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*アイドルデスゲームTV 【あいどるですげーむ てぃーびー】 |ジャンル|センター争奪デスゲームアクションADV|&amazon( B01I148T54)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2016年10月20日|~| |定価|7,344円|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|アイドルのセンター争いをデスゲーム物に&br()期待を煽り過ぎた''ダンガンロンパ的な何か''&br()題材と独自性は良し|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 D3パブリッシャーフルプライスタイトルとしては定番路線となった美少女モノ。~ 今回はアイドルたちがトップに立つべく(言葉通り)命がけでアイドルグループ「プロジェクト47」のセンター選抜イベント「ドリーム・オブ・ドリーム(D.O.D)」に挑むADV。~ シナリオは開発元「ウィッチクラフト」の現社長であり、かつて『[[MARICA>MARICA ~真実の世界~]]』『[[メタモルV>ひみつ戦隊メタモルV]]』『[[THE 裁判員>SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~]]』などを手掛けた遠藤正二朗。キャラクターデザインも『THE 裁判員』に続いて上田メタヲが担当している。~ 前情報の段階で大幅にネタバレし、かの『[[Smash T.V.]]』のような血みどろ路線かと期待されたが…。 **特徴 -表向きはセンター争いのテレビ番組。 --生中継にて超有名アイドルグループのセンターを賭けてアトラクションに挑む、という形で物語は進んでいくが、それはプロローグだけ。本格的にシナリオに入ると、「脱落者はデスライブにて殺される」という殺伐とした設定が明らかになる。 --ちなみにそれに関してはかなり前の段階でユーザーへネタバレしており、登場人物だけが「これはテレビ番組だから死んだりしない」と思い込んだまま進むという異色の展開になる。 -全7人のアイドルがいるが、初回プレイで選べるのは「茅ヶ崎 千春」のみ。 --彼女でクリアすると、他のアイドルを主人公として選択できるようになる。さらに条件を満たすと「D.O.D編」が解禁され((主人公は強制的に千春。))、このシナリオで今回の舞台の真相が明かされる。 --アイドル達にはそれぞれ、『他のアイドルをどう思い、どう思われているか』に関係する「好感度」、アピールタイムでの「得意」「不得意」、初期ファン人数などが設定されている。 --各キャラクターに持ち歌となるアイドルソング(ボーカル有り)が存在しており、後述のデスライブパートで流れる。 ---作曲は『[[オメガラビリンス]]』のボーカルソングと同じセイムクリエイティブが担当。 -ファンとイベント通貨「ドリマネー」 --登場人物は全員アイドルであり、熱心なファンからの応援を受けている。ファンの数に応じて時間ごとにドリマネーが補給されていく。またファンも、基本的には時間経過で増える。 --ドリマネーはチャレンジ用アイテムやバクロワイヤルで使用するヒントなどを購入するのに必要。…というより、これを如何に稼ぐかでゲームが決まってしまう。 --ファンはプレイヤーの行動で増減するので、アイドルらしからぬ行動をとり続けるといつの間にかファンに見放され時間経過でのドリマネー補充が滞る事態になりかねない。ただし…。 -センターは金で買え、と言わんばかりの仕様 --各章の終わりには「チャレンジ」と呼ばれる関門があり、これをクリアできなければ進めない。が、内容は違えど基本的に&bold(){運ゲー}((ただし、第四審査の「DREAM☆魅力投票」は、戦略も多少関わってくる。))((前半は「勝ち残るべきアイドルに投票」する形式、後半は「脱落すべきアイドルに投票」な形式であるため、自キャラと好感度が悪いアイドルばかり残るとかなり不利になる。))であり、プレイヤーの腕ではどうにも出来ない。 --そこでドリマネーを使ってアイテムを購入し、クリア条件を強引に満たすのが一番早い進み方になる。というか、これ以外でクリアするのは難しい。 --最終章ではファンの人数がクリア条件になるが、これさえもドリマネーで「にわかファン」を買えばよい。 -バクロワイヤル --フィールドとなる洋館内部に隠されたスキャンダルの欠片を使って、アイドル同士が持っている秘密を暴露しあうというシステム。これでドリマネーを大量に奪い取ることが可能。また、勝った方は「テンション」が上昇し、負けた方は下がる。「テンション」は審査の出来に影響を及ぼしてくるため、地味に大事。 --各アイドルがそれぞれ持っている秘密は一般的にはどうでもいいかわいらしいネタから、芸能生活に支障をきたすほどの致命的な特大スキャンダルまで数多く存在する。特に後者のスキャンダルを番組内で暴露されると''テレビを忘れ本性をさらけ出すシーンが流れる。'' --ただし他人の秘密を公然と暴露するのだから、自分のファンも減ってしまう。また勝敗の付け方がよくわからない(後述)。 --こちらから仕掛けるだけではなく、相手から仕掛けられることもある。その際の基準は前述の「好感度」が大きく関わって来る。 --なおバクロワイヤル中はお茶の間への音声はカットされるため視聴者にスキャンダルが漏れる事はないらしい。視聴者が見ていて面白いのか…とかは考えないようにしよう。 -デスライブ --チャレンジをクリアできないまま最後の一人になると「脱落」となり、''自分の持ち歌がバックで流れる中でアトラクション風に処刑される''。もちろん、自分が主人公に選んだアイドルが「脱落」してしまうとゲームオーバーとなる(一部例外アリ)が、その際にもキッチリ流される。 --[[『ダンガンロンパ』シリーズ>ダンガンロンパシリーズ]]で言うオシオキパート。ある意味このゲーム一番の見どころである。 --ゲーム内では「試練に耐えきれば敗者復活」と言っているが…。 **問題点 いろいろな意味で''劣化ダンガンロンパすぎる'' -最初期に流れたPVから、デスライブ=「オシオキ」、ドリパク=「モノクマ」と連想した人が多く、否応なしに『ダンガンロンパ』と比較される羽目になったのだが……。 --ゲーム内容的には一見すると近いのだが、謎解き部分は皆無に等しい。「証拠集め」や「議論・論破」のような要素も、ほぼ無い。 --加えて、ほとんどのアイドルはかなり長い間「アイドル特番の企画」と思い込んでいるために、共演者が死んでいく事に対する衝撃や悲壮・絶望感などが全くないまま進んでしまい、プレイヤーは置いてきぼりである。 --共演者が爆死しようが動物に襲われようが、「特撮みたいなもの」「精々ケガ程度で本当に死ぬ訳ない」程度にしか捉えない。挙句死体袋を見るシーンでも「中身は人形に決まっている」と言い切る始末。明確に死体が見える訳では無いので最初のうちはそう思うのも無理はないのだが、何度繰り返されても流れに疑問すら抱かないというのは、流石に不自然かつ興ざめである。 --同じVitaで発売された『[[かまいたちの夜 輪廻彩声]]』がCERO-Z(18歳以上対象)で明確に死体を描写していたことを考えると、CERO対策として明確に死ぬシーンを描写出来なかったためと考えられなくもない。 -展開が強引すぎて、安っぽいバラエティ番組の演出のように見えるのもその一因。 --デスライブはさっきまで一緒にいた人物が短時間で遥か遠くへ移動していたり、時間経過が明らかにおかしかったりする。また変にギャグに偏っているせいで不自然かつ非現実的な殺され方が多い。 ---爆破オチの場合は日本全土が爆発するような演出が入る他、火山の噴火など実際に起こったとすれば番組どころではないような現象が起こる。ゲーム内での事情から推測するに「爆発による死は本当でも、他はCGによる演出」だと判断できるのだが、そのせいで余計にデスライブのリアリティが薄れている。 --「ステーキの大食い」「お料理」など、デスゲームはおろか軽い罰ゲームの体すら成していないテーマも見られる。それらでも予定調和的に必ずアイドルが殺されるのだから余計に消化不良である。 ---普通にデスライブに失敗して死亡するパターンは数えるほどしかなく、「デスライブのノルマは達成し成功扱いにはなるが、直後に不慮の事故や二次災害で死亡する」というパターンが圧倒的に多いことも、消化不良感を募らせる要因。 --数として見ても個々のキャラで2種類(1人だけ3種類)しかなく、単調さを助長している。 ---数だけ比較すれば一応『ダンガンロンパ』より多いのだが、問題は別のところにもあり、発売前の段階で公式HPやPVでデスライブの内容が結構な割合でネタバレされていたのでサプライズ感が大分薄れていた。 ---特に公式HPでは『デスライブの内容が静止画で大体分かるようになっている』うえに『最後に出る死因の文章まで記載されている』ので予想外の展開にもなりようがなく、情報を出し過ぎてしまった感が否めない。 -最初にプレイする千春ルートは実質的にバッドエンドのような悲しい結末で、死んだ目になったままドリパクに受け答えする千春が痛々しい。他の主人公たちもほとんど同様。大団円となるのは最終ルートの「D.O.D編」のみ。 --これに関しては製作陣も「あえてそうした」ことをインタビューで話している(参考URL:https://www.gamer.ne.jp/news/201610170001/)。曰く「7人の主人公すべてでプレイすることで、この世界の謎が少しずつ明らかになっていく」とのこと。少しずつ謎を明かしつつ伏線を張り、最終ルートで一気に回収すると言う『[[infinityシリーズ]]』のような構成を狙ったと思われる。~ …が、実質は先述の「D.O.D編」まで、謎の本質についてはほぼ明かされないと思ったほうがいい。 ---確かに他のメンバーをデスライブで蹴落として栄誉を掴み取った所でハッピーエンドになど到底なりようもないが、各アイドルのエンディング演出もあっさり気味で、「センター」の栄誉を取ったことや後日談などは何もフォローされない。せめて、後日談としてセンター1人だけの悲しいライブ演出のシーンがあったり、マイソングを歌わせても(鬱要素としては)良かったと思うが…。 -また、一部設定にも非常に雑な点が見受けられる。 --例えば「ドリパクはどうしてこのような事が出来たのか」について。奴はトップアイドルのセンター決めという一大イベントを乗っ取り、キー局まで掌握。現場にいるスタッフたちは全員ドリパクの言いなりで、死者が出る放送を黙々と続けている…。また選抜メンバー全員のスキャンダルを把握し、公的書類まで含めた証拠まで握っているのである。 #region(では、ドリパクが何故ここまでの事が出来たのかと言うと…(ネタバレにつき格納)) --''「人の夢を喰らう事で意のままに操るという異能の力に目覚めたのでそれを使った。」''%%なんか神様に手違いで殺されて、お詫びに貰ったような能力が急に出て来たが%%本人がそう言っているので信じるしかない。 ---確かにこれだけの事をやらかすにはチート能力でもないと不可能かもしれないが、現代日本の話で急にファンタジーに出てこられても本気で反応に困ってしまう。一応、スタッフは精神操作で動かされているだけなので簡単に出し抜けるという意味はあるのだが…。 ---考察しようとするプレイヤーはこれだけの狂気の沙汰を実行出来るドリパクに対して訝しむのだろうが、そんな時に''「こんな能力あるんなら誰が正体とか関係ねえだろ!!!」''と突っ込みたくなる事実がストーリーの途中でスイと出てくるので、もう馬鹿馬鹿しくなる。一応ドリパクの正体はD.O.D編で明かされはするのだが、&bold(){意外と平凡。} ---そして肝心の「スキャンダルを使ってアイドルを精神的・世間体的に破滅に追い込み、1人を除き死に至らしめる」という企画を思いついた経緯は''一切明かされない''。本人の素性を考慮すればある程度察しがつく部分も無くはないが…。 #endregion --と、上述の点を考慮するととても完成度が高いシナリオとは言えず、はっきりいって「本当に、あの遠藤正二朗氏が書いたのか?」と言わざるを得ない出来となってしまっている。 -単調なゲーム性 --ひたすらホテル内をうろついてコインを探す作業プレイになりがちな他、ステージごとの審査も少し作業的。全てのキャラでやることはほとんど一緒なのも苦痛。 --ホテルが舞台なのだが、同じような地味な部屋が続くだけで画面に華が無く、探索の作業感を倍増させている。番組の趣向には沿っているとも言えなくもないが、華やかなアイドル達が活動するのだから、もっと派手で煌びやかなホテルでもよかったはずなのだが。 ---最終ステージで歌勝負を行う舞台は、ギリシャ風の神殿というよくわからないロケーションである。 -バクロワイヤルの勝敗基準が不明 --ゲーム内でも「ドリパクの機嫌次第」となってはいるが、男がらみを思わせるスキャンダルがどうでもいいネタに負けてしまったりと基準がわからない。 ---流石にまずい仕様であったことを認めたのか、後の修正パッチでは各スキャンダルの「強弱度合いの数字」が表示されるようになった。 --シナリオ的な事情で必ず負ける組み合わせもあるとかないとか。 --なお、話しかけるだけでも時間が経過しドリマネーを稼げるので「話しかける→話すのをやめる」を繰り返すとバクロワイヤルで稼ぐ意味がなくなってしまう。 -値段が高すぎる --内容がそれほど分厚いわけでもないにもかかわらず、フルプライスだと7,000円越え。今でこそそのような価格で取引はされてはいないが、販売前は予約特典を求めて正規価格で購入された方々が数知れず、ネット上では犠牲者の怒りのコメントが多数見受けられる。 ---7人全員のアイドル+ドリパクをフルボイス仕様にしたことが原因と思われる。メインストーリーと一線を画す「諫早 れん」や「旭川 姫」のエピソードを追加要素にしたり、有料パッチでフルボイスにしたりするなどの工夫で価格を抑えることは考えなかったのだろうか。 --「システムボイスをドリパクから他のアイドルに変更できるDLC」という物も存在する。そんなの普通に出来るようにしろと言いたいところだが、これには何となく事情を察する事が出来たりする。 ---このゲームのギャラリーモードにあたるものは「MOVIE」となっており一枚絵や歌などは鑑賞できない。しかし、システムボイスをとあるアイドルに設定した状態でカーソルをMOVIEに動かすと「絵や音楽、いろいろな物」を鑑賞出来るかのようなボイスが流れてくる。つまり実際の仕様と収録したボイスの内容が合致しなくなったからなのでは…と推測される。 -アイドル達の一人「蒲田 真理子」への扱い。 #region(ネタバレ注意) -公式HPのゲームシステム紹介内容には「各ステージで脱落するアイドルはプレイヤーの行動次第で、プレイするたびに勝ち残るキャラが変化。」とあるのだが、&bold(){完全とまではいかないものの、嘘である}。 --実は、真理子は&bold(){シナリオ上第一ステージを絶対に突破できず、脱落することが決定されている。}これは他のアイドルを主人公にした場合どころか、''真理子自身を主人公にした場合でも同じ''。彼女が主人公の場合、''『ルーレットの数字を当たりに変える「ドリームボール」の1と3が絶対に売り切れている』うえ、『ルーレットは1か3しか指さない』''。つまり、蒲田真理子編クリアのためには、ビリになってデスライブで死ぬことが求められる。 ---このため、彼女のシナリオは全アイドル中最も短い。また、他のアイドルには用意されているダンス審査やソング審査にも進めないため、ステージの上で躍動する彼女を見ることはできない。ちなみに公式PVでも彼女が踊っている様子は一切なかったため、勘の良い人はそれで察していたようである。ゲーム発売前の公式人気投票(『電撃オンライン』誌の「アイドルデスゲームTV・アイドル総選挙」のこと)では1位を取っただけに、この扱いはあんまりである…。 ---なお一位記念で無料配信された彼女のvitaのテーマで流れる曲は、''彼女が決勝に進出した場合に聞けたであろう「ポジティブ☆絶対値(蒲田 真理子ソロver)」である。''当然ゲーム中ではどうやっても聞けないわけで…%%イヤミか貴様ッッッ!!%% --D.O.D編では彼女(と彼女のファングループ)が重要なポジションとなり、準主役と言っていい活躍をするのだが、上記の審査に進めないのは変わらず。裏を返せばD.O.D編に到達しない限り、彼女の活躍を見る事も救う事も出来ない。 --途中の演出で死体袋のシーンが映されるのだが、他のアイドルの名前はかすれていて読めないのに対し、''「カマタ マリコ」だけははっきりと読み取れる''。D.O.D編を除くいずれのルートにおいても、この場面までの彼女の死が前提になっているという開発側の意図が、明確に示されている。 --そもそも「D-ランキング88位。所属歴10年(一期生)で28歳の最年長メンバー」という設定の時点で何かしらの意図があったと思わなければならないかもしれないが、「だからこそ真理子をセンターにしたい」と思ったプレイヤーもおり、それらの人々からすれば納得のいかない仕様になってしまっている。 ---設定上では彼女についで人気の低い「D-ランキング43位」の「烏丸理都」はシナリオ面でかなり優遇されている(彼女だけエンディングが2種類ある)ことを考慮すると、やはり不公平感は否めない。 --シナリオ的な流れで言っても、若干不自然。 ---真理子は、第一ステージにて持っていくだけで合格になるという「ゴールデンドリームボール」を手に入れるが、''「あなたたちには未来があるから」''とこれを後輩の筑波しらせにポンと渡してしまう、と言うシーンがある(ちなみに、しらせが主人公の場合は何故か千春に渡してしまう)。このような描写を入れておくのならば、中途半端にプレイアブルキャラクターにするよりもプロローグ段階で殺してしまった方がかえって反感を買わなかったかもしれない。 --ドリパクが彼女に付けたキャッチコピーは「崖っぷちまであと1ミリ」となっている。他のメンバーに付けられたキャッチコピーは「本人が隠したい秘密」「本人も知らないスキャンダル」「本人は意識していないスキャンダル」等を示す物なのだが、彼女に関してだけは何故か''何を意味しているかすぐに分かる内容になってしまっている。''実はこのキャッチコピー自体が年齢を示す物だと見せかけて別の物を示している…というわけでもなく、ドリパクはちゃんとこれとは別の致命的になりかねないスキャンダルを用意している。彼女だけただの年齢弄りみたいになっているあたりからもドリパクがどう思っていたかを窺い知ることが出来る…のだろうか。 --なお擁護意見としては、「出番・イベント数が少なめでやや不遇な扱いの女性キャラ」というのはギャルゲーの定番要素であり、そのようなキャラが(判官贔屓などの理由で)やけに高い人気を集めることもよくある話である。人気投票における真理子の人気の高さは、そのような狙いが上手くハマった成果という見方もできる。 --1位を取った時の公約が''学生時代の制服を着て、デビュー当時の髪型にして、デビュー曲を歌う''という一際インパクトのあるものだったことも要因かもしれない。 ---実際人気投票で彼女はどうなっていたのかというと、ゲーム発売前の期間(約二ヶ月間)の中間発表の段階では僅差で首位におり、ゲーム発売後~投票期間終了(約一週間)の間で''そこから一気に票数を二倍近くに伸ばしそのままトップを譲らなかった。''他のアイドルたちは得票数が団子状態になっている中で一人だけ得票率27%を確保しており、やはり実際にゲームをプレイした人が動いた結果が出ていると言えよう。 #endregion **評価点 -アイドルたちがとても可愛い --一枚絵もそうだが3Dモデルでの描写も可愛く、キャラクターソングの出来もいい。デスライブで流れるとまた異様な雰囲気で、何とも言い難い気持ちにさせてくれる。%%ちなみにその場で方向転換するだけでパンツが見えるがカメラが遠いのが悔やまれる。%% --一枚絵は可愛らしいものだけでなく、アイドルらしからぬ鬼気迫る表情で叫ぶ他、絶望のあまり虚ろな表情を浮かべるなど、様々なものがあり、いずれも高クオリティである。 --キャラ設定も結構作り込まれていて、裏事情を抱えているアイドルが単に優勝を目指すだけでなく、独自の目的を果たそうとするなど見所もある。アイドル同士の確執や偏愛、葛藤などもあっさり目だがそれなりに描写されている。 ---中でも「筑波 しらせ」のシナリオは、本作のコンセプトに沿ったアイドルの二面性を上手く描写した出来となっている。彼女自身のキャラも強烈かつ個性的だが、同時に魅力的に感じたプレイヤーも多いはず。ただ、先述の通り初プレイでは選べないため、そこまで辿り着ける人でないと評価できないのだが。 --『[[アイドルマスター>アイドルマスターシリーズ]]』や『[[ラブライブ!>ラブライブ! School idol paradise Vol.1 Printemps / Vol.2 BiBi / Vol.3 lily white]]』で声を当てた中の人たちが出演しているためか、アイドルネタ、声優ネタ絡みのギャグも大量にある。 --また、マスコット兼デスゲーム仕掛け人のドリパクの声は山口勝平氏で、非常に板についた演技を見せている。プレイヤーを「ムカつく」気分にさせる演技力は流石で、声の使い分けも凄く、放送音声をオフにしたシリアスなシーンでドスの効いた声で話す際には、本当に同一人物なのか疑いたくなるほど。 --声優ネタはドリパクにも存在し、あるデスライブでは『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』をパロディしている。 --と、このようにキャラデザインに関しては申し分ないのだが、問題の多いゲームデザインのせいで本作の評価が芳しくないことから、再び彼女たちの姿を見る機会が望めないであろうことを嘆くファンもいる。 -D.O.D編のストーリー --裏事情を抱えた一癖も二癖もあるアイドル達が辛い過去や確執を抱えながらも協力し、主催者であるドリパクに挑む展開は引き込まれる。これまでのルートで散々不快感とウザさを振りまいてきたドリパクに一泡吹かせる爽快感は大きく、他のルートがほぼBADエンドのようなものしかないこともあって、D.O.D編をクリアすることでの達成感はひとしお。 --このルートのみで使用できる特殊なバクロワイヤルをはじめ、ドリパクの追い詰め方や結末など、演出のショボさが若干目立つのが難点だが、『ダンガンロンパ』や『[[逆転裁判>逆転裁判シリーズ]]』といった作品とは違ったカタルシスは一応ある為、D.O.D編までクリアしてこの作品を見直し、評価をいい方向に改めた人もきっといると思われる。もっとも、それまでにダレて投げ出してしまった人のほうが多そうだが。 --「アイドル達が殺害されているのにただの番組的な演出だと思い込んで疑わない」という他ルートに対し、「番組の真相に気づいたアイドル達が協力して死を回避しつつ、ドリパクを成敗する」ことで、結果的にはかえって勧善懲悪モノの筋書きに則ったような雰囲気が生まれるというコントラストも効いている。 -演出の細かさ --デスライブ中の右上テロップの他、探索パートでデータ放送連動企画のようなファンの声が画面に表示されるなど、演出面も「わかっている」感が凄まじい。 --イベント時には生中継されていることを表す表示が常に出続けるが、ドリパクが音声を切るように指示した際にはその表示が出る他、放送そのものを中断した際にはアイコンが消えるなど、テレビ番組を意識した演出は作り込みが細かい。 --荒唐無稽な世界観と思わせて、「地方局が処分を恐れて放送を中断した」「スポンサーが降りて公共広告のCMしか流れなくなった」「違法にネット視聴している奴らは今回だけは見逃す」「ロケ地が特定されたので警察が向かっている」など、放送による影響もしっかり描写している。 --「食事もトイレも行かないからやっぱり録画放送だろ」とか微妙にメタなコメントも流れる。 --ローディング中には「プロジェクト47」関係の作中用語、作中には出てこない他のチームメンバー、常連ファンの設定文章などが出てくることも。ゲーム内の世界観がきっちり作ってあることが窺える。 --ゲームの趣向に沿った、アイドルとしての華やかさと殺伐さが入り混じった描写。 ---ストーリー冒頭の番組OP(アイドルを一人一人紹介するムービー)は、入りはいかにもアイドル物らしい雰囲気なのだが、直後に暗い赤の色調に転換し、キャッチコピーが「偽りだらけの幸福」「復讐するは我にあり」「存在☆詐欺」などの酷い裏面を映し出したものにすり替えられ、それぞれを象徴する小道具(花や手鏡など)が無残な姿に変わり果てる、もしくは蜘蛛やナイフなど恐怖を感じさせるものが現れる、というもの((PV段階ではそれぞれのムービーが個別で流れていた。))。 ---ゲーム中のメニュー画面の背景では、アイドルそれぞれのイメージカラーが滴る血のごとくポタリ、ポタリと広がる。 -アイドルの裏側を描こうという心意気 --上述のムービーのように、二面性や裏側を強調した演出はなかなかのもので、華やかなアイドルの裏を暴こう・描こうという心意気は少なくとも感じられる。 ---ただ実際の処、アイドルのスキャンダルとしては(一部を除いて)これでも全然ヌルい方だったりする。&bold(){現実のアイドルグループのスキャンダル報道を見れば分かるように。} -いろんな意味で常軌を逸したデスライブ演出 --上述した通り殺された実感はさほど湧かないものの、おバカ要素としてはエログロも入り混じりかなり楽しめる。 --「爆弾とともに箱に詰められ脱出を計るも、ドリパクが正解の鍵を(おそらくわざと)入れ忘れて爆死」はある意味お約束だが、「ウォータースライダー競争に勝つために流れる水を油に変更したら((そもそも変更出来るボタンがある事自体がオカシイが。))競争には勝ったものの、ゴールと共に上がった花火が油に引火して焼死」「一日交通所長として交通違反を''何日も''取り締まり続け、結局事故死」など、間抜けな死にざまに見える罰ゲームが多数。 --また「バットが胸貫通」などどこぞのグロ漫画並みの不条理な死にざまも((実際はバットみたいな鈍器をそんな速度で人体にぶつけたら穴が開く前に衝撃で爆散する(ミンチになる)。))。ただCERO:Dを想定して製作したこともあってかアッサリ気味なのが惜しいところ。 **総評 あまりにも前評判を煽り過ぎたせいもあってプレイヤーからの評価は芳しくないことが多く、クソゲー扱いされがちだが、実際のところ「まったく遊べない」ほどひどい箇所はない。~ 作業感・消化不全感はあれど、初作として世界観を提供したという点を考えればそれなり、といったところ。~ アイドルのセンター争いとデスゲームものという独自性の高い題材や、魅力的なキャラなど評価出来る点も一応はあり、『ダンカンロンパ』とゲームとしての完成度で比肩するかと聞かれると頷き難いが、差別化そのものはしっかりと出来ている。~ ビジュアル重視で、シナリオについて脳内補完出来るユーザーならば、買っても損はないかもしれない。~ //ただ、CEROの兼ね合いもありグロやリョナを期待したユーザーにとっては完全に期待はずれ。ここはCERO-Z版が待たれるところである。 ---- **余談 -スタッフインタビューにより、一部のデスライブは開発段階で手直しが行われたことが明かされ、残虐描写の基準が曖昧であったことが示唆されている。 --バット貫通は最初は血飛沫を虹色のエフェクトで表現していたのだが、「これではCERO:Cくらい」とコメントされてリアルなものに変更したとされる。 --一方、ウォータースライダーは初期案ではスライダーの途中から鉋が仕込まれており、滑るうちに肉体を削ぎ落されるという凄惨極まりないものだったとのこと。 -アイドルを題材にした作品ながら、D3の看板アイドルである双葉理保はポスターとして登場するだけでストーリーには絡まない。 --双葉理保は(一応)正統派アイドルなので、このようなドス黒いストーリーの作品に絡ませるわけにはいかなかったのだろう。 -ニコニコ動画でD3公式の各アイドル達のキャラクターソングが配信されているのだが、''その動画説明文に縦読みが仕込まれている。'' --それぞれのヒロインの裏事情を反映させた内容となっているのだが、''ゲームをプレイした後で読むとゾッとするようなものも存在する''。 --その他、一部のキャラソンの歌詞にまで隠れメッセージと取れる内容が含まれている。 ---しかし裏を返せばネタバレともとれる内容である。やはり情報を出し過ぎた感は否めない。 -本作は東京ゲームショウ2016において体験会が実施されていた。入場入口の近くであり、30分~1時間待ちの行列ができていたことから、力を入れていた企画であり、それなりに注目がなされていたことが窺える。 --しかし、販売後に上記に記した、あまりに爽快感のない単調なゲーム性から低評価が相次ぎ、大幅な値崩れが起きた。発売してから半年足らずで大手の通販サイトで新品が1000円近くで販売された時もあった。 -関連グッズとして、プリントブロマイド、キャラソンCDおよびLINEスタンプが販売されている。 --Twitterアカウントがあり最新情報の告知がなされていたが、半年程度で更新が止まっており、今後続編などの新展開はあるのかどうか、ファンの間でも危惧されている。
*アイドルデスゲームTV 【あいどるですげーむ てぃーびー】 |ジャンル|センター争奪デスゲームアクションADV|&amazon( B01I148T54)| |対応機種|プレイステーション・ヴィータ|~| |発売元|D3パブリッシャー|~| |開発元|ウィッチクラフト|~| |発売日|2016年10月20日|~| |定価|7,344円|~| |レーティング|CERO:D(17歳以上対象)|~| |判定|なし|~| |ポイント|アイドルのセンター争いをデスゲーム物に&br()期待を煽り過ぎた''ダンガンロンパ的な何か''&br()題材と独自性は良し|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 D3パブリッシャーフルプライスタイトルとしては定番路線となった美少女モノ。~ 今回はアイドルたちがトップに立つべく(言葉通り)命がけでアイドルグループ「プロジェクト47」のセンター選抜イベント「ドリーム・オブ・ドリーム(D.O.D)」に挑むADV。~ シナリオは開発元「ウィッチクラフト」の現社長であり、かつて『[[MARICA>MARICA ~真実の世界~]]』『[[メタモルV>ひみつ戦隊メタモルV]]』『[[THE 裁判員>SIMPLE DSシリーズ Vol.48 THE 裁判員 ~1つの真実、6つの答え~]]』などを手掛けた遠藤正二朗。キャラクターデザインも『THE 裁判員』に続いて上田メタヲが担当している。~ 前情報の段階で大幅にネタバレし、かの『[[Smash T.V.]]』のような血みどろ路線かと期待されたが…。 **特徴 -表向きはセンター争いのテレビ番組。 --生中継にて超有名アイドルグループのセンターを賭けてアトラクションに挑む、という形で物語は進んでいくが、それはプロローグだけ。本格的にシナリオに入ると、「脱落者はデスライブにて殺される」という殺伐とした設定が明らかになる。 --ちなみにそれに関してはかなり前の段階でユーザーへネタバレしており、登場人物だけが「これはテレビ番組だから死んだりしない」と思い込んだまま進むという異色の展開になる。 -全7人のアイドルがいるが、初回プレイで選べるのは「茅ヶ崎 千春」のみ。 --彼女でクリアすると、他のアイドルを主人公として選択できるようになる。さらに条件を満たすと「D.O.D編」が解禁され((主人公は強制的に千春。))、このシナリオで今回の舞台の真相が明かされる。 --アイドル達にはそれぞれ、『他のアイドルをどう思い、どう思われているか』に関係する「好感度」、アピールタイムでの「得意」「不得意」、初期ファン人数などが設定されている。 --各キャラクターに持ち歌となるアイドルソング(ボーカル有り)が存在しており、後述のデスライブパートで流れる。 ---作曲は『[[オメガラビリンス]]』のボーカルソングと同じセイムクリエイティブが担当。 -ファンとイベント通貨「ドリマネー」 --登場人物は全員アイドルであり、熱心なファンからの応援を受けている。ファンの数に応じて時間ごとにドリマネーが補給されていく。またファンも、基本的には時間経過で増える。 --ドリマネーはチャレンジ用アイテムやバクロワイヤルで使用するヒントなどを購入するのに必要。…というより、これを如何に稼ぐかでゲームが決まってしまう。 --ファンはプレイヤーの行動で増減するので、アイドルらしからぬ行動をとり続けるといつの間にかファンに見放され時間経過でのドリマネー補充が滞る事態になりかねない。ただし…。 -センターは金で買え、と言わんばかりの仕様 --各章の終わりには「チャレンジ」と呼ばれる関門があり、これをクリアできなければ進めない。が、内容は違えど基本的に&bold(){運ゲー}((ただし、第四審査の「DREAM☆魅力投票」は、戦略も多少関わってくる。))((前半は「勝ち残るべきアイドルに投票」する形式、後半は「脱落すべきアイドルに投票」な形式であるため、自キャラと好感度が悪いアイドルばかり残るとかなり不利になる。))であり、プレイヤーの腕ではどうにも出来ない。 --そこでドリマネーを使ってアイテムを購入し、クリア条件を強引に満たすのが一番早い進み方になる。というか、これ以外でクリアするのは難しい。 --最終章ではファンの人数がクリア条件になるが、これさえもドリマネーで「にわかファン」を買えばよい。 -バクロワイヤル --フィールドとなる洋館内部に隠されたスキャンダルの欠片を使って、アイドル同士が持っている秘密を暴露しあうというシステム。これでドリマネーを大量に奪い取ることが可能。また、勝った方は「テンション」が上昇し、負けた方は下がる。「テンション」は審査の出来に影響を及ぼしてくるため、地味に大事。 --各アイドルがそれぞれ持っている秘密は一般的にはどうでもいいかわいらしいネタから、芸能生活に支障をきたすほどの致命的な特大スキャンダルまで数多く存在する。特に後者のスキャンダルを番組内で暴露されると''テレビを忘れ本性をさらけ出すシーンが流れる。'' --ただし他人の秘密を公然と暴露するのだから、自分のファンも減ってしまう。また勝敗の付け方がよくわからない(後述)。 --こちらから仕掛けるだけではなく、相手から仕掛けられることもある。その際の基準は前述の「好感度」が大きく関わって来る。 --なおバクロワイヤル中はお茶の間への音声はカットされるため視聴者にスキャンダルが漏れる事はないらしい。視聴者が見ていて面白いのか…とかは考えないようにしよう。 -デスライブ --チャレンジをクリアできないまま最後の一人になると「脱落」となり、''自分の持ち歌がバックで流れる中でアトラクション風に処刑される''。もちろん、自分が主人公に選んだアイドルが「脱落」してしまうとゲームオーバーとなる(一部例外アリ)が、その際にもキッチリ流される。 --[[『ダンガンロンパ』シリーズ>ダンガンロンパシリーズ]]で言うオシオキパート。ある意味このゲーム一番の見どころである。 --ゲーム内では「試練に耐えきれば敗者復活」と言っているが…。 **問題点 いろいろな意味で''劣化ダンガンロンパすぎる'' -最初期に流れたPVから、デスライブ=「オシオキ」、ドリパク=「モノクマ」と連想した人が多く、否応なしに『ダンガンロンパ』と比較される羽目になったのだが……。 --ゲーム内容的には一見すると近いのだが、謎解き部分は皆無に等しい。「証拠集め」や「議論・論破」のような要素も、ほぼ無い。 --加えて、ほとんどのアイドルはかなり長い間「アイドル特番の企画」と思い込んでいるために、共演者が死んでいく事に対する衝撃や悲壮・絶望感などが全くないまま進んでしまい、プレイヤーは置いてきぼりである。 --共演者が爆死しようが動物に襲われようが、「特撮みたいなもの」「精々ケガ程度で本当に死ぬ訳ない」程度にしか捉えない。挙句死体袋を見るシーンでも「中身は人形に決まっている」と言い切る始末。明確に死体が見える訳では無いので最初のうちはそう思うのも無理はないのだが、何度繰り返されても流れに疑問すら抱かないというのは、流石に不自然かつ興ざめである。 --同じVitaで発売された『[[かまいたちの夜 輪廻彩声]]』がCERO-Z(18歳以上対象)で明確に死体を描写していたことを考えると、CERO対策として明確に死ぬシーンを描写出来なかったためと考えられなくもない。 -展開が強引すぎて、安っぽいバラエティ番組の演出のように見えるのもその一因。 --デスライブはさっきまで一緒にいた人物が短時間で遥か遠くへ移動していたり、時間経過が明らかにおかしかったりする。また変にギャグに偏っているせいで不自然かつ非現実的な殺され方が多い。 ---爆破オチの場合は日本全土が爆発するような演出が入る他、火山の噴火など実際に起こったとすれば番組どころではないような現象が起こる。ゲーム内での事情から推測するに「爆発による死は本当でも、他はCGによる演出」だと判断できるのだが、そのせいで余計にデスライブのリアリティが薄れている。 --「ステーキの大食い」「お料理」など、デスゲームはおろか軽い罰ゲームの体すら成していないテーマも見られる。それらでも予定調和的に必ずアイドルが殺されるのだから余計に消化不良である。 ---普通にデスライブに失敗して死亡するパターンは数えるほどしかなく、「デスライブのノルマは達成し成功扱いにはなるが、直後に不慮の事故や二次災害で死亡する」というパターンが圧倒的に多いことも、消化不良感を募らせる要因。 --数として見ても個々のキャラで2種類(1人だけ3種類)しかなく、単調さを助長している。 ---数だけ比較すれば一応『ダンガンロンパ』より多いのだが、問題は別のところにもあり、発売前の段階で公式HPやPVでデスライブの内容が結構な割合でネタバレされていたのでサプライズ感が大分薄れていた。 ---特に公式HPでは『デスライブの内容が静止画で大体分かるようになっている』うえに『最後に出る死因の文章まで記載されている』ので予想外の展開にもなりようがなく、情報を出し過ぎてしまった感が否めない。 -最初にプレイする千春ルートは実質的にバッドエンドのような悲しい結末で、死んだ目になったままドリパクに受け答えする千春が痛々しい。他の主人公たちもほとんど同様。大団円となるのは最終ルートの「D.O.D編」のみ。 --これに関しては製作陣も「あえてそうした」ことをインタビューで話している(参考URL:https://www.gamer.ne.jp/news/201610170001/)。曰く「7人の主人公すべてでプレイすることで、この世界の謎が少しずつ明らかになっていく」とのこと。少しずつ謎を明かしつつ伏線を張り、最終ルートで一気に回収すると言う『[[infinityシリーズ]]』のような構成を狙ったと思われる。~ …が、実質は先述の「D.O.D編」まで、謎の本質についてはほぼ明かされないと思ったほうがいい。 ---確かに他のメンバーをデスライブで蹴落として栄誉を掴み取った所でハッピーエンドになど到底なりようもないが、各アイドルのエンディング演出もあっさり気味で、「センター」の栄誉を取ったことや後日談などは何もフォローされない。せめて、後日談としてセンター1人だけの悲しいライブ演出のシーンがあったり、マイソングを歌わせても(鬱要素としては)良かったと思うが…。 -また、一部設定にも非常に雑な点が見受けられる。 --例えば「ドリパクはどうしてこのような事が出来たのか」について。奴はトップアイドルのセンター決めという一大イベントを乗っ取り、キー局まで掌握。現場にいるスタッフたちは全員ドリパクの言いなりで、死者が出る放送を黙々と続けている…。また選抜メンバー全員のスキャンダルを把握し、公的書類まで含めた証拠まで握っているのである。 #region(では、ドリパクが何故ここまでの事が出来たのかと言うと…(ネタバレにつき格納)) --''「人の夢を喰らう事で意のままに操るという異能の力に目覚めたのでそれを使った。」''%%なんか神様に手違いで殺されて、お詫びに貰ったような能力が急に出て来たが%%本人がそう言っているので信じるしかない。 ---確かにこれだけの事をやらかすにはチート能力でもないと不可能かもしれないが、現代日本の話で急にファンタジーに出てこられても本気で反応に困ってしまう。一応、スタッフは精神操作で動かされているだけなので簡単に出し抜けるという意味はあるのだが…。 ---考察しようとするプレイヤーはこれだけの狂気の沙汰を実行出来るドリパクに対して訝しむのだろうが、そんな時に''「こんな能力あるんなら誰が正体とか関係ねえだろ!!!」''と突っ込みたくなる事実がストーリーの途中でスイと出てくるので、もう馬鹿馬鹿しくなる。一応ドリパクの正体はD.O.D編で明かされはするのだが、&bold(){意外と平凡。} ---そして肝心の「スキャンダルを使ってアイドルを精神的・世間体的に破滅に追い込み、1人を除き死に至らしめる」という企画を思いついた経緯は''一切明かされない''。本人の素性を考慮すればある程度察しがつく部分も無くはないが…。 #endregion --と、上述の点を考慮するととても完成度が高いシナリオとは言えず、はっきりいって「本当に、あの遠藤正二朗氏が書いたのか?」と言わざるを得ない出来となってしまっている。 -単調なゲーム性 --ひたすらホテル内をうろついてコインを探す作業プレイになりがちな他、ステージごとの審査も少し作業的。全てのキャラでやることはほとんど一緒なのも苦痛。 --ホテルが舞台なのだが、同じような地味な部屋が続くだけで画面に華が無く、探索の作業感を倍増させている。番組の趣向には沿っているとも言えなくもないが、華やかなアイドル達が活動するのだから、もっと派手で煌びやかなホテルでもよかったはずなのだが。 ---最終ステージで歌勝負を行う舞台は、ギリシャ風の神殿というよくわからないロケーションである。 -バクロワイヤルの勝敗基準が不明 --ゲーム内でも「ドリパクの機嫌次第」となってはいるが、男がらみを思わせるスキャンダルがどうでもいいネタに負けてしまったりと基準がわからない。 ---流石にまずい仕様であったことを認めたのか、後の修正パッチでは各スキャンダルの「強弱度合いの数字」が表示されるようになった。 --シナリオ的な事情で必ず負ける組み合わせもあるとかないとか。 --なお、話しかけるだけでも時間が経過しドリマネーを稼げるので「話しかける→話すのをやめる」を繰り返すとバクロワイヤルで稼ぐ意味がなくなってしまう。 -値段が高すぎる --内容がそれほど分厚いわけでもないにもかかわらず、フルプライスだと7,000円越え。今でこそそのような価格で取引はされてはいないが、販売前は予約特典を求めて正規価格で購入された方々が数知れず、ネット上では犠牲者の怒りのコメントが多数見受けられる。 ---7人全員のアイドル+ドリパクをフルボイス仕様にしたことが原因と思われる。メインストーリーと一線を画す「諫早 れん」や「旭川 姫」のエピソードを追加要素にしたり、有料パッチでフルボイスにしたりするなどの工夫で価格を抑えることは考えなかったのだろうか。 --「システムボイスをドリパクから他のアイドルに変更できるDLC」という物も存在する。そんなの普通に出来るようにしろと言いたいところだが、これには何となく事情を察する事が出来たりする。 ---このゲームのギャラリーモードにあたるものは「MOVIE」となっており一枚絵や歌などは鑑賞できない。しかし、システムボイスをとあるアイドルに設定した状態でカーソルをMOVIEに動かすと「絵や音楽、いろいろな物」を鑑賞出来るかのようなボイスが流れてくる。つまり実際の仕様と収録したボイスの内容が合致しなくなったからなのでは…と推測される。 -アイドル達の一人「蒲田 真理子」への扱い。 #region(ネタバレ注意) -公式HPのゲームシステム紹介内容には「各ステージで脱落するアイドルはプレイヤーの行動次第で、プレイするたびに勝ち残るキャラが変化。」とあるのだが、&bold(){完全とまではいかないものの、嘘である}。 --実は、真理子は&bold(){シナリオ上第一ステージを絶対に突破できず、脱落することが決定されている。}これは他のアイドルを主人公にした場合どころか、''真理子自身を主人公にした場合でも同じ''。彼女が主人公の場合、''『ルーレットの数字を当たりに変える「ドリームボール」の1と3が絶対に売り切れている』うえ、『ルーレットは1か3しか指さない』''。つまり、蒲田真理子編クリアのためには、ビリになってデスライブで死ぬことが求められる。 ---このため、彼女のシナリオは全アイドル中最も短い。また、他のアイドルには用意されているダンス審査やソング審査にも進めないため、ステージの上で躍動する彼女を見ることはできない。ちなみに公式PVでも彼女が踊っている様子は一切なかったため、勘の良い人はそれで察していたようである。ゲーム発売前の公式人気投票(『電撃オンライン』誌の「アイドルデスゲームTV・アイドル総選挙」のこと)では1位を取っただけに、この扱いはあんまりである…。 ---なお一位記念で無料配信された彼女のvitaのテーマで流れる曲は、''彼女が決勝に進出した場合に聞けたであろう「ポジティブ☆絶対値(蒲田 真理子ソロver)」である。''当然ゲーム中ではどうやっても聞けないわけで…%%イヤミか貴様ッッッ!!%% --D.O.D編では彼女(と彼女のファングループ)が重要なポジションとなり、準主役と言っていい活躍をするのだが、上記の審査に進めないのは変わらず。裏を返せばD.O.D編に到達しない限り、彼女の活躍を見る事も救う事も出来ない。 --途中の演出で死体袋のシーンが映されるのだが、他のアイドルの名前はかすれていて読めないのに対し、''「カマタ マリコ」だけははっきりと読み取れる''。D.O.D編を除くいずれのルートにおいても、この場面までの彼女の死が前提になっているという開発側の意図が、明確に示されている。 --そもそも「D-ランキング88位。所属歴10年(一期生)で28歳の最年長メンバー」という設定の時点で何かしらの意図があったと思わなければならないかもしれないが、「だからこそ真理子をセンターにしたい」と思ったプレイヤーもおり、それらの人々からすれば納得のいかない仕様になってしまっている。 ---設定上では彼女についで人気の低い「D-ランキング43位」の「烏丸理都」はシナリオ面でかなり優遇されている(彼女だけエンディングが2種類ある)ことを考慮すると、やはり不公平感は否めない。 --シナリオ的な流れで言っても、若干不自然。 ---真理子は、第一ステージにて持っていくだけで合格になるという「ゴールデンドリームボール」を手に入れるが、''「あなたたちには未来があるから」''とこれを後輩の筑波しらせにポンと渡してしまう、と言うシーンがある(ちなみに、しらせが主人公の場合は何故か千春に渡してしまう)。このような描写を入れておくのならば、中途半端にプレイアブルキャラクターにするよりもプロローグ段階で殺してしまった方がかえって反感を買わなかったかもしれない。 --ドリパクが彼女に付けたキャッチコピーは「崖っぷちまであと1ミリ」となっている。他のメンバーに付けられたキャッチコピーは「本人が隠したい秘密」「本人も知らないスキャンダル」「本人は意識していないスキャンダル」等を示す物なのだが、彼女に関してだけは何故か''何を意味しているかすぐに分かる内容になってしまっている。''実はこのキャッチコピー自体が年齢を示す物だと見せかけて別の物を示している…というわけでもなく、ドリパクはちゃんとこれとは別の致命的になりかねないスキャンダルを用意している。彼女だけただの年齢弄りみたいになっているあたりからもドリパクがどう思っていたかを窺い知ることが出来る…のだろうか。 --なお擁護意見としては、「出番・イベント数が少なめでやや不遇な扱いの女性キャラ」というのはギャルゲーの定番要素であり、そのようなキャラが(判官贔屓などの理由で)やけに高い人気を集めることもよくある話である。人気投票における真理子の人気の高さは、そのような狙いが上手くハマった成果という見方もできる。 --1位を取った時の公約が''学生時代の制服を着て、デビュー当時の髪型にして、デビュー曲を歌う''という一際インパクトのあるものだったことも要因かもしれない。 ---実際人気投票で彼女はどうなっていたのかというと、ゲーム発売前の期間(約二ヶ月間)の中間発表の段階では僅差で首位におり、ゲーム発売後~投票期間終了(約一週間)の間で''そこから一気に票数を二倍近くに伸ばしそのままトップを譲らなかった。''他のアイドルたちは得票数が団子状態になっている中で一人だけ得票率27%を確保しており、やはり実際にゲームをプレイした人が動いた結果が出ていると言えよう。 #endregion **評価点 -アイドルたちがとても可愛い --一枚絵もそうだが3Dモデルでの描写も可愛く、キャラクターソングの出来もいい。デスライブで流れるとまた異様な雰囲気で、何とも言い難い気持ちにさせてくれる。%%ちなみにその場で方向転換するだけでパンツが見えるがカメラが遠いのが悔やまれる。%% --一枚絵は可愛らしいものだけでなく、アイドルらしからぬ鬼気迫る表情で叫ぶ他、絶望のあまり虚ろな表情を浮かべるなど、様々なものがあり、いずれも高クオリティである。 --キャラ設定も結構作り込まれていて、裏事情を抱えているアイドルが単に優勝を目指すだけでなく、独自の目的を果たそうとするなど見所もある。アイドル同士の確執や偏愛、葛藤などもあっさり目だがそれなりに描写されている。 ---中でも「筑波 しらせ」のシナリオは、本作のコンセプトに沿ったアイドルの二面性を上手く描写した出来となっている。彼女自身のキャラも強烈かつ個性的だが、同時に魅力的に感じたプレイヤーも多いはず。ただ、先述の通り初プレイでは選べないため、そこまで辿り着ける人でないと評価できないのだが。 --『[[アイドルマスター>アイドルマスターシリーズ]]』や『[[ラブライブ!>ラブライブ! School idol paradise Vol.1 Printemps / Vol.2 BiBi / Vol.3 lily white]]』で声を当てた中の人たちが出演しているためか、アイドルネタ、声優ネタ絡みのギャグも大量にある。 --また、マスコット兼デスゲーム仕掛け人のドリパクの声は山口勝平氏で、非常に板についた演技を見せている。プレイヤーを「ムカつく」気分にさせる演技力は流石で、声の使い分けも凄く、放送音声をオフにしたシリアスなシーンでドスの効いた声で話す際には、本当に同一人物なのか疑いたくなるほど。 --声優ネタはドリパクにも存在し、あるデスライブでは『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』をパロディしている。 --と、このようにキャラデザインに関しては申し分ないのだが、問題の多いゲームデザインのせいで本作の評価が芳しくないことから、再び彼女たちの姿を見る機会が望めないであろうことを嘆くファンもいる。 -D.O.D編のストーリー --裏事情を抱えた一癖も二癖もあるアイドル達が辛い過去や確執を抱えながらも協力し、主催者であるドリパクに挑む展開は引き込まれる。これまでのルートで散々不快感とウザさを振りまいてきたドリパクに一泡吹かせる爽快感は大きく、他のルートがほぼBADエンドのようなものしかないこともあって、D.O.D編をクリアすることでの達成感はひとしお。 --このルートのみで使用できる特殊なバクロワイヤルをはじめ、ドリパクの追い詰め方や結末など、演出のショボさが若干目立つのが難点だが、『ダンガンロンパ』や『[[逆転裁判>逆転裁判シリーズ]]』といった作品とは違ったカタルシスは一応ある為、D.O.D編までクリアしてこの作品を見直し、評価をいい方向に改めた人もきっといると思われる。もっとも、それまでにダレて投げ出してしまった人のほうが多そうだが。 --「アイドル達が殺害されているのにただの番組的な演出だと思い込んで疑わない」という他ルートに対し、「番組の真相に気づいたアイドル達が協力して死を回避しつつ、ドリパクを成敗する」ことで、結果的にはかえって勧善懲悪モノの筋書きに則ったような雰囲気が生まれるというコントラストも効いている。 -演出の細かさ --デスライブ中の右上テロップの他、探索パートでデータ放送連動企画のようなファンの声が画面に表示されるなど、演出面も「わかっている」感が凄まじい。 --イベント時には生中継されていることを表す表示が常に出続けるが、ドリパクが音声を切るように指示した際にはその表示が出る他、放送そのものを中断した際にはアイコンが消えるなど、テレビ番組を意識した演出は作り込みが細かい。 --荒唐無稽な世界観と思わせて、「地方局が処分を恐れて放送を中断した」「スポンサーが降りて公共広告のCMしか流れなくなった」「違法にネット視聴している奴らは今回だけは見逃す」「ロケ地が特定されたので警察が向かっている」など、放送による影響もしっかり描写している。 --「食事もトイレも行かないからやっぱり録画放送だろ」とか微妙にメタなコメントも流れる。 --ローディング中には「プロジェクト47」関係の作中用語、作中には出てこない他のチームメンバー、常連ファンの設定文章などが出てくることも。ゲーム内の世界観がきっちり作ってあることが窺える。 --ゲームの趣向に沿った、アイドルとしての華やかさと殺伐さが入り混じった描写。 ---ストーリー冒頭の番組OP(アイドルを一人一人紹介するムービー)は、入りはいかにもアイドル物らしい雰囲気なのだが、直後に暗い赤の色調に転換し、キャッチコピーが「偽りだらけの幸福」「復讐するは我にあり」「存在☆詐欺」などの酷い裏面を映し出したものにすり替えられ、それぞれを象徴する小道具(花や手鏡など)が無残な姿に変わり果てる、もしくは蜘蛛やナイフなど恐怖を感じさせるものが現れる、というもの((PV段階ではそれぞれのムービーが個別で流れていた。))。 ---ゲーム中のメニュー画面の背景では、アイドルそれぞれのイメージカラーが滴る血のごとくポタリ、ポタリと広がる。 -アイドルの裏側を描こうという心意気 --上述のムービーのように、二面性や裏側を強調した演出はなかなかのもので、華やかなアイドルの裏を暴こう・描こうという心意気は少なくとも感じられる。 ---ただ実際の処、アイドルのスキャンダルとしては(一部を除いて)これでも全然ヌルい方だったりする。&bold(){現実のアイドルグループのスキャンダル報道を見れば分かるように。} -いろんな意味で常軌を逸したデスライブ演出 --上述した通り殺された実感はさほど湧かないものの、おバカ要素としてはエログロも入り混じりかなり楽しめる。 --「爆弾とともに箱に詰められ脱出を計るも、ドリパクが正解の鍵を(おそらくわざと)入れ忘れて爆死」はある意味お約束だが、「ウォータースライダー競争に勝つために流れる水を油に変更したら((そもそも変更出来るボタンがある事自体がオカシイが。))競争には勝ったものの、ゴールと共に上がった花火が油に引火して焼死」「一日交通所長として交通違反を''何日も''取り締まり続け、結局事故死」など、間抜けな死にざまに見える罰ゲームが多数。 --また「バットが胸貫通」などどこぞのグロ漫画並みの不条理な死にざまも((実際はバットみたいな鈍器をそんな速度で人体にぶつけたら穴が開く前に衝撃で爆散する(ミンチになる)。))。ただCERO:Dを想定して製作したこともあってかアッサリ気味なのが惜しいところ。 **総評 あまりにも前評判を煽り過ぎたせいもあってプレイヤーからの評価は芳しくないことが多く、クソゲー扱いされがちだが、実際のところ「まったく遊べない」ほどひどい箇所はない。~ 作業感・消化不全感はあれど、初作として世界観を提供したという点を考えればそれなり、といったところ。~ アイドルのセンター争いとデスゲームものという独自性の高い題材や、魅力的なキャラなど評価出来る点も一応はあり、『ダンカンロンパ』とゲームとしての完成度で比肩するかと聞かれると頷き難いが、差別化そのものはしっかりと出来ている。~ ビジュアル重視で、シナリオについて脳内補完出来るユーザーならば、買っても損はないかもしれない。~ //ただ、CEROの兼ね合いもありグロやリョナを期待したユーザーにとっては完全に期待はずれ。ここはCERO-Z版が待たれるところである。 ---- **余談 -スタッフインタビューにより、一部のデスライブは開発段階で手直しが行われたことが明かされ、残虐描写の基準が曖昧であったことが示唆されている。 --バット貫通は最初は血飛沫を虹色のエフェクトで表現していたのだが、「これではCERO:Cくらい」とコメントされてリアルなものに変更したとされる。 --一方、ウォータースライダーは初期案ではスライダーの途中から鉋が仕込まれており、滑るうちに肉体を削ぎ落されるという凄惨極まりないものだったとのこと。 -アイドルを題材にした作品ながら、D3の看板アイドルである双葉理保はポスターとして登場するだけでストーリーには絡まない。 --双葉理保は(一応)正統派アイドルなので、このようなドス黒いストーリーの作品に絡ませるわけにはいかなかったのだろう。 -ニコニコ動画でD3公式の各アイドル達のキャラクターソングが配信されているのだが、''その動画説明文に縦読みが仕込まれている。'' --それぞれのヒロインの裏事情を反映させた内容となっているのだが、''ゲームをプレイした後で読むとゾッとするようなものも存在する''。 --その他、一部のキャラソンの歌詞にまで隠れメッセージと取れる内容が含まれている。 ---しかし裏を返せばネタバレともとれる内容である。やはり情報を出し過ぎた感は否めない。 -本作は東京ゲームショウ2016において体験会が実施されていた。入場入口の近くであり、30分~1時間待ちの行列ができていたことから、力を入れていた企画であり、それなりに注目がなされていたことが窺える。 --しかし、販売後に上記に記した、あまりに爽快感のない単調なゲーム性から低評価が相次ぎ、大幅な値崩れが起きた。発売してから半年足らずで大手の通販サイトで新品が1000円近くで販売された時もあった。 -関連グッズとして、プリントブロマイド、キャラソンCDおよびLINEスタンプが販売されている。 --Twitterアカウントがあり最新情報の告知がなされていたが、半年程度で更新が止まっており、今後続編などの新展開はあるのかどうか、ファンの間でも危惧されている。

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