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---- このページはアーケード作『タイムパイロット』と、その続編『タイムパイロット'84』の紹介をしています。 ---- #contents ---- *タイムパイロット 【たいむぱいろっと】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1982年|~| |判定|なし|~| |ポイント|全方向任意移動2D空間シューティング&br()カミカゼアタックはお約束|~| **概要 -1982年にコナミからリリースされた横視線シューティング。任意方向スクロール。((背景の雲が進行方向と逆に動くだけだが)) -一人~二人交互プレイ可能、全5ステージ構成、ループ制。 **操作系統 -レバー+1ボタンで操作。 --レバーにて自機の360度移動/向き調整、ボタンで自機前方にショットを放つ。 **基本ルール -このゲームは常に360度方向に自機を移動/向き調整をさせる事ができ、ステージ中は絶え間無くスクロールが動き続けている。例えば、前方に自機移動させればスクロールは前に、下方に移動させればスクロール下に移動するといった感じである。壁に該当するものは存在せず、レバーを同じ方向に入れ続ければスクロールがエンドレスに進む。 -ステージ中には雑魚敵がうようよと出現するので、こいつらを破壊していくのがボス出現条件の目的となる。雑魚を蹴散らしていくと画面左下に表示された敵ゲージが消費され、これが0になればしばらくの間の後にボスが出現する。そして、そのボスを撃ち込んで撃破すればそのステージはクリアとなる。 --敵はもちろんの事、敵が発射してくるミサイルなどの弾も破壊可能(敵機通常弾は不可)。ただ敵だけを集中攻撃せずに、これらの弾を破壊しながら攻略しないとミスする確率が高まってしまう。 --一定時間毎に警告音と共に敵の5機編隊が出現、全滅させると2000点。警告音の鳴らない編隊は全滅ボーナスなし。 --自機が敵に衝突するともちろんミスとなるのだが、実はこれにも攻撃判定があり、衝突した敵をも破壊してしまう。体当たりの攻撃力は凄まじいもので、なんと''ボスに体当たりすればそいつを一発で破壊してしまう''。残機数のロスを気にしないのならば、''カミカゼアタックでステージクリア''という荒業も可能である。 -ときおり出現するパラシュートを取得するとボーナスが得られ、連続で取ればボーナスに倍率がかかる。(最大5000点)但し、第5ステージだけはパラシュートが一切出現しない。なお、本作唯一の(得点)アイテムでもある。 -ボスが出現しているのに倒さず粘っていると、敵の猛攻が激しくなるペナルティがある。しかし、単に難易度が増すだけで、慣れてしまえば永久パターンが成立してしまう。 --尤もエンディングの無いループゲームなので、永久パターンなど使わなくても腕次第で永遠にプレイを続ける事は出来るが。 **ステージについて -このゲームはステージをクリアする度に色んな時代の世界へワープするという設定で、各ステージによって時代背景が異なる演出がある。以下その詳細。 --第1ステージ「A.D.1910」 - 第一次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚敵は複葉機、ボスは飛行船。雑魚が時折放物線を描く弾を放つ(ショットで相殺可)。ステージの中ではまだ比較的大人しい難易度。 --第2のステージ「A.D.1940」 - 第ニ次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚はプロペラ戦闘機、ボスは大型プロペラ機。たまに通常の雑魚より耐久度の高い中型機が出現する唯一のステージ。 --第3ステージ「A.D.1970」 - 本作がリリースされる12年前が舞台のステージ。雑魚はヘリコプター、ボスは大型ヘリコプター。敵がホーミングミサイルを放ち、より激戦になってくる。なおボスは全ステージ通常弾で攻撃してくる。 --第4ステージ「A.D.1982」 - 本作リリースと同年が舞台のステージ。雑魚は現代型戦闘機、ボスは大型爆撃機。ホーミングミサイルに加え、敵がこちらにカミカゼアタックまで食らわせてくる危険地帯。 --第5ステージ「A.D.2001」 - 21世紀の始まりが舞台の宇宙ステージ。雑魚はUFO、ボスは大型UFO。微妙にカーブを描く敵弾が厄介な最難関(この弾も破壊可能)。このステージのみパラシュートは出現しない(宇宙が舞台な為)。 --第5ステージをクリアすれば、難易度が上昇した状態で第1ステージからの再スタートとなる、ループゲーム。 -残機制ですべてなくなればゲームオーバー(コンティニューは不可)。原則として戻り復活だが、敵ゲージが消費されたままの復活となるので、そういう意味では途中復活である(もちろん、ゲージ0の状態で復活すると即ボスが出現する)。 **ボスコニアンとの関係 -本作のゲームシステムは、1年前にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)からリリースされた『[[ボスコニアン]]』と似ており、両者はよく比較されやすい傾向にある。((ボスコニアンでは敵基地との接近戦を強いられるので、誤操作で「カミカゼアタック」になりやすい。一例として、敵基地に接近中にミスした自機の爆風で敵基地などを誘爆したりする。)) --ボスコニアンとの明確な差異としては、本作の自機ショットが途切れずに連射できる故に、ガンガンと敵を破壊する爽快感に恵まれている事だろう。これにより「ボスコニアンの爽快増強版」という位置付けでヒットを飛ばした存在であった模様。 --またボスコニアンに存在したレーダー画面が本作には存在しない。 ---勿論、ボスコニアンにも本作にはない魅力を持っているので、どちらが優れているのかという論争は無意味である。 --また、自機の動きのぬめぬめな滑らかさや、各ステージによって特色を持った差別化が成されている作り込みも評価に値するポイントであろう。 -アーケードでは人気を博した作品だが、リアルタイムでの家庭用移植には恵まれておらず、移植されたのは比較的最近の時期に集中している。そういう意味では、当時の人気の割には日の目を見る機会はあまり恵まれていないように思える。 --八方向スクロールが売りのゲームのため、パソコンへの移植が難しかったのは間違いないが、何故かFCへの移植が実現しなかったため余計にマイナー感を引き立たせている。 ---ゲーム性の似た『ボスコニアン』の場合はレーダー画面がFCの性能では再現できないというのが移植されなかった最大の理由だが、本作にはレーダー画面がないため移植は容易だったはずなのだが。 //もっとも当時(ファミコン登場前)の殆どの作品は移植に恵まれていなかったのだが((例外は『パックマン』ぐらいで、『ボスコニアン』も当時は移植されていない(続編『スターラスター』はファミコン専用として出たが)。))。 **評価点 -「時空を飛び回って空戦を繰り広げる」という設定は当時としては斬新だった。 --「時代」の概念を上手に利用してステージごとの特色を与えることによって、演出面に大きな恩恵ができた。 -敵の攻撃が単調になりにくいようになっている。 --ステージによって爆弾を落とす敵が出現する、中ボス格の1500点の敵が出現する、ホーミングミサイルが登場する、パラシュートが一切出てこないなど、単調にならない工夫が見られるだけでなく、ステージごとに個性を持たせている。 -自機ショットの連射性能が高くステージ4以外で敵機と正面衝突することは少ない。 --八方向未満の詳細な角度にもショットが可能。 **問題点 -ステージ1・2は敵がホーミングを撃ってこないので実力永パなプレイができてしまう。 --全く敵を撃たないか必要最低限の敵を撃つだけでパラシュートを回収すればステージを勧めずに点を稼げる。 ---但し同ステージに長時間滞在すると敵のランクが上がるので完全なノーミスのプレイは難しい。 -ボスキャラを画面外に逃がすと与えたダメージがなくなってしまう。 --但しボスキャラの耐久力はそれほど高くない。背後からショットを連発すれば1秒ほどで倒せる。 -各ステージの敵数ゲージを0にしてもボスキャラが出現するまで間が事がある。 -敵のランクが上がると正面方向の敵機がいきなり弾を撃ってきて回避が難しいときがある。 --敵のホーミングもランクUPで複数撃ってくるようになり、「数の暴力」でミスしやすくなる。 -スコア表示が最大6桁しかない。 **総評 360°自由自在に飛び回れるため、難しい要素は一切なしに空中戦を楽しめる。一部ステージの永久パターンなどのバランス的な問題は散見されるが、自機マシンガンである程度の力押しが可能なのは爽快であり、時代の概念を加えた演出も良好。後継作にも多大な影響を与えた力作である。 //%%後発のカプコン『[[戦場の狼]]』のマシンガンはヘッポコ性能である。%% **余談 -後に移籍先のカプコンでヒット作を連発した岡本吉起氏のデビュー作である。近年では『モンスターストライク』を開発。 --なお本作は上司に無断で開発を進めた模様。 -難易度設定を最高ランクにすると、永パ的なプレイをしなくても最初から敵の総攻撃が楽しめる。 ---- **続編等 -正式なる続編として『タイムパイロット'84』が本作の2年後にリリースされた(詳細は下記にて)。またスーパーファミコン用ソフト『[[がんばれゴエモン きらきら道中 ~僕がダンサーになった理由~]]』のミニゲームとして「タイムパイロット'95」(内容的には初代のアレンジ)が収録されている。 -ちなみに同社の作品で全方位移動を採用した他の作品は『[[フラックアタック]]』で採用されているが、本作及び『'84』とは異なりボス戦のみで、スクロールは無い。 **家庭用移植 -MSX版(1984年、コナミ) --ハードの性能の都合上スピード感がやや落ち、同時に出現する敵キャラの数も減っているが、ゲーム性を上手く再現した良移植である。 --発売時期を考慮してか、第4ステージの年代が「A.D.1984」に変更されている。 --『コナミゲームコレクション Vol.3』(1989年04月発売、MSX2)にツインビー、スーパーコブラ、スカイジャガー、ネメシスと共に収録されている。 ---『スナッチャー』に同梱されたSCC音源カートリッジを挿した状態で起動すると、BGMがSCCで奏でられるという追加要素があった。 -プレイステーション2版(2005年7月21日発売、ハムスター) --『オレたちゲーセン族 タイムパイロット』として発売。企業問題レベルの移植度の低さで悪評を得ている『オレたちゲーセン族』シリーズの中ではかなりまともな移植で評価は高い。 -Xbox Live Arcade版(2006年8月30日より配信、コナミデジタルエンタテインメント) --400MSPで配信中。オンラインランキング、オンライン対戦や協力プレイに対応している。 // 2011/5/14配信を確認、情報は正確に -アーケードアーカイブス(2019年4月11日、ハムスター) --SwitchとPS4で配信された。価格は823円(税込)。 -オムニバスソフト --コナミアンティークスMSXコレクション Vol.3(プレイステーション、1998年3月19日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック(セガサターン、1998年7月23日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミ80'sアーケードギャラリー(アーケード/プレイステーション、1998年稼動/1999年5月13日発売、共にコナミ) ---アーケード版の収録。 --コナミアーケードゲームコレクション(ゲームボーイアドバンス、2002年5月2日発売、コナミ) ---アーケード版の収録。2005年11月3日にてベスト版が発売。 --[[コナミアーケードコレクション]](ニンテンドーDS、2007年3月15日発売、コナミデジタルエンタテインメント) ---アーケード版の収録。開発は良移植で定評のあるM2が担当。 ---- *タイムパイロット'84 【たいむぱいろっと はちじゅうよん】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1984年|~| |判定|なし|~| |ポイント|完全SF路線に変更された続編&br()37年目で家庭用初移植|~| **概要('84) -前作が好評だった故か、2年後には続編である本作がリリースされた。 -一人~二人交互プレイ可能、全6ステージ構成、ループ制。 **基本操作 -レバー+2ボタンで操作。 --レバーで自機の360度移動/向き調整、二つあるボタンは各自、ショットとハイパーミサイルに使用する。 --移動とショットに関しては前作とほぼ同じなので割愛する。新システムのハイパーミサイルは、いわばもう一つのショットというべき存在にあたる。 **前作からの変更点・評価点 -前作は横視線の空中戦メインだったが、本作は縦視線の地上戦オンリーとなっている(ゲームのプレイ感覚は全く同じ)。また、前作の特徴であったステージクリア後に別時代へ移行する演出は廃され、本作は近未来の無機質なるSF世界のみが舞台となっている(ステージクリア後の自機ワープ演出は健在)。 -流石に1984年リリースだけあって、グラフィックは前作よりもカラフルとなり、視覚的なパワーアップがなされている。前作にはなかった要素として、各敵の配置に対空と対地の高低差が取り入れられている。 -本作のショットは二門のため、敵を捉えやすくなっている。そのため、難易度が前作より下がっている。 -本作ならではのシステムとして、緑の敵(対空敵のみ)はショットでしか破壊できず、青の敵(対空敵と対地敵の二種類がいる)はハイパーミサイルでしか破壊できないようになっている。例えるならば、タイムパイロットに『ゼビウス』などの対空対地ショットの概念を取り入れたシステムというべきか。 --一応、青の対空敵に対してショット84発(ゲームタイトルとかけている)を撃ち込めば倒せるが、普通にプレイする上ではただめんどくさいだけであり、あくまでネタでしかない。 --青の敵に対しては自機前方にいる敵を自動的にロックし、ハイパーミサイルを放てばそいつを追尾してくれる。これも例えるならば『レイフォース』のロックオンシステムのような性能というべきか。 --青の対地敵は、当然ながら飛行している自機が触れてもミスにはならない。 --ボスに対してはすべてハイパーミサイルでしかダメージをあたえられない(ショットは一切無効)。ボスを倒せば次ステージに移行する。 --前作のパラシュートに代わって背景の特定個所に近付くと出現する隠しボーナスキャラが新たな稼ぎ要素となっている。中には前作の自機の編隊も。 -クリア条件やミス条件などは前作同様なので割愛する。 **問題点('84) -前作と比べて見た目が地味 --グラフィックは確かに綺麗になったものの、どのステージも似たような背景である上に前作では各ステージで敵が様変わりしていたのに対して、本作ではステージを進めても敵の変化が少ないのが要因。 -アーケード版では''56面をクリアするとバグにより強制リセットがかかってしまう。''(所謂「キルスクリーン」) **総評('84) 時代を先取りしたシステムを取り入れ、時代相当の外見にパワーアップした続編ではあったが、その存在は前作の比にならない位にマイナーであまりヒットはしなかった。 マイナーな目で見られがちな理由として考えられるのが、すでに前作の完成度が極まっていた故に本作のインパクトが薄かった事、前作とはあまりにも外観が変わりすぎて敬遠されやすかった事、そしてカラフルになったとはいえ、1984年リリースのゲームとしては全体的に地味さ加減が漂っていて受けが悪かった事、などが挙げられる。 もちろんマイナーだからといって出来が悪かったなんて事もなく、ちゃんと前作の遺伝子も多く受け継いでおり、遊べるゲームではある。コナミの続編ものは(一部例外を除けば)前作程のヒットはしない法則があると言われるが、本作もまたそれに当てはまっている様である。 **余談('84) -前作の家庭用移植の豊富さとは違い、2021年5月27日にアーケードアーカイブス(Switch/PS4)にて''37年目にして家庭用初移植''となった。 --なお、この移植版では''上記の「56面クリア後に強制リセットがかかるバグ」が修正されて57面以降も遊べるようになり、ようやく本来の形でプレイできるようになった。''
---- このページはアーケード作『タイムパイロット』と、その続編『タイムパイロット'84』の紹介をしています。 ---- #contents ---- *タイムパイロット 【たいむぱいろっと】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1982年|~| |判定|なし|~| |ポイント|全方向任意移動2D空間シューティング&br()カミカゼアタックはお約束|~| **概要 -1982年にコナミからリリースされた横視線シューティング。任意方向スクロール。((背景の雲が進行方向と逆に動くだけだが)) -1~2人交互プレイ可能、全5ステージ構成、ループ制。 **操作系統 -レバー+1ボタンで操作。 --レバーにて自機の360度移動/向き調整、ボタンで自機前方にショットを放つ。 **基本ルール -このゲームは常に360度方向に自機を移動/向き調整をさせる事ができ、ステージ中は絶え間無くスクロールが動き続けている。例えば、前方に自機移動させればスクロールは前に、下方に移動させればスクロール下に移動するといった感じである。壁に該当するものは存在せず、レバーを同じ方向に入れ続ければスクロールがエンドレスに進む。 -ステージ中には雑魚敵がうようよと出現するので、こいつらを破壊していくのがボス出現条件の目的となる。雑魚を蹴散らしていくと画面左下に表示された敵ゲージが消費され、これが0になればしばらくの間の後にボスが出現する。そして、そのボスを撃ち込んで撃破すればそのステージはクリアとなる。 --敵はもちろんの事、敵が発射してくるミサイルなどの弾も破壊可能(敵機通常弾は不可)。ただ敵だけを集中攻撃せずに、これらの弾を破壊しながら攻略しないとミスする確率が高まってしまう。 --一定時間毎に警告音と共に敵の5機編隊が出現、全滅させると2000点。警告音の鳴らない編隊は全滅ボーナスなし。 --自機が敵に衝突するともちろんミスとなるのだが、実はこれにも攻撃判定があり、衝突した敵をも破壊してしまう。体当たりの攻撃力は凄まじいもので、なんと''ボスに体当たりすればそいつを一発で破壊してしまう''。残機数のロスを気にしないのならば、''カミカゼアタックでステージクリア''という荒業も可能である。 -ときおり出現するパラシュートを取得するとボーナスが得られ、連続で取ればボーナスに倍率がかかる。(最大5000点)但し、第5ステージだけはパラシュートが一切出現しない。なお、本作唯一の(得点)アイテムでもある。 -ボスが出現しているのに倒さず粘っていると、敵の猛攻が激しくなるペナルティがある。しかし、単に難易度が増すだけで、慣れてしまえば永久パターンが成立してしまう。 --尤もエンディングの無いループゲームなので、永久パターンなど使わなくても腕次第で永遠にプレイを続ける事は出来るが。 **ステージについて -このゲームはステージをクリアする度に色んな時代の世界へワープするという設定で、各ステージによって時代背景が異なる演出がある。以下その詳細。 --第1ステージ「A.D.1910」 - 第一次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚敵は複葉機、ボスは飛行船。雑魚が時折放物線を描く弾を放つ(ショットで相殺可)。ステージの中ではまだ比較的大人しい難易度。 --第2のステージ「A.D.1940」 - 第ニ次世界大戦がモチーフと思われるステージ。雑魚はプロペラ戦闘機、ボスは大型プロペラ機。たまに通常の雑魚より耐久度の高い中型機が出現する唯一のステージ。 --第3ステージ「A.D.1970」 - 本作がリリースされる12年前が舞台のステージ。雑魚はヘリコプター、ボスは大型ヘリコプター。敵がホーミングミサイルを放ち、より激戦になってくる。なおボスは全ステージ通常弾で攻撃してくる。 --第4ステージ「A.D.1982」 - 本作リリースと同年が舞台のステージ。雑魚は現代型戦闘機、ボスは大型爆撃機。ホーミングミサイルに加え、敵がこちらにカミカゼアタックまで食らわせてくる危険地帯。 --第5ステージ「A.D.2001」 - 21世紀の始まりが舞台の宇宙ステージ。雑魚はUFO、ボスは大型UFO。微妙にカーブを描く敵弾が厄介な最難関(この弾も破壊可能)。このステージのみパラシュートは出現しない(宇宙が舞台な為)。 --第5ステージをクリアすれば、難易度が上昇した状態で第1ステージからの再スタートとなる、ループゲーム。 -残機制ですべてなくなればゲームオーバー(コンティニューは不可)。原則として戻り復活だが、敵ゲージが消費されたままの復活となるので、そういう意味では途中復活である(もちろん、ゲージ0の状態で復活すると即ボスが出現する)。 **ボスコニアンとの関係 -本作のゲームシステムは、1年前にナムコ(現:バンダイナムコゲームス)からリリースされた『[[ボスコニアン]]』と似ており、両者はよく比較されやすい傾向にある。((ボスコニアンでは敵基地との接近戦を強いられるので、誤操作で「カミカゼアタック」になりやすい。一例として、敵基地に接近中にミスした自機の爆風で敵基地などを誘爆したりする。)) --ボスコニアンとの明確な差異としては、本作の自機ショットが途切れずに連射できる故に、ガンガンと敵を破壊する爽快感に恵まれている事だろう。これにより「ボスコニアンの爽快増強版」という位置付けでヒットを飛ばした存在であった模様。 --またボスコニアンに存在したレーダー画面が本作には存在しない。 ---勿論、ボスコニアンにも本作にはない魅力を持っているので、どちらが優れているのかという論争は無意味である。 --また、自機の動きのぬめぬめな滑らかさや、各ステージによって特色を持った差別化が成されている作り込みも評価に値するポイントであろう。 -アーケードでは人気を博した作品だが、リアルタイムでの家庭用移植には恵まれておらず、移植されたのは比較的最近の時期に集中している。そういう意味では、当時の人気の割には日の目を見る機会はあまり恵まれていないように思える。 --八方向スクロールが売りのゲームのため、パソコンへの移植が難しかったのは間違いないが、何故かFCへの移植が実現しなかったため余計にマイナー感を引き立たせている。 ---ゲーム性の似た『ボスコニアン』の場合はレーダー画面がFCの性能では再現できないというのが移植されなかった最大の理由だが、本作にはレーダー画面がないため移植は容易だったはずなのだが。 //もっとも当時(ファミコン登場前)の殆どの作品は移植に恵まれていなかったのだが((例外は『パックマン』ぐらいで、『ボスコニアン』も当時は移植されていない(続編『スターラスター』はファミコン専用として出たが)。))。 **評価点 -「時空を飛び回って空戦を繰り広げる」という設定は当時としては斬新だった。 --「時代」の概念を上手に利用してステージごとの特色を与えることによって、演出面に大きな恩恵ができた。 -敵の攻撃が単調になりにくいようになっている。 --ステージによって爆弾を落とす敵が出現する、中ボス格の1500点の敵が出現する、ホーミングミサイルが登場する、パラシュートが一切出てこないなど、単調にならない工夫が見られるだけでなく、ステージごとに個性を持たせている。 -自機ショットの連射性能が高くステージ4以外で敵機と正面衝突することは少ない。 --八方向未満の詳細な角度にもショットが可能。 **問題点 -ステージ1・2は敵がホーミングを撃ってこないので実力永パなプレイができてしまう。 --全く敵を撃たないか必要最低限の敵を撃つだけでパラシュートを回収すればステージを勧めずに点を稼げる。 ---但し同ステージに長時間滞在すると敵のランクが上がるので完全なノーミスのプレイは難しい。 -ボスキャラを画面外に逃がすと与えたダメージがなくなってしまう。 --但しボスキャラの耐久力はそれほど高くない。背後からショットを連発すれば1秒ほどで倒せる。 -各ステージの敵数ゲージを0にしてもボスキャラが出現するまで間が事がある。 -敵のランクが上がると正面方向の敵機がいきなり弾を撃ってきて回避が難しいときがある。 --敵のホーミングもランクUPで複数撃ってくるようになり、「数の暴力」でミスしやすくなる。 -スコア表示が最大6桁しかない。 **総評 360°自由自在に飛び回れるため、難しい要素は一切なしに空中戦を楽しめる。一部ステージの永久パターンなどのバランス的な問題は散見されるが、自機マシンガンである程度の力押しが可能なのは爽快であり、時代の概念を加えた演出も良好。後継作にも多大な影響を与えた力作である。 //%%後発のカプコン『[[戦場の狼]]』のマシンガンはヘッポコ性能である。%% **余談 -後に移籍先のカプコンでヒット作を連発した岡本吉起氏のデビュー作である。近年では『モンスターストライク』を開発。 --なお本作は上司に無断で開発を進めた模様。 -難易度設定を最高ランクにすると、永パ的なプレイをしなくても最初から敵の総攻撃が楽しめる。 ---- **続編等 -正式なる続編として『タイムパイロット'84』が本作の2年後にリリースされた(詳細は下記にて)。またスーパーファミコン用ソフト『[[がんばれゴエモン きらきら道中 ~僕がダンサーになった理由~]]』のミニゲームとして「タイムパイロット'95」(内容的には初代のアレンジ)が収録されている。 -ちなみに同社の作品で全方位移動を採用した他の作品は『[[フラックアタック]]』で採用されているが、本作及び『'84』とは異なりボス戦のみで、スクロールは無い。 **家庭用移植 -MSX版(1984年、コナミ) --ハードの性能の都合上スピード感がやや落ち、同時に出現する敵キャラの数も減っているが、ゲーム性を上手く再現した良移植である。 --発売時期を考慮してか、第4ステージの年代が「A.D.1984」に変更されている。 --『コナミゲームコレクション Vol.3』(1989年04月発売、MSX2)にツインビー、スーパーコブラ、スカイジャガー、ネメシスと共に収録されている。 ---『スナッチャー』に同梱されたSCC音源カートリッジを挿した状態で起動すると、BGMがSCCで奏でられるという追加要素があった。 -プレイステーション2版(2005年7月21日発売、ハムスター) --『オレたちゲーセン族 タイムパイロット』として発売。企業問題レベルの移植度の低さで悪評を得ている『オレたちゲーセン族』シリーズの中ではかなりまともな移植で評価は高い。 -Xbox Live Arcade版(2006年8月30日より配信、コナミデジタルエンタテインメント) --400MSPで配信中。オンラインランキング、オンライン対戦や協力プレイに対応している。 // 2011/5/14配信を確認、情報は正確に -アーケードアーカイブス(2019年4月11日、ハムスター) --SwitchとPS4で配信された。価格は823円(税込)。 -オムニバスソフト --コナミアンティークスMSXコレクション Vol.3(プレイステーション、1998年3月19日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミアンティークスMSXコレクション ウルトラパック(セガサターン、1998年7月23日発売、コナミ) ---MSX版の収録。 --コナミ80'sアーケードギャラリー(アーケード/プレイステーション、1998年稼動/1999年5月13日発売、共にコナミ) ---アーケード版の収録。 --コナミアーケードゲームコレクション(ゲームボーイアドバンス、2002年5月2日発売、コナミ) ---アーケード版の収録。2005年11月3日にてベスト版が発売。 --[[コナミアーケードコレクション]](ニンテンドーDS、2007年3月15日発売、コナミデジタルエンタテインメント) ---アーケード版の収録。開発は良移植で定評のあるM2が担当。 ---- *タイムパイロット'84 【たいむぱいろっと はちじゅうよん】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |発売・開発元|コナミ|~| |稼動開始日|1984年|~| |判定|なし|~| |ポイント|完全SF路線に変更された続編&br()37年目で家庭用初移植|~| **概要('84) -前作が好評だった故か、2年後には続編である本作がリリースされた。 -1~2人交互プレイ可能、全6ステージ構成、ループ制。 **基本操作 -レバー+2ボタンで操作。 --レバーで自機の360度移動/向き調整、二つあるボタンは各自、ショットとハイパーミサイルに使用する。 --移動とショットに関しては前作とほぼ同じなので割愛する。新システムのハイパーミサイルは、いわばもう一つのショットというべき存在にあたる。 **前作からの変更点・評価点 -前作は横視線の空中戦メインだったが、本作は縦視線の地上戦オンリーとなっている(ゲームのプレイ感覚は全く同じ)。また、前作の特徴であったステージクリア後に別時代へ移行する演出は廃され、本作は近未来の無機質なるSF世界のみが舞台となっている(ステージクリア後の自機ワープ演出は健在)。 -流石に1984年リリースだけあって、グラフィックは前作よりもカラフルとなり、視覚的なパワーアップがなされている。前作にはなかった要素として、各敵の配置に対空と対地の高低差が取り入れられている。 -本作のショットは二門のため、敵を捉えやすくなっている。そのため、難易度が前作より下がっている。 -本作ならではのシステムとして、緑の敵(対空敵のみ)はショットでしか破壊できず、青の敵(対空敵と対地敵の二種類がいる)はハイパーミサイルでしか破壊できないようになっている。例えるならば、タイムパイロットに『ゼビウス』などの対空対地ショットの概念を取り入れたシステムというべきか。 --一応、青の対空敵に対してショット84発(ゲームタイトルとかけている)を撃ち込めば倒せるが、普通にプレイする上ではただめんどくさいだけであり、あくまでネタでしかない。 --青の敵に対しては自機前方にいる敵を自動的にロックし、ハイパーミサイルを放てばそいつを追尾してくれる。これも例えるならば『レイフォース』のロックオンシステムのような性能というべきか。 --青の対地敵は、当然ながら飛行している自機が触れてもミスにはならない。 --ボスに対してはすべてハイパーミサイルでしかダメージをあたえられない(ショットは一切無効)。ボスを倒せば次ステージに移行する。 --前作のパラシュートに代わって背景の特定個所に近付くと出現する隠しボーナスキャラが新たな稼ぎ要素となっている。中には前作の自機の編隊も。 -クリア条件やミス条件などは前作同様なので割愛する。 **問題点('84) -前作と比べて見た目が地味 --グラフィックは確かに綺麗になったものの、どのステージも似たような背景である上に前作では各ステージで敵が様変わりしていたのに対して、本作ではステージを進めても敵の変化が少ないのが要因。 -アーケード版では''56面をクリアするとバグにより強制リセットがかかってしまう。''(所謂「キルスクリーン」) **総評('84) 時代を先取りしたシステムを取り入れ、時代相当の外見にパワーアップした続編ではあったが、その存在は前作の比にならない位にマイナーであまりヒットはしなかった。 マイナーな目で見られがちな理由として考えられるのが、すでに前作の完成度が極まっていた故に本作のインパクトが薄かった事、前作とはあまりにも外観が変わりすぎて敬遠されやすかった事、そしてカラフルになったとはいえ、1984年リリースのゲームとしては全体的に地味さ加減が漂っていて受けが悪かった事、などが挙げられる。 もちろんマイナーだからといって出来が悪かったなんて事もなく、ちゃんと前作の遺伝子も多く受け継いでおり、遊べるゲームではある。コナミの続編ものは(一部例外を除けば)前作程のヒットはしない法則があると言われるが、本作もまたそれに当てはまっている様である。 **余談('84) -前作の家庭用移植の豊富さとは違い、2021年5月27日にアーケードアーカイブス(Switch/PS4)にて''37年目にして家庭用初移植''となった。 --なお、この移植版では''上記の「56面クリア後に強制リセットがかかるバグ」が修正されて57面以降も遊べるようになり、ようやく本来の形でプレイできるようになった。''

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