゅうじょたいのま」が開放されて、赤のデータから読み込んだチームメンバーを青にボスとして登場させることができる。経験値稼ぎとして非常に有用。 --さらに、条件を満たせばここでポケモンを仲間にできる。そのため制限はあるが、赤で育てたポケモンを青にも連れていける。ただし、赤→青は可能だが青→赤は不可のため一方通行になる。 -シリーズ本編のようなポケモンの通信交換や通信対戦のシステムはない。アイテムのみ交換可能。 ---- **評価点 -単なるスピンオフ作品にとどまらない、壮大なストーリー。 --何故か人間からポケモンになった主人公とそのパートナーポケモンを中心に、世界滅亡の危機や誤解を受けての逃亡劇、ラストの別れと再会など、その魅力は一口では伝えきれないレベル。 --主人公と関わるポケモン全員が魅力に溢れており、最初は嫌がらせをしてくるゲンガー達も終盤では改心して主人公達を助けてくれたり、好意的な広場のポケモンが主人公たちを裏切るなどのギャップが強い。 -難易度は低めだが、クリア後はローグライク経験者向きの高難易度ダンジョンも用意されている。 --「しあわせの とう」はアイテム持ち込み可能だが、レベル1スタート、経験値が稼ぎ難い、雑魚も硬く強いなどといった難関が待ち受ける。そして''そこでしか生息しないポケモン''も多数。 --「きよらかな もり」はもっと不思議のダンジョンポジションで、レベル1スタート、仲間なし・持ち込み無しと苦しい。選択ポケモンで難易度ががらりと変わる。 ---フーディン、カクレオン、クロバットなどで挑戦すれば楽。主人公ポケモンで挑戦すれば歯ごたえあり。それ以外の多くのポケモンでは厳しく、弱小ポケモンはひたすらに逃げ回るプレイになりがち。 ポケモン386種類分のやり方が存在しており、全員での踏破はしっかりと可能である。 //---余談だが2ちゃんねるでは全てのポケモンでこのダンジョンをクリアするスレがあり、全ポケモンのクリアレポートが投稿された。 -『[[ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』までの第3世代のポケモン''全386種が全て登場し仲間にできる''。 --本作専用に各ポケモンの8方向の歩き・攻撃・睡眠などの各種グラフィックが新規で作られており、インタビューでは開発期間の6割ほどはグラフィックに費やされたとされている。 --それに加え、当時発売前だった『[[ダイヤモンド・パール>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]』から、仲間にはならないが「ゴンベ」がポケモンひろばで時々起きるイベントでゲスト登場し、装備品「ゴンベのハラマキ」も登場。 ---ゴンベのグラフィックもきちんと作られていたが、本家発売前であることから詳しい能力等がまだ決まっていなかったためイベントでのみの登場となった。 --その他、同じく『ダイヤモンド・パール』からのゲストとして、ポケモンそのものではないがルカリオ、マニューラ、ウソハチ、マネネがイベントアイテムの石像として登場している。ルカリオは「伝説の救助隊」という扱いで最高ランクレベルの名称にもなっている。 ---『ダイヤモンド・パール』での第4世代のポケモン達は次回作で正式参戦することになった。 -音楽も評価が高く、「てんくうの とう」は難易度と真逆な曲調で人気が高い。BGM製作は飯吉新が担当。 --本作では本家ポケモンシリーズの音楽は一切使用されていないものの、本作のために作られた新曲の評判は軒並み良く、後のポケダンシリーズでもアレンジされて使用されている。 -GBA版(赤)とDS版(青)の同時発売に加え、多彩な通信システムによって多くのプレイヤーが一緒に楽しめた。 --当時はポケモンシリーズの本編がDSに進出しておらず、ハード自体を未所持のファンもまだ少なくなかった。~ ゲームソフトの縦マルチ展開は批判される傾向にあるが、本作の場合はおおむね好意的に受け止められていた。 ---- **賛否両論点 ''ゲームバランス面での問題点'' -最初に決定したポケモンが草タイプだった場合、タイプ相性の関係で難易度がかなり上昇する。 --ストーリー中遭遇するほとんどのボスとの相性が悪く、中盤のボス全員飛行タイプ持ち。ラストダンジョンにいたっては飛行や虫だらけで有利に戦える敵がいないくらいである。 ---そのうちのボスがカントーの準伝説ゆえひこうタイプ。ジョウト準伝説やレジ系もクリア後に登場するため、これらと登場する順番を逆にすれば幾分か改善されていたはずだが… ---とはいえ、草タイプが弱点多めな事と最初のポケモンで難易度が変わる事はある意味原作通りではある。 --フシギダネは「ねむりごな」、キモリは「いやなおと」「こうそくいどう」と強みがあるのだが、チコリータは「はっぱカッター」の習得が早いくらいで「ねむりごな」などの便利な変化わざもほぼ無い為((実際に「金銀」や「クリスタル」でもチコリータを選ぶとタイプ相性の関係上、殿堂入りまでは見せ場が少ない。「HGSS」でも改善されなかった。))なので高額わざマシンの「タネマシンガン」を手に入れないとかなり困る。 ---後述するひでんマシン持ち込みの関係か、水タイプのポケモンが多く出るような池や海のダンジョンはクリア後に集中しており、強さを実感できるまでがだいぶ遅い。 --一応、本作でのタイプ相性補正はいまひとつでもわずか0.9倍、効果がない場合でも半減にしかならない為、本家のようにダメージが与えられずに困ることは少ない。 --本編においては覚える技が多彩なうえに素で水路を移動できる水タイプや、連続技や行動不能技などが自力習得出来るエネコは非常に強力。 --また、後述するともだちエリアの仕様により、仲間に出来るポケモンも最初に決定したポケモンに大きく左右される。 -技の設定がポケモン本編シリーズと違いすぎる。 --「メロメロ」は原作では異性にかけると時々行動不能だが、本作では5ターンの間一切の行動不能。さらに本作には性別の概念がないため、本家で性別不明のものも含め''全ポケモンに対して''効果がある。かかっている間は移動も道具の使用も出来ず、テンポも悪く、いくらなんでも強すぎる。レベル1ダンジョン序盤での死因の一つ。 --固定ダメージ技のダメージ量が引き上げられ、「ソニックブーム」は20から55、「りゅうのいかり」は40から65に。特に前者は遠距離攻撃ということもあって、どのダンジョンでも相当な脅威となる。 ---なつき度で威力が変動する「やつあたり」「おんがえし」も固定ダメージ技になっているが、本作では前述の通りなつき度がかしこさに対応している。前者の最大威力は45とレベル1ダンジョンでは役に立つが、後者の最大威力も45とかしこさの割に合わない。 --防御の実際の数値を1/4に下げるという、ランク変動ではなく数値に関わる調整がされており、「かたくなる」といった技では元に戻らない「いやなおと」、数ターン後に相手を必ず倒す「ほろびのうた」がフロア全体が対象の上に治療手段が少ない、レベルの高い相手には通じない「一撃必殺技」もレベル無視など、強い方向に傾きすぎている。 --本来は自分自身の分身を作り出して身を守る「みがわり」が、「敵をみがわり状態にして同士討ちのターゲットにする」という全く異なる効果になった。『風来のシレン』シリーズにおける「身代わりの杖」の効果を名前繋がりで借りてきたものだと思われるが、ポケモンしか知らないプレイヤーにとっては奇妙である。 --「みちづれ」の効果が『風来のシレン』シリーズにおける痛み分け状態にする技へと性能が調整されているが、技を受けた際のメッセージが「〇〇はみちづれをねらっている!」という原作に近いものとなっており初見では効果が分かりづらく、「倒し切らない範囲であればダメージを与えても問題無い」、もしくは「みちづれ状態の相手を倒してしまうと共倒れにされてしまう」といった勘違いをしてしまいがち。 --なおポケモンの覚える技については『[[ファイアレッド・リーフグリーン>ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン]]』のデータをほぼ丸写ししている。仕様の違いにもかかわらず、覚えるレベルまでそのままである。 ---本作オリジナルの技として「しんくうぎり((同じ部屋にいる敵ポケモン全員に固定ダメージを与える。『風来のシレン』シリーズの真空斬りの巻物が元ネタだと思われる))」「すいへいぎり((前方3方向を同時に攻撃できる。同じく、シレンシリーズの妖刀かまいたちが元ネタだと思われる))」があるが、タイプ「''なし''(ノーマルタイプですら無い。それ故にタイプ相性がない)」、本来なら技マシンを使えないポケモンを含めて、大部分のポケモンが覚えられるという奇妙な設定になっている。 ---実質的な害は無いが、なぜかルギアが「おんがえし((本編ではルギアを含め、技マシンに対応したポケモンが例外なく覚えられる。))」を覚えない。データの入力ミスと考えられる。 --「まもる」「カウンター」系の技はこれらの技は、攻撃を放棄して守りを固める技となっているが、ポケダンではその効果が数ターン継続するため、守りながら攻撃する事が可能。特に強力なのは「オウムがえし」で、本編では「相手の使った技(自分の受けた技)をやり返す」という技なのだが、ポケダンではなんと「受けた技を無効にして、丸ごと相手に跳ね返す」という超強力な技となっている。ラスボスの大技もそのまま跳ね返すため楽勝。 --「へんしん」が見た目を変えるだけの技になり、「不思議のダンジョンシリーズ」でいうマネマネ・カラス天狗系のポジションに。そのため、味方として使う分にはすさまじく弱い。一応、ごくごく一部の技マシンで技を取得する事も出来るが、弱い。 ---しかし、敵として出た際には「はかいこうせん」と同等の威力を持つ自爆技「わるあがき」で手痛い一撃をお見舞いしてくる。 -使いにくいどころか厄介な特性。 --とくせい:なまけ ---ナマケロ&ケッキングは実質2ターンに1度しか行動出来ない。複数相手する状況のポケダンでは非常に扱いにくく、能力も普通なため進化前のヤルキモノの完全劣化と言われる始末。 ---本編でも「なまけ」はそんなものでデメリットしかないが、進化前のナマケロはともかく最終進化のケッキングは本編では伝説のポケモンに匹敵する能力の持ち主として知られているため、余計に違和感がある。 --とくせい:にげあし ---本編では「野生ポケモンから必ず逃げられる((本編ではトレーナー戦では一切使い物にならない。))」という、比較的陰の薄いものの有利な特性。しかしポケダンでは「HPが減ると、おびえて逃げ出してしまう」というデメリットになってしまっている。リーダーならば踏み留まれるし、HPを回復すれば良いだけなのでストーリー中ではまださほど困らないが、難易度の高い隠しダンジョン(特に持ち込み不可のダンジョン)では仲間としては使い難い。 ---一応、「かげふみじょうたい(その場から一定ターン離れられなくなる)」にならないというメリットは存在する。そっちだけで良かったのではないだろうか。 --とくせい:はっこう ---「ダメージを受ける度に敵ポケモンが増える」という特性になっており、自身や仲間がこの特性持ちだとダンジョンの難易度が大幅に上がってしまう。なお、敵として出てきたこの特性持ちを攻撃しても、敵の敵=味方が増える訳ではなく、普通に敵が増える。レベル上げや宝物集めなどのやりこみプレイでは役に立つが。 ---本編でも「先頭にいると野生ポケモンの出現率アップ」という特性だが、あちらは他の特性との択一のため、はっこうを持たせない事もできる。こちらは前述のように全ての特性を持つので、該当のポケモンはかならずはっこうを持つ。 -クリア後のストーリー中で行く事になるダンジョンに入場時強制セーブされる物が多い。 --入場時のセーブは中断セーブ時と同様、途中で電源が切れたりフリーズした場合でも失敗扱いになり、持ち込んだ道具やポケを無くすようになっている。何故か、救助を諦めて戻った際もこれと同じ扱いとなってしまう。 --ダンジョン入場時に特定の技を覚えたポケモンを連れて行くorそのわざを覚えさせるひでんマシンを持っていくという条件があるのだが、後者の条件で入りひでんマシンを失った場合、再回収するのがかなり面倒。 --もっともこれは「やり直しがきかない」という不思議のダンジョンシリーズの基本ルールに従ったものであり、仕様上オートセーブが不可能な機種では大抵採用されている。 ''その他'' -ポケモンが会話をし、村を作って文化的な生活を営んでいる点。 --本作はポケモンのゲームとしては初めてポケモンが''人間の言葉で喋る''ゲームである。 --アニメや映画、漫画ではロケット団のニャースや一部の伝説のポケモン、穴久保版ポケットモンスターのピッピ等喋るポケモンも存在するのだが、ゲームでは本作が初。 --数百匹いるポケモン一匹一匹の個性が出て良いという声がある一方で、本家では自然の生き物としての側面が強いポケモンが、本作では普通の人間のように会話をしたり店を経営していたりというのは違和感があるといった意見もある。 -顔グラフィックが全てのポケモンには用意されていない。 --顔グラが用意されているのは主人公やパートナー(進化前だけ。ただしリザードンとカメックスだけ「ストーリーに関わるポケモン」にもなっているため用意されている)、ストーリーに関わるポケモン、伝説ポケモンだけ。 ---さらに、細かい表情変化まで全パターン搭載されているのは主人公&パートナー限定。 --ただし、ゲーム中でよく会話することになる町の住人達やイベントの重要ポケモンなどについてはほぼ全て顔グラフィックがきちんと用意されているため、少なくともストーリー本編中では顔グラが少ないとは全く感じさせない作りになっている。 ---本作は新規タイトルにもかかわらず全ポケモン分に新規の8方向の歩行や攻撃等のグラフィックが用意されているため、顔グラフィックが全種類分存在しないことについては手抜きと責められるべきものではない。 ---なお、次作の『探検隊』では全ての登場ポケモンに顔グラフィックが最低1枚は用意されており、メインキャラの表情パターンも増加した。 ---- **問題点 ''ゲームバランス'' -ポケモンごとのステータス設定。 --本作ではポケモンが全386種いる以上、全種類を同格に扱うのはほぼ不可能だが、それにしても原作再現やプレイヤーを困らせる仕様が多い。 --「ツボツボやラッキーは攻撃が弱いが耐久面が高い」「フーディンは特攻が高いが攻撃が低い」といった本編におけるポケモンごとのステータス設定が活かされておらず、ドーピングなしでもステータスが似通ってしまう。 --ポケモンごとにレベルアップで上昇するステータスは固定されているが、多くには俗に「雑魚補正」と呼ばれる成長率になっており、敵として登場するときまでのレベルはあまりステータスが上昇しない様になっている。だが、マダツボミ系などはいつまでも雑魚補正がかかっているようなおぞましいほどの低成長率。 --同じようにレベルアップ時の上昇値固定は進化にも影響をもたらしている。上のようにヒメグマをリングマに進化させようとすると、進化まではヒメグマの初期値と成長率で育つため、進化しても情けないステータスのリングマになってしまう。しかし、レベル1ダンジョンで使用したりジラーチの願い事でレベル1加入させるとリングマの初期値のままその成長率で育つ。 --技思いだしの仕様もやや不便。進化前にしか覚えられない技もレベル上げ次第では思いだせるのだが、2段階進化するポケモンの場合はバグに近い不便な仕様になっている。 ---たとえば、ピカチュウがレベル50時に覚えられる技をライチュウになっても思いだすにはピチューをレベル50まで育ててから進化させないと思いだせない。 -主人公とパートナー候補にコダックがいるのだが、このポケモンはレベルアップで習得できるタイプ一致の攻撃わざ((攻撃わざに限らずとも「みずあそび」だけだが。))が&bold(){レベル50で習得できるハイドロポンプだけ。} --この点はゲーム上では明らかにされず、みずタイプのわざマシンは軒並みエンディング後に入手するため、エンディング前にみずタイプの攻撃わざを使う事がまずない。 ---その為、知らずにこのポケモンを主人公やパートナーにすると過度に苦労する。 --みずタイプは本編では「なみのり」のわざマシン使用前提をしているため、レベルアップで覚える攻撃わざが少なめのポケモンもいるが… --そもそも「みずタイプの中では別に知名度や優遇度が高いわけではない」事を考えるとこのポケモンを主人公とパートナー候補に入れなくてもよかったのではないか。みずタイプは御三家だけで十分だったはず。 --このポケモンは「[[DP>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]」からはレベルが1ケタ台で「みずでっぽう」、レベルが22未満でも「みずのはどう」を覚えられるようになったが、次回作からは主人公とパートナーの候補から削除された。 -一部の「わざ」の効果に明らかに問題がある。 --相手の技を全て自分が受ける「このゆびとまれ」は自分をみがわり状態することで、敵ポケモンのAIの特性上集中攻撃を受けるという仕組み。しかし、みがわりの仕様で仲間は散り散りになってしまう。本来の用途である「自分に攻撃を集中させることで味方を守る」という役割はほぼ果たせない。 --2ターン後にダメージを与える「みらいよち・はめつのねがい」は再現が難しかったのか、2~3ターンの間のみ与えるダメージが35固定になる。使いどころが思いつかない。 ---「はめつのねがい」はジラーチ専用技であるにもかかわらず「みらいよち」と全く同効果でPPだけ少ない。しかもジラーチ自身も「みらいよち」を覚えるので、「かつやくのあと」の「○しゅるいの わざを おぼえた」のカウントを増やす以外の意味が無い。 --また、本作では「わざ」であれば通常攻撃よりも段違いに強くなり、技自体の威力はダメージにはあまり影響がない。そのため「1度に複数回攻撃できる技」の総ダメージが相対的に異常に高くなっている。他には「たいあたりやひのこなどの探索時のためにPPが多くある技」「10まんボルトやねむりごななど範囲が広い技」が優先される傾向にあり、高威力技や究極技はこのゲームだとかなり使いにくくなっている。 --前述した「カテキン」で技威力を上げることもできるが、入手頻度が低すぎてシステムとしてまともに機能していない。 -役に立たないアイテムがやけに多い。 --ふしぎだまに顕著。目の前の水地形などを埋め立てる「うめたてのたま」、相手に口を使った技を使わせない「ちんもくのたま」、がんせきふうじ・でんこうせっかを一回きりで使える「がんせきだま」「やまごえだま」などは存在意義が非常に薄い。わざマシンにした方が遥かに便利である。 ---本来の不思議のダンジョンでは「杖」として複数回使用できるであろう効果のアイテムも、本作では各1回限りの使い捨てになっており、アイテム欄も圧迫するため使い勝手が悪い。 --マイナス効果の装備品は持っていても役に立たない。敵に投げつけることで効果を発揮するものもあるがごく一部である。 ---他の不思議のダンジョンシリーズのような「未識別アイテム」(拾った時点では正体が分からず、識別したり実際に使ったりすることで正体が判明する)が存在しないため、上記のようなハズレアイテム・マイナスアイテムはトラップとしても機能しておらず存在意義が無くなってしまっている。 --「不思議のダンジョンシリーズ」でいう「矢」に相当する飛び道具のうち、針系(枝・針・棘など)のアイテムがやたらと多いが、威力や性質には違いが見られない。同一ダンジョンで2種類以上落ちていることも多く、無駄にばらけてアイテム欄を占領する。 ---「わざ」の威力差がほぼ反映されていない事と合わせて、ダメージ計算式に何らかの問題がある可能性がある。 ---地形を無視して近くの敵一体に固定ダメージを与える石系の「ゴローンのいし」「いしのつぶて」は前者が序盤から入手可能なのに対し、後者はクリア後ダンジョンでしか入手できないが、名前のとおり前者の方が威力が高く、後者はそれよりも5低い15のダメージしか与えられない。次回作では「いしのつぶて」の方が先に登場するようになった。 --わざマシンを使うと「しようごマシン」となり、技「リサイクル」で元のわざマシンに戻せる。しかし、しようごマシンは預けられず、所持し続けるかともだちエリアのポケモンに持たせるしかない。そこまでしてリサイクルする必要があるわざマシンもそれ程ない。 ''ストーリー'' -クリアまでのストーリー展開がかなり良好なのに対し、クリア後のストーリー展開が若干味気ない。 --謎の遺跡が現れた、ラティアスの姿が消えた、西の洞窟に最強のポケモンがいる…など粒ぞろいではあるが、一貫性がないために印象が薄い。 ---全てのポケモンを登場させる為、一貫性を出しづらかったのかもしれないが。 --強いボスも「はるかなる れいほう」のホウオウくらいのもの。99階もある「にしの どうくつ」のミュウツーや「ぎんの かいこう」のルギアは技も弱ければステータスも低く、その道中の方が圧倒的につらい。 -&color(red){''クリア後の主人公とパートナーのぞんざいな扱い。''} --本編ではパートナーは主人公と常に行動を共にしてストーリーに大きく絡み、倒れると冒険失敗となっていたが、クリア直後の小イベントを経過後は朝に迎えに来ることが無くなり、パートナーの同行が必須ではなくなる。町の中でもパートナーが後ろに付いてこなくなる。 ---さらに、クリア後パートナーはストーリーで少し喋るだけで、主人公・パートナー共にダンジョン内での台詞等は他のポケモンと同じになってしまう(例:ワニノコの場合「がんばっていこうな! (主人公)!」→「かみついていい? かみついていい?」)。 ---ゲームシステム上ではパートナーに縛られなくなり自由度が上がる反面、パートナーの態度が素っ気なくなってしまった事に寂しさを覚えたり、本編の性格とのギャップを感じてしまう事も多い。 --クリア後はリーダーを主人公以外のポケモンへ変更可能になるのだが、操作キャラもリーダーにしたポケモンになってしまうため、基地で寝泊まりするのもそのポケモン。それまでストーリーで活躍した主人公やパートナーは単なる一般ポケモンのような扱いになってともだちエリアに追いやられてしまう。 --クリア後は主人公とパートナーの進化が可能になるのだが、一部の進化後の顔グラフィックは用意されていないため出なくなってしまう。 --なお、クリア後のストーリーや主人公とパートナーの扱い、顔グラなどについては次回作以降で改善されている。 ---ただし、主人公とパートナーの進化後の扱いが冷遇されてしまうのは本作以降でも度々起こっている。 ''システム'' -仲間システムが面倒くさい。 --現地点のメンバー、ともだちエリア、メンバー全員の大きさといった課題を全てクリアしなければ仲間にならない上に、仲間になる確率はランダム。伝説ポケモンに至っては確率自体は高めでも戦闘の機会が限られているので仲間にするのが困難である(一部100%仲間になる場合あり)ため、なかなか狙った仲間が手に入らないこともある。 ---おまけに仲間にできる数は全種類のポケモンを1匹ずつ仲間にできる分だけしかない。このため同じポケモンを2匹以上仲間にすると仲間のコンプリートはダブっているポケモンをリストラしないと不可能。 --仲間になったポケモンを連れて無事にダンジョンを脱出しなければ、そのまま別れてしまうことに。 ---これについては「あなぬけのたま」という脱出アイテムで解消できる。しかし微妙に手に入りにくく、エンディング後だとお店に並ばなくなり入手が難しくなる。 --またジラーチやセレビィなどの伝説ポケモンは前述の高難易度ダンジョンをクリアしなければ仲間にならないものが多く、全てのポケモンを仲間にするためにはそれらをほぼ全てクリアしなければならない。 --通常ポケモンでも、中盤以降のダンジョンでしか仲間にならないのに天候変化で死んでしまうほど弱いポッポやタマタマ、「しあわせの とう」のごく一部階層に稀にしか出現しないラッキーやポニータ、同ダンジョンの低階層に出現するがバグの影響を受けやすいイーブイなど加入しにくいポケモンは多数。~ 店主やガーゴイルのポジションに当たるカクレオンに至ってはレベル90以上+ともだちリボン所持で1000分の1の確率で仲間になる。実力も高く、常時倍速で遠距離攻撃・ステータス操作攻撃などレベル100のポケモンでも安心できない。 ---そしてコンプリートを狙うのなら、上記のを進化数分集めなければならない。 ---救済手段としてか、ジラーチと伝説以外の欲しいポケモン以外のともだちエリアのスペースを全て埋め、「うたごえのいし」を所持して「ねがいの どうくつ」をクリアし、ジラーチに願えば、手間こそかかるが狙いたいポケモンを仲間にできる。 --ダンジョンから帰還するたびに、リーダー以外のポケモンが全員ともだちエリアに戻ってしまうため、再び複数人でダンジョンに挑む場合は面倒なことになる。 -クリア前から出現するのに、ともだちエリアの入手時期の関係でクリア後にしか仲間にならないポケモンがやたら多い。 --一応「主人公とパートナーに対応するともだちエリアは最初から手に入る」という仕様を利用すれば、一部のエリアはクリア前でも入手する事は可能。 --特にほのおタイプは炎系ダンジョンが2つもあるにもかかわらず、クリア前に主人公とパートナーとは無関係に仲間に出来るポケモンは&bold(){デルビルだけである}。 -あまりにも不評だったのか、次回作では&bold(){ともだちエリアその物が削除され}、仲間の管理はオーソドックスなリスト方式になった。 -一部のポケモンと遭遇するととにかくテンポが悪い。 --全体攻撃である「ぎんいろのかぜ」を持っているポケモンは、同じ部屋内に敵を認識するとかなりの頻度で使用する。部屋が広ければ広いほど倒すのに時間がかかる。 ---他の全体攻撃技は、隣接しないと使用判定がなされない等の配慮がされているものもあるのだが。 --部屋全体のポケモンが対象となる「こうそくいどう」や「てだすけ」は一匹一匹能力上昇の演出が入る為、相手のターンがなかなか終わらない。 ---特に「こうそくいどう」は行動回数リセットの効果があり、該当ポケモンの行動順が敵集団の中でも後の方だとずっと相手のターンに。こちらが余程強くなければ即死である。 -全体的にポケモンの経験値稼ぎが作業感が強く効率も悪い。 --もっとも手軽なのは、エンディング後にマクノシタくんれんじょで「チーム ハイドロズ」に挑み、連結技で片付け、カクレオンしょうてんでレベルを上げられる「しあわせのたね」を買う方法。 ---しかし、手に入る経験値はたったの4,896。本家ポケモンではそこそこな量だが、例えば「ダンジョンで加入したヒメグマLv10をLv30まで育てて進化させよう」と思うとかかる経験値は334,000。他の手段を考慮しなければ79回の挑戦が必要。 ---ハイドロズはそこそこ強い、雑魚敵のニョロモは弱いが技がウザいと問題点が多い。 --青ではダブルスロットによる「きゅうじょたいのま」で、赤の救助隊メンバーに挑める。ハピナスや伝説のポケモンを並べて片付ければそこそこ稼げるが、伝説のポケモンは強いし、赤で揃える手間がある。 --たっぷり稼ぐ方法として、「クリア後のダンジョンのモンスターハウスを連結全体攻撃で片付ける」「あんや いせきの発光法」などがあるが、それを準備するにも手間がかかりがち。 --どれもこれも根気さえあれば稼げるのだが、カイリューなどの進化レベルが高いポケモンを進化させるには何百回近く挑む必要もある。根気が折れかけたなら、前述のジラーチを使った方法を使う事も視野に。 ***バグ・不具合 -''COLOR(red){青の救助隊のデータ消失バグ(発売直後)}'' --初期版の青には、『赤の救助隊』以外の一部のGBAカートリッジを、ニンテンドーDSに挿したままゲームを起動するとそのカートリッジの''セーブデータが消えてしまう不具合''が発覚している。 ---セーブ方式の違いのためか、ポケモンシリーズは消えないが、『[[ロックマン エグゼシリーズ>ロックマンシリーズ#id_ae0449a1]]』はほぼ消える。 --任天堂は発売から8日後に、無償でバグを修正した新品の修正版と交換するという処置をとった([[公式>https://www.nintendo.co.jp/ds/aphjb24j/oshirase/]])。 ---これにより安心して遊べるようになった。初期版は店頭からも回収されたため、現在出回っているソフトはほぼ修正版である。 ---2018年3月末で交換対応は終了しているため、今から中古で買う場合は要注意。WiiUを持っている場合はバーチャルコンソールでプレイした方が良い。 --ただし、当然ながら消えたセーブデータの復元はされなかった。消えてしまったソフトに関しては諦めるしかない。 --初期版と修正版の違いは[[こちらのサイトも参照>http://nds.jpn.org/koukanpokemonfushigi.htm]]。ソフト裏面と説明書の型番が変更されている。 ---なお、箱・シールは初期版でも修正版でも無印「NTR-APHJ-JPN」のままなので、外箱だけからは区別がつかない。 -ゲーム内容のバグ --仲間がにげあし状態の時に階段に向かうと、次の階への移行画面に変なマップが出る。にげあし状態が2匹以上の場合だと、最悪フリーズする事も。 ---そのため、「しあわせの とう」のイーブイ勧誘には気をつける事。 --ドーブル専用技スケッチで覚えた技をダンジョン内で連結する時、何故か連結が外れてしまう。 ---これはスケッチのPPが1であり、技が書き換えられてもその情報が残っているからだと思われる。ダンジョン内での連結はあまり無い事だが、連結する方法がダンジョン内にしかないレベル1ダンジョンに挑む際は注意。 --「ダンジョン内の店で物を置いて中断し、カクレオンに話しかけるとお金が無限に貰える(空売りバグ)」「ボスポケモンにふっかつのたねを拾わせてから倒すことで、HPを高いまま仲間にできる」など意図的に起こせるバグが多く、ゲームバランスを損なうため使用は自己責任で。 ---- **総評 不思議のダンジョンシリーズ初心者にも上級者にもとっつきやすい、バランスの良いゲーム。~ ポケモンらしさをできる限りの範囲で損なわずうまく不思議のダンジョンに仕上がっている。~ やり込もうとするとキツイ面も多く見えてくるが、クリアまでのストーリーはかなり良く、プレイしても損しない出来になっている。 //若干物足りない要素や //購入を検討しているなら通信要素が充実した青の救助隊(もちろん後期の修正版)の方を推奨する。~ //現在では初期版は市場からほぼ消滅しているが、不安な場合は念のためDSi・3DSで遊ぶなどしてバグの予防を忘れずに。 //↑バーチャルコンソールとリメイクもあるのでCO。 ---- **その後の展開 -メディアミックス --発売と同時期にコロコロコミックで本作を基にした漫画『ポケモン不思議のダンジョン ギンジの救助隊』が連載され、単行本(全1巻)も発売。漫画:溝渕誠。ストーリーは部分的にゲーム本編をなぞるものの、漫画オリジナル要素が多分に含まれているのが特徴。 --発売から約1年半後、本作の導入部を原作にした短編アニメ『ポケモン不思議のダンジョン 出動ポケモン救助隊ガンバルズ!』もネット配信された。元々は海外版発売に合わせたキャンペーンアニメ『Pokémon Mystery Dungeon: Team Go-Getters Out of the Gate!』だったが、話題になったことで日本でも日本語にローカライズされた上で半年遅れで放映されることになった。現在ではニンテンドーeショップやYoutubeで視聴できる。 -本作の流れを汲む続編として約2年後に『[[時・闇の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が発売。「主人公が元人間」「パートナーと一緒に冒険」というシナリオの流れは本作と共通しているものの、また別の異なるストーリーになっている。 --さらにその1年半後にマイナーチェンジ版の『空の探検隊』も発売されている。 **小ネタ -『[[ポケモンダッシュ]]』に続く、ポケモンシリーズにおける第2のDSソフト。全てのポケモンが登場する本格的なゲームとしては初となる。第3のDSソフトである『[[ポケモントローゼ]]』ともすれちがい通信で連動する。 -ルギアが初登場時、「''命を賭けてかかってこい!''」と発言する。 --ルギアがアニメ劇場版第2作の予告編で''のみ''言っていた台詞であり、一部のファンの間では幻のセリフとして有名だった。 --全体の会話の流れから見ても不自然なものではなく、セルフパロディにありがちな無理やりさや押しつけがましさは感じられない。 ---ただしここで戦うルギアは&bold(){技も能力もやたらと貧弱なため}、戦闘まで含めるとどうにも台詞だけ浮いてしまっている感は否めない。 -クリア後ストーリーで「やみの どうくつ」にイジワルズのゲンガーを連れて挑む時、何故かゲンガーの技構成が通常とは異なりアブソルと同じものになっている。 --これについては本来の設定通りだと攻撃技も少なく、呪いで自滅されて難易度がさらに上がるためやむなく変更なのではという意見あり。 ---- *ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX 【ぽけもんふしぎのだんじょん きゅうじょたいでぃーえっくす】 |対応機種|Nintendo Switch|&amazon(B083QCWY21)| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト|~| |発売日|2020年3月6日|~| |定価|6,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|元祖ポケダンを一つに纏めてリメイク&br;ボリュームが大幅に増加|~| ---- **概要(DX) ポケモン不思議のダンジョンシリーズの初期作である「青の救助隊」「赤の救助隊」を一つに纏めたリメイクした作品。Nintendo Switchでの発売となった。~ 先駆けて、同年1月10日よりセーブデータを製品版に引き継げる体験版が配信開始されている。 ---- **原作からの変更点 -''オートセーブシステム'' --場所問わず自動でセーブしてくれるようになった。一応手動セーブも用意されている。 ---ダンジョン内で電源を切っても再開時にはそこからプレイ出来るため、原作のリセットペナルティも廃止されている。 -''通常攻撃の限定化'' --本作ではリーダーのポケモンは通常攻撃が出来なくなった。全ての攻撃技をオフにした状態で攻撃をすると「わるあがき」になる。 ---ただし、「相手との距離を詰めさせる」などの為には出来る。 ---仲間と敵は『攻撃技のPPが切れている』『タイプ相性で全ての攻撃技が通らない』『重ね掛けが効かない補助技を使用している』のいずれか、またはすべてを満たしている場合のみ通常攻撃を行う。 --リーダーは通常攻撃が出来ない代わりに周囲1マスの床の「ワナさがし」を行える。 --これに伴ってか、超ポケダンシリーズに引き続き「えだ」アイテムが登場している。 -''すばやさの追加'' --本編同様、ステータスにすばやさが追加された。効果は値が高いと見えていない罠を踏んでも作動しない確率が上がり、使った技をもう一度連続で攻撃する確率が上昇する。 ---連続攻撃しても消費PPは1のみ。 --こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼうと比べてレベルアップで上がり易く、技の命中に関しては超ポケダンのようにすばやさが低いと当て難いといった仕様もない。 -''タイプ相性・技システムの変更'' --リメイク前だと倍率が緩和されていたタイプ相性が本編通りとなった。タイプ特性もあり、これは『ウルトラサン・ウルトラムーン』準拠になっている(でんきタイプはまひ状態にならない、くさタイプはほうしやこな系の技・特性が効かない等)。 ---通常攻撃の限定化((ただし、通常攻撃のダメージは3DS時代の5固定ではなく、ステータスに依存するように変更されている))と合わせて技選択はタイプの多彩さが求められるようになったが、後述する「すごわざ」の一つである「ごりおし」を習得していれば効果が今一つ・無効を無視出来るようになる。また、後述するかくせい状態のポケモンが連結した技を使っても無視出来る。 --攻撃技を使い込むごとに経験値が増え、威力・命中・PPが増えるようになった。これらに関するドーピングアイテムは本作では入手しやすくなっている。 -''オート移動'' --Lボタンでオート移動が出来るようになった。目的地に着いたり敵が周囲2マス以内にいると強制解除される。 ---探索優先・階段優先を選べて、探索優先は全ての部屋に入ることを優先、階段優先は次のフロアに進むことを優先する。ただし、このシステムには大きな欠陥がある(後述)。 -''部屋内の見回し'' --Rスティックを動かすことで、画面外でも部屋内なら見回すことが可能になった。 ---これにより、無駄な移動なく欲しい・見ておきたいアイテムかどうかを確認することが可能になった。 -''仲間ポケモンの押し出し'' --仲間がいる方向に向けて方向キーかスティックを入力することで押し出し、Bボタンを合わせることで従来通り入れ替えとなる。大型のポケモンは流石に押せず、入れ替わることで位置交換になる。 ---通路への退避に使える等メリットもあるが、押し出しをするごとにお腹を多めに消費する。なお、Bボタンを押しながら敵の方へ移動すると、敵を押すことも出来る。 -''回復アイテムの任意使用可'' --HPのピンチ時や状態異常時に「オレンのみ」「モモンのみ」等の回復アイテムを使用するかどうかが自動で確認が入るようになった。 ---「ふっかつのタネ」「プチふっかつタネ」にも使用の確認が入るため、不必要に消費されることがなくなった。この2つはタネ系のアイテムでありながら投げて当てないと食べることも出来ないように変更されている。誤って食べてしまわないための配慮だろう。 -''第4世代以降に登場した追加進化形・リオル系統の追加'' --リオル系統は原作にてルカリオ像・ルカリオランクの存在から選出されたと思われる。 ---本作にも、ルカリオ像だけでなくマネネ・ウソハチ・マニューラ像もきっちり用意されている。これらは入手した像のポケモンが特定のダンジョンでも登場するようになる。 -''メガシンカ・ゲンシカイキ'' --仲間側は「かくせいのタネ」の使用、敵側は敵味方問わず何かしらのポケモンを倒すことで「かくせい」状態になり、本編でメガシンカ・ゲンシカイキを獲得しているポケモンはメガシンカ・ゲンシカイキ状態になるようになった。 ---メガシンカを2種類保持しているリザードン・ミュウツーがXとYのどちらになるかは完全ランダム。 --本編では「ガリョウテンセイ」を覚えていることがメガシンカの条件だったレックウザだが、本作では覚えていなくてもメガシンカ出来るようになった。 --倒されるだけでなく、まひやねむりのような動きを止められる状態異常に掛かると「かくせい」が解除される。しかし、超ポケダンのように暴走することはなく、階層を移動しても維持される。 -''技の追加・習得範囲変更'' --レベルアップでの習得範囲・技マシンの種類と共にウルトラサン・ウルトラムーン準拠となった。そのため、原作と違って秘伝技の概念がなくなっている。 --また、クリア後にゴクリン連結店でポケを支払うことで教え技が使えるようになった。覚えられる技は同じくウルトラサン・ウルトラムーン準拠。 ---残念ながらタマゴ技は一切覚えられない。 -''キャンプ'' --原作のともだちエリアからキャンプへと変更になった。基本的なシステムはともだちエリアと同じ。 ---この変更による改善点・問題点は後述。 -''すごわざ'' --本作では原作にあった「かしこさ」が「すごわざ」に置き換わっており、「にじいろグミ」で確率、「DXグミ」で確定ですごわざを1つだけ習得出来るようになった。個別に適用されていた「かしこさ」と異なり、すごわざは冒険メンバー全員に適用されるため、原作と違ってメンバー全員に同じ恩恵を受けられるのが強みになっている。 ---厳選を考えなければ原作のように大量のグミを用意する必要がなくなったが、かしこさのように最終的に万能になれる訳でもなく、冒険メンバーでバランス良く補っていく形になったため一長一短といったバランスになった。 -''マクノシタ訓練所の完全一新'' --~タイプの間、といった内容ではなくなり、依頼やポストで手に入る「ホンキチケット」を利用し制限時間中に敵を倒し経験値を得る『ホンキのくんれん』に変更された。通常のホンキチケットに加え、ホンキチケットA・ホンキチケットSといった上位のアイテムがあり、上位のものほど制限時間が長くなり、取得経験値も多くなる。 ---一度のプレイで一体までしか参加出来ないが、そのポケモンに不利なタイプのポケモンのみ出現するシステムになっており、クリア前までのレベル上げや技の強化に最適となった。仮に倒されても何度も復活できるためひたすらタイプ一致技を当てて倒し続けるだけで良い。 ---上記のホンキのくんれんとは別に『まなびのくんれん』というダンジョンの操作に関するチュートリアルも追加された。こちらは初回クリアのみアイテムがもらえる上に無料で何度でも利用可能で、失敗してもペナルティはない。このゲームの操作に慣れるのには最適である。 -''チーム編成記憶、ダンジョン内仲間枠の増加'' --予めチームを登録することで、原作のように一々仲間のところに行って編成を組むといった手間がなくなった。 ---救助隊ランクを上げることで、登録可能なチーム数を増やすことが出来る(最大10チーム)。 --ダンジョンに連れていける数は原作同様3匹までだが、リーダー含め最大8匹まで、依頼主を加えると9匹までダンジョン内で攻略することが出来るようになった。 ---大型のポケモンを3匹連れて行くことも可能でサイズ制限もない。 -''仲間になったポケモンの自動経験値獲得'' --冒険に連れて行かなくてもダンジョンで獲得した経験値が既に仲間化しているポケモン全員に入り、全ポケモンレベル100への道程が緩和された。 ---ホンキのくんれんで得た経験値だけは個人のみ。 -''救助待ち状態になっても自分の残りメンバーで救助可能に'' --冒険失敗した場合、プレイヤー自身の残っている仲間ポケモンでチームを組んで救助に向かわせることが可能になった。 ---また、原作と違い救助地点がモンスターハウスに変化しなくなった。 ---この仕様を利用することで、レベルリセットダンジョン限定ポケモンの仲間連れ帰りが非常に楽になった。 --救助不可能な場合の全滅ペナルティは、原作とは違い「資金だけでなくアイテムもすべて消失」へと増加している。 -''他人への依頼システム'' --受注出来る依頼数が最大12件まで増え、パスワードだけでなくNintendo Switch Onlineの利用により、インターネット経由で直に救助の依頼・受注が出来るようになった。 ---依頼する側は報酬をノーマル・スペシャル・デラックスと選ぶことが可能だが、どのグレードを選んでも依頼側の懐が痛むことはない。受注側はグミやドーピングアイテムを稼げながら救助隊ランクも効率良く上げることが出来る。 -''キーワード一覧'' --オプションからキーワード一覧を選択することで、技や罠・すごわざ等を調べることが可能になった。 ---- **評価点(DX) -''グラフィックの向上'' --トゥーンレンダリングで救助隊シリーズの世界観を完全再現しており、3D化にあたっての違和感が全くなく綺麗に描写されている。 -''原作ストーリーをほぼ忠実に再現'' --本家のポケモンシリーズでは『HGSS』でキャラクターのデザインの変更・言動・シナリオの展開に変更が入るようになり、『ORAS』でそれが余りに過剰となり、『ピカブイ』で極力アレンジが抑えられるという経緯を辿ったが、本作は原作のストーリーをそのまま持ってきたと言っても過言ではないほどほぼ忠実に再現されている。 --セリフやBGM、広場のポケモンの配置等、ほぼ全てのストーリー要素が3Dグラフィックで表現されながらも原作と同じになっている。特定のポケモンに視点が合わさったりと様々なシーンの演出も強化され、3Dグラフィックが上手く活かされている。 --原作ストーリーを概ね再現しながらも、不満点の多かった箇所は解消されている。 ---一例として、原作で不評意見の多かった逃亡時前のハスブレロの主人公に対する攻撃シーンがカットされていたりなど。 ---クリア後もパートナーが主人公と一緒に居てくれるようになり、ダンジョン内のセリフもずっと専用のまま。パートナーに話しかけることも可能で次の目的を簡単に教えてくれるため、迷う心配も少ない。加えて、主人公も話しかけたときのセリフが追加された。 -''主人公とパートナーの選択および性別の反映など'' --原作同様心理テストで決められるのは同様だが、気に入らない場合はその後に自分で好きなポケモンを選び直すことが出来るようになった。主人公ポケモン次第で難易度が激変することも少なくないだけに嬉しい配慮。リメイク前と違って主人公候補の16匹全員を自由に選べるのも大きい。 ---主人公と同じタイプを選べないのは変わらないがパートナーも自由に選べるようになったため、リメイク前では出来なかった組み合わせ(ワンリキーとエネコ、コダックとニャースなど)でも遊べるようになった。 --選んだ性別の姿が反映されるようになったため、主人公にも専用のグラフィックが初めて用意されている((前作の主人公のピカチュウはオスのままだった))。 --他にも『超』と同様、主人公とパートナー用に常時スカーフやリボンを着用している専用のグラフィックが用意されている。シリーズを象徴する個性の1つであるため、主人公・パートナーに愛着のあるファンには嬉しいポイント。 -''チーム名・ポケモンの名前の自由変更'' --原作ではチーム名や主人公、パートナーのみ自由に変えられる仕様が存在したが、本作では主人公・パートナー以外に仲間になったポケモンも全て自由に名前を変えられるようになった。 ---3DSシリーズ作品以降と同様、6文字まで入力出来る。 -''クリア前ストーリーの難易度軟化'' --常時「せんりがん」「じごくみみ」状態で、エリア内のアイテム・敵の動きが見える状態になっている。~ それに加え「常時リーダーチェンジ可能」「主人公・パートナーのどちらかが倒れても冒険失敗にならず、ダンジョン内に「プチふっかつタネ」が多く落ちている」といったように、クリア前の冒険では詰み難い仕様となっている。 ---冒険失敗回数が増えるとゲリラダンジョンとして「げんえいのどうくつ」が出現するようになる。このダンジョンでは「リンゴ」系統、「ピーピーリカバー」、「ふっかつのタネ」系統が多く出現し、ストーリーをクリア出来ないプレイヤーへの救済処置となっている。 --原作では使えないアイテムが非常に多かったが、本作では使えるアイテムが非常に多い。対象が部屋全体になり、命中率も上昇した「いちげきのたま」など、効果が改善されているものもある。 --ただしクリア後は「せんりがん」「じごくみみ」が解除されるので、従来作からのファンを飽きさせることもない。クリア前の難易度軟化も「クリア前はチュートリアル・クリア後が本番」等と好評意見が多い。 -''わざのシステム変更'' --現行作品に合わせて物理技と特殊技が分けられている。 --連結している技のPPが0になっても連結が外れないようになった。 --複数の敵を攻撃出来る技や部屋全体の技なども特定の状態異常になっているか、ごく一部の技を除けば味方を巻き込まなくなった。 --また、主人公とパートナーも初期の内からわざマシンや遺伝限定の技を覚えている為、わざの面で困る事が少なくなった。 -''とくせいのシステム変更'' --原作では2種類あるポケモンは両方所持という形だったが、本作は2種類持っているポケモンは仲間になった時にランダムで1つになるようになった。 ---両方の特性が強かったポケモンに関しては弱体化と言えるが、例としてトゲキッスは特性を2つ持っているが片方がデメリットが大きい「はりきり」のため、恩恵を受け使い易くなった。 ---デメリット特性自体上方修正が入ったものが多く、特性を無効化出来る「むこせいスカーフ」が登場したことで、特性による性能差は大幅に緩和された。 ---原作では敵が増加するだけだった「はっこう」やフリーズの一因にもなり得た「にげあし」もマイナス特性ではなくなっている。 -''掲示板に記載されている依頼システムの改善'' --依頼文の不自然な内容((例として「わざマシンのあられ いちどたべてみたいんです!」など))が無くなっており、つれてって以外の依頼主は完全にNPCと化したため、悪天候などで倒れるといった不具合が発生しないようになっている。 ---つれてって依頼も依頼主がダンジョンに合わせた強さになっており、仮に倒されても巻き添えを食らって即救助失敗になる理不尽な仕様ではなくなり、依頼主が一時的に気絶するように変更されている。気絶した依頼主はその階層内で「ふっかつのタネ」系統のアイテムを依頼主にあげるか、「みなふっかつだま」というアイテムを使うことで再度同行出来るようになる。気絶した依頼主を復活出来ない場合は流石にその依頼は失敗になるが、冒険自体は続けられる。 -''ボスの大幅強化'' --伝説級のボスは敵に有利になる効果や一定ターンでプレイヤー側に不利な効果を与えるエリアになっているだけではなく、クリア後はミュウツー・カイオーガ・グラードン・レックウザは一度倒しても「メガシンカ」「ゲンシカイキ」で再戦が行われる等、一筋縄ではいかなくなった。 ---伝説級に限らないがボスは状態異常が長くても2~3ターン以内で治癒するため、搦め手も通用し辛くなっている。 -''原作で仲間にするのが難しかったポケモンへの救済処置'' --仲間に出来る仕様が探検隊シリーズと同様になり、最終進化ポケモンも倒して仲間にすることが可能となった。そのため、序盤からマッスグマやキマワリ、ナッシーなどが仲間になったりすることもある。 ---ダンジョンクリア後に最後まで一緒にいたポケモンたちは、該当するキャンプエリアがなかったり正式に仲間にしなかった場合は別れることになるが、その際にお礼としてポケをもらえるようになった。なお、低階層で仲間になった方が多くもらえる。 --敵を倒して仲間になる距離条件も見直されており、仲間判定がリーダーの周囲2マス以内に変更された。 --ダンジョン内で倒れているポケモンが追加された。救助依頼に関係なくランダムで登場し、リンゴ系の食糧を渡すと仲間になってくれる。 ---レベルリセットダンジョン限定ポケモンが通常ダンジョンで倒れているパターンもあり、前述の手段と合わせて上記限定ポケモンの仲間化の難度が大幅に軽減されている。 --ストーリー後半からカクレオン商店で購入出来る「しょうたいじょう」を利用することで、一部ダンジョンの道中に登場する「ミステリーハウス」に入ることが可能。ミステリーハウスでは、中に入っているアイテム入手やポケモンを仲間にすることが可能となっており、候補ポケモンも進化以外の仲間方法がないものも多い。 --ポケダンシリーズ仲間化最難関と言われしカクレオンも、「しあわせのとう」70階付近で普通に登場し、仲間にすることが可能となっている。泥棒時での常時倍速・高ステータスの仕様ではなく、かなり弱いレベル・ステータスとなっており倒し易い。 ---勿論、泥棒を経由して仲間にすることも可能。カクレオン自体、レベルを1上げるだけで100万近い経験値を要求されるため、高レベルのカクレオンを目指すだけなら泥棒経由の方が基本的に楽ではある。 --また、本編で進化用道具だったものは全て「しんかのあかし」というアイテムに統一。1段階目進化へは2個、2段階目進化へは4個必要。一部ダンジョン最深部で落ちていたりカクレオンの商店で売られており、入手難易度は低い。 -''ストーリー加入ポケモンの待遇強化'' --ストーリーで仲間になるポケモンは別れることが出来ないようになっており、アブソルとサーナイトは固有の台詞パターンを持ち((コイルとドーブルは通常個体と同じ。))、すごわざも習得している。サーナイトは加入レベルが大幅に上昇した(Lv5→Lv50)。 ---アブソルは原作と違い「ひょうせつのれいほう」の入り口でダンジョンに入る前から一緒におり、それに伴ってストーリー中での台詞も追加されている。 ---アブソルのすごわざは使い勝手に優れる「しぼりだす」を持つ。サーナイトはイジワルズのゲンガーとの関係性を暗示させる「はなれてもがんばる」を習得しているため、使い勝手はイマイチにもかかわらず評判は良い。 --伝説・準伝説級のポケモンも仲間時に固定のすごわざを習得している。中でも、ミュウは経験値稼ぎに重宝する「オニせいちょう」を持っており、全ての技マシンが利用可能な仕様と合わせて優秀な立ち位置にいる。 -''救助隊ランクの追加'' --ルカリオランクが廃止され、やり込み要素としてウルトラ・ハイパー・マスター・グレートマスターランクが追加された。 --普段通り依頼をこなしていくだけで簡単に到達出来るシルバーランクで道具箱が最大数の一歩手前まで増えるため、通常プレイに支障が出ることもない。 ---ウルトラランクになるとミステリーハウスでリオル・ルカリオが出現するようになる。 -''色違いの登場'' --一部ダンジョンでは通常のポケモンよりレベルが高く、倒したときの経験値が多い強敵が登場し、稀に色違いとして現れる。色違い個体のみ「ともだちリボン」を持ったリーダーが倒すことで低確率ながら仲間にすることが可能。 ---強敵登場とは違う隠れ色違いポケモンとして、色セレビィが登場する。仲間にするまでの条件が多難だが、台詞が探検隊シリーズでジュプトルの仲間として登場した時のものがそのまま使われるというファンサービスがある。 -''ワナの弱体化'' --前作の超と同様ほとんどが1度踏めば壊れるようになっており、逆に2回以上発動する可能性があるワナは数えるほどにまで減少している。 ---加えてリーダー以外は見えていないワナのあるマスに移動しても作動せず、発見したワナは必ず避けるように移動するため、仲間がワナを誤って踏んでしまうといった問題は絶対に発生しないようになっている。 ---一方でリメイク前と違ってストーリー序盤から存在するようになったワナもいくつかあり、相対的に難しくなっている部分もあるにはあるが、影響の少ない効果のものから出るようになっており、程よい注意喚起になっている。落とし穴も廃止されているため理不尽な離脱が発生しなくなっている。 ---- **賛否両論点(DX) -''ともだちエリアからキャンプへの変更'' --原作のようにエリアに入ることが出来ず、『探検隊』以降の様な従来のエリアの背景にそこからカーソルでポケモンを選ぶだけの淡泊なものへと差し替えられた。 --表示されるポケモンはドット((過去作のドットを流用))で描写されており、第6世代で初登場となったニンフィアのみ新規でドットが用意されている。 ---この仕様で原作の問題点の仲間に出来る数が大幅に改善された一方、エリア内を動かせなくなった点を惜しむ声も多い。なお、エリアの背景は-ボタンを押し続けていると確認出来る。 --BGMも一部のエリアが原作と変わっている。しかし、「森と山のささやき」は超ポケダンの音源から流用されておらず、新規に作られている。 --主人公とパートナーが本来所属している救助隊キャンプのエリアにいなくなったため、初期入手のキャンプエリアが固定されているのも地味な難点ではある。その代わりエンディング前でも救助隊キャンプ内での強化は出来るため、リメイク前よりも主人公とパートナーの強化を楽に行えるのは上手く配慮されていると言えるだろう。 -''「さわぎのもり」でのマンキーが強い'' --原作では弱いという設定通り脆弱なボスだったが、本作ではかなりの強敵と化した。 ---尤もダンジョンの奥にいるボスであることに変わりはなかったため、上記のボスの大幅強化の仕様もありこれは当然の措置とも言える。 -''ゲーム内で入手した依頼のパスワードが表示されなくなった'' --原作で改造メールが蔓延っていたことへの対策と思われる。 ---タイトル画面からパスワード入力画面へ進むことは出来るが、公式で用意されたパスワード以外は弾かれるようになっている。 -''チームテングス・カラミツキ・ハイドロズ・ゴロゴロのリーダー以外のメンバーが登場しなくなった'' --マクノシタ訓練所の仕様変更の弊害。これにより、各チームのリーダー以外のメンバーが本作では不明となっている。 ---ハイドロズは原作同様カメックスの他にオーダイルのみ名前が登場している。 -''クリア後の難易度調整'' --クリア前のダンジョンに存在した常時「せんりがん」「じごくみみ」状態が無くなってしまうだけではなく、敵の強さが大きく上昇し攻略がドーピング前提となってくる。 --ドーピングアイテム自体はカクレオン商店や依頼で手に入り易くなったことに加え、「ちていいせき」や「アンノーンのいせき」で壁に埋まっているアイテムが「せんりがん」状態で見えるようになったため入手の敷居は大幅に下がっている。 ---ただし本作は従来作でいう「ゼロのしま なんぶ / ちゅうおうぶ」に該当するようなダンジョンがないため、一定以上ドーピングし過ぎると一気にヌルゲーになってしまう。 -''クリア後で一度倒したボスと再戦出来ない'' --エンテイ・ライコウ・スイクンを除き、クリア後にボスを倒すと強制的に仲間になるようになり、別れる事も出来ない((エンテイ・ライコウ・スイクンはホウオウを仲間にした後の再戦後に仲間になる))。 ---道場などで再戦出来る機会があっても良かっただけに惜しいところである。 ---ジラーチも強制的に仲間になるが、リメイク前とは違い、願い事はジラーチを仲間にしていても利用できるため、そこは安心していい。また、リメイク前と違って倒せば必ず仲間になる点はむしろ改善されていると言える。 ---- **問題点(DX) -''オート移動のテンポが悪い'' --探索優先でまだ入っていない部屋があったり階段優先で階段を見つけてもダンジョン内で倒れているポケモンを優先して追尾するため、優先の意味がない。一度話しかけないとその後も追尾し続ける仕様で大幅にテンポを落としてしまっている。 ---恐らく、倒れているポケモンのフラグが救助依頼のフラグと同じにしているための弊害だと思われる。 --階段優先で階段のある部屋を先に見つけらればオート移動を中断して手動で動かすのが対策だが、LとAを押しているだけで所謂脳死周回が出来る長所を阻害していることに変わりはない。 -''連続技・部屋技の横行'' --一部の技に調整が一切加えられていない為、それによる弊害も発生してしまっている。 ---特に連続技が相変わらず猛威を振るい、連続技が確実に命中するすごわざ「れんぞくひっちゅう」の存在もあり、スキルリンクパルシェンが本作最強クラスの座に君臨している。瞬間的な攻撃力ではまるくなる、アイスボール、ころがるを連結して「れんぞくひっちゅう」が適用されていると脅威の高威力10連続攻撃を行えるタマザラシ系統がぶっ壊れている。 ---他にもガラガラ・サンダー・フライゴン等、連続技・部屋技を複数覚えられるポケモンはその他ポケモンに比べ飛び抜けた強さを持つ。上記のすばやさの仕様もあって連発出来る可能性もあるため無双しやすい。 --敵が使う連続技・部屋技も脅威なのは勿論のこと、「ほのおのやま」のマグマッグが新技「やきつくす」を連発しリンゴ・タネ系をあっさりと焼失させたり、「マグマのちてい」のマグカルゴの新技「からをやぶる」で袋叩きにされる事も日常茶万事。ビードルの「むしくい」でリンゴやタネなどを奪われたりニョロモの「さいみんじゅつ」連発であやつり状態にされたりなど、仕様の変更や技の追加によって道中で厄介なポケモンも増えている。 ---特にタマタマはダンジョンによってはノーマル技+さいみんじゅつの構成となっていることもありゴーストタイプが眠らされてしまうとさいみんじゅつのPPが切れるまで永遠に嵌められることになる。厄介なことに清らかな森の最序盤に登場するため、カゲボウズ系以外のゴーストタイプの天敵となっている。 ---「ぎんいろのかぜ」や「あやしいかぜ」の追加効果が1回分しか適用されない、敵側の「こうそくいどう」に行動リセットが適用されない等、旧作の問題点を改善している部分もある。また、敵側はノーマルタイプの味方に「かげうち」を使うといった全く効かない技を使うことがあり、AIは超ポケダンから弱体化されている。 --ほろびのうたを覚えるニョロトノ等に通路で使ったときの技が確実に命中するすごわざ「つうろひっちゅう」が適用されていると、通路でほろびのうたを使うだけで多くの敵が3ターンで簡単に倒せてしまうといった強烈なバランスブレイカーもある。 -''ガルーラ像のあるダンジョンの中間地点がストーリー進行中以外で利用出来ない'' --この影響で、伝説のポケモンと戦うのが目的の場合は、事前準備を中間地点で行えないのが痛い。 ---なお、中間をスキップして山頂や奥地の方へ向かうため、原作で山頂や奥地などで分けられていた階数は加算されている((「ひょうせつのれいほう」だと15階+奥地5階だったのが20階に、天空の塔だと25階+最上階9階だったのが34階等))。 -''草御三家進化形・ブラッキー・リーフィア・ニンフィアがダンジョンで一切登場しない'' --原作では登場していた草御三家進化形やブラッキーが、クリア後のダンジョン登場ポケモンが原作と変更になった影響かダンジョンで登場しなくなった。 --リーフィア・ニンフィアを除く追加進化ポケモンはミステリーハウスもしくはダンジョンで倒れている形で登場するが、この2体のみ両者と共に登場しない。 --進化前のフシギダネ・チコリータ・キモリ・イーブイがダンジョンで倒れている場合を除き「しあわせのとう」でしか登場しないため、仲間にするのがやたら面倒になっている。 -''主人公とパートナーは進化するとスカーフがなくなる'' --スカーフを付けた進化後のグラフィックは実装されていない。リメイク前には「進化するかどうか」に関わらずスカーフがなかった上、変わるのは外見だけの為、気になるかどうかは微妙だが…別に進化してもスカーフはそのままにも出来たであろう。 ---グラフィックに関しても「[[ポケモン超不思議のダンジョン]]」のを流用するという手もある。画質の関係上無理があるかもしれないし、この手段が使えるのはライチュウと御三家に限られるが。 --一応、進化時に「スカーフが無くなりますがよろしいですか?」という警告はある。 --進化後に就寝用のモーションが実装されていないのも従来通りとなっている。 -主人公・パートナー候補のポケモンをエンディング後に仲間にした場合、遺伝やわざマシン限定のわざを思い出しで習得できない。 --一部はわざマシンや教え技でフォローできるが、それが効かない場合もある。 -前述した通り、リザードンとミュウツーのメガシンカが2種あるのにもかかわらず形態を選べないためややメガシンカさせづらい。幸いメガシンカなしでも活躍はできるが。 --両者とも形態によって「攻撃と特攻どっちが高いか」「特性」がまるっきり違うし、タイプも違う。「メガシンカによって能力値が下がる」事はないがメガリザードンXは特性が「かたいツメ」の関係上、物理技を覚えていないと特性を生かせない。 ---また、メガリザードンYは特性が「ひでり」の為、味方によってはデメリットがかかる。 -''仲間になった一部ポケモンの台詞がおかしい'' --台詞自体はストーリー加入するアブソル・サーナイトを除き探検隊シリーズのものを流用((探検のワードを救助か冒険に入れ替えている程度の変更あり。救助隊シリーズでは性別の概念がないため、性別ごとに台詞が変わるポケモンは種別ごとに♂♀どちらかのものになっている))しているが、ユキメノコなどの♀しかいないポケモンでも♂のものが採用されていたり、ルカリオの台詞が「いっしょに がんばろうね!」になっている等((探検隊シリーズのルカリオは♂♀どちらでもこのような口調は発しない。))、違和感のあるセリフがいくつか存在する。 ---- **総評(DX) 「青の救助隊」「赤の救助隊」を一つに纏めた上でNintendo Switchにリメイクした作品。~ 「超不思議のダンジョン」要素も混じっており、原作の改善点も解消しつつ、原作のストーリーや雰囲気を壊さず纏まっている。~ 原作同様、不思議のダンジョンシリーズ初心者から上級者まで触り易い出来となっている。
//『青』について「[[判定不一致修正依頼]]」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 //2021/07/06 該当頁に依頼が見当たらないためCO ---- 注意:このページでは、DS『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊』と、GBA『ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊』と、Switch『ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX』について紹介しています。~ 判定は、青の救助隊の初回版が「なし」→修正版が「&color(,paleturquoise){改善}/&color(,lightgreen){良作}」、赤とDXは「&color(,lightgreen){良作}」です。 ---- #contents ---- *ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊 【ぽけもんふしぎのだんじょん あおのきゅうじょたい】 |ジャンル|ダンジョンRPG| &image(PMDBlue.jpeg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000B41SWY/,height=160)| |対応機種|ニンテンドーDS|~| |メディア|256MbitDSカード|~| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|チュンソフト|~| |発売日|2005年11月17日|~| |定価|4,800円|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年3月23日/950円|~| |判定|なし|~| |判定(修正版)|BGCOLOR(paleturquoise):''改善''|~| |~|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|その後のシリーズの礎となった第一作目&br;個性豊かなポケモン達が織り成す感動のストーリー&br;初回版には重大なバグ&br;8日後に修正版との交換で対応|~| |>|>|CENTER:''[[ポケットモンスターシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[不思議のダンジョンシリーズ]]''| *ポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊 【ぽけもんふしぎのだんじょん あかのきゅうじょたい】 |対応機種|ゲームボーイアドバンス| &image(PMDRed.jpeg,https://www.amazon.co.jp/dp/B000B41T2I/,width=160)| |メディア|256MbitROMカートリッジ|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年3月23日/704円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|青の救助隊とのマルチ発売&br;重大なバグはない&br;青に劣る点が少しある|~| ※共通項目は省略 ---- **概要 ポケモンシリーズのキャラを用いて作られた、ポケモン版「不思議のダンジョン」。略称は『ポケダン』。~ TVシリーズや他のポケモンシリーズと一切関連性を持たない、独立した世界観・ストーリーが繰り広げられる。~ その為か、本シリーズは『[[ポケモンダッシュ]]』や『[[ポケモンレンジャーシリーズ>ポケモンレンジャー]]』等の他のポケモン外伝作品と異なり、最新作の「超」に至るまで本編と連動した要素は存在しない。 物語は、気が付くとポケモンの姿になって記憶を失い倒れていた元人間の主人公が、ポケモンだけの世界でパートナーと共に救助隊を始め、自身の謎を追って壮大な冒険を進めていくというもの。 青の救助隊の初期版には''ダブルスロットしたGBAソフトのセーブデータが消える''という重大なバグがあり、注意が必要。 ---- **本作の特徴 -本作は登場するポケモンたちの目線から見たポケモンの世界を土台としているため、作中では「人間」が一切登場しない(存在自体は知られている)。 --ポケモン達が言葉を話し、町で暮らして店を営んでいる等、本家ポケモンシリーズとは雰囲気も大きく異なっている。 --本編の前半ではタイトルに沿って窮地に陥ったポケモンたちを助けにいく展開が続くが、中盤以降ではポケモンシリーズにしては珍しいシリアスな展開が進行していく。~ また、勧善懲悪が多くの場面で成立していないのも特徴。 -システムもストーリーも赤・青共に全く同じ。 --青はDSの機能を活かして、タッチスクリーンやすれちがい通信に対応している。GBAには無いX・Yボタンを使った快適操作も可能。また、処理能力や音質などを見ても青の方が優れている。 ---ダブルスロットにより、赤のメンバーをボスに据えたダンジョンが青にのみ存在している(後述)。 --出現する野生ポケモンの種類に多少の違いがあるが、それすらも最終的には全く同じにすることが可能で、ポケモンシリーズ本編のバージョン違いとは趣が異なる。 --バージョン違いというよりはマルチプラットフォームの配慮(いわゆる「縦マルチ」)であり、上位機種であるDS版を所持しているなら「青」の購入が推奨される。 **システム -アイテムを活用して敵を倒しつつ(時には逃げつつ)ダンジョンの最下層を目指すという、他のローグライク・不思議のダンジョンシリーズと基本的には同じルール。 --ただし『トルネコ』→『シレン』のように、敵モンスターとアイテムを「ポケモン」の世界観に置き換えただけ、という内容ではなく、レベル継続や技システムなど独自のシステムも多く、プレイ感覚はかなり異なる出来になっている。 ***主人公・パートナーの選択 -最初のポケモンはプレイヤーへの心理テストの結果や男女の選択次第で、16匹の中から自動的に選ばれる。 --そして主人公が決まった後、さらにパートナーとなるポケモンを10匹の中から選べる。ただし、自分のタイプと被るポケモンは選べない(例:主人公が草タイプのフシギダネの場合、パートナーに草タイプのポケモンは選べない)。 --基本的にどのポケモンになっても台詞が若干変わるだけで、物語は変わらない。ただし、選んだポケモンのタイプによっては難易度がガラリと変わってしまう(後述)。 #region(主人公・パートナー候補) 候補のポケモンはカントー・ジョウト・ホウエン御三家+ピカチュウ+α。御三家とピカチュウ以外は主人公専用。~ 本作ではステータス上の♂♀の概念は無いが、主人公のみ男女の選択がある(一部の主人公は性別限定)。~ また、パートナーの口調は各ポケモンによって男口調(一人称「ボク」と「オイラ」の2種)か女口調(一人称「ワタシ」)で固定されている。 |~ポケモン名|~タイプ|~主人公|~パートナー| |フシギダネ|くさ・どく|両方|♂(ボク)| |ヒトカゲ|ほのお|両方|♂(ボク)| |ゼニガメ|みず|両方|♂(オイラ)| |チコリータ|くさ|♀限定|♀(ワタシ)| |ヒノアラシ|ほのお|♂限定|♂(ボク)| |ワニノコ|みず|両方|♂(オイラ)| |キモリ|くさ|両方|♂(ボク)| |アチャモ|ほのお|両方|♀(ワタシ)| |ミズゴロウ|みず|両方|♂(ボク)| |ピカチュウ|でんき|両方|♂(ボク)| |カラカラ|じめん|両方|不可| |コダック|みず|両方|不可| |ワンリキー|かくとう|♂限定|不可| |ニャース|ノーマル|♂限定|不可| |イーブイ|ノーマル|♀限定|不可| |エネコ|ノーマル|♀限定|不可| #endregion ***仲間システム -各ダンジョンにいるポケモンを倒すと、条件を満たした上で一定確率で仲間になってくれる。仲間になったポケモンは「ともだちエリア」と呼ばれる場所で待機しており、呼び出せばいつでも冒険に連れて行ける。 -エンディング後にはこれまで戦ってきたボスポケモンも仲間にできる他、新たなダンジョンで伝説ポケモンを仲間にすることもできる。 ***わざ -ポケモン本編にも存在する要素で、他の不思議のダンジョンシリーズにおける「武器・杖・巻物」に相当する。原作同様にレベルアップや技マシンで4つまで覚えられる。 --本家同様、技それぞれにPP上限が設定されており、その技を1回使う毎に1減少。PPが0になるとその技は使用できなくなる(「ピーピーマックス」で回復可)。 --ちなみに原作と効果や使い勝手が全く違う技もいくつかあるため、原作であまり意味の無かった技が意外なまでに強力な技になっていたりする(逆も然り)。 -さらに「ポケダン」ならではの特徴として、一度に複数の技を放つ「れんけつわざ」を行える。開発スタッフによれば、これは他のシリーズでいう「合成」を意識したものとのこと。 --例えば「しっぽをふる+たいあたり」なら防御を下げての大ダメージが与えられ、遠距離技や広範囲技を連結して複数の相手を蹴散らすことも可能。 --連結技を一度でも当てた敵から手に入る経験値が2倍に。技だけだと1.5倍、通常攻撃のみだと1倍のため、これは非常に大きい。部屋全体に効果のある技を組み込めば一回の連結技のみで部屋内の全ての敵が経験値2倍になる。 ---ただし、使用する度におなかを消費する上、PPが0になると連結が外れてしまい、ダンジョンから出てゴクリンの店で連結しなおすか、「れんけつばこ」を使って再び連結する必要がある。4つまでしかない技枠を一気に2つ以上も使ってしまうことや、2つ以上の技のPPを同時に消費するため消耗が早いなどのデメリットもある。 -他、「ふこうのタネ」や同じわざマシンの連続使用などで''同じ技を複数回覚えられる''(本作のみの仕様で、次回作以降には実装されていない)。 --同じ技同士を連結させることで、一部の技はより有用に使えるようになる。反面、ただでさえ少ない技欄を同じ技で埋めてしまうことで臨機応変に対応できなくなるデメリットもある。 -不思議のダンジョンの装備強化に相当する要素として「カテキン」で技威力も上げられる。例えば「たいあたり」に使うと「たいあたり+1」となり、最大で+99まで増やすことができる。 --あくまで威力が設定された技のみ有効。ダメージを与えられないわざや、固定ダメージの技には使えない。 -プレイヤーが忘れさせたり上書きしない限り、覚えた技を忘れることはなく、たとえ力尽きても+値が下がることもない。 --ただし、入った時にLv1になるダンジョン内で技を覚えても、ダンジョンを出ると入った時と同じ状態に戻る。 ***とくせい -本編では『ルビー・サファイア』から追加されたポケモン達が持つ特殊能力。本編と同様のものが用意されている。 -いわゆるパッシブスキルであり、自分自身を守るものからフロア全体に影響を及ぼすものまで多種多様。マイナス効果もある。 -ポケモン固有のものであり変更は不可能。本編において2通りの特性があるポケモンは、その両方を同時に備えている。 ***もちもの -ポケモンには何らかの道具を1つだけ持たせられる。 --不思議のダンジョンシリーズの「指輪・腕輪」に相当するのはスカーフ等の布系と眼鏡系があるが、どちらか1つしか装備できない。 --飛び道具や回復アイテムを味方のポケモンに持たせると自分の判断で使ってくれる。逆に敵ポケモンが拾った場合も使われてしまう。 ---後述する「かしこさ」の設定により、使用を封じることもできる。 -何も持っていない状態だと、敵の放った飛び道具を受け止めることができる。 ***依頼 -ポケダンシリーズの特徴。本作では主人公は救助隊の隊長であり、依頼を受けてダンジョンに挑む。 --基本的に本編とは無関係で、ランダム生成されるサブクエストのような扱いである。ただし、ストーリーを進めるためには適当な回数の依頼をこなす必要もある。 -内容は特定の階にいるポケモンを助ける、アイテムを届けるなど。特定のアイテムを持って「あなぬけのたま」で脱出すれば終わりという依頼も。~ 「救助」と言いつつ、明らかに趣味のアイテムが欲しいだけという依頼もあったりするのはご愛敬。 --ただし「つれてって」系依頼には注意。依頼者のポケモンを目的地まで連れて行くことになるが、依頼者はレベル1で育たないため、あっさりと死んでしまう。''依頼者が倒れた場合もリーダーが倒れた扱いになり救助失敗となる''ので難易度は大幅に上がる。 ---難易度が高いダンジョンや目的地が深い階層の場合、ふっかつのたね等を多数持ち込んでのフォローが必要になる。 --また依頼主とダンジョンによっては、水の上やマグマの上をうろちょろと動き回っている事も。リーダーの移動タイプによっては苦労する。 ---「つれてって」系以外の依頼主は攻撃されないが、悪天候やマグマによる火傷ダメージで力尽きることもある。この場合は依頼は達成不可能になるが失敗扱いにはならず、探索を継続できる。 -依頼を成功させて貰えるポイントを稼ぐ事で、救助隊ランクが上がる。上がっても意味はないが、最終ランクまで上げた人はかなりやりこんでいるだろう。 ***かしこさとグミ -ポケモンには「かしこさ」という値があり、上昇すると様々な特技(AI制御、罠や状態異常への受動対応などのパッシブスキル)が身に付く。かしこさはグミを食べることで上昇する。 -グミはポケモンのタイプ同様17種類あり、食べたポケモンのタイプに対応したグミだと最もかしこくなり、他のグミの場合だとそのタイプとの相性によって上がるかしこさの量が異なる。 -さらに複数のタイプ持ちのポケモンは両方の効果を同時に得られる(例えば草・毒のフシギダネにわかくさグミを食べさせると、草タイプの上昇と毒タイプの上昇の両方の効果がある)。この仕様のおかげで、単タイプのポケモンより複数タイプのポケモンの方がかしこさが上がりやすい。 --だが、単タイプのポケモンは上げ難く、かしこさが進化条件になるポケモンは面倒。 -本編において「なつき度」に関連する要素は「かしこさ」に置き換えられている。 ***冒険失敗時のペナルティ //厳密には「全滅」ではないので -旧来の不思議のダンジョンは、ダンジョン内で力尽きると資金の5~10割のいずれか・そして装備も含む全アイテムが没収され事実上のゲームオーバーに限りなく近い仕打ちを受けるのが通例だった。 --しかし本作はリーダーが力尽きてダンジョンから追放された場合、資金すべてのほかは''一部のアイテムを失うだけ''で済む。~ ただしドロボーに失敗した場合は残ったアイテムが全て「ただのタネ」に変えられてしまう。 //そのシステムが前提のバランスなので、難易度とか対象年齢は別次元だと思う -レベルはもちろん、「ワザ」「かしこさ」などポケモン自身の能力だけで戦うので、やられても失う戦力はその分少ない。 装備の概念が非常に少ないだけに「強化した装備品を失って詰む」という事自体がなくなっているので、より気軽にプレイできるようになっている。 -しかしエンディング後に登場する一部のダンジョンには、アイテムも資金も持ち込めず入場時に一時的にレベル1に戻されかしこさもリセットされるものもある。従来の不思議のダンジョンのような手強い冒険を楽しめる。 --こちらはクリア・失敗を問わず、ダンジョンを抜ければ入ったときの状態に元通りである。 ***通信要素 -ゲーム内で発生した依頼メールにはパスワードが表示され、「ふしぎなメール」として入力することで他のソフトでも出現させることができる。 --青・赤各バージョン限定のポケモンは、一方のソフトでそのポケモンが登場する依頼メールのパスワードをもう一方のソフトで写すことで、その依頼を受けて以降は普通に出現するようになる。 ---例えば、プラスルは通常は青には出ない設定だが、赤の方で「依頼主か救出対象がプラスルになっている依頼」を入手し、そのパスワードを青で入力してからは普通にプラスルが出現するようになる。 ---このため、全ポケモンを出す為には各色限定ポケモンの依頼パスワード入力が必須となる。 --また、レアアイテムが報酬だったり、隠しダンジョンをアンロックできる依頼のパスワードが公式に公開された。 --ともだちエリアや便利なアイテムが手に入る依頼メールなどを発見した場合、そのままパスワードで他人のソフトへ再現することが可能であり、ネット上でも便利な依頼メールのパスワードがまとめられていることがある((ただし、解析ツールによる不正メールが混ざっていることもあるので注意。場合によっては事実上のデータ破壊につながる悪質なものもある。))。 -ダンジョン内でリーダーが倒れた場合も、様々な方法で「ともだちきゅうじょ」を依頼できる。 --赤同士なら通信ケーブル、青同士ならワイヤレス通信、赤と青ならDSダブルスロット、離れていても依頼メールのパスワードと、あらゆる通信手段に対応。 ---特にパスワードシステムはネット掲示板で使われた他、ポケモンだいすきクラブなどにおいてもこれ専用の掲示板が設けられた。 --ともだち救助依頼では相手が倒れた時のダンジョンの構成が再現される。うまく利用すればレアアイテムやポケモンを効率よく集めることも。 -青のみだが、赤とダブルスロット連動を行うことで訓練所の「きゅうじょたいのま」が開放されて、赤のデータから読み込んだチームメンバーを青にボスとして登場させることができる。経験値稼ぎとして非常に有用。 --さらに、条件を満たせばここでポケモンを仲間にできる。そのため制限はあるが、赤で育てたポケモンを青にも連れていける。ただし、赤→青は可能だが青→赤は不可のため一方通行になる。 -シリーズ本編のようなポケモンの通信交換や通信対戦のシステムはない。アイテムのみ交換可能。 ---- **評価点 -単なるスピンオフ作品にとどまらない、壮大なストーリー。 --何故か人間からポケモンになった主人公とそのパートナーポケモンを中心に、世界滅亡の危機や誤解を受けての逃亡劇、ラストの別れと再会など、その魅力は一口では伝えきれないレベル。 --主人公と関わるポケモン全員が魅力に溢れており、最初は嫌がらせをしてくるゲンガー達も終盤では改心して主人公達を助けてくれたり、好意的な広場のポケモンが主人公たちを裏切るなどのギャップが強い。 -難易度は低めだが、クリア後はローグライク経験者向きの高難易度ダンジョンも用意されている。 --「しあわせの とう」はアイテム持ち込み可能だが、レベル1スタート、経験値が稼ぎ難い、雑魚も硬く強いなどといった難関が待ち受ける。そして''そこでしか生息しないポケモン''も多数。 --「きよらかな もり」はもっと不思議のダンジョンポジションで、レベル1スタート、仲間なし・持ち込み無しと苦しい。選択ポケモンで難易度ががらりと変わる。 ---フーディン、カクレオン、クロバットなどで挑戦すれば楽。主人公ポケモンで挑戦すれば歯ごたえあり。それ以外の多くのポケモンでは厳しく、弱小ポケモンはひたすらに逃げ回るプレイになりがち。 ポケモン386種類分のやり方が存在しており、全員での踏破はしっかりと可能である。 //---余談だが2ちゃんねるでは全てのポケモンでこのダンジョンをクリアするスレがあり、全ポケモンのクリアレポートが投稿された。 -『[[ポケットモンスター ルビー・サファイア]]』までの第3世代のポケモン''全386種が全て登場し仲間にできる''。 --本作専用に各ポケモンの8方向の歩き・攻撃・睡眠などの各種グラフィックが新規で作られており、インタビューでは開発期間の6割ほどはグラフィックに費やされたとされている。 --それに加え、当時発売前だった『[[ダイヤモンド・パール>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]』から、仲間にはならないが「ゴンベ」がポケモンひろばで時々起きるイベントでゲスト登場し、装備品「ゴンベのハラマキ」も登場。 ---ゴンベのグラフィックもきちんと作られていたが、本家発売前であることから詳しい能力等がまだ決まっていなかったためイベントでのみの登場となった。 --その他、同じく『ダイヤモンド・パール』からのゲストとして、ポケモンそのものではないがルカリオ、マニューラ、ウソハチ、マネネがイベントアイテムの石像として登場している。ルカリオは「伝説の救助隊」という扱いで最高ランクレベルの名称にもなっている。 ---『ダイヤモンド・パール』での第4世代のポケモン達は次回作で正式参戦することになった。 -音楽も評価が高く、「てんくうの とう」は難易度と真逆な曲調で人気が高い。BGM製作は飯吉新が担当。 --本作では本家ポケモンシリーズの音楽は一切使用されていないものの、本作のために作られた新曲の評判は軒並み良く、後のポケダンシリーズでもアレンジされて使用されている。 -GBA版(赤)とDS版(青)の同時発売に加え、多彩な通信システムによって多くのプレイヤーが一緒に楽しめた。 --当時はポケモンシリーズの本編がDSに進出しておらず、ハード自体を未所持のファンもまだ少なくなかった。~ ゲームソフトの縦マルチ展開は批判される傾向にあるが、本作の場合はおおむね好意的に受け止められていた。 ---- **賛否両論点 ''ゲームバランス面での問題点'' -最初に決定したポケモンが草タイプだった場合、タイプ相性の関係で難易度がかなり上昇する。 --ストーリー中遭遇するほとんどのボスとの相性が悪く、中盤のボス全員飛行タイプ持ち。ラストダンジョンにいたっては飛行や虫だらけで有利に戦える敵がいないくらいである。 ---そのうちのボスがカントーの準伝説ゆえひこうタイプ。ジョウト準伝説やレジ系もクリア後に登場するため、これらと登場する順番を逆にすれば幾分か改善されていたはずだが… ---とはいえ、草タイプが弱点多めな事と最初のポケモンで難易度が変わる事はある意味原作通りではある。 --フシギダネは「ねむりごな」、キモリは「いやなおと」「こうそくいどう」と強みがあるのだが、チコリータは「はっぱカッター」の習得が早いくらいで「ねむりごな」などの便利な変化わざもほぼ無い為((実際に「金銀」や「クリスタル」でもチコリータを選ぶとタイプ相性の関係上、殿堂入りまでは見せ場が少ない。「HGSS」でも改善されなかった。))なので高額わざマシンの「タネマシンガン」を手に入れないとかなり困る。 ---後述するひでんマシン持ち込みの関係か、水タイプのポケモンが多く出るような池や海のダンジョンはクリア後に集中しており、強さを実感できるまでがだいぶ遅い。 --一応、本作でのタイプ相性補正はいまひとつでもわずか0.9倍、効果がない場合でも半減にしかならない為、本家のようにダメージが与えられずに困ることは少ない。 --本編においては覚える技が多彩なうえに素で水路を移動できる水タイプや、連続技や行動不能技などが自力習得出来るエネコは非常に強力。 --また、後述するともだちエリアの仕様により、仲間に出来るポケモンも最初に決定したポケモンに大きく左右される。 -技の設定がポケモン本編シリーズと違いすぎる。 --「メロメロ」は原作では異性にかけると時々行動不能だが、本作では5ターンの間一切の行動不能。さらに本作には性別の概念がないため、本家で性別不明のものも含め''全ポケモンに対して''効果がある。かかっている間は移動も道具の使用も出来ず、テンポも悪く、いくらなんでも強すぎる。レベル1ダンジョン序盤での死因の一つ。 --固定ダメージ技のダメージ量が引き上げられ、「ソニックブーム」は20から55、「りゅうのいかり」は40から65に。特に前者は遠距離攻撃ということもあって、どのダンジョンでも相当な脅威となる。 ---なつき度で威力が変動する「やつあたり」「おんがえし」も固定ダメージ技になっているが、本作では前述の通りなつき度がかしこさに対応している。前者の最大威力は45とレベル1ダンジョンでは役に立つが、後者の最大威力も45とかしこさの割に合わない。 --防御の実際の数値を1/4に下げるという、ランク変動ではなく数値に関わる調整がされており、「かたくなる」といった技では元に戻らない「いやなおと」、数ターン後に相手を必ず倒す「ほろびのうた」がフロア全体が対象の上に治療手段が少ない、レベルの高い相手には通じない「一撃必殺技」もレベル無視など、強い方向に傾きすぎている。 --本来は自分自身の分身を作り出して身を守る「みがわり」が、「敵をみがわり状態にして同士討ちのターゲットにする」という全く異なる効果になった。『風来のシレン』シリーズにおける「身代わりの杖」の効果を名前繋がりで借りてきたものだと思われるが、ポケモンしか知らないプレイヤーにとっては奇妙である。 --「みちづれ」の効果が『風来のシレン』シリーズにおける痛み分け状態にする技へと性能が調整されているが、技を受けた際のメッセージが「〇〇はみちづれをねらっている!」という原作に近いものとなっており初見では効果が分かりづらく、「倒し切らない範囲であればダメージを与えても問題無い」、もしくは「みちづれ状態の相手を倒してしまうと共倒れにされてしまう」といった勘違いをしてしまいがち。 --なおポケモンの覚える技については『[[ファイアレッド・リーフグリーン>ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン]]』のデータをほぼ丸写ししている。仕様の違いにもかかわらず、覚えるレベルまでそのままである。 ---本作オリジナルの技として「しんくうぎり((同じ部屋にいる敵ポケモン全員に固定ダメージを与える。『風来のシレン』シリーズの真空斬りの巻物が元ネタだと思われる))」「すいへいぎり((前方3方向を同時に攻撃できる。同じく、シレンシリーズの妖刀かまいたちが元ネタだと思われる))」があるが、タイプ「''なし''(ノーマルタイプですら無い。それ故にタイプ相性がない)」、本来なら技マシンを使えないポケモンを含めて、大部分のポケモンが覚えられるという奇妙な設定になっている。 ---実質的な害は無いが、なぜかルギアが「おんがえし((本編ではルギアを含め、技マシンに対応したポケモンが例外なく覚えられる。))」を覚えない。データの入力ミスと考えられる。 --「まもる」「カウンター」系の技はこれらの技は、攻撃を放棄して守りを固める技となっているが、ポケダンではその効果が数ターン継続するため、守りながら攻撃する事が可能。特に強力なのは「オウムがえし」で、本編では「相手の使った技(自分の受けた技)をやり返す」という技なのだが、ポケダンではなんと「受けた技を無効にして、丸ごと相手に跳ね返す」という超強力な技となっている。ラスボスの大技もそのまま跳ね返すため楽勝。 --「へんしん」が見た目を変えるだけの技になり、「不思議のダンジョンシリーズ」でいうマネマネ・カラス天狗系のポジションに。そのため、味方として使う分にはすさまじく弱い。一応、ごくごく一部の技マシンで技を取得する事も出来るが、弱い。 ---しかし、敵として出た際には「はかいこうせん」と同等の威力を持つ自爆技「わるあがき」で手痛い一撃をお見舞いしてくる。 -使いにくいどころか厄介な特性。 --とくせい:なまけ ---ナマケロ&ケッキングは実質2ターンに1度しか行動出来ない。複数相手する状況のポケダンでは非常に扱いにくく、能力も普通なため進化前のヤルキモノの完全劣化と言われる始末。 ---本編でも「なまけ」はそんなものでデメリットしかないが、進化前のナマケロはともかく最終進化のケッキングは本編では伝説のポケモンに匹敵する能力の持ち主として知られているため、余計に違和感がある。 --とくせい:にげあし ---本編では「野生ポケモンから必ず逃げられる((本編ではトレーナー戦では一切使い物にならない。))」という、比較的陰の薄いものの有利な特性。しかしポケダンでは「HPが減ると、おびえて逃げ出してしまう」というデメリットになってしまっている。リーダーならば踏み留まれるし、HPを回復すれば良いだけなのでストーリー中ではまださほど困らないが、難易度の高い隠しダンジョン(特に持ち込み不可のダンジョン)では仲間としては使い難い。 ---一応、「かげふみじょうたい(その場から一定ターン離れられなくなる)」にならないというメリットは存在する。そっちだけで良かったのではないだろうか。 --とくせい:はっこう ---「ダメージを受ける度に敵ポケモンが増える」という特性になっており、自身や仲間がこの特性持ちだとダンジョンの難易度が大幅に上がってしまう。なお、敵として出てきたこの特性持ちを攻撃しても、敵の敵=味方が増える訳ではなく、普通に敵が増える。レベル上げや宝物集めなどのやりこみプレイでは役に立つが。 ---本編でも「先頭にいると野生ポケモンの出現率アップ」という特性だが、あちらは他の特性との択一のため、はっこうを持たせない事もできる。こちらは前述のように全ての特性を持つので、該当のポケモンはかならずはっこうを持つ。 -クリア後のストーリー中で行く事になるダンジョンに入場時強制セーブされる物が多い。 --入場時のセーブは中断セーブ時と同様、途中で電源が切れたりフリーズした場合でも失敗扱いになり、持ち込んだ道具やポケを無くすようになっている。何故か、救助を諦めて戻った際もこれと同じ扱いとなってしまう。 --ダンジョン入場時に特定の技を覚えたポケモンを連れて行くorそのわざを覚えさせるひでんマシンを持っていくという条件があるのだが、後者の条件で入りひでんマシンを失った場合、再回収するのがかなり面倒。 --もっともこれは「やり直しがきかない」という不思議のダンジョンシリーズの基本ルールに従ったものであり、仕様上オートセーブが不可能な機種では大抵採用されている。 ''その他'' -ポケモンが会話をし、村を作って文化的な生活を営んでいる点。 --本作はポケモンのゲームとしては初めてポケモンが''人間の言葉で喋る''ゲームである。 --アニメや映画、漫画ではロケット団のニャースや一部の伝説のポケモン、穴久保版ポケットモンスターのピッピ等喋るポケモンも存在するのだが、ゲームでは本作が初。 --数百匹いるポケモン一匹一匹の個性が出て良いという声がある一方で、本家では自然の生き物としての側面が強いポケモンが、本作では普通の人間のように会話をしたり店を経営していたりというのは違和感があるといった意見もある。 -顔グラフィックが全てのポケモンには用意されていない。 --顔グラが用意されているのは主人公やパートナー(進化前だけ。ただしリザードンとカメックスだけ「ストーリーに関わるポケモン」にもなっているため用意されている)、ストーリーに関わるポケモン、伝説ポケモンだけ。 ---さらに、細かい表情変化まで全パターン搭載されているのは主人公&パートナー限定。 --ただし、ゲーム中でよく会話することになる町の住人達やイベントの重要ポケモンなどについてはほぼ全て顔グラフィックがきちんと用意されているため、少なくともストーリー本編中では顔グラが少ないとは全く感じさせない作りになっている。 ---本作は新規タイトルにもかかわらず全ポケモン分に新規の8方向の歩行や攻撃等のグラフィックが用意されているため、顔グラフィックが全種類分存在しないことについては手抜きと責められるべきものではない。 ---なお、次作の『探検隊』では全ての登場ポケモンに顔グラフィックが最低1枚は用意されており、メインキャラの表情パターンも増加した。 ---- **問題点 ''ゲームバランス'' -ポケモンごとのステータス設定。 --本作ではポケモンが全386種いる以上、全種類を同格に扱うのはほぼ不可能だが、それにしても原作再現やプレイヤーを困らせる仕様が多い。 --「ツボツボやラッキーは攻撃が弱いが耐久面が高い」「フーディンは特攻が高いが攻撃が低い」といった本編におけるポケモンごとのステータス設定が活かされておらず、ドーピングなしでもステータスが似通ってしまう。 --ポケモンごとにレベルアップで上昇するステータスは固定されているが、多くには俗に「雑魚補正」と呼ばれる成長率になっており、敵として登場するときまでのレベルはあまりステータスが上昇しない様になっている。だが、マダツボミ系などはいつまでも雑魚補正がかかっているようなおぞましいほどの低成長率。 --同じようにレベルアップ時の上昇値固定は進化にも影響をもたらしている。上のようにヒメグマをリングマに進化させようとすると、進化まではヒメグマの初期値と成長率で育つため、進化しても情けないステータスのリングマになってしまう。しかし、レベル1ダンジョンで使用したりジラーチの願い事でレベル1加入させるとリングマの初期値のままその成長率で育つ。 --技思いだしの仕様もやや不便。進化前にしか覚えられない技もレベル上げ次第では思いだせるのだが、2段階進化するポケモンの場合はバグに近い不便な仕様になっている。 ---たとえば、ピカチュウがレベル50時に覚えられる技をライチュウになっても思いだすにはピチューをレベル50まで育ててから進化させないと思いだせない。 -主人公とパートナー候補にコダックがいるのだが、このポケモンはレベルアップで習得できるタイプ一致の攻撃わざ((攻撃わざに限らずとも「みずあそび」だけだが。))が&bold(){レベル50で習得できるハイドロポンプだけ。} --この点はゲーム上では明らかにされず、みずタイプのわざマシンは軒並みエンディング後に入手するため、エンディング前にみずタイプの攻撃わざを使う事がまずない。 ---その為、知らずにこのポケモンを主人公やパートナーにすると過度に苦労する。 --みずタイプは本編では「なみのり」のわざマシン使用前提をしているため、レベルアップで覚える攻撃わざが少なめのポケモンもいるが… --そもそも「みずタイプの中では別に知名度や優遇度が高いわけではない」事を考えるとこのポケモンを主人公とパートナー候補に入れなくてもよかったのではないか。みずタイプは御三家だけで十分だったはず。 --このポケモンは「[[DP>ポケットモンスター ダイヤモンド・パール]]」からはレベルが1ケタ台で「みずでっぽう」、レベルが22未満でも「みずのはどう」を覚えられるようになったが、次回作からは主人公とパートナーの候補から削除された。 -一部の「わざ」の効果に明らかに問題がある。 --相手の技を全て自分が受ける「このゆびとまれ」は自分をみがわり状態することで、敵ポケモンのAIの特性上集中攻撃を受けるという仕組み。しかし、みがわりの仕様で仲間は散り散りになってしまう。本来の用途である「自分に攻撃を集中させることで味方を守る」という役割はほぼ果たせない。 --2ターン後にダメージを与える「みらいよち・はめつのねがい」は再現が難しかったのか、2~3ターンの間のみ与えるダメージが35固定になる。使いどころが思いつかない。 ---「はめつのねがい」はジラーチ専用技であるにもかかわらず「みらいよち」と全く同効果でPPだけ少ない。しかもジラーチ自身も「みらいよち」を覚えるので、「かつやくのあと」の「○しゅるいの わざを おぼえた」のカウントを増やす以外の意味が無い。 --また、本作では「わざ」であれば通常攻撃よりも段違いに強くなり、技自体の威力はダメージにはあまり影響がない。そのため「1度に複数回攻撃できる技」の総ダメージが相対的に異常に高くなっている。他には「たいあたりやひのこなどの探索時のためにPPが多くある技」「10まんボルトやねむりごななど範囲が広い技」が優先される傾向にあり、高威力技や究極技はこのゲームだとかなり使いにくくなっている。 --前述した「カテキン」で技威力を上げることもできるが、入手頻度が低すぎてシステムとしてまともに機能していない。 -役に立たないアイテムがやけに多い。 --ふしぎだまに顕著。目の前の水地形などを埋め立てる「うめたてのたま」、相手に口を使った技を使わせない「ちんもくのたま」、がんせきふうじ・でんこうせっかを一回きりで使える「がんせきだま」「やまごえだま」などは存在意義が非常に薄い。わざマシンにした方が遥かに便利である。 ---本来の不思議のダンジョンでは「杖」として複数回使用できるであろう効果のアイテムも、本作では各1回限りの使い捨てになっており、アイテム欄も圧迫するため使い勝手が悪い。 --マイナス効果の装備品は持っていても役に立たない。敵に投げつけることで効果を発揮するものもあるがごく一部である。 ---他の不思議のダンジョンシリーズのような「未識別アイテム」(拾った時点では正体が分からず、識別したり実際に使ったりすることで正体が判明する)が存在しないため、上記のようなハズレアイテム・マイナスアイテムはトラップとしても機能しておらず存在意義が無くなってしまっている。 --「不思議のダンジョンシリーズ」でいう「矢」に相当する飛び道具のうち、針系(枝・針・棘など)のアイテムがやたらと多いが、威力や性質には違いが見られない。同一ダンジョンで2種類以上落ちていることも多く、無駄にばらけてアイテム欄を占領する。 ---「わざ」の威力差がほぼ反映されていない事と合わせて、ダメージ計算式に何らかの問題がある可能性がある。 ---地形を無視して近くの敵一体に固定ダメージを与える石系の「ゴローンのいし」「いしのつぶて」は前者が序盤から入手可能なのに対し、後者はクリア後ダンジョンでしか入手できないが、名前のとおり前者の方が威力が高く、後者はそれよりも5低い15のダメージしか与えられない。次回作では「いしのつぶて」の方が先に登場するようになった。 --わざマシンを使うと「しようごマシン」となり、技「リサイクル」で元のわざマシンに戻せる。しかし、しようごマシンは預けられず、所持し続けるかともだちエリアのポケモンに持たせるしかない。そこまでしてリサイクルする必要があるわざマシンもそれ程ない。 ''ストーリー'' -クリアまでのストーリー展開がかなり良好なのに対し、クリア後のストーリー展開が若干味気ない。 --謎の遺跡が現れた、ラティアスの姿が消えた、西の洞窟に最強のポケモンがいる…など粒ぞろいではあるが、一貫性がないために印象が薄い。 ---全てのポケモンを登場させる為、一貫性を出しづらかったのかもしれないが。 --強いボスも「はるかなる れいほう」のホウオウくらいのもの。99階もある「にしの どうくつ」のミュウツーや「ぎんの かいこう」のルギアは技も弱ければステータスも低く、その道中の方が圧倒的につらい。 -&color(red){''クリア後の主人公とパートナーのぞんざいな扱い。''} --本編ではパートナーは主人公と常に行動を共にしてストーリーに大きく絡み、倒れると冒険失敗となっていたが、クリア直後の小イベントを経過後は朝に迎えに来ることが無くなり、パートナーの同行が必須ではなくなる。町の中でもパートナーが後ろに付いてこなくなる。 ---さらに、クリア後パートナーはストーリーで少し喋るだけで、主人公・パートナー共にダンジョン内での台詞等は他のポケモンと同じになってしまう(例:ワニノコの場合「がんばっていこうな! (主人公)!」→「かみついていい? かみついていい?」)。 ---ゲームシステム上ではパートナーに縛られなくなり自由度が上がる反面、パートナーの態度が素っ気なくなってしまった事に寂しさを覚えたり、本編の性格とのギャップを感じてしまう事も多い。 --クリア後はリーダーを主人公以外のポケモンへ変更可能になるのだが、操作キャラもリーダーにしたポケモンになってしまうため、基地で寝泊まりするのもそのポケモン。それまでストーリーで活躍した主人公やパートナーは単なる一般ポケモンのような扱いになってともだちエリアに追いやられてしまう。 --クリア後は主人公とパートナーの進化が可能になるのだが、一部の進化後の顔グラフィックは用意されていないため出なくなってしまう。 --なお、クリア後のストーリーや主人公とパートナーの扱い、顔グラなどについては次回作以降で改善されている。 ---ただし、主人公とパートナーの進化後の扱いが冷遇されてしまうのは本作以降でも度々起こっている。 ''システム'' -仲間システムが面倒くさい。 --現地点のメンバー、ともだちエリア、メンバー全員の大きさといった課題を全てクリアしなければ仲間にならない上に、仲間になる確率はランダム。伝説ポケモンに至っては確率自体は高めでも戦闘の機会が限られているので仲間にするのが困難である(一部100%仲間になる場合あり)ため、なかなか狙った仲間が手に入らないこともある。 ---おまけに仲間にできる数は全種類のポケモンを1匹ずつ仲間にできる分だけしかない。このため同じポケモンを2匹以上仲間にすると仲間のコンプリートはダブっているポケモンをリストラしないと不可能。 --仲間になったポケモンを連れて無事にダンジョンを脱出しなければ、そのまま別れてしまうことに。 ---これについては「あなぬけのたま」という脱出アイテムで解消できる。しかし微妙に手に入りにくく、エンディング後だとお店に並ばなくなり入手が難しくなる。 --またジラーチやセレビィなどの伝説ポケモンは前述の高難易度ダンジョンをクリアしなければ仲間にならないものが多く、全てのポケモンを仲間にするためにはそれらをほぼ全てクリアしなければならない。 --通常ポケモンでも、中盤以降のダンジョンでしか仲間にならないのに天候変化で死んでしまうほど弱いポッポやタマタマ、「しあわせの とう」のごく一部階層に稀にしか出現しないラッキーやポニータ、同ダンジョンの低階層に出現するがバグの影響を受けやすいイーブイなど加入しにくいポケモンは多数。~ 店主やガーゴイルのポジションに当たるカクレオンに至ってはレベル90以上+ともだちリボン所持で1000分の1の確率で仲間になる。実力も高く、常時倍速で遠距離攻撃・ステータス操作攻撃などレベル100のポケモンでも安心できない。 ---そしてコンプリートを狙うのなら、上記のを進化数分集めなければならない。 ---救済手段としてか、ジラーチと伝説以外の欲しいポケモン以外のともだちエリアのスペースを全て埋め、「うたごえのいし」を所持して「ねがいの どうくつ」をクリアし、ジラーチに願えば、手間こそかかるが狙いたいポケモンを仲間にできる。 --ダンジョンから帰還するたびに、リーダー以外のポケモンが全員ともだちエリアに戻ってしまうため、再び複数人でダンジョンに挑む場合は面倒なことになる。 -クリア前から出現するのに、ともだちエリアの入手時期の関係でクリア後にしか仲間にならないポケモンがやたら多い。 --一応「主人公とパートナーに対応するともだちエリアは最初から手に入る」という仕様を利用すれば、一部のエリアはクリア前でも入手する事は可能。 --特にほのおタイプは炎系ダンジョンが2つもあるにもかかわらず、クリア前に主人公とパートナーとは無関係に仲間に出来るポケモンは&bold(){デルビルだけである}。 -あまりにも不評だったのか、次回作では&bold(){ともだちエリアその物が削除され}、仲間の管理はオーソドックスなリスト方式になった。 -一部のポケモンと遭遇するととにかくテンポが悪い。 --全体攻撃である「ぎんいろのかぜ」を持っているポケモンは、同じ部屋内に敵を認識するとかなりの頻度で使用する。部屋が広ければ広いほど倒すのに時間がかかる。 ---他の全体攻撃技は、隣接しないと使用判定がなされない等の配慮がされているものもあるのだが。 --部屋全体のポケモンが対象となる「こうそくいどう」や「てだすけ」は一匹一匹能力上昇の演出が入る為、相手のターンがなかなか終わらない。 ---特に「こうそくいどう」は行動回数リセットの効果があり、該当ポケモンの行動順が敵集団の中でも後の方だとずっと相手のターンに。こちらが余程強くなければ即死である。 -全体的にポケモンの経験値稼ぎが作業感が強く効率も悪い。 --もっとも手軽なのは、エンディング後にマクノシタくんれんじょで「チーム ハイドロズ」に挑み、連結技で片付け、カクレオンしょうてんでレベルを上げられる「しあわせのたね」を買う方法。 ---しかし、手に入る経験値はたったの4,896。本家ポケモンではそこそこな量だが、例えば「ダンジョンで加入したヒメグマLv10をLv30まで育てて進化させよう」と思うとかかる経験値は334,000。他の手段を考慮しなければ79回の挑戦が必要。 ---ハイドロズはそこそこ強い、雑魚敵のニョロモは弱いが技がウザいと問題点が多い。 --青ではダブルスロットによる「きゅうじょたいのま」で、赤の救助隊メンバーに挑める。ハピナスや伝説のポケモンを並べて片付ければそこそこ稼げるが、伝説のポケモンは強いし、赤で揃える手間がある。 --たっぷり稼ぐ方法として、「クリア後のダンジョンのモンスターハウスを連結全体攻撃で片付ける」「あんや いせきの発光法」などがあるが、それを準備するにも手間がかかりがち。 --どれもこれも根気さえあれば稼げるのだが、カイリューなどの進化レベルが高いポケモンを進化させるには何百回近く挑む必要もある。根気が折れかけたなら、前述のジラーチを使った方法を使う事も視野に。 ***バグ・不具合 -''COLOR(red){青の救助隊のデータ消失バグ(発売直後)}'' --初期版の青には、『赤の救助隊』以外の一部のGBAカートリッジを、ニンテンドーDSに挿したままゲームを起動するとそのカートリッジの''セーブデータが消えてしまう不具合''が発覚している。 ---セーブ方式の違いのためか、ポケモンシリーズは消えないが、『[[ロックマン エグゼシリーズ>ロックマンシリーズ#id_ae0449a1]]』はほぼ消える。 --任天堂は発売から8日後に、無償でバグを修正した新品の修正版と交換するという処置をとった([[公式>https://www.nintendo.co.jp/ds/aphjb24j/oshirase/]])。 ---これにより安心して遊べるようになった。初期版は店頭からも回収されたため、現在出回っているソフトはほぼ修正版である。 ---2018年3月末で交換対応は終了しているため、今から中古で買う場合は要注意。WiiUを持っている場合はバーチャルコンソールでプレイした方が良い。 --ただし、当然ながら消えたセーブデータの復元はされなかった。消えてしまったソフトに関しては諦めるしかない。 --初期版と修正版の違いは[[こちらのサイトも参照>http://nds.jpn.org/koukanpokemonfushigi.htm]]。ソフト裏面と説明書の型番が変更されている。 ---なお、箱・シールは初期版でも修正版でも無印「NTR-APHJ-JPN」のままなので、外箱だけからは区別がつかない。 -ゲーム内容のバグ --仲間がにげあし状態の時に階段に向かうと、次の階への移行画面に変なマップが出る。にげあし状態が2匹以上の場合だと、最悪フリーズする事も。 ---そのため、「しあわせの とう」のイーブイ勧誘には気をつける事。 --ドーブル専用技スケッチで覚えた技をダンジョン内で連結する時、何故か連結が外れてしまう。 ---これはスケッチのPPが1であり、技が書き換えられてもその情報が残っているからだと思われる。ダンジョン内での連結はあまり無い事だが、連結する方法がダンジョン内にしかないレベル1ダンジョンに挑む際は注意。 --「ダンジョン内の店で物を置いて中断し、カクレオンに話しかけるとお金が無限に貰える(空売りバグ)」「ボスポケモンにふっかつのたねを拾わせてから倒すことで、HPを高いまま仲間にできる」など意図的に起こせるバグが多く、ゲームバランスを損なうため使用は自己責任で。 ---- **総評 不思議のダンジョンシリーズ初心者にも上級者にもとっつきやすい、バランスの良いゲーム。~ ポケモンらしさをできる限りの範囲で損なわずうまく不思議のダンジョンに仕上がっている。~ やり込もうとするとキツイ面も多く見えてくるが、クリアまでのストーリーはかなり良く、プレイしても損しない出来になっている。 //若干物足りない要素や //購入を検討しているなら通信要素が充実した青の救助隊(もちろん後期の修正版)の方を推奨する。~ //現在では初期版は市場からほぼ消滅しているが、不安な場合は念のためDSi・3DSで遊ぶなどしてバグの予防を忘れずに。 //↑バーチャルコンソールとリメイクもあるのでCO。 ---- **その後の展開 -メディアミックス --発売と同時期にコロコロコミックで本作を基にした漫画『ポケモン不思議のダンジョン ギンジの救助隊』が連載され、単行本(全1巻)も発売。漫画:溝渕誠。ストーリーは部分的にゲーム本編をなぞるものの、漫画オリジナル要素が多分に含まれているのが特徴。 --発売から約1年半後、本作の導入部を原作にした短編アニメ『ポケモン不思議のダンジョン 出動ポケモン救助隊ガンバルズ!』もネット配信された。元々は海外版発売に合わせたキャンペーンアニメ『Pokémon Mystery Dungeon: Team Go-Getters Out of the Gate!』だったが、話題になったことで日本でも日本語にローカライズされた上で半年遅れで放映されることになった。現在ではニンテンドーeショップやYoutubeで視聴できる。 -本作の流れを汲む続編として約2年後に『[[時・闇の探検隊>ポケモン不思議のダンジョン 時の探検隊・闇の探検隊・空の探検隊]]』が発売。「主人公が元人間」「パートナーと一緒に冒険」というシナリオの流れは本作と共通しているものの、また別の異なるストーリーになっている。 --さらにその1年半後にマイナーチェンジ版の『空の探検隊』も発売されている。 **小ネタ -『[[ポケモンダッシュ]]』に続く、ポケモンシリーズにおける第2のDSソフト。全てのポケモンが登場する本格的なゲームとしては初となる。第3のDSソフトである『[[ポケモントローゼ]]』ともすれちがい通信で連動する。 -ルギアが初登場時、「''命を賭けてかかってこい!''」と発言する。 --ルギアがアニメ劇場版第2作の予告編で''のみ''言っていた台詞であり、一部のファンの間では幻のセリフとして有名だった。 --全体の会話の流れから見ても不自然なものではなく、セルフパロディにありがちな無理やりさや押しつけがましさは感じられない。 ---ただしここで戦うルギアは&bold(){技も能力もやたらと貧弱なため}、戦闘まで含めるとどうにも台詞だけ浮いてしまっている感は否めない。 -クリア後ストーリーで「やみの どうくつ」にイジワルズのゲンガーを連れて挑む時、何故かゲンガーの技構成が通常とは異なりアブソルと同じものになっている。 --これについては本来の設定通りだと攻撃技も少なく、呪いで自滅されて難易度がさらに上がるためやむなく変更なのではという意見あり。 ---- *ポケモン不思議のダンジョン 救助隊DX 【ぽけもんふしぎのだんじょん きゅうじょたいでぃーえっくす】 |対応機種|Nintendo Switch|&amazon(B083QCWY21)| |発売元|ポケモン|~| |販売元|任天堂|~| |開発元|スパイク・チュンソフト|~| |発売日|2020年3月6日|~| |定価|6,800円|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |ポイント|元祖ポケダンを一つに纏めてリメイク&br;ボリュームが大幅に増加|~| ---- **概要(DX) ポケモン不思議のダンジョンシリーズの初期作である「青の救助隊」「赤の救助隊」を一つに纏めたリメイクした作品。Nintendo Switchでの発売となった。~ 先駆けて、同年1月10日よりセーブデータを製品版に引き継げる体験版が配信開始されている。 ---- **原作からの変更点 -''オートセーブシステム'' --場所問わず自動でセーブしてくれるようになった。一応手動セーブも用意されている。 ---ダンジョン内で電源を切っても再開時にはそこからプレイ出来るため、原作のリセットペナルティも廃止されている。 -''通常攻撃の限定化'' --本作ではリーダーのポケモンは通常攻撃が出来なくなった。全ての攻撃技をオフにした状態で攻撃をすると「わるあがき」になる。 ---ただし、「相手との距離を詰めさせる」などの為には出来る。 ---仲間と敵は『攻撃技のPPが切れている』『タイプ相性で全ての攻撃技が通らない』『重ね掛けが効かない補助技を使用している』のいずれか、またはすべてを満たしている場合のみ通常攻撃を行う。 --リーダーは通常攻撃が出来ない代わりに周囲1マスの床の「ワナさがし」を行える。 --これに伴ってか、超ポケダンシリーズに引き続き「えだ」アイテムが登場している。 -''すばやさの追加'' --本編同様、ステータスにすばやさが追加された。効果は値が高いと見えていない罠を踏んでも作動しない確率が上がり、使った技をもう一度連続で攻撃する確率が上昇する。 ---連続攻撃しても消費PPは1のみ。 --こうげき・ぼうぎょ・とくこう・とくぼうと比べてレベルアップで上がり易く、技の命中に関しては超ポケダンのようにすばやさが低いと当て難いといった仕様もない。 -''タイプ相性・技システムの変更'' --リメイク前だと倍率が緩和されていたタイプ相性が本編通りとなった。タイプ特性もあり、これは『ウルトラサン・ウルトラムーン』準拠になっている(でんきタイプはまひ状態にならない、くさタイプはほうしやこな系の技・特性が効かない等)。 ---通常攻撃の限定化((ただし、通常攻撃のダメージは3DS時代の5固定ではなく、ステータスに依存するように変更されている))と合わせて技選択はタイプの多彩さが求められるようになったが、後述する「すごわざ」の一つである「ごりおし」を習得していれば効果が今一つ・無効を無視出来るようになる。また、後述するかくせい状態のポケモンが連結した技を使っても無視出来る。 --攻撃技を使い込むごとに経験値が増え、威力・命中・PPが増えるようになった。これらに関するドーピングアイテムは本作では入手しやすくなっている。 -''オート移動'' --Lボタンでオート移動が出来るようになった。目的地に着いたり敵が周囲2マス以内にいると強制解除される。 ---探索優先・階段優先を選べて、探索優先は全ての部屋に入ることを優先、階段優先は次のフロアに進むことを優先する。ただし、このシステムには大きな欠陥がある(後述)。 -''部屋内の見回し'' --Rスティックを動かすことで、画面外でも部屋内なら見回すことが可能になった。 ---これにより、無駄な移動なく欲しい・見ておきたいアイテムかどうかを確認することが可能になった。 -''仲間ポケモンの押し出し'' --仲間がいる方向に向けて方向キーかスティックを入力することで押し出し、Bボタンを合わせることで従来通り入れ替えとなる。大型のポケモンは流石に押せず、入れ替わることで位置交換になる。 ---通路への退避に使える等メリットもあるが、押し出しをするごとにお腹を多めに消費する。なお、Bボタンを押しながら敵の方へ移動すると、敵を押すことも出来る。 -''回復アイテムの任意使用可'' --HPのピンチ時や状態異常時に「オレンのみ」「モモンのみ」等の回復アイテムを使用するかどうかが自動で確認が入るようになった。 ---「ふっかつのタネ」「プチふっかつタネ」にも使用の確認が入るため、不必要に消費されることがなくなった。この2つはタネ系のアイテムでありながら投げて当てないと食べることも出来ないように変更されている。誤って食べてしまわないための配慮だろう。 -''第4世代以降に登場した追加進化形・リオル系統の追加'' --リオル系統は原作にてルカリオ像・ルカリオランクの存在から選出されたと思われる。 ---本作にも、ルカリオ像だけでなくマネネ・ウソハチ・マニューラ像もきっちり用意されている。これらは入手した像のポケモンが特定のダンジョンでも登場するようになる。 -''メガシンカ・ゲンシカイキ'' --仲間側は「かくせいのタネ」の使用、敵側は敵味方問わず何かしらのポケモンを倒すことで「かくせい」状態になり、本編でメガシンカ・ゲンシカイキを獲得しているポケモンはメガシンカ・ゲンシカイキ状態になるようになった。 ---メガシンカを2種類保持しているリザードン・ミュウツーがXとYのどちらになるかは完全ランダム。 --本編では「ガリョウテンセイ」を覚えていることがメガシンカの条件だったレックウザだが、本作では覚えていなくてもメガシンカ出来るようになった。 --倒されるだけでなく、まひやねむりのような動きを止められる状態異常に掛かると「かくせい」が解除される。しかし、超ポケダンのように暴走することはなく、階層を移動しても維持される。 -''技の追加・習得範囲変更'' --レベルアップでの習得範囲・技マシンの種類と共にウルトラサン・ウルトラムーン準拠となった。そのため、原作と違って秘伝技の概念がなくなっている。 --また、クリア後にゴクリン連結店でポケを支払うことで教え技が使えるようになった。覚えられる技は同じくウルトラサン・ウルトラムーン準拠。 ---残念ながらタマゴ技は一切覚えられない。 -''キャンプ'' --原作のともだちエリアからキャンプへと変更になった。基本的なシステムはともだちエリアと同じ。 ---この変更による改善点・問題点は後述。 -''すごわざ'' --本作では原作にあった「かしこさ」が「すごわざ」に置き換わっており、「にじいろグミ」で確率、「DXグミ」で確定ですごわざを1つだけ習得出来るようになった。個別に適用されていた「かしこさ」と異なり、すごわざは冒険メンバー全員に適用されるため、原作と違ってメンバー全員に同じ恩恵を受けられるのが強みになっている。 ---厳選を考えなければ原作のように大量のグミを用意する必要がなくなったが、かしこさのように最終的に万能になれる訳でもなく、冒険メンバーでバランス良く補っていく形になったため一長一短といったバランスになった。 -''マクノシタ訓練所の完全一新'' --~タイプの間、といった内容ではなくなり、依頼やポストで手に入る「ホンキチケット」を利用し制限時間中に敵を倒し経験値を得る『ホンキのくんれん』に変更された。通常のホンキチケットに加え、ホンキチケットA・ホンキチケットSといった上位のアイテムがあり、上位のものほど制限時間が長くなり、取得経験値も多くなる。 ---一度のプレイで一体までしか参加出来ないが、そのポケモンに不利なタイプのポケモンのみ出現するシステムになっており、クリア前までのレベル上げや技の強化に最適となった。仮に倒されても何度も復活できるためひたすらタイプ一致技を当てて倒し続けるだけで良い。 ---上記のホンキのくんれんとは別に『まなびのくんれん』というダンジョンの操作に関するチュートリアルも追加された。こちらは初回クリアのみアイテムがもらえる上に無料で何度でも利用可能で、失敗してもペナルティはない。このゲームの操作に慣れるのには最適である。 -''チーム編成記憶、ダンジョン内仲間枠の増加'' --予めチームを登録することで、原作のように一々仲間のところに行って編成を組むといった手間がなくなった。 ---救助隊ランクを上げることで、登録可能なチーム数を増やすことが出来る(最大10チーム)。 --ダンジョンに連れていける数は原作同様3匹までだが、リーダー含め最大8匹まで、依頼主を加えると9匹までダンジョン内で攻略することが出来るようになった。 ---大型のポケモンを3匹連れて行くことも可能でサイズ制限もない。 -''仲間になったポケモンの自動経験値獲得'' --冒険に連れて行かなくてもダンジョンで獲得した経験値が既に仲間化しているポケモン全員に入り、全ポケモンレベル100への道程が緩和された。 ---ホンキのくんれんで得た経験値だけは個人のみ。 -''救助待ち状態になっても自分の残りメンバーで救助可能に'' --冒険失敗した場合、プレイヤー自身の残っている仲間ポケモンでチームを組んで救助に向かわせることが可能になった。 ---また、原作と違い救助地点がモンスターハウスに変化しなくなった。 ---この仕様を利用することで、レベルリセットダンジョン限定ポケモンの仲間連れ帰りが非常に楽になった。 --救助不可能な場合の全滅ペナルティは、原作とは違い「資金だけでなくアイテムもすべて消失」へと増加している。 -''他人への依頼システム'' --受注出来る依頼数が最大12件まで増え、パスワードだけでなくNintendo Switch Onlineの利用により、インターネット経由で直に救助の依頼・受注が出来るようになった。 ---依頼する側は報酬をノーマル・スペシャル・デラックスと選ぶことが可能だが、どのグレードを選んでも依頼側の懐が痛むことはない。受注側はグミやドーピングアイテムを稼げながら救助隊ランクも効率良く上げることが出来る。 -''キーワード一覧'' --オプションからキーワード一覧を選択することで、技や罠・すごわざ等を調べることが可能になった。 ---- **評価点(DX) -''グラフィックの向上'' --トゥーンレンダリングで救助隊シリーズの世界観を完全再現しており、3D化にあたっての違和感が全くなく綺麗に描写されている。 -''原作ストーリーをほぼ忠実に再現'' --本家のポケモンシリーズでは『HGSS』でキャラクターのデザインの変更・言動・シナリオの展開に変更が入るようになり、『ORAS』でそれが余りに過剰となり、『ピカブイ』で極力アレンジが抑えられるという経緯を辿ったが、本作は原作のストーリーをそのまま持ってきたと言っても過言ではないほどほぼ忠実に再現されている。 --セリフやBGM、広場のポケモンの配置等、ほぼ全てのストーリー要素が3Dグラフィックで表現されながらも原作と同じになっている。特定のポケモンに視点が合わさったりと様々なシーンの演出も強化され、3Dグラフィックが上手く活かされている。 --原作ストーリーを概ね再現しながらも、不満点の多かった箇所は解消されている。 ---一例として、原作で不評意見の多かった逃亡時前のハスブレロの主人公に対する攻撃シーンがカットされていたりなど。 ---クリア後もパートナーが主人公と一緒に居てくれるようになり、ダンジョン内のセリフもずっと専用のまま。パートナーに話しかけることも可能で次の目的を簡単に教えてくれるため、迷う心配も少ない。加えて、主人公も話しかけたときのセリフが追加された。 -''主人公とパートナーの選択および性別の反映など'' --原作同様心理テストで決められるのは同様だが、気に入らない場合はその後に自分で好きなポケモンを選び直すことが出来るようになった。主人公ポケモン次第で難易度が激変することも少なくないだけに嬉しい配慮。リメイク前と違って主人公候補の16匹全員を自由に選べるのも大きい。 ---主人公と同じタイプを選べないのは変わらないがパートナーも自由に選べるようになったため、リメイク前では出来なかった組み合わせ(ワンリキーとエネコ、コダックとニャースなど)でも遊べるようになった。 --選んだ性別の姿が反映されるようになったため、主人公にも専用のグラフィックが初めて用意されている((前作の主人公のピカチュウはオスのままだった))。 --他にも『超』と同様、主人公とパートナー用に常時スカーフやリボンを着用している専用のグラフィックが用意されている。シリーズを象徴する個性の1つであるため、主人公・パートナーに愛着のあるファンには嬉しいポイント。 -''チーム名・ポケモンの名前の自由変更'' --原作ではチーム名や主人公、パートナーのみ自由に変えられる仕様が存在したが、本作では主人公・パートナー以外に仲間になったポケモンも全て自由に名前を変えられるようになった。 ---3DSシリーズ作品以降と同様、6文字まで入力出来る。 -''クリア前ストーリーの難易度軟化'' --常時「せんりがん」「じごくみみ」状態で、エリア内のアイテム・敵の動きが見える状態になっている。~ それに加え「常時リーダーチェンジ可能」「主人公・パートナーのどちらかが倒れても冒険失敗にならず、ダンジョン内に「プチふっかつタネ」が多く落ちている」といったように、クリア前の冒険では詰み難い仕様となっている。 ---冒険失敗回数が増えるとゲリラダンジョンとして「げんえいのどうくつ」が出現するようになる。このダンジョンでは「リンゴ」系統、「ピーピーリカバー」、「ふっかつのタネ」系統が多く出現し、ストーリーをクリア出来ないプレイヤーへの救済処置となっている。 --原作では使えないアイテムが非常に多かったが、本作では使えるアイテムが非常に多い。対象が部屋全体になり、命中率も上昇した「いちげきのたま」など、効果が改善されているものもある。 --ただしクリア後は「せんりがん」「じごくみみ」が解除されるので、従来作からのファンを飽きさせることもない。クリア前の難易度軟化も「クリア前はチュートリアル・クリア後が本番」等と好評意見が多い。 -''わざのシステム変更'' --現行作品に合わせて物理技と特殊技が分けられている。 --連結している技のPPが0になっても連結が外れないようになった。 --複数の敵を攻撃出来る技や部屋全体の技なども特定の状態異常になっているか、ごく一部の技を除けば味方を巻き込まなくなった。 --また、主人公とパートナーも初期の内からわざマシンや遺伝限定の技を覚えている為、わざの面で困る事が少なくなった。 -''とくせいのシステム変更'' --原作では2種類あるポケモンは両方所持という形だったが、本作は2種類持っているポケモンは仲間になった時にランダムで1つになるようになった。 ---両方の特性が強かったポケモンに関しては弱体化と言えるが、例としてトゲキッスは特性を2つ持っているが片方がデメリットが大きい「はりきり」のため、恩恵を受け使い易くなった。 ---デメリット特性自体上方修正が入ったものが多く、特性を無効化出来る「むこせいスカーフ」が登場したことで、特性による性能差は大幅に緩和された。 ---原作では敵が増加するだけだった「はっこう」やフリーズの一因にもなり得た「にげあし」もマイナス特性ではなくなっている。 -''掲示板に記載されている依頼システムの改善'' --依頼文の不自然な内容((例として「わざマシンのあられ いちどたべてみたいんです!」など))が無くなっており、つれてって以外の依頼主は完全にNPCと化したため、悪天候などで倒れるといった不具合が発生しないようになっている。 ---つれてって依頼も依頼主がダンジョンに合わせた強さになっており、仮に倒されても巻き添えを食らって即救助失敗になる理不尽な仕様ではなくなり、依頼主が一時的に気絶するように変更されている。気絶した依頼主はその階層内で「ふっかつのタネ」系統のアイテムを依頼主にあげるか、「みなふっかつだま」というアイテムを使うことで再度同行出来るようになる。気絶した依頼主を復活出来ない場合は流石にその依頼は失敗になるが、冒険自体は続けられる。 -''ボスの大幅強化'' --伝説級のボスは敵に有利になる効果や一定ターンでプレイヤー側に不利な効果を与えるエリアになっているだけではなく、クリア後はミュウツー・カイオーガ・グラードン・レックウザは一度倒しても「メガシンカ」「ゲンシカイキ」で再戦が行われる等、難易度が大幅に上がった。 ---伝説級に限らないがボスは状態異常が長くても2~3ターン以内で治癒するため、搦め手も通用し辛くなっている。 -''原作で仲間にするのが難しかったポケモンへの救済処置'' --仲間に出来る仕様が探検隊シリーズと同様になり、最終進化ポケモンも倒して仲間にすることが可能となった。そのため、序盤からマッスグマやキマワリ、ナッシーなどが仲間になったりすることもある。 ---ダンジョンクリア後に最後まで一緒にいたポケモンたちは、該当するキャンプエリアがなかったり正式に仲間にしなかった場合は別れることになるが、その際にお礼としてポケをもらえるようになった。なお、低階層で仲間になった方が多くもらえる。 --敵を倒して仲間になる距離条件も見直されており、仲間判定がリーダーの周囲2マス以内に変更された。 --ダンジョン内で倒れているポケモンが追加された。救助依頼に関係なくランダムで登場し、リンゴ系の食糧を渡すと仲間になってくれる。 ---レベルリセットダンジョン限定ポケモンが通常ダンジョンで倒れているパターンもあり、前述の手段と合わせて上記限定ポケモンの仲間化の難度が大幅に軽減されている。 --ストーリー後半からカクレオン商店で購入出来る「しょうたいじょう」を利用することで、一部ダンジョンの道中に登場する「ミステリーハウス」に入ることが可能。ミステリーハウスでは、中に入っているアイテム入手やポケモンを仲間にすることが可能となっており、候補ポケモンも進化以外の仲間方法がないものも多い。 --ポケダンシリーズ仲間化最難関と言われしカクレオンも、「しあわせのとう」70階付近で普通に登場し、仲間にすることが可能となっている。泥棒時での常時倍速・高ステータスの仕様ではなく、かなり弱いレベル・ステータスとなっており倒し易い。 ---勿論、泥棒を経由して仲間にすることも可能。カクレオン自体、レベルを1上げるだけで100万近い経験値を要求されるため、高レベルのカクレオンを目指すだけなら泥棒経由の方が基本的に楽ではある。 --また、本編で進化用道具だったものは全て「しんかのあかし」というアイテムに統一。1段階目進化へは2個、2段階目進化へは4個必要。一部ダンジョン最深部で落ちていたりカクレオンの商店で売られており、入手難易度は低い。 -''ストーリー加入ポケモンの待遇強化'' --ストーリーで仲間になるポケモンは別れることが出来ないようになっており、アブソルとサーナイトは固有の台詞パターンを持ち((コイルとドーブルは通常個体と同じ。))、すごわざも習得している。サーナイトは加入レベルが大幅に上昇した(Lv5→Lv50)。 ---アブソルは原作と違い「ひょうせつのれいほう」の入り口でダンジョンに入る前から一緒におり、それに伴ってストーリー中での台詞も追加されている。 ---アブソルのすごわざは使い勝手に優れる「しぼりだす」を持つ。サーナイトはイジワルズのゲンガーとの関係性を暗示させる「はなれてもがんばる」を習得しているため、使い道はイマイチにもかかわらず評判は良い。 --伝説・準伝説級のポケモンも仲間時に固定のすごわざを習得している。中でも、ミュウは経験値稼ぎに重宝する「オニせいちょう」を持っており、全ての技マシンが利用可能な仕様と合わせて優秀な立ち位置にいる。 -''救助隊ランクの追加'' --ルカリオランクが廃止され、やり込み要素としてウルトラ・ハイパー・マスター・グレートマスターランクが追加された。 --普段通り依頼をこなしていくだけで簡単に到達出来るシルバーランクで道具箱が最大数の一歩手前まで増えるため、通常プレイに支障が出ることもない。 ---ウルトラランクになるとミステリーハウスでリオル・ルカリオが出現するようになる。 -''色違いの登場'' --一部ダンジョンでは通常のポケモンよりレベルが高く、倒したときの経験値が多い強敵が登場し、稀に色違いとして現れる。色違い個体のみ「ともだちリボン」を持ったリーダーが倒すことで低確率ながら仲間にすることが可能。 ---強敵登場とは違う隠れ色違いポケモンとして、色セレビィが登場する。仲間にするまでの条件が多難だが、台詞が探検隊シリーズでジュプトルの仲間として登場した時のものがそのまま使われるというファンサービスがある。 -''ワナの弱体化'' --前作の超と同様ほとんどが1度踏めば壊れるようになっており、逆に2回以上発動する可能性があるワナは数えるほどにまで減少している。 ---加えてリーダー以外は見えていないワナのあるマスに移動しても作動せず、発見したワナは必ず避けるように移動するため、仲間がワナを誤って踏んでしまうといった問題は絶対に発生しないようになっている。 ---一方でリメイク前と違ってストーリー序盤から存在するようになったワナもいくつかあり、相対的に難しくなっている部分もあるにはあるが、影響の少ない効果のものから出るようになっており、程よい注意喚起になっている。落とし穴も廃止されているため理不尽な離脱が発生しなくなっている。 ---- **賛否両論点(DX) -''ともだちエリアからキャンプへの変更'' --原作のようにエリアに入ることが出来ず、『探検隊』以降の様な従来のエリアの背景にそこからカーソルでポケモンを選ぶだけの淡泊なものへと差し替えられた。 --表示されるポケモンはドット((過去作のドットを流用))で描写されており、第6世代で初登場となったニンフィアのみ新規でドットが用意されている。 ---この仕様で原作の問題点の仲間に出来る数が大幅に改善された一方、エリア内を動かせなくなった点を惜しむ声も多い。なお、エリアの背景は-ボタンを押し続けていると確認出来る。 --BGMも一部のエリアが原作と変わっている。しかし、「森と山のささやき」は超ポケダンの音源から流用されておらず、新規に作られている。 --主人公とパートナーが本来所属している救助隊キャンプのエリアにいなくなったため、初期入手のキャンプエリアが固定されているのも地味な難点ではある。その代わりエンディング前でも救助隊キャンプ内での強化は出来るため、リメイク前よりも主人公とパートナーの強化を楽に行えるのは上手く配慮されていると言えるだろう。 -''「さわぎのもり」でのマンキーが強い'' --原作では弱いという設定通り脆弱なボスだったが、本作ではかなりの強敵と化した。 ---尤もダンジョンの奥にいるボスであることに変わりはなかったため、上記のボスの大幅強化の仕様もありこれは当然の措置とも言える。 -''ゲーム内で入手した依頼のパスワードが表示されなくなった'' --原作で改造メールが蔓延っていたことへの対策と思われる。 ---タイトル画面からパスワード入力画面へ進むことは出来るが、公式で用意されたパスワード以外は弾かれるようになっている。 -''チームテングス・カラミツキ・ハイドロズ・ゴロゴロのリーダー以外のメンバーが登場しなくなった'' --マクノシタ訓練所の仕様変更の弊害。これにより、各チームのリーダー以外のメンバーが本作では不明となっている。 ---ハイドロズは原作同様カメックスの他にオーダイルが名前だけ登場している。 -''クリア後の難易度調整'' --クリア前のダンジョンに存在した常時「せんりがん」「じごくみみ」状態が無くなってしまうだけではなく、敵の強さが大きく上昇し攻略がドーピング前提となってくる。 --ドーピングアイテム自体はカクレオン商店や依頼で手に入り易くなったことに加え、「ちていいせき」や「アンノーンのいせき」で壁に埋まっているアイテムが「せんりがん」状態で見えるようになったため入手の敷居は大幅に下がっている。 ---ただし本作は従来作でいう「ゼロのしま なんぶ / ちゅうおうぶ」に該当するようなダンジョンがないため、一定以上強化し過ぎると難易度が激減する。 -''クリア後で一度倒したボスと再戦出来ない'' --エンテイ・ライコウ・スイクンを除き、クリア後にボスを倒すと強制的に仲間になるようになり、別れる事も出来ない((エンテイ・ライコウ・スイクンはホウオウを仲間にした後の再戦後に仲間になる))。 ---道場などで再戦出来る機会があっても良かっただけに惜しいところである。 ---ジラーチも強制的に仲間になるが、リメイク前とは違い、願い事はジラーチを仲間にしていても利用できるため、そこは安心していい。また、リメイク前と違って倒せば必ず仲間になる点はむしろ改善されていると言える。 ---- **問題点(DX) -''オート移動のテンポが悪い'' --探索優先でまだ入っていない部屋があったり階段優先で階段を見つけてもダンジョン内で倒れているポケモンを優先して追尾するため、優先の意味がない。一度話しかけないとその後も追尾し続ける仕様で大幅にテンポを落としてしまっている。 ---恐らく、倒れているポケモンのフラグが救助依頼のフラグと同じにしているための弊害だと思われる。 --階段優先で階段のある部屋を先に見つけらればオート移動を中断して手動で動かすのが対策だが、LとAを押しているだけで所謂脳死周回が出来る長所を阻害していることに変わりはない。 -''連続技・部屋技の横行'' --一部の技に調整が一切加えられていない為、それによる弊害も発生してしまっている。 ---特に連続技が相変わらず猛威を振るい、連続技が確実に命中するすごわざ「れんぞくひっちゅう」の存在もあり、スキルリンクパルシェンが本作最強クラスの座に君臨している。瞬間的な攻撃力ではまるくなる、アイスボール、ころがるを連結して「れんぞくひっちゅう」が適用されていると脅威の高威力10連続攻撃を行えるタマザラシ系統がぶっ壊れている。 ---他にもガラガラ・サンダー・フライゴン等、連続技・部屋技を複数覚えられるポケモンはその他ポケモンに比べ飛び抜けた強さを持つ。上記のすばやさの仕様もあって連発出来る可能性もあるため無双しやすい。 --敵が使う連続技・部屋技も脅威なのは勿論のこと、「ほのおのやま」のマグマッグが新技「やきつくす」を連発しリンゴ・タネ系をあっさりと焼失させたり、「マグマのちてい」のマグカルゴの新技「からをやぶる」で袋叩きにされる事も日常茶万事。ビードルの「むしくい」でリンゴやタネなどを奪われたりニョロモの「さいみんじゅつ」連発であやつり状態にされたりなど、仕様の変更や技の追加によって道中で厄介なポケモンも増えている。 ---特にタマタマはダンジョンによってはノーマル技+さいみんじゅつの構成となっていることもありゴーストタイプが眠らされてしまうとさいみんじゅつのPPが切れるまで永遠に嵌められることになる。厄介なことに清らかな森の最序盤に登場するため、カゲボウズ系以外のゴーストタイプの天敵となっている。 ---「ぎんいろのかぜ」や「あやしいかぜ」の追加効果が1回分しか適用されない、敵側の「こうそくいどう」に行動リセットが適用されない等、旧作の問題点を改善している部分もある。また、敵側はノーマルタイプの味方に「かげうち」を使うといった全く効かない技を使うことがあり、AIは超ポケダンから弱体化されている。 --ほろびのうたを覚えるニョロトノ等に通路で使ったときの技が確実に命中するすごわざ「つうろひっちゅう」が適用されていると、通路でほろびのうたを使うだけで多くの敵が3ターンで簡単に倒せてしまうといった強烈なバランスブレイカーもある。 -''ガルーラ像のあるダンジョンの中間地点がストーリー進行中以外で利用出来ない'' --この影響で、伝説のポケモンと戦うのが目的の場合は、事前準備を中間地点で行えないのが痛い。 ---なお、中間をスキップして山頂や奥地の方へ向かうため、原作で山頂や奥地などで分けられていた階数は加算されている((「ひょうせつのれいほう」だと15階+奥地5階だったのが20階に、天空の塔だと25階+最上階9階だったのが34階等))。 -''草御三家進化形・ブラッキー・リーフィア・ニンフィアがダンジョンで一切登場しない'' --原作では登場していた草御三家進化形やブラッキーが、クリア後のダンジョン登場ポケモンが原作と変更になった影響かダンジョンで登場しなくなった。 --リーフィア・ニンフィアを除く追加進化ポケモンはミステリーハウスもしくはダンジョンで倒れている形で登場するが、この2体のみ両者と共に登場しない。 --進化前のフシギダネ・チコリータ・キモリ・イーブイがダンジョンで倒れている場合を除き「しあわせのとう」でしか登場しないため、仲間にするのがやたら難しい。 -''主人公とパートナーは進化するとスカーフがなくなる'' --スカーフを付けた進化後のグラフィックは実装されていない。リメイク前には「進化するかどうか」に関わらずスカーフがなかった上、変わるのは外見だけの為、気になるかどうかは微妙だが…別に進化してもスカーフはそのままにも出来たであろう。 ---グラフィックに関しても「[[ポケモン超不思議のダンジョン]]」のを流用するという手もある。画質の関係上無理があるかもしれないし、この手段が使えるのはライチュウと御三家に限られるが。 --一応、進化時に「スカーフが無くなりますがよろしいですか?」という警告はある。 --進化後に就寝用のモーションが実装されていないのも従来通りとなっている。 -主人公・パートナー候補のポケモンをエンディング後に仲間にした場合、遺伝やわざマシン限定のわざを思い出しで習得できない。 --一部はわざマシンや教え技でフォローできるが、それが効かない場合もある。 -前述した通り、リザードンとミュウツーのメガシンカが2種あるのにもかかわらず形態を選べないためややメガシンカさせづらい。幸いメガシンカなしでも活躍はできるが。 --両者とも形態によって「攻撃と特攻どっちが高いか」「特性」がまるっきり違うし、タイプも違う。「メガシンカによって能力値が下がる」事はないがメガリザードンXは特性が「かたいツメ」の関係上、物理技を覚えていないと特性を生かせない。 ---また、メガリザードンYは特性が「ひでり」の為、味方によってはデメリットがかかる。 -''仲間になった一部ポケモンの台詞がおかしい'' --台詞自体はストーリー加入するアブソル・サーナイトを除き探検隊シリーズのものを流用((探検のワードを救助か冒険に入れ替えている程度の変更あり。救助隊シリーズでは性別の概念がないため、性別ごとに台詞が変わるポケモンは種別ごとに♂♀どちらかのものになっている))しているが、ユキメノコなどの♀しかいないポケモンでも♂のものが採用されていたり、ルカリオの台詞が「いっしょに がんばろうね!」になっている等((探検隊シリーズのルカリオは♂♀どちらでもこのような口調は発しない。))、違和感のあるセリフがいくつか存在する。 ---- **総評(DX) 「青の救助隊」「赤の救助隊」を一つに纏めた上でNintendo Switchにリメイクした作品。~ 「超不思議のダンジョン」要素も混じっており、原作の改善点も解消しつつ、原作のストーリーや雰囲気を壊さず纏まっている。~ 原作同様、不思議のダンジョンシリーズ初心者から上級者まで触り易い出来となっている。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: