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*アニマルランド殺人事件 【あにまるらんどさつじんじけん】 |ジャンル|アドベンチャー|&image2(animal.jpg,height=250)| |対応機種|MSX(RAM16K以上)|~| |メディア|1MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|エニックス|~| |発売日|1987年|~| |定価|5,800円(税別)|~| |プレイ人数 |1人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //エンディングがかなり好みが分かれると思いますので、判定に異論があれば修正願います。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 エニックスがMSX1末期にリリースしたアドベンチャーゲーム。パッケージのコピーにもある「衝撃の二重どんでん返し」が話題となった。~ プレイヤーは警察の一員となり、忠実な部下であり助手の新米警察犬「おいどん」と共に、動物だけが住まう平和な村「アニマルランド」で発生した殺人事件を追うことになるのだが... ---- //一応ネタばれは極力避けています。 **特徴・評価点 -コマンド選択式のアドベンチャーゲームだが、終盤のパートではドラクエのような2Dマップを調査するシステムも内包している。同社ソフトで言うなら『軽井沢誘拐案内』のような構成。 --パートナーが犬ということもあってか、「ハナきかす」というコマンドもある。 -コンティニューはパスワード方式。ただしいつでもとれるわけではなく、捜査の区切りごとに捜査ファイルの名前として提示される方式となっている。 --そのパスワードも動物の名前になっているので覚えやすい。 -見た目が一見ほのぼのとした雰囲気を漂わせながら、その実かなり重いストーリー。 --登場する動物の相関もかなり複雑で、現実の人間関係顔負けの愛憎劇が繰り広げられる様は圧巻。 ---とはいえ動物だけの世界観のためか、登場する名前は「動物にちなんだありきたりなもの」も多い(キツネだったらゴンタ、など。)ため関係の把握はしやすい。 --ミステリーアドベンチャーとしても高い完成度を持っているので、その辺りは安心して楽しめる。 ---そして強烈なメッセージ性を持つエンディングは今もなお語り草。 -CGもグラフィック性能が高いとは言えないMSXの機能を逆手にとって、絵本のような雰囲気を演出しており評価は高い。 -貧弱なMSX音源ながらBGMもなかなか印象的。特に終盤の曲はエンディングの衝撃も相まって脳裏に残りやすい。 --今となっては入手困難だが、「エニックス ゲーム・ミュージック」というPCゲームの音楽を纏めたCDには、本作の音楽のアレンジバージョンも収録されている。こちらも知る人ぞ知る良曲。 **賛否両論点 -エンディングは確かに衝撃的で一応筋は通ってはいるものの、同時にかなり強引な展開であることは否めないため、人によって好みが分かれる面がある。 #region(以下、エンディングのネタバレ注意) -すべての謎を解いて犯人を指摘すると、他の住人達が犯人を擁護しだす。~ そしてこの''アニマルランドは実は大きな動物園である''事がプレイヤーに明かされ、動物達は全ては自分達を動物園に閉じ込める人間達が悪いと自由を訴えるも、当の人間達にはただの鳴き声にしか聞こえない…という何とも後味の悪い終幕を迎える。 -衝撃的ではあるが、それまで擬人化した(服も来てる・店や経済が回っている)動物達が急遽動物園に入れられた動物であるという展開に唐突感は否めない。 --よくよくテキストを読むと、動物達が何かの「''人気''」に異様に固執してたり(それが過去の事件の原因になっている)等、初見では気づきにくい伏線は張られていたりする。 -実は比較的ボリュームが少ない。 --手順を知っていればかなり速く終わってしまうし、ゲームオーバーがないため、コマンド総当たりでやってもそこまで時間はかからない。 ---容量の関係だとは思うが、登場人物はこの手のゲームにしては比較的少人数で、捜査で行ける場所もそれほど多くない。 --本作の出た1987年という時代は、コマンド選択式のアドベンチャーゲームはすでに円熟期に入っており、もうこれ以上新しいアイディアはないだろう、というぐらい「やりつくされた」時代であった。 ---他面のクオリティは低くないものの、そのことを考慮に入れると少々寂しいと言わざるを得ない。 **問題点 -ゲーム後半に訪れることになる「迷いの森」はヒントが少なく、謎解きも一筋縄ではいかないため厳しい。 **総評 牧歌的な雰囲気でありながら、それに似つかわしくない愛憎劇の展開と、衝撃のラストによって当時のプレイヤーに多大な衝撃を与えた作品。~ ゲーム的にも全体的につくりは丁寧であり、普通のミステリー物としても楽しめるのは大きい。~ 後述の影響でプレイできる環境が厳しいのが惜しいところ。 **余談 -本作はMSXでしかリリースされておらずProjectEGGなどによる配信も行われていないため、MSXでも屈指のプレミアソフトとして有名である。 -本作はエニックス文庫より1989年に「ピースランド殺人事件・動物からの贈り物」というタイトルでノベライズ化されている。とはいえこちらも入手は困難。 --ただ、改題されているのと本作の知名度が低いことも相まって、本作のノベライズ作品であることはあまり知られていなかったりする。 --主人公はゲーム版では助手であった「おいどん」であり、全体的な流れや結末もほぼ忠実にノベライズされている。
*アニマルランド殺人事件 【あにまるらんどさつじんじけん】 |ジャンル|アドベンチャー|&image2(animal.jpg,height=250)| |対応機種|MSX(RAM16K以上)|~| |メディア|1MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|エニックス|~| |発売日|1987年|~| |定価|5,800円(税別)|~| |プレイ人数 |1人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| //エンディングがかなり好みが分かれると思いますので、判定に異論があれば修正願います。 ---- #contents(fromhere) ---- **概要 エニックスがMSX1末期にリリースしたアドベンチャーゲーム。パッケージのコピーにもある「衝撃の二重どんでん返し」が話題となった。~ プレイヤーは警察の一員となり、忠実な部下であり助手の新米警察犬「おいどん」と共に、動物だけが住まう平和な村「アニマルランド」で発生した殺人事件を追うことになるのだが... ---- //一応ネタばれは極力避けています。 **特徴・評価点 -コマンド選択式のアドベンチャーゲームだが、終盤のパートではドラクエのような2Dマップを調査するシステムも内包している。同社ソフトで言うなら『軽井沢誘拐案内』のような構成。 --パートナーが犬ということもあってか、「ハナきかす」というコマンドもある。 -コンティニューはパスワード方式。ただしいつでもとれるわけではなく、捜査の区切りごとに捜査ファイルの名前として提示される方式となっている。 --そのパスワードも動物の名前になっているので覚えやすい。 -見た目が一見ほのぼのとした雰囲気を漂わせながら、その実かなり重いストーリー。 --登場する動物の相関もかなり複雑で、現実の人間関係顔負けの愛憎劇が繰り広げられる様は圧巻。 ---とはいえ動物だけの世界観のためか、登場する名前は「動物にちなんだありきたりなもの」も多い(キツネだったらゴンタ、など。)ため関係の把握はしやすい。 --ミステリーアドベンチャーとしても高い完成度を持っているので、その辺りは安心して楽しめる。 ---そして強烈なメッセージ性を持つエンディングは今もなお語り草。 -CGもグラフィック性能が高いとは言えないMSXの機能を逆手にとって、絵本のような雰囲気を演出しており評価は高い。 -貧弱なMSX音源ながらBGMもなかなか印象的。特に終盤の曲はエンディングの衝撃も相まって脳裏に残りやすい。 --今となっては入手困難だが、「エニックス ゲーム・ミュージック」というPCゲームの音楽を纏めたCDには、本作の音楽のアレンジバージョンも収録されている。こちらも知る人ぞ知る良曲。 **賛否両論点 -エンディングは確かに衝撃的で一応筋は通ってはいるものの、同時にかなり強引な展開であることは否めないため、人によって好みが分かれる面がある。 #region(以下、エンディングのネタバレ注意) -すべての謎を解いて犯人を指摘すると、他の住人達が犯人を擁護しだす。~ そしてこの''アニマルランドは実は大きな動物園である''事がプレイヤーに明かされ、動物達は全ては自分達を動物園に閉じ込める人間達が悪いと自由を訴えるも、当の人間達にはただの鳴き声にしか聞こえない…という何とも後味の悪い終幕を迎える。 -衝撃的ではあるが、それまで擬人化した(服も来てる・店や経済が回っている)動物達が急遽動物園に入れられた動物であるという展開に唐突感は否めない。 --よくよくテキストを読むと、動物達が何かの「''人気''」に異様に固執してたり(それが過去の事件の原因になっている)等、初見では気づきにくい伏線は張られていたりする。 #endregion -実は比較的ボリュームが少ない。 --手順を知っていればかなり速く終わってしまうし、ゲームオーバーがないため、コマンド総当たりでやってもそこまで時間はかからない。 ---容量の関係だとは思うが、登場人物はこの手のゲームにしては比較的少人数で、捜査で行ける場所もそれほど多くない。 --本作の出た1987年という時代は、コマンド選択式のアドベンチャーゲームはすでに円熟期に入っており、もうこれ以上新しいアイディアはないだろう、というぐらい「やりつくされた」時代であった。 ---他面のクオリティは低くないものの、そのことを考慮に入れると少々寂しいと言わざるを得ない。 **問題点 -ゲーム後半に訪れることになる「迷いの森」はヒントが少なく、謎解きも一筋縄ではいかないため厳しい。 **総評 牧歌的な雰囲気でありながら、それに似つかわしくない愛憎劇の展開と、衝撃のラストによって当時のプレイヤーに多大な衝撃を与えた作品。~ ゲーム的にも全体的につくりは丁寧であり、普通のミステリー物としても楽しめるのは大きい。~ 後述の影響でプレイできる環境が厳しいのが惜しいところ。 **余談 -本作はMSXでしかリリースされておらずProjectEGGなどによる配信も行われていないため、MSXでも屈指のプレミアソフトとして有名である。 -本作はエニックス文庫より1989年に「ピースランド殺人事件・動物からの贈り物」というタイトルでノベライズ化されている。とはいえこちらも入手は困難。 --ただ、改題されているのと本作の知名度が低いことも相まって、本作のノベライズ作品であることはあまり知られていなかったりする。 --主人公はゲーム版では助手であった「おいどん」であり、全体的な流れや結末もほぼ忠実にノベライズされている。

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