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*半熟英雄 対 3D 【はんじゅくひーろー たい すりーでぃー】 |ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B00006RT6C)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2003年6月26日|~| |定価|通常版:6,800円(税別)&br()限定版:8,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|SFC版ではなくFC版準拠のシステム&br()雰囲気の激変&br()ボイス付きの演出や敵サイドのキャラクター性等は魅力&br()演出増加によるテンポの悪さが最大の難点&br()最凶のウザキャラ、カトリイネ|~| |>|>|CENTER:''[[半熟英雄シリーズリンク>半熟英雄シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 リアルタイムシミュレーション『半熟英雄』シリーズの第3作。~ SFCでの前作の発売から10年振りの新作であり、ささきいさお氏が歌うOP主題歌中の台詞でも「十年ぶりの発売でございまーす」と発言している。~ 今作では「対 3D」というタイトル通り、&bold(){ペラペラの2Dキャラである主人公たちを操作して、立体の「3D軍団」と戦うというコンセプトである。}%%ある意味、HD-2Dを先駆けている%%~ また、世界観やキャラクターデザインは、前作までの雰囲気を踏襲しつつも一新されている。なお、キャラクターデザインはアニメーターであるオグロアキラ氏が担当しており、後に[[DSリメイク版『FINAL FANTASY IV』>ファイナルファンタジーIV (DS)]]や[[『FFIVアフター 月の帰還』>ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-]]などでもキャラクターデザインやイラストを担当している。 優秀なアニメーターの協力による2Dアニメーション(後述)や製作費を食う3Dキャラクターなど、豪華な制作技術をギャグ(というか自虐ネタ)に使うというくだらなさを売りにしていた。 スクウェアがエニックスと合併、現在の「スクウェア・エニックス」となって最初の新作ソフトである((新作に限定しなければ、スクエニ名義での初発売は本作より前に『FFXI』の拡張ディスクがあった。))。~ これを記念して同じく旧エニックスのバカゲー『[[せがれいじり]]』とのコラボレーションも行われている。 ---- **ストーリー >かつて一人の姫を愛した二人の男が争っていた。~ 一人の男はアルマムーン国が劣勢となる中、最後まで希望を捨てず、やがて姫から託されたたまごの力を使い、~ 憎しみに染まったもう一人の男との争いを終わらせた。 > >そして時は流れ、男と姫の忘れ形見である主人公は平和でお気楽な毎日を過ごしていた。~ だがある日、アルマムーン城は突如現れた巨大なおまるに流されてしまう。~ 流された先は2Dのまま時代に取り残された彼らにとっては未開の地、3D世界だった…!! ---- **特徴 -3D世界を舞台にした3D軍団との戦闘ということで、フィールドマップ、戦闘ともに3D化されている。 --逆に味方キャラクターや、召喚されるエッグモンスターは全て2Dとなっており、アニメーション調のグラフィックが描き起こされている。 ***世界観・キャラクター -本作の敵は&bold(){「3D軍団」}であり、前作の「完熟軍団」とは全く異なる敵が登場する。 --最初の敵である「スケルトン男爵」(スケルトンモデリング)を皮切りに、「ワイヤード伯爵」(ワイヤーモデリング)、「ローポリン侯爵」(ローポリゴン)などが各面のボスキャラとして登場。各々のデザインは3D描画の技術が元ネタになっており、ストーリーの進行に伴って徐々に新しい技術に革新されていく。 ---最初に戦うスケルトン男爵やワイヤード伯爵はエフェクトが強く掛かった機械音っぽい声なのに対して、ローポリン侯爵の頃には普通のボイスになっていたりと、敵の造形や演出にも技術の革新要素が取り入れられている。 ---「デジタル・プレデター:ワイヤード伯爵」「暴走するフェロモン:ローポリン侯爵」など、戦闘前にはそれぞれのボスキャラが二つ名付きで紹介される。 --背景や将軍・雑魚兵士などのデザインも面が進むに従って進化したものになっていき、同様に技術の革新を表している。 -本作からのレギュラーキャラクターとして、カトリ・デ・オマール国の王女&bold(){「カトリイネ」}が登場。 --前作までの月1イベントに登場した「あたし」を元にしていると思われるキャラクターであり、当初は記憶喪失の女性「あたし(ハート)」として登場する。 --お世辞にも美女とは言えないおかめのような輪郭におばちゃんのような顔、でっぷりとした寸胴体型に加え、とにかく自分勝手で強引、おまけに主人公にゾッコンで嫉妬深く怪力、当然それらについて自覚はゼロとトラブルメーカー極まりない性格で一行を引っ掻き回す。 ---良くも悪くも行動力はあり、彼女なりの正義感も一応備えてはいるため、稀に役に立つ機会がないではないのだが… --3D世界のキャラクターなので、2Dでペラペラの主人公や大臣の中、3Dで動き回る。 --ボイスは笹木綾子氏。氏の熱演により、カトリイネのアクの強さはさらに増していると言っても過言ではない。 ---『[[ときめきメモリアル]]』の清川望としてヒロイン役経験もある氏だが、本作では強烈なほどの存在感で完全に三枚目に徹している。 -本作から大臣は「セバスチャン」という固有名で将軍としても使えるようになった。 //大臣の名前は前作の時点で設定済み --ボケ続ける主人公へのツッコミ役という役割は旧作と同様。 ***システム 基本的なシステムはシリーズ初作『[[半熟英雄]]』の記事を参照。 -主人公、セバスチャン(大臣)、ゼウス、ヴィーナス、ココットの5人の将軍が所属する状態でゲームスタートとなる。前作同様、各面をクリアした後は、所持する将軍やお金を引き継いで次のステージに移行する。 --メインキャラである主人公、大臣、あたし(=カトリイネ、後述)のいずれかが敗北するか、各ステージの初期城であるアルマムーン城や後半のカトリ・デ・オマールを攻め落とされるとゲームオーバー。 -戦闘は従来作のような自動的にぶつかり合ってHPが減っていくものではなく、自分で動かしてキャラクターを突撃させる方式となった。 --連打で強化されるのは従来と同じであり、本作では&bold(){「連打リングシステム」}と呼ばれる。○ボタンを連打すると「スタミナ」を消費して移動スピードが速くなり、攻撃の威力も上がる。 --「スタミナ」は各戦闘MAXの状態で始まるが、将軍毎に上限値が異なる。 --オプション設定で押しっぱなし方式のオートモードにする事も可能。 -全ての将軍は3種類の&bold(){「陣形」}を持つ。 --陣形は「グンググーン」「チョッキーン」「パパラパーン」があり、じゃんけんのグー・チョキ・パーをモチーフとする。 --相手に(じゃんけんの手で考えて)有利な陣形だと攻撃力・防御力が上昇するようになっている。 --将軍ではないエッグモンスターやボスモンスターには陣形の概念は存在しない。そのため、陣形はあくまで将軍vs将軍の戦闘でのみ関わってくる。 -従来通り、戦闘中の任意のタイミングで「たまご」「きりふだ」を使用して補助できる。「たまご」を使用するとエッグモンスターが召喚され、将軍の代わりにエッグモンスターが戦うコマンド戦闘に移行する。 --エッグモンスターの技は本作からアニメで描画されるようになり、ボイスも入っている。 --同じエッグモンスターを何度も登場させると成長するようになった。エッグモンスターの強さは「ランク」の数値で示される。 --エッグモンスターの技は今までの2つから3つに増加。最初は従来通り2つで、ランクを最大まで上げると3つめの技が使える。 --作中には「エッグモンスター図鑑」が存在する。一度でも召喚したエッグモンスターは、この図鑑で外観と使用できる技のほか、小ネタを含んだ説明文を見ることができる。 -本作は「たまご」の無い世界に転移した設定であるため、敵はたまごを使ってこない。 --ボス敵も前作にあった将軍タイプのボスは存在せず、モンスター型(エッグモンスターと同じ扱い)のボスだけで構成されている。 -第2作同様、『[[ファイナルファンタジー>ファイナルファンタジーシリーズ]]』シリーズのキャラを元ネタとする将軍が複数おり、いずれも比較的強くなっている。 --本作では『[[サガ>サガシリーズ]]』『[[聖剣伝説>聖剣伝説シリーズ]]』『[[フロントミッション>フロントミッションシリーズ]]』など、旧スクウェアの他作品のキャラも登場している。 --そのほか、「トキータ」(プロデューサー・時田氏)、「ウエマッチーノ」(作曲・植松氏)などといった製作スタッフを元にした将軍もいるが、こちらは押しなべて弱い。 -「たまご」を持たない将軍が疑似的に使う1回限りの「たまご」、「いっぱつエッグ」の仕様が大きく変わっている。 --前作では「たまご」を持っている将軍を倒すとそれを「いっぱつエッグ」として奪う形であったが、本作ではこの手段では「たまご」を入手できなくなった。 --本作では、前作までにも存在した、手の空いた将軍をフィールドの「洞窟」に派遣する洞窟イベントで、「いっぱつエッグ」を入手するイベントがランダムに発生するようになった。 -従来と同様、シミュレーションパートで一定時間((「時間の流れ」の設定を「ふつう」にした場合180秒、「はやい」にした場合90秒。))が経過するごとに「月一イベント」が開催される。ランダムイベントや定期イベントが発生した後、将軍募集や兵士雇用などの軍備増強ができる。 --ストーリーであたし(カトリイネ)が登場して以降は、カトリイネからの「おねだりイベント」が毎月発生する。「アクセサリー」「エステ」「料理」の3テーマのうち1つが選ばれ、強制的に3段階のランクのうち1つを貢がされる。 ---前作までの「あたし」イベントに当たるもので、「あたし」イベントのように安いものを選ぶと受け取りを拒否されたりといったことは無いが、確実に毎月発生する。 ---2月と3月は強制的にバレンタインデー、ホワイトデーイベントになる。バレンタインデーはカトリイネの手作りチョコ&s(){(いらない)}が貰えるイベントで何も貢がされずに済むが、3月のホワイトデーイベントではお返しとして通常の月より遥かに高いものを貢がされる。 --貢いだ総額が一定以上に達すると、カトリイネを将軍として使用できるようになる。 ---総額が増えるごとにカトリイネの強さや姿も変わり、女子高生になったり映画『マトリックス』風になったり小林幸子風になったり、果てには巨大化した「巨美神」になったりとやりたい放題である。 ---将軍としてのカトリイネはパラメータは中々強く、主人公や大臣と同様に賃金も不要だが、元が3D世界の人間ということもありたまごは持っていない。代わりに、強化すると自身の陣形を変える「変形」やエッグモンスターと同様の形態となる「巨大化」が使えるようになる。 --顔がケンシロウそっくりの「[[バクトのケン>北斗の拳シリーズ]]」が行うギャンブルなど、新しいランダムイベントも追加されている。 -月一コマンドでは従来同様「きりふだ」を購入できるが、本作では購入までにきりふだの「開発」を要する。 --フィールド上に、エッグモンスターでもある「モモリス」がたまに現れるので、そこに行って捕まえるときりふだ開発のヒントとなる石版が貰える…というか&bold(){口から吐き出す。} --敵将軍を倒すと開発用のブロック(テトリスのブロック(テトリミノ)のような形状)をドロップするため、ヒントを頼りに特定のブロックで正方形の開発ゾーンを埋め尽くすと、ブロックを消費して対応したきりふだが購入できるようになる。 --モモリスを捕まえる工程は必須ではないので、攻略情報をあらかじめ知っていればそのままブロックを消費して開発することも可能。 -クリアデータの引継ぎ、いわゆる「強くてニューゲーム」が導入された。(ボスの体力が増えるだけ) --特にエッグモンスターのランクを引き継ぐため、周回プレイをしていれば各エッグモンスターの3つ目の技を見られるようになっている。 ---- **評価点 -2Dキャラはドット絵風に描かれた紙人形といった感じで、アニメチックな2.5頭身デフォルメキャラで構成されている、縦横16ピクセルといったドット絵とはまた違った魅力がある。 --方向転換をする際はまさに紙人形芝居のように回り、ペラペラな感じをあえて見せている。 -全101体のエッグモンスター全てにアニメ描画の攻撃モーションやボイス、新技が用意されている。 --前作には登場していたもののリストラされてしまったモンスターもいるが、これだけの数のモンスターの描画とボイス収録の作業量を考えればそれなりに許容可能だろう。 ---次作『4』では、今作でリストラされたモンスターも全員再登場している。 --ただし、後述のテンポの問題もあって、前作までのポコンポコン突進してダメージを与える地味な演出のほうが好きなプレイヤーも一部にはいる。 --シリーズ恒例の、モンスター案の一般公募によって生まれたエッグモンスターも健在。初登場時には''原案者ご本人の顔と台詞が出る''。 -何だかんだで「2Dvs3D」というアイデアは良く、オリジナリティは高い。 --ゲーム製作の観点で言うと2D側のアニメ描画と3D側のポリゴン描画を両方用意するのは中々大変なこともあってか、03年のゲームでありながら現在に至っても似たコンセプトのゲームというのは現れていない。 --ストーリー面でも、3D軍団と戦いながらゲーム技術の変遷を追っていくという(中盤までの)流れは大いに評価できるものがある。 --敵役となる3D軍団の面々も安定したネタキャラが揃っており、その点では旧作とほぼ変わらないクオリティを保っている。 ---「ワイヤー」なので&bold(){「ワイやー」}というベタな関西弁キャラのワイヤード伯爵、日本語と英語の二か国語で喋っているかと思いきや&bold(){英語の方は日本語と関係ない適当なことを喋っている}バイリンガ将軍、非常にシリアスで技も豪快なのに&bold(){なぜか武器はケン玉}なハイポリゴ大将軍など、各ボスはいずれもくだらないネタに溢れている。 -アニメ原画家の金田伊功氏によるアニメーション。 //遺作でもないので故人表記は不要 --更にアニメ製作会社として有名なタツノコプロが製作に携わっており、オープニングなど数箇所で力の入ったアニメーションを見られる。内容のセンスは評価の分かれるところだが、金田氏の特徴ともいえる様々な技法を余すことなく詰め込んだものとなっており、少なくともアニメーションとして出来は抜群。 ---2Dキャラはゲーム部分は紙絵みたいに動くがムービー場面は普通のアニメ絵であり、背景が多い3D場面よりずっと生き生きしている。 -BGMは第一作でも作曲を担当した植松伸夫氏が製作しており、戦闘BGMなどは評価が高い。 --オープニングのイベントボス戦にも専用の曲があったり、ストーリー中でも2面毎と早いスパンでボス戦の曲が変わったりと、ボス曲だけでも10曲近くを収録している。 --エッグモンスターを召喚して戦闘している際のBGM等は、FC版と同じものがアレンジされて収録されている。 ---FC版と同様、「弱い・普通・強い」の3段階でBGMが異なり、強いエッグモンスターの迫力と弱いエッグモンスターのへっぽこさがよく表現されている。 -細かい部分でもとにかくネタが多い。 --ウケるものウケないもの含めてとにかく全編ネタ塗れであり、UIだけ見ても月イチコマンドのメニュー画面はマンガ風のコマ割になっていたり、「にんき」のステータスはウナギで表されていたり(「人気がうなぎ登り」から)、時間経過は画面下部に主人公が歩く様子で表されたりとバラエティ性が高い。 --敵城の名前はステージによって命名法則が統一されており、「3D技術の名前(グリッドン城、スーケル城…)」「パスタの名前(フェデリーニ城、デルヴェルデ城…)」&bold(){「ガソリンスタンドチェーンの名前(エーネオス城、イッデミツ城…)」「ただのダジャレ(イチブジョウ城、ハタシ城…)」}など、真面目なものからネタに走ったものまで様々。 -シリーズで初めて主題歌を採用。ささきいさお氏による熱唱と半熟英雄らしさ溢れる歌詞、熱い曲調もあってか好評。 --衝撃的な場面でアニメと共に流れる挿入歌「黄味なしでは…」、ED「半熟音頭」も評判が良い。 --氏はシリーズの顔である最弱のエグモン「エッグマン」の声優も務めている。氏のヒーロー然とした演技と、エッグマンの頼りにならない見た目や利用価値ゼロの性能というギャップがいい味を出している。 --続く『4』の主題歌とエッグマン声優も、同氏が起用されている。 **賛否両論点 -ベースが第一作(FC版) --ファンの間で主に人気があったのは第二作『ああ、世界よ半熟なれ…!!』(SFC版)なのだが、作曲家が植松伸夫氏に戻ったこともあり、召喚モーションなどの演出が第一作(FC版)ベースに戻った。それゆえに、FC版の知名度の低さもあってかSFC時代のファンは肩すかしを喰らうことになった。 --FC版のBGM(音源も)を一部流用したBGMや、[[『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズ>ファイナルファンタジーシリーズ]]のBGMの一部アレンジも賛否両論であった。 ---特に勝利BGMがFFシリーズの勝利BGMである「勝利のファンファーレ」のアレンジになっているのはやりすぎの気があり、半熟英雄シリーズの個性を消してしまっている感がある。 -スタミナゲー、卵ゲーになりがち。 -- -騎馬将軍が活躍しづらい -- -あたし(カトリイネ)の個性が非常に強烈。 --(一応)ヒロインなのだが、設定通りとはいえ容姿も性格も最悪。ギャグとしてシャワーシーンまで用意されており、笹木綾子氏の熱演もあって「ウザキャラ」としては間違いなく成功しているのだが、人によってはギャグとして許容しがたい域にまで達してしまっている。実際、&bold(){「カトリイネがウザすぎて今作は糞」}と言っているプレイヤーも珍しくない。前作「世界よ半熟なれ」でも「あたし❤」というおじゃまキャラが世界観の違う別人ながら登場するのだが、そちらは「おデブで図々しい女ながらも一応目や鼻の顔立ちは整っていてまあ見苦しくはない」レベルのキャラデザなので今作のあたし(カトリイネ)とは主に美醜点で雲泥と言っていい。 --作中でその行いが肯定されている訳ではなく、はた迷惑な振り回しキャラであることは十分描写されていることや、前述の通り本人に悪意は(基本的には)なくそのアグレッシブさがプラスに働く面も無くはないため、古いタイプのギャグキャラではあるがそういうものとして特に嫌ってはいないプレイヤーも存在はする。 --もっとも、本作では嫉妬などの結果として主人公に過剰な暴力を振るうギャグがあったり、メインキャラが少なくカトリイネを積極的に抑えるようなキャラも居ないことも相まってどうしても描写の悪さは残る。 --ちなみに時田氏が携わった作品ではこうした癖の強い性格のヒロインが多く登場する傾向にある。『[[ライブ・ア・ライブ]]』も有名な例だろう。 //ギャグキャラとして受け入れられない人も十分いるレベルなのは否めないですが、「人によっては」と文中にも書かれている通り受け入れられるレベルと思われるため、問題点から賛否両論点に戻しました。また、インタビュー関連の記述は余談に移しました。 -基準のよくわからない有名人の起用 --ささきいさお(主題歌とエッグマンなどの一部ボイス)・染之助染太郎兄弟((染太郎氏は当時既に故人であったため、過去の演目から音声を使用し、染之助氏の新録ボイスでフォローする形になっている。))(一部定期イベント)・こずえ鈴(ナレーション)・鉄拳(ボスキャラ)が起用されているが、ささきいさお氏と鉄拳以外はインパクトも少なく必要性も薄い。 ---ただし、こずえ鈴のナレーションは一部から「クセになる」と好評意見もある。 --鉄拳は「『ファイナルファンタジー』シリーズと間違えて出演した」という滑りギャグ的な設定で登場するが、2度も登場し3度もボスキャラとしてしつこく戦わされることもあって、完全にストーリー中で浮いてしまっている。彼のファンならまだしも、そうでない人にとっては…。 ---ちなみに、鉄拳の所属芸能事務所である「オフィス☆怪人社」から大量の芸人が声優として参加しており、エグモンのフルボイスを実現させている(次回作にも引き続き参加)。ある意味バーター出演に近いのかもしれず、そういう意味では鉄拳の起用は無駄ではなかったのかもしれないが…。 ---なお、キャスト欄には現在では故人の桜塚やっくんも別名義で出演している。 -ギャグの傾向の変化 --前作と比べると、下ネタ・楽屋ネタ・毒舌・露骨なパロディネタといった人を選ぶものが多い。 ---3D軍団の撃破後、終盤の「4次元」へ向かう展開はまさしく「超展開」で、人によっては完全に滑っていると感じることもあると思われる。 --次作『4』でも下ネタは減ったものの同様の傾向は受け継がれ、CMで自虐ネタにしている。 #region(ニコニコ動画注意) &nicovideo2(sm2638400) #endregion **問題点 -前作と異なり敵がたまごを使用しないため、エッグモンスター同士の戦闘が基本的に発生せず、こちらがエッグモンスターを召喚すれば大抵勝ててしまう。それによって戦闘が味気なくなり、難易度も下がった。 --初代(FC版)と同じなのだが、初代ではたまごの回復が面倒でリスクのあるものだったため、エッグモンスターの使用自体を制限せざるを得ず、ある程度バランスは取れていた。本作は月一コマンドで料金さえ払えば簡単にたまごが回復でき、たとえ壊れても比較的簡単に治せるため、とりあえずエッグモンスターを出すことに対するリスクが低い。 ---ランクによるエッグモンスターを何度も出すことでの成長があるため、そもそもゲーム設計上エッグモンスターを多用する構成になっており、将軍同士の戦闘はだいぶ軽んじられている。 --一応、こちらもたまごを封じられてしまうシナリオがあるのだが、切り札でごり押しして相手の城さえ奪えとアドバイスがあるがボス戦に入ったと同時に解禁される。しかもボスが弱いため(2000以下、即死も低確率)いっぱつエッグを取り逃しやすい。 --世界観上敵が2Dのエッグモンスターを使用するのはおかしく、かと言って3Dのエッグモンスターまで大量に作るのは無理…という背景事情は恐らくあるのだが、それにしてもそれに代わる戦略性を用意できていないのは頂けない。 --ボスはHPが高く攻撃も強烈でエッグモンスター1体では勝てないほどだが、それ故に「卵持ちの将軍を何人も突っ込ませてHPを削っていく」という単調かつ作業感漂う戦いを強いられてしまう。 ---これに関しては前作のSFC版にも見られた問題点ではあるのだが、後述のテンポの悪さが重なり、本作ではこの点がより目立ってしまっている。 -将軍や兵士のキャラクターデザイン変更 --特に女性将軍のグラフィックは、ヴァルキリーのような軽装であった旧作に対して無骨な鎧兜を付けた姿になっている。 ---特攻、防衛、騎馬と3種類あるにもかかわらず、いずれも可愛さや色気が感じられる訳でもなく、かといって恰好良さもあまりなく、評価が低い。 --恰幅が大きくオッサンのような感じになっている男性騎馬将軍や、鎧の中から目が覗いているというコミカルな描写の一般兵士など、それ以外のものも評価が低いものが散見される。 -ボイス付きのセリフやモーションが多用されるようになったにもかかわらず、これらがほとんど一切飛ばせない。 --特に同じものを何度も見ることになる戦闘アクション・セリフや月ごとのイベントなどについては、人によっては大きなストレスになる。 -移動マップに戻る際のロードが長い。 --戦闘が終わる度に数秒はロードする上、特にイラストやTIPSを表示する等のストレス緩和策もないため、テンポはかなり悪い。 -戦闘アクションの出来自体は決して悪くないのだが、戦闘システム上しばらくの間同じエッグモンスターを使い続けねばならないこともあって、演出に飽きがくる。 --適宜✕ボタンを押すことで、押している間''全ての動きを早送りのごとく2倍速にできる''という機能もあるのだが、正直なところそれでもまだ遅く、焼け石に水。(ちなみに前作にも攻撃演出の早送り機能はあった) --シナリオを早送りすると、ボイスありの台詞は早送りされるだけなのだが、ボイスなしの台詞は即座にスキップされてしまう。ボイスなしの大臣(2D)とボイスありのカトリイネ(3D)が話すシーンなどでは、大臣の台詞だけが飛ばされることになる。 -ひたすら面倒な「にんき」のステータスの存在 --この数値が低いと戦闘時に兵士の動きが鈍くなり実力を発揮しきれないのだが、主人公とあたしはこの数値の初期値が極端に低くほとんど役に立たない。(前2作の主人公は最初から最高クラスのステータスを持ち非常に使いやすかった) ---上昇させるにはたまごを使わずに敵を倒すしかない((切り札を使ったりエッグモンスターで弱らせた後、兵士でトドメを刺すという手段は可能である。))のだが、人気が低いと戦闘力も低下するのでなかなか勝てず、さらに撤退すると下がるので相手を選んで戦わなくてはならない。 --主人公の場合は戦闘能力は高くたまごも優秀なので、戦闘による成長自体はやりやすいが、その代わりリストラやイベントの選択肢でも「にんき」が減少してしまう。あたしの場合は進化する度に人気がリセットされその姿一つ一つに人気が設定されている。 --にんきの低い将軍はかなりの高確率(合計2/3)で謀反や夜逃げを起こして失われてしまう。前作と違い一切のメリットは存在しない。しかも、自分の人望のなさを棚に上げ主人公の責任になる。(主人公が気絶したりして不在のステージでも) -慢性的な赤字財政 --ほぼ毎月カトリイネがなんらかの形で金を要求してくるため、「収入が天引きされている」ようなものであり初期は辛い。 ---さらに性質の悪いことに、運が悪いと兵士数まで激減させてくる。一応、兵士は1人1ポッキリと最高999人でも1000ギリギリなので金がありあまっている時は大した被害にはならないが…。 --ただ、一番安い選択肢なら月10ポッキリと、並みの将軍の賃金程度の出費なので、中盤以降はさほど問題ではなくなる。 -城に将軍を常に配置しないと収入が得られなくなった。(その城の収入の75%しか入らない) --前作ではステージ開始直後には少数の将軍しか戦闘に参加できないが、参加している将軍にしか賃金は払わなくてよかった。本作では最初から全軍が動かせるためステージ開始直後はほぼ確実に赤字である。 -8月にほぼ必ず発生する「ストライキ」のバッドイベントの仕様変更。 --3つの選択肢のうち「基本的に兵士数が0になってしまうが、一定確率でなにも起こらず助かる」というギャンブルではあるが救済的な要素を持つ選択肢が「確実に兵士数が0になる」という仕様に変更され、完全なバッドイベントになってしまった。 --次回作では前々作の仕様に戻っている。 -手間のかかる切り札生産システム --モモリスから暗号を貰って解くだけでも面倒な上、どのブロックが手に入るかはステージにより決まっているので、暗号が解けてもブロックが全然足りないということがあり、思うように開発ができないことも多い。 --ちなみに、宣伝では並べ方が適当だったり間違えると爆発するような説明がされていたが、これは特定のブロックを並べないと起きない。 -前作ではポーズ中でもコマンド選択ができたが、本作では出来なくなった。 ---- **総評 10年ぶりの新作ではあったものの全体的なノリが大幅に変わったこともあってか、旧作ファンを完全に取り戻す事にはならなかった。~ 前作のSFC版同様バカゲーを狙って作られており、3D軍ボスキャラやエッグモンスターのキャラ付けなど、SFC版のノリと比較的近いものも見られる。~ しかし、複数のボス戦やメインキャラであるカトリイネのキャラ付けなど、かなり目立つ部分のギャグが非常に人を選ぶ作りで悪目立ちしており、万人向けとは言い難い部分が多い。~ テンポの悪さがかなり気に掛かるものの、ゲームとして破綻している訳ではなく、ノリやギャグの傾向の変化、一部のキャラのウザさ等に目を潰れれば遊べる作品ではある。~ ただ、旧作ファンにとっては受け入れがたい要素も多いのもまた事実だろう。 また、主な不満点は人気だった前作『2』との比較からくるものが多く、前々作『1』と比較すれば及第点の出来、許容はできるとする層も存在する。~ 知名度の高い『2』の声のほうが大きくなるのはある意味当然のことで、別にシリーズファン全体から忌み嫌われているというわけではないことは付け加えておく。 ---- **その後の展開 -2年後に次作『[[半熟英雄4 ~7人の半熟英雄~]]』が発売された。 --ゲーム評価についてはリンク先を参照。 //個別ページがあるのでゲーム評価は省略 **余談 -ディレクター繋がりでか、本作の第1面は『[[ライブ・ア・ライブ]]』のパロディである。 --敵キャラクターのオディオは同作のオルステッドの姿が元ネタであり、台詞も同作の魔王オディオのものを踏襲しているが、笑い声が「ヒャーハッハッハァ!!」とストレイボウの性格も混ざっている。 -限定版の中身は完全にファンアイテム --ソノシート、カルタ、お面、紙相撲、鉄拳のネタ帳「こんな半熟英雄はたまごへ帰れ」など。 --実用性に乏しいのはともかくとして、一人では全く楽しめないようなものが半分近くを占める。昔のふろく付き子供雑誌をイメージして作られたようだが、ネタ以上のものになっているとは言いがたい。 --そのためか、次作『4』では限定版の中身はランチボックスとサウンドトラックに変更された。 ---ちなみに、本作のサントラは普通に販売されていた。 -前作と同様に1話完結のテレビ番組を意識した演出が入り、章の幕間にはCMを模したムービーが流れるのだが、その中には「ガリガリ君」や「チョコエッグ」「文明堂のカステラ」等、テレビで使われていた本物のCMも許可を取って複数収録している。 --ちなみにゲーム中に実在商品の広告を用いる手法は[[本作以外にもそれなりに見られてはいる>マリオブラザーズ#id_9fa337d5]]。現在の基本無料プレイ作品の広告閲覧に近いものがある…かもしれない。 -オフィシャル攻略本での時田貴司氏と植松伸夫氏の巻末インタビューでは、カトリイネのウザキャラぶりについて、&bold(){「ED後の「あたし」のプレイヤーへの投げキッスに対しコントローラーを画面に投げつけた」}というユーザー意見があったことが明らかになった。またそれに対して「狙い通り」と誇らしげに語っている。「今の若いゲームプレイヤーはわがままだからこういうヒロインも味わってほしい」「女なんて思い通りにはならないものだよ」とは同書での時田氏の言だが… --ゲーマーの心を(ヘイト方向にとはいえ)強く動かしたという意味ではカトリイネは確かに時田氏の狙い通りであろうが、それは要するに&bold(){「客であるゲーマーに不快になってほしいのか」}という当然の反論も出ただろう。 -「スクウェア三大悪女」なるものがスクウェアゲーマー界隈では昔からあるが、これをプレイした一部ゲーマーから&bold(){「[[ヨヨ>バハムート ラグーン]]と[[アリシア>ライブ・ア・ライブ]]の他に三人目で悩んでるならカトリイネで良いだろ」}という意見も見られている。
*半熟英雄 対 3D 【はんじゅくひーろー たい すりーでぃー】 |ジャンル|リアルタイムシミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B00006RT6C)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|スクウェア・エニックス|~| |発売日|2003年6月26日|~| |定価|通常版:6,800円(税別)&br()限定版:8,800円(税別)|~| |判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~| |~|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|SFC版ではなくFC版準拠のシステム&br()雰囲気の激変&br()ボイス付きの演出や敵サイドのキャラクター性等は魅力&br()演出増加によるテンポの悪さが最大の難点&br()最凶のウザキャラ、カトリイネ|~| |>|>|CENTER:''[[半熟英雄シリーズリンク>半熟英雄シリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 リアルタイムシミュレーション『半熟英雄』シリーズの第3作。~ SFCでの前作の発売から10年振りの新作であり、ささきいさお氏が歌うOP主題歌中の台詞でも「十年ぶりの発売でございまーす」と発言している。~ 今作では「対 3D」というタイトル通り、&bold(){ペラペラの2Dキャラである主人公たちを操作して、立体の「3D軍団」と戦うというコンセプトである。}%%ある意味、HD-2Dを先駆けている%%~ また、世界観やキャラクターデザインは、前作までの雰囲気を踏襲しつつも一新されている。なお、キャラクターデザインはアニメーターであるオグロアキラ氏が担当しており、後に[[DSリメイク版『FINAL FANTASY IV』>ファイナルファンタジーIV (DS)]]や[[『FFIVアフター 月の帰還』>ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS -月の帰還-]]などでもキャラクターデザインやイラストを担当している。 優秀なアニメーターの協力による2Dアニメーション(後述)や製作費を食う3Dキャラクターなど、豪華な制作技術をギャグ(というか自虐ネタ)に使うというくだらなさを売りにしていた。 スクウェアがエニックスと合併、現在の「スクウェア・エニックス」となって最初の新作ソフトである((新作に限定しなければ、スクエニ名義での初発売は本作より前に『FFXI』の拡張ディスクがあった。))。~ これを記念して同じく旧エニックスのバカゲー『[[せがれいじり]]』とのコラボレーションも行われている。 ---- **ストーリー >かつて一人の姫を愛した二人の男が争っていた。~ 一人の男はアルマムーン国が劣勢となる中、最後まで希望を捨てず、やがて姫から託されたたまごの力を使い、~ 憎しみに染まったもう一人の男との争いを終わらせた。 > >そして時は流れ、男と姫の忘れ形見である主人公は平和でお気楽な毎日を過ごしていた。~ だがある日、アルマムーン城は突如現れた巨大なおまるに流されてしまう。~ 流された先は2Dのまま時代に取り残された彼らにとっては未開の地、3D世界だった…!! ---- **特徴 -3D世界を舞台にした3D軍団との戦闘ということで、フィールドマップ、戦闘ともに3D化されている。 --逆に味方キャラクターや、召喚されるエッグモンスターは全て2Dとなっており、アニメーション調のグラフィックが描き起こされている。 ***世界観・キャラクター -本作の敵は&bold(){「3D軍団」}であり、前作の「完熟軍団」とは全く異なる敵が登場する。 --最初の敵である「スケルトン男爵」(スケルトンモデリング)を皮切りに、「ワイヤード伯爵」(ワイヤーモデリング)、「ローポリン侯爵」(ローポリゴン)などが各面のボスキャラとして登場。各々のデザインは3D描画の技術が元ネタになっており、ストーリーの進行に伴って徐々に新しい技術に革新されていく。 ---最初に戦うスケルトン男爵やワイヤード伯爵はエフェクトが強く掛かった機械音っぽい声なのに対して、ローポリン侯爵の頃には普通のボイスになっていたりと、敵の造形や演出にも技術の革新要素が取り入れられている。 ---「デジタル・プレデター:ワイヤード伯爵」「暴走するフェロモン:ローポリン侯爵」など、戦闘前にはそれぞれのボスキャラが二つ名付きで紹介される。 --背景や将軍・雑魚兵士などのデザインも面が進むに従って進化したものになっていき、同様に技術の革新を表している。 -本作からのレギュラーキャラクターとして、カトリ・デ・オマール国の王女&bold(){「カトリイネ」}が登場。 --前作までの月1イベントに登場した「あたし」を元にしていると思われるキャラクターであり、当初は記憶喪失の女性「あたし(ハート)」として登場する。 --お世辞にも美女とは言えないおかめのような輪郭におばちゃんのような顔、でっぷりとした寸胴体型に加え、とにかく自分勝手で強引、おまけに主人公にゾッコンで嫉妬深く怪力、当然それらについて自覚はゼロとトラブルメーカー極まりない性格で一行を引っ掻き回す。 ---良くも悪くも行動力はあり、彼女なりの正義感も一応備えてはいるため、稀に役に立つ機会がないではないのだが… --3D世界のキャラクターなので、2Dでペラペラの主人公や大臣の中、3Dで動き回る。 --ボイスは笹木綾子氏。氏の熱演により、カトリイネのアクの強さはさらに増していると言っても過言ではない。 ---『[[ときめきメモリアル]]』の清川望としてヒロイン役経験もある氏だが、本作では強烈なほどの存在感で完全に三枚目に徹している。 -本作から大臣は「セバスチャン」という固有名で将軍としても使えるようになった。 //大臣の名前は前作の時点で設定済み --ボケ続ける主人公へのツッコミ役という役割は旧作と同様。 ***システム 基本的なシステムはシリーズ初作『[[半熟英雄]]』の記事を参照。 -主人公、セバスチャン(大臣)、ゼウス、ヴィーナス、ココットの5人の将軍が所属する状態でゲームスタートとなる。前作同様、各面をクリアした後は、所持する将軍やお金を引き継いで次のステージに移行する。 --メインキャラである主人公、大臣、あたし(=カトリイネ、後述)のいずれかが敗北するか、各ステージの初期城であるアルマムーン城や後半のカトリ・デ・オマールを攻め落とされるとゲームオーバー。 -戦闘は従来作のような自動的にぶつかり合ってHPが減っていくものではなく、自分で動かしてキャラクターを突撃させる方式となった。 --連打で強化されるのは従来と同じであり、本作では&bold(){「連打リングシステム」}と呼ばれる。○ボタンを連打すると「スタミナ」を消費して移動スピードが速くなり、攻撃の威力も上がる。 --「スタミナ」は各戦闘MAXの状態で始まるが、将軍毎に上限値が異なる。 --オプション設定で押しっぱなし方式のオートモードにする事も可能。 -全ての将軍は3種類の&bold(){「陣形」}を持つ。 --陣形は「グンググーン」「チョッキーン」「パパラパーン」があり、じゃんけんのグー・チョキ・パーをモチーフとする。 --相手に(じゃんけんの手で考えて)有利な陣形だと攻撃力・防御力が上昇するようになっている。 --将軍ではないエッグモンスターやボスモンスターには陣形の概念は存在しない。そのため、陣形はあくまで将軍vs将軍の戦闘でのみ関わってくる。 -従来通り、戦闘中の任意のタイミングで「たまご」「きりふだ」を使用して補助できる。「たまご」を使用するとエッグモンスターが召喚され、将軍の代わりにエッグモンスターが戦うコマンド戦闘に移行する。 --エッグモンスターの技は本作からアニメで描画されるようになり、ボイスも入っている。 --同じエッグモンスターを何度も登場させると成長するようになった。エッグモンスターの強さは「ランク」の数値で示される。 --エッグモンスターの技は今までの2つから3つに増加。最初は従来通り2つで、ランクを最大まで上げると3つめの技が使える。 --作中には「エッグモンスター図鑑」が存在する。一度でも召喚したエッグモンスターは、この図鑑で外観と使用できる技のほか、小ネタを含んだ説明文を見ることができる。 -本作は「たまご」の無い世界に転移した設定であるため、敵はたまごを使ってこない。 --ボス敵も前作にあった将軍タイプのボスは存在せず、モンスター型(エッグモンスターと同じ扱い)のボスだけで構成されている。 -第2作同様、『[[ファイナルファンタジー>ファイナルファンタジーシリーズ]]』シリーズのキャラを元ネタとする将軍が複数おり、いずれも比較的強くなっている。 --本作では『[[サガ>サガシリーズ]]』『[[聖剣伝説>聖剣伝説シリーズ]]』『[[フロントミッション>フロントミッションシリーズ]]』など、旧スクウェアの他作品のキャラも登場している。 --そのほか、「トキータ」(プロデューサー・時田氏)、「ウエマッチーノ」(作曲・植松氏)などといった製作スタッフを元にした将軍もいるが、こちらは押しなべて弱い。 -「たまご」を持たない将軍が疑似的に使う1回限りの「たまご」、「いっぱつエッグ」の仕様が大きく変わっている。 --前作では「たまご」を持っている将軍を倒すとそれを「いっぱつエッグ」として奪う形であったが、本作ではこの手段では「たまご」を入手できなくなった。 --本作では、前作までにも存在した、手の空いた将軍をフィールドの「洞窟」に派遣する洞窟イベントで、「いっぱつエッグ」を入手するイベントがランダムに発生するようになった。 -従来と同様、シミュレーションパートで一定時間((「時間の流れ」の設定を「ふつう」にした場合180秒、「はやい」にした場合90秒。))が経過するごとに「月一イベント」が開催される。ランダムイベントや定期イベントが発生した後、将軍募集や兵士雇用などの軍備増強ができる。 --ストーリーであたし(カトリイネ)が登場して以降は、カトリイネからの「おねだりイベント」が毎月発生する。「アクセサリー」「エステ」「料理」の3テーマのうち1つが選ばれ、強制的に3段階のランクのうち1つを貢がされる。 ---前作までの「あたし」イベントに当たるもので、「あたし」イベントのように安いものを選ぶと受け取りを拒否されたりといったことは無いが、確実に毎月発生する。 ---2月と3月は強制的にバレンタインデー、ホワイトデーイベントになる。バレンタインデーはカトリイネの手作りチョコ&s(){(いらない)}が貰えるイベントで何も貢がされずに済むが、3月のホワイトデーイベントではお返しとして通常の月より遥かに高いものを貢がされる。 --貢いだ総額が一定以上に達すると、カトリイネを将軍として使用できるようになる。 ---総額が増えるごとにカトリイネの強さや姿も変わり、女子高生になったり映画『マトリックス』風になったり小林幸子風になったり、果てには巨大化した「巨美神」になったりとやりたい放題である。 ---将軍としてのカトリイネはパラメータは中々強く、主人公や大臣と同様に賃金も不要だが、元が3D世界の人間ということもありたまごは持っていない。代わりに、強化すると自身の陣形を変える「変形」やエッグモンスターと同様の形態となる「巨大化」が使えるようになる。 --顔がケンシロウそっくりの「[[バクトのケン>北斗の拳シリーズ]]」が行うギャンブルなど、新しいランダムイベントも追加されている。 -月一コマンドでは従来同様「きりふだ」を購入できるが、本作では購入までにきりふだの「開発」を要する。 --フィールド上に、エッグモンスターでもある「モモリス」がたまに現れるので、そこに行って捕まえるときりふだ開発のヒントとなる石版が貰える…というか&bold(){口から吐き出す。} --敵将軍を倒すと開発用のブロック(テトリスのブロック(テトリミノ)のような形状)をドロップするため、ヒントを頼りに特定のブロックで正方形の開発ゾーンを埋め尽くすと、ブロックを消費して対応したきりふだが購入できるようになる。 --モモリスを捕まえる工程は必須ではないので、攻略情報をあらかじめ知っていればそのままブロックを消費して開発することも可能。 -クリアデータの引継ぎ、いわゆる「強くてニューゲーム」が導入された。(ボスの体力が増えるだけ) --特にエッグモンスターのランクを引き継ぐため、周回プレイをしていれば各エッグモンスターの3つ目の技を見られるようになっている。 ---- //ここは攻略wikiではないので攻略情報は不要です。 **評価点 -2Dキャラはドット絵風に描かれた紙人形といった感じで、アニメチックな2.5頭身デフォルメキャラで構成されている、縦横16ピクセルといったドット絵とはまた違った魅力がある。 --方向転換をする際はまさに紙人形芝居のように回り、ペラペラな感じをあえて見せている。 -全101体のエッグモンスター全てにアニメ描画の攻撃モーションやボイス、新技が用意されている。 --前作には登場していたもののリストラされてしまったモンスターもいるが、これだけの数のモンスターの描画とボイス収録の作業量を考えればそれなりに許容可能だろう。 ---次作『4』では、今作でリストラされたモンスターも全員再登場している。 --ただし、後述のテンポの問題もあって、前作までのポコンポコン突進してダメージを与える地味な演出のほうが好きなプレイヤーも一部にはいる。 --シリーズ恒例の、モンスター案の一般公募によって生まれたエッグモンスターも健在。初登場時には''原案者ご本人の顔と台詞が出る''。 -何だかんだで「2Dvs3D」というアイデアは良く、オリジナリティは高い。 --ゲーム製作の観点で言うと2D側のアニメ描画と3D側のポリゴン描画を両方用意するのは中々大変なこともあってか、03年のゲームでありながら現在に至っても似たコンセプトのゲームというのは現れていない。 --ストーリー面でも、3D軍団と戦いながらゲーム技術の変遷を追っていくという(中盤までの)流れは大いに評価できるものがある。 --敵役となる3D軍団の面々も安定したネタキャラが揃っており、その点では旧作とほぼ変わらないクオリティを保っている。 ---「ワイヤー」なので&bold(){「ワイやー」}というベタな関西弁キャラのワイヤード伯爵、日本語と英語の二か国語で喋っているかと思いきや&bold(){英語の方は日本語と関係ない適当なことを喋っている}バイリンガ将軍、非常にシリアスで技も豪快なのに&bold(){なぜか武器はケン玉}なハイポリゴ大将軍など、各ボスはいずれもくだらないネタに溢れている。 -アニメ原画家の金田伊功氏によるアニメーション。 //遺作でもないので故人表記は不要 --更にアニメ製作会社として有名なタツノコプロが製作に携わっており、オープニングなど数箇所で力の入ったアニメーションを見られる。内容のセンスは評価の分かれるところだが、金田氏の特徴ともいえる様々な技法を余すことなく詰め込んだものとなっており、少なくともアニメーションとして出来は抜群。 ---2Dキャラはゲーム部分は紙絵みたいに動くがムービー場面は普通のアニメ絵であり、背景が多い3D場面よりずっと生き生きしている。 -BGMは第一作でも作曲を担当した植松伸夫氏が製作しており、戦闘BGMなどは評価が高い。 --オープニングのイベントボス戦にも専用の曲があったり、ストーリー中でも2面毎と早いスパンでボス戦の曲が変わったりと、ボス曲だけでも10曲近くを収録している。 --エッグモンスターを召喚して戦闘している際のBGM等は、FC版と同じものがアレンジされて収録されている。 ---FC版と同様、「弱い・普通・強い」の3段階でBGMが異なり、強いエッグモンスターの迫力と弱いエッグモンスターのへっぽこさがよく表現されている。 -細かい部分でもとにかくネタが多い。 --ウケるものウケないもの含めてとにかく全編ネタ塗れであり、UIだけ見ても月イチコマンドのメニュー画面はマンガ風のコマ割になっていたり、「にんき」のステータスはウナギで表されていたり(「人気がうなぎ登り」から)、時間経過は画面下部に主人公が歩く様子で表されたりとバラエティ性が高い。 --敵城の名前はステージによって命名法則が統一されており、「3D技術の名前(グリッドン城、スーケル城…)」「パスタの名前(フェデリーニ城、デルヴェルデ城…)」&bold(){「ガソリンスタンドチェーンの名前(エーネオス城、イッデミツ城…)」「ただのダジャレ(イチブジョウ城、ハタシ城…)」}など、真面目なものからネタに走ったものまで様々。 -シリーズで初めて主題歌を採用。ささきいさお氏による熱唱と半熟英雄らしさ溢れる歌詞、熱い曲調もあってか好評。 --衝撃的な場面でアニメと共に流れる挿入歌「黄味なしでは…」、ED「半熟音頭」も評判が良い。 --氏はシリーズの顔である最弱のエグモン「エッグマン」の声優も務めている。氏のヒーロー然とした演技と、エッグマンの頼りにならない見た目や利用価値ゼロの性能というギャップがいい味を出している。 --続く『4』の主題歌とエッグマン声優も、同氏が起用されている。 **賛否両論点 -ベースが第一作(FC版) --ファンの間で主に人気があったのは第二作『ああ、世界よ半熟なれ…!!』(SFC版)なのだが、作曲家が植松伸夫氏に戻ったこともあり、召喚モーションなどの演出が第一作(FC版)ベースに戻った。それゆえに、FC版の知名度の低さもあってかSFC時代のファンは肩すかしを喰らうことになった。 --FC版のBGM(音源も)を一部流用したBGMや、[[『ファイナルファンタジー(FF)』シリーズ>ファイナルファンタジーシリーズ]]のBGMの一部アレンジも賛否両論であった。 ---特に勝利BGMがFFシリーズの勝利BGMである「勝利のファンファーレ」のアレンジになっているのはやりすぎの気があり、半熟英雄シリーズの個性を消してしまっている感がある。 -スタミナゲー、卵ゲーになりがち。 -- -騎馬将軍が活躍しづらい -- -あたし(カトリイネ)の個性が非常に強烈。 --(一応)ヒロインなのだが、設定通りとはいえ容姿も性格も最悪。ギャグとしてシャワーシーンまで用意されており、笹木綾子氏の熱演もあって「ウザキャラ」としては間違いなく成功しているのだが、人によってはギャグとして許容しがたい域にまで達してしまっている。実際、&bold(){「カトリイネがウザすぎて今作は糞」}と言っているプレイヤーも珍しくない。前作「世界よ半熟なれ」でも「あたし❤」というおじゃまキャラが世界観の違う別人ながら登場するのだが、そちらは「おデブで図々しい女ながらも一応目や鼻の顔立ちは整っていてまあ見苦しくはない」レベルのキャラデザなので今作のあたし(カトリイネ)とは主に美醜点で雲泥と言っていい。 --作中でその行いが肯定されている訳ではなく、はた迷惑な振り回しキャラであることは十分描写されていることや、前述の通り本人に悪意は(基本的には)なくそのアグレッシブさがプラスに働く面も無くはないため、古いタイプのギャグキャラではあるがそういうものとして特に嫌ってはいないプレイヤーも存在はする。 --もっとも、本作では嫉妬などの結果として主人公に過剰な暴力を振るうギャグがあったり、メインキャラが少なくカトリイネを積極的に抑えるようなキャラも居ないことも相まってどうしても描写の悪さは残る。 --ちなみに時田氏が携わった作品ではこうした癖の強い性格のヒロインが多く登場する傾向にある。『[[ライブ・ア・ライブ]]』も有名な例だろう。 //ギャグキャラとして受け入れられない人も十分いるレベルなのは否めないですが、「人によっては」と文中にも書かれている通り受け入れられるレベルと思われるため、問題点から賛否両論点に戻しました。また、インタビュー関連の記述は余談に移しました。 -基準のよくわからない有名人の起用 --ささきいさお(主題歌とエッグマンなどの一部ボイス)・染之助染太郎兄弟((染太郎氏は当時既に故人であったため、過去の演目から音声を使用し、染之助氏の新録ボイスでフォローする形になっている。))(一部定期イベント)・こずえ鈴(ナレーション)・鉄拳(ボスキャラ)が起用されているが、ささきいさお氏と鉄拳以外はインパクトも少なく必要性も薄い。 ---ただし、こずえ鈴のナレーションは一部から「クセになる」と好評意見もある。 --鉄拳は「『ファイナルファンタジー』シリーズと間違えて出演した」という滑りギャグ的な設定で登場するが、2度も登場し3度もボスキャラとしてしつこく戦わされることもあって、完全にストーリー中で浮いてしまっている。彼のファンならまだしも、そうでない人にとっては…。 ---ちなみに、鉄拳の所属芸能事務所である「オフィス☆怪人社」から大量の芸人が声優として参加しており、エグモンのフルボイスを実現させている(次回作にも引き続き参加)。ある意味バーター出演に近いのかもしれず、そういう意味では鉄拳の起用は無駄ではなかったのかもしれないが…。 ---なお、キャスト欄には現在では故人の桜塚やっくんも別名義で出演している。 -ギャグの傾向の変化 --前作と比べると、下ネタ・楽屋ネタ・毒舌・露骨なパロディネタといった人を選ぶものが多い。 ---3D軍団の撃破後、終盤の「4次元」へ向かう展開はまさしく「超展開」で、人によっては完全に滑っていると感じることもあると思われる。 --次作『4』でも下ネタは減ったものの同様の傾向は受け継がれ、CMで自虐ネタにしている。 #region(ニコニコ動画注意) &nicovideo2(sm2638400) #endregion **問題点 -前作と異なり敵がたまごを使用しないため、エッグモンスター同士の戦闘が基本的に発生せず、こちらがエッグモンスターを召喚すれば大抵勝ててしまう。それによって戦闘が味気なくなり、難易度も下がった。 --初代(FC版)と同じなのだが、初代ではたまごの回復が面倒でリスクのあるものだったため、エッグモンスターの使用自体を制限せざるを得ず、ある程度バランスは取れていた。本作は月一コマンドで料金さえ払えば簡単にたまごが回復でき、たとえ壊れても比較的簡単に治せるため、とりあえずエッグモンスターを出すことに対するリスクが低い。 ---ランクによるエッグモンスターを何度も出すことでの成長があるため、そもそもゲーム設計上エッグモンスターを多用する構成になっており、将軍同士の戦闘はだいぶ軽んじられている。 --一応、こちらもたまごを封じられてしまうシナリオがあるのだが、切り札でごり押しして相手の城さえ奪えとアドバイスがあるがボス戦に入ったと同時に解禁される。しかもボスが弱いため(2000以下、即死も低確率)いっぱつエッグを取り逃しやすい。 --世界観上敵が2Dのエッグモンスターを使用するのはおかしく、かと言って3Dのエッグモンスターまで大量に作るのは無理…という背景事情は恐らくあるのだが、それにしてもそれに代わる戦略性を用意できていないのは頂けない。 --ボスはHPが高く攻撃も強烈でエッグモンスター1体では勝てないほどだが、それ故に「卵持ちの将軍を何人も突っ込ませてHPを削っていく」という単調かつ作業感漂う戦いを強いられてしまう。 ---これに関しては前作のSFC版にも見られた問題点ではあるのだが、後述のテンポの悪さが重なり、本作ではこの点がより目立ってしまっている。 -将軍や兵士のキャラクターデザイン変更 --特に女性将軍のグラフィックは、ヴァルキリーのような軽装であった旧作に対して無骨な鎧兜を付けた姿になっている。 ---特攻、防衛、騎馬と3種類あるにもかかわらず、いずれも可愛さや色気が感じられる訳でもなく、かといって恰好良さもあまりなく、評価が低い。 --恰幅が大きくオッサンのような感じになっている男性騎馬将軍や、鎧の中から目が覗いているというコミカルな描写の一般兵士など、それ以外のものも評価が低いものが散見される。 -ボイス付きのセリフやモーションが多用されるようになったにもかかわらず、これらがほとんど一切飛ばせない。 --特に同じものを何度も見ることになる戦闘アクション・セリフや月ごとのイベントなどについては、人によっては大きなストレスになる。 -移動マップに戻る際のロードが長い。 --戦闘が終わる度に数秒はロードする上、特にイラストやTIPSを表示する等のストレス緩和策もないため、テンポはかなり悪い。 -戦闘アクションの出来自体は決して悪くないのだが、戦闘システム上しばらくの間同じエッグモンスターを使い続けねばならないこともあって、演出に飽きがくる。 --適宜✕ボタンを押すことで、押している間''全ての動きを早送りのごとく2倍速にできる''という機能もあるのだが、正直なところそれでもまだ遅く、焼け石に水。(ちなみに前作にも攻撃演出の早送り機能はあった) --シナリオを早送りすると、ボイスありの台詞は早送りされるだけなのだが、ボイスなしの台詞は即座にスキップされてしまう。ボイスなしの大臣(2D)とボイスありのカトリイネ(3D)が話すシーンなどでは、大臣の台詞だけが飛ばされることになる。 -ひたすら面倒な「にんき」のステータスの存在 --この数値が低いと戦闘時に兵士の動きが鈍くなり実力を発揮しきれないのだが、主人公とあたしはこの数値の初期値が極端に低くほとんど役に立たない。(前2作の主人公は最初から最高クラスのステータスを持ち非常に使いやすかった) ---上昇させるにはたまごを使わずに敵を倒すしかない((切り札を使ったりエッグモンスターで弱らせた後、兵士でトドメを刺すという手段は可能である。))のだが、人気が低いと戦闘力も低下するのでなかなか勝てず、さらに撤退すると下がるので相手を選んで戦わなくてはならない。 --主人公の場合は戦闘能力は高くたまごも優秀なので、戦闘による成長自体はやりやすいが、その代わりリストラやイベントの選択肢でも「にんき」が減少してしまう。あたしの場合は進化する度に人気がリセットされその姿一つ一つに人気が設定されている。 --にんきの低い将軍はかなりの高確率(合計2/3)で謀反や夜逃げを起こして失われてしまう。前作と違い一切のメリットは存在しない。しかも、自分の人望のなさを棚に上げ主人公の責任になる。(主人公が気絶したりして不在のステージでも) -慢性的な赤字財政 --ほぼ毎月カトリイネがなんらかの形で金を要求してくるため、「収入が天引きされている」ようなものであり初期は辛い。 ---さらに性質の悪いことに、運が悪いと兵士数まで激減させてくる。一応、兵士は1人1ポッキリと最高999人でも1000ギリギリなので金がありあまっている時は大した被害にはならないが…。 --ただ、一番安い選択肢なら月10ポッキリと、並みの将軍の賃金程度の出費なので、中盤以降はさほど問題ではなくなる。 -城に将軍を常に配置しないと収入が得られなくなった。(その城の収入の75%しか入らない) --前作ではステージ開始直後には少数の将軍しか戦闘に参加できないが、参加している将軍にしか賃金は払わなくてよかった。本作では最初から全軍が動かせるためステージ開始直後はほぼ確実に赤字である。 -8月にほぼ必ず発生する「ストライキ」のバッドイベントの仕様変更。 --3つの選択肢のうち「基本的に兵士数が0になってしまうが、一定確率でなにも起こらず助かる」というギャンブルではあるが救済的な要素を持つ選択肢が「確実に兵士数が0になる」という仕様に変更され、完全なバッドイベントになってしまった。 --次回作では前々作の仕様に戻っている。 -手間のかかる切り札生産システム --モモリスから暗号を貰って解くだけでも面倒な上、どのブロックが手に入るかはステージにより決まっているので、暗号が解けてもブロックが全然足りないということがあり、思うように開発ができないことも多い。 --ちなみに、宣伝では並べ方が適当だったり間違えると爆発するような説明がされていたが、これは特定のブロックを並べないと起きない。 -前作ではポーズ中でもコマンド選択ができたが、本作では出来なくなった。 ---- **総評 10年ぶりの新作ではあったものの全体的なノリが大幅に変わったこともあってか、旧作ファンを完全に取り戻す事にはならなかった。~ 前作のSFC版同様バカゲーを狙って作られており、3D軍ボスキャラやエッグモンスターのキャラ付けなど、SFC版のノリと比較的近いものも見られる。~ しかし、複数のボス戦やメインキャラであるカトリイネのキャラ付けなど、かなり目立つ部分のギャグが非常に人を選ぶ作りで悪目立ちしており、万人向けとは言い難い部分が多い。~ テンポの悪さがかなり気に掛かるものの、ゲームとして破綻している訳ではなく、ノリやギャグの傾向の変化、一部のキャラのウザさ等に目を潰れれば遊べる作品ではある。~ ただ、旧作ファンにとっては受け入れがたい要素も多いのもまた事実だろう。 また、主な不満点は人気だった前作『2』との比較からくるものが多く、前々作『1』と比較すれば及第点の出来、許容はできるとする層も存在する。~ 知名度の高い『2』の声のほうが大きくなるのはある意味当然のことで、別にシリーズファン全体から忌み嫌われているというわけではないことは付け加えておく。 ---- **その後の展開 -2年後に次作『[[半熟英雄4 ~7人の半熟英雄~]]』が発売された。 --ゲーム評価についてはリンク先を参照。 //個別ページがあるのでゲーム評価は省略 **余談 -ディレクター繋がりでか、本作の第1面は『[[ライブ・ア・ライブ]]』のパロディである。 --敵キャラクターのオディオは同作のオルステッドの姿が元ネタであり、台詞も同作の魔王オディオのものを踏襲しているが、笑い声が「ヒャーハッハッハァ!!」とストレイボウの性格も混ざっている。 -限定版の中身は完全にファンアイテム --ソノシート、カルタ、お面、紙相撲、鉄拳のネタ帳「こんな半熟英雄はたまごへ帰れ」など。 --実用性に乏しいのはともかくとして、一人では全く楽しめないようなものが半分近くを占める。昔のふろく付き子供雑誌をイメージして作られたようだが、ネタ以上のものになっているとは言いがたい。 --そのためか、次作『4』では限定版の中身はランチボックスとサウンドトラックに変更された。 ---ちなみに、本作のサントラは普通に販売されていた。 -前作と同様に1話完結のテレビ番組を意識した演出が入り、章の幕間にはCMを模したムービーが流れるのだが、その中には「ガリガリ君」や「チョコエッグ」「文明堂のカステラ」等、テレビで使われていた本物のCMも許可を取って複数収録している。 --ちなみにゲーム中に実在商品の広告を用いる手法は[[本作以外にもそれなりに見られてはいる>マリオブラザーズ#id_9fa337d5]]。現在の基本無料プレイ作品の広告閲覧に近いものがある…かもしれない。 -オフィシャル攻略本での時田貴司氏と植松伸夫氏の巻末インタビューでは、カトリイネのウザキャラぶりについて、&bold(){「ED後の「あたし」のプレイヤーへの投げキッスに対しコントローラーを画面に投げつけた」}というユーザー意見があったことが明らかになった。またそれに対して「狙い通り」と誇らしげに語っている。「今の若いゲームプレイヤーはわがままだからこういうヒロインも味わってほしい」「女なんて思い通りにはならないものだよ」とは同書での時田氏の言だが… --ゲーマーの心を(ヘイト方向にとはいえ)強く動かしたという意味ではカトリイネは確かに時田氏の狙い通りであろうが、それは要するに&bold(){「客であるゲーマーに不快になってほしいのか」}という当然の反論も出ただろう。 -「スクウェア三大悪女」なるものがスクウェアゲーマー界隈では昔からあるが、これをプレイした一部ゲーマーから&bold(){「[[ヨヨ>バハムート ラグーン]]と[[アリシア>ライブ・ア・ライブ]]の他に三人目で悩んでるならカトリイネで良いだろ」}という意見も見られている。

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