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*よるのないくに2 ~新月の花嫁~ 【よるのないくにつー ~しんげつのはなよめ~】 |ジャンル|美少女従魔RPG|CENTER:&amazon(B071LQH1VQ)&amazon(B01KWYZPS0)&amazon(B01KWYZQUC)| |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Windows7~10(Steam)|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|ガスト|~| |発売日|【Switch/PS4/PSV】2017年8月31日&br;【Win】2017年10月24日|~| |定価(税別)|【Switch/PS4/Win】&br;通常版/ダウンロード版:7,300円&br;プレミアムボックス:10,300円&br;スペシャルコレクションボックス:16,300円&br;【PSV】&br;通常版/ダウンロード版:6,300円&br;プレミアムボックス:9,300円&br;スペシャルコレクションボックス:15,300円|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|『よるのないくに』シリーズ完結編&br;音楽は変わらず良質&br;前作から大幅に増えた美少女キャラ&br;前作の良さを全て捨て去った&br;リリィとして存在する意味がないキャラ達&br;''開発費捻出のために発売されたSwitch版''|~| |>|>|CENTER:''よるのないくにシリーズ''&br;[[よるのないくに]] / ''2''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[よるのないくに]]』の続編。だが前作と繋がっておらず厳密には「前作によく似た世界の未来」というパラレルワールド。~ 主人公は新キャラのアルーシェに交代して登場キャラもほぼ一新、前作主人公アーナスは本作の要素である「リリィ」の1人として登場する。~ 前作からスタッフが一新され、特にライターは『[[零>零シリーズ]]』シリーズの柴田誠氏であることが大々的に発表されていたため、良くも悪くも期待されていた。~ 当初はPS4/PSVのみの予定だったが、数度の延期に加えて、延期するうちに''開発費捻出のために''Switch版の発売が発表され、期待よりも不安感を煽るようになり…。 ---- **システム -リリィ --主人公アルーシェと共に戦うパートナー。キャラ毎に好感度が設定されており、上げることでリリィイベントが発生する。 --キャラ毎に特定の条件を満たすことで周囲を攻撃する「ダブルチェイス」、テンションゲージを溜めることで「リリィバースト」を使用する事ができる。代わりにアルーシェ単体の必殺技と呼べるものはなくなった。 --リリィと同じ敵を連続で攻撃すると「ダブルアタック」となり、リリィを攻撃した相手にやり返す((またはアルーシェは攻撃した敵にリリィが攻撃する。))と「リベンジアタック」が発動してテンションゲージがたまる。 ---リベンジアタックの方が敵の攻撃を利用しなければならないため意図的に発生させづらいが、猶予時間は長い((ダブルアタックはほぼ同時に敵を殴る必要がある。))。 -制限時間、月齢 --アルーシェの1日の行動可能時間であり、ホテルに戻ると次の日に進めない限り再出発できない。また、時間を過ぎると強制的にホテルへと戻され、探索も失敗扱いとなる。この時間はレベルアップや血の奉納で強化できる。 --月齢は日が進む毎に「蒼い月」が欠けていき、新月になるとゲームオーバーになる、要は日数制限。章をクリアすると規定値まで回復する。 ---ただし、後のアップデートV1.02による2周目以降から日数制限を撤廃することができる。 -従魔(セルヴァン) --ハクスラだった前作と違い、主にサブイベントで加入する固有キャラとなり、連れていける数も2匹と大きく制限されるようになった。 --ストライカー、トリッカーの2種類に分けられ、ストライカーの一部にはアルーシェの武器になるもの、トリッカーの一部には仕掛けを解除できる従魔が存在する。 --レベルアップは従魔Pointを振り分ける形になり、最大まで上げる事で転生が可能になる。 --進化の宝珠というアイテムを使うことで外見が変化し、大幅にステータスがアップする「究極進化」が可能になる。 -着せ替え要素の追加 --更衣室で各キャラの衣装を変更できる。ただしアルーシェ以外は水着1着しか存在しない。 ---- **評価点 -プリレンダムービーは非常に美麗であり、四々九氏のキャライメージをしっかりと守っている。 --批判されたPSV版のグラフィックも改善されている。 -魅力的な女性キャラの増加 --リリィだけでなく、ラスボスのマルヴァジーアや彼女を慕うヴァルデロッサなどキャラ自体の描写は好評なものが多い。 -リリィとのダンジョン探索、会話。 --前作はアーナスとたくさんの従魔が戦うという戦闘システムで、ヒロインのリュリーティスは戦闘しないため、探索できる女性キャラはアーナスのみだった。今作ではリリィと一緒にダンジョンを探索することができ、前作においては従魔の独り言だった部分が、リリィからアルーシェに向けてのセリフ、または会話になっており、「美少女と美少女の2人で戦っている、ダンジョンを潜っている」という感覚は前作から強化されている。 --親愛度によって、探索中や帰還時のセリフ、メニュー画面のアルーシェとリリィの表情が変わっていくなどの要素もあるので、美少女キャラと仲良くなっていってるという感覚も得ることができる。 -音楽は作品にあっていて良質、ラスボス戦では主題歌が流れるのも王道ながら好評。 -リリィごとに差別化されている戦闘スタイル #region(各リリィの詳細) --リリアーナ ---「リリィバースト」が超広範囲攻撃で集団戦に強く、「ダブルチェイス」はリリアーナを中心に円形に攻撃が広がっていくタイプで、大型ボスの近くで発動すれば高いダメージを期待できる。 ---また、アルーシェのHPが0になった際に1回だけ、アルーシェを復活させた後5秒間時間を止めるスキルがあるので安定性も高い。 ---ただ、ダブルチェイスの条件が「ダブルアタックを4回」なのに、リリアーナは頭上から光を落すタイプの攻撃が多く、小型で水平移動している敵には外れることも多いため、リリィバーストがない状態の集団戦は若干苦手。 --ルーエンハイド ---「リリィバースト」はリリアーナほどではないが広範囲攻撃で、「ダブルチェイス」も敵を引き寄せる効果を持つ回転切りのため集団を一気に殲滅できる。 ---また、リリアーナ同様にアルーシェのHPが0になった際に1回、アルーシェを復活させ10秒間防御力を上げるスキルを持つ。 ---ルーエンハイドのダブルチェイスの条件も「ダブルアタック4回」だが、ルーエンハイドの剣で斬りかかる攻撃は動いている敵に外れることがあったり、彼女が攻撃する前に敵に攻撃されてしまうこともあるなど、安定性が少し低い。 ---親愛度を上げると、剣から衝撃波をとばす攻撃を使えるようになるため、ダブルアタックが非常に狙いやすくなり、大幅に強くなる。 --ヴェルーシュカ ---超集団戦闘、攻撃特化のリリィ。「ダブルチェイス」は広範囲攻撃で、「敵を10回吹き飛ばす」が発動条件のため前述の2人と違い、ヴェルーシュカに関わらずアルーシェと従魔のみで条件を満たしてしまうことができる。 ---定期的に発動できる「遅い……。」という攻撃スキルも、前方広範囲に高いダメージ+吹き飛ばしなのでダブルチェイスに繋げることができ、「リリィバースト」も単体高火力タイプだが、周囲の敵を吹き飛ばすため同様に「ダブルチェイス」が発動させやすい。 ---上記のようにとにかくダブルチェイスであっという間に敵集団を殲滅することができるリリィ。ただし、吹き飛ばない大型ボスは「リリィバースト」以外の有効な攻撃がほとんどなくなってしまうため、大型ボスは苦手。 --エレノア ---リリィの中で唯一、倒した敵を確率でチョコレートにすることができる回復手段を持つ。「ダブルチェイス」の条件は「敵を12回吹き飛ばす」とヴェルーシュカより若干難しいが、範囲はそこまで広くない。 ---「リリィバースト」は中くらいの範囲だが巻き込める敵の数は多い。敵を直接攻撃するスキルはないので、ヴェルーシュカから攻撃力を引いた分回復手段による守りを強くしたような性能。弱点は同じく吹き飛ばないタイプの敵。 --ミュベール ---「敵に状態異常を5回付与」という独自のダブルチェイス条件を持つ。状態異常はアルーシェ単独で付与することは非常に難しいが、ストライカータイプの従魔を使った武器((炎上を付与する大剣、氷結を付与する水晶剣。))の攻撃か、一部のトリッカータイプの従魔の攻撃で簡単に付与することができ、「5回」と必要な回数が少ないため、敵が多い際はリリィ中最速で「ダブルチェイス」発動からの殲滅を狙うことができる。 ---「鬨の声」というスキルで敵の注意をミュベールに集めることができるので、ある程度の防御性能も持っている。つれていく従魔を選ぶ必要がある点、従魔が倒されてしまうと状態異常付与はミュベールの攻撃に頼るしかなくなってしまう点がネック。 --カミラ ---アルーシェの状態異常を自動的に治してくれるスキルを持つ。「リリィバースト」が単体広範囲のため、集団戦は前方広範囲の「ダブルチェイス」に頼ることになるが、その発動条件は「チェインを120回」と結構厳しめ。 ---ヒット数の多い武器(鏡の盾の強1攻撃など)や従魔の攻撃などを使っていく必要がある。チェインさえ稼ぐことができれば、ボス戦だろうが集団だろうが、カミラの状態に関係なくダブルチェイスを狙うことができるのはメリット。状態異常回復も他のリリィや従魔にはない強力点である。 --アーナス ---アーナス本人の戦闘能力がずば抜けて高く、敵を倒した際にアーナスのHPを回復して攻撃力も上げるというスキルもあるため前に出ていくアーナスが倒されにくい。 ---一方でアルーシェを回復、守るようなスキルはなく、「ダブルチェイス」発動条件が「リベンジアタック」3回(親愛度最大で2回)と自分から発動しに行きにくいなどの弱点もある。アーナスに突っ込んでもらい、彼女を殴った敵を自分が殴り返す、または自分が敵の攻撃を防御して小さいダメージを受けたところを、アーナスに殴ってもらうなど、他のリリィとは一味違う、わたしのアーナスさまが大活躍するのを脇から援護する戦い方ができる。 ---リベンジアタックという条件は、ボス戦などでは「ボスの広範囲攻撃でアーナスが吹っ飛ぶ」→「自分がボスを殴る」ことで簡単に達成できるので、ボス戦にも強い。 #endregion -2周目の高い難易度では強力なストライカー従魔 --武器に変形して戦うストライカー従魔だが、片手剣やトリッカーではできない広範囲攻撃を持つ槍、高い攻撃力と状態異常付与ができる剣、防御することで敵の攻撃を0ダメージにできるパイルバンカー・鏡の盾など、性能自体は高いものがそろっている。 --特に2周目以降解放される最大難易度「Extreme」では、敵の攻撃をガードしてもかなりのHPが削られてしまうため、ダメージを無効にでき、MPも非常に多いため使用可能の時間も多い鏡の盾、MPが低く使用可能時間は短いが、最大タメ強1攻撃でラスボス最終形態のHPゲージを半分ほど吹き飛ばす破壊力を持つパイルバンカーなどは強力。 --2周目以降は装備を引き継いでいるため、トリッカータイプの従魔でしかギミックを解除できない場所にあるアクセサリーを集める必要がそんなになく、時間制限もないため解除したいギミックがあるときだけつれていけばよいため、ストライカー従魔の評価が高くなる。 -カメラワークの改善 --全作では不可能だった上下の角度の変更が可能になり、ある程度はローアングルにできるようになった。 --また、アルーシェから遠く離れている建物や、敵は若干ボヤけるような効果がかかり、遠近感が演出されるようになった。 -イベント中のモーション数の増加 --前作ではあまり種類が多くなかったイベント中のキャラの動きの種類が増えた。 --また、前作ではキャラクターが画面の右と左で会話を行う形式であったが、今作ではイベントやセリフごとにカメラアングルが設定されている。 -2周目以降はスキップが一応追加された --スキップ速度は早くはないが、前作にはなかった会話やイベントのスキップが2周目以降に使用可能になった。 ---- **賛否両論点 -アルーシェのキャラ付け --前作でもアーナスが男らしすぎる、と言う意見があったが、本作の主人公のアルーシェも同じく男らしすぎるため、百合なのにまたか…と思ったプレイヤーも存在する。 ---どれくらい男らしいかというと、口調が男っぽいのは当たり前として、本作では''ティーカップ''でチョコレートドリンクを飲むシーンが多々あるが、アルーシェの飲み方は''腰に手を当てた風呂上りの牛乳瓶スタイル''%%現実の男性でもそんなことする人まずいないと思うが…%%。 --一応、どちらも男っぽいとはいえキャラとしては棲み分けがされている((アーナスが王子様タイプなのに対して、アルーシェはガキ大将タイプ。))。 ---イケメン度でいえばアーナスの方が圧倒的に上のため、アーナスがリリィの時はアルーシェが完全に少女になっている。 --さらに言えば今作は、主人公のみならずパーティーメンバー8人中6人もが男性的口調(ヴェルーシュカに至っては一人称まで「俺」)のため、女性キャラばかり登場しているとは思えない雰囲気・台詞回しになっている。 ---その一方で、この6人とも巨乳なためかスタイルを強調する衣装を着ており、男性的口調ばかりな割に1人として男装をしていないため非常にチグハグである((とはいえ男装などしてしまっていたら、ますますもって「百合ってなんだっけ?」状態になるわけだが。))。 -リリィであるエレノアの存在 --デザインした四々九氏自身が指摘している通り、アトリエシリーズに登場しそうな設定と外見((赤と白以外寒色が多い中、一人だけ衣装に暖色を多用したファンシーなもので、さらに巨乳揃いのリリィの中で唯一貧乳。))であり、端的に言えば世界観から浮いている。 ---戦闘でも液体のチョコから斧や槍を錬成するというまさにチョコの錬金術士と呼べる戦い方となっている。 --シナリオの本筋にもほとんど関わらず、彼女のリリィイベントも究極のチョコを作るための材料探しであり、邪妖とチョコで和解するなど、どちらかというと暗い世界観の本作ではかなり異質な事になっている。 ---他のリリィに関しては下記の問題があるが、エレノアに至ってはもし登場しなかったとしてもシナリオ上に何も問題がない程。 --エレノアが登場した背景には「前作で吸血衝動を抑える効果があったチョコの専門家がいてもいい」というものがあるのだが、本作のアルーシェは吸血衝動を一切我慢せず、半妖になる前からチョコが大好きと、コンセプトに反して「質の高いチョコを供給してくれる人」以上の意味がなくなってしまっている。 --もっともエレノアは最初の延期までは全く発表されず、ビジュアルブックでもNPCであるクリストフォロスよりも後に掲載されているなど、明らかにNPCからリリィに昇格させたという事が窺える。 ---- **問題点 ''システム面'' -月齢 --下記の従魔絡みやリリィイベントをこなそうと思うと日数がギリギリになりがち。さらに日数を超えてゲームオーバーになると章の初めからやり直し、''ステータスなども章開始時に戻る。'' --前作では制限時間が残っていれば再出撃もできたのだがそれもできなくなり、一度に出現する雑魚敵の数も固定のため、雑魚をギリギリまで狩って、最終日に章ボスを倒す、という作業を強いられる。 --そもそもこの日数制限システム自体が世界観云々を差し引いても苦痛。 ---アップデートで2周目以降は制限が解除されるようになったが…マップなども把握できない1周目にこそ必要なものであろう。 -3章のボス「ダビデ」 --ボスと言う扱いながら、やる事は鏡を回転させて壁になっているバリアを破壊し(ダビデは攻撃してこない)、それが終わったら首だけになり無抵抗のダビデを殴るだけと戦略性の欠片もないもの。おまけにリリィや従魔、さらにはリリィバーストもダビデを敵キャラと認識せず攻撃することがない。 --ムービーでは目からビームを撃ってくるのだが、戦闘中には何もしてこないと存在意義すら怪しいボス?となっている。 ---スタッフも楽しくないと思ったのか、この戦闘ではこれを使って倒せと言わんばかりに唐突にダブルチェイスが発動可能になる。 ---DLCでは各強化ボスが登場するが、ダビデのみバリア破壊が若干難しくなっただけで、ダビデ自体は全く強化されていない。 ---パッチで修正されるまではボス戦でも時間制限があったため、制限時間内にパズルを解くといった最低限のゲーム性はあったが、修正後の時間制限撤廃に際しダビデに攻撃をさせるといったこともなく、少なくともゲームとしては存在意義が完全に無くなった。 -主人公の出来る事が減った --下記の通り持てる武器に制限がかかり、単体必殺技もなし、アーナスの血剣ヨルドに相当する隠し武器もなければ、変身に相当するシステムすら存在しないため、かなり単調になっている。 --ダブルチェイス、リリィバーストには専用リソースを使うため、MPがほぼ死にステータス。使い道はほぼ従魔のMP補充だが、高難易度でもない限り補充しなくても問題ないため、一度も使用したことが無いというプレイヤーも少なくない。 -リリィ関連 --リリィのスキルが発動する時、毎度毎度カットインを挟むため若干テンポが悪い。 --ヴェルーシュカのスキル「堕ちろ……。」は所謂飯綱落としをするスキルだが、アルーシェがロックオンしている敵が対象になった場合、カメラが上空に放られた敵を追うため、非常に見辛い事になってしまう。 --戦闘中の掛け合いがどんな文章でも全て汎用ボイス。というかアルーシェの名前を呼ぶものがほとんど。 ---そのせいで''ボイスでは「アルーシェ!」なのに、その時表示される文章が「消えろ…。((あくまで敵に向けてのセリフである。))」だったり''する。いろいろな意味であんまりである。 -その他 --前作にあった「昼間行動」「闘技場」がなくなり、それに代わる要素も存在しない。一枚絵と会話を消化するだけの「昼間行動」はともかく、闘技場は数少ないやりこみ要素だった。 ''従魔関連'' -''前作の従魔が全てリストラ'' --前作に登場した従魔と同じ外見、もしくは酷似しているものが一匹も存在しない。仮にも世界観を共有している続編なのに…。 -連れ歩ける数の激減。前作は4×4の16匹だったのが、たった2匹に。 -従魔でしか解除できない仕掛け --上記のように2匹しか連れ歩けないのに''仕掛けは4種類存在する。''そのため初見のマップでは仕掛けを解除できる従魔以外は連れて行っても無駄。間違えた従魔を連れて行った場合、一日の再出撃が出来ない関係でリセットしない限り日数が無駄になる。 ---大半の仕掛けは一度解除すれば終わりなのだが、高台に上るものは毎回その従魔が必要になる。 --前作でも回復持ちが1種しかおらず半ば必須扱いされるなどバランスの悪さはあったものの、特定の従魔の使用を強要されるようなことはなかった。 --1章の舞台である廃都ユーラルムには、最初に加入するネーロで着火できる油樽という戦闘用ギミックが存在するが、それ以降には従魔を用いた戦闘用ギミックは一切存在しない。 -武器になる従魔 --前作のアーナスは武器を自由に切り替えできたが、本作では特定の従魔をパーティに入れ、尚且つ従魔のMPが尽きるまでしか武器を変更できない。そのうえ武器になるため事実上戦力が一匹減る。そして上記の仕掛けの関係もあり、パーティに入れる機会が少ない。 ''周回プレイ'' -周回プレイ時に引き継げるものは「各ヒロインの好感度」「装備品」「資金」「従魔の転生数」のみで、それ以外は引き継げない。 --引き継げないものはキャラレベル・従魔のレベル・未使用従魔Point・究極進化・進化の宝珠(1周で3個+有料DLC1個)。 -特に従魔Pointはクエスト報酬であり1周の入手量が有限。いろんな従魔に振り分けると最終的にポイントが無駄になる。ちなみに1体の従魔の転生をカンストさせようと思うとポイントを全てつぎ込んでも3周ほど必要。 --またこの仕様のため、ラスボス戦では転生して低レベルで挑む事になりがちという本末転倒な事になっている。 -究極進化、進化の宝珠も引き継がないため、全ての従魔を究極進化させる、という事もできない。 ''シナリオ'' -根幹に関わる所でシナリオにツッコミどころが非常に多い。 --リリィシナリオなどでの補完や用語集によって前作のシナリオの酷評点だった「極端な説明不足・描写不足によるプレイヤーおいてけぼりな展開」「用語や設定の不鮮明さ」はある程度無くなったものの、今度は前作との関連性や、前作と今作の間に起こったであろう出来事の説明不足((列強諸国による人造半妖の兵器転用計画など。))、ラスボスたる「月の女王」周辺の設定に関する問題が取り沙汰されることとなる。 --「前作と繋がっていない」という情報もビジュアルブックに記載されている四々九氏と柴田氏のコメントによるものであり、発売前には明かされておらず、ゲーム中でも触れられない。ビジュアルブックの情報がない限りそのことに気づくことすら困難である。 ---そのため決め台詞をやたら連呼するクリストフォロスなど、前作とキャラが違うと感じてしまう。 -リリィ関連 --リリィ(百合)という表現に反して、''アルーシェは本編開始前からリリアーナが好き''という設定があるため、リリアーナ以外のキャラはシナリオ上の意味はあってもリリィとして存在する意味がない。当然の如くキャラエンドも存在しない。特定のヒロインがシナリオ上重要ポジションにいるゲームは数あれど、好感度が設定されているのに最初から恋愛面でも決まっているゲームはそうそうないだろう。 ---ゲーム中ではリリィの好感度が上がると最終的にステータス画面で全裸で向き合ったり、狭い足場や滑車といった''リリィといちゃつくためのギミック''((前者はお姫様だっこでアルーシェが運び、後者は抱き合って一緒に渡る、その後リリィが照れながら感想を述べる。))があるが、上記の設定のせいで完全に無駄になっている。 ---プロデューサーの菊地氏は「リリィは主人公=プレイヤーの仲良くなりたい対象として」と発言しているが、肝心の主人公であるアルーシェの眼中にすらないのでは全く意味がない。 --シナリオ的にもリリアーナとルーエンハイド以外はエンディング分岐にすら関わらない((一応、全員のリリィイベントをこなす事でエンディングに追加イベントが起きる。))。 ---アルーシェもリリアーナ以外には仲間、親友以上の感情を見せず、エンド分岐にも関わりアルーシェに片思いしているルーエンハイドですら告白する場面もないため、完全にリリアーナとその他扱いである。 --「青い血に触ると邪妖になってしまう」という設定が前作からあるはずなのだが、人造半妖のヴェルーシュカや半妖のミュベール・アーナスを除く人間キャラが問題なく戦闘要員として戦える理由は、青い血に適性があると明言されているカミラ以外語られていない。 -アーナスの扱い --前作主人公で人気も高い彼女だが、本作ではラスボスの謀略にかかり暴走状態で暴れまわるという扱いを受けている。 --条件を満たすことで救出し、リリィとして加入するが、彼女を加入させたところでシナリオに変化はほぼなく、トゥルーの条件ですらないため、これなら出さないで欲しかったという意見すら見受けられる。 --アルーシェはリリアーナ以外は眼中にない扱いだったから結果的によかったものの、元々恋人がいる彼女をリリィとして登場させたことへの批判も多い。 -蒼い月 --最初の章ボスを倒した時に月齢が回復したため「強力な邪妖を倒すと戻る」と推測されるのだが、次の章のボスは邪妖ですらないヴェルーシュカ(半妖ではあるが)、たった2章で設定が崩壊する。 --章の区切りというメタな理由だと納得したくても、5章の序盤に「ボス邪妖を倒したのに月が戻らない」事を指摘してしまうため、何かしらの理由があると推察せざるを得ない状況となっている。 ---DLCで真実が明かされるはずだったのだが…(下記参照)。 --非常に乱暴な解釈であるが、後述のトゥルーエンドのことから考えると、「アルーシェが活躍してれば邪妖相手でなくてもいい」「既知の敵を倒しただけなのでテンションが上がらない」とすればギリギリ苦しい言い訳程度にはなる。 -本作ではエンディングが二つあるが、どちらもグッドエンドとはいえない終わり方をする。いくら『零』シリーズのライターだからといってそんなところまで『零』に似せる必要はないのだが。なお前作はバッドからグッドまで存在した。 --ノーマルエンドの方がアルーシェ達はともかく、世界的にはハッピーになるというやはりホラーでありがちなものになっている。 -矛盾だけをやたら生み出すエンディング #region(ネタバレ注意); -エンディングはノーマルエンドの「アルーシェ死亡エンド」とトゥルーの「アルーシェ生存エンド((トロフィーの説明文より。))」と呼ばれる2種類があるのだが、前者では「世界は滅んでおらず、リリアーナとラスボスは本物」と、後者では「世界の滅びが始まり、ラスボスと仲間のリリアーナはラスボスを自身の能力で食い止めているリリアーナが生み出した幻想の存在」と平行世界と言っても過言ではないレベルで世界観が異なっている。ちなみに、分岐するのはプロローグでアルーシェがラスボスに刺された直後。 --だがシナリオ上でイベントに変化が起きるのはラスボスを倒した後。それまでは全く変化がないため、「死亡エンドなのに自分が空想の存在と言わんばかりの態度のリリアーナ」などの、一方の世界だと意味不明な会話が大量に差し込まれることになっている。 ---トゥルーエンド単品で見れば全体の会話の流れの齟齬がなくなるので、ノーマルエンドが足を引っ張る形となっている。だがこちらはこちらでシナリオ上必ず見る事になるノーマルエンドへの伏線が何一つ活かされない形で終わる。 -トゥルーエンドの条件がリリアーナとルーエンハイドだけ、という極端な格差のせいで、誰を連れてラスボスを倒そうが、死亡エンドではリリアーナ・ルーエンハイド・カミラ(声のみ)、生存エンドではリリアーナ・ルーエンハイド以外のリリィは一切姿を見せる事がない。 #endregion(); -その他 --プリレンダムービーの美麗さとは対照的にリアルタイムレンダリングムービーの質はかなり低い。 ---前作のもっさりこそなくなったが、モーションが限られているのか、戦闘シーンでは敵の攻撃を横っ飛びで回避するだけなどの単調な動きが目立つ。重要場面ではプリレンダの方が多いため、その点では安心である。 --ルーエンハイド、ヴェルーシュカが所属しているルルド教団の内情がほとんど明かされない。 ---教祖であるロエルジリスは重要キャラに見せておいて、出番がほとんどなく、アルーシェと対面するのもサブイベントで一回だけ。 --従魔がサブイベント加入になったため、それぞれに加入イベント(音声なし)があるが、イベントではアルーシェと会話しているにもかかわらず、何故かアルーシェには吹き出しがなく、口パクなどのモーションだけというシュールな図になっている。 --従魔、邪妖を除けばモブの声含めても男性キャラが一切存在しない。 ---前作で百合ゲーに男性を登場させる矛盾を指摘されたからか、過剰ともいえるほどに露骨に登場しなくなった。 ---確かに男性陣のやり取りには若干のくどさがあり、またアーナスを助手に勧誘したり、プレゼントで懐柔させようとする描写はあった。 ---百合ゲーを謳っている以上それに拒絶反応を示すプレイヤーがいるのは無理はないが、少しやりすぎな面も否めない。 --相変わらずイベントスキップが存在しない。2周目以降は加速が可能になるものの、そこまで早いわけではなく、またイベント中スキップボタンが常時表示されるようになってしまう。 ---1周目に月齢が過ぎてしまった場合、物語は章の最初に戻ってしまうのに、イベントスキップがないためストレスがより溜まってしまう。 --ストーリー関連のトロフィーは2周でコンプ可能だが、レベル関連のトロフィーは3周かかる。 --前作は昼パートの影の薄さから「ひるのないくに」と揶揄されたが、今作では本当に朝が来なくなったため揶揄どころか普通に「ひるのないくに」と化している。 ''DLC関連'' -2種類存在し、そのうち有料DLCの「蒼い月夜に刻は彷徨う」の評判が非常に悪い。アルーシェ用の衣装が追加される事もあって1000円とそれなりに高い。その割にはボイスなし、本編ボスと再戦できるマップ(前作では無料だった)、アルーシェのモーションを流用しただけの追加ボス、そして何より''本編で語られてない設定の公開''と本編に関わるものだったため批判が非常に多い。 -このDLCではラスボスのマルヴァジーアに関するエピソードや、蒼い月の真相が分かるという触れ込みだったが…。 #region(ネタバレ注意); -本編で名前のみ登場したアルストロメリアがフィーチャーされているが、彼女は本編で判る情報では「事件の元凶」だとほぼ全てのプレイヤーが思っていた程の人物だったのだが、このDLCでただの被害者だったと発覚するなど、有料DLCどころか本編でやらなければいけないレベルのものとなっている。 --アルストロメリアと共にマルヴァジーアに対する救済があるのだが、このイベントに登場するラスボスは本編ラスボスの残滓みたいなもので、このイベントを終えても本編には一切影響が起きない。 ---エンディング2つよりも綺麗に纏まり、明らかに幸せに終わるため、「これがエンディングでいいよ」という意見も多い。 -また、蒼い月に関する真実が分かるという触れ込みだったが、遥か昔に蒼い月を発生させた人物がいる、ということが発覚しその人物がリリアーナ同様の能力を持っていたということが語られる。 --そのため本編の蒼い月はリリアーナが発生させている……とアルーシェが推論を立てるだけで終わる。 --上記の通りアルーシェ死亡エンドでは能力を行使していないリリアーナが蒼い月を発生させる意味がわからず、生存エンドでもリリアーナがわざわざ月齢を弄る意味がなく、そもそもボス撃破で月齢が戻る理由も明かされていない。 ---結局、真実が分かると言いながらツッコミどころが増えただけになってしまっている。 #endregion(); -もう1つの無料DLCである「お菓子の国のエトランゼ」は完全サブストーリーながらフルボイス、新規マップ&新規ボス、強力な装備追加とそこそこ好評なものとなっている。本編に関わらないこちらを有料にしておけばまだ批判は少なかっただろう。 ---- **総評 前作の問題点とされていたカメラやイベントのモーションについては改善された。~ しかしシナリオやキャラの関係性は改善できたとは言いづらく、従魔・やり込み要素であった闘技場・装備の組み合わせ…など前作で評価されていた部分を全て捨て去ってしまった続編。~ かといって初見でも月齢・制限時間・従魔の3つが悪い方向に見事にかみ合い窮屈なプレイを強いられ、~ シナリオの方も選べないヒロインに「重要なポイントにツッコミどころが多い」と前作からの進化を期待していたプレイヤーを大きく失望させる作品となってしまった。 ---- **余談 -『よるのないくに』シリーズは本作で完結している。 -ルーエンハイドは当初は最後まで敵の予定だった((ビジュアルブックより。))、アーナスのスキル「血の横取り(本作には吸血指示自体存在しない)」など、開発が長引くうちに大きく内容が変更されたことが窺える。 --従魔に関してもビジュアルブックでは一人につき一体パートナーがいるように描かれており、最初に加入するネーロだけ以前からアルーシェの知り合いなどその名残と思える部分が存在する。 -Switch版に関して --概要の通り、当初は発売予定がなかったのだが、その後Switch版の発売決定が発表されたのが''PS4/PSV版で当初予定されていた発売日を過ぎた後''であり、しかもPS4/PSVとは特典が違ったため、「後発移植ならともかく同時発売でこれは酷い」と売り方を批判する声もある。 ---延期前の当初の発売日を過ぎていたという事は、予約するプレイヤーはとっくに別機種で予約済みという事になる。また一般のオンラインショップはまだしも、大元であるガスト公式オンラインショップがキャンセル不可という事も大きい。 -Win(Steam)版に関して --前作は当初英語版のみ(音声だけ日本語)での発売だったが、今作では配信開始時点でUI/字幕/音声が日本語・英語両対応になっている。 ---ちなみに、前作も後に2020年より日本語対応となっている。 -序章開始時および1章開始時のホテル・エテルナ到達前に発生する戦闘で全滅すると例外的にゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻される。 -『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』に、他のコエテク作品のキャラとともにモブ住人としてアーナス、リリアーナ、ルーエンハイドが登場している。
*よるのないくに2 ~新月の花嫁~ 【よるのないくにつー ~しんげつのはなよめ~】 |ジャンル|美少女従魔RPG|CENTER:&amazon(B071LQH1VQ)&amazon(B01KWYZPS0)&amazon(B01KWYZQUC)| |対応機種|Nintendo Switch&br;プレイステーション4&br;プレイステーション・ヴィータ&br;Windows7~10(Steam)|~| |発売元|コーエーテクモゲームス|~| |開発元|ガスト|~| |発売日|【Switch/PS4/PSV】2017年8月31日&br;【Win】2017年10月24日|~| |定価(税別)|【Switch/PS4/Win】&br;通常版/ダウンロード版:7,300円&br;プレミアムボックス:10,300円&br;スペシャルコレクションボックス:16,300円&br;【PSV】&br;通常版/ダウンロード版:6,300円&br;プレミアムボックス:9,300円&br;スペシャルコレクションボックス:15,300円|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~| |判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~| |ポイント|『よるのないくに』シリーズ完結編&br;音楽は変わらず良質&br;前作から大幅に増えた美少女キャラ&br;前作の良さを全て捨て去った&br;リリィとして存在する意味がないキャラ達&br;''開発費捻出のために発売されたSwitch版''|~| |>|>|CENTER:''よるのないくにシリーズ''&br;[[よるのないくに]] / ''2''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[よるのないくに]]』の続編。だが前作と繋がっておらず厳密には「前作によく似た世界の未来」というパラレルワールド。~ 主人公は新キャラのアルーシェに交代して登場キャラもほぼ一新、前作主人公アーナスは本作の要素である「リリィ」の1人として登場する。~ 前作からスタッフが一新され、特にライターは『[[零>零シリーズ]]』シリーズの柴田誠氏であることが大々的に発表されていたため、良くも悪くも期待されていた。~ 当初はPS4/PSVのみの予定だったが、数度の延期に加えて、延期するうちに''開発費捻出のために''Switch版の発売が発表され、期待よりも不安感を煽るようになり…。 ---- **システム -リリィ --主人公アルーシェと共に戦うパートナー。キャラ毎に好感度が設定されており、上げることでリリィイベントが発生する。 --キャラ毎に特定の条件を満たすことで周囲を攻撃する「ダブルチェイス」、テンションゲージを溜めることで「リリィバースト」を使用する事ができる。代わりにアルーシェ単体の必殺技と呼べるものはなくなった。 --リリィと同じ敵を連続で攻撃すると「ダブルアタック」となり、リリィを攻撃した相手にやり返す((またはアルーシェは攻撃した敵にリリィが攻撃する。))と「リベンジアタック」が発動してテンションゲージがたまる。 ---リベンジアタックの方が敵の攻撃を利用しなければならないため意図的に発生させづらいが、猶予時間は長い((ダブルアタックはほぼ同時に敵を殴る必要がある。))。 -制限時間、月齢 --アルーシェの1日の行動可能時間であり、ホテルに戻ると次の日に進めない限り再出発できない。また、時間を過ぎると強制的にホテルへと戻され、探索も失敗扱いとなる。この時間はレベルアップや血の奉納で強化できる。 --月齢は日が進む毎に「蒼い月」が欠けていき、新月になるとゲームオーバーになる、要は日数制限。章をクリアすると規定値まで回復する。 ---ただし、後のアップデートV1.02による2周目以降から日数制限を撤廃することができる。 -従魔(セルヴァン) --ハクスラだった前作と違い、主にサブイベントで加入する固有キャラとなり、連れていける数も2匹と大きく制限されるようになった。 --ストライカー、トリッカーの2種類に分けられ、ストライカーの一部にはアルーシェの武器になるもの、トリッカーの一部には仕掛けを解除できる従魔が存在する。 --レベルアップは従魔Pointを振り分ける形になり、最大まで上げる事で転生が可能になる。 --進化の宝珠というアイテムを使うことで外見が変化し、大幅にステータスがアップする「究極進化」が可能になる。 -着せ替え要素の追加 --更衣室で各キャラの衣装を変更できる。ただしアルーシェ以外は水着1着しか存在しない。 ---- **評価点 -プリレンダムービーは非常に美麗であり、四々九氏のキャライメージをしっかりと守っている。 --批判されたPSV版のグラフィックも改善されている。 -魅力的な女性キャラの増加 --リリィだけでなく、ラスボスのマルヴァジーアや彼女を慕うヴァルデロッサなどキャラ自体の描写は好評なものが多い。 -リリィとのダンジョン探索、会話。 --前作はアーナスとたくさんの従魔が戦うという戦闘システムで、ヒロインのリュリーティスは戦闘しないため、探索できる女性キャラはアーナスのみだった。今作ではリリィと一緒にダンジョンを探索することができ、前作においては従魔の独り言だった部分が、リリィからアルーシェに向けてのセリフ、または会話になっており、「美少女と美少女の2人で戦っている、ダンジョンを潜っている」という感覚は前作から強化されている。 --親愛度によって、探索中や帰還時のセリフ、メニュー画面のアルーシェとリリィの表情が変わっていくなどの要素もあるので、美少女キャラと仲良くなっていってるという感覚も得ることができる。 -音楽は作品にあっていて良質、ラスボス戦では主題歌が流れるのも王道ながら好評。 -リリィごとに差別化されている戦闘スタイル #region(各リリィの詳細) --リリアーナ ---「リリィバースト」が超広範囲攻撃で集団戦に強く、「ダブルチェイス」はリリアーナを中心に円形に攻撃が広がっていくタイプで、大型ボスの近くで発動すれば高いダメージを期待できる。 ---また、アルーシェのHPが0になった際に1回だけ、アルーシェを復活させた後5秒間時間を止めるスキルがあるので安定性も高い。 ---ただ、ダブルチェイスの条件が「ダブルアタックを4回」なのに、リリアーナは頭上から光を落すタイプの攻撃が多く、小型で水平移動している敵には外れることも多いため、リリィバーストがない状態の集団戦は若干苦手。 --ルーエンハイド ---「リリィバースト」はリリアーナほどではないが広範囲攻撃で、「ダブルチェイス」も敵を引き寄せる効果を持つ回転切りのため集団を一気に殲滅できる。 ---また、リリアーナ同様にアルーシェのHPが0になった際に1回、アルーシェを復活させ10秒間防御力を上げるスキルを持つ。 ---ルーエンハイドのダブルチェイスの条件も「ダブルアタック4回」だが、ルーエンハイドの剣で斬りかかる攻撃は動いている敵に外れることがあったり、彼女が攻撃する前に敵に攻撃されてしまうこともあるなど、安定性が少し低い。 ---親愛度を上げると、剣から衝撃波をとばす攻撃を使えるようになるため、ダブルアタックが非常に狙いやすくなり、大幅に強くなる。 --ヴェルーシュカ ---超集団戦闘、攻撃特化のリリィ。「ダブルチェイス」は広範囲攻撃で、「敵を10回吹き飛ばす」が発動条件のため前述の2人と違い、ヴェルーシュカに関わらずアルーシェと従魔のみで条件を満たしてしまうことができる。 ---定期的に発動できる「遅い……。」という攻撃スキルも、前方広範囲に高いダメージ+吹き飛ばしなのでダブルチェイスに繋げることができ、「リリィバースト」も単体高火力タイプだが、周囲の敵を吹き飛ばすため同様に「ダブルチェイス」が発動させやすい。 ---上記のようにとにかくダブルチェイスであっという間に敵集団を殲滅することができるリリィ。ただし、吹き飛ばない大型ボスは「リリィバースト」以外の有効な攻撃がほとんどなくなってしまうため、大型ボスは苦手。 --エレノア ---リリィの中で唯一、倒した敵を確率でチョコレートにすることができる回復手段を持つ。「ダブルチェイス」の条件は「敵を12回吹き飛ばす」とヴェルーシュカより若干難しいが、範囲はそこまで広くない。 ---「リリィバースト」は中くらいの範囲だが巻き込める敵の数は多い。敵を直接攻撃するスキルはないので、ヴェルーシュカから攻撃力を引いた分回復手段による守りを強くしたような性能。弱点は同じく吹き飛ばないタイプの敵。 --ミュベール ---「敵に状態異常を5回付与」という独自のダブルチェイス条件を持つ。状態異常はアルーシェ単独で付与することは非常に難しいが、ストライカータイプの従魔を使った武器((炎上を付与する大剣、氷結を付与する水晶剣。))の攻撃か、一部のトリッカータイプの従魔の攻撃で簡単に付与することができ、「5回」と必要な回数が少ないため、敵が多い際はリリィ中最速で「ダブルチェイス」発動からの殲滅を狙うことができる。 ---「鬨の声」というスキルで敵の注意をミュベールに集めることができるので、ある程度の防御性能も持っている。つれていく従魔を選ぶ必要がある点、従魔が倒されてしまうと状態異常付与はミュベールの攻撃に頼るしかなくなってしまう点がネック。 --カミラ ---アルーシェの状態異常を自動的に治してくれるスキルを持つ。「リリィバースト」が単体広範囲のため、集団戦は前方広範囲の「ダブルチェイス」に頼ることになるが、その発動条件は「チェインを120回」と結構厳しめ。 ---ヒット数の多い武器(鏡の盾の強1攻撃など)や従魔の攻撃などを使っていく必要がある。チェインさえ稼ぐことができれば、ボス戦だろうが集団だろうが、カミラの状態に関係なくダブルチェイスを狙うことができるのはメリット。状態異常回復も他のリリィや従魔にはない強力点である。 --アーナス ---アーナス本人の戦闘能力がずば抜けて高く、敵を倒した際にアーナスのHPを回復して攻撃力も上げるというスキルもあるため前に出ていくアーナスが倒されにくい。 ---一方でアルーシェを回復、守るようなスキルはなく、「ダブルチェイス」発動条件が「リベンジアタック」3回(親愛度最大で2回)と自分から発動しに行きにくいなどの弱点もある。アーナスに突っ込んでもらい、彼女を殴った敵を自分が殴り返す、または自分が敵の攻撃を防御して小さいダメージを受けたところを、アーナスに殴ってもらうなど、他のリリィとは一味違う、わたしのアーナスさまが大活躍するのを脇から援護する戦い方ができる。 ---リベンジアタックという条件は、ボス戦などでは「ボスの広範囲攻撃でアーナスが吹っ飛ぶ」→「自分がボスを殴る」ことで簡単に達成できるので、ボス戦にも強い。 #endregion -2周目の高い難易度では強力なストライカー従魔 --武器に変形して戦うストライカー従魔だが、片手剣やトリッカーではできない広範囲攻撃を持つ槍、高い攻撃力と状態異常付与ができる剣、防御することで敵の攻撃を0ダメージにできるパイルバンカー・鏡の盾など、性能自体は高いものがそろっている。 --特に2周目以降解放される最大難易度「Extreme」では、敵の攻撃をガードしてもかなりのHPが削られてしまうため、ダメージを無効にでき、MPも非常に多いため使用可能の時間も多い鏡の盾、MPが低く使用可能時間は短いが、最大タメ強1攻撃でラスボス最終形態のHPゲージを半分ほど吹き飛ばす破壊力を持つパイルバンカーなどは強力。 --2周目以降は装備を引き継いでいるため、トリッカータイプの従魔でしかギミックを解除できない場所にあるアクセサリーを集める必要がそんなになく、時間制限もないため解除したいギミックがあるときだけつれていけばよいため、ストライカー従魔の評価が高くなる。 -カメラワークの改善 --全作では不可能だった上下の角度の変更が可能になり、ある程度はローアングルにできるようになった。 --また、アルーシェから遠く離れている建物や、敵は若干ボヤけるような効果がかかり、遠近感が演出されるようになった。 -イベント中のモーション数の増加 --前作ではあまり種類が多くなかったイベント中のキャラの動きの種類が増えた。 --また、前作ではキャラクターが画面の右と左で会話を行う形式であったが、今作ではイベントやセリフごとにカメラアングルが設定されている。 -2周目以降はスキップが一応追加された --スキップ速度は早くはないが、前作にはなかった会話やイベントのスキップが2周目以降に使用可能になった。 ---- **賛否両論点 -アルーシェのキャラ付け --前作でもアーナスが男らしすぎる、と言う意見があったが、本作の主人公のアルーシェも同じく男らしすぎるため、百合なのにまたか…と思ったプレイヤーも存在する。 ---どれくらい男らしいかというと、口調が男っぽいのは当たり前として、本作では''ティーカップ''でチョコレートドリンクを飲むシーンが多々あるが、アルーシェの飲み方は''腰に手を当てた風呂上りの牛乳瓶スタイル''%%現実の男性でもそんなことする人まずいないと思うが…%%。 --一応、どちらも男っぽいとはいえキャラとしては棲み分けがされている((アーナスが王子様タイプなのに対して、アルーシェはガキ大将タイプ。))。 ---イケメン度でいえばアーナスの方が圧倒的に上のため、アーナスがリリィの時はアルーシェが完全に少女になっている。 --さらに言えば今作は、主人公のみならずパーティーメンバー8人中6人もが男性的口調(ヴェルーシュカに至っては一人称まで「俺」)のため、女性キャラばかり登場しているとは思えない雰囲気・台詞回しになっている。 ---その一方で、この6人とも巨乳なためかスタイルを強調する衣装を着ており、男性的口調ばかりな割に1人として男装をしていないため非常にチグハグである((とはいえ男装などしてしまっていたら、ますますもって「百合ってなんだっけ?」状態になるわけだが。))。 -リリィであるエレノアの存在 --デザインした四々九氏自身が指摘している通り、アトリエシリーズに登場しそうな設定と外見((赤と白以外寒色が多い中、一人だけ衣装に暖色を多用したファンシーなもので、さらに巨乳揃いのリリィの中で唯一貧乳。))であり、端的に言えば世界観から浮いている。 ---戦闘でも液体のチョコから斧や槍を錬成するというまさにチョコの錬金術士と呼べる戦い方となっている。 --シナリオの本筋にもほとんど関わらず、彼女のリリィイベントも究極のチョコを作るための材料探しであり、邪妖とチョコで和解するなど、どちらかというと暗い世界観の本作ではかなり異質な事になっている。 ---他のリリィに関しては下記の問題があるが、エレノアに至ってはもし登場しなかったとしてもシナリオ上に何も問題がない程。 --エレノアが登場した背景には「前作で吸血衝動を抑える効果があったチョコの専門家がいてもいい」というものがあるのだが、本作のアルーシェは吸血衝動を一切我慢せず、半妖になる前からチョコが大好きと、コンセプトに反して「質の高いチョコを供給してくれる人」以上の意味がなくなってしまっている。 --もっともエレノアは最初の延期までは全く発表されず、ビジュアルブックでもNPCであるクリストフォロスよりも後に掲載されているなど、明らかにNPCからリリィに昇格させたという事が窺える。 ---- **問題点 ''システム面'' -月齢 --下記の従魔絡みやリリィイベントをこなそうと思うと日数がギリギリになりがち。さらに日数を超えてゲームオーバーになると章の初めからやり直し、''ステータスなども章開始時に戻る。'' --前作では制限時間が残っていれば再出撃もできたのだがそれもできなくなり、一度に出現する雑魚敵の数も固定のため、雑魚をギリギリまで狩って、最終日に章ボスを倒す、という作業を強いられる。 --そもそもこの日数制限システム自体が世界観云々を差し引いても苦痛。 ---アップデートで2周目以降は制限が解除されるようになったが…マップなども把握できない1周目にこそ必要なものであろう。 -3章のボス「ダビデ」 --ボスと言う扱いながら、やる事は鏡を回転させて壁になっているバリアを破壊し(ダビデは攻撃してこない)、それが終わったら首だけになり無抵抗のダビデを殴るだけと戦略性の欠片もないもの。おまけにリリィや従魔、さらにはリリィバーストもダビデを敵キャラと認識せず攻撃することがない。 --ムービーでは目からビームを撃ってくるのだが、戦闘中には何もしてこないと存在意義すら怪しいボス?となっている。 ---スタッフも楽しくないと思ったのか、この戦闘ではこれを使って倒せと言わんばかりに唐突にダブルチェイスが発動可能になる。 ---DLCでは各強化ボスが登場するが、ダビデのみバリア破壊が若干難しくなっただけで、ダビデ自体は全く強化されていない。 ---パッチで修正されるまではボス戦でも時間制限があったため、制限時間内にパズルを解くといった最低限のゲーム性はあったが、修正後の時間制限撤廃に際しダビデに攻撃をさせるといったこともなく、少なくともゲームとしては存在意義が完全に無くなった。 -主人公の出来る事が減った --下記の通り持てる武器に制限がかかり、単体必殺技もなし、アーナスの血剣ヨルドに相当する隠し武器もなければ、変身に相当するシステムすら存在しないため、かなり単調になっている。 --ダブルチェイス、リリィバーストには専用リソースを使うため、MPがほぼ死にステータス。使い道はほぼ従魔のMP補充だが、高難易度でもない限り補充しなくても問題ないため、一度も使用したことが無いというプレイヤーも少なくない。 -リリィ関連 --リリィのスキルが発動する時、毎度毎度カットインを挟むため若干テンポが悪い。 --ヴェルーシュカのスキル「堕ちろ……。」は所謂飯綱落としをするスキルだが、アルーシェがロックオンしている敵が対象になった場合、カメラが上空に放られた敵を追うため、非常に見辛い事になってしまう。 --戦闘中の掛け合いがどんな文章でも全て汎用ボイス。というかアルーシェの名前を呼ぶものがほとんど。 ---そのせいで''ボイスでは「アルーシェ!」なのに、その時表示される文章が「消えろ…。((あくまで敵に向けてのセリフである。))」だったり''する。いろいろな意味であんまりである。 -その他 --前作にあった「昼間行動」「闘技場」がなくなり、それに代わる要素も存在しない。一枚絵と会話を消化するだけの「昼間行動」はともかく、闘技場は数少ないやりこみ要素だった。 ''従魔関連'' -''前作の従魔が全てリストラ'' --前作に登場した従魔と同じ外見、もしくは酷似しているものが一匹も存在しない。仮にも世界観を共有している続編なのに…。 -連れ歩ける数の激減。前作は4×4の16匹だったのが、たった2匹に。 -従魔でしか解除できない仕掛け --上記のように2匹しか連れ歩けないのに''仕掛けは4種類存在する。''そのため初見のマップでは仕掛けを解除できる従魔以外は連れて行っても無駄。間違えた従魔を連れて行った場合、一日の再出撃が出来ない関係でリセットしない限り日数が無駄になる。 ---大半の仕掛けは一度解除すれば終わりなのだが、高台に上るものは毎回その従魔が必要になる。 --前作でも回復持ちが1種しかおらず半ば必須扱いされるなどバランスの悪さはあったものの、特定の従魔の使用を強要されるようなことはなかった。 --1章の舞台である廃都ユーラルムには、最初に加入するネーロで着火できる油樽という戦闘用ギミックが存在するが、それ以降には従魔を用いた戦闘用ギミックは一切存在しない。 -武器になる従魔 --前作のアーナスは武器を自由に切り替えできたが、本作では特定の従魔をパーティに入れ、尚且つ従魔のMPが尽きるまでしか武器を変更できない。そのうえ武器になるため事実上戦力が一匹減る。そして上記の仕掛けの関係もあり、パーティに入れる機会が少ない。 ''周回プレイ'' -周回プレイ時に引き継げるものは「各ヒロインの好感度」「装備品」「資金」「従魔の転生数」のみで、それ以外は引き継げない。 --引き継げないものはキャラレベル・従魔のレベル・未使用従魔Point・究極進化・進化の宝珠(1周で3個+有料DLC1個)。 -特に従魔Pointはクエスト報酬であり1周の入手量が有限。いろんな従魔に振り分けると最終的にポイントが無駄になる。ちなみに1体の従魔の転生をカンストさせようと思うとポイントを全てつぎ込んでも3周ほど必要。 --またこの仕様のため、ラスボス戦では転生して低レベルで挑む事になりがちという本末転倒な事になっている。 -究極進化、進化の宝珠も引き継がないため、全ての従魔を究極進化させる、という事もできない。 ''シナリオ'' -根幹に関わる所でシナリオにツッコミどころが非常に多い。 --リリィシナリオなどでの補完や用語集によって前作のシナリオの酷評点だった「極端な説明不足・描写不足によるプレイヤーおいてけぼりな展開」「用語や設定の不鮮明さ」はある程度無くなったものの、今度は前作との関連性や、前作と今作の間に起こったであろう出来事の説明不足((列強諸国による人造半妖の兵器転用計画など。))、ラスボスたる「月の女王」周辺の設定に関する問題が取り沙汰されることとなる。 --「前作と繋がっていない」という情報もビジュアルブックに記載されている四々九氏と柴田氏のコメントによるものであり、発売前には明かされておらず、ゲーム中でも触れられない。ビジュアルブックの情報がない限りそのことに気づくことすら困難である。 ---そのため決め台詞をやたら連呼するクリストフォロスなど、前作とキャラが違うと感じてしまう。 -リリィ関連 --リリィ(百合)という表現に反して、''アルーシェは本編開始前からリリアーナが好き''という設定があるため、リリアーナ以外のキャラはシナリオ上の意味はあってもリリィとして存在する意味がない。当然の如くキャラエンドも存在しない。特定のヒロインがシナリオ上重要ポジションにいるゲームは数あれど、好感度が設定されているのに最初から恋愛面でも決まっているゲームはそうそうないだろう。 ---ゲーム中ではリリィの好感度が上がると最終的にステータス画面で全裸で向き合ったり、狭い足場や滑車といった''リリィといちゃつくためのギミック''((前者はお姫様だっこでアルーシェが運び、後者は抱き合って一緒に渡る、その後リリィが照れながら感想を述べる。))があるが、上記の設定のせいで完全に無駄になっている。 ---プロデューサーの菊地氏は「リリィは主人公=プレイヤーの仲良くなりたい対象として」と発言しているが、肝心の主人公であるアルーシェの眼中にすらないのでは全く意味がない。 --シナリオ的にもリリアーナとルーエンハイド以外はエンディング分岐にすら関わらない((一応、全員のリリィイベントをこなす事でエンディングに追加イベントが起きる。))。 ---アルーシェもリリアーナ以外には仲間、親友以上の感情を見せず、エンド分岐にも関わりアルーシェに片思いしているルーエンハイドですら告白する場面もないため、完全にリリアーナとその他扱いである。 --「青い血に触ると邪妖になってしまう」という設定が前作からあるはずなのだが、人造半妖のヴェルーシュカや半妖のミュベール・アーナスを除く人間キャラが問題なく戦闘要員として戦える理由は、青い血に適性があると明言されているカミラ以外語られていない。 -アーナスの扱い --前作主人公で人気も高い彼女だが、本作ではラスボスの謀略にかかり暴走状態で暴れまわるという扱いを受けている。 --条件を満たすことで救出し、リリィとして加入するが、彼女を加入させたところでシナリオに変化はほぼなく、トゥルーの条件ですらないため、これなら出さないで欲しかったという意見すら見受けられる。 --アルーシェはリリアーナ以外は眼中にない扱いだったから結果的によかったものの、元々恋人がいる彼女をリリィとして登場させたことへの批判も多い。 -蒼い月 --最初の章ボスを倒した時に月齢が回復したため「強力な邪妖を倒すと戻る」と推測されるのだが、次の章のボスは邪妖ですらないヴェルーシュカ(半妖ではあるが)、たった2章で設定が崩壊する。 --章の区切りというメタな理由だと納得したくても、5章の序盤に「ボス邪妖を倒したのに月が戻らない」事を指摘してしまうため、何かしらの理由があると推察せざるを得ない状況となっている。 ---DLCで真実が明かされるはずだったのだが…(下記参照)。 --非常に乱暴な解釈であるが、後述のトゥルーエンドのことから考えると、「アルーシェが活躍してれば邪妖相手でなくてもいい」「既知の敵を倒しただけなのでテンションが上がらない」とすればギリギリ苦しい言い訳程度にはなる。 -本作ではエンディングが二つあるが、どちらもグッドエンドとはいえない終わり方をする。いくら『零』シリーズのライターだからといってそんなところまで『零』に似せる必要はないのだが。なお前作はバッドからグッドまで存在した。 --ノーマルエンドの方がアルーシェ達はともかく、世界的にはハッピーになるというやはりホラーでありがちなものになっている。 -矛盾だけをやたら生み出すエンディング #region(ネタバレ注意); -エンディングはノーマルエンドの「アルーシェ死亡エンド」とトゥルーの「アルーシェ生存エンド((トロフィーの説明文より。))」と呼ばれる2種類があるのだが、前者では「世界は滅んでおらず、リリアーナとラスボスは本物」と、後者では「世界の滅びが始まり、ラスボスと仲間のリリアーナはラスボスを自身の能力で食い止めているリリアーナが生み出した幻想の存在」と平行世界と言っても過言ではないレベルで世界観が異なっている。ちなみに、分岐するのはプロローグでアルーシェがラスボスに刺された直後。 --だがシナリオ上でイベントに変化が起きるのはラスボスを倒した後。それまでは全く変化がないため、「死亡エンドなのに自分が空想の存在と言わんばかりの態度のリリアーナ」などの、一方の世界だと意味不明な会話が大量に差し込まれることになっている。 ---トゥルーエンド単品で見れば全体の会話の流れの齟齬がなくなるので、ノーマルエンドが足を引っ張る形となっている。だがこちらはこちらでシナリオ上必ず見る事になるノーマルエンドへの伏線が何一つ活かされない形で終わる。 -トゥルーエンドの条件がリリアーナとルーエンハイドだけ、という極端な格差のせいで、誰を連れてラスボスを倒そうが、死亡エンドではリリアーナ・ルーエンハイド・カミラ(声のみ)、生存エンドではリリアーナ・ルーエンハイド以外のリリィは一切姿を見せる事がない。 #endregion(); -その他 --プリレンダムービーの美麗さとは対照的にリアルタイムレンダリングムービーの質はかなり低い。 ---前作のもっさりこそなくなったが、モーションが限られているのか、戦闘シーンでは敵の攻撃を横っ飛びで回避するだけなどの単調な動きが目立つ。重要場面ではプリレンダの方が多いため、その点では安心である。 --ルーエンハイド、ヴェルーシュカが所属しているルルド教団の内情がほとんど明かされない。 ---教祖であるロエルジリスは重要キャラに見せておいて、出番がほとんどなく、アルーシェと対面するのもサブイベントで一回だけ。 --従魔がサブイベント加入になったため、それぞれに加入イベント(音声なし)があるが、イベントではアルーシェと会話しているにもかかわらず、何故かアルーシェには吹き出しがなく、口パクなどのモーションだけというシュールな図になっている。 --従魔、邪妖を除けばモブの声含めても男性キャラが一切存在しない。 ---前作で百合ゲーに男性を登場させる矛盾を指摘されたからか、過剰ともいえるほどに露骨に登場しなくなった。 ---確かに男性陣のやり取りには若干のくどさがあり、またアーナスを助手に勧誘したり、プレゼントで懐柔させようとする描写はあった。 ---百合ゲーを謳っている以上それに拒絶反応を示すプレイヤーがいるのは無理はないが、少しやりすぎな面も否めない。 --相変わらずイベントスキップが存在しない。2周目以降は加速が可能になるものの、そこまで早いわけではなく、またイベント中スキップボタンが常時表示されるようになってしまう。 ---1周目に月齢が過ぎてしまった場合、物語は章の最初に戻ってしまうのに、イベントスキップがないためストレスがより溜まってしまう。 --ストーリー関連のトロフィーは2周でコンプ可能だが、レベル関連のトロフィーは3周かかる。 --前作は昼パートの影の薄さから「ひるのないくに」と揶揄されたが、今作では本当に朝が来なくなったため揶揄どころか普通に「ひるのないくに」と化している。 ''DLC関連'' -2種類存在し、そのうち有料DLCの「蒼い月夜に刻は彷徨う」の評判が非常に悪い。アルーシェ用の衣装が追加される事もあって1000円とそれなりに高い。その割にはボイスなし、本編ボスと再戦できるマップ(前作では無料だった)、アルーシェのモーションを流用しただけの追加ボス、そして何より''本編で語られてない設定の公開''と本編に関わるものだったため批判が非常に多い。 -このDLCではラスボスのマルヴァジーアに関するエピソードや、蒼い月の真相が分かるという触れ込みだったが…。 #region(ネタバレ注意); -本編で名前のみ登場したアルストロメリアがフィーチャーされているが、彼女は本編で判る情報では「事件の元凶」だとほぼ全てのプレイヤーが思っていた程の人物だったのだが、このDLCでただの被害者だったと発覚するなど、有料DLCどころか本編でやらなければいけないレベルのものとなっている。 --アルストロメリアと共にマルヴァジーアに対する救済があるのだが、このイベントに登場するラスボスは本編ラスボスの残滓みたいなもので、このイベントを終えても本編には一切影響が起きない。 ---エンディング2つよりも綺麗に纏まり、明らかに幸せに終わるため、「これがエンディングでいいよ」という意見も多い。 -また、蒼い月に関する真実が分かるという触れ込みだったが、遥か昔に蒼い月を発生させた人物がいる、ということが発覚しその人物がリリアーナ同様の能力を持っていたということが語られる。 --そのため本編の蒼い月はリリアーナが発生させている……とアルーシェが推論を立てるだけで終わる。 --上記の通りアルーシェ死亡エンドでは能力を行使していないリリアーナが蒼い月を発生させる意味がわからず、生存エンドでもリリアーナがわざわざ月齢を弄る意味がなく、そもそもボス撃破で月齢が戻る理由も明かされていない。 ---結局、真実が分かると言いながらツッコミどころが増えただけになってしまっている。 #endregion(); -もう1つの無料DLCである「お菓子の国のエトランゼ」は完全サブストーリーながらフルボイス、新規マップ&新規ボス、強力な装備追加とそこそこ好評なものとなっている。本編に関わらないこちらを有料にしておけばまだ批判は少なかっただろう。 ---- **総評 前作の問題点とされていたカメラやイベントのモーションについては改善された。~ しかしシナリオやキャラの関係性は改善できたとは言いづらく、従魔・やり込み要素であった闘技場・装備の組み合わせ…など前作で評価されていた部分を全て捨て去ってしまった続編。~ かといって初見でも月齢・制限時間・従魔の3つが悪い方向に見事にかみ合い窮屈なプレイを強いられ、~ シナリオの方も選べないヒロインに「重要なポイントにツッコミどころが多い」と前作からの進化を期待していたプレイヤーを大きく失望させる作品となってしまった。 ---- **余談 -『よるのないくに』シリーズは本作で完結している。 -ルーエンハイドは当初は最後まで敵の予定だった((ビジュアルブックより。))、アーナスのスキル「血の横取り(本作には吸血指示自体存在しない)」など、開発が長引くうちに大きく内容が変更されたことが窺える。 --従魔に関してもビジュアルブックでは一人につき一体パートナーがいるように描かれており、最初に加入するネーロだけ以前からアルーシェの知り合いなどその名残と思える部分が存在する。 -Switch版に関して --概要の通り当初は発売予定がなかったのだが、その後Switch版の発売決定が発表されたのが''PS4/PSV版で当初予定されていた発売日を過ぎた後''であり、しかもPS4/PSVとは特典が違ったため、「後発移植ならともかく同時発売でこれは酷い」と売り方を批判する声もある。 ---なぜなら延期前の当初の発売日を過ぎていたということは、''予約するプレイヤーはとっくに別機種で予約済み''ということになるからである。 ---また、一般のオンラインショップはまだしも''大元であるガスト公式オンラインショップがキャンセル不可だった''のもユーザーの怒りを買った。 -Win(Steam)版に関して --前作は当初英語版のみ(音声だけ日本語)での発売だったが、今作では配信開始時点でUI/字幕/音声が日本語・英語両対応になっている。 ---ちなみに、前作も後に2020年より日本語対応となっている。 -序章開始時および1章開始時のホテル・エテルナ到達前に発生する戦闘で全滅すると例外的にゲームオーバーとなり、タイトル画面に戻される。 -『ネルケと伝説の錬金術士たち ~新たな大地のアトリエ~』に、他のコエテク作品のキャラとともにモブ住人としてアーナス、リリアーナ、ルーエンハイドが登場している。

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