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*運命予報をお知らせします 【うんめいよほうをおしらせします】 |ジャンル|ADV|&amazon(B00B7WCMAG)| |対応機種|Windows XP/Vista/7/8|~| |発売・開発元|ヨナキウグイス|~| |発売日|2013年4月26日|~| |定価|8,800円(勢別)|~| |ディスクレス起動|可能|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|なし|~| |ポイント|恋愛観を掘り下げるシナリオ&br()絵やシステムに難あり|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー #blockquote(){ 真心を紐解いて、キミと繋がる赤い糸―― 紫明学園の女子の間では、“赤い糸メール” と呼ばれるおまじないが流行していた。 とあるアドレスへメールを送信すると、同じ学園内の誰かの携帯電話にメールが着信する。 その人物こそが送信者の運命の相手であり、“赤い糸メール” が繋げた相手と結ばれることが出来たなら、永久に幸せになれると噂されている。 そんな中、ヒロインたちの所属する執行部に、1件の投書が舞い込んできた。 「赤い糸メールの真実を検証してくれませんか」 表面上は、淡々と。 内心では、きゃあきゃぁとはしゃぎながら、彼女たちはメールを送る―― 一方、クラス内でも孤立していた主人公は、怠惰な学園生活に終止符を打つため、臨時庶務選挙への出馬を決意する。 学園のためだとか学生のためだとか崇高な使命感はなく、ただ充実した学園生活を送りたくて彼は立候補した。 その折、彼のもとへ何通かのメールが着信した。 「赤い糸メール」 執行部の彼女たちが送った “赤い糸メール” が、今まさに立候補を考えていた主人公のもとへ着信したのだった。 それも、ヒロインすべてのメールが、彼の元へ届いたのである。 当然、彼女たちは “赤い糸メール” をただのイタズラと判断し、呆れられたり、怒ったり、笑われてしまったり―― 何事もなかったように日常は進んでいく。 運命なんて、現実に存在するはずがない。 赤い糸メールなんて、単なるおまじないの一つにしか過ぎないのに。 それでも、誰かを運命の相手だと提示されてしまったなら、意識してしまうのも、しかたがなくて。 一度繋がれた赤い糸は、急速に距離を縮めていく。 } (公式サイトより抜粋) ---- **概要 「ヨナキウグイス」ブランドの処女作。~ 同人サークル「宴」で活動していたルクル氏がシナリオライターを担当している。 **特徴 -途中下車形式のノベルゲーム。 --メインヒロインは4人。個別ルートのないサブキャラは男性と女性が1人ずつ登場する。 -選択肢は3箇所のみ --2つの選択肢はヒロインの告白を受け入れるかどうかで、個別ルートに入るか否かが決まる。 --最後のみ2人からどちらかを選択することになる。 **評価点 -キャラクター --ヒロインはブラコンの妹、気楽に話せるクラスメイト、ツンデレの先輩、憧れていた先輩といったテンプレじみた構成。 --しかし、コミュニケーションに優れた人物ばかりでなく、誰かに極度に依存したり新しい関係がなかなか作れなかったりとどこか不器用な人間らしさを感じさせる。 ---各自がしっかりと自分の恋愛観を主張するため、○○属性の一言では表せない魅力がある。 --特筆すべきはサブヒロインの「早蕨 林檎」。主人公の味方か敵なのか一見では分かりにくいものの、自身の恋愛観を最初から最後まで貫き通しており、クリアしたプレイヤーからは「''攻略したくない魅力的なサブキャラ''」と珍しい評価を下されている。 -恋愛観 --恋愛の動機・対象・過程を明確に描くことにより、「好きになった理由」やその是非について考えさせられる。 --全キャラがそれぞれの恋愛観を持っているため、似たり寄ったりな告白シーンばかり…といったことにはならない。 -構成 --重みのある選択肢 ---全ヒロインに振られた後の一枚絵が用意されており、悔しさや悲壮感を否が応でも感じさせる。~ 特に最初の告白である妹ルートは告白を受けるにせよ、受けないにせよ重い展開が待ち受けている。安易な義妹ネタに走らず、実妹と付き合っていくことの困難さがきっちりと書かれている。 --最終ルート ---主人公が昔から憧れていたヒロインのルートに辿り着くためには他の3人を振る必要があり、それを踏まえた上で成り立つシナリオとなっている。そのため、個別ルートが重要な意味を持つ。 **賛否両論点 -恋愛観 --前述した重い展開や作者の主張に賛同できるかは読み手の感性によって左右される部分も大きい。 --特に最終ルートのヒロインの恋愛観は潔癖すぎるとして、同感しにくいプレイヤーもいる。 #region(物語全般に関わるネタバレ) -安易な恋愛ゲーへの批判を込めたメタゲーとしての側面を持つ --分かりやすいのが男のサブキャラの言動で「エロゲー」「ヘタレ主人公」などの単語が頻繁に登場する。 --恋愛について考えさせられる要素である一方で、物語への没入感を削ぐとの批判もある。 ---また、このサブキャラはプレイヤーに対する皮肉やメタ発言が多いため、その点でも好みが分かれやすい。 #endregion **問題点 -グラフィック --好みの問題とはいえ、2013年商業の水準で見ると厳しいレベルの絵である。 --季節と合わない服装や背景と合わない立ち絵など違和感を覚えやすい。 -システム --CGモードで7ページ目最後のCGが埋まらない。 ---6ページまでは4×4でCGが表示されている中で、7ページのみ3×3で最後のCGが「NO DATA」と表示されるので、取り逃したと勘違いしやすい。 --オープニングムービーがゲーム中に閲覧できない。エンディングムービーは声優以外のスタッフ6人の名前と立ち絵が表示されるだけで非常に簡素。 ---詳細は後述。 --ボイス設定にてサブキャラ「帚木」のボイス音量を設定すると、他のキャラの音量も連動してしまう。また「帚木(HAHA&color(red){G}I&color(red){K}I)」とスペルミスもある。(正しくはHAHAKIGI) -その他 --グラフィックとテキストの不一致や誤字脱字がある。 ---- **総評 絵とシステムに難があり、総合的なクオリティは数多の恋愛ゲーに引けをとる。~ 一方でキャラクター一人一人の恋愛観はしっかりと掘り下げられており、プレイヤーに強く訴えかけてくるものがある。 メッセージ性の強い作風でありながら、絵や演出で敬遠されがちなのが惜しいところ。キャラクターやシナリオを重視する人には是非プレイして欲しい一作である。 ---- **余談 -キャラクターの苗字は源氏物語の巻名から取られている。 --そのため「御法(みのり)」のような難読漢字が多い。 -発売当日に公式Twitterで「CGが80枚しかないので81枚目が埋まらないのは仕様」とアナウンスされた。([[発言リンク>https://twitter.com/Yonaki_Staff/status/327779302529716225]]) --修正パッチの配布はされず「見なかったことにしてほしい」発言で片付けられた。その他の誤字脱字等も放置されているので、企業態度に問題がある。 -オープニングムービー --前述したようにゲーム内で使われていないが、ゲームフォルダ内にmp4形式で収録されているのでこちらから視聴可能。 ---埋まらないCGはOPムービーを入れるための枠だったと推察できる。 --YouTubeに公式動画がアップロードされていたが、現在は閲覧できない。 -EDムービーに記載はないが、SEを担当したのは[[Studio神無月>http://studiokannazuki.com/works.html]]。 -2014年12月19日に「ウグイスカグラ」ブランドが立ち上がり『紙の上の魔法使い』が発売された。 --本作との繋がりはないが、シナリオライターは同じくルクル氏である。相変わらず人を選ぶ出来ではあるが、ライター繋がりで本作も再注目されるなどしている。 --「ウグイスカグラ」のゲームと異なり本作はダウンロード版が存在しないため、プレミアソフトとなっている。
*運命予報をお知らせします 【うんめいよほうをおしらせします】 |ジャンル|ADV|&amazon(B00B7WCMAG)| |対応機種|Windows XP/Vista/7/8|~| |発売・開発元|ヨナキウグイス|~| |発売日|2013年4月26日|~| |定価|8,800円(勢別)|~| |ディスクレス起動|可能|~| |レーティング|BGCOLOR(black):''&font(#FF69B4){アダルトゲーム}''|~| |判定|なし|~| |ポイント|恋愛観を掘り下げるシナリオ&br()絵やシステムに難あり|~| ---- #contents(fromhere) ---- **ストーリー #blockquote(){ 真心を紐解いて、キミと繋がる赤い糸―― 紫明学園の女子の間では、“赤い糸メール” と呼ばれるおまじないが流行していた。 とあるアドレスへメールを送信すると、同じ学園内の誰かの携帯電話にメールが着信する。 その人物こそが送信者の運命の相手であり、“赤い糸メール” が繋げた相手と結ばれることが出来たなら、永久に幸せになれると噂されている。 そんな中、ヒロインたちの所属する執行部に、1件の投書が舞い込んできた。 「赤い糸メールの真実を検証してくれませんか」 表面上は、淡々と。 内心では、きゃあきゃぁとはしゃぎながら、彼女たちはメールを送る―― 一方、クラス内でも孤立していた主人公は、怠惰な学園生活に終止符を打つため、臨時庶務選挙への出馬を決意する。 学園のためだとか学生のためだとか崇高な使命感はなく、ただ充実した学園生活を送りたくて彼は立候補した。 その折、彼のもとへ何通かのメールが着信した。 「赤い糸メール」 執行部の彼女たちが送った “赤い糸メール” が、今まさに立候補を考えていた主人公のもとへ着信したのだった。 それも、ヒロインすべてのメールが、彼の元へ届いたのである。 当然、彼女たちは “赤い糸メール” をただのイタズラと判断し、呆れられたり、怒ったり、笑われてしまったり―― 何事もなかったように日常は進んでいく。 運命なんて、現実に存在するはずがない。 赤い糸メールなんて、単なるおまじないの一つにしか過ぎないのに。 それでも、誰かを運命の相手だと提示されてしまったなら、意識してしまうのも、しかたがなくて。 一度繋がれた赤い糸は、急速に距離を縮めていく。 } (公式サイトより抜粋) ---- **概要 「ヨナキウグイス」ブランドの処女作。~ 同人サークル「宴」で活動していたルクル氏がシナリオライターを担当している。 **特徴 -途中下車形式のノベルゲーム。 --メインヒロインは4人。個別ルートのないサブキャラは男性と女性が1人ずつ登場する。 -選択肢は3箇所のみ --2つの選択肢はヒロインの告白を受け入れるかどうかで、個別ルートに入るか否かが決まる。 --最後のみ2人からどちらかを選択することになる。 **評価点 -キャラクター --ヒロインはブラコンの妹、気楽に話せるクラスメイト、ツンデレの先輩、憧れていた先輩といったテンプレじみた構成。 --しかし、コミュニケーションに優れた人物ばかりでなく、誰かに極度に依存したり新しい関係がなかなか作れなかったりとどこか不器用な人間らしさを感じさせる。 ---各自がしっかりと自分の恋愛観を主張するため、○○属性の一言では表せない魅力がある。 --特筆すべきはサブヒロインの「早蕨 林檎」。主人公の味方か敵なのか一見では分かりにくいものの、自身の恋愛観を最初から最後まで貫き通しており、クリアしたプレイヤーからは「''攻略したくない魅力的なサブキャラ''」と珍しい評価を下されている。 -恋愛観 --恋愛の動機・対象・過程を明確に描くことにより、「好きになった理由」やその是非について考えさせられる。 --全キャラがそれぞれの恋愛観を持っているため、似たり寄ったりな告白シーンばかり…といったことにはならない。 -構成 --重みのある選択肢 ---全ヒロインに振られた後の一枚絵が用意されており、悔しさや悲壮感を否が応でも感じさせる。~ 特に最初の告白である妹ルートは告白を受けるにせよ、受けないにせよ重い展開が待ち受けている。安易な義妹ネタに走らず、実妹と付き合っていくことの困難さがきっちりと書かれている。 --最終ルート ---主人公が昔から憧れていたヒロインのルートに辿り着くためには他の3人を振る必要があり、それを踏まえた上で成り立つシナリオとなっている。そのため、個別ルートが重要な意味を持つ。 **賛否両論点 -恋愛観 --前述した重い展開や作者の主張に賛同できるかは読み手の感性によって左右される部分も大きい。 --特に最終ルートのヒロインの恋愛観は潔癖すぎるとして、同感しにくいプレイヤーもいる。 #region(物語全般に関わるネタバレ) -安易な恋愛ゲーへの批判を込めたメタゲーとしての側面を持つ --分かりやすいのが男のサブキャラの言動で「エロゲー」「ヘタレ主人公」などの単語が頻繁に登場する。 --恋愛について考えさせられる要素である一方で、物語への没入感を削ぐとの批判もある。 ---また、このサブキャラはプレイヤーに対する皮肉やメタ発言が多いため、その点でも好みが分かれやすい。 #endregion **問題点 -グラフィック --好みの問題とはいえ、2013年商業の水準で見ると厳しいレベルの絵である。 --季節と合わない服装や背景と合わない立ち絵など違和感を覚えやすい。 -システム --CGモードで7ページ目最後のCGが埋まらない。 ---6ページまでは4×4でCGが表示されている中で、7ページのみ3×3で最後のCGが「NO DATA」と表示されるので、取り逃したと勘違いしやすい。 --オープニングムービーがゲーム中に閲覧できない。エンディングムービーは声優以外のスタッフ6人の名前と立ち絵が表示されるだけで非常に簡素。 ---詳細は後述。 --ボイス設定にてサブキャラ「帚木」のボイス音量を設定すると、他のキャラの音量も連動してしまう。また「帚木(HAHA&color(red){G}I&color(red){K}I)」とスペルミスもある。(正しくはHAHAKIGI) -その他 --グラフィックとテキストの不一致や誤字脱字がある。 ---- **総評 絵とシステムに難があり、総合的なクオリティは数多の恋愛ゲーに引けをとる。~ 一方でキャラクター一人一人の恋愛観はしっかりと掘り下げられており、プレイヤーに強く訴えかけてくるものがある。 メッセージ性の強い作風でありながら、絵や演出で敬遠されがちなのが惜しいところ。キャラクターやシナリオを重視する人には是非プレイして欲しい一作である。 ---- **余談 -キャラクターの苗字は源氏物語の巻名から取られている。 --そのため「御法(みのり)」のような難読漢字が多い。 -発売当日に公式Twitterで「CGが80枚しかないので81枚目が埋まらないのは仕様」とアナウンスされた。([[発言リンク>https://twitter.com/Yonaki_Staff/status/327779302529716225]]) --修正パッチの配布はされず「見なかったことにしてほしい」発言で片付けられた。その他の誤字脱字等も放置されているので、企業態度に問題がある。 -オープニングムービー --前述したようにゲーム内で使われていないが、ゲームフォルダ内にmp4形式で収録されているのでこちらから視聴可能。 ---埋まらないCGはOPムービーを入れるための枠だったと推察できる。 --YouTubeに公式動画がアップロードされていたが、現在は閲覧できない。 -EDムービーに記載はないが、SEを担当したのは[[Studio神無月>http://studiokannazuki.com/works.html]]。 -2014年12月19日に「ウグイスカグラ」ブランドが立ち上がり『紙の上の魔法使い』が発売された。 --本作との繋がりはないが、シナリオライターは同じくルクル氏である。相変わらず人を選ぶ出来ではあるが、ライター繋がりで本作も再注目されるなどしている。 --「ウグイスカグラ」のゲームと異なり本作はダウンロード版が存在しないため、プレミアソフトとなっている。

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