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*仙界異聞録 準提大戦 ~TVアニメ-ション「仙界伝封神演義」より~ 【せんかいいぶんろく じゅんていたいせん てれびあにめーしょんせんかいでんほうしんえんぎより】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B000069THT,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61IXXpKmG9L._SL160_.jpg)[[裏を見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61sCClYBvcL._SX342_.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|バンプレスト|~| |発売日|2000年11月24日|~| |定価|3,980円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|封神されたキャラの復活&br();敵の宝貝も使用可能&br();あまり強くないスーパー宝貝&br();宝貝に力を吸い取られすぎな普賢真人|~| |>|>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 かつて週刊少年ジャンプで連載された人気漫画『封神演義』のゲーム化作品。&br()タイトルには旧アニメ版の名を冠しているが、内容は原作(漫画版)に準じている。&br()原作における仙界大戦の終盤、太公望と聞仲の最終決戦のシーンから物語が始まるが、聞仲封神の直後にゲームオリジナルのストーリーへ突入する。 **特徴 -前述の通りストーリーは冒頭を除くとオリジナル。殷の国土を模した謎の巨大空間宝貝・「蒼州列島」が冒険の舞台となる。 -ゲームの基本的な流れは、一般的なSRPGと同様に導入イベント後勝利条件が表示され、参戦キャラクターの選択(天化加入前には無し)後に戦闘画面となり、戦闘後のイベントが終わるとインターミッション→次のマップへとなる。 -1回の戦闘で参戦できる味方は7人まで。1人目は太公望で固定。仲間が7人以上いる時でも参戦キャラを6人以下にする事は可能。 -参戦キャラは、ターンごとに素早さの高い順に行動できる。 -戦闘中には装備した宝貝(パオペエと読む。仙人や道士が使う兵器)を使用できる。 --宝貝は1人につき3個まで同時に装備でき、1個の宝貝につき種類にもよるが最大3種類の技を使える。技には攻撃・回復・状態異常・防御力上昇・攻撃力上昇といったものがある。 --技の有効範囲は、縦横4方向・斜め4方向・縦横斜め8方向・隣を抜かして2マス先から数えた((例えば射程の数値が3なら2マス先~4マス先が有効範囲になる))縦横4方向の4種であり、縦横斜めの一直線上にしか効果が及ばない。 --一度に範囲内の敵(回復技なら味方)全員に効果を及ぼす複数技も存在する。単体技は技名の前に「>」、複数技は「≫」のマークがついている。複数技は『対象として選択した一名を攻撃した後、そいつに与えたダメージと同値のダメージを範囲内の他の相手に与える(相手にとどめを刺した場合でも、超過分も含めた計算上のダメージを与えられる)』という仕様のため、防御力の低い敵を対象として選択すると効果的である。ただし、かわされてしまうと他の相手にも全くダメージを与えられないため、宝貝攻撃の命中・回避率に影響する「賢さ」の数値が高い敵を選択するのはなるべく避けた方が良い。 --宝貝の中には、飛行可能・防御力が表示値の2倍として扱われる・状態異常を防ぐといった効果を装備しているだけで得られる物もある。なお、説明書には移動力を上げる宝貝もあるような事が書かれているが、実際には手に入らない。 --技にはそれぞれ必要技量が設定されており、キャラクターの能力値の1つ『技量』が規定以上でないとその技を使用できない。ただしその宝貝と相性の良いキャラクター(1種につき最大1名)が装備すると宝貝名の前に☆マークが付き、技量にかかわらず技を使える。なお、敵ユニットは☆が無くても必要技量を無視してくる。 ---雷震子の持つ「天騒翼」は、全ての技の必要技量が99に設定されており、雷震子以外に装備させると空は飛べるが技を使えない。 ---相性の良いキャラクターは、基本的にその宝貝の本来の使い手に設定されているが、本来の使い手が登場していない場合はその人物と関係の深いキャラに設定されている事もある。例として、四聖の宝貝は聞仲と相性が良い。 -戦闘マップ中の林や岩は宝貝による攻撃で破壊可能。破壊するとアイテムが手に入ることがある(場所・種類ともに固定)。 -宝貝による攻撃の他に、隣接する敵に対し通常攻撃として体術による(と思われる)直接攻撃も可能。キャラクターの攻撃力の値はこの通常攻撃の威力にのみ影響し、宝貝攻撃の威力には技量の値が影響する。 -戦闘中に「はなす」コマンドで隣接するキャラクターに話しかける事ができる。会話の結果アイテムが手に入ったり、「太乙真人((最序盤で合流するが参戦はせずサポートに徹する))から武器を借りてこよう」という話になって宝貝が手に入ったりする。敵にも話しかける事ができ、ボスキャラを親しいキャラに説得させて戦闘を終了させたり、場合によってはストーリーが大きく分岐する事もある。 -また、「こうかん」コマンドで隣接する仲間と装備している宝貝や回復アイテムを交換する事ができる。ただし天騒翼は戦闘中の交換は不可能で、インターミッションでのみ外す事ができる。 -宝貝は霊珠と呼ばれるアイテムを使ってカスタマイズして強化する事ができる。 --霊珠は赤・緑・白・青・黒の5色を宝貝1種につき合計3個まで取り付ける事ができる。一度取り付けたら『透明の霊珠』を使って消し去らない限り外す事はできない。 --カスタマイズで変化するパラメータは威力・LV(技の数)・精度・射程・消費。どの色の霊珠でどのパラメータが変化するかは宝貝によって異なる。 --宝貝によっては特定の色の霊珠を1個か2個付けると威力が下がってしまうが、その色を3個付けると威力が大幅に上がる物もある。 --LVを上げて新たな技を出すよりも既存の技を強化した方が強くなる、LV1技が威力を上げても効果が変わらない補助技なので威力上昇を3個付けても意味が無い、そもそも何の効果も得られない色があるなどといったケースも存在するため、下手にカスタマイズすると強くならない事もある。 --カスタマイズ不可能な宝貝もある。 -一部のマップを除き、戦闘で味方が倒されると封神されてしまい二度と参戦できなくなる。後に登場するキャラと関係の深いキャラが不在だと、評価点で後述する感動の再会が台無しになってしまう。 --太公望か、そのマップで新たに加入した仲間が封神されるとゲームオーバー。 -経験値は戦闘後のイベントが終わった際にまとめて加算され、戦闘中にレベルが上がる事は無い。 --経験値はマップポイント+ボーナスポイント×そのマップで倒した敵の総数の値が生存する参戦者全員に与えられ、さらにキャラクターごとに倒した敵の数、林や岩の破壊により入手したアイテムの数、回復・補助技使用ボーナス(使用回数にかかわらず固定)が加算される。マップポイントとボーナスポイントはマップごとに異なる。レベルの最高値は30。 --敵のレベルは味方の参戦キャラの平均値となる。 -最初のメニューで「コレクション」を選ぶと、総プレイ回数、最短クリアターン数、クリアステージ数、キャラクター図鑑、宝貝図鑑が見られる。 **評価点 -退場キャラの登場 --物語の舞台である蒼州列島では魂魄が具象化されており((わかりやすく言うと、魂だけが蒼州列島に引き込まれ、一時的に仮の肉体を与えられて行動している))、原作で死亡し封神された人物も登場する。死んだ仲間との再会を果たすイベントでは親しかったキャラとの遣り取りが描かれ、戦闘中の「はなす」コマンドでも特別な会話が用意されている事が多く、ファンなら感動をおぼえるものである。 --このゲームにおける最初の敵である聞仲もストーリーを進めると再登場し、選択肢を誤らなければ説得して仲間にする事ができる。 -宝貝の装備やカスタマイズの自由度 --手に入れた宝貝は全ての仲間が装備できる((飛虎と会話すると「この世界ではオレたち天然道士でも宝貝が使えるみたいだな」という発言があり、本来は宝貝を使えないキャラも宝貝を使える設定になっている。))。カスタマイズすれば非常に高い威力を出せる宝貝もあるので、お気に入りのキャラの元々の武器が弱くても強力な宝貝を持たせて活躍させられる。 --敵キャラの宝貝も入手して使用可能。例として魔家四将の宝貝は、カスタマイズ次第で超威力近接攻撃・長距離攻撃・中距離複数攻撃と様々な顔になる青雲剣、自分の現在のHPと最大HPの差分のダメージを防御力無視&必中で与える(ただし上限有り)混元傘、相手を麻痺させ、カスタマイズすれば長距離攻撃や複数攻撃もできるようになる黒琵琶、カスタマイズ不可だが相手のWP(ウィルポイント。宝貝使用で消費するパラメータ)を大幅に減らせる花狐貂と、ユニークな物が揃っている。 --上述の青雲剣のように、カスタマイズによって性能が大きく分かれる宝貝もある。威力を上げるか、射程を延ばすか、LVを上げて複数攻撃できるようにするか、と考える楽しみがある。 -登場人物の言動も原作を意識しており、眠ったまま草を食む四不象、竜吉公主に見とれて蝉玉にしばかれる土行孫といった小ネタが散見される。システム面でも、前述の通り天騒翼は戦闘中の交換が不可能といったネタが仕込まれている。 -BGMも良質。オープニングを除くステージBGMはタイトル画面の使い回しではあるがどことなく中華風で物語の雰囲気に合っているし、オープニングの聞仲戦のBGMも悲壮且つ感動的であり、ラスボス一味の会話シーンで流れる不気味なBGMも緊張感を与えてくれる。 --なお、趙公明には専用のテーマ曲が用意されている。 **賛否両論点 -必ず仲間を1人失ってしまう。 --魔家四将は4人が1人ずつ襲って来る4つのステージのうち3つを選択してクリアした後に合体して襲って来る。その4ステージではいずれも仲間が加わるのだが、選択しなかったステージで合流するはずだった仲間(雷震子・土行孫・天祥・蝉玉のうちいずれか1人)は封神されてしまう。そのうえ選択しなかったステージに出現する四将の1人の所有宝貝も入手できなくなる。 ---これも自由度の1つととれなくもないが、問答無用で仲間が封神されてしまうのは受け入れ難い人もいるはずである。一応正規ルートのラスボスを倒すとフォローがあるのだが… -林や岩を破壊してアイテムを集めるのが面倒。 --特に最大WPの少ない序盤ではWPの消費もバカにならず、「待機」コマンドでのWP回復が必須になるので特に面倒である。場所は固定なので一度メモしてしまえば周回プレイではハズレの場所を攻撃しなくて済むが…。 --一応やらなくてもクリアは可能なので、おまけ要素と割り切れれば無視することはできるし、お気に入りキャラを重点的に強化したい場合は、弱くて敵を倒せなくても大量の経験値を得られるので嬉しい要素ではある。 **問題点 -一部のキャラクターや宝貝の性能に疑問符が付く --太公望と蝉玉は高レベルになると技量が異様に伸びる。後に太上老君からスーパー宝貝を譲り受ける太公望はともかく、なぜ蝉玉が… --普賢真人が異様に弱い。かわりに所有宝貝の太極符印が本作中最強の性能を誇るのだが、使い手の能力値が低いため、育てていない仲間を参戦させて敵のレベルを下げないと碧霄ぐらいにしか当らない。同じく弱キャラの土行孫はアイテム集めでレベルを上げればなんとか使えるが、普賢加入後はアイテム集めができる屋外ステージが最終面直前の1つしかないためあまり育てられない。おまけに宝貝使用時に彼だけ目のカットインが無い。 --本来は宝貝を使えない霊獣の四不象や天然道士の飛虎と天祥も蒼州列島内部では宝貝を使用できるのだが、そのためか「天然道士は宝貝を使えないかわりに身体能力が異様に高い」という原作設定にそぐわず、飛虎も天祥も仙道たちと大して変わらない能力値になってしまっている。飛虎のHPや攻撃力は高めではあるものの宝貝人間に負けているし、天祥に至っては移動力こそ高めなものの原作で見せたパワーの面影すら見られない。技量を低く抑えて攻撃系宝貝を使わせても弱い代わりに攻撃力はトップクラスで通常攻撃が強いといった調整はできなかったのだろうか? --霧露乾坤網や開天珠に飛行特性が無い。 --3ターン行動不能になる「アフロ」という状態異常が存在するのだが、原作でこれを引き起こした天騒翼の技「はつらい」にはその効果は無く、ゲームオリジナル宝貝・九天爆珠の「ブレイクスルー2」の追加効果としてのみ登場する。また、五光石の技「くどいかお」は1ターン行動不能になる状態異常「くどい」の追加効果があるのだが、五光石のLV2技「ドリームボール3ごう」も原作でこれを引き起こしていたにもかかわらず追加効果が無いうえに、両者とも必中特性が無い。 --カスタマイズ不可能な宝貝が多い。味方が装備できる47種のうち20種がカスタマイズ不可である。 --前述の通り本作最強の宝貝は太極符印である。カスタマイズ不可なものの、射程4で8方向の全体に最強威力の「かくゆうごう」を叩き込んでくれる。一方、原作で他の宝貝とは別格扱いだったスーパー宝貝は性能が微妙なものになっており、全てカスタマイズ不可なので霊珠によるフォローもできない。 ---禁鞭は威力があまり高くないのはオープニングイベントの都合で仕方ないとして、なぜか単体攻撃。技名が「きんべんみだれうち」であるにもかかわらずである。射程7の8方向という最大の攻撃範囲を誇るのはさすがといったところだが、これで複数攻撃であればさぞ壮観だったろうに…おまけに攻撃エフェクトも紐のような線が一定の軌道に沿って伸びていくというショボい物になっている。 ---傾世元禳も禁鞭と同様、原作で周囲全体に効果を及ぼしていたにもかかわらず単体が対象であり、その効果も相手を眠らせるだけ((といっても3ターン行動不能にできるので強力ではある))で、原作の太上老君のように敵を同士討ちさせたりはできない。さらに必要技量が80と高いため、使用できるのは仲間にしてもすぐに別れてしまう妲己の他には、最高レベルまで鍛えた太公望と蝉玉ぐらいである。 ---金蛟剪は威力は高めだが、単体攻撃にもかかわらず消費が120と太極符印(100)を上回るという燃費の悪さ。そのうえカスタマイズ次第では消費10でこれと同威力同範囲の攻撃ができるようになる宝貝が2つも存在している。原作と違い必中ですらない。LV2の技が存在するが、カスタマイズできないため趙公明が使ってきた時にしか見られず味方は使用不可。射程3で8方向の全体に高威力攻撃ができるので、もし使えたら太極符印の下位互換とはいえ、味方は1種類につき1個ずつしか宝貝を入手できないので、WP回復アイテムを用意すればそれなりに使えただろうに… ---原作における最強宝貝の雷公鞭は威力こそ最強だが、消費150にして太極符印と同じ威力で射程4の縦横4方向に単体攻撃という、太極符印の完全下位互換となっている。 --ラスボスが弱い ---ラスボスとなる可能性のあるゲームオリジナルキャラクター2名は、いずれもHPが高く、強力な宝貝を使用するが、技量が低めなため宝貝攻撃をかわしやすくそれほど脅威ではない。雑魚の方が終盤には能力値がかなり高くなっておりよっぽど恐ろしい。 -敵の行動パターンの問題 --混元傘は使用者のHPが満タンだと全く当たらないのだが、魔礼紅はHP満タンでもかまわず混元傘で攻撃してくる。そのためWPが尽きるまで空撃ちさせてから攻撃することで、手痛い反撃をくらわずに済んでしまう。 --敵によっては複数の技を持っていることもあるが、ステージが変わらない限り1人につき1種類の技しか使ってこない。例えば魔家四将の原形は青雲剣を除く四将の宝貝3種を装備しているが、状況に応じて使い分けたりはせず、混元傘のLV2技「ほうしゅつ2」しか使わない。そして相変わらずHP満タンでもかまわず使ってくるうえに移動力が1しかないので、WPが尽きるまで空撃ちさせれば袋叩きにできてしまう。 -武吉は合流はするがなぜか戦闘には参加してくれない。 -宝貝「神の見えざる手」は、選択肢次第では出現しないとあるマップをクリアしないと宝貝図鑑に登録されないため、場合によっては手に入れたにもかかわらず図鑑に登録されないという事態に陥る。そのくせ「『新』ルート」と呼ばれるルートのラスボスは、正規ルート(通称「『真』ルート」)では少し顔を見せるだけでどういう存在なのかわからないまま即封神される((その正体はとある重要人物の別人格なのだが、『真』ルートではただ単にその人物が錯乱して顔芸を披露しただけにしか見えない))にもかかわらず人物図鑑に登録されてしまう。 -名前が思いつかなかったのか、LV3技の名称が「エクストラ」の宝貝が8種もあり、しかも黄天化の所有する3種は全てそれに該当している。 **総評 退場済みのキャラが登場し、彼らと再会するイベントの数々はファンなら感動をおぼえるものである。&br();宝貝をカスタマイズできるシステムも、どのように強化するか考えるのは面白い。&br();しかし、普賢真人の弱さをはじめとした疑問符の付くパラメータ設定がある等の問題点も有り、容量の都合で仕方ないとはいえ雲中子・太子兄弟・四聖・妲己の妹たちといった登場しないキャラも多く、彼ら及び登場はしても戦闘面での扱いが悪い武吉や普賢のファンにとっては不満のある作品であろう。 **余談 -趙公明との戦いで敗北すると、隠しステージの国立アンニュイ学園が始まる。ゲームオーバーは免れないが、専用のBGMとマップチップまで用意されており、アンニュイ学園の登場人物も人物図鑑に載るため、一度は見ておいて損はない。 -正規ルートのラスボスの話によると元始天尊と通天教主も呼ぶ予定だったとの事だが、この2名は登場しない。 -容量の都合か、ステータス画面や人物図鑑で妲己の漢字表記が妲''乙''となっている。 --オープニングのテロップでは、フォントが異なるためかちゃんと「己」になっている。 -復活の玉に消費減少の霊珠を3個付けると、負のオーバーフローが発生して消費が246になってしまう。
*仙界異聞録 準提大戦 ~TVアニメーション「仙界伝封神演義」より~ 【せんかいいぶんろく じゅんていたいせん てれびあにめーしょんせんかいでんほうしんえんぎより】 |ジャンル|シミュレーションRPG|CENTER:&amazon(B000069THT,image=https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61IXXpKmG9L._SL160_.jpg)[[裏を見る>https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61sCClYBvcL._SX342_.jpg]]| |対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~| |発売元|バンプレスト|~| |発売日|2000年11月24日|~| |定価|3,980円(税別)|~| |判定|なし|~| |ポイント|封神されたキャラの復活&br();敵の宝貝も使用可能&br();あまり強くないスーパー宝貝&br();宝貝に力を吸い取られすぎな普賢真人|~| |>|>|CENTER:''[[少年ジャンプシリーズリンク>少年ジャンプシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere=true) ---- **概要 かつて週刊少年ジャンプで連載された人気漫画『封神演義』のゲーム化作品。&br()タイトルには旧アニメ版の名を冠しているが、内容は原作(漫画版)に準じている。&br()原作における仙界大戦の終盤、太公望と聞仲の最終決戦のシーンから物語が始まるが、聞仲封神の直後にゲームオリジナルのストーリーへ突入する。 **特徴 -前述の通りストーリーは冒頭を除くとオリジナル。殷の国土を模した謎の巨大空間宝貝・「蒼州列島」が冒険の舞台となる。 -ゲームの基本的な流れは、一般的なSRPGと同様に導入イベント後勝利条件が表示され、参戦キャラクターの選択(天化加入前には無し)後に戦闘画面となり、戦闘後のイベントが終わるとインターミッション→次のマップへとなる。 -1回の戦闘で参戦できる味方は7人まで。1人目は太公望で固定。仲間が7人以上いる時でも参戦キャラを6人以下にする事は可能。 -参戦キャラは、ターンごとに素早さの高い順に行動できる。 -戦闘中には装備した宝貝(パオペエと読む。仙人や道士が使う兵器)を使用できる。 --宝貝は1人につき3個まで同時に装備でき、1個の宝貝につき種類にもよるが最大3種類の技を使える。技には攻撃・回復・状態異常・防御力上昇・攻撃力上昇といったものがある。 --技の有効範囲は、縦横4方向・斜め4方向・縦横斜め8方向・隣を抜かして2マス先から数えた((例えば射程の数値が3なら2マス先~4マス先が有効範囲になる))縦横4方向の4種であり、縦横斜めの一直線上にしか効果が及ばない。 --一度に範囲内の敵(回復技なら味方)全員に効果を及ぼす複数技も存在する。単体技は技名の前に「>」、複数技は「≫」のマークがついている。複数技は『対象として選択した一名を攻撃した後、そいつに与えたダメージと同値のダメージを範囲内の他の相手に与える(相手にとどめを刺した場合でも、超過分も含めた計算上のダメージを与えられる)』という仕様のため、防御力の低い敵を対象として選択すると効果的である。ただし、かわされてしまうと他の相手にも全くダメージを与えられないため、宝貝攻撃の命中・回避率に影響する「賢さ」の数値が高い敵を選択するのはなるべく避けた方が良い。 --宝貝の中には、飛行可能・防御力が表示値の2倍として扱われる・状態異常を防ぐといった効果を装備しているだけで得られる物もある。なお、説明書には移動力を上げる宝貝もあるような事が書かれているが、実際には手に入らない。 --技にはそれぞれ必要技量が設定されており、キャラクターの能力値の1つ『技量』が規定以上でないとその技を使用できない。ただしその宝貝と相性の良いキャラクター(1種につき最大1名)が装備すると宝貝名の前に☆マークが付き、技量にかかわらず技を使える。なお、敵ユニットは☆が無くても必要技量を無視してくる。 ---雷震子の持つ「天騒翼」は、全ての技の必要技量が99に設定されており、雷震子以外に装備させると空は飛べるが技を使えない。 ---相性の良いキャラクターは、基本的にその宝貝の本来の使い手に設定されているが、本来の使い手が登場していない場合はその人物と関係の深いキャラに設定されている事もある。例として、四聖の宝貝は聞仲と相性が良い。 -戦闘マップ中の林や岩は宝貝による攻撃で破壊可能。破壊するとアイテムが手に入ることがある(場所・種類ともに固定)。 -宝貝による攻撃の他に、隣接する敵に対し通常攻撃として体術による(と思われる)直接攻撃も可能。キャラクターの攻撃力の値はこの通常攻撃の威力にのみ影響し、宝貝攻撃の威力には技量の値が影響する。 -戦闘中に「はなす」コマンドで隣接するキャラクターに話しかける事ができる。会話の結果アイテムが手に入ったり、「太乙真人((最序盤で合流するが参戦はせずサポートに徹する))から武器を借りてこよう」という話になって宝貝が手に入ったりする。敵にも話しかける事ができ、ボスキャラを親しいキャラに説得させて戦闘を終了させたり、場合によってはストーリーが大きく分岐する事もある。 -また、「こうかん」コマンドで隣接する仲間と装備している宝貝や回復アイテムを交換する事ができる。ただし天騒翼は戦闘中の交換は不可能で、インターミッションでのみ外す事ができる。 -宝貝は霊珠と呼ばれるアイテムを使ってカスタマイズして強化する事ができる。 --霊珠は赤・緑・白・青・黒の5色を宝貝1種につき合計3個まで取り付ける事ができる。一度取り付けたら『透明の霊珠』を使って消し去らない限り外す事はできない。 --カスタマイズで変化するパラメータは威力・LV(技の数)・精度・射程・消費。どの色の霊珠でどのパラメータが変化するかは宝貝によって異なる。 --宝貝によっては特定の色の霊珠を1個か2個付けると威力が下がってしまうが、その色を3個付けると威力が大幅に上がる物もある。 --LVを上げて新たな技を出すよりも既存の技を強化した方が強くなる、LV1技が威力を上げても効果が変わらない補助技なので威力上昇を3個付けても意味が無い、そもそも何の効果も得られない色があるなどといったケースも存在するため、下手にカスタマイズすると強くならない事もある。 --カスタマイズ不可能な宝貝もある。 -一部のマップを除き、戦闘で味方が倒されると封神されてしまい二度と参戦できなくなる。後に登場するキャラと関係の深いキャラが不在だと、評価点で後述する感動の再会が台無しになってしまう。 --太公望か、そのマップで新たに加入した仲間が封神されるとゲームオーバー。 -経験値は戦闘後のイベントが終わった際にまとめて加算され、戦闘中にレベルが上がる事は無い。 --経験値はマップポイント+ボーナスポイント×そのマップで倒した敵の総数の値が生存する参戦者全員に与えられ、さらにキャラクターごとに倒した敵の数、林や岩の破壊により入手したアイテムの数、回復・補助技使用ボーナス(使用回数にかかわらず固定)が加算される。マップポイントとボーナスポイントはマップごとに異なる。レベルの最高値は30。 --敵のレベルは味方の参戦キャラの平均値となる。 -最初のメニューで「コレクション」を選ぶと、総プレイ回数、最短クリアターン数、クリアステージ数、キャラクター図鑑、宝貝図鑑が見られる。 **評価点 -退場キャラの登場 --物語の舞台である蒼州列島では魂魄が具象化されており((わかりやすく言うと、魂だけが蒼州列島に引き込まれ、一時的に仮の肉体を与えられて行動している))、原作で死亡し封神された人物も登場する。死んだ仲間との再会を果たすイベントでは親しかったキャラとの遣り取りが描かれ、戦闘中の「はなす」コマンドでも特別な会話が用意されている事が多く、ファンなら感動をおぼえるものである。 --このゲームにおける最初の敵である聞仲もストーリーを進めると再登場し、選択肢を誤らなければ説得して仲間にする事ができる。 -宝貝の装備やカスタマイズの自由度 --手に入れた宝貝は全ての仲間が装備できる((飛虎と会話すると「この世界ではオレたち天然道士でも宝貝が使えるみたいだな」という発言があり、本来は宝貝を使えないキャラも宝貝を使える設定になっている。))。カスタマイズすれば非常に高い威力を出せる宝貝もあるので、お気に入りのキャラの元々の武器が弱くても強力な宝貝を持たせて活躍させられる。 --敵キャラの宝貝も入手して使用可能。例として魔家四将の宝貝は、カスタマイズ次第で超威力近接攻撃・長距離攻撃・中距離複数攻撃と様々な顔になる青雲剣、自分の現在のHPと最大HPの差分のダメージを防御力無視&必中で与える(ただし上限有り)混元傘、相手を麻痺させ、カスタマイズすれば長距離攻撃や複数攻撃もできるようになる黒琵琶、カスタマイズ不可だが相手のWP(ウィルポイント。宝貝使用で消費するパラメータ)を大幅に減らせる花狐貂と、ユニークな物が揃っている。 --上述の青雲剣のように、カスタマイズによって性能が大きく分かれる宝貝もある。威力を上げるか、射程を延ばすか、LVを上げて複数攻撃できるようにするか、と考える楽しみがある。 -登場人物の言動も原作を意識しており、眠ったまま草を食む四不象、竜吉公主に見とれて蝉玉にしばかれる土行孫といった小ネタが散見される。システム面でも、前述の通り天騒翼は戦闘中の交換が不可能といったネタが仕込まれている。 -BGMも良質。オープニングを除くステージBGMはタイトル画面の使い回しではあるがどことなく中華風で物語の雰囲気に合っているし、オープニングの聞仲戦のBGMも悲壮且つ感動的であり、ラスボス一味の会話シーンで流れる不気味なBGMも緊張感を与えてくれる。 --なお、趙公明には専用のテーマ曲が用意されている。 **賛否両論点 -必ず仲間を1人失ってしまう。 --魔家四将は4人が1人ずつ襲って来る4つのステージのうち3つを選択してクリアした後に合体して襲って来る。その4ステージではいずれも仲間が加わるのだが、選択しなかったステージで合流するはずだった仲間(雷震子・土行孫・天祥・蝉玉のうちいずれか1人)は封神されてしまう。そのうえ選択しなかったステージに出現する四将の1人の所有宝貝も入手できなくなる。 ---これも自由度の1つととれなくもないが、問答無用で仲間が封神されてしまうのは受け入れ難い人もいるはずである。一応正規ルートのラスボスを倒すとフォローがあるのだが… -林や岩を破壊してアイテムを集めるのが面倒。 --特に最大WPの少ない序盤ではWPの消費もバカにならず、「待機」コマンドでのWP回復が必須になるので特に面倒である。場所は固定なので一度メモしてしまえば周回プレイではハズレの場所を攻撃しなくて済むが…。 --一応やらなくてもクリアは可能なので、おまけ要素と割り切れれば無視することはできるし、お気に入りキャラを重点的に強化したい場合は、弱くて敵を倒せなくても大量の経験値を得られるので嬉しい要素ではある。 **問題点 -一部のキャラクターや宝貝の性能に疑問符が付く --太公望と蝉玉は高レベルになると技量が異様に伸びる。後に太上老君からスーパー宝貝を譲り受ける太公望はともかく、なぜ蝉玉が… --普賢真人が異様に弱い。かわりに所有宝貝の太極符印が本作中最強の性能を誇るのだが、使い手の能力値が低いため、育てていない仲間を参戦させて敵のレベルを下げないと碧霄ぐらいにしか当らない。同じく弱キャラの土行孫はアイテム集めでレベルを上げればなんとか使えるが、普賢加入後はアイテム集めができる屋外ステージが最終面直前の1つしかないためあまり育てられない。おまけに宝貝使用時に彼だけ目のカットインが無い。 --本来は宝貝を使えない霊獣の四不象や天然道士の飛虎と天祥も蒼州列島内部では宝貝を使用できるのだが、そのためか「天然道士は宝貝を使えないかわりに身体能力が異様に高い」という原作設定にそぐわず、飛虎も天祥も仙道たちと大して変わらない能力値になってしまっている。飛虎のHPや攻撃力は高めではあるものの宝貝人間に負けているし、天祥に至っては移動力こそ高めなものの原作で見せたパワーの面影すら見られない。技量を低く抑えて攻撃系宝貝を使わせても弱い代わりに攻撃力はトップクラスで通常攻撃が強いといった調整はできなかったのだろうか? --霧露乾坤網や開天珠に飛行特性が無い。 --3ターン行動不能になる「アフロ」という状態異常が存在するのだが、原作でこれを引き起こした天騒翼の技「はつらい」にはその効果は無く、ゲームオリジナル宝貝・九天爆珠の「ブレイクスルー2」の追加効果としてのみ登場する。また、五光石の技「くどいかお」は1ターン行動不能になる状態異常「くどい」の追加効果があるのだが、五光石のLV2技「ドリームボール3ごう」も原作でこれを引き起こしていたにもかかわらず追加効果が無いうえに、両者とも必中特性が無い。 --カスタマイズ不可能な宝貝が多い。味方が装備できる47種のうち20種がカスタマイズ不可である。 --前述の通り本作最強の宝貝は太極符印である。カスタマイズ不可なものの、射程4で8方向の全体に最強威力の「かくゆうごう」を叩き込んでくれる。一方、原作で他の宝貝とは別格扱いだったスーパー宝貝は性能が微妙なものになっており、全てカスタマイズ不可なので霊珠によるフォローもできない。 ---禁鞭は威力があまり高くないのはオープニングイベントの都合で仕方ないとして、なぜか単体攻撃。技名が「きんべんみだれうち」であるにもかかわらずである。射程7の8方向という最大の攻撃範囲を誇るのはさすがといったところだが、これで複数攻撃であればさぞ壮観だったろうに…おまけに攻撃エフェクトも紐のような線が一定の軌道に沿って伸びていくというショボい物になっている。 ---傾世元禳も禁鞭と同様、原作で周囲全体に効果を及ぼしていたにもかかわらず単体が対象であり、その効果も相手を眠らせるだけ((といっても3ターン行動不能にできるので強力ではある))で、原作の太上老君のように敵を同士討ちさせたりはできない。さらに必要技量が80と高いため、使用できるのは仲間にしてもすぐに別れてしまう妲己の他には、最高レベルまで鍛えた太公望と蝉玉ぐらいである。 ---金蛟剪は威力は高めだが、単体攻撃にもかかわらず消費が120と太極符印(100)を上回るという燃費の悪さ。そのうえカスタマイズ次第では消費10でこれと同威力同範囲の攻撃ができるようになる宝貝が2つも存在している。原作と違い必中ですらない。LV2の技が存在するが、カスタマイズできないため趙公明が使ってきた時にしか見られず味方は使用不可。射程3で8方向の全体に高威力攻撃ができるので、もし使えたら太極符印の下位互換とはいえ、味方は1種類につき1個ずつしか宝貝を入手できないので、WP回復アイテムを用意すればそれなりに使えただろうに… ---原作における最強宝貝の雷公鞭は威力こそ最強だが、消費150にして太極符印と同じ威力で射程4の縦横4方向に単体攻撃という、太極符印の完全下位互換となっている。 --ラスボスが弱い ---ラスボスとなる可能性のあるゲームオリジナルキャラクター2名は、いずれもHPが高く、強力な宝貝を使用するが、技量が低めなため宝貝攻撃をかわしやすくそれほど脅威ではない。雑魚の方が終盤には能力値がかなり高くなっておりよっぽど恐ろしい。 -敵の行動パターンの問題 --混元傘は使用者のHPが満タンだと全く当たらないのだが、魔礼紅はHP満タンでもかまわず混元傘で攻撃してくる。そのためWPが尽きるまで空撃ちさせてから攻撃することで、手痛い反撃をくらわずに済んでしまう。 --敵によっては複数の技を持っていることもあるが、ステージが変わらない限り1人につき1種類の技しか使ってこない。例えば魔家四将の原形は青雲剣を除く四将の宝貝3種を装備しているが、状況に応じて使い分けたりはせず、混元傘のLV2技「ほうしゅつ2」しか使わない。そして相変わらずHP満タンでもかまわず使ってくるうえに移動力が1しかないので、WPが尽きるまで空撃ちさせれば袋叩きにできてしまう。 -武吉は合流はするがなぜか戦闘には参加してくれない。 -宝貝「神の見えざる手」は、選択肢次第では出現しないとあるマップをクリアしないと宝貝図鑑に登録されないため、場合によっては手に入れたにもかかわらず図鑑に登録されないという事態に陥る。そのくせ「『新』ルート」と呼ばれるルートのラスボスは、正規ルート(通称「『真』ルート」)では少し顔を見せるだけでどういう存在なのかわからないまま即封神される((その正体はとある重要人物の別人格なのだが、『真』ルートではただ単にその人物が錯乱して顔芸を披露しただけにしか見えない))にもかかわらず人物図鑑に登録されてしまう。 -名前が思いつかなかったのか、LV3技の名称が「エクストラ」の宝貝が8種もあり、しかも黄天化の所有する3種は全てそれに該当している。 **総評 退場済みのキャラが登場し、彼らと再会するイベントの数々はファンなら感動をおぼえるものである。&br();宝貝をカスタマイズできるシステムも、どのように強化するか考えるのは面白い。&br();しかし、普賢真人の弱さをはじめとした疑問符の付くパラメータ設定がある等の問題点も有り、容量の都合で仕方ないとはいえ雲中子・太子兄弟・四聖・妲己の妹たちといった登場しないキャラも多く、彼ら及び登場はしても戦闘面での扱いが悪い武吉や普賢のファンにとっては不満のある作品であろう。 **余談 -趙公明との戦いで敗北すると、隠しステージの国立アンニュイ学園が始まる。ゲームオーバーは免れないが、専用のBGMとマップチップまで用意されており、アンニュイ学園の登場人物も人物図鑑に載るため、一度は見ておいて損はない。 -正規ルートのラスボスの話によると元始天尊と通天教主も呼ぶ予定だったとの事だが、この2名は登場しない。 -容量の都合か、ステータス画面や人物図鑑で妲己の漢字表記が妲''乙''となっている。 --オープニングのテロップでは、フォントが異なるためかちゃんと「己」になっている。 -復活の玉に消費減少の霊珠を3個付けると、負のオーバーフローが発生して消費が246になってしまう。

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