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*遊☆戯☆王デュエルモンスターズ NIGHTMARE TROUBADOUR 【ゆうぎおうでゅえるもんすたーず ないとめあ とらばどーる】 |ジャンル|カードバトル|&amazon(B0009IEAU4)|&amazon(B000F81SHG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |発売日|2005年7月21日|~|~| |定価|4,980円|~|~| |廉価版|コナミ ザ・ベスト:2006年6月28日/2,800円&br;※廉価版には特典カードは封入されていない。|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』準拠のソフトとしては最終作&br()原作・アニメのキャラクターと友好度を上げられるシステム|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[遊☆戯☆王 関連作品リンク>遊☆戯☆王シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 OCGルールを採用した遊戯王のゲーム作品。~ 原作・アニメの「決闘者の王国編」「乃亜編」「バトルシティ編」のキャラクターが登場し、ストーリーもオリジナルであるものの原作・アニメのストーリーを一部踏襲している。~ 原作及びアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』をもととしたソフトとしては、2016年の『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!]]』までの長い間本作が最終作となっていた((『最強カードバトル!』のストーリーはオリジナルであるため、原作のストーリーを元とした作品としては未だに本作が最終作である。))。~ **システム -ソリッドビジョン --モンスターを召喚すると、そのモンスターが3Dポリゴンで登場するソリッドビジョンシステムが存在する。「ブラック・マジシャン」を始めとする切り札級のモンスターには専用の召喚演出が用意されている。 --雰囲気がぐっと原作のデュエルに近づいた。このシステムはDSシリーズの定番となり、『WCS2010』まで簡略化されながらも引き継がれていった(『[[WCS2011>遊☆戯☆王5D's WORLD CHAMPIONSHIP 2011 -OVER THE NEXUS-]]』で廃止)。 --アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』のものというより、どちらかというと原作のDEATH-T編~王国編で用いられたテーブル型のソリッドビジョンシステムに雰囲気が似ている。 --演出強化ということでテンポが悪化していないか不安に感じるところだが、OCGルールの前作にあたる『インターナショナル2』(GBA)と比較してもそこまで遜色はなく、演出・テンポを上手く両立できている。フィールド魔法発動時の演出だけはやや長いが。 --また、ダブルスクリーンというDSの特性を活かし、上画面にモンスターなどのビジュアルやLP等の各種情報が表示され、下画面でカードの操作を行う形になっている。タッチ操作にも対応しており、ドローやセット等の操作を直感的に行える。 -デュエリストサーチ --対戦相手の探索は、下画面のフィールドの中でカーソルを移動させることで行える。通常のカーソルの色は青だが、デュエリストに近付くにつれて緑→赤と色が変わっていき、赤の状態でその近辺にカーソルを移動させるとデュエリストを発見できる。 --フィールドでは朝・昼・夕・夜の時間が存在し、時間によって戦えるデュエリストの顔触れが変わる。朝のうちはモクバや表の遊戯、夜になると海馬や闇遊戯といった形で、基本的に夜になるほど強いデュエリストが登場する。 ---夜になっても自宅で寝れば翌日の朝にスキップできるため、デッキの整わない序盤は強いデュエリストとのデュエルや闇のゲーム(後述)を避けられる。 -闇のゲーム --夜にデュエリストサーチでデュエリストと戦おうとすると、時折闇のゲームを挑んでくるデュエリストが乱入してくる。 --闇のゲームは、デュエルの内容自体は普通のものと変わらないが、敗北するとゲームオーバーとなる。 -友情度 --登場するデュエリストには、一部を除いて「友情度」のパラメーターが存在し、デュエルをするたびに上がっていく。友情度を一定まで上げると「デュエリスト登録」が可能になる。原作通りの面々だけでなく、意外なキャラクターともデュエリスト登録できる。 --デュエリスト登録すると、デュエル終了後に勝敗に関わらずランダムでトレードを申し込まれるようになったり、そのデュエリストの使用するデッキのデッキレシピが貰えたりする。 --長期間デュエルをしなかったり、トレードやデュエリスト登録を断ると友情度は下がる。 -デュエリストレベル・KCポイント --デュエルに勝利すると経験値とKCポイントを得られる。経験値は一定まで貯まるとプレイヤーのデュエリストレベルがアップし、ストーリーが進行したり、ショップで買えるパックの種類が増えたりする。KCポイントはショップでパックを購入したり、パスワードを入力してカードを得るのに必要となる。 -遊戯王オフィシャルカードゲーム準拠のゲームで初めて、原作で活躍した「神のカード」が使用可能なカードとして収録されたこと。 --『[[DM5>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ5 エキスパート1]]』などでも登場しているが、『[[DM4>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ/城之内デッキ/海馬デッキ]]』に付属したものと同様に使用不可カード扱いとなっていた。 --OCGのルールに合わせていくらか弱体化をしているものの、概ね原作で活躍したとおりの能力を持っている。 --ただしトレードの内容から神のカード全てを同時に所持することはできず、サンダーボルトと合わせた4択となっている。 **評価点 -ストーリーの完成度が高い。 --OCGルールのゲームとしては、原作・アニメのバトルシティ編の追体験を出来る唯一のゲーム((DM5はストーリー無し。しかも、バトルシティ編のラスボスも登場しなかった。6はバトルシティ編の世界観だが、ストーリーはオマケ程度しか存在しなかった。))((7もバトルシティ編の世界観だが、OCGルールでは無かった為不評。8はバトルシティ後の世界観であり、同じくOCGルールでは無かった為こちらも不評だった))。主人公がオリジナルキャラであることや、OCGのルールに合わせた形で一部ストーリーに改変が施されているものの、神のカードまで手に入れてバトルシティで闘える点は非常にポイントが高い。 --アニメオリジナルストーリーの「乃亜編」の流れを組んだ唯一のゲームでもある。 -適度な難易度。 --CPUの思考は後述のようにお粗末なものの、どのデュエリストもデッキ自体は完成されているため、歯ごたえはある。 ---特にレベッカのキュアバーンデッキ・イシズのデッキ破壊デッキなどはかなり完成されており、対策が無いと厳しい。 --中盤には途中セーブ無しの4連戦(しかも4戦目には自分と相手のターンを合わせて20ターンのターン制限あり)があったりと、気を抜けない部分もある。 -原作・アニメのキャラクター達との友好度を上げられるシステム。 --このシステムの存在から、同じデュエリストと何度もデュエルしても飽きにくくなっている。 --海馬や羽蛾などはかなりデュエルの回数を積まないとデュエリスト登録してくれない上、トレードでしか入手できないカードもあるため長くプレイすることになる。 -他の遊戯王シリーズにはあまり参戦しないキャラクターが多く登場している。 --それまでは非OCGルールの作品にしか登場しなかったゴースト骨塚や闇のプレイヤーキラー、静香、レベッカ、乃亜、BIG5といったOCGルールのゲームでは初となるキャラクターが多く登場している。また、剛三郎は全ての遊戯王シリーズを通して本作のみにしか登場しない((そもそも原作の時点で故人である。))。 ---後に『遊☆戯☆王デュエルリンクス』ではゴースト骨塚、『[[LotD>遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション]]』ではゴースト骨塚と闇のプレイヤーキラーが久々に登場している。 **問題点 -バカすぎるCPU。 --CPUはこちらのセットカードや手札を全く認識しない。そのため、1度表側表示になった後、《月の書》などの効果で再度裏側表示になったモンスターを低攻撃力のモンスターで攻撃したり、こちらの手札が1枚の状態にもかかわらず《旅人の試練》の効果に何度も引っ掛かったりする。 ---この仕様のため、デュエリストの1人であるエスパー絽場は、相手の手札・デッキ・セットカードのピーピング効果を持つカードを使用するが、前述の通りCPUはピーピングしたカードの内容を全く認識しないため、《真実の眼》・《千里眼》・《マインド・ハック》などを使用されてもプレイヤーの得になるだけである。 --他にもLPが残り少ない状態で《墓荒らし》や《死霊の誘い》の効果で自滅したり、《王家の神殿》がない状態で《リビングデッドの呼び声》で《聖獣セルケト》を蘇生させて自壊させてしまったりと、全体的に雑な行動が目立つ。 -なぜか本田と御伽が一切登場しない。アニメでその2人と組んでデュエルを行った静香でさえ参戦しているというのに((杏子も5、6と本作でデュエルに参戦している))((本田は5と未OCGの7と8、御伽は6と未OCGの7と8でデュエルで来た。5と6はストーリー無く、7と8は一部だがストーリーに参戦もしている。))((静香はこれまでデュエルを一回も出来なかったので、それもあるだろう))。 --ファンからはたびたび空気だの背景だのとネタにされる2人だが、まさか公式からも空気扱いされるとは誰が想定したことだろうか。 -中途半端な収録カード。 --特にモンスターカードは3Dポリゴンの都合により収録内容がかなり絞られている。一応、当時主流だったカードや原作・アニメ出身カードはある程度網羅しているが、《仮面呪術師カースド・ギュラ》と《メルキド四面獣》が収録されているのに《仮面魔獣デス・ガーディウス》は未収録、スピリットモンスターで収録されているのは《八汰烏》と《月読命》のみ、原作でわずかな出番しかない《クロコダイラス》や《グラップラー》が収録されているのに《炎の剣士》が未収録、BIG5のメンバーがデッキマスターとして使用したカードの中で《深海の戦士》と《ペンギン・ナイトメア》だけが未収録など、全体的に中途半端である。 --また「E・HERO」シリーズなど、当時すでに放送が始まっていた『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』に関連するカードも概ね未収録。もちろん上述のソリッドビジョンシステムとの兼ね合いもあるだろうが、世界観による理由も大きいだろう。 -一部のモンスターのモーションが手抜き。 --大半のモンスターの3Dは守備表示にすると守備のポーズに変わるのだが、なぜか《青眼の白龍》や《ブラック・マジシャン》などのメジャーどころのモンスターのほとんどは守備表示にしても守備のポーズを取らない。 -レート違いなトレードを持ちかけてくるデュエリストの存在。 --プレイヤーの《青眼の究極竜》と《ランプの魔精・ラ・ジーン》をトレードを持ちかけてくる海馬などはその最たる例である。 --逆に、プレイヤーの《体力増強剤スーパーZ》を《青眼の白龍》とトレードしてくれる双六、プレイヤーの《悪魔のくちづけ》を《ハーピィ・レディ三姉妹》とトレードしてくれる舞など、「ほんとにいいの?」と思えるお得なトレードを持ちかけてくるデュエリストもいる訳だが。 -バグの存在。 --デュエリストの1人であるペガサスは、一定((具体的にはリシドとデュエルするイベント))までゲームを進めると一切出現しなくなる。デッキレシピを入手したいならゲームを進めずに戦い続けて友好度を上げる必要がある。 --ペガサスとトレードすることで入手可能なはずだった《王宮の勅命》も入手不可能となっている。《王宮の勅命》もカードリストの収集率に関わっているため、他のカードを全て集めても収集率は99.9%にしかならない。 ---後に公式サイトでお詫びが公開された後、イベントで配信された。当然現在は配信が終了しているため、下記のように他作との通信に頼る必要がある。 **総評 後のWCSシリーズの礎となった本作。OCGルールの作品としては特に目立ったバグもルールミスも見受けられず、収録カードの少なさを除けば完成度は高い。~ 細かい問題点もあるものの、ソリッドビジョンシステムなど新ハード第1作にして多くの挑戦的な取り組みも行っており、総合的な完成度は高い。~ ストーリーの再現度の高さや、キャラクター達との友好度を上げられるシステムの存在など、キャラゲーとしての出来も良い。~ 原作・アニメDMのゲームとしては事実上の最終作であり、クソゲー率が高いと揶揄される遊戯王DMのゲームとしては有終の美を飾ることができたといえるだろう。~ **余談 -本作を境に、OCGルールのゲームの完成度も洗練されるようになった。次回作『スピリットサモナー』を経てGBA最終作として発売された『[[エキスパート2006>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ エキスパート2006]]』は当時の遊戯王ゲーム最高傑作として名高い。 -タイトルの「TROUBADOUR」は、「南部フランスや北イタリアなどで活躍した吟遊詩人」を意味するが、ゲーム中ではこの言葉は一切登場せず、何を示しているのかは不明である。 -上記の《王宮の勅命》以外にも、通常プレイでは入手できない《ワイトキング》と《ワタポン》がイベントで配信された。 -『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!]]』をニンテンドーDSのGBAカートリッジ用スロットに挿して本作を起動すると、隠しカード《ハネクリボー》が手に入る。 --ただし、先述の通り「E・HERO」シリーズは収録されていないため、十代のファンデッキを組むのは不可能。《ハネクリボー》には《進化する翼》といったサポートカードも存在するもののこちらも当然未収録であり、DMの世界観でGXのカードが使えるというファンサービス以上の意味はない。せめて【ウィジャ盤】や【エクゾディア】等での時間稼ぎ用に使うぐらいか。 -『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX スピリットサモナー』及び『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ WORLD CHAMPIONSHIP 2007』との通信が可能。 --これらの作品で、神のカード《オシリスの天空竜》《オベリスクの巨神兵》《ラーの翼神竜》を使用するには本作から転送する必要がある。また、本作側にも前述した《王宮の勅命》が入手できるメリットがある。 ---だが本作1本だけだとイベントで1枚入手。他は神のカードと神のカードとのトレードの為実質1種類しか手に入らない。 ---本作が2個あったら、DS2個用意してトレードすると3種手に入るようになる。 -上述の通り本作でOCGルールで初めて使用可能となった神のカードは、後にOCGに正式登場した際、《オベリスクの巨神兵》と《オシリスの天空竜》は本作から更に調整されてより原作に近い能力での登場を果たしたが、《ラーの翼神竜》だけは異常なまでの弱体化を施され、ファンからは原作再現度・性能の両面でボロクソに言われることとなった。((後にスフィアモードやフェニックスモードが原作を強く再現したようにラーをフォローする効果で登場しており、更にサポートするカードも登場したことから、汚名返上している。))
*遊☆戯☆王デュエルモンスターズ NIGHTMARE TROUBADOUR 【ゆうぎおうでゅえるもんすたーず ないとめあ とらばどーる】 |ジャンル|カードバトル|&amazon(B0009IEAU4)|&amazon(B000F81SHG)| |対応機種|ニンテンドーDS|~|~| |発売元|コナミ|~|~| |発売日|2005年7月21日|~|~| |定価|4,980円|~|~| |廉価版|コナミ ザ・ベスト:2006年6月28日/2,800円&br;※廉価版には特典カードは封入されていない。|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』準拠のソフトとしては最終作&br()原作・アニメのキャラクターと友好度を上げられるシステム|~|~| |>|>|>|CENTER:''[[遊☆戯☆王 関連作品リンク>遊☆戯☆王シリーズ]]''| #contents(fromhere) ---- **概要 OCGルールを採用した遊戯王のゲーム作品。~ 原作・アニメの「決闘者の王国編」「乃亜編」「バトルシティ編」のキャラクターが登場し、ストーリーもオリジナルであるものの原作・アニメのストーリーを一部踏襲している。~ 原作及びアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』をもととしたソフトとしては、2016年の『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!]]』までの長い間本作が最終作となっていた((『最強カードバトル!』のストーリーはオリジナルであるため、原作のストーリーを元とした作品としては未だに本作が最終作である。))。~ **システム -ソリッドビジョン --モンスターを召喚すると、そのモンスターが3Dポリゴンで登場するソリッドビジョンシステムが存在する。「ブラック・マジシャン」を始めとする切り札級のモンスターには専用の召喚演出が用意されている。 --雰囲気がぐっと原作のデュエルに近づいた。このシステムはDSシリーズの定番となり、『WCS2010』まで簡略化されながらも引き継がれていった(『[[WCS2011>遊☆戯☆王5D's WORLD CHAMPIONSHIP 2011 -OVER THE NEXUS-]]』で廃止)。 --アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』のものというより、どちらかというと原作のDEATH-T編~王国編で用いられたテーブル型のソリッドビジョンシステムに雰囲気が似ている。 --演出強化ということでテンポが悪化していないか不安に感じるところだが、OCGルールの前作にあたる『インターナショナル2』(GBA)と比較してもそこまで遜色はなく、演出・テンポを上手く両立できている。フィールド魔法発動時の演出だけはやや長いが。 --また、ダブルスクリーンというDSの特性を活かし、上画面にモンスターなどのビジュアルやLP等の各種情報が表示され、下画面でカードの操作を行う形になっている。タッチ操作にも対応しており、ドローやセット等の操作を直感的に行える。 -デュエリストサーチ --対戦相手の探索は、下画面のフィールドの中でカーソルを移動させることで行える。通常のカーソルの色は青だが、デュエリストに近付くにつれて緑→赤と色が変わっていき、赤の状態でその近辺にカーソルを移動させるとデュエリストを発見できる。 --フィールドでは朝・昼・夕・夜の時間が存在し、時間によって戦えるデュエリストの顔触れが変わる。朝のうちはモクバや表の遊戯、夜になると海馬や闇遊戯といった形で、基本的に夜になるほど強いデュエリストが登場する。 ---夜になっても自宅で寝れば翌日の朝にスキップできるため、デッキの整わない序盤は強いデュエリストとのデュエルや闇のゲーム(後述)を避けられる。 -闇のゲーム --夜にデュエリストサーチでデュエリストと戦おうとすると、時折闇のゲームを挑んでくるデュエリストが乱入してくる。 --闇のゲームは、デュエルの内容自体は普通のものと変わらないが、敗北するとゲームオーバーとなる。 -友情度 --登場するデュエリストには、一部を除いて「友情度」のパラメーターが存在し、デュエルをするたびに上がっていく。友情度を一定まで上げると「デュエリスト登録」が可能になる。原作通りの面々だけでなく、意外なキャラクターともデュエリスト登録できる。 --デュエリスト登録すると、デュエル終了後に勝敗に関わらずランダムでトレードを申し込まれるようになったり、そのデュエリストの使用するデッキのデッキレシピが貰えたりする。 --長期間デュエルをしなかったり、トレードやデュエリスト登録を断ると友情度は下がる。 -デュエリストレベル・KCポイント --デュエルに勝利すると経験値とKCポイントを得られる。経験値は一定まで貯まるとプレイヤーのデュエリストレベルがアップし、ストーリーが進行したり、ショップで買えるパックの種類が増えたりする。KCポイントはショップでパックを購入したり、パスワードを入力してカードを得るのに必要となる。 -遊戯王オフィシャルカードゲーム準拠のゲームで初めて、原作で活躍した「神のカード」が使用可能なカードとして収録されたこと。 --『[[DM5>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ5 エキスパート1]]』などでも登場しているが、『[[DM4>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記 遊戯デッキ/城之内デッキ/海馬デッキ]]』に付属したものと同様に使用不可カード扱いとなっていた。 --OCGのルールに合わせていくらか弱体化をしているものの、概ね原作で活躍したとおりの能力を持っている。 --ただしトレードの内容から神のカード全てを同時に所持することはできず、サンダーボルトと合わせた4択となっている。 **評価点 -ストーリーの完成度が高い。 --OCGルールのゲームとしては、原作・アニメのバトルシティ編の追体験を出来る唯一のゲーム((DM5はストーリー無し。しかも、バトルシティ編のラスボスも登場しなかった。6はバトルシティ編の世界観だが、ストーリーはオマケ程度しか存在しなかった。))((7もバトルシティ編の世界観だが、OCGルールでは無かった為不評。8はバトルシティ後の世界観であり、同じくOCGルールでは無かった為こちらも不評だった))。主人公がオリジナルキャラであることや、OCGのルールに合わせた形で一部ストーリーに改変が施されているものの、神のカードまで手に入れてバトルシティで闘える点は非常にポイントが高い。 --アニメオリジナルストーリーの「乃亜編」の流れを組んだ唯一のゲームでもある。 -適度な難易度。 --CPUの思考は後述のようにお粗末なものの、どのデュエリストもデッキ自体は完成されているため、歯ごたえはある。 ---特にレベッカのキュアバーンデッキ・イシズのデッキ破壊デッキなどはかなり完成されており、対策が無いと厳しい。 --中盤には途中セーブ無しの4連戦(しかも4戦目には自分と相手のターンを合わせて20ターンのターン制限あり)があったりと、気を抜けない部分もある。 -原作・アニメのキャラクター達との友好度を上げられるシステム。 --このシステムの存在から、同じデュエリストと何度もデュエルしても飽きにくくなっている。 --海馬や羽蛾などはかなりデュエルの回数を積まないとデュエリスト登録してくれない上、トレードでしか入手できないカードもあるため長くプレイすることになる。 -他の遊戯王シリーズにはあまり参戦しないキャラクターが多く登場している。 --それまでは非OCGルールの作品にしか登場しなかったゴースト骨塚や闇のプレイヤーキラー、静香、レベッカ、乃亜、BIG5といったOCGルールのゲームでは初となるキャラクターが多く登場している。また、剛三郎は全ての遊戯王シリーズを通して本作のみにしか登場しない((そもそも原作の時点で故人である。))。 ---後に『遊☆戯☆王デュエルリンクス』ではゴースト骨塚、『[[LotD>遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション]]』ではゴースト骨塚と闇のプレイヤーキラーが久々に登場している。 **問題点 -バカすぎるCPU。 --CPUはこちらのセットカードや手札を全く認識しない。そのため、1度表側表示になった後、《月の書》などの効果で再度裏側表示になったモンスターを低攻撃力のモンスターで攻撃したり、こちらの手札が1枚の状態にもかかわらず《旅人の試練》の効果に何度も引っ掛かったりする。 ---この仕様のため、デュエリストの1人であるエスパー絽場は、相手の手札・デッキ・セットカードのピーピング効果を持つカードを使用するが、前述の通りCPUはピーピングしたカードの内容を全く認識しないため、《真実の眼》・《千里眼》・《マインド・ハック》などを使用されてもプレイヤーの得になるだけである。 --他にもLPが残り少ない状態で《墓荒らし》や《死霊の誘い》の効果で自滅したり、《王家の神殿》がない状態で《リビングデッドの呼び声》で《聖獣セルケト》を蘇生させて自壊させてしまったりと、全体的に雑な行動が目立つ。 -なぜか本田と御伽が一切登場しない。アニメでその2人と組んでデュエルを行った静香でさえ参戦しているというのに((杏子も5、6と本作でデュエルに参戦している))((本田は5と未OCGの7と8、御伽は6と未OCGの7と8でデュエルで来た。5と6はストーリー無く、7と8は一部だがストーリーに参戦もしている。))((静香はこれまでデュエルを一回も出来なかったので、それもあるだろう))。 --ファンからはたびたび空気だの背景だのとネタにされる2人だが、まさか公式からも空気扱いされるとは誰が想定したことだろうか。 -中途半端な収録カード。 --特にモンスターカードは3Dポリゴンの都合により収録内容がかなり絞られている。一応、当時主流だったカードや原作・アニメ出身カードはある程度網羅しているが、《仮面呪術師カースド・ギュラ》と《メルキド四面獣》が収録されているのに《仮面魔獣デス・ガーディウス》は未収録、スピリットモンスターで収録されているのは《八汰烏》と《月読命》のみ、原作でわずかな出番しかない《クロコダイラス》や《グラップラー》が収録されているのに《炎の剣士》が未収録、BIG5のメンバーがデッキマスターとして使用したカードの中で《深海の戦士》と《ペンギン・ナイトメア》だけが未収録など、全体的に中途半端である。 --また「E・HERO」シリーズなど、当時すでに放送が始まっていた『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』に関連するカードも概ね未収録。もちろん上述のソリッドビジョンシステムとの兼ね合いもあるだろうが、世界観による理由も大きいだろう。 -一部のモンスターのモーションが手抜き。 --大半のモンスターの3Dは守備表示にすると守備のポーズに変わるのだが、なぜか《青眼の白龍》や《ブラック・マジシャン》などのメジャーどころのモンスターのほとんどは守備表示にしても守備のポーズを取らない。 -レート違いなトレードを持ちかけてくるデュエリストの存在。 --プレイヤーの《青眼の究極竜》と《ランプの魔精・ラ・ジーン》をトレードを持ちかけてくる海馬などはその最たる例である。 --逆に、プレイヤーの《体力増強剤スーパーZ》を《青眼の白龍》とトレードしてくれる双六、プレイヤーの《悪魔のくちづけ》を《ハーピィ・レディ三姉妹》とトレードしてくれる舞など、「ほんとにいいの?」と思えるお得なトレードを持ちかけてくるデュエリストもいる訳だが。 -バグの存在。 --デュエリストの1人であるペガサスは、一定((具体的にはリシドとデュエルするイベント))までゲームを進めると一切出現しなくなる。デッキレシピを入手したいならゲームを進めずに戦い続けて友好度を上げる必要がある。 --ペガサスとトレードすることで入手可能なはずだった《王宮の勅命》も入手不可能となっている。《王宮の勅命》もカードリストの収集率に関わっているため、他のカードを全て集めても収集率は99.9%にしかならない。 ---後に公式サイトでお詫びが公開された後、イベントで配信された。当然現在は配信が終了しているため、下記のように他作との通信に頼る必要がある。 **総評 後のWCSシリーズの礎となった本作。OCGルールの作品としては特に目立ったバグもルールミスも見受けられず、収録カードの少なさを除けば完成度は高い。~ 細かい問題点もあるものの、ソリッドビジョンシステムなど新ハード第1作にして多くの挑戦的な取り組みも行っており、総合的な完成度は高い。~ ストーリーの再現度の高さや、キャラクター達との友好度を上げられるシステムの存在など、キャラゲーとしての出来も良い。~ 原作・アニメDMのゲームとしては事実上の最終作であり、クソゲー率が高いと揶揄される遊戯王DMのゲームとしては有終の美を飾ることができたといえるだろう。~ **余談 -本作を境に、OCGルールのゲームの完成度も洗練されるようになった。次回作『スピリットサモナー』を経てGBA最終作として発売された『[[エキスパート2006>遊☆戯☆王デュエルモンスターズ エキスパート2006]]』は当時の遊戯王ゲーム最高傑作として名高い。 -上記の《王宮の勅命》以外にも、通常プレイでは入手できない《ワイトキング》と《ワタポン》がイベントで配信された。 -『[[遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!]]』をニンテンドーDSのGBAカートリッジ用スロットに挿して本作を起動すると、隠しカード《ハネクリボー》が手に入る。 --ただし、先述の通り「E・HERO」シリーズは収録されていないため、十代のファンデッキを組むのは不可能。《ハネクリボー》には《進化する翼》といったサポートカードも存在するもののこちらも当然未収録であり、DMの世界観でGXのカードが使えるというファンサービス以上の意味はない。せめて【ウィジャ盤】や【エクゾディア】等での時間稼ぎ用に使うぐらいか。 -『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX スピリットサモナー』及び『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ WORLD CHAMPIONSHIP 2007』との通信が可能。 --これらの作品で、神のカード《オシリスの天空竜》《オベリスクの巨神兵》《ラーの翼神竜》を使用するには本作から転送する必要がある。また、本作側にも前述した《王宮の勅命》が入手できるメリットがある。 ---だが本作1本だけだとイベントで1枚入手。他は神のカードと神のカードとのトレードの為実質1種類しか手に入らない。 ---本作が2個あったら、DS2個用意してトレードすると3種手に入るようになる。 -上述の通り本作でOCGルールで初めて使用可能となった神のカードは、後にOCGに正式登場した際、《オベリスクの巨神兵》と《オシリスの天空竜》は本作から更に調整されてより原作に近い能力での登場を果たしたが、《ラーの翼神竜》だけは異常なまでの弱体化を施され、ファンからは原作再現度・性能の両面でボロクソに言われることとなった。((後にスフィアモードやフェニックスモードが原作を強く再現したようにラーをフォローする効果で登場しており、更にサポートするカードも登場したことから、汚名返上している。)) -タイトルの「TROUBADOUR」は、「南部フランスや北イタリアなどで活躍した吟遊詩人」を意味するが、ゲーム中ではこの言葉は一切登場しない。 --メタ的にはニンテンドーDSの開発コードおよび型番である「NTR/ニトロ」を頭文字に据えたものである。

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