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*テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士- 【ているず おぶ しんふぉにあ らたとすくのきし】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:響き合う心を信じるRPG)|#amazon(B000UTM32O)| |対応機種|Wii|~| |メディア|12cm光ディスク 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2008年6月26日|~| |価格|7,140円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|恋愛、暴力、犯罪、言葉・その他|~| |廉価版|みんなのおすすめセレクション:2010年2月25日/2,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|微妙な秘奥義の数々&br;練りこみ不足な前作キャラの扱い&br;魔物育成や主人公とヒロインの関係性など、評価される点もあり|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク>テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 略称『ラタトスク』『TOS-R』。『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の続編で、2年後の世界を描く。~ ワールドマップから直接目的地を選択して移動したり、章仕立てとなっていたり、前作とは色々と変更されている部分もある。 当時は「マザーシップタイトル(本編作品)/エスコートタイトル(外伝作品)」というシリーズ作品の分類が出来たころで、本作がどちらに分類されるかについて「ユーザーに委ねる」とするスタッフの発言があったが、その後はエスコートタイトル扱いされていた(2020年に分類自体が撤廃)。なお、二人の主人公がおともや前作キャラを引き連れて冒険するという作品形態は、マザーシップタイトルよりも本作と同じくエスコートタイトル扱いだった『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン]]』に近い形である。 キャラクターデザインは奥村大悟。藤島康介は前作のデザインに関わっただけであり、今作では関わっていない。プロデューサーは前作は吉積信だが本作は郷田努になった。 ---- **評価点 -本作では、基本的にパーティキャラと呼べるのは主人公エミルとヒロインのマルタの二人のみ。他は、モンスターとNPC扱いのキャラだけである。 --これだけ見るとどこが評価点なのか分からないだろうが、キャラが少ない分この二人の成長に深く主軸を置いており、その点の描写は非常に厚い。 --実際、両者共に序盤は色々な意味で頼りなく幼稚な部分が多い。しかし、それだけにお互いに成長していく様子は見ごたえがある。 ---ちなみに本作の主題歌はシンフォニアの主題歌も歌ったmisonoの『二人三脚』。本編テーマとのマッチ度で言えば歴代シリーズでも屈指。 --戦闘にこそ参加しないもの、テネブラエというお目付役がおり、闇属性らしい言動と声優の演技も相まって主にスキットなどで個性を発揮する。 -戦闘は主人公のエミルがジャンプ力、対空時間ともに異様に高く、空中戦が非常に爽快。また、コンボも繋げやすくヒット数を稼ぎやすい。 -モンスターを仲間にできる。 --モンスターを仲間にするためには属性を意識した戦闘が必要となるため、術やスキルの揃わない前半は狙うのは難しい。しかし、中盤以降は戦術次第でかなり積極的に狙っていける。 --仲間にできるのは一部のイベントバトルやボスを除くほぼ全てのモンスターでその数は非常に多い。また、伝統の料理システムが本作ではモンスターの成長に必須となっており、一定レベル以上で料理を与えることで別のモンスターに進化も可能。 --育てたモンスターはグレードショップの購入で次の周回にも引き継げるため、育てたモンスターが無駄になることは無い。 ---また、モンスターの収集がセンチュリオンの力に繋がるという設定を活かしたギミックがエミルのスキルに仕込まれており、特定の属性のモンスター(種類は問わない)を集めて対応したセンチュリオンの属性変化技を使うと、その特技の威力が上がるという仕様も((当然ながら、232体の枠全てを同じ属性で統一するとその対応特技はとんでもない威力になる。))。 -スキルシステム・SP --本作では一定レベルに達することでスキルが習得できるが、それぞれのスキルにはSPという値が設定されている。 --スキルの合計SPがキャラの最大SPに収まる範囲内でないと、スキルを装備することができない。最大SPはモンスター含め、各キャラの「器用」の値に比例して一定値まで増加する。 ---これにより、アビスのADスキルに見られた欠点(習得したすべてのスキルを装備できる、外す必要がない)を克服することができたといえる。このSPシステムは以降の作品でも若干形を変えつつも採用されていることから、スキルシステムの一つの極致に達したといえよう。 -モンスターの育成の自由度の高さ --今作ではレベルアップ時の能力成長がその時の能力バランスに応じて変化するようになっており((エミルとマルタにも一応適用されているが、自由に育成できるモンスターの方が顕著))、料理、アクセサリーでモンスターの能力を調整して自分の思うような能力バランスに仕上げることが可能。これまでのテイルズではドーピングアイテムの入手難易度の都合でとても出来なかった「攻撃や防御のカンスト」すらも達成可能。 --これと料理、グリモア(スキルや術を習得させるアイテム)、シンクロ((モンスターを仲間にしたときにランダムで決まる特性))の組み合わせによって育てたモンスターの強い弱いもはっきり分かれてくるため、非常に奥が深い((一例を挙げると、物理攻撃に特化したモンスターなのに術攻撃ばっかり上げる育成を施しても使い物にならず、反対に物理攻撃に特化させて9999まで上げると超火力で雑魚を次々となぎ倒してくれるようになる。))。 --もちろん、これまでのテイルズ同様に普通のドーピングアイテムも存在する。2周目以降限定とはいえこちらも入手難易度がこれまでと比べて下がっており、やり込み次第ではレベル上限の低いモンスターですら一軍登用可能である。 -2周目からの隠しダンジョンや高難易度モードなどしっかり搭載。 --今作では難易度を上げるほどコンボボーナスが飛躍的に増える仕様となってため、高難易度の見返りは非常に大きい。 -イベントスキップ機能の搭載(特定のイベントでBボタン押しっぱなし)。 --PS3版『ヴェスペリア』以降ではお馴染みとなっている機能であるが、搭載されたのは本作が初。 -OPしかアニメは無いが、そのOPアニメの出来はいい。 ---- **賛否両論点 -本作では、クラトスを除く(一応特定のイベントでは登場する)前作のパーティキャラが全て登場するのだが、その扱いには賛否が分かれる。 --前作キャラは前述のNPCにあたり、レベル・装備固定という扱いで明らかにお荷物か足手纏いでしかない。 --一応同レベルのエミル達よりは強めに設定されているのだが、仲間になるだけに等しく強化が非常に困難((最終章での加入後に薬草類を使用すると「その周回に限り」能力強化が可能。もっとも、前作キャラにつぎ込むくらいなら引き継ぎ可能なモンスターにつぎ込んだ方が明らかに見返りが大きいのであるが…。))なためあっさり抜かれてしまうこともある。 --しかもパーティトップに出来ず、操作するには戦闘ごとに切り替えをする必要がある、U・アタックが発動できないなど自由に使う事が出来ない、秘奥義のカットインが一切登載されていないため、前作キャラに思い入れのある層からは反発が強い。 ---一方で、彼らは前作のエピソードを経て既に成長したキャラとして描かれ、エミル達の成長に手を貸すというポジションであり、作中の扱いに準じた仕様と肯定的に捉える意見もある。ただし見た目には変化や成長は無い。2年も経過していてほぼ全員が同じ服装なのは流石に違和感が強い。 -基本的に前作キャラは性格などを踏襲しているのだが、唯一主人公のロイドだけは性格が大きく変わっている。 --ロイドは本作の主人公エミルにとって親の敵であり、彼を追うことで前半のストーリーは展開する。その都合上ロイドを非難したりする場面が非常に多く、前作のロイドが好きなファンにとっては辛い展開が続く。 ---ロイド自身、前作とは違いクールなキャラとして描かれており、前作の「クールに徹しきれていない熱血漢」のロイドが見たかったファンからは違和感と共に批判される事となった。 ---ただし、ロイドの行動の理由はきちんと作中で説明されている。前作から2年という月日の経過もあり、自身の役割や責任を考えれば変わって当然とする声もある。また、彼と非常に関わり深いとあるキャラクターと似て来たとも取れる。 --本作のあるイベントでは女性陣に対しては明らかに恋愛感情を持って接しているものがある。前作が前作なのでその描写に違和感を抱くファンもおり、一部からは強い非難の声が上がっている((変にリアルな内容のせいで、前作で「攻略王」とネタにしていたファンからも「後々がこうなるとわかったら生々しすぎてネタに出来なくなった」と言う嘆き(?)の声も上がっている。))。 ---前作は好感度システムなどの影響で「攻略王」なる異名を一部のファンから与えられたロイドだが、彼自身はむしろそう言った恋愛感情というものには疎く、他者からの好意も言われるまでは気付かないこともあって、異性に対しても特別な感情を抱く素振りはなく、あくまで「大切な仲間の1人」という接し方をしていた。 -主人公エミルはスタート時点で町の人間から白い目で見られており、かなり辛辣な言葉を浴びせられる。人によってはかなり不快に思うことも。 --そのエミルも所謂二重人格キャラであり、もう一つの人格になるとかなり攻撃的な性格となる。戦闘中の台詞も自己中心的で人によっては不快な思いをする。 -マルタはシリーズ屈指のデレデレヒロインであり、歴代のテイルズオブシリーズのヒロインの中とは異なったイメージとなっている。 -エレメントグリッドの仕様 --大属性と同じ属性のモンスターは短いスパンでHPが1%ずつ継続して回復する仕様がある……のだが、こっちはHPの都合で99しか回復しないためまるで足しにならない上、敵は人間でも構わず回復する理不尽な仕様になっている。 -育成のスタイルは色々あるが、結局火力ゲーが最適解 --全体的に今作の敵は硬めの調整であり((周囲の雑魚と比べて異常に高いHPを持つ敵がどの地域でも出てくる))、エミルやマルタ含め、人間キャラの火力では致命傷を与え辛い事が多い。 --ここにエレメントグリッドの自動回復の仕様が加わるため「ものすごく高いHPの敵ほど、倒すまでに時間がかかってより多くHPを回復してしまう」事になっており、戦闘開始直後にエレメントグリッドを変える以外でこれを避けるには一気に敵を倒し切る必要がある。結果として、火力の強いモンスターが必要となってくる。 ---更に高難易度では「HPが高かった敵ほど、よりHPが高くなる」ため、ますます火力が要求されるシステムとなっている。 ---一方で防御面を強化してもHPは9999で打ち止めとなり、防御、術防御の9999もアンノウンのクエストの敵などが相手だと平気で貫かれてしまう。更に超装甲モンスターは育成システムの都合で大体低火力であるため、インフレした相手のHPを削りきれず非常に厳しい戦いを強いられる事になる。結果、超火力の紙~並装甲モンスターで「やられるまえにやる」方が簡単に勝ててしまうのである。 ---- **問題点 //-秘奥義が主人公:エミルを除く各キャラに1つしかなく(シンフォニアでも一つだったのだが、ヴェスペリアやアビスでは一人のキャラが複数の秘奥義を使えた)// //エスコートタイトルでしかない本作において秘奥義が一つだけであることが問題かどうか微妙なのでco// -秘奥義の威力、描写に格差が起きている。敵全員を攻撃するものがあれば、全てスカるものもあったり。前述したがシンフォニアからのキャラクターは秘奥義にカットインすら設けられていない。 --最初にただポーズとるだけでなかなか攻撃を開始しない秘奥義が多くテンポが悪い。 --特にリーガルの「殺劇舞荒拳・貪狼」はどう見ても作りかけの所で止まる((敵に対して数発蹴りを入れるだけ。大きく動くこともなくSEも「カシュッカッシュ」と言った情けないもの。))ため、「手抜き秘奥義」や「ガッカリ秘奥義」や「ガッカリーガル」と呼ばれる事も。((ちなみにリーガルは前作キャラで唯一服装が2種類ある。微妙な優遇点である。)) ---解析の結果、リーガルの秘奥義の続き「済んではいない!…はあああぁぁぁぁぁっ!!沈めえぇぇっ!!」というセリフがあることが判明。 --コレットの秘奥義は「ホーリーソングの詠唱を間違えたら偶然発動したもの」で、前作では失敗時には「失敗、失敗~♪」と「てへっ」とした表情のカットインが出されていた。しかし、本作はカットインが用意されておらず、秘奥義発動までの一連のやり取りを、&bold(){無表情}で行うため、違和感が強い。 --また、ジーニアスも前作の「インディグネイト・ジャッジメント」が「インディグネイション」に変更されている。しかもジーニアスは前作同様、&bold(){普通の術としても「インディグネイション」を習得する}。 //---これは「『アビス』の流用(『アビス』でのこの系統の秘奥義は「インディグネイション」であり「インディグネイト・ジャッジメント」ではない)が利かないから変更をされたのでは」と言われている。因みにコレットの術技にエンジェルフェザー等がしいなの術技に降霊召符・○(召喚術)等が無いのも同じく『アビス』の流用が利かないからとの事。 //---ただし、イベントではコレットはエンジェルフェザーを、しいなは降霊召符・氷及び降霊召符・水を使用している。 //インディグネイション関連は推測として書かれているが、エンジェルフェザー関連は推測なのか公式に出されたコメントなのかわかりにくくなっている。修正が必要。 --一方、しいなの「風塵封縛殺」や、ゼロスの「シャイニングバインド」、デクスの「シュトルム・ウント・ドランク」など、出来の良い秘奥義もある。 --エミルは「魔王獄炎波」から追加入力で隠し秘奥義「アイン・ソフ・アウル」に派生するのだが、中盤のイベント後から突然使えるようになるため、気づかないプレイヤーも出たほど。肝心の性能は「その辺の上級術と同じくらいの低威力」「光属性で、センチュリオン変化技同様、光属性の魔物の数に応じて威力が上がる癖の強い仕様」「術判定(エミルの術攻撃が最低クラス)」「6ヒットするのに、倒した敵への追撃に使うと何故か一回しか当たらない」「消費TPが1~100の間でランダム」とお世辞にも使いやすいとは言えない。 --しかも終盤のイベント後は使えなくなる(ボイス・カットインも変更される)。さらに敵リヒターに使用した場合、カウンター秘奥義「エターナル・リカーランス」で逆に瀕死にされてしまう。これはひどい。 ---余談だが、この技を発動する際の台詞は「&bold(){闇}に飲まれろ」である。上に示したようにこの技は&bold(){光属性}である。詐欺だ。((ちなみに本作では別の人物も闇と言いながら別の属性の技を使用する)) -術はエフェクトから詠唱台詞まで『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の使いまわし。 --使いまわす都合上か、『アビス』にしか存在しなかった「タービュランス」「アイシクルレイン」「セイントバブル」も登場する。一方『シンフォニア』から存在した術が多く削られており、当然シンフォニアキャラも使用するため、ジーニアスに至ってはもはや劣化版ジェイド状態となってしまっている。 --そしてシンフォニア、アビス両方で存在する魔術はサンダーブレード((アビスでは斜め上から雷の剣が降ってくるが、シンフォニア仕様で真上から降ってくる))を除いて全てアビス基準である。「フォトン」「プリズムソード」「アブソリュート」などはシンフォニアの面影も無い。 --アビスの使いまわしの影響を受けたのか、コレットの天使術「エンジェルフェザー」やしいなの召喚術に至っては削られてしまっており、イベントでは普通に使っているのに戦闘では使えないという有様。後述のバグの中身が中身だけに、アビスの流用が出来ないから削られた可能性が高い。 --マップ切り替え時のロードが長いという欠点も引き継いでいる。流石に『アビス』程ではないがそれでも1回につき5秒ぐらい読み込む。 -モンスターを仲間に出来る…のだが、オート固定。攻撃や支援に特化した優秀なAIも多く設定されており、優秀だがやはり個性的なモンスターを自分で一切操作できないのは勿体ない。 --一方で人間キャラのAIがかなり劣化している。かなりの頻度で通常攻撃から特技、奥義というコンボを繰り出していたアビスまでのAIと比べると明らかに技だけを偏重し、特技や奥義を乱射してTPが瞬く間に枯渇しがち。 --ほかにも戦闘周りでは不便な仕様が多く、詠唱待機や攻撃術のターゲット変更が出来なくなっている。詠唱待機が出来ないために味方にかける術のターゲットを上手く決められなかったり((詠唱を早くしすぎると使いたいキャラにターゲットを合わせる前に勝手に発動してしまう。更に味方にかける術は最初にカーソルが合うキャラが一定の法則に従って勝手に決められる仕様で、下手をするとHPの回復すら思うようにできない))、術発動前に敵を倒してしまったために何もない空間を攻撃したり((データ上はそこにHP0の敵が居て、敵のレイズデッドで蘇生されたら何もない空間から突如復活する))と、術キャラ(特にマルタ)を操作していると細かいところでストレスが溜まる。 -今作では人間が全員倒れるとその場で全滅扱いになってしまう。全体的にモンスターの方が能力が高いうえ、前作キャラがあまり使い物にならない今作の仕様においては地味に厳しい物がある。 --エミルもマルタも『攻撃性能はモンスター並かそれ以上に強いが防御面は弱い』キャラであるため、乱戦になってしまうとこの仕様が響いてくることがある。 --当然のことながら、エミルかマルタしか人間を戦闘に出さない(モンスター3体を戦闘に出す)プレイの場合は自分が倒された瞬間ゲームオーバーとなってしまい、かなり厳しい戦いを強いられることに。 -また、アビスの使いまわしをしなければ発生しえないようなバグ((アビスとラタトスクで効果が反対になっている薬草があり、能力を9999まで上げるとカンストして、本来ならその薬草は使えなくなるはずなのに何故か使え(もちろん無意味)、アビスの使用不可フラグを引っ張ってきているせいでカンストしてない方の能力を上げる薬草が使えなくなる))まである。 //-バグの中身を詳しく書くと、アビスのベルベーヌ系統は物理防御を、カモミールは術攻撃を上げますが、ラタトスクではベルベーヌ系が術攻撃を、カモミールが物理防御を上げる効果になっています(逆になっている)。 //-バグの詳細は「術攻撃が9999(カンスト)でもベルベーヌが使えてしまい、カモミール(防御アップ)が使えなくなる」「物理防御カンストなのにカモミールが使え、ベルベーヌが使える」というもの。公式発表は無いですが、どう考えてもアビスの使いまわしをしたから起きたバグです。 //-戦闘中の前衛人間キャラAIの酷さ(ほとんど単発の技と奥義しか使わずTPがあっという間に切れ、オートアイテムを許せばあっという間にオレンジグミを食い尽くす)や詠唱待機が出来ないこと、戦闘中に術のターゲットが倒されてもターゲットが変更されず何もない空間に魔術をぶっ放す、他の味方が回復魔術を詠唱しているとプレイヤーがそいつに回復魔術を使おうとしても他のけが人にターゲットが自動設定される(たとえそいつのダメージが1でも)、グローリーがあっても攻撃を数回食らうと何故か詠唱を止める味方モンスター…って問題点に入るかな?とりあえずcoに入れておきます -装備に付属するスキルを始め、一部のスキルが異常である --ものによってはゲームバランスを著しく崩壊させるほどで、一部の装備は比較的早期に入手できてしまう。 --例えば合成(前作のカスタマイズに相当する物)で入手できるエミルの武器に付属する「アクセル」というスキルはあらゆる攻撃の硬直を短くする。これを装備すると、一部の技どころかなんと通常攻撃だけで敵をハメてしまえる。入手難度もそう高くないため、これ一つあれば他の装備は不要なレベル。 --こともあろうにアクセル付きのその武器に更に今作強スキル筆頭の「クリティカル2((常時クリティカル率+10%))」までついているので、本来であれば最強のはずの武器すら不要となってしまう((この最強武器にはHPの自動回復効果があるが今作の自動回復は10秒に1回程度と回復ペースがあまりに遅く後述のメンタルシンボル以外まるで使い物にならず、300程度しかない攻撃力の差は高レベルでは誤差の上、クリティカル2の発動率とダメージ期待値やグローリー持ちへの対抗手段も考慮すると、明らかに合成で作れる剣の方が有用))。 --術技の消費TPを節約する「テクニカル」というスキルは、1・2・3の三種類があるのだが、1が20%、2が33%消費TPを軽減するのだが、本作は消費TPが全体的に高水準のため、あまり効果が見られない。上記のように本作のAIがTPを消費する術技を連発する傾向にあるのも原因の一つといえる。 //テクニカル1は20%なので訂正。 ---だが、「テクニカル3」ではあろうことかノーリスクで全術技の消費TPを1にしてしまうという無茶苦茶な効果となっている。この効果を得た状態でTP自動回復効果のある「メンタルシンボル((TPが約10秒ごとに3%自動回復するスキルのあるアクセサリ))」をつけた場合、どれだけ術技を乱発してもTP回復が消費ペースに間にあう都合上、文字通り永久機関と化し、&bold(){絶対にTPが切れなくなってしまう}。 ---一応このスキルのついた装備が入手できるのが終盤にしか行けない隠しダンジョン(しかも条件の都合上一周目では行きにくい)であるため、あまり問題にはならないが。 --詠唱時間を短縮する「スピードスペル」系は重複するため、自前の分とこれらのスキルがついた装備を合わせると、あらゆる術が一瞬で発動する。 ---マルタに至ってはこれにより「フォトン」を連発するだけで&bold(){ラスボスや隠しボス、更にグローリー持ちの敵すら単独でハメ殺す}((フォトンは敵をダウンさせないため、コンボが途切れない。また、グローリー持ちの敵にフォトン連発をすると敵はガード→ガードブレイク→仰け反り回復してまたガード…をこちらの術が止まるまで繰り返すだけになる。))ことも。だが今作では詠唱待機を行えないため、上で述べたように発動が早すぎて治癒術のターゲットを選択することができないという問題が発生してしまう。 --一方で、「アビス」で脅威を振るっていた「グローリー」((一部例外を除いたあらゆる攻撃を受けても決して仰け反らなくなるスキル))が弱体化されている。クリティカル攻撃が発生すると仰け反ってしまう上、AIは術の詠唱中に攻撃を受けると防御しようとして詠唱を中断してしまう。そして防御した結果ガードブレイクが発生し、結局仰け反ってしまう。…と、著しく弱体化している。 ---元々が強力すぎるスキルであったために前者については仕方ないという意見もあるが、後者はAIがスキルの効果を活かしきれていないという問題を示している。 --また、技の属性変化を起こすセンチュリオンスキルにも、習得時期によって格差が発生してしまっている。 ---中でも「空牙衝」という技を変化させる「アクア」は最終盤、文字通りラスボス直前でようやく習得するほどである。 -やり込みを進めるとクリアが非常に困難になってしまう #region(理由。シナリオのネタバレ含みます) -シナリオの最後の最後にエミル一人で戦う負けイベントが用意されており、敵として出てくるロイド、マルタに負けなければいけない場面があるのだが、この場面で戦う彼らのステータスがあまりに低く(直前に四人で戦うラスボスとは比べ物にならないほど弱い)、対策なしで挑むとノーマルの一周目でもなければエミルのHPを0にするのにかなりの時間がかかってしまう。 --一応難易度の補正を受けて強化はされるのだが、育てたエミルにHP自動回復効果の装備を付けてしまった場合、被ダメージ<回復量となる可能性も高く、最悪自殺できずに詰んでしまう事も。 --質が悪いことにここの負けバトルで勝ってしまうと後味の悪いバッドエンドになって直前のイベントからやり直しとなってしまう(クリアしたことにならない)ため、エミルを育てすぎた場合(難易度を隠し難易度のアンノウンに変えても敵から1ダメージしか受けられない)は最悪何時間も放置する必要がある。 --一応本作には「レイズデッド発動直前にタイミングよく全滅すると何故か勝利する」バグがあるので、それを敵に引き起こせば(ロイドを倒すと敵マルタがレイズデッドを使う)短時間で勝つことも可能だが、失敗したらもちろん直前のラスボスからやり直しである。 --救済措置として(?)最大HPや防御を低下させる装備が存在するため、それらを装備すれば死にやすくなる。早く死ぬために装備を用意する羽目になるとは……。 #endregion -3周目以降特定条件で解放される難易度が何故か消える。 --今作の最高難易度「アンノウン」は、難易度「マニア」「アンノウン」で通してプレイすることで次の周回から解放される仕様になっているのだが、解放された周回で一度でも難易度をハード以下に下げてしまうと、クリアした時に難易度「アンノウン」が消されてしまって選択不能になる謎の仕様があり((もしアンノウンでクリアした場合、選択不能になったアンノウンにカーソルが合ったままになっていて、表示されているノーマル~マニアのどれも選択されていない。その状態で難易度を変えるとアンノウンに戻せなくなる。))、再度クリアしないと再び自由に難易度を選べない。 --他のテイルズで「解放された難易度が選択不能になる」などというのは無く、ラタトスクのみの謎仕様である。 -近年のテイルズ オブ シリーズによくある、装備することでコスチュームの変わる称号が無い。 -また、ダンジョンも大半が前作の使いまわしである。 ---- **総評 システム面での粗や他作品からの流用に依存している故の不具合、不自然さが兎に角多く、「作りこみの甘さ」「手抜き感」が目立つ出来になってしまった。~ 前作キャラクターとの共闘要素を謳っておきながら、その肝心の前作キャラの扱いに悉く難や不自由が多いというのも、前作ファンからの評価を下げる一因になっている。 ストーリーに関しては、前作の主人公ロイド達の後日談として見るか、本作の主人公エミルとマルタの物語として見るかで評価ははっきり分かれる。~ シナリオ自体は決して悪くはないのだが、前作キャラに愛着を持ちその活躍を期待する層からはかなり厳しい評価を受けた。一方従来のテイルズの主人公像、ヒロイン像とは違うエミルとマルタに対し好意的な意見を持つファンもいるのも確かである。 粗こそ多いもののシステムの大元やその調整そのものは中々なもので、今迄のシリーズには無い斬新な試みが多く散りばめられている意欲作でもある為、前作要素の扱いをそれほど気にしない人ならば充分楽しめる作品である。 ---- ---- **余談 前作ライター実弥島氏は当初は前作の400年後の物語を提案、しかし上層部の意向で数年後という設定に変更されロイドらの再登板をしたという経緯がある。また、プレセアの出番が特に少ない理由を氏は「前作で描き切ったから」と公式攻略本で語っている。((大まかにいえば過去に囚われた体も心も、前を向いていくという内容だった。))~ 本作は大筋こそ実弥島氏が協力しているが、細部は『テイルズ オブ リバース』を担当した平松正樹氏。この平松氏は発売前の公式ブログでコレット・ゼロス・プレセアについて「キャラを理解できない」といった批判とも取れる発言をしている。彼らの出番が少ないことと無関係ではないだろう。~ 『リバース』公式攻略本でも氏は『シンフォニア』のストーリーを「人が死に過ぎている」と批判している。 氏の名誉のために言っておくが、シンフォニアのストーリーについての発言は「演出のために安易にキャラを殺さない」という自分のスタンスを主張した際のもので、「あちら(シンフォニア)は人死にが多いが、それは目的のために何故ここまで多くの命が奪われなければならないのか、という問題提起の仕方」をとっているのであり、「キャラが死ぬ展開やその手の展開が多いシンフォニアを批判している訳では決してない」、ということを明言している。((尤も氏は『リバース』のエンディングで演出のためにやったとしか思えない重要人物の突然の死を展開してプレイヤーを戸惑わせているため、自身のスタンスへの主張と取るには説得力に欠ける。)) 出来が甘かった点に対して、製作者側は『[[テイルズ オブ ヴェスペリア]]』にスタッフが回されていたからと語っている。つまり出来が甘い事は認めている事になる。 //『[[テイルズ オブ ジ アビス]]』の失敗を繰り返した(『アビス』も『シンフォニア』の移植にスタッフが回されていた)。 //↑移植作品(ToS)に主力スタッフが取られて新作本編(ToA)の作りが甘くなるのと、新作本編(ToV)に主力スタッフが集中して残った人が派生作品(ラタ)を作るのとでは全然意味合いが違う。 しかし、意外と一般受けが良かったようでニンテンドーチャンネルのオススメランクでブロンズを獲得しており(発売当時、まだWiiのRPGが少なかったという影響もある)、「みんなのオススメセレクション」として廉価版が発売されている。~ またキャラの面で見ても、主人公エミルはそれなりの人気を獲得し、前主人公ロイドもこの作品の影響で人気を上げている(『ヴェスペリア』までのキャラ人気投票でエミル十位、ロイド四位)。未完成秘奥義や削られた要素などをきちんと補完した上で移植やリメイクを望むファンもそれなりにおり、一概にファンから批判視されているというわけでもない。 ---- **北米版について 本作は北米向けにも発売されており、追加要素がある。 -GC版シンフォニアとのセーブデータ連動。 -キャライラスト・アートなどが見れるギャラリーモード、スキットライブラリの追加。 -エミル・マルタ用の頭装備「ヘッドチェンジ」が追加。 --後の作品のアタッチメントのようなもので、戦闘中のみキャラの外見が変化し、パラメータもアップする。 これら追加要素の一方で主題歌は削除されている。 //分けて書いとかないと主題歌の削除も追加要素っぽくなっちゃってるので…。 ---- **その後 -『テイルズ オブ ハーツ』の特典DVDに主人公のエミルが出演。 -『[[テイルズ オブ バーサス]]』に本作のキャラクター、リヒターが参戦するが、主人公のエミルは参戦せず。 --制作側は「エミルはマルタとセットで出したいが、リヒターが人気なのと『ラタトスク』には初めから一人分の枠しか確保してなかったから無理だった」と語っている。 -『バーサス』の特典DVDには本作のライバルキャラであるアリスも出演した。 -『[[テイルズ オブ グレイセス]]』の魔法カルタに、エミルとマルタのカルタが登場している。 -『レディアント マイソロジー3』にエミル・マルタ・リヒターが参戦している。 -『ツインブレイヴ』にエミル・マルタが参戦している。 -北米版の要素を追加した状態で、前作『テイルズ オブ シンフォニア』とのセットとしてPS3に『[[テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック]]』のタイトルでHDリマスター移植版が発売されている。 --公式HPではどことなくリメイクを思わせるようなアピールをしている節があるが、あくまで北米版ベースの「HDリマスター」である。 --ゲームデータはHDDに丸ごとインストールされるようでWii版から大幅にロード時間が短縮されていて、ほぼロード時の黒画面が挿入されない。 ----
*テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士- 【ているず おぶ しんふぉにあ らたとすくのきし】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム&br()(シリーズ内ジャンル名:響き合う心を信じるRPG)|#amazon(B000UTM32O)| |対応機種|Wii|~| |メディア|12cm光ディスク 1枚|~| |発売元|バンダイナムコゲームス|~| |開発元|ナムコ・テイルズスタジオ|~| |発売日|2008年6月26日|~| |価格|7,140円|~| |プレイ人数|1人(戦闘のみ1~4人)|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |コンテンツアイコン|恋愛、暴力、犯罪、言葉・その他|~| |廉価版|みんなのおすすめセレクション:2010年2月25日/2,800円|~| |判定|なし|~| |ポイント|微妙な秘奥義の数々&br;練りこみ不足な前作キャラの扱い&br;魔物育成や主人公とヒロインの関係性など、評価される点もあり|~| |>|>|CENTER:''[[テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク>テイルズ オブ シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 略称『ラタトスク』『TOS-R』。『[[テイルズ オブ シンフォニア]]』の続編で、2年後の世界を描く。~ ワールドマップから直接目的地を選択して移動したり、章仕立てとなっていたり、前作とは色々と変更されている部分もある。 当時は「マザーシップタイトル(本編作品)/エスコートタイトル(外伝作品)」というシリーズ作品の分類が出来たころで、本作がどちらに分類されるかについて「ユーザーに委ねる」とするスタッフの発言があったが、その後はエスコートタイトル扱いされていた(2020年に分類自体が撤廃)。なお、二人の主人公がおともや前作キャラを引き連れて冒険するという作品形態は、マザーシップタイトルよりも本作と同じくエスコートタイトル扱いだった『[[テイルズ オブ ファンタジア なりきりダンジョン]]』に近い形である。 キャラクターデザインは奥村大悟。藤島康介は前作のデザインに関わっただけであり、今作では関わっていない。プロデューサーは前作は吉積信だが本作は郷田努になった。 ---- **評価点 -本作では、基本的にパーティキャラと呼べるのは主人公エミルとヒロインのマルタの二人のみ。他は、モンスターとNPC扱いのキャラだけである。 --これだけ見るとどこが評価点なのか分からないだろうが、キャラが少ない分この二人の成長に深く主軸を置いており、その点の描写は非常に厚い。 --実際、両者共に序盤は色々な意味で頼りなく幼稚な部分が多い。しかし、それだけにお互いに成長していく様子は見ごたえがある。 ---ちなみに本作の主題歌はシンフォニアの主題歌も歌ったmisonoの『二人三脚』。本編テーマとのマッチ度で言えば歴代シリーズでも屈指。 --戦闘にこそ参加しないもの、テネブラエというお目付役がおり、闇属性らしい言動と声優の演技も相まって主にスキットなどで個性を発揮する。 -戦闘は主人公のエミルがジャンプ力、対空時間ともに異様に高く、空中戦が非常に爽快。また、コンボも繋げやすくヒット数を稼ぎやすい。 -モンスターを仲間にできる。 --モンスターを仲間にするためには属性を意識した戦闘が必要となるため、術やスキルの揃わない前半は狙うのは難しい。しかし、中盤以降は戦術次第でかなり積極的に狙っていける。 --仲間にできるのは一部のイベントバトルやボスを除くほぼ全てのモンスターでその数は非常に多い。また、伝統の料理システムが本作ではモンスターの成長に必須となっており、一定レベル以上で料理を与えることで別のモンスターに進化も可能。 --育てたモンスターはグレードショップの購入で次の周回にも引き継げるため、育てたモンスターが無駄になることは無い。 ---また、モンスターの収集がセンチュリオンの力に繋がるという設定を活かしたギミックがエミルのスキルに仕込まれており、特定の属性のモンスター(種類は問わない)を集めて対応したセンチュリオンの属性変化技を使うと、その特技の威力が上がるという仕様も((当然ながら、232体の枠全てを同じ属性で統一するとその対応特技はとんでもない威力になる。))。 -スキルシステム・SP --本作では一定レベルに達することでスキルが習得できるが、それぞれのスキルにはSPという値が設定されている。 --スキルの合計SPがキャラの最大SPに収まる範囲内でないと、スキルを装備することができない。最大SPはモンスター含め、各キャラの「器用」の値に比例して一定値まで増加する。 ---これにより、アビスのADスキルに見られた欠点(習得したすべてのスキルを装備できる、外す必要がない)を克服することができたといえる。このSPシステムは以降の作品でも若干形を変えつつも採用されていることから、スキルシステムの一つの極致に達したといえよう。 -モンスターの育成の自由度の高さ --今作ではレベルアップ時の能力成長がその時の能力バランスに応じて変化するようになっており((エミルとマルタにも一応適用されているが、自由に育成できるモンスターの方が顕著))、料理、アクセサリーでモンスターの能力を調整して自分の思うような能力バランスに仕上げることが可能。これまでのテイルズではドーピングアイテムの入手難易度の都合でとても出来なかった「攻撃や防御のカンスト」すらも達成可能。 --これと料理、グリモア(スキルや術を習得させるアイテム)、シンクロ((モンスターを仲間にしたときにランダムで決まる特性))の組み合わせによって育てたモンスターの強い弱いもはっきり分かれてくるため、非常に奥が深い((一例を挙げると、物理攻撃に特化したモンスターなのに術攻撃ばっかり上げる育成を施しても使い物にならず、反対に物理攻撃に特化させて9999まで上げると超火力で雑魚を次々となぎ倒してくれるようになる。))。 --もちろん、これまでのテイルズ同様に普通のドーピングアイテムも存在する。2周目以降限定とはいえこちらも入手難易度がこれまでと比べて下がっており、やり込み次第ではレベル上限の低いモンスターですら一軍登用可能である。 -2周目からの隠しダンジョンや高難易度モードなどしっかり搭載。 --今作では難易度を上げるほどコンボボーナスが飛躍的に増える仕様となってため、高難易度の見返りは非常に大きい。 -イベントスキップ機能の搭載(特定のイベントでBボタン押しっぱなし)。 --PS3版『ヴェスペリア』以降ではお馴染みとなっている機能であるが、搭載されたのは本作が初。 -OPしかアニメは無いが、そのOPアニメの出来はいい。 ---- **賛否両論点 -本作では、クラトスを除く(一応特定のイベントでは登場する)前作のパーティキャラが全て登場するのだが、その扱いには賛否が分かれる。 --前作キャラは前述のNPCにあたり、レベル・装備固定という扱いで明らかにお荷物か足手纏いでしかない。 --一応同レベルのエミル達よりは強めに設定されているのだが、仲間になるだけに等しく強化が非常に困難((最終章での加入後に薬草類を使用すると「その周回に限り」能力強化が可能。もっとも、前作キャラにつぎ込むくらいなら引き継ぎ可能なモンスターにつぎ込んだ方が明らかに見返りが大きいのであるが…。))なためあっさり抜かれてしまうこともある。 --しかもパーティトップに出来ず、操作するには戦闘ごとに切り替えをする必要がある、U・アタックが発動できないなど自由に使う事が出来ない、秘奥義のカットインが一切登載されていないため、前作キャラに思い入れのある層からは反発が強い。 ---一方で、彼らは前作のエピソードを経て既に成長したキャラとして描かれ、エミル達の成長に手を貸すというポジションであり、作中の扱いに準じた仕様と肯定的に捉える意見もある。ただし見た目には変化や成長は無い。2年も経過していてほぼ全員が同じ服装なのは流石に違和感が強い。 -基本的に前作キャラは性格などを踏襲しているのだが、唯一主人公のロイドだけは性格が大きく変わっている。 --ロイドは本作の主人公エミルにとって親の敵であり、彼を追うことで前半のストーリーは展開する。その都合上ロイドを非難したりする場面が非常に多く、前作のロイドが好きなファンにとっては辛い展開が続く。 ---ロイド自身、前作とは違いクールなキャラとして描かれており、前作の「クールに徹しきれていない熱血漢」のロイドが見たかったファンからは違和感と共に批判される事となった。 ---ただし、ロイドの行動の理由はきちんと作中で説明されている。前作から2年という月日の経過もあり、自身の役割や責任を考えれば変わって当然とする声もある。また、彼と非常に関わり深いとあるキャラクターと似て来たとも取れる。 --本作のあるイベントでは女性陣に対しては明らかに恋愛感情を持って接しているものがある。前作が前作なのでその描写に違和感を抱くファンもおり、一部からは強い非難の声が上がっている((変にリアルな内容のせいで、前作で「攻略王」とネタにしていたファンからも「後々がこうなるとわかったら生々しすぎてネタに出来なくなった」と言う嘆き(?)の声も上がっている。))。 ---前作は好感度システムなどの影響で「攻略王」なる異名を一部のファンから与えられたロイドだが、彼自身はむしろそう言った恋愛感情というものには疎く、他者からの好意も言われるまでは気付かないこともあって、異性に対しても特別な感情を抱く素振りはなく、あくまで「大切な仲間の1人」という接し方をしていた。 -主人公エミルはスタート時点で町の人間から白い目で見られており、かなり辛辣な言葉を浴びせられる。人によってはかなり不快に思うことも。 --そのエミルも所謂二重人格キャラであり、もう一つの人格になるとかなり攻撃的な性格となる。戦闘中の台詞も自己中心的で人によっては不快な思いをする。 -マルタはシリーズ屈指のデレデレヒロインであり、歴代のテイルズオブシリーズのヒロインの中とは異なったイメージとなっている。 -エレメントグリッドの仕様 --大属性と同じ属性のモンスターは短いスパンでHPが1%ずつ継続して回復する仕様がある……のだが、こっちはHPの都合で99しか回復しないためまるで足しにならない上、敵は人間でも構わず回復する理不尽な仕様になっている。 -育成のスタイルは色々あるが、結局火力ゲーが最適解 --全体的に今作の敵は硬めの調整であり((周囲の雑魚と比べて異常に高いHPを持つ敵がどの地域でも出てくる))、エミルやマルタ含め、人間キャラの火力では致命傷を与え辛い事が多い。 --ここにエレメントグリッドの自動回復の仕様が加わるため「ものすごく高いHPの敵ほど、倒すまでに時間がかかってより多くHPを回復してしまう」事になっており、戦闘開始直後にエレメントグリッドを変える以外でこれを避けるには一気に敵を倒し切る必要がある。結果として、火力の強いモンスターが必要となってくる。 ---更に高難易度では「HPが高かった敵ほど、よりHPが高くなる」ため、ますます火力が要求されるシステムとなっている。 ---一方で防御面を強化してもHPは9999で打ち止めとなり、防御、術防御の9999もアンノウンのクエストの敵などが相手だと平気で貫かれてしまう。更に超装甲モンスターは育成システムの都合で大体低火力であるため、インフレした相手のHPを削りきれず非常に厳しい戦いを強いられる事になる。結果、超火力の紙~並装甲モンスターで「やられるまえにやる」方が簡単に勝ててしまうのである。 ---- **問題点 //-秘奥義が主人公:エミルを除く各キャラに1つしかなく(シンフォニアでも一つだったのだが、ヴェスペリアやアビスでは一人のキャラが複数の秘奥義を使えた)// //エスコートタイトルでしかない本作において秘奥義が一つだけであることが問題かどうか微妙なのでco// -秘奥義の威力、描写に格差が起きている。敵全員を攻撃するものがあれば、全てスカるものもあったり。前述したがシンフォニアからのキャラクターは秘奥義にカットインすら設けられていない。 --最初にただポーズとるだけでなかなか攻撃を開始しない秘奥義が多くテンポが悪い。 --特にリーガルの「殺劇舞荒拳・貪狼」はどう見ても作りかけの所で止まる((敵に対して数発蹴りを入れるだけ。大きく動くこともなくSEも「カシュッカッシュ」と言った情けないもの。))ため、「手抜き秘奥義」や「ガッカリ秘奥義」や「ガッカリーガル」と呼ばれる事も。((ちなみにリーガルは前作キャラで唯一服装が2種類ある。微妙な優遇点である。)) ---解析の結果、リーガルの秘奥義の続き「済んではいない!…はあああぁぁぁぁぁっ!!沈めえぇぇっ!!」というセリフがあることが判明。 --コレットの秘奥義は「ホーリーソングの詠唱を間違えたら偶然発動したもの」で、前作では失敗時には「失敗、失敗~♪」と「てへっ」とした表情のカットインが出されていた。しかし、本作はカットインが用意されておらず、秘奥義発動までの一連のやり取りを、&bold(){無表情}で行うため、違和感が強い。 --また、ジーニアスも前作の「インディグネイト・ジャッジメント」が「インディグネイション」に変更されている。しかもジーニアスは前作同様、&bold(){普通の術としても「インディグネイション」を習得する}。 //---これは「『アビス』の流用(『アビス』でのこの系統の秘奥義は「インディグネイション」であり「インディグネイト・ジャッジメント」ではない)が利かないから変更をされたのでは」と言われている。因みにコレットの術技にエンジェルフェザー等がしいなの術技に降霊召符・○(召喚術)等が無いのも同じく『アビス』の流用が利かないからとの事。 //---ただし、イベントではコレットはエンジェルフェザーを、しいなは降霊召符・氷及び降霊召符・水を使用している。 //インディグネイション関連は推測として書かれているが、エンジェルフェザー関連は推測なのか公式に出されたコメントなのかわかりにくくなっている。修正が必要。 --一方、しいなの「風塵封縛殺」や、ゼロスの「シャイニングバインド」、デクスの「シュトルム・ウント・ドランク」など、出来の良い秘奥義もある。 --エミルは「魔王獄炎波」から追加入力で隠し秘奥義「アイン・ソフ・アウル」に派生するのだが、中盤のイベント後から突然使えるようになるため、気づかないプレイヤーも出たほど。肝心の性能は「その辺の上級術と同じくらいの低威力」「光属性で、センチュリオン変化技同様、光属性の魔物の数に応じて威力が上がる癖の強い仕様」「術判定(エミルの術攻撃が最低クラス)」「6ヒットするのに、倒した敵への追撃に使うと何故か一回しか当たらない」「消費TPが1~100の間でランダム」とお世辞にも使いやすいとは言えない。 --しかも終盤のイベント後は使えなくなる(ボイス・カットインも変更される)。さらに敵リヒターに使用した場合、カウンター秘奥義「エターナル・リカーランス」で逆に瀕死にされてしまう。これはひどい。 ---余談だが、この技を発動する際の台詞は「&bold(){闇}に飲まれろ」である。上に示したようにこの技は&bold(){光属性}である。詐欺だ。((ちなみに本作では別の人物も闇と言いながら別の属性の技を使用する)) -術はエフェクトから詠唱台詞まで『[[アビス>テイルズ オブ ジ アビス]]』の使いまわし。 --使いまわす都合上か、『アビス』にしか存在しなかった「タービュランス」「アイシクルレイン」「セイントバブル」も登場する。一方『シンフォニア』から存在した術が多く削られており、当然シンフォニアキャラも使用するため、ジーニアスに至ってはもはや劣化版ジェイド状態となってしまっている。 --そしてシンフォニア、アビス両方で存在する魔術はサンダーブレード((アビスでは斜め上から雷の剣が降ってくるが、シンフォニア仕様で真上から降ってくる))を除いて全てアビス基準である。「フォトン」「プリズムソード」「アブソリュート」などはシンフォニアの面影も無い。 --アビスの使いまわしの影響を受けたのか、コレットの天使術「エンジェルフェザー」やしいなの召喚術に至っては削られてしまっており、イベントでは普通に使っているのに戦闘では使えないという有様。後述のバグの中身が中身だけに、アビスの流用が出来ないから削られた可能性が高い。 --マップ切り替え時のロードが長いという欠点も引き継いでいる。流石に『アビス』程ではないがそれでも1回につき5秒ぐらい読み込む。 -モンスターを仲間に出来る…のだが、オート固定。攻撃や支援に特化した優秀なAIも多く設定されており、優秀だがやはり個性的なモンスターを自分で一切操作できないのは勿体ない。 --一方で人間キャラのAIがかなり劣化している。かなりの頻度で通常攻撃から特技、奥義というコンボを繰り出していたアビスまでのAIと比べると明らかに技だけを偏重し、特技や奥義を乱射してTPが瞬く間に枯渇しがち。 --ほかにも戦闘周りでは不便な仕様が多く、詠唱待機や攻撃術のターゲット変更が出来なくなっている。詠唱待機が出来ないために味方にかける術のターゲットを上手く決められなかったり((詠唱を早くしすぎると使いたいキャラにターゲットを合わせる前に勝手に発動してしまう。更に味方にかける術は最初にカーソルが合うキャラが一定の法則に従って勝手に決められる仕様で、下手をするとHPの回復すら思うようにできない))、術発動前に敵を倒してしまったために何もない空間を攻撃したり((データ上はそこにHP0の敵が居て、敵のレイズデッドで蘇生されたら何もない空間から突如復活する))と、術キャラ(特にマルタ)を操作していると細かいところでストレスが溜まる。 -今作では人間が全員倒れるとその場で全滅扱いになってしまう。全体的にモンスターの方が能力が高いうえ、前作キャラがあまり使い物にならない今作の仕様においては地味に厳しい物がある。 --エミルもマルタも『攻撃性能はモンスター並かそれ以上に強いが防御面は弱い』キャラであるため、乱戦になってしまうとこの仕様が響いてくることがある。 --当然のことながら、エミルかマルタしか人間を戦闘に出さない(モンスター3体を戦闘に出す)プレイの場合は自分が倒された瞬間ゲームオーバーとなってしまい、かなり厳しい戦いを強いられることに。 -また、アビスの使いまわしをしなければ発生しえないようなバグ((アビスとラタトスクで効果が反対になっている薬草があり、能力を9999まで上げるとカンストして、本来ならその薬草は使えなくなるはずなのに何故か使え(もちろん無意味)、アビスの使用不可フラグを引っ張ってきているせいでカンストしてない方の能力を上げる薬草が使えなくなる))まである。 //-バグの中身を詳しく書くと、アビスのベルベーヌ系統は物理防御を、カモミールは術攻撃を上げますが、ラタトスクではベルベーヌ系が術攻撃を、カモミールが物理防御を上げる効果になっています(逆になっている)。 //-バグの詳細は「術攻撃が9999(カンスト)でもベルベーヌが使えてしまい、カモミール(防御アップ)が使えなくなる」「物理防御カンストなのにカモミールが使え、ベルベーヌが使える」というもの。公式発表は無いですが、どう考えてもアビスの使いまわしをしたから起きたバグです。 //-戦闘中の前衛人間キャラAIの酷さ(ほとんど単発の技と奥義しか使わずTPがあっという間に切れ、オートアイテムを許せばあっという間にオレンジグミを食い尽くす)や詠唱待機が出来ないこと、戦闘中に術のターゲットが倒されてもターゲットが変更されず何もない空間に魔術をぶっ放す、他の味方が回復魔術を詠唱しているとプレイヤーがそいつに回復魔術を使おうとしても他のけが人にターゲットが自動設定される(たとえそいつのダメージが1でも)、グローリーがあっても攻撃を数回食らうと何故か詠唱を止める味方モンスター…って問題点に入るかな?とりあえずcoに入れておきます -装備に付属するスキルを始め、一部のスキルが異常である --ものによってはゲームバランスを著しく崩壊させるほどで、一部の装備は比較的早期に入手できてしまう。 --例えば合成(前作のカスタマイズに相当する物)で入手できるエミルの武器に付属する「アクセル」というスキルはあらゆる攻撃の硬直を短くする。これを装備すると、一部の技どころかなんと通常攻撃だけで敵をハメてしまえる。入手難度もそう高くないため、これ一つあれば他の装備は不要なレベル。 --こともあろうにアクセル付きのその武器に更に今作強スキル筆頭の「クリティカル2((常時クリティカル率+10%))」までついているので、本来であれば最強のはずの武器すら不要となってしまう((この最強武器にはHPの自動回復効果があるが今作の自動回復は10秒に1回程度と回復ペースがあまりに遅く後述のメンタルシンボル以外まるで使い物にならず、300程度しかない攻撃力の差は高レベルでは誤差の上、クリティカル2の発動率とダメージ期待値やグローリー持ちへの対抗手段も考慮すると、明らかに合成で作れる剣の方が有用))。 --術技の消費TPを節約する「テクニカル」というスキルは、1・2・3の三種類があるのだが、1が20%、2が33%消費TPを軽減するのだが、本作は消費TPが全体的に高水準のため、あまり効果が見られない。上記のように本作のAIがTPを消費する術技を連発する傾向にあるのも原因の一つといえる。 //テクニカル1は20%なので訂正。 ---だが、「テクニカル3」ではあろうことかノーリスクで全術技の消費TPを1にしてしまうという無茶苦茶な効果となっている。この効果を得た状態でTP自動回復効果のある「メンタルシンボル((TPが約10秒ごとに3%自動回復するスキルのあるアクセサリ))」をつけた場合、どれだけ術技を乱発してもTP回復が消費ペースに間にあう都合上、文字通り永久機関と化し、&bold(){絶対にTPが切れなくなってしまう}。 ---一応このスキルのついた装備が入手できるのが終盤にしか行けない隠しダンジョン(しかも条件の都合上一周目では行きにくい)であるため、あまり問題にはならないが。 --詠唱時間を短縮する「スピードスペル」系は重複するため、自前の分とこれらのスキルがついた装備を合わせると、あらゆる術が一瞬で発動する。 ---マルタに至ってはこれにより「フォトン」を連発するだけで&bold(){ラスボスや隠しボス、更にグローリー持ちの敵すら単独でハメ殺す}((フォトンは敵をダウンさせないため、コンボが途切れない。また、グローリー持ちの敵にフォトン連発をすると敵はガード→ガードブレイク→仰け反り回復してまたガード…をこちらの術が止まるまで繰り返すだけになる。))ことも。だが今作では詠唱待機を行えないため、上で述べたように発動が早すぎて治癒術のターゲットを選択することができないという問題が発生してしまう。 --一方で、「アビス」で脅威を振るっていた「グローリー」((一部例外を除いたあらゆる攻撃を受けても決して仰け反らなくなるスキル))が弱体化されている。クリティカル攻撃が発生すると仰け反ってしまう上、AIは術の詠唱中に攻撃を受けると防御しようとして詠唱を中断してしまう。そして防御した結果ガードブレイクが発生し、結局仰け反ってしまう。…と、著しく弱体化している。 ---元々が強力すぎるスキルであったために前者については仕方ないという意見もあるが、後者はAIがスキルの効果を活かしきれていないという問題を示している。 --また、技の属性変化を起こすセンチュリオンスキルにも、習得時期によって格差が発生してしまっている。 ---中でも「空牙衝」という技を変化させる「アクア」は最終盤、文字通りラスボス直前でようやく習得するほどである。 -やり込みを進めるとクリアが非常に困難になってしまう #region(理由。シナリオのネタバレ含みます) -シナリオの最後の最後にエミル一人で戦う負けイベントが用意されており、敵として出てくるロイド、マルタに負けなければいけない場面があるのだが、この場面で戦う彼らのステータスがあまりに低く(直前に四人で戦うラスボスとは比べ物にならないほど弱い)、対策なしで挑むとノーマルの一周目でもなければエミルのHPを0にするのにかなりの時間がかかってしまう。 --一応難易度の補正を受けて強化はされるのだが、育てたエミルにHP自動回復効果の装備を付けてしまった場合、被ダメージ<回復量となる可能性も高く、最悪自殺できずに詰んでしまう事も。 --質が悪いことにここの負けバトルで勝ってしまうと後味の悪いバッドエンドになって直前のイベントからやり直しとなってしまう(クリアしたことにならない)ため、エミルを育てすぎた場合(難易度を隠し難易度のアンノウンに変えても敵から1ダメージしか受けられない)は最悪何時間も放置する必要がある。 --一応本作には「レイズデッド発動直前にタイミングよく全滅すると何故か勝利する」バグがあるので、それを敵に引き起こせば(ロイドを倒すと敵マルタがレイズデッドを使う)短時間で勝つことも可能だが、失敗したらもちろん直前のラスボスからやり直しである。 --救済措置として(?)最大HPや防御を低下させる装備が存在するため、それらを装備すれば死にやすくなる。早く死ぬために装備を用意する羽目になるとは……。 #endregion -3周目以降特定条件で解放される難易度が何故か消える。 --今作の最高難易度「アンノウン」は、難易度「マニア」「アンノウン」で通してプレイすることで次の周回から解放される仕様になっているのだが、解放された周回で一度でも難易度をハード以下に下げてしまうと、クリアした時に難易度「アンノウン」が消されてしまって選択不能になる謎の仕様があり((もしアンノウンでクリアした場合、選択不能になったアンノウンにカーソルが合ったままになっていて、表示されているノーマル~マニアのどれも選択されていない。その状態で難易度を変えるとアンノウンに戻せなくなる。))、再度クリアしないと再び自由に難易度を選べない。 --他のテイルズで「解放された難易度が選択不能になる」などというのは無く、ラタトスクのみの謎仕様である。 -近年のテイルズ オブ シリーズによくある、装備することでコスチュームの変わる称号が無い。 -また、ダンジョンも大半が前作の使いまわしである。 ---- **総評 システム面での粗や他作品からの流用に依存している故の不具合、不自然さが兎に角多く、「作りこみの甘さ」「手抜き感」が目立つ出来になってしまった。~ 前作キャラクターとの共闘要素を謳っておきながら、その肝心の前作キャラの扱いに悉く難や不自由が多いというのも、前作ファンからの評価を下げる一因になっている。 ストーリーに関しては、前作の主人公ロイド達の後日談として見るか、本作の主人公エミルとマルタの物語として見るかで評価ははっきり分かれる。~ シナリオ自体は決して悪くはないのだが、前作キャラに愛着を持ちその活躍を期待する層からはかなり厳しい評価を受けた。一方従来のテイルズの主人公像、ヒロイン像とは違うエミルとマルタに対し好意的な意見を持つファンもいるのも確かである。 粗こそ多いもののシステムの大元やその調整そのものは中々なもので、今迄のシリーズには無い斬新な試みが多く散りばめられている意欲作でもある為、前作要素の扱いをそれほど気にしない人ならば充分楽しめる作品である。 ---- ---- **余談 前作ライター実弥島氏は当初は前作の400年後の物語を提案、しかし上層部の意向で数年後という設定に変更されロイドらの再登板をしたという経緯がある。また、プレセアの出番が特に少ない理由を氏は「前作で描き切ったから」と公式攻略本で語っている。((大まかにいえば過去に囚われた体も心も、前を向いていくという内容だった。))~ 本作は大筋こそ実弥島氏が協力しているが、細部は『テイルズ オブ リバース』を担当した平松正樹氏。この平松氏は発売前の公式ブログでコレット・ゼロス・プレセアについて「キャラを理解できない」といった批判とも取れる発言をしている。彼らの出番が少ないことと無関係ではないだろう。~ 『リバース』公式攻略本でも氏は『シンフォニア』のストーリーを「人が死に過ぎている」と批判している。 氏の名誉のために言っておくが、シンフォニアのストーリーについての発言は「演出のために安易にキャラを殺さない」という自分のスタンスを主張した際のもので、「あちら(シンフォニア)は人死にが多いが、それは目的のために何故ここまで多くの命が奪われなければならないのか、という問題提起の仕方」をとっているのであり、「キャラが死ぬ展開やその手の展開が多いシンフォニアを批判している訳では決してない」、ということを明言している。((尤も氏は『リバース』のエンディングで演出のためにやったとしか思えない重要人物の突然の死を展開してプレイヤーを戸惑わせているため、自身のスタンスへの主張と取るには説得力に欠ける。)) 出来が甘かった点に対して、製作者側は『[[テイルズ オブ ヴェスペリア]]』にスタッフが回されていたからと語っている。つまり出来が甘い事は認めている事になる。 //『[[テイルズ オブ ジ アビス]]』の失敗を繰り返した(『アビス』も『シンフォニア』の移植にスタッフが回されていた)。 //↑移植作品(ToS)に主力スタッフが取られて新作本編(ToA)の作りが甘くなるのと、新作本編(ToV)に主力スタッフが集中して残った人が派生作品(ラタ)を作るのとでは全然意味合いが違う。 しかし、意外と一般受けが良かったようでニンテンドーチャンネルのオススメランクでブロンズを獲得しており(発売当時、まだWiiのRPGが少なかったという影響もある)、「みんなのオススメセレクション」として廉価版が発売されている。~ またキャラの面で見ても、主人公エミルはそれなりの人気を獲得し、前主人公ロイドもこの作品の影響で人気を上げている(『ヴェスペリア』までのキャラ人気投票でエミル十位、ロイド四位)。未完成秘奥義や削られた要素などをきちんと補完した上で移植やリメイクを望むファンもそれなりにおり、一概にファンから批判視されているというわけでもない。 ---- **北米版について 本作は北米向けにも発売されており、追加要素がある。 -GC版シンフォニアとのセーブデータ連動。 -キャライラスト・アートなどが見れるギャラリーモード、スキットライブラリの追加。 -エミル・マルタ用の頭装備「ヘッドチェンジ」が追加。 --後の作品のアタッチメントのようなもので、戦闘中のみキャラの外見が変化し、パラメータもアップする。 これら追加要素の一方で主題歌は削除されている。 //分けて書いとかないと主題歌の削除も追加要素っぽくなっちゃってるので…。 ---- **その後 -『テイルズ オブ ハーツ』の特典DVDに主人公のエミルが出演。 -『[[テイルズ オブ バーサス]]』に本作のキャラクター、リヒターが参戦するが、主人公のエミルは参戦せず。 --制作側は「エミルはマルタとセットで出したいが、リヒターが人気なのと『ラタトスク』には初めから一人分の枠しか確保してなかったから無理だった」と語っている。 -『バーサス』の特典DVDには本作のライバルキャラであるアリスも出演した。 -『[[テイルズ オブ グレイセス]]』の魔法カルタに、エミルとマルタのカルタが登場している。 -『レディアント マイソロジー3』にエミル・マルタ・リヒターが参戦している。 -『ツインブレイヴ』にエミル・マルタが参戦している。 -北米版の要素を追加した状態で、前作『テイルズ オブ シンフォニア』とのセットとしてPS3に『[[テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック]]』のタイトルでHDリマスター移植版が発売されている。 --公式HPではどことなくリメイクを思わせるようなアピールをしている節があるが、あくまで北米版ベースの「HDリマスター」である。 --ゲームデータはHDDに丸ごとインストールされるようでWii版から大幅にロード時間が短縮されていて、ほぼロード時の黒画面が挿入されない。 ----

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