「ときめきメモリアル2 Substories」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ときめきメモリアル2 Substories」(2021/05/23 (日) 17:42:43) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

*ときめきメモリアル2 Substories ---- #contents(fromhere) ---- *シリーズ概要 -前作『[[ときめきメモリアルドラマシリーズ]]』の流れを組む、『[[ときめきメモリアル2]]』(以降「本編」と表記)の外伝として発売されたアドベンチャーゲームシリーズ三部作。 -『ドラマシリーズ』は『[[ポリスノーツ]]』のシステムを活かした作品であり、同作のスタッフ(小島組)による制作だったが、本作は三部作とも本編と同じくKCET(コナミ東京)によって作られている。 --『ドラマシリーズ』は高評価を受けたものの、キャラの後付け設定や独自解釈も多く、本編スタッフには「これは自分たちにとっての『[[ときめきメモリアル]]』ではない」と評されていた。その為、本シリーズは本編スタッフの「自分たちにとっての『ときめきメモリアル』」として制作されている。 -メインヒロインを公式ファン投票結果から絞っていた『ドラマシリーズ』とは違い、本作では作品ごとに3~4人のヒロインをメインとして添えており、各ヒロインごとのマルチシナリオが展開される。 --また、各作品には『1』からのヒロインも一部ゲストとして登場している。 **特徴 -基本的なシステム、インターフェースなどは殆ど本編と同じ。アドベンチャーゲームとして特筆すべきシステムなどは特にない。 --尤もゲーム内容そのものが単純であり、特別なシステムが不要だった結果ともとれる。実際、プレイしていて大きく不便だと感じる点はない。 -キャラクターの立ち絵、背景、BGMなども基本的には本編の使い回しである。 --「新鮮さに欠ける」と批判する声がある一方で、システム共々使いまわされている影響で「本編と同じ感覚でプレイできる」という声も。 --また、本編では見ることのできなかった立ち絵と服装のパターンも存在するため、全てが使い回しというわけではない。 -本編と同様にEVSに対応しているため、EVSのデータを読み込んだ状態であれば一部の会話シーンで名前を呼んでくれる。 --ただし、EVSでの呼び方は常に&bold(){ひらがな表記}になってしまう点については注意が必要。尤も、EVSが適用されるシーンはあまり多くない。 -三部作いずれもミニゲームが用意されている。シナリオに大きく影響するものは少なく、基本的にスタートボタンを押しっぱなしにすることでスキップが可能。 -三部作が全てパラレルワールドとして描かれていた『ドラマシリーズ』と違い、本作は全ての作品で時間軸を共有している。また、主人公も全て同一人物である。 --本編をプレイしなければ分からないイベントや小ネタが多いため、本編未プレイ者は置いてけぼりを喰らいがち。前作とは違い、あくまでもファンディスクとして割り切ること。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Dancing Summer Vacation 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず だんしんぐさまーばけーしょん】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBKH)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2000年9月28日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『DSV』と呼称|~| |>|>|CENTER:''[[ときめきメモリアルシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[Dance Dance Revolutionシリーズ]]''| **あらすじ(DSV) >舞台は高校1年の夏休み。~ 主人公と一緒にゲームセンターに遊びに行った寿美幸は、そこでたまたまプレイした『ダンスダンスレボリューション』でとてつもないハイスコアをマークしてしまう。~ それを見た業界関係者から、同ゲームの全国大会予選への出場を要請されるが、美幸の本来の実力ではこのようなハイスコアは出せない。~ そこで主人公と美幸は特訓をはじめることになり、やがて同級生の八重花桜梨や白雪美帆も巻き込まれていく。 **概要(DSV) -メインヒロインは寿美幸、白雪美帆、八重花桜梨の3名。((厳密に言えば、美帆の双子の妹である白雪真帆を含めた4名。)) --また、『1』から朝日奈夕子と紐緒結奈がゲストとして登場する。 -舞台は高校1年目の8/16~27。夏休みも大詰めを迎えた日常の中で、とあるハプニングに巻き込まれた主人公とヒロインたちの様子を描いていく。 **特徴・評価点(DSV) -ゲームは美幸からゲームセンターへの遊びの誘いを貰うところから始まる。 --美幸の誘いに乗ればメインルート開始。途中で挿まれる選択肢を選びながらメインヒロインの3人の内1人のルートへと絞っていく。 --美幸の誘いを断るか、メインルート中に一部の選択肢を選んでしまうとメインルートから離脱し、サブルートへと分岐する。 ---サブルートでは各日付ごとにマップを探索する。決められた日付にヒロインと出会い、一定数のイベントをこなせばそのヒロインのエンディングを迎えられる。 -シナリオ全体の評価に関しては、良くも悪くも平凡。後述するようにボリュームも高いとはいえない。 --ただし見せ場についてはきちんと抑えられており、低ボリュームなりに個々のシナリオは纏まった出来栄えに仕上がっている。キャラクターの掘り下げも行われているため、ファンディスクとしては及第点と言えるだろう。 --特に本編では隠しヒロインであり、影の薄さが否めなかった白雪真帆が、本作ではガッツリとシナリオに絡んでいく様はファンにとって実に新鮮。 -あらすじにも書いてある通り、本作ではミニゲームとして『[[Dance Dance Revolution]]』(以下DDR)を遊ぶパートが挿まれる。 --これは『ときめきメモリアル2』のプロデューサーであるメタルユーキが、当時『DDR』の家庭用ゲーム機向け移植を並行して手がけていたことから実現された。 --本編で遊ぶ曲は、『ときめきの放課後』でも使用された「Hero」の英語版のみ。ボーカルは東海道・山陽新幹線の英語アナウンス等で有名なドナ・パーク氏。 --メインルートでは一箇所だけ一定スコアを取れなければルートから脱落してしまうパートがあるが、Dランク以上取れれば良く、譜面も難しいものではないためゲームプレイの障害にはならない。 ---それ以外のミニゲームパートでは、取得スコアによってその後の会話が多少変化する程度で、話そのものは変化しない。 -クリア後には、おまけモードに『Dance Dance Revolution Tokimeki MIX』が追加される。 --これは過去にシリーズで使われた楽曲のリミックスバージョン7曲を『DDR』として遊べるという内容。 --インターフェース面は従来の『DDR』の家庭用移植版と同等。一ゲームとしての完成度も申し分ない。 --全7曲のNORMAL/ANOTHER譜面をDランク以上でクリアすれば、各楽曲をBGMとして視聴することができる「BGVMODE」が追加され、更にAランク以上でクリアすれば全7曲を通しでプレイする『MEDLEYMODE』が追加される。 --更に「MEDLEYMODE」をランクA以上でクリアすれば専用のCGが出現するなど、やりこみ要素は非常に豊富。 -何気に本編では訪れることのできなかった、美幸の自宅・自室を見ることのできる唯一の作品だったりする。 **問題点(DSV) -ADVパートが低ボリューム。 --メインルートはどれも1~2時間程度で終わるボリューム。エンディングも各ヒロインごとに1種類しかない。 --全体的に展開の起伏が弱く、プレイ時間の短さも相まってやや薄味な印象を受ける。ファンディスクとしては及第点でも、前作『ドラマシリーズ』のような重厚な内容を期待していると間違いなく肩透かしを喰らう。 ---ミニゲームの出来の良さも相まって、&bold(){「DDRのおまけにADVゲームが付いてくる」}と比喩されてしまうこともしばしば。 -サブヒロインルートのフラグ管理が面倒 --サブヒロインルートを進めるには、決められた日にち内に指定された場所へ行く必要があるが、ヒントの類は一切ない。 --進めたいルートのヒロインに会えるまでひたすら総当りでマップを探索することになる。ヒロインによっては「会わなくてもいい日」が設定されているのも煩わしい。 ---中でも陽ノ下光と水無月琴子のルート分岐は難しく、他のヒロインたちと違って途中までメインルートを進める必要がある。初見ではまず分からない。 --なお、サブヒロインルートのボリュームも十分低い。マップを探索する時間を除けば、1人あたりおよそ&bold(){30分程度}でクリアできてしまうレベルの内容である。 -メインルート最後に遊ぶミニゲームについて --それまでのミニゲームで遊ぶDDRは全てNORMALの譜面だったが、ラストシーンのみANOTHERの譜面で遊ぶことになるため、難易度が急上昇する。 --たとえスコア0でもエンディングを迎えることは可能だが、今までNORMALで遊ばせておきながら不意打ちもいいところである。 -タイトル画面に「続きから」というメニューがない。 --三部作の中でも本作のみの仕様であり、続きから遊ぶ際はオプション画面から開く必要がある。やや不便な仕様だと言えるだろう。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Leaping School Festival 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず りーぴんぐすくーるふぇすてぃばる】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBK4)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2001年3月29日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『LSF』と呼称|~| **あらすじ(LSF) >舞台は高校2年の秋。~ 文化祭直前のある日、街中のゲームセンターでゲームの腕前について口論を始めてしまった赤井ほむらと伊集院メイ。~ 2人はたまたま居合わせた主人公(プレイヤー)に対し、どちらを支持するのか迫ってくる。~ そこに現れた2人の共通の友人・一文字茜が巻き込まれる。主人公は3人の私生活や文化祭に対する想いに触れることで彼女たちのことを知っていく。 **概要(LSF) -メインヒロインは一文字茜、赤井ほむら、伊集院メイの3名。 --また、『1』から伊集院レイ、虹野沙希、朝日奈夕子がゲストとして登場する。ただし朝日奈はCGのみ。 --他にも、当時インターネットサービスとして運営されていた「ひびきのネット」のオリジナルキャラクター、橘吹雪と藤沢夏海が登場する。 ---両者ともボイスが付いているが、担当者はクレジットされていない。 -舞台は高校2年目の10/23~11/3。文化祭を間近に控えた主人公とヒロインたちの様子を描いていく。 **特徴・評価点(LSF) -前作とは異なり、マップ探索は廃止。ルート分岐は純粋に選択肢を選ぶだけに留まった。 --メインヒロイン3人のルート分岐は、ゲーム開始時の最初に表示される選択肢で決定する。 ---前作にあったマップ探索は廃止され、純粋に選択肢を選び進めるゲームになった。これにより、分岐周りのシステムが簡略化されたと言えるだろう。 -シナリオの内容については、『DSV』同様ファンディスクとしてそこそこな出来栄え。 --『DSV』と比べると、他ヒロイン同士の交流が少なくなった分、メインヒロイン1人にスポットを集中させている。 --そのため、キャラクターの掘り下げは『DSV』より深くなり、本編では見られなかった彼女たちの素顔が楽しむことができる。 -「迷い選択肢」システムの導入。 --一部選択肢で一定回数カーソルを上下すると、本来選択肢には含まれていない隠された選択肢を自動的に決定するようになっている。ただし説明書には存在が記載されていない。 --あくまでもお遊び要素の一環であり、シナリオには大きく影響しないのだが… --なおこの「迷い選択肢」は元々本編で採用される予定だったシステムを本作で実現させたものでもある。 -OPムービーのクオリティが非常に良くなった。 -本作のみクリア後に各キャラクターを演じた声優陣のフリートークが聞ける。 **問題点(LSF) -やっぱり低ボリューム --プレイ時間は『DSV』とそう変わらない。御述するが、ミニゲームの出来栄えが『DSV』より下回っているため、ボリュームはむしろ低下してしまったとも言える。 --DDRの大会に出場するという目標があった『DSV』と違い、本作にはこれといった目標がない。 ---一応、文化祭を間近に控えている設定ではあるものの、文化祭当日に特別何かが待っているわけでもない。各ヒロインのストーリーと、文化祭直前という時間軸がいまいち噛み合っていない点はあまり評価できない。 -微妙なミニゲーム --本作ではヒロインごとに異なるミニゲームをプレイすることになるが、どれも評判があまりよくない。 --茜パートでは配膳ゲームをプレイする。定食屋にやってきた客の注文を聞いて料理を運んでいくだけのゲームである。 ---ゲームを進めていくと客の流れが早くなるが、変更点はただそれだけ。やればやるほど作業感が強くなる。 --ほむらパートではメンコゲームをプレイする。&bold(){何故ギャルゲーでメンコゲーム…?} ---ゲージを溜めてメンコを叩きつけ、多くのメンコを引っくり返したプレイヤーの勝利。それだけ。 --メイパートではゴッドリラーのSTGを遊ぶ。 ---本作のミニゲームの中では完成度が高く遊べる内容だが、自機が小さくて見難かったり、敵の攻撃が激しかったりと難易度は高い。 --どのミニゲームも真面目にプレイしようとするとかなりの時間拘束されているため、テンポが悪い。 --なお『DSV』『MRO』とは違い、ミニゲームの結果がシナリオに影響することはない。各ミニゲームの内容のいい加減さも相まって、遊ぶだけ無駄である。 -「迷い選択肢」システムの問題点について --ゲームクリアには必須ではないが、とある選択肢でこれを使わなければ回収できないCGが存在する。 --更にそのCGは2周目以降でなければ回収ができない。1周目にこの選択肢を選んでしまうと&bold(){強制的にバッドエンド}になってしまう。 --そもそも「迷い選択肢」で選ばれる選択肢自体微妙なものが多く、すぐに会話が終わってしまったり、相手に嫌がられたりすることも多い。 --先述したように、「迷い選択肢」の存在は説明書にも触れられていないため、どちらかと言えばゲーム性を高めているというよりは、プレイヤーの足枷になってる面が強い。 ---なお、三部作の中で周回要素を取り入れているのは、唯一この選択肢の場面だけだったりする。 -細かい点だが、教室にいる時の環境音(生徒のガヤ)で&bold(){「ちがっ、違うよお前~!」}という声がやたら大きく、耳に障る。 --これは『MRO』でも引き継がれてしまっている。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Memories Ringing On 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず めもりーずりんぎんぐおん】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBKG)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2001年8月30日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『MRO』と呼称|~| **あらすじ(MRO) >ひびきの高校を卒業してちょうど1年後、喫茶店でデートの待ち合わせをしている主人公が、1年前の思い出にふけっている。~ 主に思い出させるのは高校3年のバレンタインデー直前。幼馴染である陽ノ下光とその友人の水無月琴子、~ 担任教師でかつての「近所の憧れのお姉さん」である麻生華澄の主人公を巡る人間関係と、その中でのそれぞれの葛藤が描かれる。 **概要(MRO) -メインヒロインは陽ノ下光、水無月琴子、麻生華澄、佐倉楓子の4名。((楓子の存在は説明書にも触れられていないが、個別ルートのボリュームが他3名と同等なことや、専用のエンディングテーマが用意されていることからメインヒロインの1人として扱われることが多いため、そう表記した。)) --『1』からはなんと、藤崎詩織と館林見晴の二大ヒロインがゲストとして登場する。 -『DSV』『LSF』と違い、本作では高校を卒業して1年経った主人公が、喫茶店で「とある人物」を待ち合わせている最中に高校時代を回想する形で物語が始まる。 --個別ルートのEDを迎えたキャラクターが、先述した「とある人物」に選ばれるようになっている。なお、バッドエンドを迎えた場合は…? --回想する高校生活の時期については具体的に明かされないものの、恐らく高校3年目の2/15~28までの期間と想定される。 -三部作の中でも生産数が少なかったせいか、中古価格が最も高騰している作品でもある。 **特徴・評価点(MRO) -隠しキャラ含めた、本編のヒロイン12人分のEDが用意されている。((ただし、隠しヒロインである野咲すみれのEDを迎えるには、予めすみれEDを達成した本編のセーブデータを読み込む必要がある。)) --楓子を除くメインヒロイン3人にはそれぞれ好感度が設定されており、シナリオ中に発生する選択肢を選ぶことで増加される。 --メインヒロイン3人のEDを迎えたければ、対象となるヒロインの好感度が一定以上でなければならない。前二作に比べれば、やや『ときメモ』らしいシステムになったと言えるだろう。 --メインヒロインの個別ルートは前二作に比べてボリュームが増えている。先述した選択肢による好感度システムのおかげもあって、それなりに手応えが感じられるだろう。 --なんとゲストキャラである藤崎詩織と館林見晴にも専用のEDが用意されている。(ただし御述するが、内容については賛否あり。) --バッドエンドも含めて、本作で迎えられるED数は計17種類。前二作に比べればボリュームの問題は解消されたと言える。 -『DSV』『LSF』同様、本作でもアペントディスクによるEVSが使用可能だが、それとは別に本作には独自のEVSが用意されており、ゲーム開始時に設定する。 --これにより、本編では「少年」としか呼んでくれなかった舞佳が初めて主人公の名前を呼んでくれるようになった。 --また、先述した藤崎詩織と館林見晴もEVSに対応している。 --ただし、アペントディスクの時と違いイントネーションは自動で設定されてしまうため、注意が必要。 -本編のシステムデータとは別に、前二作のシステムデータを読み込ませることが可能。 --読み込ませると一部のイベントの内容が変化し、前二作のCGが思い出として表示されることもある。残念ながらアルバムモードには収録されない。 -『DSV』『LSF』とは異なり、メッセージウインドウなどの細かいグラフィックが変更された。 -本作でデート中に見ることができる「ゴッドリラー対二大帝国」のアニメーションの出来栄えはとても良い。相変わらず力の入れどころを全力で間違えている。 **問題点(MRO) -「ときめき」の名とは程遠い、陰鬱なメインストーリー --楓子を除くメイン3人のシナリオは、どれも&bold(){昼ドラ展開真っ青なドロドロストーリー}が繰り広げられるため、批判が強い。 --簡単に説明すると、主人公を一途に慕う光と、光の意思を尊重しながらも主人公に対する想いを捨てきれない琴子、そんな恋の鞘当て対象となってしまった主人公の三角関係が繰り広げられる。 --シナリオによっては、かつて主人公が憧れていた華澄、密かに光に想いを寄せる穂刈純一郎が加わった四角関係に発展することも。 --特に琴子ルートから派生するシナリオ(通称「修羅場ルート」)の内容は熾烈そのもの。こんな有様ではとてもときめけない。 --一応フォローすると、最も批判されているのは「昼ドラ展開」というシナリオの方向性であり、内容そのものは決して見れない出来栄えではない。最終的にはきちんとオチもつく。 --ただし「昼ドラ展開」そのものが万人受けしない作風であり、ただでさえプレイ層の限られている本シリーズで、更に人を選ぶような内容に仕上げてしまったことについては疑問符が浮かぶ。 ---なお、残るメインヒロインである楓子ルートでは完全に別のシナリオに分岐するため、ドロドロ展開とは無縁である。このことから、楓子ルートをメインヒロインルートにおける唯一の救いだと評価する声も。 -&bold(){有史以来最大級の鈍感主人公} --本作ではとにかく主人公の難聴&鈍感っぷりが尋常ではない。先述したドロドロシナリオと並んで大きく批判されている点でもある。 ---『DSV』『LSF』でも鈍感さを発揮する場面は存在したが、本作では輪にかけてレベルアップしてしまっている。ギャルゲーにありがちな設定とはいえ、もはや「お約束」では済まされないレベルに達してしまっている。 --台詞の多くが「え?」「はぁ?」「??」などの疑問符を浮かべるものばかりで、とにかくシナリオ中至る場面ですっとぼけまくる。 --そんなはっきりしない態度にヒロイン達は傷つき、友人達は呆れ果てて指摘してくるのだが、全く気づくことがない。それどころか、内心では、そうしたヒロイン達や友人達の対応に半ば逆ギレし、悪態を突くような態度をとることもあり、少なくとも、そうした言動の裏にある意図を考えようとすることはまずない。 --恋愛感情には鈍感な一方で、他人のプライベートには結構ずけずけと侵入してくる。お世辞にもプレイヤーが共感できる人物とは言えない。 --そんな主人公だが、本作ではバレンタインデーにヒロイン全員から本命チョコを貰うというモテモテっぷりを発揮している。ますます共感できない。 ---こんな主人公を取り合うヒロイン達もヒロイン達である。とにかくこの主人公のせいでストーリーの没入感を損ねていると言えるだろう。 --一応フォローすると、主人公がそのような性格だと知りながら真相を伝えようとせず、回りくどい態度を取り続ける周囲にも十分問題がある。 ---特に本編では純情かつ生真面目な性格だった純一郎が、本作では主人公に対して陰湿な態度を取り続けるキャラクターに変貌してしまっているため、批判が強い。 ---シナリオによっては主人公はおろか、プレイヤーにすら知らない情報を周囲がひた隠しするため、理不尽だと感じる部分も多い。 --各キャラクターに秘められた真意が織り成すドラマというのはこの手のストーリーでは定番だが、それを演出するための手段が専ら『人の言動の真意を全く察しない、察しようともしない主人公』では、シナリオライターの能力の欠如の露呈としか言いようがない。 -一部ルートの分岐について --先述した「修羅場ルート」では、シナリオを進めると光と琴子のどちらかのEDに分岐する。琴子EDでは通常の琴子EDとは異なる内容の結末を迎えることになる。 --反面、光EDの場合は通常の光EDと全く同じ内容である。このことから作り込み不足だと指摘する声も多い。 -ミニゲームについて --本作ではシナリオ中、「ボーリング」か「ビリヤード」のミニゲームを遊ぶ機会があるが、あまり高い評価を得られてはいない。 --特に批判が強いのがビリヤード。操作が難しく、プレイヤーが思うようにポケットを決めるには相当な慣れが必要になる。 --その一方で、相手CPUはかなり強い。キャラクターごとにCPUの強弱が設定されているのだが、基本的にどのキャラクターも強く、連続でポケットを決められてしまうことも少なくない。 ---特に一部ルートで戦う純一郎については、&bold(){バンキング((ビリヤードにおいて先攻後攻を決めるルールのこと。互いのプレイヤーがボールを突き、ボールとヘッドレールの距離が短かった方が先攻となる。))で負けた時点で敗北確定}と言われるほど。 ---純一郎と戦うルートでは、彼に勝たなければバッドエンドが確定してしまうため、ビリヤードで勝負を挑むのは避けたいところ。 --ボーリングも操作がやや難しいが、ビリヤードほどシビアではなく、慣れればスペア程度なら狙って取れるようになる。 ---何よりCPUの強さがビリヤードに比べて有情であるため、プレイヤーに付け入る隙が残されている。純一郎と戦う際は無理せずボーリングを選択しよう。 -ゲストヒロインについて --藤崎詩織と館林見晴の2人がゲストとして登場すること自体は喜ばしいが、彼女らともEDが迎えられるとあっては話が別である。 --『1』ではその攻略難易度の高さから「ラスボス」と恐れられた詩織や、『1』の主人公を一途に想い続けていた見晴があっさり本作の主人公と結ばれてしまうことについては批判が多い。 -アルバムモードに欠番が存在する --アルバムモード53ページ目右下のCGはいくらプレイしても埋まらない。仕様らしく、攻略本でも埋まらないことが記載されている。 ---- *シリーズ総括 『DSV』『LSF』では一ゲームとしてのボリュームの少なさが批判され、『MRO』ではボリューム面についていくらか改善したものの、今度は癖の強いシナリオが足を引っ張ってしまった。~ ADVとして取り立てて優れたシステムもなく、ミニゲームの出来栄えもバラつきが目立ち、何より偉大なる前作ドラマシリーズと比較されることもあってか、本シリーズはお世辞にも大きな評価を得ているとは言い難い。~ 特に『MRO』のメインストーリーに対する意見は多く、「こんな昼ドラ展開望んでない」「原作レイプ」という声もあれば、「これはこれで見応えがある」という声もあり、評価がキッパリ分かれてしまっている。~ ただし、前作ドラマシリーズと比べると、『2』のキャラクター全員が『1』のキャラクターと比べて設定やキャラクター像が固まりきっており、~ それ故にドラマシリーズのような独自・後付け設定を盛り込んでシナリオの完成度を高めることが出来ず、結果的に既存のキャラクター設定に沿った内容に留めることしかできなかった点は留意すべきかもしれない。~ ただいずれにせよ、本作が『2』ファンの心を繋ぎとめることはできず、既に始まっていた『2』のブームの衰退をより早めてしまったことも否めないのである。 ---- *余談 -『DSV』の発売から約1ヶ月後、「ドラマシリーズ」と称された全10巻のドラマCDシリーズが展開された。 --シナリオは本シリーズの設定を汲んだものであり、終盤になれば『MRO』ばりのドロドロストーリーが展開される。 --例によって主人公の鈍感さも健在であるため、こちらも賛否両論の評価となってしまっている。 -本作における『1』のキャラクターたちは全員主人公と同年代という設定である。 --が、『[[ときめきメモリアル4]]』の発売で『1』の舞台がPCエンジン版準拠(1994年開始)になってしまったため、本シリーズで起きたことは''正史ではなくパラレル扱い''にされてしまった模様。 ---ちなみにPCエンジン版準拠だと『1』のキャラクターたちは華澄たちと同じく、主人公より5歳年上の設定になる。 -『MRO』のみ、タイトル画面でとある操作をすると、デバッグ用と思しきメニュー画面が表示される。 --この画面には光・琴子・華澄の好感度パラメータが表示されているため、どうしても3人のEDにたどり着けない場合は参考にしてみてもいいだろう。 ----
*ときめきメモリアル2 Substories ---- #contents(fromhere) ---- *シリーズ概要 -前作『[[ときめきメモリアルドラマシリーズ]]』の流れを組む、『[[ときめきメモリアル2]]』(以降「本編」と表記)の外伝として発売されたアドベンチャーゲームシリーズ三部作。 -『ドラマシリーズ』は『[[ポリスノーツ]]』のシステムを活かした作品であり、同作のスタッフ(小島組)による制作だったが、本作は三部作とも本編と同じくKCET(コナミ東京)によって作られている。 --『ドラマシリーズ』は高評価を受けたものの、キャラの後付け設定や独自解釈も多く、本編スタッフには「これは自分たちにとっての『[[ときめきメモリアル]]』ではない」と評されていた。その為、本シリーズは本編スタッフの「自分たちにとっての『ときめきメモリアル』」として制作されている。 -メインヒロインを公式ファン投票結果から絞っていた『ドラマシリーズ』とは違い、本作では作品ごとに3~4人のヒロインをメインとして添えており、各ヒロインごとのマルチシナリオが展開される。 --また、各作品には『1』からのヒロインも一部ゲストとして登場している。 **特徴 -基本的なシステム、インターフェースなどは殆ど本編と同じ。アドベンチャーゲームとして特筆すべきシステムなどは特にない。 --尤もゲーム内容そのものが単純であり、特別なシステムが不要だった結果ともとれる。実際、プレイしていて大きく不便だと感じる点はない。 -キャラクターの立ち絵、背景、BGMなども基本的には本編の使い回しである。 --「新鮮さに欠ける」と批判する声がある一方で、システム共々使いまわされている影響で「本編と同じ感覚でプレイできる」という声も。 --また、本編では見ることのできなかった立ち絵と服装のパターンも存在するため、全てが使い回しというわけではない。 -本編と同様にEVSに対応しているため、EVSのデータを読み込んだ状態であれば一部の会話シーンで名前を呼んでくれる。 --ただし、EVSでの呼び方は常に&bold(){ひらがな表記}になってしまう点については注意が必要。尤も、EVSが適用されるシーンはあまり多くない。 -三部作いずれもミニゲームが用意されている。シナリオに大きく影響するものは少なく、基本的にスタートボタンを押しっぱなしにすることでスキップが可能。 -三部作が全てパラレルワールドとして描かれていた『ドラマシリーズ』と違い、本作は全ての作品で時間軸を共有している。また、主人公も全て同一人物である。 --本編をプレイしなければ分からないイベントや小ネタが多いため、本編未プレイ者は置いてけぼりを喰らいがち。前作とは違い、あくまでもファンディスクとして割り切ること。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Dancing Summer Vacation 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず だんしんぐさまーばけーしょん】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBKH)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2000年9月28日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『DSV』と呼称|~| |>|>|CENTER:''[[ときめきメモリアルシリーズ]]''| |>|>|CENTER:''[[Dance Dance Revolutionシリーズ]]''| **あらすじ(DSV) >舞台は高校1年の夏休み。~ 主人公と一緒にゲームセンターに遊びに行った寿美幸は、そこでたまたまプレイした『ダンスダンスレボリューション』でとてつもないハイスコアをマークしてしまう。~ それを見た業界関係者から、同ゲームの全国大会予選への出場を要請されるが、美幸の本来の実力ではこのようなハイスコアは出せない。~ そこで主人公と美幸は特訓をはじめることになり、やがて同級生の八重花桜梨や白雪美帆も巻き込まれていく。 **概要(DSV) -メインヒロインは寿美幸、白雪美帆、八重花桜梨の3名。((厳密に言えば、美帆の双子の妹である白雪真帆を含めた4名。)) --また、『1』から朝日奈夕子と紐緒結奈がゲストとして登場する。 -舞台は高校1年目の8/16~27。夏休みも大詰めを迎えた日常の中で、とあるハプニングに巻き込まれた主人公とヒロインたちの様子を描いていく。 **特徴・評価点(DSV) -ゲームは美幸からゲームセンターへの遊びの誘いを貰うところから始まる。 --美幸の誘いに乗ればメインルート開始。途中で挿まれる選択肢を選びながらメインヒロインの3人の内1人のルートへと絞っていく。 --美幸の誘いを断るか、メインルート中に一部の選択肢を選んでしまうとメインルートから離脱し、サブルートへと分岐する。 ---サブルートでは各日付ごとにマップを探索する。決められた日付にヒロインと出会い、一定数のイベントをこなせばそのヒロインのエンディングを迎えられる。 -シナリオ全体の評価に関しては、良くも悪くも平凡。後述するようにボリュームも高いとはいえない。 --ただし見せ場についてはきちんと抑えられており、低ボリュームなりに個々のシナリオは纏まった出来栄えに仕上がっている。キャラクターの掘り下げも行われているため、ファンディスクとしては及第点と言えるだろう。 --特に本編では隠しヒロインであり、影の薄さが否めなかった白雪真帆が、本作ではガッツリとシナリオに絡んでいく様はファンにとって実に新鮮。 -あらすじにも書いてある通り、本作ではミニゲームとして『[[Dance Dance Revolution]]』(以下DDR)を遊ぶパートが挿まれる。 --これは『ときめきメモリアル2』のプロデューサーであるメタルユーキが、当時『DDR』の家庭用ゲーム機向け移植を並行して手がけていたことから実現された。 --本編で遊ぶ曲は、『ときめきの放課後』でも使用された「Hero」の英語版のみ。ボーカルは東海道・山陽新幹線の英語アナウンス等で有名なドナ・パーク氏。 --メインルートでは一箇所だけ一定スコアを取れなければルートから脱落してしまうパートがあるが、Dランク以上取れれば良く、譜面も難しいものではないためゲームプレイの障害にはならない。 ---それ以外のミニゲームパートでは、取得スコアによってその後の会話が多少変化する程度で、話そのものは変化しない。 -クリア後には、おまけモードに『Dance Dance Revolution Tokimeki MIX』が追加される。 --これは過去にシリーズで使われた楽曲のリミックスバージョン7曲を『DDR』として遊べるという内容。 --インターフェース面は従来の『DDR』の家庭用移植版と同等。一ゲームとしての完成度も申し分ない。 --全7曲のNORMAL/ANOTHER譜面をDランク以上でクリアすれば、各楽曲をBGMとして視聴することができる「BGVMODE」が追加され、更にAランク以上でクリアすれば全7曲を通しでプレイする『MEDLEYMODE』が追加される。 --更に「MEDLEYMODE」をランクA以上でクリアすれば専用のCGが出現するなど、やりこみ要素は非常に豊富。 -何気に本編では訪れることのできなかった、美幸の自宅・自室を見ることのできる唯一の作品だったりする。 **問題点(DSV) -ADVパートが低ボリューム。 --メインルートはどれも1~2時間程度で終わるボリューム。エンディングも各ヒロインごとに1種類しかない。 --全体的に展開の起伏が弱く、プレイ時間の短さも相まってやや薄味な印象を受ける。ファンディスクとしては及第点でも、前作『ドラマシリーズ』のような重厚な内容を期待していると間違いなく肩透かしを喰らう。 ---ミニゲームの出来の良さも相まって、&bold(){「DDRのおまけにADVゲームが付いてくる」}と比喩されてしまうこともしばしば。 -サブヒロインルートのフラグ管理が面倒 --サブヒロインルートを進めるには、決められた日にち内に指定された場所へ行く必要があるが、ヒントの類は一切ない。 --進めたいルートのヒロインに会えるまでひたすら総当りでマップを探索することになる。ヒロインによっては「会わなくてもいい日」が設定されているのも煩わしい。 ---中でも陽ノ下光と水無月琴子のルート分岐は難しく、他のヒロインたちと違って途中までメインルートを進める必要がある。初見ではまず分からない。 --なお、サブヒロインルートのボリュームも十分低い。マップを探索する時間を除けば、1人あたりおよそ&bold(){30分程度}でクリアできてしまうレベルの内容である。 -メインルート最後に遊ぶミニゲームについて --それまでのミニゲームで遊ぶDDRは全てNORMALの譜面だったが、ラストシーンのみANOTHERの譜面で遊ぶことになるため、難易度が急上昇する。 --たとえスコア0でもエンディングを迎えることは可能だが、今までNORMALで遊ばせておきながら不意打ちもいいところである。 -タイトル画面に「続きから」というメニューがない。 --三部作の中でも本作のみの仕様であり、続きから遊ぶ際はオプション画面から開く必要がある。やや不便な仕様だと言えるだろう。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Leaping School Festival 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず りーぴんぐすくーるふぇすてぃばる】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBK4)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2001年3月29日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『LSF』と呼称|~| **あらすじ(LSF) >舞台は高校2年の秋。~ 文化祭直前のある日、街中のゲームセンターでゲームの腕前について口論を始めてしまった赤井ほむらと伊集院メイ。~ 2人はたまたま居合わせた主人公(プレイヤー)に対し、どちらを支持するのか迫ってくる。~ そこに現れた2人の共通の友人・一文字茜が巻き込まれる。主人公は3人の私生活や文化祭に対する想いに触れることで彼女たちのことを知っていく。 **概要(LSF) -メインヒロインは一文字茜、赤井ほむら、伊集院メイの3名。 --また、『1』から伊集院レイ、虹野沙希、朝日奈夕子がゲストとして登場する。ただし朝日奈はCGのみ。 --他にも、当時インターネットサービスとして運営されていた「ひびきのネット」のオリジナルキャラクター、橘吹雪と藤沢夏海が登場する。 ---両者ともボイスが付いているが、担当者はクレジットされていない。 -舞台は高校2年目の10/23~11/3。文化祭を間近に控えた主人公とヒロインたちの様子を描いていく。 **特徴・評価点(LSF) -前作とは異なり、マップ探索は廃止。ルート分岐は純粋に選択肢を選ぶだけに留まった。 --メインヒロイン3人のルート分岐は、ゲーム開始時の最初に表示される選択肢で決定する。 ---前作にあったマップ探索は廃止され、純粋に選択肢を選び進めるゲームになった。これにより、分岐周りのシステムが簡略化されたと言えるだろう。 -シナリオの内容については、『DSV』同様ファンディスクとしてそこそこな出来栄え。 --『DSV』と比べると、他ヒロイン同士の交流が少なくなった分、メインヒロイン1人にスポットを集中させている。 --そのため、キャラクターの掘り下げは『DSV』より深くなり、本編では見られなかった彼女たちの素顔が楽しむことができる。 -「迷い選択肢」システムの導入。 --一部選択肢で一定回数カーソルを上下すると、本来選択肢には含まれていない隠された選択肢を自動的に決定するようになっている。ただし説明書には存在が記載されていない。 --あくまでもお遊び要素の一環であり、シナリオには大きく影響しないのだが… --なおこの「迷い選択肢」は元々本編で採用される予定だったシステムを本作で実現させたものでもある。 -OPムービーのクオリティが非常に良くなった。 -本作のみクリア後に各キャラクターを演じた声優陣のフリートークが聞ける。 **問題点(LSF) -やっぱり低ボリューム --プレイ時間は『DSV』とそう変わらない。御述するが、ミニゲームの出来栄えが『DSV』より下回っているため、ボリュームはむしろ低下してしまったとも言える。 --DDRの大会に出場するという目標があった『DSV』と違い、本作にはこれといった目標がない。 ---一応、文化祭を間近に控えている設定ではあるものの、文化祭当日に特別何かが待っているわけでもない。各ヒロインのストーリーと、文化祭直前という時間軸がいまいち噛み合っていない点はあまり評価できない。 -微妙なミニゲーム --本作ではヒロインごとに異なるミニゲームをプレイすることになるが、どれも評判があまりよくない。 --茜パートでは配膳ゲームをプレイする。定食屋にやってきた客の注文を聞いて料理を運んでいくだけのゲームである。 ---ゲームを進めていくと客の流れが早くなるが、変更点はただそれだけ。やればやるほど作業感が強くなる。 --ほむらパートではメンコゲームをプレイする。&bold(){何故ギャルゲーでメンコゲーム…?} ---ゲージを溜めてメンコを叩きつけ、多くのメンコを引っくり返したプレイヤーの勝利。それだけ。 --メイパートではゴッドリラーのSTGを遊ぶ。 ---本作のミニゲームの中では完成度が高く遊べる内容だが、自機が小さくて見難かったり、敵の攻撃が激しかったりと難易度は高い。 --どのミニゲームも真面目にプレイしようとするとかなりの時間拘束されているため、テンポが悪い。 --なお『DSV』『MRO』とは違い、ミニゲームの結果がシナリオに影響することはない。各ミニゲームの内容のいい加減さも相まって、遊ぶだけ無駄である。 -「迷い選択肢」システムの問題点について --ゲームクリアには必須ではないが、とある選択肢でこれを使わなければ回収できないCGが存在する。 --更にそのCGは2周目以降でなければ回収ができない。1周目にこの選択肢を選んでしまうと&bold(){強制的にバッドエンド}になってしまう。 --そもそも「迷い選択肢」で選ばれる選択肢自体微妙なものが多く、すぐに会話が終わってしまったり、相手に嫌がられたりすることも多い。 --先述したように、「迷い選択肢」の存在は説明書にも触れられていないため、どちらかと言えばゲーム性を高めているというよりは、プレイヤーの足枷になってる面が強い。 ---なお、三部作の中で周回要素を取り入れているのは、唯一この選択肢の場面だけだったりする。 -細かい点だが、教室にいる時の環境音(生徒のガヤ)で&bold(){「ちがっ、違うよお前~!」}という声がやたら大きく、耳に障る。 --これは『MRO』でも引き継がれてしまっている。 ---- *ときめきメモリアル2 Substories Memories Ringing On 【ときめきめもりあるつー さぶすとーりーず めもりーずりんぎんぐおん】 |ジャンル|アドベンチャーゲーム|&amazon(B00005QBKG)| |対応機種|プレイステーション|~| |メディア|CD-ROM 2枚|~| |発売元|コナミ|~| |開発元|コナミコンピュータエンタテインメントジャパン|~| |発売日|2001年8月30日|~| |定価|5,800円(税別)|~| |廉価版|PS one Books:2003年9月18日/1,800円(税別)|~| |判定|なし|~| |備考|以下、作品名を『MRO』と呼称|~| **あらすじ(MRO) >ひびきの高校を卒業してちょうど1年後、喫茶店でデートの待ち合わせをしている主人公が、1年前の思い出にふけっている。~ 主に思い出させるのは高校3年のバレンタインデー直前。幼馴染である陽ノ下光とその友人の水無月琴子、~ 担任教師でかつての「近所の憧れのお姉さん」である麻生華澄の主人公を巡る人間関係と、その中でのそれぞれの葛藤が描かれる。 **概要(MRO) -メインヒロインは陽ノ下光、水無月琴子、麻生華澄、佐倉楓子の4名。((楓子の存在は説明書にも触れられていないが、個別ルートのボリュームが他3名と同等なことや、専用のエンディングテーマが用意されていることからメインヒロインの1人として扱われることが多いため、そう表記した。)) --『1』からはなんと、藤崎詩織と館林見晴の二大ヒロインがゲストとして登場する。 -『DSV』『LSF』と違い、本作では高校を卒業して1年経った主人公が、喫茶店で「とある人物」を待ち合わせている最中に高校時代を回想する形で物語が始まる。 --個別ルートのEDを迎えたキャラクターが、先述した「とある人物」に選ばれるようになっている。なお、バッドエンドを迎えた場合は…? --回想する高校生活の時期については具体的に明かされないものの、恐らく高校3年目の2/15~28までの期間と想定される。 -三部作の中でも生産数が少なかったせいか、中古価格が最も高騰している作品でもある。 **特徴・評価点(MRO) -隠しキャラ含めた、本編のヒロイン12人分のEDが用意されている。((ただし、隠しヒロインである野咲すみれのEDを迎えるには、予めすみれEDを達成した本編のセーブデータを読み込む必要がある。)) --楓子を除くメインヒロイン3人にはそれぞれ好感度が設定されており、シナリオ中に発生する選択肢を選ぶことで増加される。 --メインヒロイン3人のEDを迎えたければ、対象となるヒロインの好感度が一定以上でなければならない。前二作に比べれば、やや『ときメモ』らしいシステムになったと言えるだろう。 --メインヒロインの個別ルートは前二作に比べてボリュームが増えている。先述した選択肢による好感度システムのおかげもあって、それなりに手応えが感じられるだろう。 --なんとゲストキャラである藤崎詩織と館林見晴にも専用のEDが用意されている。(ただし御述するが、内容については賛否あり。) --バッドエンドも含めて、本作で迎えられるED数は計17種類。前二作に比べればボリュームの問題は解消されたと言える。 -『DSV』『LSF』同様、本作でもアペントディスクによるEVSが使用可能だが、それとは別に本作には独自のEVSが用意されており、ゲーム開始時に設定する。 --これにより、本編では「少年」としか呼んでくれなかった舞佳が初めて主人公の名前を呼んでくれるようになった。 --また、先述した藤崎詩織と館林見晴もEVSに対応している。 --ただし、アペントディスクの時と違いイントネーションは自動で設定されてしまうため、注意が必要。 -本編のシステムデータとは別に、前二作のシステムデータを読み込ませることが可能。 --読み込ませると一部のイベントの内容が変化し、前二作のCGが思い出として表示されることもある。残念ながらアルバムモードには収録されない。 -『DSV』『LSF』とは異なり、メッセージウインドウなどの細かいグラフィックが変更された。 -本作でデート中に見ることができる「ゴッドリラー対二大帝国」のアニメーションの出来栄えはとても良い。相変わらず力の入れどころを全力で間違えている。 **問題点(MRO) -「ときめき」の名とは程遠い、陰鬱なメインストーリー --楓子を除くメイン3人のシナリオは、どれも&bold(){昼ドラ展開真っ青なドロドロストーリー}が繰り広げられるため、批判が強い。 --簡単に説明すると、主人公を一途に慕う光と、光の意思を尊重しながらも主人公に対する想いを捨てきれない琴子、そんな恋の鞘当て対象となってしまった主人公の三角関係が繰り広げられる。 --シナリオによっては、かつて主人公が憧れていた華澄、密かに光に想いを寄せる穂刈純一郎が加わった四角関係に発展することも。 --特に琴子ルートから派生するシナリオ(通称「修羅場ルート」)の内容は熾烈そのもの。こんな有様ではとてもときめけない。 --一応フォローすると、最も批判されているのは「昼ドラ展開」というシナリオの方向性であり、内容そのものは決して見れない出来栄えではない。最終的にはきちんとオチもつく。 --ただし「昼ドラ展開」そのものが万人受けしない作風であり、ただでさえプレイ層の限られている本シリーズで、更に人を選ぶような内容に仕上げてしまったことについては疑問符が浮かぶ。 ---なお、残るメインヒロインである楓子ルートでは完全に別のシナリオに分岐するため、ドロドロ展開とは無縁である。このことから、楓子ルートをメインヒロインルートにおける唯一の救いだと評価する声も。 -&bold(){有史以来最大級の鈍感主人公} --本作ではとにかく主人公の難聴&鈍感っぷりが尋常ではない。先述したドロドロシナリオと並んで大きく批判されている点でもある。 ---『DSV』『LSF』でも鈍感さを発揮する場面は存在したが、本作では輪にかけてレベルアップしてしまっている。ギャルゲーにありがちな設定とはいえ、もはや「お約束」では済まされないレベルに達してしまっている。 --台詞の多くが「え?」「はぁ?」「??」などの疑問符を浮かべるものばかりで、とにかくシナリオ中至る場面ですっとぼけまくる。 --そんなはっきりしない態度にヒロイン達は傷つき、友人達は呆れ果てて指摘してくるのだが、全く気づくことがない。それどころか、内心では、そうしたヒロイン達や友人達の対応に半ば逆ギレし、悪態を突くような態度をとることもあり、少なくとも、そうした言動の裏にある意図を考えようとすることはまずない。 --恋愛感情には鈍感な一方で、他人のプライベートには結構ずけずけと侵入してくる。お世辞にもプレイヤーが共感できる人物とは言えない。 --そんな主人公だが、本作ではバレンタインデーにヒロイン全員から本命チョコを貰うというモテモテっぷりを発揮している。ますます共感できない。 ---こんな主人公を取り合うヒロイン達もヒロイン達である。とにかくこの主人公のせいでストーリーの没入感を損ねていると言えるだろう。 --一応フォローすると、主人公がそのような性格だと知りながら真相を伝えようとせず、回りくどい態度を取り続ける周囲にも十分問題がある。 ---特に本編では純情かつ生真面目な性格だった純一郎が、本作では主人公に対して陰湿な態度を取り続けるキャラクターに変貌してしまっているため、批判が強い。 ---シナリオによっては主人公はおろか、プレイヤーにすら知らない情報を周囲がひた隠しするため、理不尽だと感じる部分も多い。 --各キャラクターに秘められた真意が織り成すドラマというのはこの手のストーリーでは定番だが、それを演出するための手段が専ら『人の言動の真意を全く察しない、察しようともしない主人公』では、シナリオライターの能力の欠如の露呈としか言いようがない。 -一部ルートの分岐について --先述した「修羅場ルート」では、シナリオを進めると光と琴子のどちらかのEDに分岐する。琴子EDでは通常の琴子EDとは異なる内容の結末を迎えることになる。 --反面、光EDの場合は通常の光EDと全く同じ内容である。このことから作り込み不足だと指摘する声も多い。 -ミニゲームについて --本作ではシナリオ中、「ボーリング」か「ビリヤード」のミニゲームを遊ぶ機会があるが、あまり高い評価を得られてはいない。 --特に批判が強いのがビリヤード。操作が難しく、プレイヤーが思うようにポケットを決めるには相当な慣れが必要になる。 --その一方で、相手CPUはかなり強い。キャラクターごとにCPUの強弱が設定されているのだが、基本的にどのキャラクターも強く、連続でポケットを決められてしまうことも少なくない。 ---特に一部ルートで戦う純一郎については、&bold(){バンキング((ビリヤードにおいて先攻後攻を決めるルールのこと。互いのプレイヤーがボールを突き、ボールとヘッドレールの距離が短かった方が先攻となる。))で負けた時点で敗北確定}と言われるほど。 ---純一郎と戦うルートでは、彼に勝たなければバッドエンドが確定してしまうため、ビリヤードで勝負を挑むのは避けたいところ。 --ボーリングも操作がやや難しいが、ビリヤードほどシビアではなく、慣れればスペア程度なら狙って取れるようになる。 ---何よりCPUの強さがビリヤードに比べて有情であるため、プレイヤーに付け入る隙が残されている。純一郎と戦う際は無理せずボーリングを選択しよう。 -ゲストヒロインについて --藤崎詩織と館林見晴の2人がゲストとして登場すること自体は喜ばしいが、彼女らともEDが迎えられるとあっては話が別である。 --『1』ではその攻略難易度の高さから「ラスボス」と恐れられた詩織や、『1』の主人公を一途に想い続けていた見晴があっさり本作の主人公と結ばれてしまうことについては批判が多い。 -アルバムモードに欠番が存在する --アルバムモード53ページ目右下のCGはいくらプレイしても埋まらない。仕様らしく、攻略本でも埋まらないことが記載されている。 ---- *シリーズ総括 『DSV』『LSF』では一ゲームとしてのボリュームの少なさが批判され、『MRO』ではボリューム面についていくらか改善したものの、今度は癖の強いシナリオが足を引っ張ってしまった。~ ADVとして取り立てて優れたシステムもなく、ミニゲームの出来栄えもバラつきが目立ち、何より偉大なる前作ドラマシリーズと比較されることもあってか、本シリーズはお世辞にも大きな評価を得ているとは言い難い。~ 特に『MRO』のメインストーリーに対する意見は多く、「こんな昼ドラ展開望んでない」「原作レイプ」という声もあれば、「これはこれで見応えがある」という声もあり、評価がキッパリ分かれてしまっている。~ ただし、前作ドラマシリーズと比べると、『2』のキャラクター全員が『1』のキャラクターと比べて設定やキャラクター像が固まりきっており、~ それ故にドラマシリーズのような独自・後付け設定を盛り込んでシナリオの完成度を高めることが出来ず、結果的に既存のキャラクター設定に沿った内容に留めることしかできなかった点は留意すべきかもしれない。~ ただいずれにせよ、本作が『2』ファンの心を繋ぎとめることはできず、既に始まっていた『2』のブームの衰退をより早めてしまったことも否めないのである。 ---- *余談 -『DSV』の発売から約1ヶ月後、「ドラマシリーズ」と称された全10巻のドラマCDシリーズが展開された。 --シナリオは本シリーズの設定を汲んだものであり、終盤になれば『MRO』ばりのドロドロストーリーが展開される。 --例によって主人公の鈍感さも健在であるため、こちらも賛否両論の評価となってしまっている。 -本作における『1』のキャラクターたちは全員主人公と同年代という設定である。 --が、『[[ときめきメモリアル4]]』の発売で『1』の舞台がPCエンジン版準拠(1994年開始)になってしまったため、本シリーズで起きたことは''正史ではなくパラレル扱い''にされてしまった模様。 ---ちなみにPCエンジン版準拠だと『1』のキャラクターたちは華澄たちと同じく、主人公より5歳年上の設定になる。 -『MRO』のみ、タイトル画面でとある操作をすると、デバッグ用と思しきメニュー画面が表示される。 --この画面には光・琴子・華澄の好感度パラメータが表示されているため、どうしても3人のEDにたどり着けない場合は参考にしてみてもいいだろう。 ----

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: